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千歌「梨子ちゃん以外の人から私の姿が見えなくなった」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga ]:2017/11/15(水) 17:35:17.78 ID:2lgRMBr+O
高海家−
チュンチュン…
千歌「ん……」パチッ
千歌「朝……」
千歌「………」ボー…
千歌「………」
千歌「……って、今何時!!??」ガバッ!!
千歌「わー!もうこんな時間じゃん!!なんで誰も起こしてくれないのさー!!」
千歌「もー!どうしよー!!梨子ちゃん来ちゃうよー!!」ドタバタ!!
一階−
美渡「ごめんねぇ〜、なんか千歌のやつ、どっか行っちゃったみたいで…」
梨子「えぇ…!?こんな朝からですか!?」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1510734917
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:35:52.96 ID:2lgRMBr+O
志満「まあ、変わった子だから……いづれ戻ってくると思うけど……どうする?上がってる?」
梨子「あっ!お気遣いありがとうございます…!それじゃあ、お言葉に甘えて……」
志満「いいのよ〜、さっ、上がって上がって〜」
千歌「ぎゃあああっっ!!」ドンガラガッシャアアアンッッ!!!
梨子「…!? な…なに…!?」
美渡「?」
千歌「い…いたた……急いでたら滑った……」
梨子「ち…千歌ちゃん…!?」
志満「?」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:36:21.05 ID:2lgRMBr+O
千歌「あっ、梨子ちゃん!もう来てたの!?ごめん!ごめん!今起きた!あはは」
梨子「えぇ!?ていうか、大丈夫なの!?階段から落ちたみたいだけど……」
千歌「ちょっと痛いけど、大丈夫!!」
志満「……? 梨子ちゃん…?」
梨子「え?なんですか?」
志満「い…いや……その……」
千歌「あー!志満姉!なんで今日、起こしてくれなかったの!?もう朝ごはん食べる時間無いじゃん!!」
志満「………」
千歌「シカト!?」
梨子「えぇ……志満さん……」
志満「えっ、なに?梨子ちゃん」
梨子「えっ??あっ…いや……別に用があったとかじゃなくて……」
志満「え?そうなの?あはは、ごめんね」
梨子「???」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:37:09.02 ID:2lgRMBr+O
千歌「ちょっとー!!なんで千歌は無視するのに、梨子ちゃんには反応するのさー!!」
梨子「あはは……落ち着いて…」
美渡「?」
千歌「もー!美渡姉も何か言ってよー!!」
美渡「あー……あのさ…?梨子ちゃん…?」
千歌「美渡姉も無視!?」
梨子「なんですか?」
美渡「さっきから思ってたんだけど……」
千歌「もー!千歌は怒ったよ!!美渡姉とも志満姉とも口聞かないからね!!」
美渡「………」
千歌「む〜!」プンプン…!
梨子「?」
美渡「だ……誰と喋ってるの………???」
梨子「………」
千歌「………」
梨子「………」
千歌「………」
千歌、梨子「…え……?」
千歌「い…いや……何言ってるのさ、千歌と喋ってるんじゃん……大丈夫?二人とも……」
梨子「う…うん……」
美渡「?」
志満「い…いや……その……梨子ちゃん??」
志満「もう一度聞くけど……その……さっきから誰と喋ってるの?」
梨子「え??いや……だから…さっき千歌ちゃんが言ったように…千歌ちゃんと……」
千歌「そうだよ!!梨子ちゃんは千歌と喋ってるじゃん!!なんで、そんな質問するのさ!」
美渡「千歌? あはは…千歌いないのに…? 梨子ちゃん、それジョーク?」
梨子、千歌「え…?」
梨子「えええ…??」
千歌「み…美渡姉……?」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:37:52.21 ID:2lgRMBr+O
梨子「い……いや……あの……千歌ちゃんいますよね……???」
志満「え?いるの!? 帰ってきたのね!どこにいるの!?千歌ちゃーん!出てきなさーい!」
千歌「いや…目の前にいるんだけど……」
梨子「ま…待って……?え……?」
美渡「ん?今度はなに?梨子ちゃん」
梨子「も……もしかして………」
志満「?」
梨子「千歌ちゃんが見えてない……???」
美渡「………」
志満「………」
千歌「えええ…!!??どゆこと!!??」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:38:29.47 ID:2lgRMBr+O
美渡「じゃ…じゃあ……見えてないだけで…今、ここに千歌がいるの……???」
梨子「はい…」
美渡「ん〜……何も見えないけど……」
梨子「今、目の前で変顔してます……」
美渡「えぇ…!?そうなの…?目の前って……」
美渡「……」スカッ…スカッ…
美渡「これ……触ることもできないの…?」
梨子「そうですね……透けちゃってるみたいで……」
梨子「…いたぁっ!?」
梨子「ちょ…なに!?千歌ちゃん!!」
梨子「えっ…?」
梨子「あっ…たしかに…!じゃあ、私は千歌ちゃんに触れるのかな?」
梨子「………」
梨子「それはそうだけど……殴る必要は無かったわよね……?」ゴゴゴゴゴゴ…
梨子「問答無用…!」ビシッ!
梨子「全く……」
志満「………」
美渡「………」
美渡「あー……梨子ちゃん…?あんまり、人前で千歌と喋らない方がいいよ?」
梨子「え…?なんでですか?」
美渡「一人で喋ってるみたいだから……」
梨子「あっ……そ…そうでした……」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:39:00.49 ID:2lgRMBr+O
しいたけ「わん!わん!」
梨子「ひいぃっ…!?し…しいたけちゃん…!?」
しいたけ「くぅ〜ん」
梨子「え……?」
梨子「千歌ちゃん……しいたけちゃんには触れるの…?」
美渡「えぇ…!?私たちは触れないのに!?」
志満「って…うわぁ!?い…椅子が浮いて……」
梨子「あっ、それは千歌ちゃんが持ち上げてて……」
志満「え…?じゃ…じゃあ、椅子にも触れるの…?」
梨子「そう…みたいですね……ていうか、人間以外には触れるっぽいです…」
梨子「本人が今、片っ端から、いろいろ触ってますが、人間以外なら触れてますし……」
美渡「はぁ〜…そうなの……なんか不思議な話ね」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:39:56.16 ID:2lgRMBr+O
undefined
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:40:30.53 ID:2lgRMBr+O
二限目 二年生教室−
先生「えー…であるからして……」
曜(………)
曜(千歌ちゃんと梨子ちゃん遅いなぁ……)
曜(連絡もつかないし……何かあったのかな…?)
ドア ガララ…!!
曜「うわっ…!?」
曜(ド…ドアが勝手に開いた…!?)
梨子「っとーー…!!!」ズサアァッッ!!!
曜「えぇ…!?梨子ちゃん…!?」
梨子(あ…危なかったぁ……!)
梨子「もぅ…!千歌ちゃん…!!勝手にドア開けないでよっ…!!不自然でしょ!!」
梨子「………」
梨子「いや、だから…それがまずいんだって…」
梨子「………」
梨子「って千歌ちゃん!?ちょ…!何してるの!!」
先生「………」
曜「………」
クラスメイト「………」
梨子「って……あっ………」
先生「あー……桜内さん…?」
梨子「は…はい…!」
梨子(やばい……完全に一人で喋ってた……)
先生「高海さんは今日、風邪でお休みよ……さっき連絡があったわ……」
梨子「うっ……は…はい……」
梨子(今…先生の目の前で踊ってますよ……!)
先生「それから大遅刻です……日頃の行いが良いから、今日のところは許しますが、次は無いですよ?」
梨子「は…はい……すみませんでした……」
先生「じゃあ、席について…?授業を再開するわよ」
梨子「はい……」
梨子「うぅ……」トボトボ…
曜「ヨーソロー…梨子ちゃん……」コソコソ
梨子「おはよう……曜ちゃん……」
曜「なにかあったの…?」コソコソ
梨子「………」
梨子「………」チラッ
梨子「…はぁ……」
梨子「なんでもないわ……」
曜「…そ…そっか……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:40:56.90 ID:2lgRMBr+O
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
先生「はい…じゃあ、今日はこれで終わりね。ちゃんも復習しておくように」
生徒「きりーつ…ありがとうございました…」
生徒「ありがとうございました」
梨子「っはぁ……やっと終わった……」
曜「どしたの?梨子ちゃん……なんか集中できてなかったみたいだけど……」
梨子「いや……なんでもないわ……」
梨子「それより……」ギロッ…
曜「?」
梨子「…私トイレ行ってくるわね…」ゴゴゴゴゴ…
曜「う…うん……」
梨子 ガララ…
曜(ずいぶん気合い入れてトイレ行くなぁ……我慢してたのかな…?)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:41:50.03 ID:2lgRMBr+O
中庭−
梨子「ちーかーちゃーんー!!!」ゴゴゴゴゴ…
千歌「あはは…ごめん…ごめん……なんか楽しくって……」
梨子「だからって、あれはやりすぎでしょ!!!私なんにも集中できなかったわよ!?」
千歌「えへへ…でも、面白かったでしょ?」
梨子「面白くなあぁぁぁいっっ!!!」
千歌「うわぁっ……ていうか、いいの?また千歌と喋ってるけど……」
梨子「大丈夫よ……ここ中庭だし……人も沢山いるから…紛れらるわ」
千歌「紛れられてないと思うけど……」
梨子「え…?」クルッ
生徒「だ…大丈夫かな…桜内さん……」コソコソ
生徒「…千歌ちゃんいなくて狂っちゃったのかな……」コソコソ
生徒「……かわいそうに……」コソコソ
梨子「うぐっ……」
千歌「どんまい…梨子ちゃん……」
梨子「それもこれも全部千歌ちゃんが悪いんでしょ!!どんまいじゃないわよ!!」
千歌「ちょ…また一人で喋ってると思われるよ?」
梨子「うっ……」
千歌「ふっふっふっ……今の千歌は何しても絶対に梨子ちゃんに怒られない状態だね…!」
梨子「くっ……」
梨子(こんな時ばっかり頭が働くんだから……!!)
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:42:22.45 ID:2lgRMBr+O
曜「おーい!梨子ちゃーん!」タッタッタッ
梨子「え?曜ちゃん…!どうしたの…?」
曜「いや、なんかクラスの子から、梨子ちゃんが変だって報告を受けて……」
梨子「えぇ……そんな…」
千歌「あははははっ!梨子ちゃん、変な人になっちゃったね!!」
梨子「ぐっ…」ムカッ…
曜「どうかしたの?授業中も様子がおかしかったし……」
梨子「い…いや……その……」
曜「やっぱり千歌ちゃん…?千歌ちゃんがいないから、狂っちゃったの…?」
梨子「いや、そんな事ないからね!?千歌ちゃんいないからって狂わないわよ!?私!!」
曜「そう?でも、梨子ちゃん、千歌ちゃんの事す…もががっ…」
梨子「わあああっっ!!!ストップ!!ストップ曜ちゃん…!場所を考えなさい…!!!」
千歌「?」
曜「えぇ……でも、別にここなら…誰も聞いてないんじゃ……」
梨子「聞いてるのよ!!!一番聞かれたくない人が!!」
千歌「何の話ー?」
梨子「な…なんでもないわよ〜…?」ドキドキドキドキ…
曜「梨子ちゃん…?」
梨子「あっ…!」
曜「また独り言……やっぱり狂って…」
梨子「違う…!!違うから!!大丈夫よ!!私はノーマル!!いつも通りの桜内!!」
曜「いつもの梨子ちゃんは、そんな事言わないような……」
梨子「と…とにかく…!!大丈夫だから!!教室戻りましょう…?」
曜「う…うん……」
千歌「じゃあ、梨子ちゃん!私は、この辺で遊んでるねー!」
梨子「………」
梨子「さっ、いきましょう…曜ちゃん。もう授業始まるわよ」スタスタスタ…
千歌「あっ……」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:42:57.73 ID:2lgRMBr+O
千歌「………」
千歌「わ…分かっちゃいるけど、梨子ちゃんに無視されたみたいで辛いね……これ……」
千歌「まあ…梨子ちゃん以外の人には、私見えてないんだし…しょうがないよね……」
千歌「………」
千歌「………」ポツーン…
千歌「んー……なんか急に寂しくなってきた……」
千歌「ていうか、なんで私、透明になっちゃったんだろ……」
千歌「………」
千歌「もしかして……」
千歌「昨日のあれが…?」
千歌「………」
千歌「………」
千歌「いやいや……まさかね……」
千歌「さすがにそんな馬鹿げた話ない……」
千歌「………」
千歌「いや…でも現に透明になってはいるし……やっぱり、あれが……」
千歌「………」
千歌「むむむ……」
千歌「………」
千歌「あー!もう!やめだ!やめだー!私バカだから考えても分かんないや!!」
千歌「いつか治る…!!うん…!!きっと治るはず…!!」
千歌「だから、それまで、この体でしかできない事やりまくるぞっー!!」
千歌「おっーー!!!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:45:11.17 ID:2lgRMBr+O
>8
志満「それで……これ…どうすればいいの?学校には、なんて連絡をしたら……」
梨子「え…?なに?千歌ちゃん」
梨子「………」
梨子「えっ…」
梨子「で…でも……そんな事したら…みんなが心配するんじゃ…」
美渡「どうしたの?梨子ちゃん。千歌、なんて言ってるの?」
梨子「あっ…いや……その……」
梨子「…なんか「みんなには内緒で」って……」
志満「えぇ…!?で…でも……千歌ちゃんが突然いなくなってるわけだし…説明しないわけには……」
梨子「「風邪ひいて部屋から出れないって事にする」って言ってます……」
志満「えぇ…!?みんな…心配するわよ…?」
梨子「ですよね……」
梨子「でも、千歌ちゃん…もう何を言っても聞きそうにありません……」
美渡「うわっ…面倒くさいモード入っちゃったかぁ……」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:45:56.70 ID:2lgRMBr+O
>8
志満「で…でも…!風邪じゃ、そう長くは休めないわよ?その後はどうするの?ていうか、これって治るの?」
梨子「たしかに……」
梨子「………」
梨子「はぁ…!?」
梨子「何言ってるのよ…千歌ちゃん……」
美渡「ん?今度はなに?」
梨子「なんか…「治るまで風邪にかかり続ける」って言ってます……」
美渡「いや…さすがにおかしいでしょ……」
志満「それに、そんなに長く風邪ひいてたら、本当にみんなに心配かけるわよ?」
美渡「曜ちゃんなんか、自分がかかってもいいからって看病しに来そうだしね」
梨子「あはは……ありうる……」
梨子「え?なに?千歌ちゃん」
梨子「時間…?」
梨子「あぁ!!もう学校始まってるじゃん!!なんで早く言わないのよ!!」
梨子「私も忘れてたって………もうっ!!とりあえず急いで学校行くわよ!!」
梨子「あっ、それじゃあ、志満さん、美渡さん、行ってきます…!」
志満「い…行ってらっしゃい……」
美渡「えぇ!?ていうか、千歌も行くの!?あんたは家で大人しくしてなさいよ!」
梨子「だって!千歌ちゃん!!」
梨子「………」
梨子「って…ちょ……先行かないでよ!!千歌ちゃん!?千歌ちゃん!!」
梨子「あぁ……」
志満「あはは……こうなったらもう止まらないわね……」
梨子「はい……」
美渡「あいつ、絶対悪い事考えてるな……」
梨子「ですよね……先が思いやられます……」
志満「ごめんねぇ…梨子ちゃん……千歌ちゃんが変な事したら叱っていいからね」
梨子「はい……それじゃあ…私も行きますね…もう完全に遅刻だけど……」
志満「行ってらっしゃい、頑張ってね!」
美渡「梨子ちゃん、ファイトー!」
梨子「ありがとうございます……って千歌ちゃん、何してるの!!??ちょっとー!!」タッタッタッ!
志満「あはは……」
美渡「たいへんだね……梨子ちゃんも…」
梨子「もうっ!!千歌ちゃん、ちょっと止まって〜!!」タッタッタッ!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:47:01.91 ID:2lgRMBr+O
三年生教室前−
千歌「私のクラスだと、梨子ちゃんがうるさいからね……」
千歌「ここなら、私は本当に誰にも見えない!!自由の身だ!!」
千歌「おじゃましまーす……」ソーーーット……
先生「えー…であるからして……」
ダイヤ「……」カキカキ…
鞠莉「……」ボーー…
果南「…zzz」
千歌「よーし……バレてはい…バレてない……」
先生「それじゃあ、黒澤さん、この英文を読んでいただけますか?」
ダイヤ「はい。My sister is very charming. So I love her. 」
先生「はい…ありがとうございます。ですが、ひとつ読み間違えてますよ?loveではなくlikeです」
ダイヤ「あっ…すみません……間違えました…」
先生「気をつけてくださいね?loveとlikeでは全く意味が変わってきますから」
千歌「ふーん…loveとlikeねぇ……それぐらいなら、私でも分かるよ!」
千歌「それにしても、ダイヤさん発音綺麗だったなぁ〜……なんて言ってたかは分からないけど……」
千歌「やっぱり、ダイヤさんはすごいね…!」
千歌「それに比べて、この人は……」
果南「…すぅ…すぅ……ふがっ……すぅ…」zzz…
千歌「………」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:47:32.90 ID:2lgRMBr+O
千歌「あんまり人の事言えないけど、さすがに爆睡しすぎだよ……」
千歌「……」クンクン…
千歌「む……磯の香りがする……」
果南「すぅ…すぅ…」zzz…
千歌「さては、朝から泳いできたな…?」
千歌「それで授業は寝ると……」
果南「むにゃ…むにゃ……」zzz…
千歌「これは……」
千歌「お仕置きが必要だね…!!」
先生「職員室にプリント忘れてきてしまったので、取ってきますね、それまでに問題を解いといてください」
先生 タッタッタッ……
千歌「む…先生がいなくなった……」
千歌「チャンスだね……」
果南「すー…すー……」zzz
千歌「幸せそうな顔して寝てられるのも、今だけだよ…!果南ちゃん…!」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:48:04.12 ID:2lgRMBr+O
果南「ふがっ……すぅ…」zzz…
千歌「椅子は触れるんだよね…」
千歌「よしっ…!」
千歌「せいっ…!」ギギギ…!!!
ダイヤ「…!?」
鞠莉「ん…?」
果南「ふがぁっ……」zzz…
千歌「やば……椅子引いたら思ったより音出ちゃった……」
ダイヤ(爆睡していた果南さんが急に動きましたわ……寝ピクとかいうものでしょうか……)
鞠莉(先生がいなくて良かったね…果南……)
果南「すぅ…すぅ…」zzz…
千歌「寝てる……ね……」
千歌「よし……じゃあ、次だ…!」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:48:40.54 ID:2lgRMBr+O
千歌「えー…っと……」ゴソゴソ…
千歌「あった…!タオル!!」
千歌「これを使えば〜……今の私でも…よっと…!」
果南「ふががっ…」
千歌「果南ちゃんに触れる…!」
千歌「そして、持ち上げられるっ…!」グアッ!!
果南「ふがぁっ…」ユサッ!!
千歌「うむむ……重い……」
果南「すぅ…すぅ……」zzz…
鞠莉「…!?」
鞠莉「ダ…ダイヤ!あれ……!」
ダイヤ「なんですか?鞠莉さん」
鞠莉「う…後ろ……果南が…」
ダイヤ「え?」クルッ
ダイヤ「…!!??」
ダイヤ「果南さんが浮いてる…!?」
果南「むにゃ…むにゃ……」
千歌「ふっふっふっ…みんな驚いてるね……」
千歌「周りから見れば爆睡してる果南ちゃんが突然浮いたわけだからね……そりゃ驚くか……」
千歌「でも、まだ驚くのは早いよ…!」
千歌「ここから果南ちゃんは動く…!!」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:49:06.26 ID:2lgRMBr+O
千歌「ふんっ…!」ズンッ…!
千歌「ふんっ…!」ズンッ…!
千歌「むぅ…!重いっ…!」ズンッ…!
ダイヤ「わ…わわっ…!う…動きましたわ…!!」
鞠莉「な…なにこれ……」
生徒「何が起こってるの……??」
生徒「教室の前に移動していく……」
ダイヤ「これは……まさか…夢遊病とかいう……」
鞠莉「いや…それ意味違くない……?」
果南「すぅ……すぅ……」フワフワ…
千歌「うぐぐ……あと少しぃ〜…!」ズンッ…!ズンッ…!
千歌「ここに……乗せて〜……!」
果南「ふがっ……」スッ……
千歌「よしっ…!」
果南「すぅ……すぅ……」zzz…
ダイヤ「か…果南さんが……」
鞠莉「教卓の上に……」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:49:50.33 ID:2lgRMBr+O
千歌「これで先生が来たら怒られるね…!よし!お仕置き完了!!」
千歌「ふー…疲れた……次は一年生の教室行こっと!」タタターッ!
鞠莉「………」
ダイヤ「………」
生徒「………」
果南「むにゃ…むにゃ………」zzz…
鞠莉「え………」
鞠莉「いや…なんなの…これ………」
ダイヤ「わ…分かりませんわ……」
鞠莉「でも…なんというか……」
鞠莉「シュールね……」
ダイヤ「はい………」
果南「すぅ……すぅ……」zzz…
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:50:20.64 ID:2lgRMBr+O
先生「ごめんなさい、遅くなっちゃっ…た……って……え?」ガララ…
果南「むにゃ…むにゃ…」zzz…
一同「……」
先生「え……な…なにこれ………」
先生「新手のいじめ……?」
果南「すぅ……すぅ…ふがっ…」パチッ…
果南「………」
鞠莉「あ…果南、起きた……」
果南「………」
ダイヤ「困惑してますね……」
鞠莉「そりゃそうでしょ……」
果南「………え?」
果南「な…なにこれ……」
先生「松浦さん……」
果南「わぁ…!せ…先生…!」
先生「何があったかは知りませんが……後で職員室に……」
果南「そ…そんな……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:51:14.97 ID:2lgRMBr+O
放課後−
千歌「フンフンフーン♪」
梨子「千歌ちゃん……!」
千歌「あっ!梨子ちゃん久しぶり!」
梨子「久しぶりじゃないわよ!!どこ行ってたの!?」
千歌「ん〜……三年生の教室とか…一年生の教室とか…職員室とか………まぁ、とにかくいろいろ行ったよ!」
梨子「………」ジィーー…
千歌「え…?どうしたの?梨子ちゃん…」
梨子「いたずらしてないわよね…?」ジィーー…
千歌「えっ…?あー……あははー……どうだったかなぁ〜……忘れちゃった…!」
梨子「………」
梨子「はぁ……」
千歌「うっ…」
梨子「いたずらしたのね……その感じだと……」
千歌「あははー……ごめんなさい…」
梨子「いいわよ……ちゃんと注意してなかった私も悪いわ……でも、もうしちゃダメだからね!分かった!?」
千歌「あいあいさー!」ビシッ
梨子「はいはい……じゃあ、私、部活行くけど、千歌ちゃんも来る?」
千歌「もちろん!リーダーだからね!」
梨子「なにもしないでよ…?」
千歌「分かってるよ〜!ほら!早く行こう!遅れちゃうよ!」タッタッ!
梨子「あぁ…!待って!千歌ちゃん…!」タッタッ!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:51:45.30 ID:2lgRMBr+O
屋上−
ダイヤ「そうですか……千歌さんが……」
梨子「は…はい……」
曜「心配だなぁ……」
梨子「そ…そうだね……」
梨子「……」チラッ
千歌「ひょー!!見て見て!!梨子ちゃん!!私、今、ダイヤさんと重なってる!!なにこれ面白い!!」
梨子「…はぁ……」
ダイヤ「ん?どうかしました?梨子さん」
梨子「いえ……なんでもありません……」
花丸「千歌ちゃんは風邪なのは分かったけど、果南ちゃんはどこ行ったずら?」
鞠莉「果南なら、今、職員室で怒られてるわよ!」
花丸「えぇ……なにしたずら…」
鞠莉「ん〜……それは……」
ダイヤ「なんというか……」
鞠莉「まあ、結論だけ言うと、授業中に教卓の上で寝たって事ね!」
梨子「…!?」
花丸「なんずら…それ……」
ダイヤ「そういう一年生も善子さんが見当たりませんが……」
ルビィ「あ…それは……善子ちゃんも職員室に……」
梨子「…!?」
鞠莉「善子も…!?」
ルビィ「うん……」
ダイヤ「はぁ……全く……だらしないですわね……」
ダイヤ「じゃあ、とりあえず二人が来るまでストレッチだけしておきましょうか」
全員「「はーい」」
梨子(………)
梨子(千歌ちゃんの仕業だ……)
千歌「見て!見て!!千手観音!!ダイヤさん千手観音!!あはは!!すごくない!?手4つだけど!」
梨子「………」
梨子「…はぁ……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:52:21.38 ID:2lgRMBr+O
練習終了後 帰り道−
善子「しばしの別れ!!また会おうぞ!!」
曜「ヨーソロー!」
梨子「はいはい…また明日ね……」
バス ブロロロロロロロ……
梨子「………」
梨子「行ったわね……」
千歌「うん…」
梨子「千歌ちゃん…」
千歌「ん?なぁに?」
梨子「重いから、どいて……」
千歌「わー!ひどいっ!乙女に向かって重いだなんて!!」
梨子「そういうのいいから……」
千歌「はぁーい」
千歌「よいしょっと……」
梨子「はぁ〜……やっと軽くなった……」
千歌「えへへ、せっかく透明になったらね!取り憑いてみました!」
梨子「千歌ちゃんは幽霊じゃないでしょ……それに、私には姿も見えるし……」
千歌「そうでした!あははっ!」
梨子「あはは…って……千歌ちゃん……」
千歌「ん?」
梨子「ちゃんと現状理解してる? 私以外の人から見えないし触れないのよ?不安とかないの?」
千歌「えっ…?あー……たしかに……考えてみれば、そうだよね……」
梨子「何も考えてなかったの!?」
千歌「あはは…いやぁ〜……なんか別にいいかなって……」
梨子「いいわけないでしょ!?」
千歌「だよねー…あはは……」
梨子「あはは…じゃないわよ……全く……」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:52:57.43 ID:2lgRMBr+O
千歌「で…でもね…!私…梨子ちゃんで良かったよ…!」
梨子「えっ…?何が…?」
千歌「見てくれる人が!」
梨子「そ…そうなの…?」
千歌「うん…!他の誰も見てくれなくても……梨子ちゃんが見てくれるなら…いいよ!私!」
梨子「…!」
梨子「ま…また……そんな事言って……いいわけないでしょ……?全く……」
千歌「えー?そうかなぁー…」
梨子「そ…そうよ!aqoursの活動だってあるし…もし、千歌ちゃんがこのままだったら…千歌ちゃんの未来は…」
千歌「あはは…私の未来の事まで心配してくれるの…? 大げさだよ〜」
梨子「心配するわよ!!私にしか見えないのよ!?私がなんとかしないと……」
千歌「梨子ちゃん……」
梨子「ていうか、まず、みんなに言わないと!話はそれからよ!!」
千歌「んー……それはもうちょっと後で…」
梨子「何言ってるのよ!いつまでもこのままでいるわけにもいかないでしょ?」
千歌「そう?私は好きだけどなぁ〜……この時間……なんか……私と梨子ちゃん…二人だけの秘密っていうかさ……」
梨子「秘密…って……」
千歌「うん…」
梨子「………」
千歌「………」
梨子「…千歌ちゃん……楽しんでるでしょ……」
千歌「えへへ…そうかも…♪ 」
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:53:39.87 ID:2lgRMBr+O
梨子「はぁ……良くそんな楽観的に考えられるわね……」
千歌「だって、本当に楽しいんだもん!」
千歌「だからさ!梨子ちゃんも焦らないでいいよ?楽しもうよ!」
梨子「いや…そう言われても……」
千歌「よーし!じゃあ、まずは海行こう!海!!私が海入ったらどうなるんだろ!?」
梨子「海…?どうなるって……千歌ちゃんのいるところだけ透けるんじゃないの…?」
千歌「えー!?なにそれ!?不思議!!じゃあ、早く行こうよ!!」タッタッ!
梨子「えっ…?ちょ…待ってよ…!千歌ちゃん…!」タッタッタッ
千歌「梨子ちゃん早くー!!」タッタッタッ!
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−
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28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:54:13.51 ID:2lgRMBr+O
1時間後−
梨子「っはぁ……はぁ……疲れた……」ビショビショ
千歌「結局、梨子ちゃんにも私の姿見えてるから、透けてるかどうか分からなかったね…」ビショビショ
梨子「そうね……でも、通行人から白い目で見られたわ……」
千歌「それは千歌が透けてるからというより、梨子ちゃんが一人で遊んでるように見えたからじゃないの?」
梨子「そうに決まってるでしょ!!分かってるなら、止めてよ!!」
千歌「いや…別に梨子ちゃんだけ浜辺にいれば良かったじゃん……」
梨子「そうもいかないでしょ!?千歌ちゃん透けてるんだから、周りの人からしたら超現象よ!?私が波しぶきをあげて、ごまかすしかないじゃない!!」
千歌「あー…それであんなに暴れてたんだ……梨子ちゃん狂ったのかと思った……」
梨子「いや、私、そんなすぐ狂わないわよ!?」
千歌「まあ、いいや、疲れたから早く家帰ろう?」
梨子「え…えぇ……そうね……私も疲れたわ……心身共にね……」
千歌「じゃあ、また明日ね!梨子ちゃん!」
梨子「はいはい…また明日……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:54:46.24 ID:2lgRMBr+O
その日の夜−
梨子部屋 ベランダ−
梨子「はぁ……」
梨子(………)
梨子(…疲れた……)
梨子(………)
梨子(これが明日も……)
梨子(……想像しただけで疲れるわ…)
梨子(全く……なんで、ああも楽観的に考えられるのかしら……)
梨子(………)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
千歌「他の誰も見てくれなくても……梨子ちゃんが見てくれるなら…いいよ!私!」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
梨子(………)
梨子(私が見てくれるなら…いい……か……)
梨子(………)
梨子(すぐああいう事言うんだから……)
梨子(あなたのそういう身勝手な発言に、今まで、私がどれだけ惑わされてきたと思ってるの……)
梨子(いまさら、あのくらいじゃ動じないわよ…)
梨子(………)
梨子(でも…楽しかったなぁ……)
梨子(千歌ちゃんと私だけの……秘密……か…)
梨子(ふふっ……それもいいかもね……)
千歌「あっ!梨子ちゃんだ!!」
梨子「って…千歌ちゃん…!?いたの…!?」
千歌「今来たところ!」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:55:24.26 ID:2lgRMBr+O
美渡「あっ!梨子ちゃん!今、そこに千歌いるの!?」
梨子「え…?は…はい……いますけど……」
千歌「げっ…やばい!やばい!逃げろー!」タッタッタッ!
梨子「あぁ…!千歌ちゃん…!」
美渡「えぇ…!?またどっか行っちゃったの!?」
梨子「はい……今、美渡さんの後ろを通っていきました……」
美渡「えっ…?…全然気づかなかった……」
梨子「どうかしたんですか?」
美渡「いやぁ〜…あいつ、いたずらばっかりしてさぁ……もう困っちゃうのよ…」
梨子「あはは……学校でも大変でした…」
美渡「学校でも? はぁ…全く、しょうがない奴だな……」
梨子「千歌ちゃんですからね……」
美渡「あはは…たしかに……。ていうかさ、今、梨子ちゃんって暇?」
梨子「え?暇ですけど……なんでですか?」
美渡「いやぁ〜…できれば、千歌の事監視してて欲しいんだど…」
美渡「ほら、私達だとさ、見えないし、聞こえないし、触れないで、いるのかいないのかさえ分かんなくて……」
梨子「…!」
梨子「そ…そうですよね……」
梨子(いるのかいないのかさえ分かんない……か…)
美渡「ごめんね?お願いできる?」
梨子「あっ…はい!大丈夫ですよ!」
美渡「ありがと!恩にきるよ!」
梨子「じゃあ、今から、そちらに伺いますね」
美渡「うん!待ってるよ〜」ガララ……ピシャンッ…
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:55:52.48 ID:2lgRMBr+O
梨子「………」
梨子(そっか……私には見えてるから分かんないけど……今日一日、誰も千歌ちゃんに気づかなかったんだよね……)
梨子(いるのかいないのかさえ分からない……)
梨子(それって……)
梨子(………)
梨子(………)
梨子(いや……変な事考えるのはやめよう……私には見えてるんだし……物だって触れてるんだ……)
梨子(千歌ちゃんはいる……それは絶対変わらない……)
梨子(………)
梨子(そうよね…?)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
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32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:56:25.84 ID:2lgRMBr+O
千歌部屋−
千歌「って、なんで梨子ちゃんがウチにいるの!?」
梨子「千歌ちゃんを監視するためです」
千歌「さすがに夜は寝るから大丈夫だよ!」
梨子「信用できません!ほら!寝るわよ!」
千歌「えー!もう寝ちゃうの!?せっかくお泊りなんだから、もっとお話しようよー!」
梨子「お泊りって……はぁ……」
千歌「理由はあれだけど……でもお泊りには変わりないよね!」
梨子「まぁ…そうだけど……」
千歌「でしょ!だから寝ちゃうのもったいないって!」
梨子「でも、明日も学校だし…」
千歌「私は別に遅刻し放題だから関係ないけどね!」
梨子「私は関係あるの!寝ます!!」
千歌「えー!!じゃあ、せめて一緒に寝ようよー!」
梨子「は…はぁ…!? ///」
梨子「一緒に寝る…!? ///」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:57:02.25 ID:2lgRMBr+O
千歌「え…?ダメ…?」
梨子「ダダダダダメとかじゃないけど…!ほ…ほら…!もう高校生だしね…!?なんというか……ね!?」
千歌「でも、果南ちゃんと鞠莉ちゃんは一緒に寝てたよ?」
梨子「いや…あの二人は……そういう関係だから……」
千歌「え?どういう関係…?」
梨子「えっ!?/// ん〜……えっと……な…仲良し…?」
千歌「それなら、私達もだよ!一緒に寝ようよ!!」
梨子「えぇ…!?い…いや…だから…って、ちょっと!千歌ちゃん…!?勝手に……!」
千歌「わーい!梨子ちゃんの布団あったかいね!」
梨子「ちょ…待って…!千歌ちゃん!!恥ずかしいから!恥ずかしいから!!/// 」
千歌「恥ずかしがる事ないよー!ほら!結構広いし!二人で寝れるよ!」
梨子「そ…それは……まあ…そうだけど……」
千歌「ね?お願い……千歌も寂しいの…梨子ちゃん以外の人から見えなくなっちゃって……」
梨子「千歌ちゃん……」
千歌「だからお願い……ダメ…?」
梨子「うぐっ…///」
梨子「わ…分かったわ……でも、今夜だけよ…///」
千歌「わーい!梨子ちゃん大好き!」
梨子「…!」
梨子「…は……はいはい……じゃあ……寝ましょうか……」
千歌「うん…!おやすみ!梨子ちゃん!」
梨子「おやすみ…千歌ちゃん…」
梨子(………///)ドキドキドキドキドキ…
千歌「すぅ…すぅ……」zzz…
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
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34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:57:34.24 ID:2lgRMBr+O
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35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:59:00.33 ID:2lgRMBr+O
翌朝−
チュンチュン…
「ん……」パチッ…
「朝……」
梨子「すぅ…すぅ……」zzz
「………」
「ふふっ……梨子ちゃん、幸せそうな顔してる……」
「ん〜…!よく寝れたなぁ〜…!」ノビィー
梨子「ん……」パチッ…
「あっ…梨子ちゃん、起きた」
梨子「ん…?あ…あぁ……ここ千歌ちゃんの家か……」
「あはは、寝ぼけてるの?おはよう!梨子ちゃん!」
梨子「おはよう…千歌ちゃん……」
梨子「って……あれ…?」
梨子「千歌ちゃん…どこ…?」
「えっ……」
梨子「一階…? 声は近くから聞こえたけど……」
「り…梨子ちゃん……?」
梨子「あれ…? また……」
梨子「もう……どっかに隠れてるんでしょ!全く……いたずらばっかりして…」
「か…隠れてないよ……」
梨子「えっ……?」
「千歌……隠れてなんかないよ……?梨子ちゃんの目の前にいるよ……?あれ…?なんで…?おかしいな……」
梨子「ち…千歌ちゃ……」
「梨子ちゃんには見えるはずなのに……あれ…?どうして……?」
梨子「うそ……ま…まさか……私にも……」
梨子「ほ…本当にいるの…?私を脅かそうとして隠れてるんじゃ……」
「ち…ちがうよ……いるよ…?目の前……見えないはずないよ……」
梨子「…そ…そんな……」
「ど…どうしよう……梨子ちゃん……私…」ウルウル…
梨子「…!」
梨子「ち…千歌ちゃん…!」ダキッ…!
「わっ…!り…梨子ちゃん…!?」
梨子「よ…良かったぁ……」
「えぇ…!?きゅ…急にどうしたの…!? ///」
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 17:59:49.07 ID:2lgRMBr+O
梨子「あっ…いや……ごめん…///」パッ
梨子「その……触る事はできるのかなぁ〜……って思って……つい……」
「…!」
「じゃ…じゃあ…!見る事はできなくなったかもだけど……まだ梨子ちゃんは私に触れるって事!?」
梨子「そ…そうね……!」
「…!!」
「り…梨子ちゃん…!」ダキッ…!
梨子「わっ…!ち…千歌ちゃん…!?///」
「触れる…触れるよ…!!梨子ちゃん……!良かった……良かったよ……」
梨子「…!」
梨子「千歌ちゃん……」
美渡「二人とも〜、朝ごはんできたよ〜」ガララ…
梨子「あっ……」
美渡「えっ……なにしてんの……?…それ……」
梨子「あっ…いや……こ…これは……」
美渡「お取り込み中すみませんでした……」ガララ…
梨子「えぇ…!?ちょ…待って!待ってください…!!なんか勘違いしてませんか!?」
梨子「美渡さん…!?美渡さーん!」
「あはは……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 18:00:19.67 ID:2lgRMBr+O
美渡「えええ!?もう梨子ちゃんにも姿が見えなくなっちゃったの…!?」
梨子「はい……」
志満「昨日までは見えてたのに……」
梨子「そう……ですね……」
志満「ち…千歌ちゃんはどうなの?落ち込んでない…?」
梨子「あ…えっと……それは……」
梨子「………」
美渡「どうなの…?」
梨子「えっと……そうですね……割と元気……ですかね……」
美渡「元気なの…!?」
梨子「はい……今も私の肩に座って歌を歌っているところです……」
志満「えぇ……梨子ちゃん、大丈夫…?」
梨子「重いです……」
美渡「はぁ……呆れた……これでも元気って……どこまでバカなのよ……」
梨子「わっ…千歌ちゃん…?」
美渡「ん?どうしたの?」
梨子「あっ…いえ……なんか今の美渡さんの発言が気に食わなかったみたいで……そっちの方で美渡さんを叩いてるっぽいです……」
美渡「はぁ…!?そうなの…?何も感じないけど……」
梨子「バカじゃないー!って言ってます」
美渡「な…なにそれ……」
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 18:01:19.28 ID:2lgRMBr+O
志満「ふふっ…千歌ちゃんは大丈夫そうね」
梨子「そうですね……特に変わってないです……」
美渡「それより、梨子ちゃん、ゆっくりしてるけど、時間大丈夫?また遅刻するよ?」
梨子「えぇ…!?あっ…!ほんとだ…!!ち…千歌ちゃん…!!どこ…!?学校行くわよ!!」
梨子「って…あれ…!?千歌ちゃん…!?千歌ちゃん……!?」
美渡「今度はどうしたの……」
梨子「あっ……いや…千歌ちゃんがいなくて……」
美渡「いない…?どっかに隠れてるんじゃないの……?」
志満「もしくは、先に学校行っちゃったとか……」
梨子「えぇ…!? さ…先に…!?」
美渡「あいつ……また悪い事考えてるな……」
梨子「そんな……昨日より見つけづらくなったっていうのに……」
志満「あはは…梨子ちゃん頑張ってね」
梨子「はい……頑張ります…」
美渡「無理そうなら放っておけばいいからね」
梨子「はい…それじゃあ、私もう行きますね、すでに千歌ちゃんが何か しでかしてそうなので……」
志満「そうね……早く行った方がいいかも……」
美渡「行ってらっしゃーい」
梨子「はい…行ってきます……」ガララ…
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 18:01:45.04 ID:2lgRMBr+O
美渡「………」
志満「………」
美渡「………」
美渡「千歌……」
志満「本当に大丈夫なのかしら………あの子、いつも周りに遠慮して無理するから……」
美渡「こんな状態になっちゃったんだから、少しは頼ってもいいのに……」
志満「自分より他人を優先しちゃうからね……優しすぎるのよ……千歌ちゃんは…」
美渡「ほんとね……バカだよ…千歌は……」
志満「そうね……」
美渡「………」
「………」
「バカじゃないもん……」
「………」
「………」
「私も、学校行こ……」
「梨子ちゃんが心配する……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 18:02:15.53 ID:2lgRMBr+O
二年生教室−
先生「えー…であるからして……」
梨子「………」
梨子(………)
梨子(千歌ちゃん……どこ行ったんだろ……あの後、探してみたけど全然見つからないし……)
梨子(今頃、一年生か三年生の教室で暴れてるんじゃ……)
梨子(………)
先生「あー…じゃあ、桜内さん、この問題分かる?」
梨子(私が……私がなんとかしないと……)
先生「………」
曜「?」
先生「桜内さん…?」
梨子「………」
曜「おーい……梨子ちゃーん…」
梨子「えっ…?なに…?」
曜「問題…問題……指されてるよ……」
梨子「えっ…?」
先生「桜内さん……しっかり授業を聞いていたください……」
梨子「あっ……す…すみません……」
梨子(うぅ……今はそれどころじゃないのに……)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 18:02:51.23 ID:2lgRMBr+O
中庭−
「…………」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
志満「いつも周りに遠慮して無理するから……」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「………」ムッ…
「別に無理してないもん……」
「本当に大丈夫だし……」
「むしろ楽しいし……」
「………」
「そ…そりゃあ、みんなに見えなくなったのは寂しいよ…?でも……」
「でも、梨子ちゃんには見えてるし……あっ…いや……今は…もう見えないか……」
「………」
「………」
「なんで見えなくなっちゃったんだろ……」
「昨日は見えてたのに……」
「たった一日で……」
「………」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 18:03:31.08 ID:2lgRMBr+O
「………」
「明日は……」
「明日はどうなっちゃうんだろ……」
「もう声も届かなくなっちゃうのかな……」
「触る事もできないのかも……」
「そうなったら……」
「私は……」
「………」
「………」
ハト パタパタパタ…
「あっ…ハトさん…」
ハト トコトコ…
「こっち来た…!」
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 18:03:59.28 ID:2lgRMBr+O
ハト トコトコ…
「おいで、おいでー」
ハト トコトコ…
「近っ…!この子、警戒心とかないのかなぁ…」
ハト トコトコ…
「触れそう……」
ハト ポッポッポッ…
「ゆっくり……脅かさないように……」ソーーーーッ…
スカッ…
「えっ……?」
ハト トコトコ…
「あっ……」
ハト トコトコ…
「……そ…そっか………」
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 18:04:31.50 ID:2lgRMBr+O
ハト トコトコ……
(もう私、動物にも見えないし……触れないんだ………)
(……そっか………)
(………)
ハト パタパタパタ…!
(あっ………)
(行っちゃった………)
(………)
(………)
(………)
(ほんとうに、私……)
(どうなっちゃうんだろ……)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−−
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 18:05:12.66 ID:2lgRMBr+O
放課後−
キーンコーンカーンコーン…キーンコーンカーンコーン…
梨子(結局、千歌ちゃん、見つかんなかった……)
梨子(うぅ……絶対なんかいたずらしてる……)
梨子(と…とにかく…早く見つけないと……)
曜「梨子ちゃーん!部活行こ!」
梨子「あっ…曜ちゃん……ご…ごめん……今日はちょっと私、部活休む……」
曜「えぇ…!?な…なんで…!?」
梨子「あっ…えー……っと……た…体調が優れなくて……あはは……」
曜「梨子ちゃんまで!?」
梨子「まで…?」
曜「えっ…?だって、千歌ちゃんも風邪で二日も休んでるし……」
梨子「あっ…」
梨子(そういえばそういう事にしてたわね……)
曜「心配だよね……私…お見舞いいこうかな……」
梨子「えぇ…!?ダ…ダメよ…!?お見舞いなんて…!風邪うつっちゃうわよ…!?」
曜「そ…そうだよね…….でも…やっぱり心配で……」
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/11/15(水) 18:05:46.30 ID:2lgRMBr+O
梨子「だ…大丈夫よ…!!私がついてるから…!」
曜「えぇ…!?梨子ちゃんはお見舞い行ってるの…!?」
梨子「あっ……え…えーーっと……まあ……ちょ…ちょっとね……あはは……」
曜「それで体調崩したんじゃん!ダメだよ?ちゃんと体調管理しないと!」
梨子「は…はい……」
曜「いくら千歌ちゃんが好きだからって、自分の事も大切にしなくちゃ!」
梨子「ちょ…!曜ちゃん…!!ここでそんな事言わないでよ!!」
曜「あはは、梨子ちゃんは心配症だなぁ、誰もいないよ」
梨子「い…いや……」
梨子(千歌ちゃんが、どこにいるか分からないのよ…!!)
梨子(もし近くにいたりでもしたら……)
曜「ていうか、みんな、もう知ってるよ」
梨子「はい!?!?今なんて!?」
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