【クロス】ダンガンホラーショー【安価なし】

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10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/18(土) 20:18:08.83 ID:LJHODpGf0

「ダメだよー。虫の分際で人間様に逆らっちゃー」

ブォンッ!

頭を噛みちぎられそうになったのを、なんとか避ける。

「逃げてもムダだっつーの!!」

「おらっ、死にたくなきゃ命乞いでもしてみなよ?」

「きゃははっ!自分より弱いやつを潰すのってサイッコー!!」

バターンッ!!


私は廊下に転がり出た。

部屋の中からはまだ蟻の罵詈雑言が聞こえてくる。


グレゴリー 「お客様、どうなさいましたか!?……なんと、蟻が!」ギィッ

グレゴリー 「小さく弱い虫ほど、己を守るために力をつけるものです。
       しかし、己が弱いことを知らぬまま生きる虫ほど、厄介なものはございません…」

グレゴリー 「人は己の罪によって、次の生を決めると言われております……この蟻は、己の
       身が人でなく、小さな蟻であることに気づけなかったのでしょう」

支配人は小さくなっていた蟻を摘まみ上げると、プチンッと潰してしまった。


グレゴリー 「このホテルに出る虫は、ほとんどが小さく
       害のない、哀れな生き物たちでございます。お客様も、どうかお慈悲を……ヒッヒッヒ」バタン





コツンッ…コツンッ…コツンッ


グレゴリー 「人はなぜ、何の害もない小さな蟻さえ踏みつぶしてしまうのか……」

グレゴリー 「汚い?恐ろしい?気味が悪い?いいえ、理由はただ一つ。"己より弱いから"でございます。
       おや、カウンターに蟻が……ええい、邪魔だ!」プチンッ
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/18(土) 20:19:57.84 ID:LJHODpGf0
第三夜は明日の予定

>>6
最後で「ええー」って言わせたいからです
それまでにバレたら諦めます

>>9
最初は日向が安価とコンマで魂集めるやつに
しようと思ったけど、システム周りめんどくさくて投げました
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/18(土) 23:13:52.13 ID:mHGptCOSO

グレゴリーホラーショーの世界観とか設定とか知らないからアレだけど、お化け蟻の正体は西園寺か?
だとしたら主人公も2キャラの誰かかな
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/19(日) 07:26:15.14 ID:T9coIF1DO
地獄のシェフとかキャサリンとかいたよな、懐かしい
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/20(月) 18:48:26.55 ID:VeyfBloo0
……彼女は気づいていないのですよ
自身がアリだという事に
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 16:18:22.16 ID:1fe2YrT10
お腹が空いて眠れない……

だけど、あのスープは……決して飲んではいけないものだった……。



<ギィィィ…


DANGAN HORROR SHOW


第三夜


<キャァァァーッッ


16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 16:23:56.42 ID:1fe2YrT10
???「ンフフ…ここが新しいお客さんのお部屋だね…?」

???「こんにちは!夜食はいかがですか?」ガラガラ


入ってきたのは…豚さん。

コック服を着た豚さんが、カートを引いて入ってきた。


カトレット「僕はカトレット.クック(Cutlet Cook)。このホテルの料理人さ。
      森の中を歩き通しでお腹もペコペコだろう?さあ、僕の特製スープをお食べ!」

カートに乗っていたのは、湯気のたったスープだった。

真っ赤なスープ…私は空腹に耐えかね、スプーンを取る。
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 16:32:34.85 ID:1fe2YrT10
ボコボコと泡だつスープ。

正直食べたくない……でも、空腹には代えられない……。


カトレット「あれ?どうしたの、もしかして……食べたくない?」

カトレット「好き嫌いはよくないよ」

カトレット「君のむっちりした手足や豊満な胸は素敵だけど…それがやせ細っていくのは
      見ていられないなあ……」

カトレット「よかったら、君がホテルにいる間、僕が専属シェフになってあげようか?
      一日三食、おやつも……長い夜を乗り切るためのあまぁ〜いスイーツも……」


なんだろう。

ぞわっと背筋が泡だつ。仲間のうちにこんな人がいなかっただろうか?


グレゴリー「これ、カトレット。あまりお客様を困らせてはいかん」

グレゴリー「しかし、困りましたなあ…以前にも、スープを呑むのを拒否したお客様がいらっしゃいまして。
      なんでも"血の味がした"とのことでしたが」

グレゴリー「そのお客様は何を食べたのかって?……いえ、その後は何もお召し上がりになりませんでした。
      その夜、お客様は忽然と姿を消してしまわれたのです」


そこで、カトレットの目がギラリと光った。


グレゴリー「いえいえ…もちろん、"偶然"でございますが……ヒッヒッヒ」


……私はもう一度スプーンを取った。



18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 16:41:52.00 ID:1fe2YrT10
「……」ズズッ


やや鉄くさい味がする。だが、食べられないほどではない。


「……」ズーッ

私は淡々と、スープを口に運ぶ。


グレゴリー「いかがですかな?」

グレゴリー「当ホテルの料理長、カトレットが100時間煮こんだ自慢のスープでございます。
      お客様にもご好評でして……」


ガキンッ!


!?

私は思わず、口の中のものを吐き出す。
奥歯に当たった固い感触……それの正体が、床に転がった。


……ピアス。

ひびの入った、リングピアスだ。


グレゴリー「おや、どうなさいました?お客様」


支配人の顔が歪む。視界が、ぐらぐらしている……。

ガタンッ!

私は耐えきれず、床に倒れこんだ。


グレゴリー「おや。味がお気に召さなかったご様子で」

カトレット「ちょうどスープストックが足りない所だったんだよね…ンフフフ」

グレゴリー「おやめなさい、カトレット。素材の新鮮さも大事だが、まずは」


二人の声が反響して聞こえる……まるで水中を漂うみたいな視界……。


グレゴリー「下ごしらえがいるだろうな」

カトレット「……下ごしらえ?」

グレゴリー「そう。"恐怖"という名の、下ごしらえがね……フォッフォッフォッフォ」



19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 16:42:50.64 ID:1fe2YrT10
今日はここまで
>>1は審判小僧が好きです
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