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【ミリマス】千早「メンドクサイフェアリー?」
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1 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 21:34:07.21 ID:XSG7c8ON0
・前日
コンコンコン
千早「失礼します」
P「ああ、千早、忙しいのにわざわざ来てもらって悪いな」
千早「いえ、プロデューサーに比べれば私なんて全然。……プロデューサーこそ、ちゃんと休養をとっていますか?」
P「うわ、ヤブヘビ」
千早「もう。いつも言っていますけれど、ちゃんとご自分の心配もしてくださいよ?」
P「はは、分かってるよ。ありがとな、千早」
千早「はぁ……本当に分かってますか? まぁ、今日のところはいいです。それで、お話があるとのことですけれど」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1508416446
2 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 21:37:35.58 ID:XSG7c8ON0
P「……うん、率直に言おう。千早をリーダーとした、新しいユニットを組みたいと考えている。メンバーは、千早、静香、志保、桃子、そして紬の五人だ」
千早「新しいユニット!? それに、私がリーダー、ですか?」
P「ああ。……今日、千早だけ呼んだのはわけがあってな」
千早「はい」
P「今回のメンバーについて、千早はどう思う?」
千早「そうですね……みんな、真面目で意識の高い子たちだと思います」
P「そうだな。その辺りはこっちも助かってるよ。何せ、うちには自由なアイドルが多くてなぁ」
千早「ふふ、そうですね。そこが765プロの良さでもあると思いますけれど」
P「うん、俺もそう思ってる。あー、それで、今回のメンバーなんだけど……」
3 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 21:41:06.26 ID:XSG7c8ON0
千早「……逆に意識が高すぎて、頑ななところもあるかもしれませんね」
P「流石、よく見てる」
千早「昔の誰かさんを見ているようで、私も気にはなっていたんです」
P「はは、そんな頃もあった……」
千早「ふふ、心にも無いことを。私をリーダーにっていうのは、そういうことなんでしょう?」
P「まぁ、な。……内緒にしてて欲しいんだけど、最近事務所内で、あの四人まとめて変な呼ばれ方してるみたいなんだ」
千早「変な呼ばれ方?」
P「……『メンドクサイフェアリー』」
千早「ぷっ!? メ、メンドクサイフェアリーって、ふふっ、な、なんですかそれ、あはは」
4 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 21:44:39.77 ID:XSG7c8ON0
P「そんなに笑うなよ、別に俺が名前つけたわけじゃないからな」
千早「だ、だって、めんどくさいって、分かりやす過ぎて、ふふ、くふふふっ」
P「いや、その、真面目な話な、今はまだいいんだよ。可愛い盛りの新人アイドルだ、みんな親しみを込めてそう呼んでくれている。実際、めんどくさ可愛い、って評判だし」
千早「いずれそうじゃなくなる、と?」
P「……このまま、頑なな部分が変わらなければ、そんな時が来るかもしれない」
千早「……それは、避けなければいけませんね」
P「ああ。四人とも千早のことは尊敬しているようだし、しばらく面倒を見てやって欲しいんだ。具体的に何をしろってわけじゃないんだけど、ほら、今の千早ならきっと力になってやれるだろ?」
千早「ええ。かつて、プロデューサーが私にそうしてくれたように、ですね」
5 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 21:49:29.15 ID:XSG7c8ON0
P「あー……うん、簡単に言うとそういうことになるのか。……自分の活動でも十分忙しいのに、悪いな、千早」
千早「ふふ、いいんです、プロデューサー。だって私、今、すごく嬉しいんですよ?」
P「嬉しい?」
千早「劇場のために私にも何かができる。それに、何より、プロデューサーが私を頼ってくれた。そのことが、嬉しいんです」
P「……そうか」
千早「ふふ、任せてください。メンドクサイフェアリーのリーダー、務めてみせます」
P「いや、メンドクサイフェアリーはやめてくれ……」
6 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 21:52:41.98 ID:XSG7c8ON0
・顔合わせ
千早「揃いました、プロデューサー」
静香「私たちにお話、ですか」
志保「まぁ、なんとなく想像はつきます」
桃子「でもちゃんとお兄ちゃんの口から説明してよね」
紬「…………私には分からないのですが、これは、私だけ除け者ということでしょうか……?」
P「違う違う。千早以外にはまだ話していないから、紬を仲間はずれにしたわけじゃないよ」
紬「それならよいのですが……千早さんには既にお話を……?」
P「ああ。その辺りも含めて、改めて五人への話なんだが、まぁ恐らく志保の想像通りだろう――」
P「――千早、静香、志保、桃子、紬、ここにいる五人で新しくユニットを組んでもらう。千早にはリーダーを務めてもらおうと思ってな、事前に少し話をしておいたんだよ」
7 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 21:55:19.20 ID:XSG7c8ON0
静香「この五人でユニット……それに千早さんがリーダー。うん、プロデューサーにしては悪くないチョイスなんじゃないですか」
千早(最上さんは何故かプロデューサーにだけ強く当たっちゃうのよね)
志保(相変わらずめんどくさいわね)
桃子(静香さんは相変わらずだね)
紬(最上さんはプロデューサーがお嫌いなのでしょうか……?)
8 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 21:56:02.33 ID:XSG7c8ON0
志保「まぁ、みんな真面目そうだし、リーダーが千早さんなら問題も起きそうにないですし、いいんじゃないですか」
千早(北沢さんも言い方で損をするタイプ)
静香(自分が問題を起こす側だという自覚は無いのね)
桃子(静香さんもそうだけど、なんでそういう言い方になっちゃうかな)
紬(あぅ、うち、あんまり北沢さんに歓迎されてないん……?)
9 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 21:58:15.43 ID:XSG7c8ON0
桃子「いいユニットだと思うけど、桃子に相談が無かったのは減点。お兄ちゃん、次はちゃんと桃子に相談するんだよ?」
千早(かわいい)
静香(……めんどくさいのは同じとして、志保にもこの可愛げがあればいいのに)
志保(……同じ種類のめんどくささなんだから、静香は桃子を見習えばいいのに)
紬(お兄ちゃん……以前から疑問やったけど、お二人はやっぱりご兄妹……?)
10 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:00:15.56 ID:XSG7c8ON0
紬「う、うち、やない、わ、私は、初めてのユニットで、その、及ばない部分も多いと思いますが、精一杯頑張りますので……って、なんなん、なんでみんなしてうちのことそんな目で見るん……?」
千早(かわいい)
静香(私たちで支えてあげなきゃ!)
志保(私たちで面倒見てあげないと駄目ね)
桃子(桃子たちが護ってあげないと、芸能界につぶされちゃう!)
11 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:02:41.97 ID:XSG7c8ON0
千早「リーダーとして至らない所もあると思うけれど、五人で力を合わせて、素敵なユニットを作り上げましょう」
静香「千早さん……はいっ!(なるほど、千早さんと私で癖のある三人をフォローする、ということね)」
志保「よろしくお願いします(千早さんと私で面倒な三人をどうにかしろ、ということかしら)」
桃子「桃子にお任せだよ(千早さんと桃子でちゃんと三人のこと見てあげないとね)」
紬「が、頑張りましょう(怖い人が多い? うち、ちゃんとやれるんかな……?)」
12 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:04:52.81 ID:XSG7c8ON0
・レッスン
千早「それじゃあ、今日からレッスンに励んでいくわけだけれど。みんな、特にここに力を入れたい、という考えはあるかしら」
静香「……私は、やっぱり歌を頑張りたいです」
志保「そうね。選ばれたメンバーから考えても、このユニットに期待されているのはそこだと思います」
桃子「桃子も賛成かな。桃子は歌もダンスもトークも得意だけど、みんなは歌がベースだよね」
紬「千早さんがリーダーということで、最初からそのような活動になると考えておりました」
静香「あの、私たちの意見は大体同じようですけど、わざわざ尋ねるということは、千早さんは違った考えなのでしょうか?」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/19(木) 22:05:11.34 ID:xuFI1laJo
つむつむはやはり最弱
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/19(木) 22:06:02.03 ID:bwjddv6/o
だがつむつむが一番マシに見える
15 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:09:07.67 ID:XSG7c8ON0
千早「いえ。私個人としても、メンバーを考慮しても、歌をメインとして勝負していきたいと考えているわ」
志保「まぁ、この五人なら自然とそうなりますね」
紬「……この程度のこと、認識できていなければ失格、ということでしょうか……?」
千早「いえ、その、ごめんなさい、勘違いさせてしまったかしら。単純に、レッスンを始める前に、一度みんなの声を聞いておきたかったの。それぞれの意見を大切にしたいと考えているから」
桃子「じゃあ、もし桃子が演技のできるユニットにしたい、って言ってたら?」
千早「活動にそういう要素を取り入れるのも面白いと思うわ」
紬(えっ? うち、歌と踊りだけでも精一杯やのに……)
桃子「……なるほどね。あ、今のは例え話だから、本気にしないで。桃子、今回は歌に集中するべきだって思うから」
紬(ほっ……)
千早「ええ、分かったわ。ありがとう、桃子」
桃子「べ、別にお礼を言われるようなことじゃないよ。桃子は、プロとして一番勝算の高い方法を選んでるだけなんだから」
16 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:15:55.53 ID:XSG7c8ON0
千早「例え話でも、意見を出してくれるのはありがたいことだわ。その、私は少しだけ先輩で、なかなかみんなが言いたいことも言いづらい、ということがあるかもしれないから」
千早「……それに、ほら、そもそも私は春香や高槻さんと違って近寄りにくい人間だし」
紬(……確かに)
静香「そ、そんなことないですよ!」
志保「流石にそれは卑屈になり過ぎでは?」
千早「ふふ、二人ともありがとう。まぁ、つまりね? 何か思ったことがあったら、遠慮せずに言って欲しい。そういうことなの」
桃子「ま、桃子は、最初から遠慮なんてするつもりはないけどね」
紬「わ、私も、疑問に思ったことがあれば……」
17 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:17:30.50 ID:XSG7c8ON0
千早「ありがとう。では、早速、今日のレッスンなのだけれど……」
静香「はい!」
志保「お願いします」
桃子「準備おっけーだよ」
紬「頑張りましょう」
千早「まずはダンスレッスン。頑張っていきましょう」
静香志保桃子紬(……え?)
18 :
◆0NR3cF8wDM
[sage saga]:2017/10/19(木) 22:19:52.17 ID:XSG7c8ON0
>>13-14
つむつむ可愛いよつむつむ
19 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:20:55.26 ID:XSG7c8ON0
・喫茶店にて
静香「ねぇ、志保」
志保「なに?」
静香「今日のレッスン、何だと思う?」
志保「歌……だといいわね」
静香「そうね」
志保「……今日も、ダンスなのかしら」
静香「きっと、今日こそは本格的な歌のレッスンを……」
志保「……」
20 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:23:29.95 ID:XSG7c8ON0
志保「……これで一週間。そろそろ簡単な声出し以上の、きちんとした歌のレッスンをしたいものね」
静香「……千早さん、どうしたのかしら。歌をメインに、ということで意思の統一はできていたはずなのに」
志保「苦手な分野のレッスンをする、というのは分かるわ。でも、さすがにそれだけというのは……」
静香「……それだけ、私たちのダンスがひどいということ?」
志保「この前のユニットの時と比べて、今のダンスがそんなに劣っているかしら?」
静香「……いえ、少なくとも、あの時よりも踊れている自信はあるわ」
志保「……私もよ。ダンス特化のユニットを目指しているわけではないのに、これ以上ダンスばかりレッスンしても……」
静香「……ここで愚痴っていてもしょうがないわ。千早さんのことだもの。信じてレッスンを積めば問題無いはずよ」
志保「……」
静香「あ、そろそろ時間ね。向かいましょう?」
志保「……ええ」
21 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:25:45.09 ID:XSG7c8ON0
・今日のレッスンは……
千早「それでは、今日もダンスを中心に取り組んで行きましょう」
桃子「おっけー」
紬「頑張ります」
静香「……」
志保「……」
桃子「静香さん? 志保さん?」
千早「二人とも、どうかしたの?」
志保「……どうかしたの、はこちらの言葉です」
静香「ちょ、ちょっと、志保!」
22 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:29:36.37 ID:XSG7c8ON0
志保「昨日で一週間。毎日毎日ダンスばかり。ダンスレッスンも必要だとは思いますが、いくらなんでも偏り過ぎです。そもそも、このユニットは歌で勝負していく、と初日に全員で確認したはずですが?」
千早「今のやり方に疑問がある、ということね?」
志保「疑問というよりは、不満です」
紬(こ、こわい……)
静香「志保! 千早さんにそんな言い方……」
千早「いいの、最上さん。……それで、最上さんは、どう思っているの?」
静香「わ、私は……」
志保「静香」
静香「……その、やっぱり、歌のレッスンを中心にやりたいです」
千早「最上さんも、今のやり方に疑問がある、ということかしら?」
静香「…………はい。千早さんのことは尊敬していますけど、ダンスばかりの今の状況は、私にはよく分かりません」
千早「なるほど」
23 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:33:21.46 ID:XSG7c8ON0
桃子「……千早さん、もういいんじゃない?」
千早「そうね」
静香「?」
志保「もういい? どういうことでしょうか」
桃子「……ねぇ、静香さん、志保さん、最初の日に千早さんが言ったこと、覚えてる?」
静香「最初の日?」
桃子「千早さんが、自分は春香さんややよいさんに比べて近寄りづらいからって」
志保「ええ、その話なら。千早さんは卑屈になり過ぎだって言った気がするわ」
桃子「じゃあ、その後のことは?」
静香「その後……」
志保「……何かあったかしら」
24 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:36:12.55 ID:XSG7c8ON0
・理由
桃子「ほら、忘れてる。もう、だからこんなに時間かかっちゃったんだよ?」
千早「……ごめんなさい、最上さん、北沢さん。きっと私の言い方が悪かったのだわ」
静香「……あの、私たちは一体何を?」
桃子「はい、紬さん、二人に教えてあげて」
紬「ふぇっ!? わ、私が、ですか……? どうして急に」
桃子「紬さんが最初に気付いたからだよ」
紬「き、気付いたというか、ただ疑問に思ったことを聞いただけで……」
桃子「それが大事なの」
志保「……話が見えないのですが。早く説明してください」
紬「ひぅ!?」
静香「ちょ、ちょっと志保、紬さんを威圧してもしょうがないでしょう?」
志保「べ、別に威圧なんて……」
25 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:39:09.76 ID:XSG7c8ON0
紬「そ、その、私は、初日がほとんどダンスレッスンだけで終わったので、千早さんに質問したんです」
静香「質問、ですか」
紬「はい。歌を中心に、ということでしたが、歌のレッスンはしなくて良いのですか? と」
志保「初日に? よく、千早さんに言い出せましたね」
紬「え……だって、千早さんが、『何か思ったことがあったら、遠慮せずに言って欲しい』と、おっしゃっていましたので」
静香「あ……」
志保「……なるほど」
桃子「そういうこと。千早さんは待ってたんだよ。納得してない顔の静香さんと志保さんが、そのことをちゃんと口に出すのを」
千早「……意地の悪いやり方だったと自分でも思うわ。ごめんなさい。でも、私相手だから意見が言えない、という状況は早めになくしておきたかったの」
桃子「二人は千早さんのことをすごく尊敬してるみたいだから。なかなか言い出せないって気持ちも、分かるけどね」
26 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:41:06.42 ID:XSG7c8ON0
志保「……そのために、一週間ずっとダンスレッスンを? だとすれば、今後のユニットのために必要なことだったとはいえ、いくらなんでも効率が悪すぎるのでは……」
千早「いえ。ダンスを徹底的に鍛えることにきちんと意味はあるの」
静香「そうなんですか?」
千早「ええ。これは元々、プロデューサーが私を指導してくれた時のことなのだけれど――」
27 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:44:42.66 ID:XSG7c8ON0
・メンドクサイ千早
……
……
千早『……あの、プロデューサー』
P『どうした?』
千早『このレッスン計画なのですけれど、特に前半、かなりダンスに偏っているように思います』
P『ふむ』
千早『確かに私は踊ることに慣れていません。ダンスのレッスンも必要なことだと思います』
P『うん、きちんと自己分析ができているな』
千早『茶化さないで下さい。でも、プロデューサーもそれを承知の上で、私の活動は歌を中心としたものとする、と約束してくれたはずです』
P『そうだな』
千早『だったら! ダンスレッスンは最低限にして、もっと歌のレッスンを増やすべきだと思うのですが。約束が違います。……私に、歌わせてくれるということだったのに』
28 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:47:21.46 ID:XSG7c8ON0
P『……そうか、不安にさせてしまったんだな』
千早『……別に、不安だなんて……』
P『ごめんな。でも、一度、俺の話を聞いて欲しい。納得できなければ、計画の見直しも考えるよ』
千早『このレッスン計画には意味がある……と?』
P『千早は歌に力を入れたい……言い換えれば、収録やステージ上では歌うことに集中したい。そうだよな?』
千早『はい』
P『でも、アイドルという活動にダンスという要素が必要なことも理解してくれている』
千早『……それは、まぁ』
P『だからこそ、【早めにダンスは仕上げておくべき】なんだよ』
29 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:50:51.32 ID:XSG7c8ON0
千早『早めに、仕上げておく?』
P『音楽を聴けば無意識に身体が動く。そこまで持って行ってしまえば……後は歌に集中するだけだろ?』
千早『あ……』
P『ダンスに心配が無い、気を向ける必要が無い。だから本番では意識のほとんどを歌に持って行くことができる。……もちろん、この場合、ダンスに関してはレッスン以上のものはなかなか発揮されないだろうな。レッスンのまま、身体の記憶に任せるわけだから』
千早『……』
P『でも、その分、確実に歌に集中できる。ファンの声援、ステージの熱、感じたもの、その時の全てを、そのまま歌にぶつけることが』
千早『……(ぞくっ)』
30 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:52:38.85 ID:XSG7c8ON0
P『どうだ、千早』
千早『……どうだ、とは?』
P『納得してくれたか?』
千早『…………聞かなければ、分かりませんか?』
P『千早の口からきちんと聞いておきたいんだ』
千早『くっ…………そうですね、プロデューサーのおっしゃることに、間違いはないと思います。私が短慮でした。すいません。……これで、満足ですか?』
P『い、いや、悪い。別に俺は千早に謝って欲しかったわけじゃなくて……その、ごめん』
千早『……いえ、その、私が子供みたいな反応で……すいません』
P『いや、俺もちょっと意地悪なところあったから。ごめんな』
千早『…………二人して謝って、プロデューサーは何も悪くないのに……ふふ』
P『お、千早、笑った?』
千早『わ、笑ってません!』
……
……
31 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 22:57:57.63 ID:XSG7c8ON0
・秘密
千早「……というわけで、私はまず初めに、ダンスから徹底的にレッスンするようになったの。本番で歌に集中できるというのは、やはり大きいわ」
静香「そんなことが……(昔の千早さんって、結構めんどくさい? 志保みたい)」
志保「なるほど、納得しました。すいません、私、勝手に勘違いしていたようで……(千早さん、今とはえらい違いね。静香みたい)」
千早「ふふ、いいの。プロデューサーもこんな感じだったのかな、って少し懐かしい気持ち」
桃子「……話はまとまった? じゃあ、今日もダンスレッスンを……」
静香「……そういえば、紬さんは初日に千早さんとお話をしたんですよね?」
紬「はい。その時に、私も今のお話を聞かせていただきました」
静香「桃子の方は、いつから?」
志保「……そういえばそうね。私たちよりも随分前から千早さんの意図に気付いていたようだけど」
32 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 23:00:22.64 ID:XSG7c8ON0
桃子「うっ……そ、そんなの、もちろん桃子は最初から気付いてたに決まってるでしょ?」
紬「え、ですが、確か桃子さん、千早さんに……」
桃子「ちょ、ちょっと紬さん! 言わなくていいの! 桃子のことは別にいいでしょ! 千早さんも、変なこと言っちゃダメだからね!」
紬「は、はい……(私たちだけの秘密、ということでしょうか。……ちょっと、嬉しい)」
千早「ふふ、分かってるわ(かわいい)」
静香(何があったのかしら)
志保(ちょっと気になるわね)
33 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 23:04:04.90 ID:XSG7c8ON0
・メンドクサイフェアリー?
千早「さて。みんなと話もできたことだし、改めて、今日からがんばっていきましょう」
静香「はい!」
志保「よろしくお願いします」
桃子「びしばし行くからね!」
紬「頑張りましょう」
千早「ふふ、メンドクサイフェアリー、本格始動ね」
静香「……え?」
千早「あっ」
志保「……めんどくさい、フェアリー?」
桃子「……桃子の聞き間違いだよね?」
紬「めんどくさい……どういうことでしょうか……?」
34 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 23:07:51.85 ID:XSG7c8ON0
千早「ち、違うの、これは私とプロデューサーが勝手に呼んでるだけで……」
静香「プロデューサーが?」
千早「あっ」
志保「ふーん、プロデューサーさんが……」
桃子「お仕置きだね、お兄ちゃん」
紬「……流石は鈍感で無神経なプロデューサーだと感心します」
35 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 23:10:10.31 ID:XSG7c8ON0
コンコンコン
P「おーい、調子はどうだー。差し入れ持って来たから、みんなで……」
千早「あ、プロデューサー、今は……」
静香「ちょっと、プロデューサー! 一体どういうことですか!?」
P「え?」
志保「メンドクサイフェアリー、だそうで。まぁ、そういう子がいるのは否定しませんが」
静香「ちょっと志保、誰のことを言ってるの?」
志保「へぇ、自覚はあるんだ」
静香「……めんどくさい筆頭が何を」
志保「は?」
静香「なによ?」
P「おいおい、二人とも、ほら、ちょっと落ち着いて」
静香志保「「誰のせいだと思ってるんですか」」
36 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 23:12:45.75 ID:XSG7c8ON0
桃子「お兄ちゃん、まさか、桃子のこともめんどくさいなんて思ってないよね?」
紬「あなたは、ご自分の無神経さを棚に上げて、まさか、私のことをめんどくさいなどと思っているのですか……?」
P「ま、まさか、はは」
桃子「桃子の目を見て言ってみて」
紬「言葉に誠意が感じられないのは、私の受け取り方の問題なのでしょうか……?」
桃子「だいたい、お兄ちゃんは……」
紬「そもそも、あなたという人は……」
P「ごめん。悪かったって、許してくれよ。おーい、ちょっと、千早、ヘルプ! 千早!」
37 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 23:15:11.20 ID:XSG7c8ON0
千早「くす、ふふ、くふふふっ」
静香「……千早さん?」
志保「どうしましたか?」
桃子「そんなに笑って、どうかしたの?」
紬「何かおかしかったでしょうか……?」
千早「ふふ、ごめんなさい。ただ、改めて思ったの。私たち、きっと、もっと仲良くなれるって」
38 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 23:17:09.53 ID:XSG7c8ON0
静香「それは……確かに、仲良くできたら嬉しいですけど」
志保「馴れ合うつもりはありませんが……最低限のコミュニケーションは必要だと理解しています」
桃子「紬さん、今のはね、私は口下手だけど仲良くしてください、っていう意味だから」
紬「なるほど……北沢さんの言葉は奥が深いのですね」
志保「ちょ、ちょっと、桃子、何を言って……」
静香「くす。そうそう、この子、口が悪くてめんどくさいだけで、根は真面目でいい子なんですよ」
志保「く、静香まで……めんどくさいっていうなら静香の方がよっぽど……」
静香「なんですって?」
桃子「はいはい。二人が仲良しなのは分かったから……」
静香志保「「仲良しじゃない!」」
紬「……なるほど、気が置けない関係、ということなのですね」
桃子「そうそう、この間も――」
39 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 23:21:06.65 ID:XSG7c8ON0
P「はは。何だかんだ、上手いことやって行けそうだな」
千早「ふふ、みんな、いい子たちばかりですから」
P「やっぱり千早にリーダーをお願いして良かったよ」
千早「私は特に何も……でも、そうですね。少しはあの子たちの気持ち、分かってあげられるかもしれない……とは思います。めんどくさい性格の仲間として、ふふ」
P「……そうか」
千早「あら、否定はしてくれないんですね」
P「まぁ、昔の千早を知ってるとなぁ……大変だった……」
千早「担当アイドルに対してその言い草。全く、プロデューサーはひどい人ですね、くすくす」
P「はは、あの時があればこそ、今こうして千早と笑っていられる。苦労は多かったけど、大切な時間だったんだと思うよ」
千早「そうですね。だから今度は、私が……」
40 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 23:24:10.89 ID:XSG7c8ON0
静香「ちょっとプロデューサー! こっちに来てください!」
志保「プロデューサーさん、先ほどのことですが……」
桃子「お兄ちゃん? まだ桃子の話は終わってないよ?」
紬「プロデューサー、何を自分は無関係だという顔をしているのですか……?」
41 :
◆0NR3cF8wDM
[saga]:2017/10/19(木) 23:26:54.74 ID:XSG7c8ON0
千早「ふふ、行きましょう、プロデューサー」
P「やれやれ。……フォローしてくれよ、千早?」
千早「――ええ、もちろん!」
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荒巻@中の人 ★
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