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巌窟王「亜種並行世界!」 アンジー「虚構殺人遊戯:才囚学園ー!」
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539 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/30(土) 16:53:08.45 ID:U2kMLWAU0
入間(最原がいる限り普通の事件では確実に俺様の方に疑念が向く。普通じゃない事件の方も同様だ)
入間(あの超高校級の探偵の才能は、事件を起こそうとする人間に対して危険すぎる)
入間(ならば、と俺様は考えた。例えば『犯人が犯人じゃなかった場合はどうだ』と)
入間(正確に言うなら『事件が起こった後と起こる前で、被害者と犯人が別人に変わっている場合』はどうだ)
入間(そう。俺様は巌窟王を手に入れるために、俺様自身の命を諦めることにした)
入間(まあ……流石にただの自殺じゃない。計画はこうだ)
入間(あの新世界プログラムの隠された能力を使う。俺様はアイツらに嘘を吐いた)
入間(新世界プログラムに人間を殺傷する能力などない、と言ったのは完璧に嘘だ)
入間(新世界プログラムの殺傷能力が隠された能力の内の一つ。もう一つは……人格のインストール)
入間(まず新世界プログラムの中でアンジーを殺害。その後、俺様の人格を夜長アンジーの肉体にインストールする)
入間(なお、そのときに使うのは俺様がプログラム世界の中に意図的に唯一残したハンマー)
入間(その後、入間美兎の肉体の機能を完全にシャットダウン)
入間(外の世界の真実を知った後、外に出て来たときに生徒全員が見るのは『俺様の死体』だ)
入間(夜長アンジーの体の方は俺様が乗っ取ってるから、まさか本当に殺されているのがアンジーだなんて全員夢にも思わないだろうよ)
入間(……死体の方はもったいなさ過ぎるから、後でどうにか保存すっか。これから貧乳ドブスの体の中に入って生きなきゃならないと思うと泣きたい)
入間(だがこの計画にはメリットがある。まずアンジーの優れた魔術回路がすべて俺様のものになる)
入間(アンジーの血液を使って、どうにか魔術回路を俺様に移植できないかと頑張ってみたが……)
入間(副作用だらけで死にかけたからな。マジで。人間ってあそこまでゲロ吐けるんだな……)
入間(ケケケ。さあ。楽しみだぜ。巌窟王。今日からテメェは俺様のモンだ!)
同時刻 スパコン室
巌窟王「ふむ。なるほど。確かにこれならばアンジーも夢は見ないだろうな」
巌窟王「……む? 入間め。ケアレスミスだな、これは。仕方ない、俺が修正しよう」
コンソール『ハンマーのオブジェクトを消去しました』ピロンッ
巌窟王「卒業アルバム作りのために培ったノウハウが生きたな」カタカタカタ
540 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/30(土) 16:57:33.25 ID:U2kMLWAU0
休憩します!
あー。ここまで来るのに長かった。
ぐだ男「おうち帰る」 マシュ「は?」
の390レス目の日付見る限り三か月かかってますよ、ここまで来るのに
541 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 17:05:58.92 ID:d4P4jTiq0
乙
早速計画が頓挫しそうですね入間ちゃん
542 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 17:43:27.68 ID:4aW78M300
って事は白銀たちの計画も頓挫?
543 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 18:41:20.13 ID:5x8G2V3U0
まわすなら三騎士なんかね、やっぱり
544 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/30(土) 20:31:34.05 ID:U2kMLWAU0
校舎内 某所
入間「おし。あとは……あっちだな。設置は急がねぇと」スタスタ
白銀「……」
白銀「へえ。大したものだね。巌窟王さんの通信装置のみに通用するEMP兵器だなんて」ヒョイッ
モノクマ「ボクたちでもあの装置についてはわかってないことは多いのに……流石に腐っても超高校級の発明家なだけはあるね」
白銀「まあ通信している以上、あのデバイスと巌窟王さんのホームを繋いでいるのは電波に類する特殊な波だとは仮定できるわけだけど」
白銀「そこを特定できるからってどうにかできるのは彼女だけだよねぇ」
白銀「……彼女が退場した後も、あの才能はなんとか活用したいものだけどなぁ」
モノクマ「ふっつーにムズいと思うよ」
白銀「だよねぇ」
白銀「……ま、いっか。断捨離断捨離」
モノクマ「ところで、巌窟王さんが新世界プログラムになにかしてるみたいだけど」
白銀「校則がある以上、破壊されない限りは大丈夫だよ」
白銀「ま、入間さんにとってどうかは知らないけどさ」
スパコン室
巌窟王「む? 入間の設定が『物属性』になっているな。『人属性』に戻すか」カタカタカタ
545 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/30(土) 20:36:45.52 ID:U2kMLWAU0
夜
最原「……」
最原「約束の時間だ」
百田「行こうぜ、終一。外の世界の真実ってヤツを拝みによ」
春川「……一体何が待ち構えてるんだろう」
百田「安心しろ。何があろうと俺が一緒だ」
春川「……バーカ。私より弱いくせに」
百田「んっだとコラ」
キーボ「行きましょう! きっとその先で夢野さんに会えるはずです!」
入間「……」
入間(始まる。俺様の計画が……!)
546 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/30(土) 20:41:42.74 ID:U2kMLWAU0
スパコン室周辺
入間「おっし! 準備はできてんぜザコども! 俺様たちの前にもう障害は何一つとしてねぇと保証してやる!」
入間「あとは俺様の指示通りにしておけば大丈夫だ!」
最原「……こういうときの入間さんは頼りになるよね」
入間「……」
入間「……うひっ」テレッ
王馬「うわあ。もっと気持ち悪くない照れ方しなよ。目が腐りそう」
入間「目が!?」ガビーンッ
茶柱「誰の目が腐ろうがどうでもいいです。早く済ませて夢野さんの捜索に戻りましょう」
最原「……結局見つからなかったんだね?」
赤松「うん。そういう口調の最原くんは、そもそも探しもしてなかったみたいだね」
最原「それは……」
赤松「いいよ。わかってる。私たちの方が間違ってるくらいだからさ」
最原「……」
最原(何もできなかったのは入間さんが準備をしている間に、彼女の研究教室に忍び込んでいたから、なんだけど……)
最原(そんなこと言えるはずもないか)
547 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/30(土) 20:45:03.12 ID:U2kMLWAU0
入間「オープンザドアー! さあ、ここから先が俺様の……」
巌窟王「む? 入間か?」
入間「……」
入間「お? 巌窟王?」
アンジー「あれれー? 先に来てたんだねー?」
巌窟王「ああ。全員揃っているのか」
入間「……おい。お前。おい。コンソールいじくって何を……」
巌窟王「クハハ、お前のミスを俺が今修正してやったところだぞ! 喜べ!」ギンッ
入間「……」
入間「…………」
入間「は???????????????????????」
548 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/30(土) 20:50:13.21 ID:U2kMLWAU0
入間「どけ」
巌窟王「クハ?」
入間「どけっ!」ガンッ
巌窟王「!?」
最原(入間さんは跳ねるようにコンソールに近づき、巌窟王さんを突き飛ばし、コンソールにかじりついた)
最原(そして画面を凝視しながら何かを高速で操作して……)
最原(顔面を真っ青にして動きを止めた)
入間「……は、ははははははは……確かに……ミスしてたみたい、だな……?」
入間「ああ、うん。ありがとう巌窟王。お陰で助かった。助かっ――」
入間「……」
入間「びえええええええええええええええええええええええんっ!」ダバーッ
巌窟王「!?!?」ガビーンッ
入間「うわあああああああああああああ……ふざけるな! ふざけるな! バカヤロー!」
入間「うわああああああああああああああああ……!」
巌窟王「……ん? 何故泣く? そこまで嬉しかったか?」オロオロ
最原「明らかにそういう涙じゃないよッ!」ガビーンッ!
549 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/30(土) 20:51:12.30 ID:U2kMLWAU0
今日のところはここまで!
550 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/30(土) 23:15:11.16 ID:bnw9UB/7O
その泣き方されるとバタフライエフェクトで雁屋が救われるからやめよう
551 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/31(日) 02:29:39.38 ID:7vqCZlgc0
突然のHITACHI切嗣エミュは笑い転げて四つん這いになるからもっとやれ(推奨)
552 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 08:10:29.57 ID:jQNeEopp0
入間「ひっく……ひっく……」
アンジー「よしよし」ナデナデ
最原「入間さん、部屋の隅で膝かかえちゃったね……」
星「無許可でプログラムを弄られたのが余程ショックだったんだろう。理由はよくわかんねーが」
東条「巌窟王さん。あなたにはデリカシーというものが一匙足りないわ。大体……」クドクドクド
巌窟王「……」ムスーッ
百田「巌窟王の野郎は東条に説教されて不貞腐れてやがるしよ」
春川「まあ本人は善意でやったんだろうから解せないとでも思ってるんでしょ」
最原「……」
王馬「にしし。今までやってきた工作が無駄になっちゃったね……」ニヤァ
最原「無駄になった方がいいよ」
最原(王馬くんと組んだのは偶然だった。入間さんの研究教室を探っている内に、彼が合流し、協力を持ち掛けてきたんだ)
最原(どうせ何かを企んでいるんだろうから、それを二人がかりでぶち壊してやろうと)
最原(……具体的な策は聞かされなかったけど、もうそれも必要ない。どうやら巌窟王さんが先に無自覚に壊したみたいだし)
553 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 08:51:59.17 ID:jQNeEopp0
最原「それにしてもこの人……」
巌窟王「……」ブッスー
東条「第一、無形のものとは言え情報や文字列も個人にとっては重要な財産なわけで……」クドクドクド
最原(勘がいいのか悪いのかさっぱりわからないな! 入間さんのことをちょっとでも疑えば、逆に計画を壊したりしなかっただろうに!)
入間「う、うう……ちくしょう。ちくしょう……」
茶柱「入間さん。そろそろプログラムの中に入れてくれませんか?」
入間「勝手に入れよぉ。私、もう知らないぃぃぃ……」
百田「一人称変わってんぞオイ」
赤松「あれ? 百田くん知らない? 極限まで追い詰められると入間さんの一人称って私になるんだよ?」
春川「死ぬほどどうでもいい情報をありがとう」
最原「……残った人が僕たちの体にイタズラしたりしたら困るし。やっぱり全員で入るべきだと思うな」
王馬「あれ? その理屈だと、首謀者が俺たち十六人の中にいない場合は、やっぱり無防備な状態の生身を放っておくことになるよね?」
星「最悪の可能性として、夢野が首謀者だった場合も危険度は同等だな」
茶柱「……」ブチッ
白銀「待って待って! 切れるの早いよ茶柱さん!」
554 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 09:11:20.37 ID:jQNeEopp0
巌窟王「……」
巌窟王「東条。一旦説教は中止だ」
東条「え?」
ゴオオオオオオオッ!
巌窟王「よし。ドアを焼き潰した。これで大丈夫だ」
赤松「何が!?」ガビーンッ
春川「熱っ……近づけない。これ冷えたら固まってドアが完全に開かなくなるよ」
真宮寺「完璧に閉じ込められたネ」
百田「うおおおおーーーッ! 何やってんだテメェーーーッ!」
巌窟王「閉じ込めたのではなく、締め出したのだ! これで安心して中に入れるだろう」
最原「……外に出るときは?」
巌窟王「再度ドアを焼く」
アンジー「さっすが神様! 賢い!」
最原(いや発想が完全に脳筋なんだけど……!)
555 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 09:22:49.46 ID:jQNeEopp0
休憩します!
556 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 15:21:06.44 ID:jQNeEopp0
巌窟王「よし。アンジー。少し多めに魔力をよこせ」
アンジー「いいよー!」
ズゥッ
最原「……!」
天海「……最原くん。気付いたっすか?」
最原「……魔術とかは完全に僕にとっては専門外だけど、流石にわかるよ」
最原「明らかに以前までとは『何か』が違う。多分、量が」
巌窟王「フン。あのただの小娘がよくもまあここまで成長したものだ。感嘆に値するだろう」
百田「わかるように言え、巌窟王!」
巌窟王「偉いぞアンジー」ナデナデ
アンジー「……うん。とってもとっても頑張ったからねー」
巌窟王「先に行く。お前たちも後でついて来い」
最原「え? 先に行くって?」
スウッ
最原「……え? 消えた?」
赤松「あ、あれ!? 巌窟王さん、どこ!?」キョロキョロ
獄原「先に行く……って言ってたから、あの機械の中に入ったんじゃないかな?」
入間「ゴン太にしては鋭いじゃねーか。その考察が多分正しいぜ」
入間「魔術の神秘の塊の巌窟王は、言っちまえば情報の塊だからな。体質を変えれば電子虚構世界に入り込むのも容易だろうよ」
入間「前提として機械に対しての親和性……言っちまえば知識が必要だが、まあ俺様の仕込みを軽々ぶち壊した巌窟王なら問題はねぇだろ」
真宮寺「先に行くって言ってたネ。僕たちもそろそろ入るべきじゃないかな?」
東条「……あ」
白銀「どうかした? 東条さん」
東条「逃げられたわ」
白銀「……抜け目ないね!? 本当にあの人!」
557 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 15:33:33.31 ID:jQNeEopp0
最原(とにもかくにも、僕たちは巌窟王さんに言われた通り準備を始めた)
茶柱「あ。ゴン太さん。右はお箸を持つ方の手……」
茶柱「……そういえばゴン太さんは箸は左で持つんでしたね。ごめんなさい。こっちです」
獄原「こ、こう?」カチッ
最原「あれ? よくゴン太くんの箸のこと覚えてたね?」
茶柱「前に教育的指導をしたときに……」
獄原「うん。うっかりテーブルに片肘をつくっていう紳士的じゃないテーブルマナーを犯しちゃったんだ……そのときに」
最原(多分ぶん殴るとか過激な指導したんだろうなぁ……男子には容赦ないし)
入間「……じゃあ入るぜー。あー、もう……面倒臭ぇ」ポチッ
最原「……」
最原(外の世界の真実、か)ポチッ
558 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 15:44:57.33 ID:jQNeEopp0
プログラム世界の中
巌窟王「あったな」
思い出しライト「」ドーンッ
巌窟王「……」カチッカチッ
思い出しライト「」ピカッピカッ
巌窟王「……やはり作用しないか。当然と言えば当然だが」
巌窟王「それにしても遅い。一体どこで何をしている」
洋館の中
最原「……あ、あれ!?」
赤松「これがプログラム世界……?」
茶柱「凄い! 現実の世界とまったく遜色がないじゃないですか!」
天海「……あれ。おかしいっすね。前に王馬くんから話を聞いたときは……」
最原(そう。前はグラフィックがあからさまにショボかった。なのに、今、目の前に広がっている光景は……)
最原(現実とまったく遜色のない世界。見た目も、感覚も、すべてが)
春川「入間。これって……」
入間「あ、あれれぇ!? 何これ! どうなってるのぉ!?」アタフタ
王馬「ガチで慌ててるね。入間ちゃんのせいじゃないみたい」
白銀「じゃあ、巌窟王さんがこの世界に何かを……?」
王馬「そんな意味のないことするような人かなぁ?」
最原(そうだよな……プログラム世界の中が進化したからって、巌窟王さんに得なんてないし)
559 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 15:54:26.70 ID:jQNeEopp0
入間「……アバターの平均化の設定も解けてやがる!」
獄原「平均化?」
入間「要するにゴン太は外の世界と同様にバカ力は出せねぇし、キーボも多少はパワーアップするって話だよ!」
キーボ「あ。やっぱりボクの能力って平均以下と思われてたんですね……」
王馬「超高校級の肩書に対して恥ずかしくならない?」
キーボ「なりません!」
赤松「でもその設定が解けてるってことは、正真正銘、この世界は現実と変わらないってこと?」
入間「……そういえば昨日、新世界プログラムを開いたとき妙なアップデートがあったな……」
最原(……なにか妙な雰囲気になってきたな。モノクマが校則を作ってまでこの装置を守ろうとしたことと言い)
最原(早く用件を済ませて外に出た方がいいかもしれない)
茶柱「それじゃあ、早く外の世界の真実とやらを探して……」
茶柱「そういえば巌窟王さんはどこに?」
赤松「あ」
洋館の外
巌窟王「……まだか」ブルブル
外の気温 マイナス七℃
天候 大雪
560 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 15:55:34.79 ID:jQNeEopp0
休憩します!
561 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 17:28:46.99 ID:jQNeEopp0
最原「手分けして探そう。巌窟王さんは多分、先に外の世界の真実を探しているんだと思う」
百田「俺たちの目的の場所に巌窟王が先に辿り着いてる、か。ありえなくもねーか。いい格好したがるからなアイツ」
アンジー「よーっし! それじゃあ外に出て神様を探し」ガチャリンコッ
ビュオオオオオオオオオ!
アンジー「死」バタンッ
茶柱「死!?」ガビーンッ
春川「軽く吹雪いてるね。寒いから長時間の活動は危険かも」
真宮寺「……それより夜長さんが寒さのショックで倒れてるけど」
獄原「アンジーさん! アンジーさんしっかりして!」ガクガク
アンジー「アンジーの骨は……海にまいて……」ガタガタ
王馬「顔が面白いくらい土気色ー!」ケラケラ
茶柱「面白がってる場合じゃないですから!」
562 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 17:41:16.91 ID:jQNeEopp0
最原「ひとまずアンジーさんは洋館の中の捜索チームで確定かな」
百田「終一! 俺と一緒に外出ようぜ!」
アンジー「……」ピクッ
最原「いいけど、なんで?」
百田「雪遊びするしかねぇだろ! こんだけ雪あったら!」
春川「バカ丸出しすぎるでしょ。状況わかってる?」
王馬「ヒャッホーウ! まだ足跡がついてない綺麗な雪に俺の足跡を刻むんだーーー!」ザクザクザク
獄原「ああ! 王馬くん! 先に行ったら危ないよ!」
春川「……バカしかいないの?」
天海「案外、巌窟王さんも先に来て遊んでるかもしれないっすよ」
春川「……」
春川「いや、多分それは……ないよね?」
洋館の外
巌窟王「……」コロコロ
暇すぎてミニチュアスノーマンを作っていた
563 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 17:49:34.83 ID:jQNeEopp0
天海「ひとまず男子が全員外を捜索して、女子が全員館内を探すってことで大丈夫っすよね?」
春川「ちょっと大雑把すぎる決定だけど、異存はないよ」
アンジー「……竜馬ー。アンジーも外行きたい」
星「俺に代われと? フン……お前さんがそれでいいのなら別に構わねーが……」
星「後悔はするなよ」
最原「え? いや、アンジーさんは中を探した方が……」
ギュッ
アンジー「抱き着いてれば寒くないよー!」キラキラキラ
最原「ええー……」
茶柱「不潔です」
最原「僕に言われてもなぁ!?」ガビーンッ
百田「いいから行くぞ!」ダッ
東条「……」
東条「……!」
赤松「東条さん? どうしたの?」
東条「体の怪我が全部なかったことになってるわ」キラキラキラ
赤松「あ。本当だ……元から治りかけだったけど」
東条「……」フラーッ
赤松「あ! ちょ! 東条さん!」
白銀「外に行っちゃったね。感激に身を任せてどうかしている」
星「命は投げ捨てるものじゃねぇ」
赤松「あー……東条さんなら大丈夫だろうけど……」
564 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 17:59:29.92 ID:jQNeEopp0
最原「……ん? 百田くん! これを見て!」
百田「どうした終一?」
最原「こんなところに雪だるまが……」
百田「……巌窟王が作ったものか? 他にここに来そうなヤツなんていねーもんな」
最原「でも姿が見えないんだ。視界がそこまで悪いわけじゃないんだけど……」キョロキョロ
百田「おいおい。ここ崖になってんじゃねーか。緩い斜面だから余程勢い付けて転がり落ちない限りは大丈夫だろうけどよ」
最原「こっちに巌窟王さんが行ったとは思えないから近くにいると思うけど」
ザバァンッ!
最原&百田「!?」ビクゥッ
巌窟王「……来たか」
最原「が、巌窟王さん!? 雪の中にいたの!?」
巌窟王「ここに来たのがお前たち二人でよかった。これを受け取れ」
思い出しライト「」ドーンッ
百田「こりゃあ……思い出しライトか?」
巌窟王「それでは俺は……」
巌窟王「!」
最原「ん?」
最原(巌窟王さんが何かに視線を向けて、ふと口を止めた。その先にいたのは東条さんだ)
最原「え? 東条さんがなんでこんなところに……」
百田「……おい。終一。巌窟王が消えてんぞ」
最原「はい?」
最原「……」
最原「……ああ! 東条さんから逃げた勢いで崖から落ちたんだ!」ガビーンッ
百田「救出は……後でいいだろ。お前たち二人でよかったってこういう意味かよ……」
565 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 18:02:27.00 ID:jQNeEopp0
東条「あ。二人とも……その手に持っているのは思い出しライト?」
最原「うん。多分コレが外の世界の真実の正体だと思う」
東条「そう……」
東条「……あら? アンジーさんは?」
最原「あれ? さっきまで僕にべったりだったのに……」
凍えたアンジー「」ウマルーン
百田「雪に埋まって動かなくなってんぞ! オイ!」
最原「いつの間に!? うわあ! ありえないほど肌が白くなってる!」ガビーンッ
最原「ああもう、主従揃って手間をかけさせてくれるよ!」ザッザッ
百田「さっさと掘り出せーーーッ!」ザッザッ
566 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 18:09:26.32 ID:jQNeEopp0
そろそろ更新なんで休憩!
567 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 18:55:44.95 ID:jQNeEopp0
おええええええええええええ(あまりの情報の多さに吐いてる)
568 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/31(日) 19:00:19.89 ID:0jIPQULW0
やべぇよ、やべぇよ…
569 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 19:01:36.58 ID:jQNeEopp0
菌糸類は頭おかしいよ……なんで……なんでこんな酷いことできるん?
これがっ、これが人間のやることかよおおおおおおおおお!
あ、更新再開しまーす
570 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/31(日) 19:03:07.31 ID:yKLjALbc0
おう、どういう事だ説明しろ巌窟王(序章読了)
571 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 19:06:13.61 ID:jQNeEopp0
巌窟王「……」
巌窟王(さて。俺は……どうするか)
巌窟王(外の世界の真実とやらがどれだけ絶望的な内容なのかは知らんが、もうアンジーは大丈夫だろう)
巌窟王(俺がいなくとも、おそらく最原や百田などと結託し、外の世界へと戻っていけるはずだ)
巌窟王(……間違ってもあの人間城塞のようにはなれない。そうならないように俺がヤツの魂を堕とした)
巌窟王(子供なら、もっと素直でいい。ワガママでいい。癇癪を起こし、周りに当たり散らすのもいいだろう)
巌窟王(そうして自分の無力さを知って、諦めて、だがそれでも譲れないものがあることに気付いて……そうやって成長していけばいい)
巌窟王「……ふん。令呪さえなければいつでも消えてやるものを」
巌窟王「だがまあ、仕方ないだろうな」
崖「」ドドーンッ
巌窟王「……」
巌窟王「……魔力が勿体ないな。自力で登るか?」
巌窟王「……登れるか?」ズーン
572 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 19:13:33.05 ID:jQNeEopp0
洋館の中
天海「というわけで全員揃って帰還っす」
赤松「外の世界の真実って、思い出しライトのことだったの?」
星「タイミング的にはドンピシャだ。意味を感じる。間違いない、と見ていいだろう」
星「だがここはプログラム世界だろう? 果たして外の世界と同じように思い出しライトが機能するのか?」
入間「理屈上はまったく問題ねぇな」
キーボ「……誰が起動させます?」
真宮寺「待って。その前に一つだけ確認したいことがあるんだけど」
真宮寺「……巌窟王さんはどこに?」
百田「後で俺たちが救出するから大丈夫だ」
最原「というか巌窟王さんなら多分自力でどうにかできると思うけど……」
真宮寺「……よくわからないけど居場所に検討はついてるわけだネ。ならいいヨ」
赤松「……東条さん? 大丈夫?」
東条「あまり、大丈夫ではないけど……」
東条「だからと言って待ってもらうわけにはいかないわ」
最原「じゃあ、スイッチを入れるよ!」
百田「おう!」
最原(大丈夫。この場には夢野さんはいないけど、後で絶対に見つけてみせる)
最原(そして、どんな残酷な真実が待っていようと、僕たちには巌窟王さんがいる)
最原「絶対に大丈夫……」
カチッ
573 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/31(日) 19:16:07.03 ID:7gNIcBPh0
糞作家ネギまで作者生命絶てば辱描かずに済んだ何恋ヶアロード糞重たいFGOにすがるなゴミ袋作家
574 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 19:16:58.27 ID:jQNeEopp0
最原のビジョン
最原(直後に見えたのは……荒廃しきった世界)
最原(人も植物も、何もかもが死に絶えた世界)
最原「え」
最原(海も干上がり、大地は割れ、星が欠けた虚無の世界)
最原「……え? え?」
最原(死。死。死)
最原(みんな死んだ。みんな死んだ。みんな死んで――)
死死死死死死死死――
死死死死死死死死死死――
無。
最原(……なにもかも、終わっていた)
最原(帰る場所が……見えなかった)
575 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 19:24:09.20 ID:jQNeEopp0
最原「なんだよ。コレ……こんな。こんなはずは……!?」
東条「……ごほっ」ガクリ
星「ッ! 東条!」
東条「……ふーっ……ふーっ……!」ガタガタ
最原「……あ」
最原(呆然としていたせいで反応が遅れた)
最原「……呼吸、できてない、の?」
最原「東条さん!」ダッ
星「まずいなコレは。過呼吸を起こしてる」
最原「落ち着いて東条さん! あんなの……!」
最原「あんなの……」
最原(……嘘だ、と言うことは簡単だ。だけど現実は変わらない)
最原(あの記憶は間違いなく僕自身の……!?)
576 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 19:36:21.43 ID:jQNeEopp0
東条「……い……!」
最原「なに! 東条さん! なんでも言って!」
東条「ごめんなさい……!」
最原「!」
東条「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」ポロッ
星「東条……」
最原「違う!」
東条「……?」
最原「東条さんは何も悪くない! だから謝らなくっていい!」
最原「……謝らないでよ!」
東条「ふうっ……ふうっ……うう、ううううううううう……!」ポロポロッ
最原「……」
最原(東条さんの涙が何でできているのか、僕にはわからない)
最原(わからないけど……少なくとも彼女が何も悪くないってことだけはわかる)
最原(巌窟王さんでも絶対にそう言うはずだ)
百田「……」
百田「おい。誰か、この部屋に近づいてきてねーか?」
最原「え?」
赤松「……巌窟王さんじゃ、ないの?」
百田「それにしては何か、足を引きずってるような音が……」
ズルッ……ズルッ……
最原「……誰……?」
577 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 19:40:14.55 ID:jQNeEopp0
ドガバタンッ
最原「……!」
巌窟王「クッ……お前たち、無事だったか」
白銀「が、巌窟王さん! どうしたの、凄い血!」
最原(部屋に入ってきたのは、雪と血でべっとり体を濡らす巌窟王さんだった)
最原「どうしたの! 何があったの!」
巌窟王「帰ってくる途中で落とし穴にハマった」
王馬「あ。それ俺とゴン太が作ったヤツだね。中に竹槍とか入ってたら間違いないよ」
巌窟王「入ってたぞ」
王馬「めんご! 巌窟王ちゃん!」テヘリンッ
最原「この期に及んで凄いな王馬くん!」ガビーンッ
578 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 19:44:40.59 ID:jQNeEopp0
巌窟王「く、クハ……眠い」バタリンッ
巌窟王「ぐー」スヤァ
百田「おい。巌窟王……」
真宮寺「……寝ちゃったネ」
王馬「とりあえずソファに寝かせて毛布でもかけておこうよ。ゴン太」
獄原「う、うん。流石に床に転がしておくのは可愛そうだもんね」
白銀「あ。私、リネン室に行ってくるよ」
白銀「……う……」フラッ
ガシッ
キーボ「し、しっかりしてください白銀さん」
白銀「あ。ああ、ごめん、キーボくん……」
最原「……やっぱりみんな、ダメージは深刻、か……」
王馬「巌窟王ちゃんだけダメージの意味が違うけどね」
百田「テメェのせいだろ」パシーンッ
王馬「痛ァ」
579 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 19:46:53.67 ID:jQNeEopp0
休憩します!
580 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 20:05:22.21 ID:jQNeEopp0
リネン室
白銀「……」
白銀「モノクマ? いる?」
モノクマ「はいはーい。ここに」
白銀「巌窟王さんは後で強引にでも、って予定だったけど。あの有様だからさ。タイミング見て楽にやれそうだよ」
モノクマ「そだね! じゃ、後は手筈通りに……うぷぷ」
白銀「……ま。全部が全部、とはいかないだろうけどさ。四章の事件は御覧の通り欠番にせざるを得ないから」
モノクマ「うん。うん。そこは仕方ないね。コーラを飲んだらゲップがでるくらい仕方ないよ」
白銀「多分、入間さんだけは正確に気づいてたはずなんだけどなぁ。ほとぼりが冷めたら、の本当の意味」
白銀「でもまあ、約束は約束。熱されないのなら仕方ない。このままあの扉をオープンにしよう」ニコニコ
モノクマ「このままだと色々破綻するけど?」
白銀「いいよ。余興だもん」
581 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 20:19:20.71 ID:jQNeEopp0
アンジー「……」
最原(……巌窟王さんの服を掴んだまま動かない。一言も声を聞いてないし。大丈夫かな)
星「ほら。東条、水だ。つっても、この世界で飲んだところで意味があるかは知らんがな」
東条「ありがとう。二人とも」
最原「……え? 僕も? 何もしてないけど」
東条「……いいえ。したわ。とっても大事なこと」
最原「?」
星「……鈍感だな。こんなときは超高校級の探偵だとは思えねーぜ」
赤松「……ねえ。どういう意味だと思う? あの記憶って」
茶柱「地球が滅んだ、ということでは?」
赤松「それなんだけど……私たち、それじゃあなんで生きてるの?」
赤松「それ以前に、ここはどこ?」
茶柱「それは……」
茶柱「……あ、あれ。わかりません。そういえばここ、どこなんでしょう?」
春川「普通に考えれば宇宙船とか、地球ではないどこかと考えるのが自然だけど」
春川「その割には重力とか普通に感じるよね?」
真宮寺「結局のところ、地球が……いや、外の世界が滅んだ以上の記憶が蘇ってないんだよネ」
真宮寺「どうしてモノクマがこの情報を前倒しにしたのかも、意図がわからない」
最原「……ひとまず外に出よう。それから考えて――」
入間「外に? なんでだ?」
最原「え?」
582 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 20:26:35.70 ID:jQNeEopp0
入間「もういいじゃねぇか……外に出たところで死んじまうだけなんだからよ……」ガタガタ
入間「なんだったんだ……俺様がやってきたことは……なんだったんだよ……!」
最原「……いや。一つだけよかったことがあるよ。この記憶を思い出せて」
入間「ああ?」
最原「だって、僕たちはまだ誰一人として死んでない!」
百田「!」
最原「外の世界が滅んでるってわかった今、卒業のルールには何の意味もないんだ!」
最原「これ以降、どんな動機をモノクマが提示しようと、報酬に見合わないのならコロシアイは起こらない!」
百田「……ああ。そうだな。その通り、だな」
百田「んだよ。結構いいことだらけじゃねーか! もう俺たちは仲間に怯えなくっていいんだぜ!」
入間「んなもん……気休めにも……」
白銀「ただいまー。リネン室から毛布を貰ってきたよー」
白銀「……?」
最原「……白銀さん? どうしたの?」
白銀「巌窟王さんは?」
最原「え?」
最原「……あ、あれ?」
最原(言われて気付いた)
百田「……巌窟王がいない? アンジー!」
アンジー「あ、ひ、い……!」ガタガタ
最原「……アンジーさん? どうしたの? 何が……!?」
アンジー「……やだ……もう……やだ……!」ガタガタ
最原「アンジーさん……!」
583 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 20:35:57.60 ID:jQNeEopp0
ヒューッ ドスンッ
巌窟王「ぐ……!?」
巌窟王「……む。ここは……プログラム世界の外か?」
巌窟王「戻ってきたのか? いや違う……この感覚は弾き出された、と考えた方が妥当か」
巌窟王「一体何故……」
ピロンッ
巌窟王「む?」
アンジー「う、うう……あうううう……!」ガサゴソ
巌窟王「アンジー? 戻ってきたのか?」
アンジー「あううううううう……」ガリガリッ
巌窟王「よせ。慌てるとヘッドギアが余計に取れにくいぞ。今そっちに行く」タッ
ゴソリッ
巌窟王「ほら。取ったぞ。一体どうし――」ガバリッ
アンジー「うううううううう……!」
巌窟王「……アンジー?」
巌窟王(抱き着かれた。強く。強く。こちらの身動きができないほどに)
アンジー「やだ……離れないで……行かないで……!」
アンジー「おいてかないでよぉ……アンジーのことを離さないで……!」
巌窟王「……何があった?」
アンジー「うああああああ……ッ!」
584 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 20:37:19.56 ID:jQNeEopp0
休憩します!
585 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 21:04:19.65 ID:jQNeEopp0
スパコン室
最原「……う……」ゴソリッ
最原(巌窟王さんが消えた後のアンジーさんの取り乱しようは酷いものだった)
最原(憔悴している入間さんに向かって外に出る方法を聞くために詰め寄り、無理やり聞き出してそのまま脱出)
最原(心配になった僕が一番最初に出てきて、そこで見たのは……)
最原(大泣きするアンジーさんに抱き着かれている巌窟王さんだった)
最原「……」
最原(詭弁だ。さっき僕が、プログラム世界の中で言ったことは全部気休めだ)
最原(間違いなく状況は絶望的で、どこにも居場所も行き場所もない)
最原(世界を変えることも、ましてや救うこともできない)
最原(僕はどこまで行っても……)
586 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 21:07:03.97 ID:jQNeEopp0
最原「……?」
最原(今、人影が見えたような……)
最原「誰?」
最原(誰もいるはずがない。ここのドアは巌窟王さんが潰して、外からは誰も入ってこれないはずだ)
最原(つまりこの場には夢野さんを抜いた十六人しかいないはずなのに……?)
最原「……」
最原「気のせい、か?」
最原(黒髪の男子がいた気がした。でも、もうその姿は見えなかった)
587 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 21:11:43.24 ID:jQNeEopp0
カルデア
BB「ふいー。帰った帰った。私の人格もようやく一つに統合されましたし、本腰入れて巌窟王さんの脱出計画に取り掛かれますね!」
BB「みなさーん! BBちゃんが戻ってきましたよー!」キラキラキラ!
ナーサリー「……」ズーン
イシュタル「……」ズーン
BB「……え。なに? 粘菌でも生えそうなくらいジメッとした空気なんですけど……」
ナーサリー「残念。巌窟王の冒険は、ここで終わってしまったのだわ」
BB「は?」
イシュタル「あー……もうダメ。流石に女神にも限界あるっての……」ブツブツ
BB「え? え?」
BB「……あ、あれ? 巌窟王さんは?」
イシュタル&ナーサリー「もう戻ってこない」
BB「……」
BB「えっ」
588 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 21:12:41.01 ID:jQNeEopp0
スパコン室
巌窟王「……おい。最原。ライターかマッチは持っているか?」フー
最原「やめたんじゃなかったっけ? アンジーさんがマネするからって」
巌窟王「今は吸ってないとやっていられん」
最原「……悪いんだけど、持ってないよ……」
巌窟王「……そうか……」
才囚学園生徒一同「……」ズーン
巌窟王「……全員酷い顔をしているな」
最原「それはそうだよ。だって、外の世界が、あんな……」
最原「……」ズーン
巌窟王「……」
巌窟王「帰れないかもしれんな。俺は」ズーン
589 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 21:13:24.69 ID:jQNeEopp0
やっと本編に追いついたァ!
590 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/31(日) 21:16:28.23 ID:NOdZOnb30
黒髪の男子…まさかぐだ男!?
591 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2017/12/31(日) 21:23:53.04 ID:jQNeEopp0
第一の事件、第二の事件、第三の事件、第四の事件(欠番)と来て、どうにか第五の事件まで行きたかったのですが!
残念! 時間が足りない! ので!
特番待機です。今日のところはここまで
592 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/31(日) 21:25:35.65 ID:NOdZOnb30
新年に第五の事件開幕か…!
593 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/31(日) 21:57:59.08 ID:0jIPQULW0
黒髪といえばまぁぐだ男くらいしか思い浮かばないが、ここに来るのってどうなのかねぇ?それはそれとして、良いお年を。
594 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/31(日) 23:08:14.27 ID:L50qJgre0
ぐだ男って飛行機ごとそのままカルデアに帰らなかったっけ?
595 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/01(月) 01:06:22.15 ID:er0lfIOS0
さあ行くぜ! アヴェンジャー狙いの福袋召喚!
596 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 01:09:18.26 ID:/+S2WPyAo
福袋で引いた星5でコラボSS書こう
597 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/01(月) 01:10:03.88 ID:er0lfIOS0
……もう既に……このスレでやったよ。オリオン二人目サ……
598 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/01(月) 01:22:37.35 ID:er0lfIOS0
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いします!
新年ピックアップの方も女神系サーヴァントいないしどうしよう。呼符ちょろっと消費して終了かな……スカサハさんは強さには疑いはないが女神かと言われると微妙か……?
599 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 09:24:41.77 ID:ipFetEMyO
北斎は何故か神性もってるし、何故か女だから実質女神
600 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 12:45:41.26 ID:EkKQmRww0
北斎ちゃんね、霊基再臨させたんだ…めっちゃ巨乳だった
福袋は水着ネロちゃま
601 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/01(月) 15:11:22.30 ID:+Tp9uB5wO
北斎かわいい
福袋は剣式でした
602 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/01(月) 17:17:13.92 ID:er0lfIOS0
prrrrr!
巌窟王「……カルデアからか」ピッ
BB『ちょっと! どういうことですか! 私がちょっと目を離した隙に、なんでこんなお通夜ムードに!?』
BB『ついでに受験失敗と持ち株大暴落が一緒に来たみたいな雰囲気なんですけどー!』
巌窟王「戻る世界が滅んでいたようだ」
BB『……え』
巌窟王「わかっている。普通に考えるなら地球が滅ぶなどということは天地がひっくり返ってもありえない」
巌窟王「抑止力というものはコレを防ぐためにあるのだろう?」
BB『……いや、例外はあります。例外は色々とあります。あるんですけど』
アルテラサンタ『例外だぞっ』ピースピース
BB『ちょっと黙っててくださいッ! 今シリアスムードですから!』
BB『……ああ、もう。いいです。ならもうそんな負け確定のゲームに付き合う必要なんてありませんとも!』
BB『帰還プログラムを今すぐ起動させます!』
巌窟王「なに?」
最原「えっ」
アンジー「!」
603 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/01(月) 17:24:12.52 ID:er0lfIOS0
巌窟王「どういうことだ? 難しいということではなかったのか?」
BB『ふっふーん! BBちゃんに不可能なんて言葉はありません! それに最初に言ったはずですよ』
BB『帰還のプログラムを組むのも難しそうです。しばらくそのまま適当にブラブラしておいてくださいってね!』
BB『ただまあ、無理やり脱出させるわけですから霊核に凄まじい負荷がかかる上、それ以外にもどうしようもない弱点があるのですが……』
BB『とにかく! 戻ってきてください、巌窟王さん! もういいでしょう、そこら辺で!』
巌窟王「……」
巌窟王「BB。何を慌てている?」
BB『え? い、い、いやだなぁー……完璧で幸福なBBちゃんが慌てるなんてことないに決まってるじゃないですかー』
巌窟王「……」
BB『……』
BB『マスターが帰ってきました』
巌窟王「……そうか」
最原(それって確か、巌窟王さんの本当の……)
BB『ハッキリ言って、今まであなたがカルデアから消えていたことをここまでカルデア相手に隠し通せたのは彼がいなかったからなんです』
BB『彼が帰ってきてしまった以上、あなたがここにいないことがバレるのは時間の問題……』
BB『時間は未定ですが、査問会の人たちがやってくる以上、あまり大騒ぎはしたくないんですよ』
巌窟王「もみ消せ」
BB『バカな……そんなことができるとでも?』
巌窟王「やれ」
BB『イヤです。あなたをカルデアに帰す方が遥かに楽で合理的です』
アンジー「……」
604 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/01(月) 17:30:44.30 ID:er0lfIOS0
巌窟王「……いいだろう。やれるものならやってみればいい」
最原「巌窟王さん……?」
巌窟王「ただし、果たして本当にそんなことができるのかな?」ニヤァ
BB『え? で、でででででできるに決まってるじゃないですかぁ……』
巌窟王「アンジーがいる限り不可能だ」
BB『……』
巌窟王「通信を切る。しばらく通話をかけてくるな」
BB『……わかりました』ブツンッ
最原「巌窟王さん? アンジーさんがいる限りってどういうこと?」
巌窟王「ヤツは言った。負荷がかかる以外にもどうしようもない弱点があると」
巌窟王「……おそらく帰還プログラムを一度使ったら二度と往復ができない、などの本当にどうしようもないものだろう」
巌窟王(素直にカマかけに引っかかってくれて助かった、と言ったところか。コレでまず間違いなく確定情報だ)
天海「……あ。そっか。それなら無理っすね」
最原「えーっと……?」
巌窟王「令呪には『サーヴァントを呼び寄せる機能』がある」
巌窟王「俺を『一度使ったら二度と使えない帰還プログラム』で戻した後、アンジーが『こちらへ戻ってこい』と命令したのなら……」
春川「……巌窟王は永遠にこの世界に閉じ込められたまま、ってこと?」
巌窟王「クハハ。まったく。小娘の契約にここまで振り回されるとはな……」ニヤニヤ
最原(って言ってる割には凄く上機嫌だけど……)
605 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/01(月) 17:31:36.58 ID:er0lfIOS0
休憩します!
606 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/01(月) 18:30:26.43 ID:er0lfIOS0
王馬「そんなこと言っちゃってー! 本当は巌窟王ちゃんも俺たちと離れたくないんでしょー?」
巌窟王「調子に乗るなよ」
王馬「ん……!」ゾワッ
最原(瞬間、巌窟王さんの雰囲気が一変した)
最原(部屋の温度が十度くらい下がったような異常な寒気。吐き気を催すほどの……殺気)
巌窟王「俺の本来の居場所はあちらだ。俺は単に、状況故にお前たちの傍にいるだけに過ぎない」
巌窟王「手は貸す。だが貸すだけだ。共に歩むつもりはない」
王馬「……ふーん……それが巌窟王ちゃんの答え?」
巌窟王「当然だ」
王馬「……」
巌窟王「つまらない、と言った顔だな。俺のことを揺さぶる気だったのか?」
巌窟王「……フン。浅はかなヤツめ」
王馬「誰だって思うでしょ。元いた場所と、アンジーちゃんとの間で迷っていてほしいってさ」
王馬「……俺たちに愛着湧いてたりしてほしいって思って悪いかよ」
獄原「王馬くん……!」
巌窟王「思ってもいないことを白々と……逆に気持ちいいな」
607 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/01(月) 18:41:50.92 ID:er0lfIOS0
巌窟王「まあいい。とにかく外に出るぞ。ここにずっといると空気が悪くなりそうだ」
赤松「あ、う、うん。そうだね。夢野さんの捜索も続けないとだし……」
茶柱「じゃあ巌窟王さん。ドアを再び焼いてくれませんか?」
巌窟王「……離れていろ。先ほどよりは火力高めだからな」
ドカァァァァァァァンッ!
巌窟王「ム……!?」
獄原「ちょっと巌窟王さん! いくら何でも威力が高すぎ……!」
巌窟王「違う。俺ではない」
獄原「え? あ、本当だ。ドア、何の代わり映えもしてないね……」
入間「……」
入間「あっ!」ダラダラダラ
608 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/01(月) 18:43:04.39 ID:er0lfIOS0
無意味にストーリー召喚してたらテスラさん来た……育成します!
609 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 19:03:07.21 ID:tkU4K2w20
このSSを読みながら十連を引いたら北斎が三人でました!
610 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/01(月) 19:14:15.97 ID:er0lfIOS0
北斎何一つとして関係ないのに!
611 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 19:25:37.86 ID:DBn939tLo
このSSを読みながら十連を引いても北斎が一人も来ませんでした!
612 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 19:54:24.15 ID:TU50MIY7O
入間何してしまったんだ
613 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 20:33:43.38 ID:EkKQmRww0
北斎ちゃん宝具2にしようと思ったけど新宿のアーチャー欲しいから我慢します!
614 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 20:50:57.48 ID:tOO+7fvvO
乙です
メルトリリスちゃん狙います!
615 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/02(火) 01:43:52.18 ID:WrwxK8H/O
福袋アーサーでした。アルトリアと仲良く倉庫番してもらいます
616 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 10:17:19.57 ID:Zhu15dX40
カルデア
BB「……あれ? おかしいですね。通信が一切通らなくなりましたよ?」
イシュタル「え。どういうこと? なんで唐突に……」
BB「こちら側の機器に異常は一切ありませんが……だとすると向こう側から何かされたのでしょうか」
ナーサリー「ねえ。これまずいわよ」
BB「……」
ナーサリー「だって、仮にアンジーの存在が無かったとしても通信ができないのなら元から帰還プログラムなんて使えないわ」
BB「ああ、もう! わかってます! わかってますって! 何か考えないと!」
BB「……あまり女神系サーヴァント以外に頼りたくはありませんでしたが、この際そうも言ってられません」
BB「エジソンさんとテスラさんを呼んできてください!」
イシュタル「あの二人なら精神的ショックのせいで入院してたわ」
BB「あんっの電気バカコンビども……肝心なときに役立たずなんですから!」
ナーサリー「いや原因はあなたよ?」
BB「え?」
ナーサリー「ほら、前にエジソンとテスラの人格を腹癒せに交換させたりしてなかったかしら?」
BB「……」
BB「あっ」
※してました
617 :
本編の205スレ目を参照のこと
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 10:28:24.51 ID:Zhu15dX40
BB「そうです! 確かにやっちゃってました! 二つ目の学級裁判のとき停電騒ぎを起こした腹癒せに……!」
イシュタル「あのときは何でやっちゃったのかまったくわからなかったけど、そんな経緯があったのね」
ナーサリー「感情任せの考えなしな制裁のせいで割を食うって、まさに童話のような話なのだわ」
ナーサリー「ところであなた『消したくても記憶を消せない』っていう弱点がなかったかしら。忘れてたフリしても無駄よ」
BB「あのですね! 記憶を焼却できないというだけであって、記憶を捨てること自体は可能なんですよ! 一応!」
BB「あと、例えば今までの人生のことが事細かに書かれた本があったとして、ページを開く手間をかけないと記憶の閲覧はできないんです!」
BB「ぬぐうううう……仕方ないですね。チューンナップは私が手ずからやります!」
イシュタル「何か手伝えることはあるかしら?」
BB「ひとまずイシュタルさんは『良かれと思って手を貸そう』とか間違っても思わないでくださいね!」
イシュタル「ええっ!?」ガビーンッ
ナーサリー「ごめんなさい。こればかりは弁解不可能なのだわ」プププ
イシュタル「謝罪は半笑いを隠してから言いなさい! 腹立つから!」
618 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 10:43:22.80 ID:Zhu15dX40
才囚学園 スパコン室
入間「い、今何時だ!?」
最原「え? えーっと……え? 三時?」
最原「……午前三時!? なんで!? そんなにあの中にいた!?」
東条「ここに入ったのが午後八時だから、結構長い間中にいた計算になるわね」
星「おい。あの中の時間と、この現実世界に流れる時間に差はねーのか?」
入間「ないはず、だけど……アップデートのせいで何らかの変化が起こっている可能性は否定できねーな」
入間「あるいは本当に、単純に、俺様たちが『長くいたことに気付いていない』だけか」
最原(ありえなくもない、かな。精神的ショックが大きすぎたからな……)
入間「と、とにかくだ! 巌窟王! 俺様を外に出せ!」
巌窟王「……?」
入間「早くしろボンクラ! 早く!」
巌窟王「……いいだろう。下がっていろ。今度こそ扉を破壊する」
619 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 10:43:51.18 ID:Zhu15dX40
休憩します!
620 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 17:04:54.45 ID:Zhu15dX40
ドカァァァァンッ!
巌窟王「開いたぞ」
最原「熱いからどっちみち、冷めるまでは外に出たくないけどね」
春川「ここを突破しようとか考えるのはただのバカだって」
入間「うおおおおおおおおおおおお! 蝋燭プレイーーーッ!」ダッ
春川「バカがいた」
最原「入間さーーーんッ!?」ガビーンッ
真宮寺「なんか妙だネ。時間を気にしたり、慌てて外に出たり……」
百田「困ってるのなら手を貸すべきか? まあ、走り抜けられないほどじゃないしな」
最原「止めた方がいいって」
百田「いや。行くぞ終一! 一緒に!」
最原「……」
最原「一緒に!?」ガビーンッ
ガシッ
百田「うおおおおおおおおお! 友情パワーーーッ!」ダダーッ
最原「うぎゃああああああああああああ!」
巌窟王「……フッ。バカめ」ニヤニヤ
赤松「本当にバカだよ」
春川「赤松が言うんなら相当なんだろうね」
茶柱「……転子たちは普通に行きましょうか」
621 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 17:17:31.34 ID:Zhu15dX40
スパコン室周辺
百田「……入間がいねーぞ」
最原「全力で走ってどっか行ったのかな……彼女の身体能力と走りにくい靴のことを考えると、そんなに遠くまで行けないはずだけど」
最原(一体何を慌ててたんだ?)
入間side
入間「ああ! 忘れてた! 起爆の時限スイッチを切るのすっかり忘れてたぜ!」サッサッ
入間「い、いや大丈夫だ。起爆した後で薬品がまき散らされる設定にしたからな。部品は焼けて元が何だったのかすら判別不可能になるはず……」
入間「よし……よし。大丈夫だ。ちゃんと焼けてる……」
入間(……というか、部品そのものが隠し場所から飛ばないように設定したんだよな。そもそもEMP兵器なんだから物理的破壊力は度外視だし)
入間(まさかあんな音が出るだなんて俺様も計算外……まあぶっつけ本番の急ごしらえだから計算外が起こるのは当たり前だけど……)
入間「……」
入間「……いや。違うな。俺様はてっきり『何かの計算外でエレクトボムから爆音が出たのでは』って焦ったけど……」
入間「なんかそういう感じでもねーな?」
入間「ていうか、さっきから妙に……」
最原side
最原「……焦げ臭い?」
百田「お? そうか?」クンクン
最原「いや……ごめん、気のせいかな……?」
622 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 17:22:10.24 ID:Zhu15dX40
夕飯の休憩!
623 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 18:05:02.48 ID:Zhu15dX40
校舎一階
最原「……」
百田「……」
白煙「」モクモクモクモクモクモク
最原&百田「火事だーーーッ!?」ガビーンッ
モノクマ「あ。安心していいよ。ついさっき消火したから。流石に本校舎を燃やされるのは困るし……」
最原「げほっ。でも煙の処理ができてないんだけど!」
百田「おいおい! 火元はどこだよコレ!」
最原「百田くん! ひとまず窓を片っ端から開けよう!」
百田「おう!」
最原「……一体誰がこんなこと……」
最原(火元はどこだ? 食堂とか……じゃないな。倉庫も違う)
624 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 18:14:02.95 ID:Zhu15dX40
最原「……地下?」
最原(間違いない。煙は地下から来てる。来てるけど……)
最原(地下から爆音? 爆音……おかしいな。致命的に食い違ってる)
最原「……百田くん! ちょっと火元確認してくるよ!」
百田「え? お、おい……ごほっ!」
最原「大丈夫! 危ないと思ったらすぐ戻ってくるから!」ダッ
百田「待っ……ごほっごほっ……」
百田「う……」
ビシャッ
百田「……くそ。こんなときに……!」
625 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 18:22:10.20 ID:Zhu15dX40
百田「……ちっ。今日は調子がちょっと回復したと思ったんだけどな。帰ってきてからずっとコレだぜ……」
百田「終一……! 地下に行ったのか?」
最原side
最原「……結構煙は散ってる?」
モノクマ「まあ、体が悪くなるってだけで、致命的に死ぬってほど有害ガスは残ってないね!」
最原「……」
最原(どうする。行くか、戻るか……でも何か、この先にとてつもなくイヤな……悪意のようなものが渦巻いてる気がする)
最原「……行ってみよう。何もなかったら全力で逃げればいい」
最原「多分、僕が確認しなきゃダメな気がする……!」
モノクマ「へえー」
最原「……」タッタッタッ……
モノクマ「……いい勘はしてるねー。無駄だけど」
626 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 18:47:39.37 ID:Zhu15dX40
入間side 超高校級のコスプレイヤーの研究教室周辺
入間「……やっぱり変だ。どうなってやがる! なんでサイレンサーが壊されてんだよ!」
入間(いや。それだけじゃねえ。時限装置が持ち去られて一個だけ起爆しなかったエレクトボムがある)
入間(……俺様の計画が事前にバレてた? でも時限装置なんて持ってったところで何を!?)
コツンッ
入間「ッ!」バッ
赤松「……入間さん? どうしたの、顔が真っ青だけど……」
入間「赤松……!」
入間(扉周辺の熱が冷めたのか?)
入間(……大丈夫だ。俺様は誰も殺してねぇ。殺してないんだから、仮にバレたとしてもなんてことはない)
入間(なんてことはない、はずだよな……?)
最原side 地下の図書室
最原「……」
最原「夢野さん」
最原(もう、悲鳴さえ出てこなかった。ただひたすら自分の心が軋んでいくのを感じていた)
最原(目の裏がチカチカして、今にも倒れそうな感覚)
最原(……失われていく現実感)
最原(夢なら……覚めてくれ……)
627 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 19:05:04.63 ID:Zhu15dX40
白銀side 一階
白銀(念のため、事前に『入間さんがコロシアイに失敗するバージョン』のパターンも考えといてよかったなぁ)
白銀(ま、パターンとして考えてたのはアンジーさんに絆されて失敗するタイプだったけど。巌窟王さんが壊すとは考えてなかったよ)
白銀(それはさておいて……この子をあそこまで連れて行かないとな)
茶柱「白銀さん! さっさと窓を開けないと……煙くって仕方ありません!」
白銀「……ね、ねえ。茶柱さん。気付いちゃったんだけどさ。この煙、地下室から出てない?」
茶柱「え?」
白銀「炎そのものは消えてるみたいだし、ちょっと様子を見に行きたいんだけど……」
白銀「な、なんかね。とっても、とってもイヤな予感がするの……!」ガタガタ
茶柱「……」
茶柱「いいえ。白銀さんはここで煙の処理を」
白銀「茶柱さん……」
茶柱「大丈夫です! 転子が様子を見てきますから!」
白銀「……えっ?」
茶柱「じゃ、頼みましたよー!」ダッ
白銀「あ! ちゃ、茶柱さん! 待って……!」
白銀「……」
白銀(なんちゃって)ニィィッ
628 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 19:07:28.22 ID:Zhu15dX40
休憩します! AP消費しないと!
629 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/01/02(火) 19:14:42.73 ID:W5dRJOOm0
ああ、まさか…
630 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 20:53:42.59 ID:Zhu15dX40
最原side 図書室
最原「……」
茶柱「……あれっ! 最原さん! こんなところで何を!」
最原「ッ!」バッ
茶柱「……なんです? そんな泣きそうな顔して……」
最原「こっちに来ちゃダメだ!」
茶柱「はあ? 何を言って……う、この臭いは火薬ですか? 火元はどうやらここみたいですね……」
茶柱「……?」
茶柱「別の臭いもしますね。これは腐臭……?」
最原「〜〜〜〜〜ッ!」
茶柱「……最原さん。さっきから本当にどうしました? 何を……!」
茶柱「それ、最原さんの後ろの扉! 赤松さんの事件のときに話題になった隠し扉ですよね!」
茶柱「開いてるじゃないですか! その先に何が……!」
最原「来ちゃダメだって言ってるだろ!」
茶柱「!」ビクッ
631 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 21:05:31.00 ID:Zhu15dX40
茶柱「……そこに誰かいるんですか?」
最原「……」
茶柱「……夢野さん?」
最原「うん」
茶柱「……どいてください。転子は、夢野さんを探さないと……」
最原「どかない」
最原「……キミはこの先の光景を見るべきじゃない」
茶柱「どいてください!」ダッ
最原「断る! イヤだ!」
ガシッ ブンッ
ドカッ
最原「あうっ!」
最原(あっさりと投げ飛ばされてしまった)
茶柱「夢野さん! ここにいるんですか! ゆめ……」
茶柱「……あ?」
最原(その先にあるのは……地獄だ)
最原(絶対に見せたくなかった……! なんのために僕は、ここに立っていたんだ……!)
632 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/02(火) 21:15:58.46 ID:W5dRJOOm0
ああ、夢野…
633 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 21:17:57.99 ID:Zhu15dX40
最原(結論から言えば夢野さんは死んでいた。おそらく殺害方法は銃殺。傍にある銃がそれを物語っている)
最原(ただそれだけなら救いはまだあったかもしれない。問題なのは『損壊が酷すぎる』という一点だ)
最原(相互汚染で遺体の状態を悪くするためだろう。傍には腐った果物が大量に置かれていた)
最原(そして血色を失った肌に群がるのは無数のクロバエ)
最原(夢野さんはゆっくりと着実に食べられていた)
最原(食べやすいように、だろうか。胸のあたりからナイフか何かで『穿った』ような痕がある)
最原(……薄く開けられた目に光はもうない。一体最後に何を見たのか知る術もない)
最原(視覚的に、嗅覚的に、あまりにも無残な夢野さんの死体がそこにあった)
茶柱「あ……あ……い、いや……いや、いや、いやああ……」
茶柱「いやあああああああああああああああッ!」
最原(耳も……引きちぎってしまいたかった)
第四章
虚構殺人遊戯:才囚学園、改め、架●●理●園ダンガンロンパ
非日常編
634 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 21:19:58.24 ID:Zhu15dX40
今日のところはここまで!
635 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/02(火) 21:20:07.90 ID:W5dRJOOm0
とうとう被害者が出てしまったか…
636 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/02(火) 21:21:14.83 ID:vHXWgIBKo
なんやかんやこの作品では死なないと思ってた……
637 :
逆転の人
◆SxyAboWqdc
[saga]:2018/01/02(火) 21:42:14.12 ID:Zhu15dX40
カルデアラジオとか聞いて癒されるといいっすよ!
やはり美海女史は素晴らしいな……ニトクリス一人もうちにいないんすけど……
638 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/02(火) 22:12:39.38 ID:k8aS0hk60
乙乙、損壊が酷いならまだダミーの可能性はあるな
明日は弓ギルのPUあるから引くよ!
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[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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