美琴「私は」

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57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/16(木) 15:43:53.45 ID:gcXyEq8IO
お、久し振りに面白そうなss見つけた。乙!
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/16(木) 18:08:32.05 ID:Ei3UgNvEO
>>56
少し読み方を変えてみろ。
59 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/16(木) 18:17:59.47 ID:nxoHoXXMo
じょうどびしゃし

???
60 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/16(木) 18:53:52.04 ID:cMyvMQvQ0
かみとみさこ → みさかみこと だろ
61 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/16(木) 19:13:08.81 ID:Ei3UgNvEO
>>60
作者に忖度しろよ...
62 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/17(金) 01:41:21.33 ID:N81alXIw0
「忖度」?民衆の敵?
63 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/17(金) 07:59:20.04 ID:HLOg+WGjO
作者としてはあまりそういうことは言って欲しくないだろうってことだろ
ネタバレ禁止ってこと
64 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/17(金) 21:31:37.67 ID:78TusuznO
上戸彩のイメージ強すぎてうえとって読んでた
65 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/18(土) 21:22:27.83 ID:m4e5pjfq0
常盤台寮




佐天「失礼しまーす・・・あれ、御坂さんはいないみたいですね?」

初春「パソコンお借りしていいですか?」

黒子「いいですけど何に使うつもりですの?」

初春「一応、御坂さんの現在地を特定しようと思って・・・防犯カメラ映像にアクセスしたいんです。」

黒子「あまり無理をさせないでくださいまし。支部のものほど高性能ではないので。」

初春「分かってますよー」カタカタ





佐天「あれ?白井さん、これって・・・」

黒子「これは・・・カメラ?」

初春「それはマイクロカメラですね。主に行動記録の把握のために動物によくつけたりするカメラです。」

黒子「何でそんなものがお姉さまのベッドの下に・・・」

初春「その映像も復元しますね。預かっていいですか?」

黒子「お願いしますの。」



佐天(御坂さんはクローンであり偽物・・・でもどうして御坂さんを誘拐して入れ替わったりなんて。)

佐天(クローンの中には御坂さんを恨む人もいる?・・・だったらもうすでに御坂さんは・・・)

佐天(誘拐する事が出来るなら[ピーーー]ことも出来る・・・)
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/18(土) 21:31:39.29 ID:m4e5pjfq0
上条「その00000号が御坂と入れ替わり・・・ってことか?」

御坂妹「はい・・・最悪の事態を想定しているのですが。もうすでにお姉さまは・・・とミサk

上条「馬鹿な事いってんじゃねえよ!!あいつは絶対生きてる!!お前らのお姉さまはそう簡単に死ぬようなタマじゃないだろ!?」

御坂妹「そうですね・・・申し訳ありませんでした。妹達を総動員してお姉さまの行方を追いたいと思います。とミサカは決意表明します。」

上条「ああ、お前らがいてくれると心強いな。」


上条(御坂はきっと生きてる!!死んでいるはずがない!・・・その00000号は御坂を殺さず生け捕りにするぐらいの力を持っていたってことか?)

上条(殺す以上に難しくないか?それ・・・ま、まさか幻想御手か?いや、ニュースでやってたけどあれは大人数がいないと無理みたいだしな・・・)




























上条(・・・・・・御坂を超える力を持った00000号ってことか?)
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/18(土) 21:39:43.96 ID:m4e5pjfq0
一週間前 廃ビル内 1F


美琴「ね、ねえ・・・こんなところに本当に研究所があるの?」

上戸「そんなわけないでしょう?全て嘘です。何から何までね・・・ああ、寮監に話を通したというのは事実ですが。」

美琴「・・・アンタ、私に何の用?喧嘩なら引き受けるわよ」バチバチ

上戸「いえいえ、私はただあなたと、『御坂美琴』・・・・・・・さんとお話がしたいだけなのですよ。・・・・・・誰にも聞かれず、二人きりでね。」


上戸「ここはスキルアウトも立ち寄らない廃墟ですし、途中の監視カメラも妨害しました。」

美琴「え・・・ま、まさか。」

上戸「そう、あなたが今ここにいることは誰も知りません。あなたと私以外はね。」


美琴「・・・・それで、私と何の話をしたいってのよ?」


上戸「それはもちろん・・・・・・・

























人生について、ですよ。」


美琴「・・・・はぁ?」
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/18(土) 21:49:12.45 ID:y3F5uCT70
すげえ回りくどい下準備からの
お姉ちゃん人生相談に乗ってください
69 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/18(土) 21:49:58.42 ID:m4e5pjfq0
・・・人生?何を言っているのこの人。
レベル5である私に人生について話したい?なぜこんな廃墟で話す必要があるの?

そんな事を考えていると察したのか、上戸と名乗る女はあたりを歩き回りながら話し始めた。



上戸「人生とは、誰かの犠牲の上に成り立つもの。そうは思いませんか?御坂・・・さん。人は誰かを踏み台にして生きている。と」

美琴「確かに・・・犠牲はつきものだけど、それは別に悪いことだとは思わないわよ。わざと犠牲にするなら話は別だけど。」

上戸「ふふっ・・・アハハハハハハハハ!!!!!・・・いえ失礼しました。あまりにも、その・・・滑稽だったもので。」


美琴「はあ?」


人間社会で生きていく以上、犠牲はつきもの。でもわざと他人を蹴落としていくことは許されない。
そんな当たり前のことを言っただけなのに、滑稽ってどういうことなの?
この人、いったい何を・・・


上戸「いえ、レベル5だなんてそれこそ他人を踏み台にして生きている存在そのものじゃあないですか?」

美琴「なっ・・・私は元々レベル1だったのをレベル5まで上り詰めたのよ!」

上戸「そうですね・・・それは知ってます。」

美琴「なら何で・・・」





上戸「あなたは別のものを犠牲にして平気で生きてきたからですよ。」
70 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/18(土) 22:08:11.76 ID:m4e5pjfq0
別のものっていったい何?
友達も家族も犠牲にした覚えはないし・・・

そう思っていると、私はある一つの答えに辿り着いた。
彼女は恐らく『あのこと』を言っているのだろう。


美琴「あんた・・・まさか私の妹たちの事をいってるの?」

上戸「・・・まあ、あなたならその答えに辿り着く、いやそれしかたどり着けないでしょうね。」



上戸(それにしても、アレを妹と言い切るとは・・・まあ、当然と言えば当然か。)



少しの間が空いたところで、上戸は再び語りだす。


上戸「妹達・・・レベル5第3位のDNAマップを用いた体細胞クローン。単価はおよそ18万。」

美琴「・・・人の妹を貶してんじゃないわよ。黒こげにされたいの?」バチバチ

上戸「まあ、私も抵抗しますがね。・・・・電気で。」バチバチ



そういいながら私と同じように電気を迸らせる上戸。
やはり彼女も私と同じ電撃使いだったのか。


美琴「アンタ・・・電撃使いなのね。やっぱり。」

上戸「あなたと似たようなものですよ。勝つ自信もありますしね。」

私に勝てる?この常盤台のエースであり学園都市一の電撃使いである私に電気で?
何かのはったりか、それともキャパシティダウンの一種でも使う気だろうか?


美琴「だったら試してみる?」

上戸「遠慮しておきます。話を戻しますが・・・あなたが言う『妹』・・・いったい何人いると思いますか?」

美琴「生きているのは9969人よ。妹の数を間違えたりしないわ。」

どうあっても間違えたりはしない。
目の前でその死を目撃し、私とあいつが命を懸けて守り抜いた妹。
全部で20000人いて、その中の10031人が一方通行に殺された。
絶対に数え間違えたりなどするものか。
71 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/18(土) 22:10:10.87 ID:m4e5pjfq0






















上戸「間違いですね。あなたには、9971人の生きている妹がいるんですよ。」




























美琴「・・・え?」























72 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/18(土) 22:14:17.55 ID:m4e5pjfq0
今回はここまで。
まさか、上戸美沙子(かみとみさこ)に気づかれるとはおもっていませんでしたね。
普通うえとみさこと読むので、そうした方には分からなかったんじゃないでしょうか?

今回の更新にもいくつか伏線をはっておきましたが、今回のだけは気づいてもいいですが、内容をレスするのはご遠慮ください。


自分のはった伏線に気づいてほしいけど、気づいたとしてもそれを広めてほしくないというジレンマというか矛盾というか。
73 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/18(土) 22:18:58.22 ID:SHsUNNwDo
74 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/19(日) 08:22:31.92 ID:WRzeW86c0
サラッと拳で抵抗ネタ混ぜんなwww
75 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/19(日) 16:25:20.76 ID:w9IFo7mZO
>>64
おまおれ

だからうえとみなこでうえと/みな/こってことで上(姉)と見なって強引に考えてた
76 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/20(月) 09:49:04.49 ID:dgMXyhUqO
どう読んでも、『みさこ』だろ。
『うえとみさこ』って普通ならあり得る名前だけど、とある世界ではむしろ異質だよな。
77 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/20(月) 18:40:20.95 ID:jcWUaPWzO
木山せんせの通常さが逆に目立つ
78 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/20(月) 19:28:08.43 ID:2WrOC0qf0
勿論俺らは抵抗するで?拳でッ!←これ上条さんに言って欲しいわ
79 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/20(月) 19:30:36.39 ID:szBqKKZJo
その幻想をぶち壊す!拳で!
80 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/20(月) 20:43:14.87 ID:hIhiPLvNO
上条「もちろん俺はその幻想をぶち壊すぜ?...右手で!!」
81 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/21(火) 00:20:58.28 ID:h2Ww2d170
ええやん
82 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/21(火) 16:23:27.00 ID:ANZ3Ov47O
フルチューニングは何でこんな話してんだろ。
83 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/21(火) 19:18:02.53 ID:E36LUyjLO
>>82
案外>>68じゃないの?
産んだ責任を取れやゴルァみたいな感じで
84 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/22(水) 12:08:48.87 ID:wlv2QkI+O
フルチュンかわいい
85 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 15:58:50.71 ID:x1fc9NmZ0
投下
86 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 16:09:20.66 ID:x1fc9NmZ0
美琴「・・・どういうこと?」

上戸「妹達は全部で20000体というわけではないのですよ。それより少し多い。そもそも・・・いくら理論上可能とはいえ、いきなり作ったクローンを実験に使うわけないでしょう。」

美琴「あ・・・」

樹形図の設計者の演算上可能であっても、さすがにぶっつけ本番のクローンは作らない。
いくつかの試作をしなければならない。
そして緻密な計算のもとに絶対能力者進化計画が行われた。


上戸「まずは打ち止め。これは試作個体ではなく統率者としての妹達。20000体の妹達の反乱を防ぐべく作られた個体。」

美琴「打ち止め・・・」

上戸「あなたにとっては末妹に当たる存在ですね。」




確かにその通りだ。いくら本物である私に劣るとはいえ、普通に食らえば死ぬレベルの電撃を扱う事が出来る。
それも20000人全員が。
何かしらの安全弁を用意しない方がおかしい・・・が。
つまりそれは彼女たちから逃げ道という希望を奪うことにもなる。




美琴「なるほど・・・つくづくあの計画の研究者はクズね。」




上戸「・・・お前が言うか。」ボソ




美琴「・・・・・?  ほかに私の妹はいないの?」

上戸「せっかちな方ですね・・・」
87 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 16:21:58.02 ID:x1fc9NmZ0
少しあきれた様子で上戸は語りだす。
いくら気になるとはいえがっつきすぎだろうか?
しかし夏とはいえ夜は冷えるので早くしてほしい。


上戸「0号・・・彼女らは2体1組で作られたクローンです。目的は・・・ミサカネットワーク構築の為。1体が得た情報をもう1体に送信させるというシステムの確立の為に造られました。」

上戸「・・・1体は実験の末死に、もう1体は、おそらくいまだカプセルの中。」


美琴「・・・・・・・」


気のせいだろうか。上戸の口調がだんだんと震えていくように感じる。
彼女もあの実験に関わっていたのだろうか?


上戸「・・・そして、00000号。妹達の中で最も早く作られたクローン。」

美琴「・・・・・・・」

上戸「0号は絶対能力者進化計画の試作個体なのに対して、00000号は量産能力者計画の試作個体。」

美琴「・・・それっておかしくない?」

上戸「何がですか?」





どう考えてもそれはおかしい。最初から実力で劣る妹達を数で代用する絶対能力者進化計画ならともかく、超電磁砲の量産をするための計画に試作個体などあるはずがない。
樹形図の設計者の演算は絶対だ。それに逆らってまでクローンを作るとは到底思えない。
88 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 16:30:26.53 ID:x1fc9NmZ0
上戸「・・・なるほど。樹形図の設計者に逆らってクローンを作るとは到底思えないということですか。」

美琴「ええ、そこまで馬鹿な科学者がいるとは思えないわ。」

上戸「簡単な話です。演算結果が出る前にクローンだけ先に造ってしまった。」

美琴「・・・・は?」

上戸「どこにでもせっかちな人はいるものです。・・・天井亜雄。量産能力者計画及び絶対能力者進化計画の責任者。」

美琴「あまい・・・あお・・・!!!!」

上戸「あなたにとっては憎むべき存在ですね。」



上戸(・・・・私にとっても。)
89 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 16:46:09.45 ID:x1fc9NmZ0
美琴「・・・それで、アンタはいったい何者なのよ?何で私を呼び出して・・・」

上戸「まあまあ、そう焦らず。時間はたっぷりあることですし・・・ほら、どうですか?」


そういいながら上戸はムサシノ牛乳とアンパンを私に差し出す。
張り込みか何かか。

美琴「じゃあ早速いただきm・・・」

袋を開けて食べようとした瞬間に上戸が素早く私のアンパンを奪っていった。
何がしたいんだこの女は。


美琴「な、なにすんのよ!!」

上戸「普通、怒りますよね・・・自分が味わおうとしていたものを奪われたら。」

美琴「・・・・さっきからアンタが何を言ってんのかさっぱりだわ。」

上戸「・・・じきに分かりますよ。ほら、どうぞ。もう奪ったりしませんから」つアンパン

美琴「・・・どうも。」モグモグ


彼女も鞄から牛乳を取り出し話を続ける。


上戸「今の怒りは、冷蔵庫にとっておいたプリンを奪われた気分に似てますかね?」

美琴「まあ、そうね・・・なんであんなこと。」

上戸「ご想像にお任せします。」

美琴「・・・・・・」


さっきからこの女、上戸美沙子は何がしたいんだろうか?
人生の話かと思えば、私の妹について・・・
そして今度はいたずら・・・

そんな事を考えているのを察したのか、彼女は牛乳を飲み干し、投げ捨ててから歩き回り始めた。

上戸「00000号の居場所に関してですが・・・公式には生死不明となっております。ですが・・・


私はその行方を知っているのですよ。」


美琴「なんですって!?」

上戸「・・・といっても、あなたがあって話したいと望んでも、無理な話ですがね。」

美琴「・・・そう。」


やはりそうか。そううまい話があるはずがない。彼女は単に、00000号の死体の場所を知っているというだけの話。
今回呼び出したのもそれだろう。
90 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/22(水) 21:16:54.68 ID:32qO1oNx0
敵から貰ったもん食うとか不用心すぎるだろ
91 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/22(水) 22:07:29.88 ID:ngzdENav0
>>90
自分がかなり強いっておごりがあるから何回か命かけたとはいえ基本甘いのよね
92 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 23:40:24.78 ID:x1fc9NmZ0
上戸「・・・それで、その00000号ですが、ほかの妹達とは一線を画す存在なのです。」

美琴「具体的にどう違うわけ?ただの試作個体ってだけじゃないの?」


上戸「クローンがレベル5に至る確率は1%にも満たない。・・・これをどうみますか?」

美琴「どうって・・・そりゃ不可能だと思うけど。」


1%にも満たない確率の為に費用は割けない。だからこそ量産能力者計画は凍結されたのだ。
それが樹形図の設計者の判断ならまずそうするだろう。

上戸「コピーは本物には勝てない・・・ということですね。」

美琴「酷な言い方だけど、その通りね。」

上戸「しかし・・・ゼロではありませんよね?











試作品として作った00000号が、その1%にも満たない奇跡の存在だったとしたら?」



ありえない。そんなことあるはずがない。何体か作った末の偶然ならともかく、最初の1回でそれが起こるなど、
人生初めて、一枚だけ買った宝くじが一等に当選するよりも難しい。
そんな事が起こるはずがないのだ。



上戸「まさか、天井も思わなかったでしょうね・・・いきなり完全に成功してしまうだなんて。そして、その可能性の低さを樹形図の設計者に証明されてしまうだなんて。」


・・・・『量産』には失敗した・・・しかし『複製』には成功していたんですよ。だからこその『フルチューニング』なのです。」



美琴「つまり・・・その00000号は私に匹敵するぐらいの能力者って事?」

上戸「・・・端的にいえばその通りですね。御坂美琴の完全複製品・・・それが00000号。ゆえにその寿命も通常よりもはるかに長い。」

美琴「・・・寿命が?」

上戸「もともと、クローンとはいえ兵器利用が目的でしたからね。それなりに長生きしてもらわないと困るでしょう?妹達はすぐ死ぬ予定だから寿命も短く設定されていたんです。」


美琴「・・・・・」


上戸「そして、兵器利用が出来なくとも、長期的にモルモットとして使うためにも。・・・仮に死んでも超電磁砲という能力だけは残る。」

美琴「・・・『木原』が関わってるだけの事はあるゲスさね。」

上戸「・・・!・・え、ええ。そうですね・・・」


その狼狽を美琴は見逃さなかった。
木原、と口にした瞬間、上戸は確かに動揺した。
上戸も、もしかしたら木原とかかわったことがあるのかもしれない。
93 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 23:48:30.61 ID:x1fc9NmZ0
上戸「とにかく・・・00000号は御坂美琴本人の完全複製品ということです。それだけ覚えてくれればいいです・・・今は。」

美琴「・・・今は?」

上戸「・・・・・話は変わりますが、あなたは何か実験中の事故に巻き込まれたことはありませんか?・・・絶対能力者関係ではなく。」

美琴「え・・・・?」


一体彼女はなんのことを言っているのか?
幼いころまで記憶をたどるがそんなことは覚えていなかった。
必死に思い出そうとしている中、美琴は気づいてしまった。



上戸が自分に向ける『殺意』に。




まさか、自分が起こした事故に彼女は巻き込まれて・・・・


上戸「・・・言い方が悪かったですね。研究所の『停電』にまきこまれたことはありませんでしたか?」

美琴「・・・・・・あっ!!!」



そういわれて思い出す。
幼いころにいた研究所。そこで私は能力を暴走させてしまい、停電を起こしてしまったのだ。
幸い10分程度で済んだはずだが・・・・



美琴「そういえば・・・・」

上戸「ようやく、思い出しましたか。」

美琴「ええ・・・ってなんでアンタがそんなこと知ってんのよ?」

上戸「・・・当然ですよ。なぜなら・・・・・・





















私もその場にいましたからね。」
94 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 23:53:40.76 ID:x1fc9NmZ0
美琴「えっ!?」

上戸「・・・・アレは怖かった。研究所の先生を待っている間、窓のない部屋での待機時間。いきなり起こった停電・・・・永遠にも思える暗闇・・・!!!」


美琴「・・・・ご、ごめんなさい!!あの時の私は、その・・・能力の制御が・・・!!!」

上戸「・・・ええ、それは別にいいんですよ。停電自体は。」

美琴「だったら何が・・・




なんでアンタはそんな目で私を見るのよ!?」






恐怖と怒りに任せて上戸を問い詰める。
原因の分からない冷たい殺意。




もうこれ以上は黙っていられない。




感情任せの質問に対し、彼女は大きくため息をつき――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
95 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 23:54:34.54 ID:x1fc9NmZ0














「その研究所にはね、御坂美琴と00000号がいたんです。」






















96 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/22(水) 23:58:31.57 ID:x1fc9NmZ0
美琴「なん・・・ですって・・・・!?」



上戸「万が一のことを考えて、研究者は、00000号の腕に『緑の腕章』をつけていた。」


美琴「・・・・・・」ドクン


上戸「そして・・・御坂美琴には『赤の腕章』をつけていた。」


美琴「・・・・・・・!!!!!」ドクンドクンドクン




上戸「停電から復旧したとき・・・・・『私』の腕章は『赤』から『緑』に変わっていた。」





美琴「ま、待ってよ・・・・それじゃあ、あ、あ、アンタは・・・・・・・・・





















わ、私は・・・・・・・・・・・!!!!!!!!!!!!」



















97 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/23(木) 00:00:42.79 ID:1PXykqLh0
『あなたは他人の人生を平気で奪って生きてる。』




『あなたと同じような能力ですよ』



『勝つ自信もありますしね。』




『コピーはオリジナルには勝てない。』











『00000号の行方を知っている。』














カチッ・・・・・・・!!!





98 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/23(木) 00:01:44.80 ID:1PXykqLh0






















「私の人生を生きるのは楽しかったか?・・・・・・・・・・・・・・00000号」


















99 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/23(木) 00:02:13.06 ID:1PXykqLh0
今回はここまで。
100 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/23(木) 01:26:30.08 ID:6gem8wYnO
おーっふ
101 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/23(木) 07:11:27.18 ID:Z98fk5LUo
マジかよ
102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/23(木) 08:41:30.15 ID:Vmb8UTHGO
昔どっかでこんな感じのネタあったな。みこっちゃんが実は〜ってやつ。エタったかなんだったか忘れたけど
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/23(木) 10:46:13.50 ID:1PXykqLh0
>>102

御坂「ウサギさん、知らない?」

のことでは?
104 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/23(木) 11:55:57.50 ID:Ui3pD1PAO
>>13
>>正真正銘の『御坂美琴』

これも伏線とは
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/23(木) 22:11:18.68 ID:1PXykqLh0
てす
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/23(木) 22:43:43.37 ID:1PXykqLh0



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――それは、まごう事なき『御坂美琴』だった。




美琴(真)「驚いたか?・・・・光学化粧機器。一般には出回っていない代物だよ。どんな姿にでもなれる。変声器は安く手に入ったしね。」

美琴「・・・あ、ああ・・・私・・・は・・・・」

美琴(真)「それにしても、まさかあのクローン共を妹といったのは驚きだったけど・・・それもそうだよね。







――――――――――――お前もクローンなんだから。」



美琴「・・・・・・っ!!!・・・いや、私には・・・学園都市に来る前の・・・記憶が・・・」


美琴(真)「言わなかった?00000号は完全複製品。――――――――――――――――――――もちろん、記憶も。」

美琴「え・・・・?」

美琴(真)「それだけじゃない。性格、趣味嗜好、話し方、癖・・・その他ありとあらゆる要素を私――――――――――――――『御坂美琴』を真似て作られたクローン。それがお前だ。」


視界が歪む、今まで自分が積み上げてきた全てが否定される。
私の元となった人物によって。



美琴(真)「それにしても本当に滑稽だったよ。」


やめて


美琴(真)「お前がクローン共を必死に守ろうとしている様はな。」



やめて!



美琴(真)「いっそ、お前が死んで実験が続行すればよかったのになあ。」


もう


美琴「やめてよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/23(木) 23:17:46.99 ID:1PXykqLh0
バリバリバリバリバリバリ!!!!!!


美琴「ぎゃっ!!」


美琴(真)「うるせえな、実験動物が一丁前に叫んでんじゃねえよ。誰の感情使ってんだテメエは」


美琴「あ・・が・・・」ドサッ


体が痛い。いつも黒子にやっているのとは違う。
正真正銘、『殺意』を帯びた電撃。
耐えきれず、私はその場に倒れた。


美琴(真)「お前が今考えていること、感情、意志・・・全部私のものなんだよ。私がいつ、『叫んでいい』なんて言った?」


美琴「・・・・・」


美琴(真)「クローンのお前が『御坂美琴』として研究所を出て行った・・・じゃあ、残された私はどうなったと思う?」


美琴「あ・・・・ああ・・・・」


美琴(真)「そう、『00000号』として、過酷な実験の日々だ。実験動物としてな。・・・・見ろよこれ。」バッ


美琴「!!!!!」


おもむろに『御坂美琴』は自分の服を捲った。
そこには無数の、痛々しい傷跡があった。


本来なら、これを自分が・・・・・



美琴(真)「覚えてるよ、あの日の衝撃を。たった10分で私の人生は、人間から実験動物へと堕ちた。」
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/23(木) 23:18:32.72 ID:1PXykqLh0
美琴(真)

これ以外になんかいい名前表記ないですか?
よかったら考えてください。
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 01:08:17.42 ID:1L01/sCdO
いっそ美琴(真)を美琴
美琴をフルチューニング(または00000号)と表記しちゃうとか
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/24(金) 12:37:59.14 ID:g4XRPhnqO
本物の美琴辛辣スギィ!!
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/25(土) 19:17:47.90 ID:LA7g6RXE0
このネタやると、日常をクローンに任せて去っていくか
そげぶされて新たに日常の仲間入りをはたすかしかなかったけど
第3の道か暗部の王になって☆すら手玉にとる美琴が見たい。
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/25(土) 23:12:47.90 ID:lbt2+2bv0
ぶっちゃけ本編でもあり得る展開だよね
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 02:22:00.28 ID:AtxFa0usO
本当の美琴って意味で真琴なんてどうだろう
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 02:24:22.26 ID:AtxFa0usO
本編でもありそうだがかまちーがそんな展開にするかな…
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/26(日) 06:05:39.61 ID:DGXyQx6cO
名前だけしか出てきてないフルチューニングをいきなり出すより、実は今まで御坂美琴は出ていませんでしたっての方がかまちーらしい。
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/26(日) 21:13:01.51 ID:kSq9BbLsO
>>115
今までの美琴は美琴じゃないから御坂美琴は出てませんでしたってこと?
117 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 09:05:19.41 ID:0bsHmnvgO
>>116

そういうこと。
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/27(月) 18:27:55.43 ID:0bsHmnvgO
姉妹喧嘩クルー?
119 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 20:28:50.14 ID:lAa+I5zS0
「実は本物の美琴が〜」なんてフルチュンの設定が明かされて即座に考察というか妄想されてたネタだし、
お前らがすぐ考えつく程度のネタをかまちが今更原作にブッ込んでくるとは思えんが…
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/27(月) 23:46:42.42 ID:xNRE/gR20
そうか?
上里なんて魔神を強くしすぎたから、バランス調整の為に入れたようなもんだし、魔神が大量に出て来たときなんて即座に魔神キラーの新キャラ登場の考察されてたし。
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/30(木) 08:27:38.72 ID:YBaQP9AWO
エタった?
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 13:34:18.60 ID:y3K/UeARO
今この板でこのSSだけ楽しみにしてるからエタらないで下さいお願い致します
123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/30(木) 17:48:31.75 ID:IKnJ2IDV0
10年前


『美琴』はとある実験協力の為に研究所に呼ばれていた。
実験の準備の為に暫く部屋で待つように言われ、美琴は大人しくそこで待つことに決めた。
幸い、おもちゃがいっぱいあったので暇になることはなかった。


幼美琴「それにしても遅いなー。...少し外を見てみよっと。」

外、というのは窓の外ではなく、部屋の外を覗くということである。
扉を開けるなと言われていたが、子供の好奇心は押さえつけることはできなかった。


カラカラカラ...

幼美琴(あ、先生たちが何か話してる...少し聞こえる。)



研究者A「なぜ彼女とフルチューニングを同じ施設に呼んだ!?彼女は我々には見分けがつかないのだぞ!」

研究者B「まあまあ、その時のための腕章じゃないですか。赤が彼女で緑がフルチューニング。覚えやすいでしょう?」

研究者A「だからって隣の部屋にする必要は...!!」

研究者B「そこしか空いていなかったのですよ。まあ、鉢合わせることになっても心配はいりません。そっくりさんで誤魔化しが効きます。」



幼美琴「フルチューニング?...聞いた感じだと誰かの名前かな?珍しいなぁ....私とそっくりなのかな?」

幼美琴「....隣の部屋....行ってみよっと。」


124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/30(木) 17:50:55.09 ID:IKnJ2IDV0
研究者たちが立ち去るのを見て、美琴は部屋を抜け出した。隣の部屋の扉まで十数メートル。


バチバチバチバチ!!!


幼美琴「!?....なんだろ今の音。」




瞬間、暗闇が視界を満たした。





バツン!!


幼美琴「え!?な、なに!?...停電!?」


幼美琴(で、でも研究所ならすぐに復旧するよね!?)


美琴の期待むなしく、一分以上その暗闇は続いた。
不安に包まれる中、美琴はある音を聞いた。


カラカラカラ....


幼美琴(!?....隣の部屋!?....)


それは扉が開く音だった。前から聞こえて来たので美琴が目指す部屋が開かれたのを理解した。
瞬間、扉を開けた主は美琴の方向に進んで来た。


ガシッ


幼美琴「な、何!?やめて!お願い!ごめんなさい!」



美琴はその時、研究者が自分を見つけて起こったのだと思った。腕章のある右手を掴まれたのだ。

そして抵抗する中、美琴は殴られ、気を失った。
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/30(木) 17:52:27.59 ID:IKnJ2IDV0

目覚めると、研究者が自分を見ていた。
そこは自分がさっきまでいた部屋だった。

研究者A「全く....部屋から出るなとあれほど言ったはずだぞ!!」

幼美琴「ご、ごめんなさい....」

研究者B「まあまあ、流石に部屋におもちゃの一つも置かなかった私らも悪いでしょう。」


幼美琴「え.........?」


見渡すと、おもちゃ箱のあった場所には何もなく、殺風景な部屋となっていた。


幼美琴(....あれ?)

ふと右腕に目をやると、『緑の腕章』が目に入った。
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/30(木) 17:52:59.17 ID:IKnJ2IDV0















幼美琴(確か....赤かったよね?)











127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/30(木) 17:54:44.90 ID:IKnJ2IDV0
疑問に思っていたが、そこに入ってきたある人物の声により、その思考はかき消される。

「何やら停電が起こったみたいだが。」

研究者A「は!十分という予想外の時間の停電でしたが、特に異常はありません!」

「そうか、ならいい。さて、君とは初対面のはずだね?」

幼美琴「だ、誰ですか?」

「ああ、私は.....
128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/30(木) 17:55:55.21 ID:IKnJ2IDV0














木原還元。これから君、フルチューニング君の実験を担当することになっている。」














129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/11/30(木) 18:01:23.34 ID:IKnJ2IDV0
今回はここまでです。
物語の都合上、幻生を出すわけには行かないので、『木幡還元』というオリキャラを出しました。
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 21:17:49.39 ID:kM2zEwWDO
>>7の言ってる既視感あるタイトルは↓のSSだろうか
御坂「――――私は私、よね」
https://ex14.vip2ch.com/i/read/news4ssnip/1416668407/
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/11/30(木) 22:08:00.02 ID:IKnJ2IDV0
>>129
木幡→木原
132 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 22:39:19.20 ID:ySJGgqSb0
133 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/11/30(木) 23:00:29.37 ID:8hdERmlOO
>>130
これかも
オティヌス「私は」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1398434556
134 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/02(土) 11:02:11.61 ID:MtDQo3VS0
投下
135 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/02(土) 11:12:09.34 ID:MtDQo3VS0
美琴「・・・・そこから先は、お前にも想像のつく過酷な実験の毎日だよ。」


00000号「そ、そんな・・・」


美琴「これだけ聞いてまだ思い出せないか?・・・まあいい。ところで・・・『実験動物』の私がなぜここまで自由に出歩いていると思う?」




そこで美琴・・・否、00000号は思い至った。自分を行動不能にするほどの力・・・・

最悪の可能性は見事的中した。




美琴「皆殺しだよ。研究所の人間を一人残らず殺し、私は自由を取り戻した。・・・一年前の事だ。」


00000号「・・・・・」


美琴「今でも木原の名を聞くだけで身の毛がよだつよ。・・・だが、その地獄を生き抜いたから、私はこの力を持っているんだがな。」


00000号「力・・・?」


美琴「お前は通常の安全性を考えた能力開発を受けたんだろうが・・・私は違う。木原式の安全性度外視の能力開発を受けた・・・






―――――――――――――――――――――――――――――――――15億ボルト。私の最大電圧だよ。」


00000号「ッッッッ!!!!!」


美琴「時間はまだたっぷりあるし、もう少し過去の話をしようか。」
136 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/02(土) 11:24:48.71 ID:MtDQo3VS0
1年前


美琴「ハァッ・・・ハァ・・・」


還元「ご苦労、00000号。今日の実験はここまでだ。」


美琴「あの・・その『フルチューニング』って何ですか?私は御坂美琴ですけど・・・」


還元「・・・まあ、いいだろう。それを聞いたところでお前には何もできないからな。教えてやる。





お前は御坂美琴のクローン。その試作個体の名前が00000号なのだ。」


美琴「クローン・・・?」


還元「もっとも・・・お前にも御坂美琴の人格やら記憶を植え付けたからその自覚はないだろうがな。」


還元「しっかしあの時は肝を冷やしたよ。お前と御坂美琴を同一施設に読んだ9年前・・・あの停電の時はな。お前が御坂美琴と入れ替わろうとしていたからな。」


美琴「・・・なんの、ことですか?」


還元「忘れたのか?停電に乗じてお前が御坂美琴の部屋に行き入れ替わろうとしていたのだ。幸い、腕章で区別がついたがな。」


美琴「・・・腕章?」


還元「ああ、お前には『緑』、御坂美琴には『赤』の腕章をつけて区別していたんだ。」



そして美琴は、全てを悟った。


あの時の暗闇を作った人物、隣の部屋から出てきた人物、自分を殴り、腕章を入れ替えた人物

その正体に。





その瞬間、美琴に言いようのない怒りがあふれてきた。






137 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/02(土) 11:25:29.60 ID:MtDQo3VS0












バリバリバリバリバリバリバリバリバリッッ!!!!!!!!!!!












138 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/02(土) 11:38:09.64 ID:MtDQo3VS0
還元「ぐああああああああああああああああああああああ!!!!!!!・・・・・な、何をする!!!」


美琴「じゃあ私は今まで実験動物の代わりに地獄を味わってたの・・・?たった10分の停電で私の人生は奪われたの?」


還元「な、何を言って・・・・」


美琴「あの時、停電が起こる前。私の腕章は赤かった。・・・・これでわかるだろ!!」


還元「ま、まさか・・・お前が・・・・みさか・・・みこと・・・」


美琴「ああ、そうだよ。」




木原還元は能力開発においては一族の中でも秀でている。
しかし、同時に油断しやすく、よくAIMジャマーを持ち忘れる。
そして、自分が実験動物に食われることなど考えているはずもなかった。

木原式の実験を生き残った人間がどれほどの力を持つか?
それを自分に向けられたら?

考えるはずもなかった。


その数秒後、木原還元は消し炭と化した。




ジリリリリリリリリリリリリリリリリリリリ!!!!!!!!!



美琴「警報装置・・・流石に作動するか。」




研究者A「いったい何がおこっ・・・き、木原所長!!・・・今すぐ猟犬部隊を呼べ!!00000号が暴走状態にある!!至急AIMジャマーとキャパシティダウン用意を」




バリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!


研究員A「」ドサッ




美琴「・・・やるしかない。」




139 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/02(土) 11:55:16.87 ID:MtDQo3VS0
数分後、美琴は取り囲まれていた。
猟犬部隊というのは足が速いらしく、3分もしないうちに突入してきた。


猟犬部隊「止まれ00000号!!」


研究員B「AIMジャマーとキャパシティダウンを同時発動する!!そのすきに撃て!!」


美琴「わざわざありがと。作戦を教えてくれて。」


研究員B「分かっても防げないだろう!!今だ!!同時発動!!


キイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!


甲高い音が鳴り響いた。


美琴「っ・・」グラ


猟犬部隊「撃てえええええええええ!!!!!」


そして大量の鉛玉が美琴に降り注ぐ。




バリバリバリバリバリ!!!・・・ガコン!!



銃弾は床板によりガードされ、盾となった。



美琴「ぎゃっ!!・・・自分に電撃・・・」


猟犬部隊「な、なぜ能力を使用できる!!」



電気系能力は演算が単純なため、キャパシティダウン下でもある程度は能力を使用できる。

そして、9年間の苛烈な地獄を耐え抜いた美琴に、その程度の妨害など妨害ですらなかった。



美琴「・・・そこか。AIMジャマー・・・」


研究員B「無駄だ!出力をさっきの二倍にした!!暴走誘発でお前も死ぬぞ!!」




美琴「・・・・・別にどうだっていい。」



バリバリバリバリバリバリバリバリ!!!」



極限状況下において、人間の思考や演算能力は飛躍的に引き上げられる。

美琴は無意識にAIMジャマーの妨害を逆演算し、無効化していた。







もはや、怒りに狂う雷神を止める術はなかった。



140 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/02(土) 11:56:08.55 ID:MtDQo3VS0









この日、『木原能力開発研究所』から、美琴以外の人間は消え去った。








141 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/02(土) 12:02:06.03 ID:MtDQo3VS0
美琴「・・・よし、情報操作は完璧。これでここには誰も来ない。」


研究員と猟犬部隊の死体を研究所備え付けの焼却炉に放り込み、清掃ロボットをフル稼働させながら美琴は後処理の情報操作をしていた。


美琴「さて、これからどうするか・・・たぶん御坂美琴として、00000号は生きている。・・・つまり、学園都市のどこかに必ずいるという事。」


美琴「ほとんどが学生のこの町で、御坂美琴・・・いや、00000号を見つけるなんてできるのか・・・?」


美琴「・・・いや、まず私がすべきことは・・・・









―――――――――――――――――――――――――――――――――――外出!!!!」
142 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/02(土) 15:46:12.89 ID:rZf2bEMZO
あれ?これ本当の美琴の方がですのさん的にはいいんじゃ…
そっちに理解あるし普通に誘うしですのさんにはいいことしかないんじゃ…
このまま本来の形に戻った方がですのさんワンチャンあるんじゃね?
143 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/02(土) 15:49:48.54 ID:rx/qpaaL0
レベル5で一人だけいい子ちゃんやってる理由も説明つくな、これだと
144 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/03(日) 12:06:44.34 ID:aX5xdmZj0
第七位だってレベル5ではまともな方だろ!いい加減にしろ!
145 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/03(日) 13:03:47.44 ID:CZJp1BzR0
9年ぶりの陽光。
その眩しさからか、あるいは自由を取り戻した感動からか

美琴の目には涙が浮かんでいた。



美琴「私は・・・自由になったんだ。」ジワッ



美琴「・・・と、感傷に浸っていてもしょうがない。とりあえず情報が欲しい・・・」



美琴は研究所から金と財布を持ち出し、街へ出かけた。





市街地



ザワザワ・・・ヒソヒソ・・・


美琴(ん・・・?)


財布を買いに行く途中、美琴は自分に視線が集まっていることに気づいた。



美琴(注目されてる?・・・いや、服はさっき着替えたし、デザインもそれ程奇抜なものじゃない筈・・・私自身が注目されている?見えるところに実験の傷跡はないし・・・・あっ!!)




美琴(―――――――――――――――――――――――――――――可愛い、のかな。)




自分への注目を、好意的にとらえた美琴は、通りかかった店に立ち寄り品定めをした。
安く、丈夫な品を見つけた美琴は、それを買おうとレジへと向かった。




美琴「これ、お願いします。」つ商品


店員「かしこまりましt・・・っ!?」


美琴は店員が驚愕の表情を浮かべるのに気付いた。


美琴(まさか・・・この9年でファッションの常識が変わった!?・・・わけないよね。私と同じような服装の人いたし。)




買い物を終え、次の目的地であるショッピングモールに向かう。
146 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/03(日) 13:12:48.99 ID:CZJp1BzR0
ショッピングモール店内


ザワ・・・ザワ・・・



美琴(ここでも注目される・・・まさか、私が研究所を抜けたことがバレた?でも警備員も風紀委員も近くにはいない。)


美琴(・・・どういうこと?)




再び疑問を抱く美琴だが、そこにある少女が話しかけてきた。


少女「あ、あのっ!!御坂美琴さんですよね!」


美琴「は、はい・・・そうですけど。」


少女「やっぱり!制服じゃないからそっくりさんかと思ったけど・・・よかったぁ〜」




何だこの少女は。
そう思った美琴だが、同時にあることに気づく。
なぜ自分が御坂美琴であると知っているのか。まるでアイドルかなにかのように自分に会えたことを嬉しがっている。


少女「あ、あの・・・私、レベル2の電撃使いなんですけど・・・ずっとあなたにあこがれてました!」


美琴「そ、そうですか・・・え?」


少女「私たち低レベルの能力者にとってあなたは憧れなんです!













レベル5第三位 御坂美琴さん!」





147 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/12/03(日) 13:22:31.30 ID:CZJp1BzR0
何を言っているのか理解できなかった。
確かにレベル5クラスの力はあるだろう。しかし、それを実際に発揮したのはあの『殺戮』の時だけで、まともに身体検査も受けていない。
そんな人間の能力レベルを知っているなどありえない。



美琴(まさか・・・この少女は・・・)


美琴「・・・暗部の人間?」


少女「あんぶ?何ですかそれ・・・?」



美琴(私を殺すために来た暗部の人間かと思ったけど、違う・・・?じゃあ、まさか・・・・00000号もレベル5に?)


少女「あ、そうだ!一緒にツーショット撮らせてもらってもいいですか?」


美琴「・・・いいよ。」


そしてその少女と携帯電話でツーショットを撮った。
後で書庫で確認したが、本当にただのレベル2の一般人であり暗部に関係のない少女だということが分かった。



美琴(00000号にも私と同じレベル5の能力がある・・・じゃあ、少しは探しやすくなるか。)



美琴は完全個室・防音ネットカフェに寄り、いろいろと情報を集めた。店員の驚愕の表情を気にすることなく、様々なことを調べ始めた。

この9年の流行の推移など・・・




そして、美琴は最悪の真実を目撃する。






148 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/03(日) 13:23:16.76 ID:CZJp1BzR0














美琴「常盤台の・・・超電磁砲?」














149 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/03(日) 13:29:05.72 ID:CZJp1BzR0
それは、何の気なしに自分の名前を入れて検索した結果だった。
SNSのページでも見つかれば万々歳。
そう思ったが・・・・



美琴「常盤台って・・・学園都市の中でも名門中の名門だよね。・・・『御坂美琴』はそのエース・・・?」





美琴「『能力だけでなく、学力も高い』『三か国語以上の言語を操り、バイオリンにも堪能』・・・・?」





美琴「ハ・・・ハハ・・・・何これ・・・・私が血反吐吐いて地獄の9年間を過ごしてる間に・・・偽物は・・・・・誰もがうらやむ有名人・・・」






美琴「そりゃ注目するよね。そんな人がこんなふっつーの服着て歩いてんだから。常盤台生が制服着ずに歩いてるんだから。」
150 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/03(日) 13:36:11.25 ID:CZJp1BzR0
『探し出して一発殴り倒してやろう。』


最初はそう思っていた。


恐らく、『普通に』に友達と遊び、『普通に』学校に行き、『普通に』恋をして、『普通に』表を歩いている・・・


その程度なら、一発殴って罵詈雑言を浴びせる。その程度で済ませようと思っていた。



でも、そうじゃなかった。



00000号(にせもの)は、『普通』どころか『誰もが羨む憧れの的』となっていた。



本来ならば、自分があそこに立っているはずなのに。


同じレベル5なのに。




たった10分の暗黒が、私の運命を天国から地獄へ堕とした。




『レベル5・第3位』から『死んでも構わない実験動物』へと。
151 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/03(日) 13:38:34.65 ID:CZJp1BzR0






美琴「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





絶望の中、美琴は研究所へと帰宅した。



そして―――――――――――――――――――――――――――――――――



152 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/03(日) 13:50:22.44 ID:CZJp1BzR0
バリバリバリバリ!!!!!




美琴「ふざけんなァァァアアァァアァァァア!!!!」



激昂した。今までの鬱憤を全て吐き出すような電撃。

それと当時に美琴の目からは先ほどとは違う涙があふれていた。



美琴「ハァ・・ハァ・・・何・・で。こんなのひどいよ・・・・私・・・は・・・・本当なら・・・」



美琴「・・・・・・・・そうだ。そうだよね。『私』が御坂美琴。・・・・だったら、取り戻せばいい。本来ならアレは全て私のものなんだから




美琴「自由、地位、名誉、名声、友達・・・












――――――――――――――――――――首を洗って待っていろ、00000号(モルモット)。私(にんげん)を怒らせたらどうなるか、思い知らせてやる。」
153 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/03(日) 13:58:00.01 ID:CZJp1BzR0
今回はここまで。

※少女がSNSにアップしたツーショットのせいで偽美琴は罰を受けました。
154 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 20:01:26.73 ID:9DGYIKoy0
155 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/12/03(日) 20:37:35.12 ID:U0oJ4Ueeo
156 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/12/04(月) 11:51:08.32 ID:W+VHjpZXO
お、これで過去回想終わり?
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