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阿武隈「北上さんに愛してるって言われちゃった…」
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46 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/06(月) 08:39:49.18 ID:fqCQWdrCo
一週間たってしまいましたが明後日以降には再び投下開始する予定です。
しばしお待ちを。
>>45
五十鈴のデレシーンも入れられたら入れたいと思います。
47 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 17:17:51.94 ID:ISHFeq0Bo
続き投下します。
48 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 17:23:53.22 ID:ISHFeq0Bo
〜妙高型の部屋〜
足柄「妙高姉さん、あのポーズしてあのポーズ」
妙高「あの大破ポーズ?仕方ないわね」
羽黒「お願いします!」
妙高「」カッ
足柄「あっはっはっは」
羽黒「くすくすくすくす」
那智「お前ら…姉をなんだと思ってるんだ全く…」
コンコン
那智「ん?」
大井「失礼します…」
49 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 17:28:00.18 ID:ISHFeq0Bo
足柄「妙高姉さんもう一回もう一回!」
羽黒「お願いします!」
妙高「仕方ないわね」
妙高「」カッ
足柄「あっはっはっは」
羽黒「くすくすくすくす」
那智「お前らうるさいぞ!客人だ!」
足柄「客人?誰よ?」
大井「……」
50 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 17:30:51.24 ID:ISHFeq0Bo
羽黒「大井さん?」
足柄「珍しいお客さんね何の用?」
大井「足柄さんに用があって…」
足柄「えっ私?」
大井「今お時間ありますか?話したいことがあるのですけど」
足柄「いいけれどあなたが私に話したいことって何かしら?」
大井「あの…それは…ここじゃない場所で…」
足柄「?」
51 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 17:36:52.92 ID:ISHFeq0Bo
〜鎮守府裏〜
足柄「はいここなら誰にも聞かれないわよ。で。何の話?」
大井「実は…」ゴニョゴニョ
足柄「そ、そう。そんなことがあったのね…」
大井「ええ。それで今その犯人を捜しているのですが何か知りませんか?」
足柄「いや知らないわね。一ミリも知らないわね」キリッ
大井「そうですか…足柄さんなら何か知ってると思ったのですが。…チッ阿武隈に直接聞くしかないか」ボソッ
足柄「え?なんて?」
大井「いえお手数おかけして申し訳ございません。それと貴重な時間を割いていただきありがとうございました」
52 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 17:41:45.23 ID:ISHFeq0Bo
足柄「いえいいのよ。それにしてもあなたも辛いわよね。もしそんな奴がいるなら私が尻の穴にタバスコ三滴垂らして、全身に唐辛子エキスを撒き散らした後に鼻から辛々麺を食わしてやるわよ」
大井「はい!期待してます!約束ですよ?」
足柄「ええ約束するわ」
大井「ではまた」
足柄「ええ」
足柄「……」
足柄「……」
足柄「……」
足柄「……」ガタガタ
足柄「……」ジョバジョバジョバア
53 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 17:47:47.02 ID:ISHFeq0Bo
〜妙高型の部屋〜
ガチャ
那智「おっ足柄が帰ってきたみたいだぞ」
足柄「……」
羽黒「お帰りなさい足柄ねえさ…って臭い!なんか異様な匂いが漂ってますよ?」
妙高「確かに臭いわね。なんかアンモニア臭いわ。これはどういうことかしら?」
那智「うっ…すまない足柄何か貴様から異様な匂いがするのだが…向こうで何があった?」
足柄「終わったわ何もかも」
那智「?」
足柄「私の人生も私の肛門も何もかも終わったわ」
54 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 17:58:12.92 ID:ISHFeq0Bo
那智「それはどういうことだ?」
足柄「那智姉さん、妙高姉さん。私が全身唐辛子まみれになって死んだら羽黒をよろしく頼むわ。姉さんたちならたぶん私がいなくても大丈夫だと思うから」
那智「おい何を言っているのかまるで分らないぞ!」
妙高「そうよ!そんなアンモニア臭い身体で言われても全てジョークに見えてしまうわ」
足柄「ごめんなさい…でもこれは本当なの。私今からシャワー浴びに行ってくるからお話はまた今度ね」
那智「おい待て足柄!ちゃんとした理由を…」
羽黒「行っちゃいましたね…」
妙高「おえええ…アンモニアの匂いが…」ビチャビチャ
羽黒「妙高姉さんしっかおええええ」ビチャビチャ
那智「お前らしっかりしろ!それにしても大井…あいつはいったい何を…」
那智「うっ…おえええええ」ビチャビチャ
55 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 18:02:35.16 ID:ISHFeq0Bo
〜北上・大井の部屋〜
北上「……」
大井「……」
北上「…あのー大井っち?」
大井「何かしら北上さん」
北上「なんか今日全然喋らないけどどしたの?」
大井「そうでしょうか?私はいつも通りですよ北上さん」
北上「ならいいんだけど…なんか困ったことがあるなら相談してね」
大井「大丈夫ですよ北上さん。困った事なんてなぁんにもありませんから。ウフッ」
北上「そ、そう…」
56 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 18:06:40.45 ID:ISHFeq0Bo
大井「それはさておき北上さん」
北上「ん?」
大井「明日阿武隈さんと出かける予定はありますか?」
北上「ああ、もしかして知ってる?私と阿武隈が付き合ってるの」
大井「知ってますよリアルタイムで知りましたよ北上さん」ニコニコ
北上「え?リアルタイムってどういうこと?」
大井「そんなことはどうでもいいです。私の質問に答えてください北上さん」
北上「ああ、明日は一緒に遊園地に行く予定だけど」
大井「そうですか。……えっ?」
北上「いやぁ驚いたよ。まさか阿武隈の方から誘ってくるなんてねぇ」
57 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 18:12:54.26 ID:ISHFeq0Bo
〜北上の回想〜
阿武隈「あれ北上さん、今日は大井さんと一緒に食べなくていいの?」
北上「ん?ああ、今日は大井っち球磨姉さんたちの方に居るからね。多分私たちに気を遣ってくれたんだよ」
阿武隈「そ、そうなんだ」
北上「さて、お腹減ったし食べようかな」
阿武隈「そ、そうね!た、食べましょう!」
北上「……」モグモグ
阿武隈「……」モグモグ
北上「……」モグモグ
阿武隈「…あ、あの北上さん」
北上「ん?何?」
58 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 18:16:09.09 ID:ISHFeq0Bo
阿武隈「あ、明日空いてたりする?」
北上「明日?うん暇だけど」
阿武隈「じゃ、じゃあゆ、遊園地行かない?」
北上「遊園地?」
阿武隈「う、うん」
北上「……」
阿武隈「あれ北上さん?もしかして遊園地いやだったりとか…」
北上「驚いた。阿武隈から誘ってくるなんて。しかも遊園地とはこりゃ明日は嵐でも来るかな」
59 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 18:21:40.82 ID:ISHFeq0Bo
阿武隈「ええ!?嵐なんて来たら困るわ!!せめてTOKIOで我慢させて…」
北上「どうしよう何からつっこんでいいのか分からないや。まあとにかく遊園地は大歓迎だよ。行こう」
阿武隈「ほ、ほんと?」
北上「うんホント」
阿武隈「や、やったぁ!足柄さんありがとう!」
北上「足柄さん?」
阿武隈「い、いえ何でもないわ!」
60 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 18:32:15.34 ID:ISHFeq0Bo
〜回想終了〜
北上「みたいなことがあってね。まあ未だになんで足柄さんって言ったのか分からないけれど」
大井「ええそうですね全く」
大井(あのアマァ知らないって嘘つきやがったな…まあいい、今度会ったら阿武隈もろとも唐辛子まみれにしてやるんだから)ヒッヒッヒッヒ
北上「あ、あの…大井っち?」
大井「ああすみません北上さん。それにしてもそれは驚きですね…」
北上「本当にね。阿武隈はもっと積極的な子だと思ってたけど、もしかすると本当はすんごい積極的でエッチな子だったりして」
大井「はは、さすがにそれはないんじゃないですか?あっでも想像したらそれ…意外とアリかも…」ウヒヒヒヒ
北上「大井っち?どうしたの今日なんか変だよ?」
大井「…北上さん」
北上「ん?」
大井「私も遊園地ついて行っていいですか?」
61 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 18:38:04.92 ID:ISHFeq0Bo
〜遊園地〜
阿武隈「……」
大井「北上さん愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる…」ベタベタ
北上「やめなよー大井っち恥ずかしいってー」
阿武隈「何でこうなるの!」カッ
北上「うわ、阿武隈突然大きな声出さないでよ。びっくりしたよぉ」
大井「そうですよ阿武隈さん。あなたはもっと公の場らしい振る舞いをするべきです!」ベタベタベタベタ
阿武隈「いや大井さんには言われたくない…てか北上さんこれはどういうこと?返答によっては私、怒っちゃうんだから!」
62 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 18:44:24.49 ID:ISHFeq0Bo
北上「いや最初は私もきっぱり断ったんだよ。デートっていう名目で行くわけだから阿武隈と二人で行かせてほしいって。そしたら大井っち土下座をしてきてね…」
大井「ごめんなさいどうしてもこの遊園地に行きたかったんです。この遊園地このあたりじゃとても人気の高いものと聞いていましたからつい好奇心が勝って。それに今日の出撃全部キャンセルしてきたんですよ?」
阿武隈「ええ!?キャンセルってそんなの許されるの!?」
大井「代役は全部木曾に頼んであるので大丈夫です」
阿武隈「木曾さん…」
北上「はは、あの子すごい嫌そうな顔してたけどね…」
大井「ということでご理解いただけましたか?」
63 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 18:52:45.59 ID:ISHFeq0Bo
阿武隈「いや全然ご理解できないよ!そんなに行きたいなら別に私たちと一緒に行かずに他の人誘って行けばいいじゃない!」
大井「まさか今まで北上さんしか見てこなかった私に気軽に遊園地に誘える友が居るとでも?」
阿武隈「じゃ、じゃあ一人で行けば?」
大井「遊園地に一人で行っても楽しいわけないでしょう?やっぱり遊園地は一番好きな人と行かないと。ねえ北上さん?」
北上「はは…」
阿武隈「わ、私だって一番す、好きな人と二人で行こうと思っていたの!ねえ北上さん?」
北上「そ、そうだね…」
大井「言っときますけど私の方があなたより北上さんのこと100倍好きですから。毎日崇拝してますし。毎日ストーキングしてますし」
阿武隈「私だって北上さんのこと大好きだし…。す、少なくともあなたのような変態的な愛じゃなくて全うに愛してるんだから!」
64 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 19:12:13.16 ID:ISHFeq0Bo
大井「全う?ふざけないで!北上さんはね、どっちかっていうとアブノーマルな女の方に興奮しちゃうタイプなの。あなたとは住む世界が違うのよ!」
北上「いや大井っち。私、そんな性癖ないよ?」
阿武隈「何言ってるのよ。確かに北上さんはいつもちょっかいばっかかけてくるどうしようもないアブノーマル性悪女だけども、そんな北上さんでも本当は罪悪感感じて全うな女になりたいと思ってるのよ。
でも全うな女になれない北上さんはいつしか全うな女そのものに憧れ、焦がれていくの。そして、最後には全うな私を求めて抱きついてくるんだから!」
北上「どうでもいいけどさりげなく私の悪口言ってなかった?やっぱり無理して付き合ってるよね?私のことそんなに好きじゃないよね?」
大井「私は絶対認めませんからね!あなたと北上さんが付き合うなんて断固認めません!」
阿武隈「わ、私だってあなたのような変態さんが北上さんの側にいることに反対するわ!」
大井「何ですてぇ!?」
阿武隈「ぐぎぎ」
大井「ぐぎぎ」
二人「「フン!」」
北上「先が思いやられるとはよく言ったものだね…」
65 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 19:14:29.51 ID:ISHFeq0Bo
今日はここまで。
66 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 19:39:44.09 ID:ISHFeq0Bo
ごめんなさい誤字があったので訂正しときます。
67 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/08(水) 19:40:20.40 ID:ISHFeq0Bo
>>60
〜回想終了〜
北上「みたいなことがあってね。まあ未だになんで足柄さんって言ったのか分からないけれど」
大井「ええそうですね全く」
大井(あのアマァ知らないって嘘つきやがったな…まあいい、今度会ったら阿武隈もろとも唐辛子まみれにしてやるんだから)ヒッヒッヒッヒ
北上「あ、あの…大井っち?」
大井「ああすみません北上さん。それにしてもそれは驚きですね…」
北上「本当にね。阿武隈はもっと消極的な子だと思ってたけど、もしかすると本当はすんごい積極的でエッチな子だったりして」
大井「はは、さすがにそれはないんじゃないですか?あっでも想像したらそれ…意外とアリかも…」ウヒヒヒヒ
北上「大井っち?どうしたの今日なんか変だよ?」
大井「…北上さん」
北上「ん?」
大井「私も遊園地ついて行っていいですか?」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/08(水) 21:22:45.36 ID:Oq6V5GDLo
おつ
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/10(金) 13:31:47.33 ID:EJVCjUyC0
乙です。
安らかに眠れ足柄……いやーしかしあれだねー北上さん愛されてるねぇ(目そらし)
70 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 03:37:11.21 ID:+1/g2Ac00
夜も深いですがいけるところまで続き投下します。
71 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 03:44:36.56 ID:+1/g2Ac00
大井「あっ北上さんお化け屋敷ありますよ?行きましょう勿論ふ・た・りで」グイグイ
阿武隈「そんなのよりも北上さんジェットコースターあるよ。あっちの方が楽しいよ。あっいけない!ここのジェットコースター変態さんは乗るの禁止なんだって!しょうがないよね!だって禁止だもん。仕方ないから北上さん二人で乗ろうよ!」グイ
大井「は?私は今北上さんとだけ話してるの?関係ないあなたはすっこんでてくれます?」
阿武隈「私だって北上さんとだけ話してるの。あなたはカボチャにでもなんでもなっていればいいのよ」
大井「やんのかおい」
阿武隈「望むところよ」
二人「「ぐぎぎ」」
北上「もうやめて!私のために争わないで!」
阿武隈「もとは言えば北上さんが大井さん連れてきたのが悪いんでしょ!!」
北上「はい、返す言葉もございません…ってあれ?」
72 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 03:47:55.28 ID:+1/g2Ac00
阿武隈「どうかしたの?北上さん」
大井「具合でも悪いのですか?ならば今からご休憩所に…」
北上「いや、あそこにいるのって五十鈴だよね?」
大井「どれどれ…あら本当ですね」
阿武隈「五十鈴ちゃん何をしてるんだろう…」
北上「あれ、誰か来たよ?人を待ってたみたいだね」
大井「ちょっと待ってくださいあの人って…」
阿武隈「提督ですね…」
73 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 03:51:18.70 ID:+1/g2Ac00
北上「何でだろう…」
阿武隈「五十鈴ちゃん、提督のこと好きみたいだから…」
北上「あらそうなの?じゃあ向こうもデートかな?」
大井「でもなんか雰囲気がデートって感じじゃないような…」
北上「言われてみると確かにそうだね。なんかどことなく重たいような…五十鈴なんかずっと下向いてるし」
大井「あっ顔をあげましたよ」
阿武隈「何か言ってるみたいね」
北上「さぁてどうなる?」
74 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 03:53:40.03 ID:+1/g2Ac00
大井「……」
阿武隈「……」
北上「……」
大井「あっ提督が顔を横に振りました」
北上「うわっ五十鈴が泣きながら走ってどっか行っちゃったよ」
阿武隈「ね、ねぇこれってもしかして…」
大井「……」
北上「……」
阿武隈「五十鈴ちゃん…」
75 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 03:57:33.67 ID:+1/g2Ac00
ドヨーン
大井「……」
阿武隈「……」
北上「あ、あのさ折角遊園地に来たんだからどっか行かない?ジェットコースターとかさ」
大井「……」
阿武隈「……」
北上「遊園地来て何処にも行かないってのは勿体なくない?時間とかお金とかさ。大井っちなんかわざわざ代役頼んでできたわけでしょ?なら、やっぱ楽しまなきゃ損だよ。木曾にも悪いし」
大井「…そうですね」
北上「でしょ?」
阿武隈「私はそんな気分じゃない…」
76 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 04:04:52.36 ID:+1/g2Ac00
北上「阿武隈…」
阿武隈「五十鈴ちゃんはね、本当に提督のことが好きなの。提督の話をするときはいつも嬉しそうにしてたし、出撃から帰ってくると提督に褒められたって言って踊って喜んでいたくらいなんだから。だから、私はずっと五十鈴ちゃんを応援してたの。いつか恋が実ればいいなって。でもそれが…こんな結末になるなんて…」
北上「で、でも日を改めてまたコクればいいんじゃない?」
大井「提督にお相手がいたとしたら?」
北上「そ、それは…」
大井「そのときはどうやったって諦めるしかないんです。いくら恋い慕ったところで結局は早いもの勝ち。恋はいわばバーゲンセールのようなものなんです」
北上「いや大井っちの場合、私のこと全然諦めてないよね?バーゲンセールが終わってもずっと最前列に居座ってるよね?」
77 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 04:12:49.51 ID:+1/g2Ac00
大井「とにかく提督ももういい大人です。女性の一人や二人いても何らおかしくはないでしょう」
北上「まあ確かにそれはそうだね…」
阿武隈「……」
北上「阿武隈、五十鈴の件に関してはさ、確かに残念だと思うけど今はとりあえず遊園地の方に…」
阿武隈「ごめんなさい北上さん。私、ほおっておけない性格なの…行かなきゃ」
北上「行かなきゃって今から行くの?」
阿武隈「うん。ごめんね」
北上「今から行ってももう間に合わないでしょ」
阿武隈「大丈夫。五十鈴ちゃんが辛いときはいつも私たちの部屋に籠ること私、知ってるから」
北上「阿武隈…」
阿武隈「ごめんね北上さん。また今度ちゃんとした形で遊園地行こうね。じゃあまた」タッタッタッタ
78 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 04:17:13.37 ID:+1/g2Ac00
北上「あっちょっと!って本当に行っちゃったよ…」
大井「フフ、北上さんこれでやっと二人きりになれましたね」
北上「えっもしかして大井っちこのことを予見して…」
大井「そこまで先見の明があるわけではありませんよ北上さん。ただ私は北上さんと二人きりになれたのが嬉しくて…うへへ今日の北上さんのパンツは何色かな?」
北上「大井っち…」
大井「北上さん大好き大好き大好きチャイコフスキー」
大井「……」
79 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 04:19:42.21 ID:+1/g2Ac00
〜長良・五十鈴・阿武隈の部屋〜
コンコンコン
阿武隈「五十鈴ちゃんいる?」
ガチャ
五十鈴「阿武隈?あなた、北上たちと遊園地に行ってたんじゃないの?」
阿武隈「あっそうなんだけど…あの、えっと…」
五十鈴「まあいいわ。中で話しましょ」
阿武隈「う、うん」
80 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 04:24:35.32 ID:+1/g2Ac00
五十鈴「それで何の話?」
阿武隈「い、五十鈴ちゃん今日遊園地で提督と話してるのを見て…その…一体何を話してたのかなって…」
五十鈴「そう、見たのね」
阿武隈「ごめん…」
五十鈴「何で謝るのよ」
阿武隈「そ、それは…」
五十鈴「…私が提督のことを好きなのは知っているわね?」
阿武隈「うん」
五十鈴「色々とあの手この手で試してはみたんだけどね…どうやら全部無駄だったみたい。フラれたわ」
81 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 04:30:41.32 ID:+1/g2Ac00
阿武隈「……」
五十鈴「でもまあ仕方ないわ。提督もいい年齢だもの。女性の一人や二人いてもおかしくはないわ」
阿武隈「……」
五十鈴「正直夢見すぎてたわ。歳の差もそうだけど、そもそも階級が違いすぎるもの。たかだか艦娘風情が本気で提督に恋をするなんて馬鹿げていたわ」
阿武隈「そ、そんなこと…」
五十鈴「もしかして私のこと心配してくれてここまで来てくれたの?ふふ、心配いらないわ。私は元気だから早く北上たちのところに戻ってやりなさい」
阿武隈「で、でも…」
五十鈴「情けは不要よ。そんなものかけられたって何も出やしないわ。ほら早く行ってきなさい。回れ右よ回れ右」
82 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 04:35:42.58 ID:+1/g2Ac00
阿武隈「五十鈴ちゃん!私、辛かったらいつでも話聞くから!私は五十鈴ちゃんの味方だから!」
五十鈴「はいはい。さあ早く行きなさい」
阿武隈「五十鈴ちゃん、無理しないでね!」
五十鈴「してないわよ。それじゃあね阿武隈」
バタン
五十鈴「はぁやっと行ったわね。全くしつこい子ね。でも……本当に優しい子ね」
83 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 04:44:54.09 ID:+1/g2Ac00
阿武隈(絶対無理してるよ五十鈴ちゃん…表面上はそこまで大したことのないように取り繕ってたけど、フラれたって言ったときの五十鈴ちゃんの顔泣きそうだったもの)
阿武隈(何とかしてあげられないかなぁ)
大井「ちょっとそこのあなた。そこの金髪ツインテール」
阿武隈「……」
大井「ちょっと、ねえ!」
阿武隈「……」
大井「耳付いてますよね?返事ぐらいしなさい!」
阿武隈「……」
大井「おい!」
阿武隈「」ハッ
大井「やっと気づいた…全く手間がかかるったらありゃしない」
阿武隈「えっ?あれ?大井さん?」
84 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 05:00:24.61 ID:+1/g2Ac00
大井「大井さん?じゃないわよ全く。あなたが急に五十鈴さんのこと追っかけて遊園地飛び出しに行くものだから、こっちは遊園地どころじゃなかったわよ」
阿武隈「え?そうなの?てっきり私はこれでやっと二人きりになれましたね北上さんとか言ってるだろうなとか思ってたけど」
大井「そ、そんなこと言ってないわよ。私をどんな奴として見ているのよ」
阿武隈「極悪非道のクレイジーサイコレズだけど」
大井「そ、それは最悪ね…」
阿武隈「だってそうでしょ?」
大井「ええそうねとでも言うと思ったの?頭にポンデリングみたいなの二つのっけてるくせに」
阿武隈「こ、これはファッションなの!何か文句ある?」
85 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 05:11:24.45 ID:+1/g2Ac00
大井「はぁ文句しかないわよバカ…ってこんなこと言いに来たんじゃないわよ。あなたと話すと何だか調子狂わされるわ」
阿武隈「こっちだって調子狂いまくりよ」
大井「で、どうだったの?」
阿武隈「え?」
大井「五十鈴さんのとこに行ってきたんでしょう?彼女、どんな様子だったの?」
阿武隈「それは…いつも通りに振舞ってたけどでも何だか無理してそうで…」
大井「そう」
阿武隈「ね、ねぇ五十鈴ちゃんのために私のできることって何かないかな?五十鈴ちゃんの負担を少しでも減らせるようなこととか」
大井「ないわね」
86 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 05:39:31.82 ID:+1/g2Ac00
阿武隈「えっ?」
大井「できることなんて何もないわ。後は時間が彼女の傷を癒すのを待つだけよ」
阿武隈「そ、そんな…」
大井「それに今あなたが五十鈴さんのために何かしたとしても嫌味にしかならないわ。だってあなたには認めたくはないけれど一応北上さんっていう彼女がいるじゃない」
阿武隈「そうだけど…」
大井「彼女のいる妹に失恋を慰められることほど辛いものはないわ。だったらほおっておいてくれた方がよっぽどマシ。親切心も大いに結構だけど、少しは相手のことも考えるべきね」
阿武隈「……」ショボーン
大井「…はぁ、あのね別に私はあなたのことを責めてるわけじゃないわ。一応北上さんが好きになった女だもの。認めなきゃいけないところもある。その…優しいところとか?まあ別に私はそういう風に思ってないけれどね。あくまで客観的に見てよ。客観的」
阿武隈「……」
大井「あなたみたいなタイプは周りの不幸に自分だけ幸福であっていいのかとか思ってそうだから、北上さんのこと蔑ろにしそうで恐いのよ。まあそんなことしたら私が許さないけれど」
阿武隈「そ、そんなことしない…」
87 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga ]:2017/11/16(木) 05:40:31.19 ID:+1/g2Ac00
ごめんなさい眠いので一旦切り上げます。
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/16(木) 06:36:39.26 ID:QYsgsGc4o
すごい楽しみに読ませてもらってる身でおこがましいが
>大井「とにかく提督ももういい大人です。女性の一人や二人いても何らおかしくはないでしょう」
>五十鈴「でもまあ仕方ないわ。提督もいい年齢だもの。女性の一人や二人いてもおかしくはないわ」
二人はおかしくない?
「お相手の女性がいる」なら分かるが、これだと二股かけてるみたい
女友達的な意味ならそこに五十鈴加えてもいいだろうし
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/16(木) 07:07:09.76 ID:NZUgmMvPO
乙
>>88
横からすまん
それは単純に慣用句というか、会話における言い回しでしょ
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/16(木) 07:33:55.19 ID:eLRSvZ4Co
そか
そだな
考えてみればリアルでもそういう言い方するかもだわ
ほんとどうでもいいこと指摘してごめんなさい
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/16(木) 07:34:31.63 ID:eLRSvZ4Co
ID変わってるし
92 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/16(木) 16:55:14.83 ID:+1/g2Ac00
中断してしまいましたがキリのいいところまで続き投下します。
93 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/16(木) 17:02:21.49 ID:+1/g2Ac00
大井「そう。じゃああなたの幸せって何?」
阿武隈「幸せ?」
大井「そう、幸せ」
阿武隈「私の幸せは…周りの人たちがみんな幸せになってくれること…かな?」
大井「それが幸せ?」
阿武隈「…うん」
大井「あなたの幸せって周りの人たちがみんな幸せになってくれることなのね。すごいわよくそれが自分の幸せだなんて言えたわね」
阿武隈「な、何よ…」
大井「いや、それが本当にあなたの幸せなら別に私は何も言わないわ。ただそれであなた自身が本当に幸せになれているのか疑問に思っただけよ」
94 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/16(木) 17:08:48.77 ID:+1/g2Ac00
阿武隈「…分からない」ボソッ
大井「ん?何?」
阿武隈「分からないよそんなの。何が幸せだなんて考えたこともないし。それに、それが本当に自分の幸せなんかどうかも分からないよ…」
大井「なら、自分だけの幸せを一つ見つけておくことね」
阿武隈「そんないきなり…」
大井「普段から少し意識していればいいのよ。また日を改めてあなたの幸せについて聞くかもしれないけど、そのときまでには答え出てるといいわね」
阿武隈「……」
大井「じゃあ私はそろそろお暇するわ」
阿武隈「お、大井さん!」
大井「何かしら?」
阿武隈「あ、ありがとう」
大井「……フン」スタスタスタ
阿武隈(私だけの幸せ、か…)
95 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/16(木) 17:15:46.55 ID:+1/g2Ac00
〜球磨・多摩・木曾の部屋〜
木曾「はぁ疲れたぁ」
球磨「おっ木曾。お疲れクマ」
多摩「ニャ〜」
木曾「全く大井姉さんの代わりなんて無理っつったんだけどなぁ。火力が全然たりねぇ。お蔭で戦艦落とし損ねて艦隊は結構な損害だぜ」
球磨「まあ、あの任務では真面目な大井が直々に代役頼むくらいだクマ。何かよっぽどの事情があるんだクマ」
木曾「よっぽどの事情って聞いていないのか?球磨姉さん」
球磨「何もクマ」
木曾「多摩姉さんは?」
多摩「知らないニャ」
96 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/16(木) 17:32:23.44 ID:+1/g2Ac00
木曾「驚いた。何も知らずに俺が難関海域行くってのに見送ったのかよ…」
球磨「だって知らないものは知らないクマ」
多摩「ふぁ〜眠いニャ」
木曾「あんたらなぁ…いいか?あの大井姉さんはな、俺に代役頼んでおいて自分は北上姉さんと遊園地だぞ?デートだぞ?とんでもないクレイジーサボリレズだぞ?」
大井「誰がクレイジーサボリレズだって?」
木曾「うわぁ!大井姉さん!いったいどっから湧いてきた!?」
大井「普通に扉からよ。そんなことよりあなたたちに頼みごとがあって来たの」
球磨「頼みごとクマ?」
多摩「ニャ〜」
木曾「まさかまた代役とかじゃねーだろなぁ?それだけは勘弁だぜ」
97 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/16(木) 17:41:10.83 ID:+1/g2Ac00
大井「違うわよ。そんなんじゃないわ。もっとこう…その…入り組んだ頼みごとって感じね」
木曾「入り組んだ?」
大井「そうよ」
球磨「…面倒事クマ?」
大井「否定はできません…」
多摩「それって多摩もしなきゃいけないニャ?」
大井「はい」
多摩「うへ」
木曾「それで頼みごとって何だよ」
大井「それは…」
98 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/16(木) 17:48:37.25 ID:+1/g2Ac00
〜翌日、提督室〜
球磨「……」コソコソ
多摩「……」コソコソ
木曾「……って何で俺らが陰で提督のことコソコソと監視しなきゃいけないんだよ!」
球磨「しっー、木曾大きな声を出すなクマ。提督に気付かれたらどうするんだクマ」ボソボソ
多摩「帰りたいニャ…」ボソボソ
木曾「いやだってよぉ」ボソボソ
球磨「とにかく大井からクマたちに与えられたミッションは二つ。一つは提督の行動を監視し、気付いた点があれば大井に報告すること。そしてもう一つは提督に五十鈴のことについてどう思っているか聞くことクマ」
木曾「五十鈴が提督のこと好きなのは知ってたけど何もこんなことしなくても…」
99 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/16(木) 17:58:25.41 ID:+1/g2Ac00
球磨「何か事情があるんだろクマ。とりあえず大井が頭下げてまで球磨たちにお願いしたんだクマ。球磨たちはその願いをかなえてやるのが役目だクマ」ボソボソ
木曾「まあそうだけども…」ボソボソ
多摩「てか大井は何してるニャ?」ボソボソ
木曾「大井姉さんはしばらく遠征に行ってて帰ってこないんだってよ。だから俺たちにこんなことお願いしたんだろ」ボソボソ
多摩「そう。じゃやっぱり多摩たちがやらないといけないのかニャ…」ボソボソ
球磨「仕方ないクマ。とりあえず提督の監視をするクマ」ボソボソ
100 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/16(木) 18:00:40.54 ID:+1/g2Ac00
今日はここまで。
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/16(木) 19:16:41.92 ID:VhT4y7R4o
おつー
102 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 20:00:20.04 ID:+dB7HaRw0
多忙だったもので時間が空いてしまいましたが続き投下します。
今回は少し五十鈴寄りの話になっていると思います。
103 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 20:03:34.68 ID:+dB7HaRw0
提督「……」カキカキ
提督「……」カキカキ
提督「……」カキカキ
球磨「なんかひたすら執務って感じクマね」ボソボソ
木曾「そりゃそうだろう。あいつはいつもあんな感じだぞ」ボソボソ
多摩「眠い…」コックリコックリ
104 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 20:07:21.21 ID:+dB7HaRw0
提督「……」カキカキ
提督「……」カキカキ
提督「……」カキカキ
球磨「おいもう一時間経ったクマ」ボソボソ
木曾「何も起こらねえな」ボソボソ
球磨「下手すりゃこのままずっと動かない可能性も出てきたクマ」ボソボソ
木曾「いやさすがにそれはねえだろ。ん?何だあれ?あの光っているもの」
球磨「ん?どれどれクマ?」
105 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 20:11:48.83 ID:+dB7HaRw0
木曾「今、提督が手に持っているものだよ」ボソボソ
球磨「あれは……指輪クマ!指輪!」ボソボソ
木曾「指輪?何でそんなもの…まさか本当に相手が居るのか?」ボソボソ
球磨「分からないクマ。とりあえず様子を窺うしかないクマ」ボソボソ
提督「…ふぅ、さてトイレでも行くかな」
ガチャ バタン
木曾「おい、居なくなったぞ。どうする?」
球磨「とりあえず箪笥の中から早く出るクマ。あの指輪を確認するクマ」
木曾「オーケー。多摩姉さんは?」
多摩「zzz」スピースピー
106 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 20:14:54.38 ID:+dB7HaRw0
木曾「って寝てんのかよ!」
球磨「おい、多摩起きろクマ」ユサユサ
多摩「むにゃ……ここはどこニャ?暗い…炬燵の中?」
木曾「ダメだ。完全に寝惚けてやがる」
球磨「この際多摩は箪笥の中に隠れてていいクマ。二人だけで見に行くクマ」
木曾「そうだな。そうしよう」
107 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 20:41:13.00 ID:+dB7HaRw0
キラキラ
球磨「うわぁすごいクマ」
木曾「石が思ったよりでかいな。一体どのくらいするんだこれ」
球磨「にしてもこんな指輪を贈られた方は参っちゃうクマね。断れないっていうか」
木曾「はは、言えてる。小心者のあいつにしちゃ、釣りにあわねえくらいのでかい石だ」
球磨「さてと、じゃあ指輪の確認がとれたし、後見るべきものはあれクマ」
木曾「申請書ってやつか」
108 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 20:46:20.69 ID:+dB7HaRw0
球磨「そうクマ。指輪があるならもう決心している証拠クマ。相手が艦娘の場合、指輪の他にケッコンカッコカリの申請書を大本営に提出しなければならないクマ。もし相手が五十鈴なら申請書がどこかに…」ゴソゴソ
木曾「これか?」
球磨「あっそれクマ!早く見せろクマ」
ガチャ
木曾「やべえもう帰ってきたぞおい!」
球磨「は、早く箪笥の中に…あっ」ポーイ
ヒュー
多摩「」パク
球磨、木曾(ゆ、指輪食われたぁぁぁ!?)
109 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 21:31:21.24 ID:+dB7HaRw0
バタン
提督「……」
球磨「……」
木曾「……」
提督「お前たちは何をしてるんだ?」
球磨「い、いやぁ提督。元気かクマ?歯磨いたクマ?風呂入ったクマ?」
提督「いや何の話だ…」
木曾「い、いやぁちょっと提督に用があったんだけど、たった今用がなくなったところなんだ。悪いが俺たちはこれでお暇するぜ。おい球磨姉さん行くぞ」
球磨「わ、分かったクマ」
木曾「それじゃ提督またな」
提督「お、おい!」
110 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 21:38:11.19 ID:+dB7HaRw0
ガチャ バタン
提督「何だったんだあいつらは…」
球磨「ふぅ、危なかったクマね」
木曾「ああさすがに焦ったぜ」
球磨「とりあえず指輪と申請書の情報はつかめたし、大井が出撃から帰ってきたら早速教えないとクマ」
木曾「ああそうだな。でも何だろう。何だか気持ち悪い。違和感というか何か忘れているような…」
球磨「え?そんなのあったかクマ?……あっ」
木曾「多摩姉さん置いてきちまった…」
111 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 22:30:46.75 ID:+dB7HaRw0
提督「……」
多摩「ふぁ〜」ムニャムニャ
提督「何で箪笥の中に居るんだ多摩…」
多摩「箪笥?炬燵じゃないニャ?」
提督「いやどう見ても箪笥だろう…しかもここは俺の部屋だ」
多摩「あっそういえばそうだったニャ。忘れてたニャ」
提督「忘れてたってお前なぁ…」
多摩「あれ二人はどこニャ?」
提督「球磨と木曾のことか?」
多摩「そうニャ」
112 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 22:34:32.47 ID:+dB7HaRw0
提督「あいつらならもうここを出ていっちまったぞ。用がなくなったからとか言って」
多摩「え?嘘?じゃあ今多摩一人ってことかニャ?」
提督「そうだが、お前ら一体俺の部屋で何してたんだ?」
多摩「提督、その前に多摩から一つ質問ニャ」
提督「質問に質問かよ」
多摩「いいから多摩の質問に答えて欲しいニャ」
提督「はぁ、何だよ?」
多摩「五十鈴のことどう思ってるニャ?」
提督「何だよ急に」
113 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 22:39:22.27 ID:+dB7HaRw0
多摩「いいから答えるニャ」
提督「あ、あいつは別にただの俺の部下だ…」
多摩「ほんとニャ?」
提督「ほんとだ」
多摩「そこに置いてある申請書は何かニャ?」
提督「ま、待て!何でこれがこんなところに…しかも微妙に荒らされた形跡あるし!」
多摩「それは誰のための申請書ニャ?」
提督「ち、ちげーよ!これは…あの…まだ提出するって決めたわけじゃねーし」
多摩「ふうん、じゃそこにある指輪の箱は何かニャ?」
114 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 22:45:10.20 ID:+dB7HaRw0
提督「こ、これは…っておい!指輪がないんだが?」
多摩「多摩が食べちゃったニャ」
提督「は?」
多摩「指輪は今多摩の胃の中で胃液まみれになってるニャ」
提督「え、嘘?マジなの?マジで食ったの?」
多摩「仕方なかったニャ。球磨の手が滑って多摩の口の中にホールインワンしちゃったニャ。これは誰のせいでもないニャ」
提督「いやお前らのせいだろ!今すぐ出せ!何としてでも出せ!」ユサユサ
多摩「無理ニャ。一度食べたものは戻らないニャ」
提督「んなもの食ったら腹壊すぞバカ!頼むから出してくれ!この際けつの穴からでもいいから!う○こまみれにしていいから!」ユサユサ
115 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 22:56:38.93 ID:+dB7HaRw0
多摩「ニャニャ、そんなに焦るってことはやっぱり誰かにあげる予定だったんだニャ?」
提督「ち、ちげーよ!俺はただお前の体調のこと思って指輪を取り出したいだけだし!」ユサユサ
多摩「ねえ提督。もう一回聞くニャ。五十鈴のことどう思ってるニャ?」
提督「ぶ、部下って言ってるだろ」
多摩「好きなのかニャ?」
提督「……//」カァ
コンコン
足柄「失礼するわ。この前提督に貸した愛おしい部下の口説き方って本を返しにもらいに来たのだけど」
提督「ああああああああ」
116 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 23:26:07.63 ID:+dB7HaRw0
足柄「な、何?」
多摩「やっぱ五十鈴のこと…」
提督「バカ野郎!おい足柄!俺はお前からそんな本を借りた覚えはねーぞ!」
足柄「いや借りたでしょ。一週間以上前に好きな人が出来たからって言って恥ずかしながらも私の部屋に来て借りていったじゃない」プーン
提督「うるせぇ!一週間以上前のことなんてもう忘れたわ!俺はな、一週間フレンズみたいに一週間ごとに記憶がリセットされてんだよ!記憶喪失のフレンズなんだよコンチクショー!ってか臭!めちゃくちゃ唐辛子臭ぇぞおい!」
足柄「こ、これには色々あって…てか早く返しなさいよ。私も使ったりするんだから!」プーン
提督「わ、分かった。分かったからとりあえず早くシャワー浴びてこい。気持ち悪くなりそうだ」
多摩「おええニャ」
足柄「うう…皆して私のこと臭い臭いって…あんまり私を虐めないでよね!狼だって泣くときはあるんだから!」プーン
117 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/22(水) 23:41:34.79 ID:+dB7HaRw0
提督「鬼の目にも涙ならぬ狼の目にも涙ってか?知らねえよとりあえずシャワー浴びてこおえええええ」ビチャビチャ
多摩「うっ…うっ…おええ」ビチャビチャ
足柄「ぎゃあああああ」
〜数分後〜
足柄「はい、シャワー浴びてきたわよ」キラキラ
提督「おう悪いな。とてもじゃないがあのときの甘えと話する気にはなれなかった」キラキラ
多摩「臭くて気持ち悪かったニャ」キラキラ
足柄「ええそうね。私もゲロまみれのあなたたちと話すしたくなんてないもの…」
提督「だから俺たちもシャワー浴びてきただろ?」
多摩「提督のアレ、でかかったニャ」
118 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/23(木) 00:52:56.49 ID:c/ENBIRp0
提督「いや何を見てんだよ!?」
足柄「確かに提督のアレは狼級っぽいよね」
提督「お前は何でもかんでも狼に話を持っていこうとするんじゃねぇ!」
足柄「というか多摩は何で提督室に居るのかしら?何か二人して話していたようだけど」
多摩「提督が五十鈴のことどう思っているかっていう話をしてたニャ。でも、足柄が答えを言っちゃったニャ」
足柄「何?そんな話をしてたの?まあそりゃそうよ。だってそのために提督に本を貸したんだもの。てか早く本を返しなさいよ」
提督「ま、待ってくれ。あともう少しなんだ…」
足柄「何がもう少しよ。まだ恥ずかしさ抜け切れてないの?」
119 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/23(木) 01:00:11.58 ID:c/ENBIRp0
提督「……//」
足柄「はぁ、全く本当に天邪鬼ね。こんなんじゃ五十鈴があなた以外の人見つけてそっちに乗り換えちゃうんじゃない?」
提督「そ、それはないはずだ!あいつは終点まで俺といてくれるはずだ」
足柄「本当にそう言い切れるかしら?途中駅にあまりにも美味しそうなイケメンがいたとしたら?」
提督「大丈夫だ。五十鈴とイケメンが出会う前に俺がそのイケメンを食べてやる」
足柄「どういう意味よそれ…はぁ、そういえば提督、昨日の五十鈴との遊園地はどうなったのよ?随分とウキウキしていたけれど」
提督「そ、それなんだが俺あいつに告白されてな…」
足柄「そう、それで?」
120 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/23(木) 01:13:01.70 ID:c/ENBIRp0
提督「それでって随分とあっさりだな…」
足柄「当たり前よ。何て言ったって私があの子を指導…」
提督「指導?」
足柄「いえ、何でもないわ。それでどうなったの?」
提督「いや、いきなり好きなんて言われたもんだからな…頭の中パ二クっちゃって…その、断っちゃった」
足柄「は?」
多摩「ニャ?」
提督「いやだってよ。俺から告白するつもりだったし、向こうからくるなんて絶対ないと思ってたからなぁ。なんか訳分かんなくなっちゃってつい」
足柄「いや、パニクって断るってどういうことよ?バカなのあなた!」
提督「いやだってやっぱ告白は男がするものだろ?それに俺にはあいつに告白した後にケッコンカッコカリの指輪を渡すという素晴らしいサプライズも考えてたんだ!あのときあそこで返事をするわけにはいかなかったんだよ!」
121 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/23(木) 01:25:57.66 ID:c/ENBIRp0
足柄「どこに意地張ってるのよ!好きなら普通に返事しなさいよ!何で断るのよ!そんなことしたからにはあの子、相当傷ついているわよ!」
提督「そ、それは俺がなんとかフォローして…」
足柄「あのね、純情な女心を舐めないでほしいわ!全く五十鈴は何でこんな男を好きになったのかしら?」
提督「何だとこの行き遅れ女!」
足柄「誰が行き遅れ女よ!あなたこそアレがでかいだけで使い道がない鑑賞用男のくせに!」
提督「何だとぉ!」
足柄「やるの?いいわよ人間風情が私に敵うわけないけど」
提督「くそがああああ」
多摩「やれやれニャ」
122 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/23(木) 01:55:23.83 ID:c/ENBIRp0
〜数日後〜
大井「で、提督は本当は五十鈴のことが好きで、指輪も申請書も用意しているのにいきなり告白されたから誤って断っちゃったと」
多摩「そうニャ。その一部始終を多摩はこの目で見たニャ」
大井「そうですか。で、球磨姉さんたちは何をしていたのでしょう?」
木曾「いやその…」
球磨「球磨たちも頑張ったクマ。指輪の存在を見つけたし、申請書も見つけたし、多摩の口の中に指輪投げ込んだし」
木曾「いや最後のは完全なるミスだよな?俺たちのせいだよな?」
大井「まあこちらは頼んだ身です。今回は何も言いません。とにかくありがとうございました」
球磨「いやいや、何も褒められるようなことなんて何もしてないクマ。そんな言われたら照れちゃうクマ」
木曾「いや多分俺たちそんなに褒められてないと思うぞ?球磨姉さん」
123 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/23(木) 02:03:40.13 ID:c/ENBIRp0
大井「いえ、本当に感謝してますよ。それにあの後足柄さんが提督と五十鈴さんの仲を取り持ってくれたようですし。あの方にも一応感謝しなければなりませんね」
木曾「そういや、多摩姉さんの口の中に入った指輪は結局どうなったんだ?」
多摩「ああそれならちゃんとケツからだして提督に渡したニャ」
木曾「そ、そうか…」
球磨「五十鈴は今、多摩の身体の中を旅行してきた指輪を提督からもらったってことなのかクマ…」
大井「想像したくないですね…」
多摩「まあ仕方なかったニャ。それよりも大井、北上と阿武隈の方はどうなってるニャ?」
大井「それなんですがあの時の遊園地以来あまり交流がないみたいで…」
球磨「そうなのかクマ?」
大井「ええ、北上さんの方から阿武隈さんにアプローチはかけてはいるそうなのですがあまりいい反応は返ってこないみたいです…」
124 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/23(木) 02:14:24.60 ID:c/ENBIRp0
木曾「そうか。困ったことだな…」
大井「ええ、もしかするとこの前私があの子に言ったこと気にしているのかな…」
球磨「ん?何か言ったのかクマ?」
大井「いや、自分だけの幸せを見つけなさいって」
木曾「大井姉さんが言ったのかそれ?なんか笑えるな」
大井「どうしてよ?」
木曾「だって大井姉さん、自分だけの幸せのために生きてるって感じじゃないか?だから何ていうか妙に説得力があるっていうか。とにかく大井姉さんのキャラに似合わねえよ」
大井「私だってそういう話ぐらいするわよ…」
木曾「それにそんな問いをいきなり突きつけられたら誰だって気にするだろ。皆が皆、大井姉さんのように生きてるわけじゃないしな」
125 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/23(木) 02:33:36.92 ID:c/ENBIRp0
大井「まあそうだけど…」
木曾「まあ、ここは阿武隈自身に任せるしかないだろ。あいつがあいつなりに答えだして決めるしかねえ。それに、北上姉さんはいつまでも今みたいな中途半端な関係じゃ嫌だろうしな、この関係が続くくらいなら別れた方がいいと思うぜ」
大井「そんな…」
木曾「そんなって、大井姉さん阿武隈と北上姉さんが付き合うの滅茶苦茶反対してたじゃないか」
大井「だって北上さんが阿武隈さんの話をするときいつもとてもうれしそうな顔をするんですもの。あんな北上さんそうそう見ることなんてできないから…」
球磨「まあともかく球磨たちは申し訳ないけど阿武隈より北上の味方クマ。北上が阿武隈のことで悲しむくらいなら別れた方がいいクマ」
木曾「まあ、そういうこった」
多摩「ニャ」
大井「……」
126 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/23(木) 02:36:12.44 ID:c/ENBIRp0
すみません随分と長くなってしまいましたが今日は以上です。
127 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/23(木) 04:11:50.86 ID:c/ENBIRp0
眠れずに誤字確認してたら誤字発見したので訂正しときます
>>117
提督「鬼の目にも涙ならぬ狼の目にも涙ってか?知らねえよとりあえずシャワー浴びてこおえええええ」ビチャビチャ
多摩「うっ…うっ…おええ」ビチャビチャ
足柄「ぎゃあああああ」
〜数分後〜
足柄「はい、シャワー浴びてきたわよ」キラキラ
提督「おう悪いな。とてもじゃないがあのときのお前と話する気にはなれなかった」キラキラ
多摩「臭くて気持ち悪かったニャ」キラキラ
足柄「ええそうね。私もゲロまみれのあなたたちと話したくなんてないもの…」
提督「だから俺たちもシャワー浴びてきただろ?」
多摩「提督のアレ、でかかったニャ」
128 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/11/23(木) 08:11:25.15 ID:YD2bfYrUo
乙
吐いたときに指輪も出てきたのかと思ったけれど違ったか
129 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 02:31:31.54 ID:rJfop8Dc0
続き投下します。
>>128
あれは単に吐いただけという感じです。説明が少なくて勘違いされた方申し訳ありませんが、指輪はケツから出ました。
130 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 02:39:51.38 ID:rJfop8Dc0
〜長良・五十鈴・阿武隈の部屋〜
阿武隈「はぁぁぁ」
長良「随分と深いため息するね。どうしたの?」
五十鈴「何?悩み事?悩み事ならこの五十鈴が聞いてあげてもいいわよ?」キラキラ
阿武隈「いやあの…いろいろと…」
長良「いろいろ?そんなに悩みがあるの?」
五十鈴「私はてっきり北上のことだと思っていたけれど」
阿武隈「それもあるけど、それだけじゃない…」
五十鈴「それだけじゃない?何、あんたもしかして……北上以外に恋人ができたんじゃ…ダメよ二股は!」
長良「何?二股?阿武隈ビ○チだったの?」
131 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 02:46:44.46 ID:rJfop8Dc0
阿武隈「違う!そんなんじゃない!だからその…幸せって何だろうなって…」
長良・五十鈴「は?」
アハハハハハハハハ
阿武隈「わ、笑わないでよ!私、本気なんだから!」
五十鈴「いやぁおかしいおかしい。あんたがそんなこと考えているなんて」ウフフフ
長良「阿武隈らしくないよね」アハハハ
阿武隈「ね、ねぇ二人は自分だけの幸せってある?」
五十鈴「あるわ。私の幸せは提督よ。彼と一緒に沿い続けることが私の幸せよ」
長良「私の幸せはね、筋肉をつけること。筋トレが私の全てであり、私の幸せよ!」
132 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 02:54:49.99 ID:rJfop8Dc0
阿武隈「そ、そう。二人とも一応幸せはあるのね…」
五十鈴「阿武隈はないの?」
阿武隈「私は…」
長良「北上は?」
阿武隈「えっ?」
長良「北上といることは幸せじゃないの?」
五十鈴「そうよ。あなた今北上と付き合っているんでしょ。なら北上といる時間が幸せなんじゃないの?」
阿武隈「そ、それは…幸せなのかな?」
五十鈴「はぁ?何でそこで疑問形なのよ」
133 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 03:09:35.17 ID:rJfop8Dc0
阿武隈「だ、だって五十鈴ちゃんが提督にフラれたと思ったとき、北上さんのことよりも五十鈴ちゃんのことばかり考えていたし、それからは何だか北上さんのことあまり考えられなくなっちゃったし。私の北上さんの好きはその程度だったのかなって思って」
五十鈴「私のこと心配してくれたのは嬉しかったけれど、それよりもあなたは自分のことだけ考えていればいいのよ。色々とごちゃごちゃ考えすぎて、北上のことちゃんと見ていないだけなんじゃないの?」
阿武隈「そうだといいけど…」
長良「阿武隈は北上のこと好きなの?」
阿武隈「う、うん」
長良「本人の前でちゃんと好きって言った?」
阿武隈「言ったような言ってないような…」
長良「ならさ、ちゃんと好きって言うべきだよ。言葉にして伝えるだけでも相手への意識って変わることもあるだろうし。ほら足柄さんも言ってたじゃない。少し積極的になれってさ」
134 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 03:17:01.14 ID:rJfop8Dc0
阿武隈「……」
長良「とりあえずさ、次北上と会うのはいつ?」
阿武隈「明日の出撃…」
長良「出撃かぁ。ならそれが終わった後とかさ、チャンス見つけて言っちゃいなよ」
阿武隈「うう…恥ずかしい…」
五十鈴「はぁ、北上のこと遊園地まで誘っておいてそれはないでしょ。一応告白に返事をしたんだから責任もって北上のこと愛してやりなさい」
阿武隈「わ、分かってるよ。で、でも…」
五十鈴「でもはなし!」
阿武隈「うう……分かった」
長良「うん!お姉ちゃん応援してるからね!」
五十鈴「しっかりね」
阿武隈「はい…」
135 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 03:33:11.13 ID:rJfop8Dc0
〜翌日、出撃中の海域〜
北上「まあ、今回は敵さん、雑魚ばっかだから気楽にいこうねぇ〜」
伊58「あ号を達成するためとはいえ、何回もデコイで駆り出されるのは辛いでち…」
羽黒「提督さん、58さんだけにはえらく厳しいですよね…」
龍驤「まだ見てくれているだけマシや。うちなんか見てくれさえせーへん」
山城「はぁ、不幸だわ」
阿武隈「……」
北上「どうしたの阿武隈?具合悪い?」
阿武隈「え?いや、別に…」
北上「そう?ならいいけど、少しでも違和感感じたらすぐに報告お願いね」
阿武隈「う、うん」
136 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 03:48:38.29 ID:rJfop8Dc0
阿武隈(はぁ、長良ちゃんたちの手前、言うとは言ったけどやっぱり恥ずかしい。いざ北上さんが近くにいると言おうとしても言えないよこんなの…)
龍驤「おっと、敵さん発見やな」
山城「艦種は重巡、重巡、雷巡、軽巡、駆逐、駆逐ってこれも何回言ったことやら…不幸だわ」
北上「まあとりあえず皆戦闘態勢に入るよぉ。敵さん今回は空母いないみたいだから艦載機飛ばしていくらか戦力削った後に攻撃って感じかな。あっ58はデコイよろしく」
伊58「うっ結局デコイなんでちね…」
北上「さてと、各々いつも通りに敵さん掃討する感じでよろしく」
羽黒「相変わらずゆるいですね…」
北上「もちろん、雑魚だからって手は抜かないようにね。じゃあ龍驤お願い」
龍驤「あいよ!艦載機発進!」
137 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 03:59:06.56 ID:rJfop8Dc0
北上「どう?あっちの被害状況は?」
龍驤「駆逐一隻やなぁ…しょぼい結果やで」
北上「まあ、そういうときもあるでしょ」
伊58「雷巡、駆逐から一時の方向に魚雷が二発放たれたでち」
北上「あーオーケーオーケー。各艦は除け次第魚雷発射準備にとりかかっちゃって」
羽黒「はい!」
伊58「でち」
138 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 04:24:23.09 ID:rJfop8Dc0
北上「皆、準備はいい?じゃあ魚雷発射!」
バコーン
龍驤「重巡一隻撃沈、軽巡一隻大破や」
北上「オーケーオーケー。山城はそろそろオーケー?」
山城「ええ、いつでも」
北上「じゃあお願い」
山城「主砲、よく狙って撃てぇ!」
バコーン
北上「重巡一隻撃沈したね」
羽黒「残るは雷巡一隻、軽巡一隻、駆逐一隻ですね」
伊58「58の方で大破していた軽巡は落としたでち。でも駆逐にやられて今中破状態でち…」
北上「オーケーお疲れ。58はうまいこと駆逐と雷巡を三時の方向に誘引しながら撤退で。後は私らに任せて」
139 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 04:30:14.81 ID:rJfop8Dc0
伊58「分かったでち」
北上「さてと魚雷打てるものは皆いくよ。私が合図したら三時の方向に一斉に魚雷発射ね」
羽黒「はい!」
阿武隈「……」
北上「阿武隈?阿武隈?」
阿武隈「……」
北上「まずいな…聞こえちゃいない」
伊58「まずいでち!三時の方向に魚雷が三発放たれたでち」
北上「阿武隈!返事して阿武隈!」
140 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 04:41:25.96 ID:rJfop8Dc0
阿武隈(私の幸せ…北上さん…私の幸せ…北上さん…)
阿武隈「はっ、そうだ今は戦闘中…戦闘に集中しないと…」
阿武隈「あれ」
阿武隈(魚雷!?回避しなきゃ!いやもうダメ、間に合わない!当たる!)
バーン
阿武隈「……ハッわ、私!あれ?傷がない?」
北上「はは…そりゃよかった…」
阿武隈「あれ…北上さん?そ、その傷…まさか!」
北上「はは、ちょいとね…下手打っちゃった」
141 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 04:56:12.65 ID:rJfop8Dc0
阿武隈「下手って…私を庇ったんでしょ!?何でそんなこと!」
北上「いやぁ、私の声届いてなかったみたいだからこりゃヤバいと思ってさ。多分あのまま魚雷が当たってたら轟沈もあり得てたからね。それに…」
阿武隈「それに…?」
北上「私の恋人じゃん。放っておくわけないでしょ?」
阿武隈「!」
北上「あはは、最近めっきり交流が途絶えちゃったもんだからさ、いや分かってるよ。阿武隈が五十鈴のこと心配してたのは。まあ、私が阿武隈に惚れた原因もそこにあるわけだしね」
阿武隈「北上さん…」
北上「今までさ私、阿武隈にちょっかいばっかかけてたでしょ?あれさ、それぐらいしか阿武隈との糸口が見つけられなかった不器用な私なりのコミュニケーションだったんだよ。迷惑だったかもしれないけどね」
阿武隈「うん…ものすごく迷惑だった…」
142 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 05:11:36.84 ID:rJfop8Dc0
北上「ですよねー」
阿武隈「でも嫌じゃなかったの」
北上「えっマジ?」
阿武隈「私も最初北上さんのこと避けていたのはね、別に北上さんのことが嫌いとか、北上さんのちょっかいが嫌だったというわけ…いやちょっとそれもあるけど、本当は単に顔を合わせるのがだんだんと恥ずかしくなっていただけなの…」
北上「恥ずかしい?何で?」
阿武隈「分からない…意識してたのかも…」
北上「そうなんだ…じゃあ最近避けてたのも恥ずかしいとかあったの?」
阿武隈「そ、それはちょっと違うけど、五十鈴ちゃんの件があって本当に自分が北上さんのこと好きかどうか分からなくなっちゃったの。あのときは北上さんのことを考えようとすると五十鈴ちゃんに申し訳なくなっちゃって、もしかすると私は北上さんのこと好きではないかもしれないって自分にそう言い聞かせていただけかもしれない。それに大井さんに難題を問いかけられて余計に訳分かんなくなっちゃった」
北上「難題…?」
阿武隈「うん。自分だけの幸せって何って」
北上「へえ、大井っちがそんなこと聞いてきたんだ…」
143 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 05:19:44.14 ID:rJfop8Dc0
阿武隈「私、その時は答えられなかったんだけど、でも…今なら答えられそうな気がするの」
北上「そう。そりゃよかったねぇ」
阿武隈「うん。それでね今日、北上さんに伝えたいことあるんだけどいい?」
北上「ん?何?」
阿武隈「北上さん愛してる」
北上「私も」
チュッ
龍驤「おーおー随分とお熱いこって。たいそうなもんやな」
阿武隈「りゅ、龍驤さん!?」
龍驤「ここは戦場やで。ラブホやない。やるならうちらの見えないとこでやってくれへんか?」
阿武隈「ご、ごめんなさい…//」カァ
144 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 05:28:42.62 ID:rJfop8Dc0
北上「あれ?そういや敵は?」
龍驤「山城と羽黒が結局撃ち合いで撃沈させたわ。お前ら感謝しとき」
阿武隈「あ、ありがとうございます…」
北上「ありがとねぇ」
羽黒「いえ私は…阿武隈さんと北上さんがくっついてくれて何よりです。足柄姉さんもお二人のことは心配していましたから…」
北上「足柄が?なんで?」
羽黒「それは足柄姉さんがお二人をくっつかせるために阿武隈さんに指導…」
阿武隈「い、いや何でもないの!私たちが付き合ってるって結構有名になってたからそれを知って応援していてくれただけ!そ、そうですよね?羽黒さん!」
羽黒「え、えっと…はい」
北上「へぇ、そうなんだ」
145 :
◆Ln8mcOSk3o
[sage saga]:2017/11/26(日) 05:38:49.95 ID:rJfop8Dc0
山城「……」
阿武隈「や、山城さんもありがとうございます」
北上「ありがとさん」
山城「いいわね、あなたたちは好きな人がいて。私には…私の扶桑姉さまはまだ鎮守府に来ていないのよ?それなのに目の前でいちゃいちゃいちゃいちゃ…不幸だわ」
阿武隈「はは…」
龍驤「そんな山城に朗報や。明後日、この鎮守府に新たに扶桑が着任するらしい」
山城「…冗談でしょう?」
龍驤「いやホンマや。深海棲艦の脅威が無くなった海域の鎮守府に所属する扶桑がこっちに異動するんやと。提督が言うてたから間違いあらへん」
山城「嘘…扶桑姉さまが会えるの?あの扶桑姉さまに?……うふ」
山城「うふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ」
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