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【艦これ】提督「クソッタレな世界を」長門「生き残るために抗おう」【安価スレ】
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253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/06(水) 20:56:58.57 ID:GSMekr4P0
なんか気持ち悪い安価とる奴が常駐しだしたな
npcの反応まで事細かに指示しまくってら
254 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2017/12/06(水) 23:57:04.47 ID:Dint8LZe0
>>252
、
>>152
で書いてるけど、オリョクルは一度も実行してないんやで。それと、反応まで指定されるのはこちらとしてもつらたん…。
今回は、資材の搬入の部分だけ採用させていただきます…。
255 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2017/12/06(水) 23:58:00.18 ID:Dint8LZe0
書類を見て、一つ気になることがあったため、それを問う。
「執着心が損なわれている…ってどういうことなんだ?」
「んー…」
人差し指を唇に当てて、黙考する明石。数秒して、口を開いた。
「何というか、『死ぬのが怖くない!』って感じですかねぇ。一度経験したから、なのかもしれません」
飛び込みとかと同じ感覚なのだろうか、と提督は思う。
したことは一度も無いのだが。
しかし、良くない傾向だとも思う。
このままでは、自分の命を軽視した行動を取りがちになってしまいかねない。
「…だけど、死んだらそこで全てが終わるんだ。…しないでくれ。絶対に」
「分かってますよぉ。恐怖心が無くなったりしただけで、死にたいわけじゃないですし」
「…でも、恐怖心が無いのか危険なことだよ」
恐怖心が無いということは、どんなに危険なことでも、躊躇わずに実行出来るということだ。
死ぬ気がある無いとかは関係ない。そんな行動を起こせることが問題なのだ。
「…まぁ、恐怖心があるのは、自己防衛のためらしいですしね。無いと困ることもあるかもしれませんね」
「恐怖心があったが故に、人間は進歩してきた。それを失うのは、不味いことなんじゃないかな…」
死ぬのが怖いから医療が発展した。夜が、暗闇が怖いから、光源に関する技術が確立した。
――殺されるのが怖いから、敵を殺す武器が造られた。
「…提督の言うこと、私は良く理解出来ないですけど。だけど、心配してくれてるのなら、嬉しいですね」
「心配だよ…。もう二度と、喪いたくないから…」
前に進む意志は持っているが、それとこれとは別である。
大切な人を喪うことの辛さ。それを忘れてしまっては、人として終わってしまうだろう。
「…だから、そんなことが起きないように、俺が頑張らないといけない」
「それが、俺なりに考えたケジメでもあるんだ」
「…提督が望んだことなら、私は何も言いません。決断することは提督に、人間にしか出来ないことですからね」
それは、自分という存在が兵器でしかない、と暗に示しているようだった。
「…暗い話はやめです!やめや」
「ゴーヤ!戻りましたー!」
「なの!」
暗い雰囲気をぶち壊す潜水艦組、爆誕。
256 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2017/12/06(水) 23:58:39.91 ID:Dint8LZe0
「い、イクちゃんたちおかえり!どれくらい手に入った?」
一人一個ずつ抱えているドラム缶。心なしか、軽く見える。
「えーっと…。燃料は600、弾薬は100あるかないかくらいなのね」
「鋼材とボーキは?」
「ラバウルの廃倉庫内はもうダメでちね。廃棄された油田も、そろそろ枯れそうかなぁて…」
「むむむ…。やはり、他人が使った後の物だから期待は出来ないですね…」
カリカリと家計簿に記載していく明石。
資源の収支を家計簿に書く人なんて、彼女しかいないんじゃあるまいか。
「あー…。深海棲艦の人たちは、資源を自力で作ってるらしいけど…。貰ってこようか?」
「駄目です。その資源は彼女たちに使わせてください。自分たちの分は、自分たちで賄わなきゃ」
「深海棲艦の人たちにも申し訳ない…と、はっちゃんは思います」
「なんだかんだで頼ってばかりでしたから。これくらいは自力でどうにかしないと、彼女たちに悪いです」
そこまで言うのなら、こちらも黙るしかない。
最悪の場合は、こっそり頭を下げて融通してもらおう。
「そういえば、資源はどれくらいあるんだ?」
「んーと。大型建造をフルで五回分ですかねぇ。私たちの出撃分は、それぞれでどうにかしているので減らないですよ」
ざっと35000。それが我々の全資源。
相当上手くことが運んだ中規模作戦を突破出来るくらいだろうか。
どこかの提督が『資源は二万で充分なのよ』とか言っていたが、その程度で済むわけがない。
「…出撃するにしても、まだ警戒網はあるだろうから無理だしなぁ…」
「今は潜伏期間ですから。はっちゃんたち的には、そっちの時間の方が長いかもですね」
「まぁ、焦ってもいいことは無いしね。出来ることを進めていくしかないか」
鎮守府内でも出来ることは案外あるものだ。
無為に過ごすくらいなら、それをしていく方がいいだろう。
安価隊、発艦はじめッ!↓1 じゆーあんかちほー
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/07(木) 01:51:47.07 ID:xHPB0kGm0
ぽっぽちゃんと遊ぶ
258 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2017/12/07(木) 08:29:18.03 ID:IrPx8tpSO
ああああ!寝落ちしてたァァァァァ!すみません金曜日再開です(自害)
259 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2017/12/09(土) 01:31:54.88 ID:kFscebcc0
すみません…。嘔吐下痢症に罹りました…。インフルエンザも併発してるかも、だそうです…。
復帰するまでもうしばらくお待ちください…。申し訳ない…。
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/09(土) 02:00:01.06 ID:hU84hrbT0
了解
お大事に
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/09(土) 08:25:12.77 ID:hefyiBB20
了解
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/09(土) 08:47:07.63 ID:S5r93ns3O
>>1
がクソッタレになってしまった……
いや、ホントお大事に
ノロウイルスはマジ地獄
263 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2017/12/16(土) 19:22:12.89 ID:RgQUZHzvO
結局、インフルエンザにも感染してました。ようやく快復しましたので、明日から再開します。皆も体調には気をつけよう!
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/16(土) 21:08:16.95 ID:5VSXCobTO
ああ、やっぱそのコンボ食らったか……
冬場は併発や連続発症あるからお大事に。治ったと思って油断するのも危ないから気をつけて
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/17(日) 01:02:45.11 ID:xr6/O2AT0
了解
266 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2017/12/18(月) 02:35:54.84 ID:DRS0HH9X0
ごめんなさいー…。今日も本当に少ししか更新出来ないです…。書き溜めする暇がナッシング…。
267 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2017/12/18(月) 02:37:45.61 ID:DRS0HH9X0
外に出てまず思いついたのは、深海棲艦の人たちとの交流だ。
現時点では険悪とまではいわないが、どこか壁があるようにも提督は感じている。
あちらとしても、人間と関わるのは初めてだろうから仕方のないことなのだろうが。
それでも、好意的に見てくれている人もいる。
――その人たちと友好を深めておいた方が良さそうだ。
下卑た考えだな、と心の隅で自嘲しながら提督は思う。
そんな中、後ろから裾を引く感覚が。
「ん?」
振り向いても、そこには廊下が広がっているだけ。
「下見て。私はこっち」
「え?あ、ごめん…」
下を見ると、そこにはちょこんと立っている北方棲姫が。
「どうしたんだい?」
提督が問うと、北方棲姫は、
「提督と遊びたい」
とだけ返す。
「いいけど…。遊ぶっていっても、何をすればいいのかなぁ…」
ここ鎮守府は、娯楽があまりにも少ない。というか皆無だ。
浦風がトランプを持っているらしいが、生憎、提督は『大富豪』と『ババ抜き』くらいしか知らない。
二人で遊ぶゲームじゃないのは確定的に明らかだ。
「ん」
顎に手を当てて、思考する提督。そんな彼に、少女は両手を向ける。
「…?」
「アレ…レ級…?にもしてたの。お願い」
その言葉を聞き、北方棲姫が望んでいたことを理解する。
「…それくらいのことなら喜んでするよ」
「ありがと」
提督が背を向けると、北方棲姫は背中に飛び乗る。
予想はしていたが、軽い。非常に。
幼子と変わらない外見をしているから当然ではあるのだろうが。
それでも、軽いのだ。
彼女が、一人で壊滅的な被害を出すことさえあり得る、強力な存在であることを忘れてしまいそうになるほどに。
268 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2017/12/18(月) 02:38:55.32 ID:DRS0HH9X0
北方棲姫を背負い、鎮守府をしばらく巡り歩く。
鎮守府巡りを終えたところで、北方棲姫は口を開く。
「…私は、今まで遊んだことはなかった」
「守られることはあっても、遊ぶことは無いの。私たちは世界の防衛機構、それが形を、命を持っただけだから」
世界の防衛機構。海を守ることが、それを意味しているのだろう。
「…でも今日、提督と初めて遊んだ。遊びという経験をした」
「人間からすれば、大した遊びじゃないと思う。だけど、それは私にとって大きな意味があるの」
たしかに、普通の人にとっては、おんぶをして適当に歩くことなど、遊びとは言えないだろう。
それでも、彼女にとっては、初めてのことだった。
「ありがとう、提督。遊びは楽しいということを、私は知ることができた」
「楽しいという感情を、理解出来…た気が…する…」
そう言って、寝息を立てる北方棲姫。
肉体的には、子供と変わらないのだろう。
「楽しい…か。俺は何をして、楽しいと感じていたんだろう…」
北方棲姫の言葉を反芻し、提督は記憶を辿る。しかし、思い当たるものが全くない。
精々、読書程度のものだ。
内心虚しく思う提督の傍。の水壁から、港湾棲姫の顔が突然、飛び出して来た。
「…!?」
「ご、ごめんなさい。驚かすつもりじゃなかったの…」
ペコペコ頭を下げる港湾棲姫だが、すぐに顔を上げる。
「あの、その子を渡してくれる?そろそろ戻らないといけないから」
「あ、ああ。こちらこそすまなかった」
背負っていた北方棲姫を抱きかかえ、港湾棲姫に手渡す。
大事そうに抱えた港湾棲姫は、再度頭を下げて海へと消えた。
「…もう夜も更けたな。風呂くらいは済ませなきゃ」
提督は執務室から着替えを持ち出し、風呂へと向かった。
直下に、誰が風呂にいるかor乱入してくるかをオナシャス!センセンシャル!
※クッソ短いですが、今回はこれで終了にさせていただきます。次回は水曜日予定です。先週はホントすみませんでした(ドゲザー)。
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/18(月) 07:20:13.57 ID:iX1/5qjjO
金剛四姉妹
一人なら比叡で
270 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2017/12/21(木) 00:57:37.82 ID:NyCf5LGM0
お待たせしました。今から再開しやす。
271 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2017/12/21(木) 00:59:05.50 ID:NyCf5LGM0
「…よし、いないな」
脱衣所に入ってまず行ったことは、バスケットの確認。
前に行った時は、服は無かったのに南方棲戦姫がいた。
しかし、今は深夜。深海棲艦は皆、別の拠点――たまり場――に戻っている。
即ち、フリーということである。
ゆっくり戸をスライドさせるとそこには無人の風呂が。
誰もいないことに安堵し、提督はシャワーを浴びる。
全身を洗ってから湯船に浸かり、ため息を漏らす。
「ふぅ〜…。やっぱり風呂はいいなぁ。疲れが取れる」
だらんと脱力している提督は、だらしないとしか言いようがない。
今は一人だからそれでもいいのかもしれないが。
「…あれ?何か騒がしいな…」
何やら外から声が聞こえる。それも四人分。
「…いやいや、流石に入って来るようなことはしないだろう。性別とか考えたら…」
「失礼します」
――そう思っていた時期が私にもありました。
提督の考えを飛び越してくるのが艦娘である。南無三。
「…入浴中なんですけど」
「知ってますよ。でも、裸の付き合いとか言うじゃないですか。親交を深めようと思いまして」
「オレ、オトコ。キリシマタチ、ジョセイ。OK?」
「OK。あ、別に襲う気でも襲われる気でもありませんよ?司令のことを信頼してるから、こうしているんです」
こちらも、艦娘を襲う気になどなれない。
第一そんな対象として見ていないし、もし抵抗されたら瞬く間にミンチと化す。
百害あって一利なし、である。
「…でも、せめて前とかは隠そうよ…」
「き、霧島…。姉さまたちも…。提督が困っているみたいですし、一度出た方が…」
「駄目。司令とは、まだ一度も腹を割って話してませんから。司令の本音、比叡は聞きたいです」
「話すから…。とりあえず隠して…」
榛名以外、堂々と立っているものだから色々と見えかねない。
突然湯気が濃ゆくなったので、どうにか回避出来てはいるが、それがいつまでも続くとは限らない。
「まぁ、私たちもDelicacyがNothingでしたからネー…」
仕方ないといった感じでバスタオルを体に被せる金剛。
それを見た他の三人も、同じようにする。
目のやり場が無かったので、従ってくれてありがたかった提督であった。
直下、↓2に、何か話したいことがあったらお願いします。
272 :
◆k5OCMHkyEc
[sage]:2017/12/21(木) 01:42:42.82 ID:NyCf5LGM0
まだ安価が取られるまで当分かかりそうなので今回はこれで終了にします。申し訳ない…。
安価は下にずらします。次回予定は来週の火曜日となります。
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/21(木) 02:29:28.63 ID:ONzfPG5L0
治そうとは思っているがなかなか治らない自虐癖をなんとかできないだろうか相談
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/21(木) 08:49:44.25 ID:FkCObrUe0
時々このスレを見てるけどいつもではないからなあ
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/21(木) 11:39:50.84 ID:pUtSBjB70
俺は起きてたが他を見てた
276 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 01:51:04.90 ID:Iksk9ieKO
一月近く音沙汰無しで申し訳ありませんでした…。色々と立て込んでました。本日の昼から再開出来ます。本当に申し訳ありません。
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 02:42:12.84 ID:tsjVnd/o0
舞ってた
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 08:36:48.94 ID:Y4w0bYZv0
キター
279 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 17:17:03.93 ID:xiIR93I40
昼というか夕方だなこりゃ…。遅れてすみません。今から再開します。
280 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 17:18:12.39 ID:xiIR93I40
「本音…本音かぁ…」
比叡の言ったことを思い出し、思考する。だが、これといったことがない。
別に彼女たちに不満を持っているわけでも、何かを取り繕っているわけでもない。
提督としては、普段から本心を曝け出しているつもりである。
「別に拘る必要は無いですよ?こんな悩みがあるーとか言ってくれるだけでも、私は嬉しいですから」
「は、榛名も同意見です!」
「同じく。さあ、存分に吐き出してください」
そんなことを言いながら、ずいっと体を近づける三人。
「こんなに優しいSisterを持てて、私は嬉しいデース」とか言ってないで少しは抑えてほしい。
そんな提督の想いは届くことなく、金剛は比叡たちの後ろから眺めている。
妙にウズウズしているように見えるのは、気のせいだと思っている。
「悩み…。あっ」
何かに気付いたように、提督は口に手を当てる。
「何ですか?何ですか!?」
更に距離を狭める比叡。流石に近すぎる気がする。
「あーっと…。その…。前に中枢棲姫に色々と言われたんだ」
「それで、自虐しないように気を付けてるんだけど…。どうにも上手くいかなくて…」
言動には気を付けているが、体に染みついたそれは払拭出来ない。
――艦娘側の視点から何かアドバイスが貰えれば。
答えが分からない提督は、何にでも縋るつもりでいた。
「なるほど…。では、艦隊の頭脳たる霧島がチャチャッと解決いたしましょう」
胸を張り、自信満々といった感じで言い張る霧島。これなら期待できそうだ。
「まず司令。司令は自分のことをどう評価していますか?」
「大した取り柄のない凡人以下の存在」
「ダウト」
なんでさ。
281 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 17:19:20.66 ID:xiIR93I40
「いや…。自分のことを駄目な存在と思っていたら、そりゃ自虐するでしょう」
「まずはそこをどうにかしないと、ですね」
霧島が腕を組んで思考している間に、榛名が隣に寄って問う。
「あの…。提督はどうして、そんな風に思っているのですか?」
「あ、それは私も気になるなぁ。お姉さまもですよね?」
「Yes」
何でって言われても、と口に出して提督は黙考する。
数秒ほどしてから再度、口を開いた。
「…実際、俺は凡人以下だからね。皆の指揮をしていた時とか顕著だったよ」
「常人以上に努力を重ねたにもかかわらず、常人と同等の働きしか出来なかったんだから」
駄目でしかないよ、と提督は笑う。不変のことなんだからしょうがない、とでも言っているように。
「…本当に駄目な人が、艦隊を運営出来るわけないじゃないですか」
ジト目で提督を見やる比叡が零す。
「あの命令が下されるまで撤退こそすれ、轟沈はしなかったでしょ?」
「百人以上いた鎮守府を機能させながら、円滑に運営してたんですから充分凄いと思いますよ」
何度も倒れたけどね、と返す提督。比叡の表情がふて腐れたようになる。
「…解決策、ではありませんが、アドバイスはあります」
思考を終えた霧島は、提督の目の前に進む。
そして、ハキハキとした声で言い放つ。
「はっきり言っておきます。司令は自己評価が低すぎです」
「え?」
理解出来ない、とでも言わんばかりに首を傾げる提督。
「だって低すぎでしょう?あれだけ仕事をしておいて、役立たずとか笑えない冗談ですよ」
しかし、それでもそう思わせてしまう環境に提督がいたのではないか。
そう考えると、霧島の心にも痛みが生じた。
「…過去の人たちがそうだったとは断言出来ませんが、今のことなら言えます」
「司令が思っているほど、周りの評価が低いとは限りませんよ」
出来る限り優しい言葉で投げ掛ける。
――色々な娘の態度を見れば分かるはずなのに、しょうがない人。
――でも、そこで否定してしまうところが司令らしいわね。
そんな提督を哀しく思った霧島だった。
282 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 17:20:31.64 ID:xiIR93I40
まるで嵐のように過ぎ去っていった金剛型四姉妹。
入浴を終え、執務室へと戻る。その間に、小さな光が幾つか見え、消えていく。
「あの光は何だろうな。他の提督の艦娘か、あの娘たちか」
今は誰も出撃していないはずなので、おそらく敵だろう。
近づいてこないということは、気付かれていないと見ていいだろう。
情報だけを目的としているのなら、何も言えないが。
「…まあ、明日くらいには何か分かるだろう…。たぶん」
執務室へと入るが、誰かがいるわけでもなく。
手探りで自室の扉を開け、布団に倒れ込む。
「いいところ…か。うーん…」
出来る限り挙げてみようと思った提督だったが、何も出てこなかったので諦めて眠りに付いた。
第三日 終
283 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 17:21:48.04 ID:xiIR93I40
静寂が広がる鎮守府を、女性が駆ける。
給糧艦・間宮がとある通信を傍受し、それを伝えるために執務室に向かっている。
そして、その部屋主は起きたばかり。
勢いよく間宮が扉を開けると、ちょうど自室から出てきた提督が怯む。
「お、おはよう」
「おはようございます。今日のご飯はサンマのつみれ汁ですよ」
「それは楽しみだなぁ」
「…じゃなくて!報告があるんです!」
何を報告しに来たのか、と提督は問い、間宮は返答する。
「ラバウル、リンガ方面の基地に『深海棲艦の捜索を中止、通常業務へと戻れ』という指示が出たんです」
「これで、行動出来るようになったのか…」
捜索されなくなることの恩恵は大きい。
こちらの行動の幅が広がるので、他の提督と接触することも出来るだろう。
同じく、鎮守府を攻略することも。
「…数日間だけど、身を潜めていたんだ。こちらも打って出ないと、それはそれで問題だ」
ようやくまともな行動が出来るようになったことに、提督は喜びを感じた。
↓2 自由安価 止まるんじゃねえぞ…。
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 17:26:04.59 ID:JNERktNS0
潜水艦を建造しよう
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 18:52:54.23 ID:QdeKdggrO
秋月型や皐月文月を交えた深海対空訓練
286 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 19:53:16.36 ID:xiIR93I40
「海上で堂々と動けるなら…」
艦船名簿を取り出し、駆逐艦の部分を捲っていく。
「ひいふうみい…。よし、ちょうど六人か」
「ええと…。秋月型の娘たちと皐月ちゃん、それに文月ちゃん。対空に強い娘ばかりですね」
提督は頷く。
これからのことを考えれば、防御面の強化が最優先だと提督は考えた。
前は、海域で待ち構えている深海棲艦に対抗するので、同時に相手にするのは最大でも十二人だった。
しかし、今は攻められる側。不特定多数の艦娘を相手取る必要がある。
それはつまり、今まで以上に対空戦闘での練度が求められているのと同じだ。
だから、警戒が解かれている間に、対抗出来るようになっておきたい。
その時になって後悔しても遅いから。
「今から、海上で対空訓練をしようと思ってね。だから、朝御飯を食べる時間は無いかな…」
申し訳なさそうに提督は言うが、間宮は不満を隠さない。
「そんなだから、倒れるんですよ…」
「う…」
「…まあいいです。あとで訓練に参加する娘に、おにぎりと魔法瓶を持たせますから。ちゃんと食べてくださいね」
「…ありがとう」
間宮の優しさが五臓六腑に染み渡る。それ以上に申し訳ない気持ちでいっぱいだが。
「私が参加する娘に連絡しておきますから。提督は深海棲艦の娘たちの方をお願いします」
「ああ。本当にありがとう」
「いえいえ。提督たちも頑張ってくださいね」
静かに扉が閉められる。
静かになった執務室で、提督は顔を二回叩く。
――気を引き締めろ。二度と喪いたくないなら。
287 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 20:30:37.11 ID:xiIR93I40
「ふわぁ…。これが司令官の朝御飯?寂しくない?」
「仕方ないだろう。ただでさえ、補給が出来ないから節制しなければならないのに、僕たちの分の食事を作らないといけないのだから」
初月がきっぱりと、言い淀むことなく言い切る。
「でも、これからは補給艦を襲えるからね。豪華にはなるはずだよ」
「豪華な食事…。私は、今のままでもいいんだけど」
「あたしもいいかなぁ〜。ご飯はそんなに食べられないしぃ」
「…そろそろ提督が来るみたいですね」
涼月の言葉を聞き、艦娘たちは海中を見やる。
水中を漂う黒い影は、少しずつ大きくなる。
そして、それは正体を現した。
「ん…と。提督、もう大丈夫だよ」
「ありがとう、ヲ級。それに、レ級と空母棲姫も快諾してくれて助かったよ」
「いーよいーよ。僕だって暇だったし」
「…私も退屈だったしな」
ケラケラと笑いながらレ級が答え、空母棲姫がそれに同調する。
「あれ…三人だけ、ですか?」
深海棲艦をそれぞれ見て、照月は首を傾げる。
「確かに、積載数は圧倒的な方々ですが…」
「俺もそう思ったんだけど…。何か、とっておきがあるらしくて」
「そういうこと。ほらほら、早く始めようぜ」
レ級の言葉を聞いた艦娘たちが距離を取る。
豆粒程度の大きさになったところで、訓練開始という掛け声が無線で届けられた。
直下コンマ判定でございますです。〜30でE敗北、〜70でA勝利、〜00でS勝利となります。
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 20:32:27.76 ID:5liMujbVo
はい
289 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 20:59:35.82 ID:xiIR93I40
「…それで、とっておきってどういう…」
「こういうこと…だ!」
レ級が言うのと同時に、深海棲艦たちは指を噛み千切り、血を海に振り撒く。
赤く濁った海水が、徐々に黒に染まっていく。
「まっ、数時間もしたら消えるんだけど」
「…!?」
いつの間にかレ級はelite、ヲ級は改へと姿を変えていた。
「さあさあ、新たな僕たちの誕生だ…!」
そして、黒い海水が凝縮して、赤い光がこちらを向く。
海水は人へと形を変え、液体だった表面が、肌のように白くなる。
「………」
レ級、ヲ級、空母棲姫が新たに三人ずつ、目の前で誕生した。
しかし、それらは言葉を何も発さず、黙々と艦載機を射出する。
「さて…と…。贋作だけにやらせてないで、私たちもやろうか」
「ああ」
「りょーかい」
空を無数の艦載機が覆い尽くす。朝のはずなのに、夜のように真っ暗だ。
――もしかして、複数の同型艦と会敵していたのって、これが理由なのか?
目の前の光景を見て、一つの謎が解けた気がした提督だった。
290 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 21:30:15.60 ID:xiIR93I40
「わぁ〜。いっぱいだねぇ〜」
「滅茶苦茶だが…。まあ、僕たち秋月型が四人もいれば、問題ないだろう」
「ふぅ…。長10cm砲、目標左舷の艦載機!撃てぇ!」
凛々しい声で初月が叫び、それに呼応するように長10cm砲が火を噴く。
まるでカトンボのように墜ちていく艦載機だが、普段とは数が違う。
本来であれば、半分近くは墜としていたのだろうが、今回は一割にも達していない。
だが――。
「長10cm砲ちゃん!照月たちの力、提督に見せつけちゃお!」
「私たち秋月型は防空艦!墜とせなければ、存在理由が無くなります!弾幕を強化して!」
長10cm砲がありったけの弾を撃ち出す。
それは的確に、急降下する艦載機を穿っていく。
「秋月姉さん…凄い気迫…。私も負けてられませんね」
電探が感知する艦載機の数が減ってきている。それでも圧倒的で、空を埋め尽くすほどなのだが。
「…もしこれが実戦だったら、私はどうすべきか…。いえ、実戦も訓練も変わらない。私は防空艦。…ならば、役目を果たすのみ!」
「一機たりとも近づけさせるわけにはいきません!全主砲、撃て!」
涼月も姉、妹たちと同じように対空射撃を行う。
秋月型四人による対空射撃は航空戦力を根こそぎ削り取る。
「銃身が焼き付こうと構わない!僕たちは防空艦だ!艦載機を一機残らず墜とすだけ!」
「照月!涼月!私と初月が左舷を請け負います!二人は右舷を!」
「「了解!」」
そして、黒い空から光が差し込んできた。
291 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 21:45:08.87 ID:xiIR93I40
「わっとと。文月、大丈夫かい?」
「大丈夫だよ〜。皐月ちゃんこそ、気を付けてね」
「もちろんさ!」
背中合わせで機銃を連射する皐月と文月。
秋月型ほどではないがそれでも、数多の艦載機を海へと沈める。
「ボクたちだって、対空射撃は出来るんだよ!」
「第二次改装をしたからねぇ〜。あたしも頑張らないと」
射撃、射撃。更に射撃。
機銃の摩耗を無視して、ただひたすらに機銃を連射する。
「皐月ちゃん!」
「うん!」
不意打ちのように降下してきた艦載機は、文月向かって一直線に進む。
「しないよ。仲間を司令官を守るためにも、撃ち漏らしたりなんか絶対にね!」
皐月の機銃が放った銃弾は、艦載機を蜂の巣にし、爆ぜさせた。
訓練を開始して五分。
空を覆い尽くしていた艦載機は全て、海の藻屑となった。
「へっへーん。これが、睦月型の力だよ!」
「文月も、やる時はやるんだから〜」
仲良く腕を組み、ピースをする二人。
その笑顔は、太陽のように眩しかった。
※今回の訓練に参加した艦娘を艦隊に組み込んだ場合、航空戦での損害を減衰されるようになりました。
292 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 22:01:10.00 ID:xiIR93I40
「へぇ…。あの数を墜としたかぁ。凄いね、提督の艦娘は」
感心しているように零すレ級。その目は、真っ直ぐと艦娘たちに向けられている。
「…俺が凄いわけじゃない。あの娘たちの実力と努力が本物なだけ、だよ」
そう言って、提督はおにぎりを頬張る。具は焼き鮭だった。
「フフ…。いいなぁあの目。私は好きだ」
不敵に笑む空母棲姫。言葉から棘は感じられず、寧ろ晴れ晴れとしているように聞こえた。
「…うん。全力で私たちも当たって良かった。これで、あの娘たちは大丈夫」
魔法瓶のカップに汁物を注ぎながら、ヲ級は口を開く。
「ああ…。だけど、これだけじゃ足りない」
「他の娘たちも強化しないと…。かな?」
「だいたい合ってる。でも、それよりも先に褒めないと、だよね」
手渡された汁物を飲み干し、帰って来る艦娘たちを眺めていた。
――皆、訓練お疲れ様。
提督は順番に、艦娘たちを労っていく。
その間、後ろでヲ級はただ、その光景を優しく見守っていた。
死の果てに、安価は無い!↓1 自由安価!
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/21(日) 23:26:40.24 ID:ryvj4S0X0
偶には駆逐艦らと遊ぶ
294 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/21(日) 23:30:10.20 ID:xiIR93I40
遊ぶ場所を↓1で決定します。屋内(鎮守府)なのか、屋外(この場合はどこで遊ぶのかも記述)なのかもお願いします。
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 00:04:19.66 ID:Q8hmGLhSo
屋内
296 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/22(月) 00:16:21.85 ID:W6Fm4rYS0
遊ぶ駆逐艦を↓2までで募集します。
297 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 00:19:12.86 ID:6HBDdQWOo
うーちゃん
298 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 00:34:21.38 ID:T8nu+oAAO
じゃながなが
299 :
◆k5OCMHkyEc
[saga]:2018/01/22(月) 02:13:27.80 ID:n9PVPmd20
うぅ…。また寝落ちしかけてた…。すみませんがこれで終了です。次回予定は明後日くらいです。
遊ぶ中で行う予定だった安価を先に出しておきます。二人に聞きたいこと、提案したいこと、何でもOKで↓2までです。お疲れ様でした。
300 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/22(月) 02:18:52.85 ID:Pb60hogR0
気分転換に深海駆逐級との散歩
・・・という名前のジェットスキー
301 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/24(水) 12:06:02.15 ID:F5WN47av0
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