シャーク・アイランド 〜サメ映画のパターン〜

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 20:47:14.31 ID:v61FwYnk0
――PM8:00 海上に浮かぶ船にて


船員1「着かないのかビル?」

船員2「残念だなアンディー、1時間はかかる」

女船員「ねぇまだ着かないの?」スタスタ

ビル「今言っただろエドナ」

ビル「なんなんだよ、お前らは何度も同じことを喋るロボットか?」

アンディー「このステレオから流れ続ける忌々しいギターリフに比べたらだいぶマシだと思うね」

ビル「サファリーズのワイプアウトいいだろ」

エドナ「もう飽きたわよ」

ビル「なんだお前ら気に入らないのか?」

アンディー「そもそもこの曲の意味を知ってるのか?」

ビル「ワイプアウトだろ?」

アンディー「意味だよ」

ビル「ワイプアウトだろ?」

アンディー「...嵐にでも吹かれてろ」

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510660034
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 20:49:32.10 ID:v61FwYnk0
*


ブオオオオオオオオオオン...


ビル「嵐に巻き込まれちまった」

エドナ「最悪」

ビル「予報にはなかったはずなんだが...ルートを変えるか?」

アンディー「今更遅いだろうよ、それにこの嵐の中じゃ、迂回できるようなルートが確保できる保証もない」

エドナ「」ピローン

ビル「おいエドナなにしてる」

エドナ「自撮り」

ビル「なんで今撮るんだ!」

エドナ「死ぬ前にインスタに投稿するだけよ。悪い?」

ビル「なんだよ俺が悪いってのか!?」 

アンディー「落ち着け、いいからもうこのまま進め、喧嘩してても仕方ない」

ビル「だけどこれじゃあよ」

アンディー「"船長、こんなこと続けてどうなるんだ? もうどうしようもないよ"」

ビル「...分かった、このまま進むが、後悔するなよアンディー」

エドナ「既に後悔してるから大丈夫よ」

アンディー「エドナ」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 20:50:23.61 ID:v61FwYnk0
ガシャーーーン!!!




アンディー「うわっ!?」

エドナ「きゃあ!? ちょっと何!?」

ビル「船になにかぶつかったみたいだ...岩にでも当たったか?」


ガシャーーーン!!!


アンディー・ビル「「うわっ!!!」」

エドナ「きゃあ!」

アンディー「はぁ...はぁ...少なくとも岩じゃなさそうだ――」


ガシャーーーン!!!


ビル「くそっ!なんだよ!!」


シーーーーン...



エドナ「...収まったの?」

アンディー「はぁ...はぁ...」

アンディー「どうやらそうらし――」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 20:51:53.01 ID:v61FwYnk0
ガシャーーーーーン!!!!





サメ「オ"オ"オ"オ"オオオンン!!!」




5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 20:52:31.24 ID:v61FwYnk0
エドナ「きゃああああああああ!!!!」

サメ「」ガブリッ

ビル「ぐああああああああああああ!!!」

アンディー「ビル!!」

ビル「あ、足を噛まれたあああ!!!」

アンディー「待ってろ、今デカブツの雑魚をショットガンでぶっ飛ばしてやる!」ガチャ


バンッ!!!


サメ「オオオオオン...」サァァァ...

ビル「うっ!...はぁ...はぁ...なんだよあのでけぇサメは!?」

アンディー「落ち着け...落ち着けビル...とりあえず布で足を止血するぞ、エドナ、布きれをどっかから持ってこい!」

エドナ「わ、わかった!」タッタッタッ
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 20:53:33.42 ID:v61FwYnk0
*


エドナ「持ってきたわよ!」

アンディー「よし、待ってろ、今止血してやる」

ビル「ふぅ...ふぅ...うぅっ!」

アンディー「...よし、これで大丈夫だ」

ビル「くそったれ、昨日の夜フカヒレ食ったのがいけなかったのか?」

アンディー「大丈夫だ、あれは偽物だ」

ビル「なに!?」

エドナ「フカヒレって言ったじゃない!」

アンディー「でも美味かったろ?」

ビル「このホラ吹き野郎!」

アンディー「――!?」

アンディー「ヤバいぞ、船底から水が!」

ビル「!?」


ドポドポドポドポ...


エドナ「どうするの!?」

アンディー「仕方ない...仕込んでおいたボートを出すぞ!」タッタッタッ

エドナ「もう、さっきから一体何なのよ!」

ビル「ちくしょうめ! 神よ、こんなことをして何になるってんです?」

アンディー「ボートボート...あったぞ!」ガサガサッ

エドナ「すぐに膨らませなきゃ!」

アンディー「俺が膨らませる、お前はビルを見てくれ!」

エドナ「わかった!」

ビル「いてぇ...足がいてぇよ」

エドナ「大丈夫よビル、痛いって感じるならまだマシだわ」

ビル「ひでぇ慰めだ」

エドナ「じゃあなんて言えばいいのよ!」

ビル「帰ったら一発やらせてくれるとか」

エドナ「[ピーーー]!」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 20:54:29.14 ID:v61FwYnk0
*


ザァァァァァァ...


アンディー「なんて嵐だ...雨が肌に突き刺さるみたいだ」

エドナ「海が嫌いになりそう」

ビル「...知ってるか、フランスじゃ雨の日は傘もレインコートも着ないらしい。雨は縁起がいいらしいからな? ある国じゃ「歓迎」なんて意味もある。だがそんなの嘘だ、これは「歓迎」じゃない、俺たちを「一掃」してるんだ」

アンディー「ワイプアウト(一掃)なんてかけるからだ」

ビル「そういう意味だったのか」

アンディー「それとは違う、あれはサーフィン用語だ」

ビル「辞書に書いとくよ」

アンディー「そんなことを話してる暇はない、ボートを出すぞ!」バシャーン

アンディー「よし、乗れ!」

エドナ「わかった...ビル何してるの!? 早く乗らないと!!」

ビル「マジでやるのか? こんな嵐の中で、しかもサメがいるんだぞ?」

エドナ「じゃあこんな穴の開いた船に、ずっと揺られてるつもり!?」

ビル「サメがいるんだぞ! しかも見たかあのサメ!? 5mはあった!! ジョーズのよりデカイ!」

アンディー「あれは8mだ」

エドナ「そうなの!?」

ビル「知るか!」

アンディー「じゃあビル、お前はこんな泥船にずっと乗ってるつもりか?」

ビル「ぐっ...」

アンディー「ここにいたってサメに食われるかもしれないんだぞ、海に沈むのを待つくらいなら浮かんでた方がマシだと思うがな」

エドナ「アンディーの言う通りよ」

ビル「...ちっ、分かった、分かった乗るよ!!」

アンディー「よしそれでいい、"箱舟"に乗れ!」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 20:56:06.03 ID:v61FwYnk0
*


――PM8:30 ボート上


バシャァァァァァン...


アンディー「とりあえず救援を呼んだ」

ビル「繋がったのか?」

アンディー「ああ、陸地からそこまで離れてなかったのが幸いだったな」

エドナ「良かった...」

ビル「助けが来るまで凌げるか...」

アンディー「分からない...だが仕方ない、あそこにいてもただ沈んでくだけだ、このまま――」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 20:57:49.93 ID:COrg8fh60
サメ「オ"オ"オ"オオン!!!!」ドカァッ




ビル「うわああああああ!!!」バシャーン

エドナ「きゃああああああああ!!!」バシャーン

アンディー「ビル! エドナ!」

ビル「ボートから落ちた! 助けてくれアンディー!」バシャバシャ

エドナ「助けて! 助けて!」

アンディー「2人とも俺の手を掴め!」

ビル「はぁ...はぁ...!」バシャバシャ

ガシッ

ビル「ふぅ...た、助かった」

アンディー「エドナも早く!!」

エドナ「はぁ...はぁ...!」バシャバシャ

アンディー「よし、あともう少しだ!」

エドナ「はぁ...はぁ...」バシャバシャ



サメ「オ"オ"オ"オ"オオオオオン!!!」バシャーン



エドナ「きゃああああああああ!!!」

サメ「」ガブリッ

エドナ「いやああああああああ!!!」バシャバシャ

アンディー「エドナ!!!」

エドナ「助けてえええええ!!!!」バシャバシャ

アンディー「エドナ! 俺の手を! 俺の手を掴め!!」

サメ「」ガブリッ

グシャア!!!

エドナ「いやああああぁぁぁぁぁ...」ゴポゴポゴポ...

アンディー「エドナーーーーーー!!!!」

サメ「」サァァァ...

アンディー「くそったれ! くそったれ! くそったれのデカブツめ!!」

ショットガン「」バンバンッ

アンディー「はぁ...はぁ...クソ...」

ビル「そんな...」


ザァァァァァァ...ザァァァァァァ...
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 20:59:23.28 ID:COrg8fh60
*


――謎の島



アンディー「ん...?」

アンディー「どこだ...ここは...?」キョロキョロ

アンディー「おいビル、ビル起きろ」

ビル「んん...うわっ!?」

ビル「な、なんだアンディーか...」キョロキョロ

ビル「...エドナ...やっぱり夢じゃなかったのか」

アンディー「...」

ビル「...クソ」

アンディー「...とりあえず起きるんだビル、どこかの島に流されたらしい」

ビル「島...?」


*


ビル「ここはどこなんだ...人の気配もない...無人島か?」

アンディー「わからない、まずは奥の方へ行ってみよう」


スタスタスタ...


アンディー「変な感覚だ...まるで異次元の奥へ入り込んでいく気分だ」

ビル「おいアンディー...今なにか聞こえなかったか?」

アンディー「いや、何も聞こえなかった」

ビル「耳をすませ...」

アンディー「...」




オオオオオン...




ビル「やっぱり鳴き声だ!!」

アンディー「生き物がいるのか!?」

ビル「行ってみよう」


タッタッタッ...


ビル「はぁ...はぁ...確かここら辺から――!!!?」


オオオオオオオオオオンンン!!!


アンディー「!?」

ビル「神様...一体どういうことなんだこりゃ...」

アンディー「...なんなんだ...ここで何が起きたっていうんだ...!!!」



シャーク・アイランド 〜サメ映画のパターン〜


11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 21:00:16.24 ID:COrg8fh60
オープニング

曲『Honey And Salt』
アーティスト:Voodoo Beach
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/14(火) 21:01:48.89 ID:COrg8fh60
――3年前...



――AM11:00 アイル島、ブランドル海洋研究所


女性「今の資料映像を見てもらえばわかると思うけど、サメという生物はそれほど凶悪な生物ではないのよ」

女性「映画じゃ、サメは人を襲う凶暴な生物として描かれがちだけど、ほとんどの事故は、他の動物と勘違いしたというのが主なものよ。気性の荒いサメもいるけど、おとなしいサメだっている」

女性「ちなみに、サメがどうやって餌を見つけているか、知ってるかしら?」

生徒1「うーん、血の匂いとか?」

女性「確かに血の匂いというのも一つの答えよ、でも、実はサメが最も優れているのは、聴覚と言われてるの」

女性「サメの聴覚は非常に優れていて、何キロ先の音も聞き分けられると言われてるわ、よく「何キロ先もの血の匂いを嗅ぎ分ける」とは言われるけど、本当に優れているのはこの聴覚の方よ」

女性「そしてもう一つ、サメの器官に、"ロレンチー二器官"というものがあるの」

女性「サメの頭部には、至るところに小さな穴が開いてる。その奥にゼリー状の物質が詰まっているのだけど、それが頭部の中で筒状のように入り組んだ構造で出来上がってる。これがロレンチー二器官よ」

女性「これは電気を伝える仕組みになってて、海の中の微量な電気を感じ取ることが出来るのよ、そして、もちろん生物が発する微量な電気もね」

生徒2「人にも電気が流れてるの?」

生徒3「『エレクトロ』かよ」

生徒4「『無敵のパワーを見せてやろう』」


HAHAHAHAHA...

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