巌窟王「亜種並行世界!」 アンジー「虚構殺人遊戯:才囚学園ー!」

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1 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/16(木) 20:58:51.47 ID:o9iNpo8B0
巌窟王「旅行先間違えた」 アンジー「神様ですか?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1506772669/

の後編の方。もう物語全体で半分越してるので! 今度こそ! 短くなるはずだ!
注意書きは前回と同様なので省略!

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510833531
2 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/16(木) 21:07:34.56 ID:o9iNpo8B0
学級裁判 再開

ナーサリー『前回までのあらすじ! 巌窟王が本気になったのだわ!』

イシュタル『いやー。コイツ、どこかのジャージ着物女の言うことには実は人間大好きってことだし、別に珍しくはないけど』

イシュタル『それにしてもマスターですらない人間の肩を持つってのは中々面白い光景ではあるわね』

ナーサリー『うふふ! いつでも応援してるのだわ! 可愛い可愛い探偵さん!』

イシュタル『上から目線ね、応援が……』

ナーサリー『気に入らない? なら下から目線での応援を手本として見せてほしいの!』

イシュタル『え? え、ええと……』

イシュタル『ど、どうか……この無知蒙昧でドジな女神を助けると思って……頑張ってくだしゃい……』

ナーサリー『うわー。本当にやっちゃったのだわ。女神としてのプライドがないのかしら』

イシュタル『こ、このロリ……!』




夢野「……なんじゃろうなぁ。本来ならこのポジにモノクマーズがいる方が自然な気がするんじゃがなぁ」

赤松「多分それ深く考えない方がいいよ」

白銀「はいはい! やめやめ!」
3 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/16(木) 21:16:09.03 ID:o9iNpo8B0
真宮寺「……どうしても僕のことを犯人と主張する気なんだネ?」

最原「うん。ごめん。どうしてもそうだとしか思えなくって」

真宮寺「で。超高校級の探偵である最原くんはともかくとして、まさか巌窟王さんまでそう主張するとは思わなかったなァ」

巌窟王「……」

赤松「ねえ最原くん。一つ聞いていい?」

最原「なに?」

赤松「……なんか普段と様子が違う気がするんだけど、気のせいかな?」

赤松「ちょっと自信満々すぎる気がするんだけど」

最原(……勘が鋭すぎる! さっきは大ポカしてたくせに!)
4 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/16(木) 21:23:09.05 ID:o9iNpo8B0
真宮寺「これまでの犯人の足取りを考えると、犯人はほぼ誰にでも該当するんだけど……」

真宮寺「……ねえ。最原くん。キミはどうなのかなァ?」

最原「僕は……」

巌窟王「違うな。最原だけは絶対に違う」

赤松「うん。なんか怪しいとは思うけど、決定的に犯人ってわけじゃないと思う」

赤松「だって、巌窟王さんをアンジーさんのところに導いたのって、最原くんだよね?」

赤松「さっきのまとめを聞く限りでは、だけどさ」

巌窟王「何よりも、コイツにはあの時点で『俺の目からアンジーを完全に隠す方法』があった」

星「まあ、三つの空き部屋を探した後で巌窟王にこう報告すりゃあいいだけだからな」

星「あそこにアンジーはいなかった。他の場所を探してみよう……ってな」

夢野「悪態付きながらも生徒のことを信用していた巌窟王のこと、その一言で百パー丸め込めたじゃろうな?」
5 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/16(木) 21:32:11.84 ID:o9iNpo8B0
百田「もしも終一が犯人なら、馬鹿正直にアンジーのところへ巌窟王を誘導するわけがねー、か」

百田「……それ以前に終一だぞ? アンジーを殺すわけねーだろ!」

春川「百田。いい加減にしなよ。前々回の学級裁判では赤松が『偶然に』、前回の学級裁判では東条が『故意に』人を殺してた」

春川「なんでもありなんだよ。人を信じすぎてたら足をすくわれるよ?」

赤松「……」

東条「……それでも私は……最原くんを信じたいと思うの」

王馬「ま、巌窟王ちゃんに並ぶ恩人だもんねー。東条ちゃんならそう言うと思ってたよ」

王馬「……自分の不利益になると頭の中で思ってても、ね」

獄原「でも最原くんのことを信じるとしても、最原くんの主張の方は簡単に信じるわけにはいかないよね?」

獄原「だって真宮寺くんも仲間なんだからさ」

入間「今となっちゃ巌窟王の主張でもあるけどな」

入間「結託しやがって。穴兄弟ってヤツか、アアン?」

赤松「入間さん。黙って」

入間「ぴぐう!」
6 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/16(木) 21:35:21.88 ID:o9iNpo8B0
今日のところはここまで! 続きはまた明日!
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/16(木) 22:19:38.60 ID:NbQolxnv0
2スレ目来たのか
期待
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/17(金) 01:27:52.46 ID:q10yOFxf0
新スレ乙

巌窟王!いい加減にうちのカルデアに来いよ!
9 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/17(金) 18:22:11.69 ID:0AKaxBIy0
作品名でエゴサしながら感想を探す日々。感想はいい。リリンの生み出した文化の極みだよ。

夕飯食べてから更新します!
あと感想ありがとうマジで励みになってます
10 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/17(金) 19:10:59.05 ID:0AKaxBIy0
最原(……上手い具合に『犯人は火傷を負っているはず説』を煙に巻かれたな)

最原(でも別にいい。ひとまずはコレで)

最原「……巌窟王さん。何か超高校級の民俗学者の研究教室で見つけたんだね?」

巌窟王「大したものは見つけていない。だが、真宮寺の研究教室には無視できない一つのギミックが存在する」

巌窟王「そして俺の知っている限り、そのギミックを作動させられるのはキーボ、入間、アンジー、真宮寺、そして俺の五人のみ、というだけだ」

キーボ「それって、燻蒸消毒機能のことですか?」

入間「あ? ああ……あー……?」

入間「いや、アレは関係ねーだろ。だって……」

王馬「あっあー。勝手に話を進めないでくれるかな?」

王馬「なに? その燻蒸消毒機能って。よくわからないから一から説明してくれる?」
11 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/17(金) 19:20:00.16 ID:0AKaxBIy0
巌窟王「燻蒸消毒機能とは、平たく言えばあの教室をガス室に変えるギミックだな」

巌窟王「水洗いや熱を使った消毒のできない美術品などが多数置かれている博物館ではよく使われるらしい」

巌窟王「ただこれは『常識の範囲外の知識』だったが故に、俺もアンジーから教えられた以上のことは知らなかったのだがな」

天海「確かサーヴァントって一般的な知識を一通り召喚の際に得られるんすよね?」

巌窟王「その知識の配分にも限界があるということだ」

白銀「なんだ……常識の範囲内の知識だけか……」ハァ

春川「白銀? 何考えてるの?」

白銀「いや濃密なオタトークとか期待できないのかなって思っただけなんだけど……はあ……」

巌窟王「たまにそういうのに堪能なサーヴァントもいる。もしかしたら得られる知識にはサーヴァントごとに傾向があるのかもしれん」

白銀「え? 本当!?」キラキラキラ

巌窟王(ただアレらと一緒に趣味を楽しめるかと言ったら微妙だが……)




カルデアのどっか

刑部姫「へーちょ」

黒髭「オイラは兵長じゃねぇ!」ビィィィ
12 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/17(金) 19:28:01.22 ID:0AKaxBIy0
真宮寺「……でもその燻蒸消毒機能って一つ欠点があったよネ」

巌窟王「ああ。唯一にして最大の欠点。それは、あの研究教室に使われるガスの毒性が『冗談のように強すぎる』ことだ」

モノクマ「うん! 人間でも一呼吸すれば充分に死ぬよ!」

入間「ていうか、あの燻蒸消毒機能ってそれ以前に……」

入間「……」

キーボ「……まさか、入間さん……」

巌窟王「……クハハ。やはりか、入間」

最原「……ええと。ごめん。何を言いたいのか、まださっぱりなんだけど」

巌窟王「さて。それでは証言させるとしよう。あの燻蒸消毒機能をモロに食らった超高校級のロボットにな」

キーボ「わ、わかりました……では証言させてもらいます」
13 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/17(金) 19:30:03.82 ID:0AKaxBIy0
休憩します!
14 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/17(金) 21:11:18.03 ID:0AKaxBIy0
ごめんちょっとウルトラサンの発売日だってこと忘れてたんで今日のところはここまで!
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/18(土) 00:23:21.11 ID:1+oujdA50
乙!
期待して待ってる
16 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 07:19:56.35 ID:ewbtz+fT0
キーボ「あの区画が解放されてからすぐのこと、ボクと入間さんと真宮寺クンはあの教室を調べていました」

キーボ「その折、ボクはあの部屋の燻蒸消毒機能に巻き込まれてしまったのです」

真宮寺「あの燻蒸消毒機能は赤外線で生物の有無を探知していて、中に人間がいる場合は安全装置がかかって作動しないんだけど」

真宮寺「ロボであるキーボくんは、赤外線センサーに引っかからない。だから彼だけが巻き込まれたんだヨ」

キーボ「虹色のなんか見てるだけで正気を失いそうなガスにニ十分くらい揉まれ、あとの十分でガスを徹底的に除去され」

キーボ「そして巻き込まれてから三十分後になんとか外に出ることができました」

キーボ「そのとき、たまたま通りすがったアンジーさんと巌窟王さんも扉の外にいました」

巌窟王「そして俺たちはそこで纏めて燻蒸消毒機能の説明をモノクマから受けていた」

巌窟王「まずは、この燻蒸消毒機能のことを知っていたのが五人だった、ということを覚えておけ」

巌窟王「キーボ。二回目の話だ」

キーボ「……おそらくこっちの方が重要ですからね」
17 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 07:26:11.03 ID:ewbtz+fT0
キーボ「事件の捜査中、獄原クンに呼ばれてボクは真宮寺クンの研究教室へと向かいました」

キーボ「そこでボクは巌窟王さんから信じられない提案をされたのです」

巌窟王「燻蒸消毒機能にもう一度巻き込まれてみろ。そして前のように、閉じ込められている間は大騒ぎしていろ」

巌窟王「およそ内容はこんなものだ」

最原「それでキーボくんがあの教室に閉じ込められてたのか……」

最原「……あれ? 待って。大騒ぎしていろって言ったの?」

キーボ「ええ。そこが重要なポイントその一です。あの燻蒸消毒機能は外からの音も、中からの音も完全シャットアウト」

キーボ「何も聞こえなくなるんですよ」

最原「……」

最原「キーボくん。その二回目の燻蒸消毒機能のとき、ガスって出た?」

キーボ「流石に勘がいいですね。おそらく最原クンの予測の通りだと思います」

キーボ「ガスは出ませんでした。一切、まったく」

百田「それってよ。その燻蒸消毒機能の設定が誰かに弄られてたって話じゃねーのか?」

真宮寺「確かに、消毒機能の操作は僕の研究教室の中にあるコンパネで可能だろうけど」

真宮寺「それって可能なの? モノクマ」

モノクマ「いいえ! 通常の操作だけでは、どうやったって燻蒸消毒機能の『毒ガスを発生させる機構』のみは抑えきれません!」

モノクマ「へえ……ガスが出なかったんだ。だとしたら……うーん」






モノクマ「誰かに改造でもされたんじゃない?」
18 :前スレの535を参照のこと ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 07:42:19.55 ID:ewbtz+fT0
最原(……自然と視線が一人の女生徒へ向く)

最原(裁判場にいる全員が彼女の姿を捉えた)

入間「……」

入間「えっ。な、なに? なんでこっち見てんの?」アタフタ

最原「……ああ。そうか。心当たりあるかも……この前の食堂で入間さん言ってたね」




入間『……くそ……見つからねぇ……ちくしょう……善行詰んだ俺様になんて仕打ちを……』




最原「あのときは『入間さんがいつ善行詰んだっけ』としか思わなかったけど……」

赤松「燻蒸消毒機能を改造して無毒化させてた……ってこと?」

王馬「それも秘密裏に? あの入間ちゃんが?」

王馬「いや。百歩譲って、入間ちゃんは『勝手に』そういうことをやる人間だとは理解するけどさ」

王馬「『黙って』やるタイプだとは思えないなぁ」

王馬「……ただの無毒化じゃないのなら話は別だけどさ」

巌窟王「……実際にただの無毒化ではないだろうな。おそらく無毒化した際に『何かに使えるかも』と惜しくなって、ガスはどこかに保存してあるはずだ」

巌窟王「魔が差したのだろう? だから詰んだ善行を誰かに話すわけにはいかなくなった」ニヤァ

入間「ばっ、そ、そんなわけ……!」

入間「……」

入間「ああそうだよ! かっぱらったよ! それの何が悪ィってんだよチンカスども!」ウガァ

白銀「わー。清々しいほど逆ギレしはじめた」
19 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 07:44:18.18 ID:ewbtz+fT0
休憩します!
20 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 17:17:07.58 ID:ewbtz+fT0
巌窟王「クハハ。いや? 何も悪くはないぞ?」

キーボ「そうですね……何に使う気だったのかはわかりませんから責められませんし」

キーボ「危険な毒ガス機構を無毒化させたことは素直に褒めるべきです」

王馬「たった今入間ちゃんが認めた以上、その毒ガス絡みで何かあった日には犯人丸わかりだし」

茶柱「犯人……?」

入間「よ、余計なこと言ってんじゃねーよドチビ! 俺様がそんなこと考えるわけねーだろ!」

王馬「……へえ。どんなこと考えてたのかな……?」ニヤァ

入間「あっ」

星「もうやめておけ。これ以上責めても『やってないモン』は責められない。そうだろ?」

赤松「……?」

最原「……」




最原(入間さん、誰かを殺す気だったのかな)

最原(……まあ確かに、確証は何一つとしてないから、この話をこの方向で掘り下げるのは無意味だな)
21 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 17:33:09.23 ID:ewbtz+fT0
茶柱「……で。燻蒸消毒機能が無毒化されたってことはわかりましたが」

茶柱「それがどうしたんです? 今回の事件に毒ガスは関わってませんし……」

巌窟王「違うな。この燻蒸消毒機能で一番大事な部分は『密室を作り出せる』という部分だ」

巌窟王「それも音が外に漏れない完璧な……」

巌窟王「……ところで、犯人はアンジーを泥酔させるために酒を飲ませたんだったな?」

巌窟王「果たしてそれはどこで行われたのだ?」

茶柱「……」

茶柱「あの。空き部屋を捜査した人に問い合わせたいのですが」

茶柱「酒を飲ませた形跡とか……ありました?」

百田「……ん?」

春川「あれ? そういえば……酒の雫や水たまりとか、一切見てないね?」

キーボ「もしも掃除したんだとしたら血痕とか、アンジーさんが襲われた形跡すら掃除されているはずですし……」

キーボ「いや。そもそも掃除が困難です。床は吸湿性の高い木製で、床下は土でしたから。屋内なのに」

春川「犯人の計画では、そもそも死体発見現場が床下になる予定だったのかっていう疑問もあるし……」

春川「元から掃除をする気もなかったんじゃないかな」

巌窟王「そう。犯人はアンジーに酒を飲ませる際、どこかに場所を移したと考えるべきだ」

巌窟王「……ついでに、安心したいがために無毒化された燻蒸消毒機能をダメ押しに使いもしただろうな?」

最原「……キーボくん。入間さん。巌窟王さん」

最原「その燻蒸消毒機能のこと、誰かに話した?」

入間「……話してねぇ」

キーボ「ボクも同様です。話す必要がありませんでしたから」

巌窟王「アンジーと『アレは危ないな』と世間話した程度だ。私室やアンジーの研究教室の中のような、二人きりの場所で」

最原「じゃあ……!」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/18(土) 17:43:05.51 ID:20YDvB02o
入間が誰にも話してないならそもそも無毒化を知る機会なくない?
23 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 17:47:35.22 ID:ewbtz+fT0
真宮寺「……は? いやいやみんな。話を聞いてた?」

真宮寺「中に人がいるときに燻蒸消毒機能は使えないんだヨ?」

巌窟王「要は赤外線センサーに引っかかりさえしなければいい。それだけの話だ」

巌窟王「それともう一つ。あそこでアンジーが酒を飲まされたと考えられる根拠がある」

巌窟王「……事件以前より明らかに綺麗になっていた」

獄原「ああ。そういえば巌窟王さん、そんなこと言ってたね」

獄原「でもそれをどうやって証明しようかって話にもなったけど」

巌窟王「そこだな。俺には忘却補正があるから、あの研究教室が事件以前と比べると明らかに綺麗になっていることに気付けるが……」

巌窟王「せめてもう一人、俺と同じ意見のヤツがいれば裏付けとなるだろう」

茶柱「そんな巌窟王さんレベルの記憶力を持った人なんて……」

キーボ「……」

キーボ「あっ! いえ! ボクなら可能ですよ!」

入間「は?」

キーボ「だって、事件前と事件後で二回、燻蒸消毒機能に巻き込まれて真宮寺クンの研究教室に巻き込まれているんです!」

キーボ「巌窟王さんの言っていることが本当かどうか、ボクならわかります!」

キーボ「というより、証明できますよ! 入間さん、アレです!」

入間「……おい。おいおいおいおい! ざけんなッ! アレはそんなことのために付けた機能じゃ……!」

キーボ「なうろーでぃんぐ! なうろーでぃんぐ」ピーッガガガーッ

入間「チクショーーーーーーーッ!」ガビーンッ

百田「い、一体なにが……!?」



ニュッ



赤松「ひいっ! 口から写真が出た!」ガビーンッ

キーボ「これがボクの新機能、録画機能です!」テッテレー!
24 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 17:53:06.62 ID:ewbtz+fT0
休憩します!
25 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 18:58:54.23 ID:ewbtz+fT0
キーボ「さあ! それではコレをデジタル変換して上部画面に大写しにしますよ!」

ナーサリー『了解! それじゃあ伯爵。それをデバイスで撮影して?』

巌窟王「……」スッ

最原(巌窟王さんは気持ちイヤそうな顔をしながら写真を手に取り、デバイスのカメラで撮影した)

最原(すぐに二つの写真が上部画面に映りこむ)

東条「……確かに。巌窟王さんの言う通りね。綺麗になってるわ、明らかに」

真宮寺「……」

巌窟王「どうした真宮寺? 顔色が悪いな?」ニヤァ

巌窟王「なんならここで言うがいい。『ああ、確かに掃除したよ。事件直前に』と言えば筋は通るだろう?」

真宮寺「……!」

最原(……失言を誘ってる。やり口が露骨すぎるけど)
26 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 19:07:53.05 ID:ewbtz+fT0
真宮寺「……具体的に、巌窟王さんが最後に僕の研究教室を見たのはいつのこと?」

巌窟王「お前が俺の質問に答えたら言ってやろう」

巌窟王「真宮寺。自分の研究教室を掃除したか?」

真宮寺「……」

最原(僕は真宮寺くんが犯人だと確信している。多分、巌窟王さんも)

最原(もしも。巌窟王さんがアンジーさんを探すときに、チラりとでも真宮寺くんの研究教室の中を見ていたとしたら)

最原(そして、そのときの研究教室が掃除されていなかったとしたら)

最原(……その可能性を真宮寺くんが考えていたとしたら、答えはたった一つしかない)

真宮寺「いや。してない……ネ」

巌窟王「ほう……」

巌窟王「さて。約束だ。俺が最後にいつ研究教室を見たか、だろう?」

巌窟王「……」

巌窟王「急激に言う気が失せたな?」

真宮寺「……ふざけないでヨ」ギリッ

巌窟王「クハハ。冗談だ。そうだな、事件前に燻蒸消毒機能から出て来たキーボが開けた扉から見たのが最後だ」

真宮寺「……ッ!」

最原(やり口が滅茶苦茶いやらしいな……)
27 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 19:15:36.61 ID:ewbtz+fT0
真宮寺「……まァいいや。結局、僕の研究教室が使われた決定的な証拠なんてないんだしネ」

真宮寺「疑問点が二つあるんだから、少なくともそれが解決されない限りは仮説は論外の一言だヨ」

天海「二つの疑問点?」

真宮寺「まず一つ。あの研究教室は何回も言った通り、人間の発する赤外線を探知して作動するか否かを決めるんだ」

真宮寺「つまり中に人がいる限りは作動しない」

真宮寺「二つ目に、入間さんが無毒化のことを秘密にしてたよネ? 犯人がそれを知る機会があったのかな?」

赤松「……あれ。この論調、どこかで見たような」

赤松「……ああ、そうだ。私の学級裁判のときでも、こんなことがあったね」

真宮寺「!」

最原「地雷を踏んだね真宮寺くん。そうだ、赤松さんの事件のときと一緒だよ」

最原「わかりようがないことなら、事前に実験して知ったんだ!」

真宮寺「犯行は突発的なものだったって何回も議論されたよネ?」

最原「そこは撤回する気はないよ。でも……!」

最原「……そうか。そういうことか……?」

茶柱「最原さん?」
28 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 19:25:22.94 ID:ewbtz+fT0
最原くんがブレインドライブしている内に休憩!
AP消費は今のところ自然回復に任せているが、それでも結構……AP溜まるな……ボックスは二箱目だけど
29 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/18(土) 21:04:36.16 ID:ewbtz+fT0
ポケモンとジャンヌスパムちゃんいじくって寝ます!


ネクスト巌窟王sヒント!
ハトムギ
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/11/18(土) 22:06:51.35 ID:10IHG2lKO
このロリコン乙!
31 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/19(日) 11:40:58.06 ID:qOrqFToa0
最原(……狂気の有無、か)

最原「仮に。あくまでこれは仮の話でしかないけど」

真宮寺「……?」

最原「中に人がいるままに消毒機能を使える方法があったとして」

最原「その燻蒸消毒機能を使って人を殺そうと思ったらさ」

最原「毒ガスを使うのが一番手っ取り早いよね?」

百田「まあ、わざわざ単体では殺傷能力のない密室のギミックを使おうとか普通は考えねーよな」

最原「多分、犯人は真っ先に毒ガスでの殺人計画を考えたんだと思う」

最原「……でも毒ガスの機能についてはモノクマの説明以上の情報はなかったし、ぶっつけ本番で使おうなんて思えなかったんじゃないかな」

赤松「唯一キーボくんだけが実際に消毒機能に巻き込まれてたけど、結局それだと毒の威力はわからずじまいだったろうしね」

最原「だから犯人はあらかじめ、何かを使って毒の威力を測ろうとしたはずだ」

最原「生物はどこででも調達できたはずだよ。ゴン太くんの研究教室の虫たち、夢野さんの研究教室のピラニア……」

最原「……いや。少なくとも実際に使われた生物がいたはずだ」
32 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/19(日) 11:59:53.67 ID:qOrqFToa0
最原「……夢野さんのハトムギだよ。犯人は実験動物として彼を使ったんだ!」




夢野「お楽しみは! そこまでじゃ!」反論!




最原「えっ」

最原(あまりにも予想外の方向から反論がッ!?)ガビーンッ!

夢野「最原よ……お主は一つ重大な勘違いをしておるぞ……」

最原「重大な勘違い?」

夢野「……」ゴゴゴゴゴゴゴ

夢野「ハトムギはメスじゃぞ」

最原「……」

最原(凄くどうでもいい反論だった……!)ガビーンッ!
33 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/19(日) 12:13:03.12 ID:qOrqFToa0
夢野「まあそれはともかくとして、記念に反論は続けさせてもらうぞ?」

最原「あ、ああ……うん。いいよ……」

夢野「じゃあ改めて」



反論ショーダウン 真打!

夢野「犯人は突発的に犯行を行ったという話ではなかったのか?」

夢野「一連の工作はすべて巻きで行われたはずという話もあったはずじゃな?」

夢野「アンジーをぶん殴った後で毒ガスを使おうと思ったのなら……」

夢野「少なくとも突発的な犯行だったという前提は撤回すべきではないかのう」


議論発展!


最原「いや。これまでの議論で培った仮説を撤回する気はないよ」

最原「犯人はハトムギを使って毒ガスの威力を測ったはずだ!」

夢野「わからんヤツじゃのう。それは話がおかしいんじゃ」

夢野「いかにウチらが火事で右往左往していたからと言って……」

夢野「アンジーを『ぶん殴った後で』実験したって言説は不自然すぎるじゃろ」

最原「その言葉! 斬ってみせる!」ズバァァァァッ!
34 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/19(日) 12:24:22.71 ID:qOrqFToa0
最原「そうだね。アンジーさんを気絶させた後で、ハトムギを使った実験をしていたのなら話がおかしい」

最原「だって毒ガスはモノクマの説明通りなら『即効性』なんだ」

百田「そんなものをわざわざ使うくらいなら、もっと他にいくらでも殺す方法はあったはずだもんな」

春川「絞殺。撲殺。刺殺。夜長は気絶してたんだから、本当にいくらでも、ね」

春川「殺人の委託によるアリバイ工作へ発想が向かわないような人間なら、逆に毒殺っていう発想に至らない」

最原「うん。そうなるね」

夢野「んあー……? 最原、お主一体何が言いたいんじゃ?」

夢野「ハトムギによる実験が行われたって言ったはずじゃろ」

赤松「今更問い合わせるのはなんとなく恥ずかしいんだけど、そのハトムギって……」

東条「夢野さんの研究教室で飼われている手品用の真っ白な鳩の名前よ」

最原「……あのさ。ハトムギによる実験が行われたのが、そもそもアンジーさんの事件以前なんだよ」

最原「その証拠もあったはずだ」

夢野「どこに?」

最原「……ハトムギが食べてたアレだよ」

夢野「……アルミホイルのことか?」
35 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/19(日) 12:29:19.20 ID:qOrqFToa0
休憩します!
36 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/19(日) 19:04:03.70 ID:qOrqFToa0
クリスマスに連れ回している内にジャックの絆レベル10になってもうた……寿退社かよ……
37 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/19(日) 19:56:02.15 ID:qOrqFToa0
夢野「……ん? 待て。最原。お主の言っていた『真っ先に考え付いた』って……」

最原「あ。ごめん。紛らわしかったかな」

最原「うん。そうだよ。犯人は『夢野さんのマジカルショーが終わった直後』くらいのタイミングで殺人計画を考えたんだと思う」

赤松「えっ!? ちょっと待ってよ! だってそのとき私たちは……!」

茶柱「そうですよね! モノクマからの動機の提示もありませんでしたし、平和そのものだったんですよ!?」

王馬「んー。その認識が甘かったんじゃないかな。だって、俺たちってこの才囚学園に閉じ込められてるんだよ?」

王馬「しかもコロシアイを強要されている状態で。この環境自体がモノクマの提示している最大の動機だよね」

王馬「わざわざモノクマがアクションを起こさなくっても、こういうことは普通に起こりえるはずだって」

赤松「そ、そんな……!」

最原「でも毒ガスを使った殺人計画は頓挫した。その前に入間さんが無毒化させていたから……」

最原「……あ。ちなみに、夢野さんのハトムギがなんでアルミホイルを食べてたかっていうと……」

最原「多分、ハトムギはアルミホイルで囲まれてたんじゃないかな」

天海「……」

天海「もしかして、最原くん。あの研究教室って!」

最原「うん。アルミホイルで赤外線をシャットアウトすれば、おそらく問題なく動作するんだと思う」
38 :逆転の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/11/19(日) 20:11:28.74 ID:qOrqFToa0
最原「でも殺人計画が頓挫したとは言っても、犯人はその時点で燻蒸消毒機能の無毒化のことを知ることができた」

最原「ついでに、幸か不幸かハトムギを実験動物として選んだこともプラスに働いた」

最原「彼……じゃなくって、彼女ほど処分しやすい実験動物もいないよね?」

東条「全部終わった後で空に逃がせば、彼女が何を食べていようがもう関係ない……」

獄原「でも、ハトムギさんは戻ってきた。そして証拠を持ってきてくれたんだね」

獄原「……うう! 夢野さんとハトムギの友情……とっても……とっても美しいよ!」

夢野「いや別に友情とかないが……どっちかというと仕事仲間じゃし」

星「俺でもどうかと思うほどドライだな……」

巌窟王「ついでに言っておこう。俺が真宮寺の研究教室を、アンジー捜索の折りに見たときには」

イシュタル『……ああ! 確かにあったわね、アルミホイルの破片!』

ナーサリー『ええ! 今すぐ上部モニタに出すわ!』

最原「決まりじゃないかな? 掃除された研究教室。アルミホイルの破片。酒を飲ませた形跡のない空き部屋……」

最原「更に、空き部屋から真宮寺くんの研究教室との距離はかなり近い」

最原「……犯人の『絶対に、万が一にでも見つかりたくない』っていう念には念をの精神が裏目に出た結果だ」

真宮寺「……」

真宮寺「クク……ククククククク」

真宮寺「ほ、本気で言っているわけじゃないよネ?」

巌窟王「もう諦めろ真宮寺。お前は終わりだ」

真宮寺「……何が……終わりだって……!?」

真宮寺「な、ななっ……なにがっ……なななにっ……なななななななっ!」ガタガタ
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