育「えがおのまほう」【ミリマス】

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1 : ◆KakafR9KkQ [saga sage]:2017/11/10(金) 20:14:16.32 ID:nsm9X9S50
育「うーん……」

なんだろ…… このふわふわしてる感じ……

あっ! わかった夢だ! 今わたし夢を見てるんだ!

えっと…… こーゆう夢の中で夢だー! ってわかるのなんて言うんだっけ…… 前に紗代子さんが言ってたけど……

なーんて、思ってると目の前に綺麗なお姉さんが現れた。 顔は見えないけど、スッゴく綺麗。

「こんばんは」

育「こ、こんばんは……」

「今日は貴女に素敵な贈り物があるの」

贈り物?

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1510312456
2 : ◆KakafR9KkQ [saga sage]:2017/11/10(金) 20:15:52.74 ID:nsm9X9S50
「貴女、魔法って好き? 魔法使いになってみない?」

育「魔法少女なら大好きだよ! ……でもね魔法っていうのはアニメの中のもので、現実には無いんだよ」

「どうかしら? 私は魔法は実在すると思ってるわ」

うーん、このお姉さんもしかして百合子さんみたいな人なのかなー?

あ、でもここは夢の中だしもしかしたら本当に魔法が使えるのかも…… それなら

育「うんうん! わたし魔法使いになってみたい! 魔法使いになって、とっても可愛い服を着て、空を飛んで、みんなを笑顔にしてあげるの!」

「そんなに沢山の魔法は教えられないわ」

育「えー……」

「貴女に教える魔法は最後のひとつだけ、人を幸せに出来る素敵な魔法よ」

そう言うと、お姉さんはわたしのおでこにぴとって触れた。 そしたらわたしの体が少しあったかくなった…… 気がする。

育「えーっと……」

「貴女にあげたのは『えがおのまほう』これで貴女の周りの人たちを幸せにしてあげてね?」

育「うん! ありがとうお姉さん!」
3 : ◆KakafR9KkQ [saga sage]:2017/11/10(金) 20:18:00.64 ID:nsm9X9S50
「育ー! 朝よー!」


お母さんの声がする…… うーん、やっぱり夢かぁ……

今日の朝ご飯は大好きな卵焼き! やったー!

育「いただきまーす!」

お母さんの卵焼きってとってもおいしいの! フワフワしてて、甘くて、食べたら自然にほおが緩んじゃう。 まるで魔法みたいだなー……

育「あっ」

お母さん「どうしたの?」

育「ねぇ聞いて! わたし今日夢を見たの!」

お母さん「どんな夢?」

育「魔法を教えてもらって、魔法使いになる夢! えーっと、確か『えがおのまほう』!」
4 : ◆KakafR9KkQ [saga sage]:2017/11/10(金) 20:20:33.54 ID:nsm9X9S50
お母さん「ふふ、素敵な夢ね」

あー……

お母さんはちゃんと聞いてくれたけど、もしかしてこういう話って子どもっぽいかな…… 外じゃあんまりしないようにしよっと。

お母さん「でも、それなら育はずっと昔から魔法使いよ」

育「えっ、どうして?」

お母さん「育がね、笑ってくれるとわたしも嬉しいし笑顔になれるの。 純粋で可愛い育の笑顔がわたしとっても大好き」

育「お母さん……!」

育「わたしも! わたしもお母さんのこと大好き!」

お母さん「えへへ、ありがとう 育」

そう言ってお母さんはわたしの頭を撫でてくれた。 子どもっぽいけど、お母さんからされるのは好き…… 大好き。
5 : ◆KakafR9KkQ [saga sage]:2017/11/10(金) 20:21:30.77 ID:nsm9X9S50
そんな、最高の朝だったのに……

「おい! なんだよこれ!」

「えっ、何?」

わたしの暖かくて幸せな気分はクラスの男子にあっさり壊された。

原因は貸した消しゴムのカドを勝手に使ったことらしい。 そこから前にあーしたお前もこーしたで大喧嘩。

それを止めに行ったハナちゃんに暴力振るって、ハナちゃん泣いちゃったし、3時間目の気分は最悪……

育「はぁ…… わたしが本当に魔法使いならなぁ……」

わたしの魔法は『えがおのまほう』 喧嘩した男の子も、泣いちゃった女の子も、イヤな空気に沈んでるみんなもみんなみんな笑顔になるステキな魔法。

そうだなー、呪文は……

育「てぃんくるてぃんくる、キュアララぴっ」

なーんて、ね……
6 : ◆KakafR9KkQ [saga sage]:2017/11/10(金) 20:23:07.94 ID:nsm9X9S50
「フフフ……」

あれっ?

クラスのそこかしこから聞こえてくる笑い声

「「あ、あのさ! ごめん!」」

「えー! 二人喧嘩してたのに息ぴったりじゃーん」

「あははっほんとだ」

「こんなあっさり仲直り出来るなら最初から怒らなければよかった……」

「嫌な空気にしちゃってごめんな〜」

あれ…… もしかしてわたし…… 本当に魔法を使えるようになっちゃった!?
7 : ◆KakafR9KkQ [saga sage]:2017/11/10(金) 20:24:38.12 ID:nsm9X9S50
放課後、わたしは魔法が本当に使えるのか、劇場の裏のチワワで試してみた。 多分笑ってた…… と思う。

それじゃあ次は……

育「桃子ちゃん!」

桃子「おはよ育、育はいつも元気だね」

いっつもおすまししてるわたしの親友の桃子ちゃん。 桃子ちゃんを笑わせてあげる!

育「ねぇ聞いて! わたし魔法が使えるようになったの!」

わたしが言った途端、桃子ちゃんは はぁ ってため息をついて

桃子「ねぇ育、育もあと2年くらいしたら中学生になるんだよ。 いつまでもそんな変なこと言ってたらお兄ちゃんみたいなダメな大人になっちゃうよ?」

呆れたような顔をしてる…… そんな顔してられるのも今のうちだもんねー!
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