美術女子「美術部に入ろう!」

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2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 18:04:42.60 ID:Cey+GFWfO
美術女子「だから美術部に入って絵が描けるようになろうかなって」

友人「ええ…(困惑」

美術女子「あれ、なんか私変なこと言ったかな?」

友人「いや、アンタは全然変じゃないわよ。変なのはどちらかというと美術部というか…」ボソッ

美術女子「え?」

友人「ううん、なんでもない。まあ、アンタが頑張るって決めたら頑張ればいいよ」

美人女子「うん!」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 18:05:19.65 ID:Cey+GFWfO
そして放課後、美術女子は美術部を訪れた


ガラガラ


美術女子「あのー、入部したいんですけど」

部員たち「「「「ファ!?」」」」

美術女子「うわっ!」ビクッ

部長「えっと、マジでうちの部に入るつもりで?」

美術女子「ええ、そのつもりですけど……」

副部長「本当に? よかった、うちの部は人数も少ないし新しい子もなかなか来ないからさー」

美術女子「はあ…」

部員a「歓迎するよ!」

部員b「114514」

美術部「え、えっと……」

美術女子(なんかすごいグイグイ来るなこの人たち。美術部ってもっとこう大人しい感じの落ち着いた人たちかなって思ってたけど……)

美術女子「えっと……まだ完全に決めたわけでは。ただせっかくなので体験入部ということでお願いしたいんですが」

部長「ああ、別に僕らはそれで構わないけど」

副部長「じゃあ、とりあえず今週一週間のお試しってことでいいかな?」

美術女子「はい、お願いします」


こうして美術女子は、お試しで体験入部をした。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 18:05:49.20 ID:Cey+GFWfO
そして次の日、


美術女子「よし、今日から部活動に顔を出すし、頑張るぞー!」

ガラガラ

美術女子「こんにちわ」

部長「お、来たね美術女子ちゃん」

副部長「待ってたよ!」

美術女子「今日からお試しですけど、よろしくお願いします!」

部員a「ほらほら、早くこっち来なよ」

部員b「今大切な話をしてるんだ」

美術女子「大切な話? あ、ミーティングかな?」

部長「では改めて……今期の覇権アニメについて語り合おうか!」

部員たち「「「おぉぉーーーー!!」」」

美術女子「えっ……」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 18:06:44.38 ID:Cey+GFWfO
部長「おや、美術女子ちゃんどうかした?」

美術女子「あの……覇権アニメって?」

副部長「うん、だって私たちアニメのオタクだからさ。放課後こうして集まってアニメとか嫁のことを語るのさ」

美術女子「あの……絵は描かないんですか?」

部員a「うん、だって絵なんて描いてもつまんないじゃん」

美術女子「えっと、ここ美術部ですよね?」

部員b「あ、もしかして美術女子ちゃん真面目に絵とか描きたい人?w ここさ、多分美術女子ちゃんが思ってるような感じじゃないよ」

美術女子「え?」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 18:07:28.84 ID:Cey+GFWfO
部長「美術女子ちゃんはアニメとか観ないの?」

美術女子「え、アニメですか……あっ、ドラえもんとかコナンくんとか、あとジブリなら観たことありますよ」

部長「あ、あぁ……なるほどね……」

美術女子(………あれ?)

副部長「えっと、深夜にやってるようなアニメはどうかな?」

美術女子「深夜ですか? テスト勉強したり、あとは健康を害さないように寝ますけど」

副部長「ああ、そう……」

美術女子(えっと、なんか変な空気になってるけど)

部員a「そうだ! 今放送されてるアニメめっちゃ面白いよ! 絶対観た方が良いって! 観ないと損するよ! 本当マジ面白いから!!」グイグイ

部員b「そうそう! アニメ観ないんだったら今からでも遅くないよ! 観て俺たちの仲間になろうぜ! アニメは日本を代表するコンテンツなんだよ」グイグイ

美術女子「あははっ、えっと、気が向いたら……」

部員ab「「ああ、そう………」」


部員たち「……………」

美術女子「……………」


シーーーーーーン



美術女子(えっ、何この空気? 私が悪いの!? だって私アニメなんて誰もが知ってるような有名なのしか知らないし)アセアセ


部長「…………でさ、昨日見たアニメなんだけどさ」

ワイワイ……ガヤガヤ……


美術女子(あっ、部長さんの一声でまた賑わいが。でもなんだろう、私、輪に入れない……)
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 18:08:46.07 ID:Cey+GFWfO

次の日、


美術女子「____ってことがあったの」

友人「うわぁ、そりゃ気の毒だったね」

美術女子「うん」

友人「でも今週はとりあえず仮入部で、来週からどうするかは週末決めるんでしょ?」

美術女子「それなんだけど…」


カースト上位女子「あ、美術女子ちゃん?w」

美術女子「え、私に何か用?」

カースト上位女子「聞いたんだけど、美術女子ちゃんって美術部に入ったの?w」

美術女子「え、入ったというか、正確には仮入部してるって感じだけど」

カースト上位女子「あっ、美術女子ちゃんアニメとか観るんだwww」

美術女子「え?」

友人「あー、違うの違うの! この子、美術部の事情をよく知らないで入っちゃったんだよ」

カースト上位女子「そうなんだ……ごめん、またねww」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 18:09:17.55 ID:Cey+GFWfO
美術女子「なんだったんだろう。それと、美術部の事情って?」

友人「……実はね、アンタはこういうのに疎いから知らないと思ってたけど、この学校の美術部は全然美術部っぽい活動をしないでただアニメとか二次元のことを語るアニメオタクの集まりなの」

美術女子「えっ」

友人「放課後の時間をただアニメの話で盛り上がりたいアニメのオタクたちが集まるから、学校中でも評判が悪くてね。だからアンタが思ってるような真面目に綺麗な絵を描くような本格的な部ではないの」

美術女子「そうだったんだ」

友人「教えなくてごめんね。アンタが真剣に絵を描きたいって思ってたからさ、だから止めるに止めれなくて。でも実際はキモいオタクどもが時間を無駄に過ごすだけの陰気臭いところでね」

美術女子「そうか……だから部長さんたちはブサイクだったんだね」

友人「本当にごめん! もっと私がはやく止めておけば!」

美術女子「謝らなくていいよ……それに、私、もうあの部は辞めるって決めたの」

友人「えっ」

美術女子「個展で見た綺麗な風景画をいつか自分でも描けるようになりたいって思うけど、でも部活じゃなくて独学でもやれるかなって。あくまで趣味でやる程度だし、プロを目指すわけでもないし。それに、あんないい加減で部活をやらない人たちと一緒にいたり、無理矢理アニメオタクになるつもりはないよ」

友人「美術女子……」

美術女子「今日の放課後、辞めるっていってくるよ」

友人「そうか」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 18:10:35.53 ID:Cey+GFWfO
そして放課後、


美術女子「あの、お話があります」

部長「お、何かな?」

副部長「とうとう美術女子ちゃんもこっち側に目覚めた!?」

美術女子「ごめんなさい。1日しか経ってませんが、この部には入りません」

部長「………はぉ」

副部長「うわっ、めっちゃ萎えるんですけど」

美術女子「…………」

部員a「そうやってお前もアニメのオタクを馬鹿にするんだろ?」

部員b「そうだよ! 俺たちは見ての通りブサイクでオタクだから全然モテないしバカにされてたし、だからこうしてアニメ趣味同士でコミュニティを形成している! 君はそれを邪魔しようというのか!?」

美術女子「邪魔しようとかではありません。私がここを辞めるのはあなたたちアニメ趣味の人たちがただキモいからという理由だけではありません! 合わないからですよ」

部長「ふっ、そうやってすぐに合わないとか言う」

美術女子「違います! 私は真面目に絵が描きたいんですよ! この間駅前の個展で綺麗な風景画に憧れて、そのために絵を練習したくて。でもあなたたち部員は真面目に絵を描くどころか部活動らしいこともしない! それなら美術部でなくても放課後誰かの家に集まるか、あとは飲食店にでも行けばいいじゃないですか!」

副部長「へ、オタクが真面目に美術の活動なんてするかよww 」

部員a「そうそう! 俺たちに必要なのは嫁議論だ!」

部員b「そんなに絵が描きたいならチラシの裏にでも描いておけよ! 我々の限られたコミュニティを邪魔するな!」

美術女子「なんですって! あなたたちこそ学校の部活でわざわざ部室を使ってやることなじゃない! 人目を気にしないところで勝手に盛り上がっていればいいでしょう……このオタクども!」

部長「なんだと……言わせておけば、このぉ!!」

美術女子「キャァ!?」
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 18:11:11.66 ID:Cey+GFWfO
???「やめろぉぉーー!」


=〇⊃゛Д゜)
バコーーーーン

部長「バギャァア!?」


副部長「部長が殴られた?」

部員a「何かが顔に当たったぞ」

部員b「これは…卓球のピンポン球?」



???「お前たち、一人の女の子を複数でいじめるだなんて恥ずかしくはないのか!?」

美術女子「あなたは、同じクラスの卓球男子くん!?」

先生「こらお前たち、何をしてるんだ!?」

卓球男子「美術部のアニオタどもが寄ってたかって美術女子ちゃんをいじめてたんです!」

先生「なんだとーー!」



こうして、卓球男子の活躍で美術女子は難を逃れた。

後日、美術部員たちには自主退学の勧告がなされ、全員辞めていった。
当然、部員が一人もいない美術部は廃部となった。
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 18:11:48.84 ID:Cey+GFWfO
それからしばらくして……、


友人「大変だったね、アンタ」

美術女子「うん、あの時卓球男子くんが助けてくれたおかげだね」

卓球男子「あの、美術女子ちゃん」ソワソワ

美術女子「あ、卓球男子くんだ。私に何か?」

卓球男子「えっと、ちょっと話したいことがあるんだ!」

美術女子「え?」

友人(まさか……)
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/22(日) 18:12:43.07 ID:Cey+GFWfO
美術女子「それで、私に話って?」

卓球男子「えっと、その……実は前からずっと美術女子ちゃんが好きでした! 俺と付き合っくれませんか!?」

美術女子「あ、ごめんなさい無理です」キッパリ

卓球男子「えぇぇぇーーーーー!!」

美術女子「それじゃ」

卓球男子「待って! せめて理由だけでも!」

美術女子「……私、隣のクラスのサッカー男子くんが好きなの」

卓球男子「…………」



終わり
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