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男「亜人の奴隷を買う」ミーア「最後まで愛してください」」
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30 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/19(木) 22:38:54.03 ID:ZAgJTKhK0
エルフ「宝石が取り戻せればどうでもいい」
エルフ「と言いたいところだが罪には罰が必要なのは人間達も一緒だろう?」
男「エルフの法で裁くのか?」
エルフ「あぁ。村長に任せるさ」
男「そうか」
エルフ「それで、それがどうかしたのか? まさか人間の心配か?」
男「そういうわけではないが……」
エルフ「私たちエルフは人間のように野蛮でもなければ無情でもない」
エルフ「とにかく、見つけたら知らせてくれ。大声で呼んでくれればすぐいくさ」
エルフ「ほら、私たちは耳が大きいだろう?」ピコピコ
男(さて、どうするか)
>>31
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/19(木) 23:10:00.55 ID:n8f/qOHKo
了承してわかれる
32 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/19(木) 23:16:24.88 ID:ZAgJTKhK0
男「わかった。もし見つけたら叫べばいいんだな?」
エルフ「あぁ。助かるよ。えーっと、仮面の人」
男「男だ。亜人の城から来た」
エルフ「あぁ! いま噂のか! ふふんっ。エルフは閉鎖的とか田舎者とか言われるが、私は少々情報通なんだ。耳が大きいから情報が良く入る、なんてな」
エルフ「それでは!」シュビッ
白鞘「むー、つまらんぞい。盗人など、酒の肴にしてしまえばよかろう」
白鞘「そうじゃ! 逃げたから殺した! 宝石は取り戻したから安心しろ。これでよかろ?」ワクワク
男「良いわけがないだろ。それに時間がないとさっき話していただろ」
白鞘「それもそうか」
レイティ「はい! 俺たちにいい考えがあるぜ!!」
男「なんだ?」
レイティ「空から探せばいいと思うぜ!」バサァッ
男「それは名案だ」
レイティ「ふふんっ」
男「だが降ろしてくれ」
レイティ「大丈夫だよ。我が主様。これだけ手があるんだから、離さないよ」
男「う、し、信じるぞ?」
白鞘「達者でなー」クスクス
33 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/19(木) 23:24:12.47 ID:ZAgJTKhK0
男「実に見事に飛ぶもんだな」
レイティ「不揃いな僕達の翼だって、太陽に届くぐらい頑張ってみせるさ」
男「しかし、木々で良く人影が見えない」
レイティ「違うよ。見るのは人じゃなくて風の流れと草木の揺れ」
レイティ「急いでいるんならはっきりわかりますわ。わたくし、目ざといですもの」ギョロッ
男「その目ならしっかりと見えそうだ」
レイティ「―――見つけましたわ」ギュンッ
男「うぐっ」
レイティ「しっかりと抱きしめてますからご安心を!!」
ドンッ パラパラ
レイティ「着地成功。百点満点。じゃの!」
女「ひ、ひぃいっ。さ、さっきの! やっぱりおらを」
男「さて、逃げるだけ無駄とは思うが」
レイティ「それじゃあエルフさんを呼ぶよ。スゥ――」
女「み、見逃してくださいんっ! 何でもしますですからっ!」
女「どんなことでも―――っ!」
男(人間一人にできる事なんてたかが決まってる。こいつを見逃す理由はあるのか?)
男(エルフを助ける理由はいくらでもあるけど)
男「そうか、なんでもしてくれるのか」
女「そうだンっ! どんなことでもおらしてきたもン! 生きるためなら、どんなことだって」
男「
>>34
」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/19(木) 23:27:37.85 ID:mk1OLtxDo
なぜ盗みを働いた?
35 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/19(木) 23:33:36.74 ID:ZAgJTKhK0
女「生きるためだぁ」
女「お腹空いて、お腹空いて。餓死するくらいなら盗んででも生き残る」
女「おら。幸せになりたかっただっ。幸せになるために人殺しただ」
女「それに比べたら盗みだって、どんなことだってもうできるだンっ!」
女「幸せになりたいのはみんなそうっ。人から奪われたんだから、人から奪っていい―――神様だって許してくれるだっ」
女「不幸な人は幸せになるために頑張る権利はあるよンっ!」
男「………不幸せな人は、人を不幸にしていい、か」
レイティ「どうするんです? 我が主様」
男「もちろん」
許すor許さない
>>35
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/19(木) 23:37:07.02 ID:iS0PY6knO
羅生門かな?
安価下
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/19(木) 23:48:36.65 ID:MqlHuaEDO
許さない
38 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/19(木) 23:59:37.32 ID:ZAgJTKhK0
男「許すわけがないだろう」
女「ひっ」
男「幸せになろうと努力しているものを幸せにしたいと思うことはある」
男「だが、他人を蹴落としてまで幸せになろうとするものは―――」
男「エルフ!! 見つけたぞぉおお!!」
女「い、いや――」
レイティ「あらあら、逃げてはいけませんわよ」ガシガシガシッ
女「やっと、奴隷じゃなくなった―――のにっ」
39 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/20(金) 00:00:52.95 ID:SAyE118s0
今日はここまで。
おやすみなさい。
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/20(金) 00:01:44.33 ID:phkzfA+tO
乙
どうなるかな
41 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/20(金) 00:02:30.09 ID:SAyE118s0
メイド「なにか知りたいことや、質問があれば」
メイド「耳がすごぉーく大きい。わけではないですが」
メイド「いろいろと詳しい私が教えて、あ・げ・る」
メイド「うふ♪」
メイド「………………」
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/20(金) 00:29:51.18 ID:9ZbW2rbAO
メイドさんは男の一体ナニの大きさを知ってるんですかねぇ(ねっとり)
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/20(金) 03:36:12.16 ID:itvHytzE0
ハーレムエンドとか誰も選ばないハッピーエンドとかはあるのかねえ
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/20(金) 04:15:46.59 ID:CJ1vt46sO
乙ー
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/21(土) 21:11:33.37 ID:DKglkkuYo
レイティにまだ混ぜ込める?
46 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/22(日) 22:35:07.13 ID:Lhm0QuYy0
メイド「ご主人様のナニを知っているかですか?」
メイド「ナニの大きさですけど?」
メイド「ハーレムエンドは亜人達しだいですかね」
メイド「ハッピーエンドはありますが、今の状況だとほぼ無理です」
メイド「レイティアには混ぜ込めますが………可能か不可能かだと可能ですわ」
47 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/22(日) 22:51:57.76 ID:Lhm0QuYy0
エルフ「呼んだなっ 呼ばれたなっ」ズザーッ
エルフ「おぉ! もう見つけたのか」
女「離せっー!! 離せーぇっ!」
男「こいつでいいんだろ?」
エルフ「あぁ、確かに」
エルフ「さすがウワサの亜人達は違うな。実に素晴らしい」
男「それでは俺たちは急いでいるから」
エルフ「手伝ってくれて本当に助かった。このことは私たちの村で報告しよう。きっと我らエルフもあなた達に協力することだろう」
エルフ「なぜなら我らは誇り高き種族。同胞が受けた恩は全員の恩だからな」
エルフ「忘れないぞ仮面の亜人! さらばだーっ!」グイッ
女「やだーっ いやだーっ! 死にたくないンっ! なんであそこまでやって、こんなっ!」ズルズル
48 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/22(日) 22:54:35.15 ID:Lhm0QuYy0
白鞘「お、おったおった」
白鞘「お礼に腕の一本でも貰ったかの?」
男「いや、そのまま渡した。礼もいらない」
白鞘「なんじゃつまらん。酒くらいならよかろう」
レイティ「お酒………美味しいですかそれは」
白鞘「呑めば極楽、呑まなければ地獄よ」
レイティ「あわわ。我が主様! 私たちは一回も飲んでないのです! 私たちは地獄ですか!?」
男「そいつの言うことは聞くな。冗談だからな」
白鞘「かっかっか。嘘はつかぬが冗談は大好きじゃ!!」
49 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/22(日) 23:10:39.56 ID:Lhm0QuYy0
男「なぁ、白鞘童子」
白鞘「なんじゃ」
男「自分が幸せになるためには他人を蹴落としていいと思うか?」
白鞘「所詮弱肉強食の世界よ。それを考えてしまえばなにも食えんしなにもできん。好き勝手生きて、好きに幸せになれ」
白鞘「じゃが、その理屈を振りかざすからには自分が肉になっても文句は言えなかろ」
白鞘「結局奴は食べる側にまわろうとした。だがしかし上手く行かなかった。それだけよ」
男「俺は、難しく考えすぎなのかね」
白鞘「あぁ、所詮狗畜生でも生きれる世の中よ。容易ではないが難しいことでもない」
白鞘「さて行くかの。動かすのは頭じゃなくて足」
白鞘「想っていいのはミーアのことだけよ」
50 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/22(日) 23:17:06.24 ID:Lhm0QuYy0
〜4年目 第23週 二日目〜
男「ん? あれは」
レイティ「良い匂いがしますね」
白鞘「店か? 丁度いい。腹が減ったのよ」
男「だが、あれはどっちの店だ?」
白鞘「十中八九人間の店じゃろ。こんなところに亜人は店を構えん。好んで遠くを行き来するのは人間だけよ」
男「そうだな。人間なら入らないほうが」
レイティ「ごっはん〜 ごっはん〜 お腹いたくねーです!!」ドタドタ
男「………はぁ」
白鞘「ま、行くしかなかろ。どっちに転べど飯は食える」
51 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/22(日) 23:32:26.25 ID:Lhm0QuYy0
カランコロン
店主「いらっしゃい」
男「入れるか?」
レイティ「ちょっと狭いですわね」
店主「それはお前さんが大きいんだ。座れる椅子なんてないから適当に座りな」
白鞘「ほう、驚かぬのか?」
店主「亜人なんてどこでも見れるさ。純金でも背負ってきたら驚くが」
男「しかし人間の店だろう?」
店主「人間がやってる店だ。そして客は金を出すやつ」
店主「タバコ吸っていいか?」
白鞘「やめろ、けむい」
店主「で、注文は?」
男「なんでもいい」
レイティ「食べれるもの!」
白鞘「人間の太もも」
店主「あいよ。全員お任せだな」
52 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/22(日) 23:41:40.45 ID:Lhm0QuYy0
店主「お待ちどおさま」
レイティ「わたくし達、お腹ぺこぺこでしたの。いただきますわ」
店主「足りなきゃいいな。金があるなら作ってやんよ」
男「ところでよくこんなところに店を構えれるな。亜人も人間もいるだろう?」
店主「客が倍ってことだ。と言っても両方が両方を嫌ってるんだからこの通り閑古鳥の住処よ」
店主「噂じゃ、遠くの亜人が人間をのして、国を作ったとかな。溝は深くなるばかりよ」
男「だが、人間と亜人が共存してるとも聞くぞ?」
店主「人間と亜人で分けてる時点で共存なんてできてないんだよ」
店主「区別なく人と呼べる時代がいつか来るのかね」
男「人間にもそういう考えがあるんだな」
店主「言葉が通じて、俺の飯を食う。そんな奴らを憎む方がおかしいんだよ」
店主「タバコすっていいか?」
白鞘「けむいからやめいっ」
53 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/22(日) 23:51:26.53 ID:Lhm0QuYy0
ヒヒーン ギギィッ
店主「おい。お前ら」
白鞘「なんじゃ、タバコなら吸わせんぞ」
店主「その皿もって奥の部屋まで行け」
男「どうしたんだ?」
店主「いいから早く。上客が来るんだよ。しっしっ」
白鞘「儂は動かんぞ」
男「行くぞ白鞘童子」
レイティ「んしょっ、んしょっ」
白鞘「ちっ。酒でも出してもらうからの!」
店主「さっさ行け」
54 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/23(月) 00:07:35.76 ID:e8AMU9Nf0
男「どうやら人間の客みたいだな」
白鞘「偉そうなこと言ってもこれは差別ではないのか?」
男「住み分けだろう。慈善事業でやってるわけじゃないんだから」
レイティ「あの人間達、亜人の匂いと火薬の臭いがします」
男「亜人狩りか。あれだけやってもまだあるんだな」
白鞘「金にはなるからの。金は命よりも優先するのよ。いざって時まではな」
男「亜人狩りの集団なら、俺たちがいてはいけないな。にしても良く分かったものだ」
白鞘「ふんっ。あの程度一捻りじゃ!」
男「凶暴な亜人がいたら人間の方が来なくなるだろう」
白鞘「元からじゃろう」
レイティ「食べ終わってしまった………」クスン
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 00:09:54.02 ID:ciSJBLg9o
この火力最強パ一行の掛け合いおもしろくて好き
56 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/23(月) 00:16:34.72 ID:e8AMU9Nf0
男「終わるまで大人しくしておこう。それが一番だ」
男「レイティア。俺のも食べていいぞ」
レイティ「で、でも我が主様のに手を付けるわけには」
男「いらないのか?」
レイティ「い、いらないです」
白鞘「じゃあ儂が食う」
レイティ「あぁっ」
店主「おい、もういいぞ」
男「えらく早かったな」
店主「タダにしてやるからちょっと手伝え」
男「手伝えって、なにを」
店主「こいつら埋めるのだよ」
人間の死体「」
男「殺した、のか?」
店主「毒を盛れば一発よ」
男「待て、客だろう? 亜人の味方をしているわけではないんだろう?」
店主「俺の客を取るやつは客じゃねぇ。いいから手伝え」
白鞘「食ってもいいか?」
店主「毒だからやめとけ」
レイティ「お腹痛くなるの嫌です」
店主「腹痛って…、それどころじゃねぇだろ」
57 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/23(月) 00:23:31.77 ID:e8AMU9Nf0
男「7人か。どうするんだ?」
店主「金目のもの剥いで遠くに埋めとく。近くじゃ野獣が沸くからな」
店主「おい、そこのデカいのと、鬼っこ。力強そうだから運ぶのを手伝ってくれ。仮面はあいつらの馬車に人間がいるだろうから出してやりな」
男「あぁ。わかった」
白鞘「なんで儂が」
レイティ「どっちが多く持てて、速くつけるか勝負だぜ!」
白鞘「ああん!? 儂に決まってるじゃろうが!」
店主「それじゃ行くぞ」
男「あとは任せてくれ」
レイティ「俺たちがいっちばーんっ!」バサァッ
白鞘「ちょいっ! 飛ぶのは卑怯じゃろうが!! おいっ! おおいっ!!」ダダダ
店主「そっちじゃねぇ!!」
58 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/23(月) 00:27:14.10 ID:e8AMU9Nf0
今日はここまで
おやすみなさい
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 00:30:18.74 ID:kv8pFEjeO
乙
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 00:35:23.66 ID:/lB0P7ano
おつ
混ぜ込み可ね……
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 00:44:21.81 ID:R8Q+sf1DO
乙
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/23(月) 03:52:43.23 ID:ewA2jEmdo
乙ー
63 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 22:07:24.47 ID:lFV1OK720
ギャーギャーワイワイ
男「さて、あとは俺の仕事か」
男「よりによって俺とはな」ギィギィ
コンコン
「ひっ」
男「あー。安心してくれ。君たちを助けに来た」
ザワザワ
男「今鍵を開けるからゆっくりでてきてくれ」
ガチャ
バァンッ
男「うぎっ」ドサッ
兎亜人「きゃああっ」ピョンッ
犬亜人「罠かもしれないよっ」ピョンッ グニッ
男「ぐふっ」
鳥亜人「足枷が重いわ…」ドスンッ
男「ぐぴっ」
鱗亜人「うわっ、死体!?」ヒョコ
男「なんとか生きてる…」
64 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 22:12:50.71 ID:lFV1OK720
兎犬鳥「すみませんでした…」
男「捕まってたんだ。仕方ないさ」
鱗「助けてくださって本当にありがとうございます」
鱗「貴方がいなければ私たちは………」
男「いや、助けたのは俺じゃない。そこの家の主だ」
鱗「では改めてお礼をしないと」キュルル
鱗「あっ」
兎「私もお腹すいたな」
犬「くんくん、なにかいい匂いがする」
鳥「足枷外して…」
男「そこの家で休んで行ってくれ。食べ物もあるだろう」
男「拘束具の鍵もあるはずだ」
鱗「本当になにからなにまで」
65 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 22:17:10.68 ID:lFV1OK720
男(やっぱりスープやらは作り置きがあったか)
男「すまないが見ての通り足が悪い。手伝ってくれないか?」
鱗「あ、はい」
男「君はさっきまで捕まっていたのに冷静だな。しっかりしてる」
鱗「そんなことないですよ。本当は今でも怖くて」
犬「はい、外れたよ」
鳥「はぁ。やっと自由だわ。鳥なのに飛べないなんて不幸だもの…」
兎「飛べない鳥もいたような?」
鳥「飛ぶ豚だっているんだから飛べない鳥もいるわよ…」ハァ
66 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 22:20:43.24 ID:lFV1OK720
鱗「はい、皆座って」
兎「はい」
犬「はぁいっ」
鳥「スープだけなのね…」
男「材料があるから作れるが、俺は料理ができないからな」
鱗「よろしければ私が作りましょうか?」
男「いいのか?」
鱗「食べるの私たちですし、本当はこんな厚かましいお願い」
男「ここの主が助けると言ったんだ。気にすることはない」
鱗「それじゃあ、お言葉に甘えますね」
犬「うわぁいっ!」
67 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 22:34:25.09 ID:lFV1OK720
犬「僕たちはいつも仲良し4人組だったんだけど」
兎「だから捕まったんだよね」
鳥「網で一網打尽なんて。鳥なのに…」
犬「村から離れたらあれよあれよとあっという間にね」
兎「最近人間が減ったと思ったのに」
鳥「湧くのかしら…」
男「亜人の自警団がいるから危険とはいえ、それでも金になるからな」
男「捕まる数が減った分余計に」
犬「やっぱり気を付けないといけないんだねぇ」
兎「噂だと、亜人の国ができたって」
鳥「噂でしょ…どうせ」
男「そこから来たんだが」
犬「えっ 本当にあるの!?」
男「やはり噂だと思われているのか」
鳥「荒唐無稽だもの…。まるで夢物語だわ…」
兎「いいなぁ」
男「移住してきてもいいぞ」
兎「お母さん、お父さんがいるから」
男「全員引っ越してくればいい。数十人程度なら大丈夫だ」
男(お嬢が苦労するだろうけどな)
鳥「いい話には裏がある…」
男「人手が欲しいだけだ」
68 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 22:41:48.10 ID:lFV1OK720
店主「やっぱ鬼ってのはすげぇな」ガチャ
犬「!」
兎「きゃああっ!」
鳥「人間…っ」
鱗「どうしたの皆っ」
店主「おっと、落ちつ―――」
鱗「こ、こないでっ!!」チャキッ
男「おいっ。包丁なんて」
鱗「ににに、人間から、守らなきゃ」
鱗「みんなをっ」ダダダッ
店主「あぶ――っ」ザシュッ
店主「んぐっ」
男「店主っ!」
レイティ「わっ! なにごと!?」ガシガシガシッ
鱗「んきゃあっ!」
兎犬鳥「鱗ちゃんっ!!」
店主「いってぇ…」
レイティ「あらあら。もしかして貴方悪い子?」
鱗「きゃああっ!」
犬「な、なにあれっ、こわいぃっ!」
レイティ「え、ひどい」
白鞘「………これはなんというか。楽しそうじゃな」
男「全員落ち着け!!」
69 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 22:49:32.07 ID:lFV1OK720
鱗「ご、ごめんなさい。私ったら恩人になんてことを」オロオロ
店主「肉しか切れてないから大丈夫、と言いたいがいてぇな…」
鱗「ど、どうしましょう」オロオロ
レイティ「出血は収まったけど、しばらく運動はダメね」
白鞘(血の臭い)キュルルルル
兎「驚いた私が悪いんです」
犬「止めれなかった僕だって悪いよ」
鳥「えっと、私も悪い…?」
店主「しかたねぇさ。人間につかまったんだ。人間を怖がるのは仕方ない」
鱗「私、代わりになんでもします!」
店主「してもらうことなんてねぇよ」
鱗「でもっ」
店主「じゃあ夕飯の支度を手伝ってくれ。これでいいだろ?」
兎「私も手伝います」
犬「僕もっ」
鳥「頑張って」
犬「鳥もするの!!」
鳥「えぇ…」
70 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 22:53:44.54 ID:lFV1OK720
男「しかしお人よしだな。横っ腹斬られたってのに」
店主「どこもダメになってないし、命も無事」
店主「怒る理由はねぇな」
店主「さて、一服」
レイティ「傷に悪いのでタバコはダメです」ヒョイ
店主「くそうっ。ちくしょうっ」ドンッ
鱗「ご、ごめんなさいっ!」
男「怒る理由ができたな」
71 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 23:06:36.67 ID:lFV1OK720
鱗「どうぞ。お口に合うかわかりませんが」
犬「鱗ちゃんは僕たちの中で一番料理が上手だからね」
鳥「私たちができないだけよ…」
兎「お菓子なら作れます、よ?」
店主「まぁ、これなら大したもんだろ」
レイティ「お腹が空いて痛いよぉ」
白鞘「酒はないのかの?」
レイティ「食べていい? 食べて良い?」
店主「お前らも夜まで引きとめてしまったすまなかったな。何か用事があったんだろ?」
男「大切な仲間を助けに王都へ忍び込むだけだ」
店主「んげふっ。げほっ、げほっ。お前、マジか?」
男「嘘をつく必要はないだろう」
鱗「でも、危ないですよ。人間がいっぱいいて」
男「承知のうえだ」
店主「まぁ…。お前たちのことだ止めはしないが」
店主「よし。そのためにも今日はしっかり食べてくれ」
白鞘「酒はあるのかの?」
店主「はいはい。酒は」
鱗「私がとってきます!」
店主「そうか? じゃあ頼む」
鱗「はい!」
72 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 23:11:59.37 ID:lFV1OK720
白鞘「ぷはぁっ! もう一本!!」
店主「もうねぇわ」
白鞘「ちっ」
レイティ「もぐもぐもぐもぐ」
犬「うわぁ、凄い食べるなぁ」
兎「すごい、ね」
鳥「大迫力だわ…」
レイティ「あなた達もいかがかしら」クルッ
犬「っ!」
兎「ひっ」
鳥「どうも…」モグモグ
レイティ「やっぱり私たちは怖いかしら?」
犬「そ、そんなことないですよ」
レイティ「反応でわかるわよ。私たちは歪だものね」
兎「あの、私たち、って?」
レイティ「私たちは一人じゃないの。皆集まって私たち」
レイティ「命の集合体。それがレイティアだよ」
兎「そ、そうなんですか?」
レイティ「いいの。私たちはこの姿気に入ってるんだから」
レイティ「我が主様が愛してくれるから」ポッ
兎「素敵、ですね」
犬「いいなぁ。あこがれちゃうなぁ」
レイティ「お前も俺たちになる?」
犬「あこがれてるのそっちじゃないよっ!」
鳥「というか、取り込めるのね…」
73 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 23:15:40.11 ID:lFV1OK720
犬「ふいー。お腹いっぱい」
白鞘「ぐがー。ぐがー」
レイティ「すぴよぴよ」
兎「お腹いっぱいになったら寝ちゃい、ました」クスッ
男「これはともかくレイティアは子供だからな」
犬「え!?」
男「いろいろあるんだ」
店主「おい。布団引いたから向こうの部屋で寝ろ」
男「起きろ二人とも」
レイティ「我が主様〜」ギュッ
ベキバキッ
男「腰がっ!」
犬「あわわ」
鳥「私寝るから…」
74 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/10/30(月) 23:16:07.37 ID:lFV1OK720
今日はここまでで
おやすみなさい
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/30(月) 23:16:50.35 ID:jLK97zu5O
乙乙
騒々しいなww
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 00:22:06.25 ID:9P6ZqjVyO
おつおつ
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/31(火) 19:17:00.46 ID:cNfaUxKPO
乙ー
78 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/01(水) 21:50:58.74 ID:hmJ7w85O0
〜4年目 第23週 三日目〜
店主「おい、起きろ。起きろ」ペチペチ
男「んぐぁ?」
店主「支度できてるぜ」
男「準備………なにをだ?」ボーッ
店主「王都に行くんだろ?」
男「あぁ、確かに俺たちは………」
男「支度?」
店主「一晩考えて思ったんだが。俺も行くわ」
男「は?」
店主「お前ら、どうやって中に入る気だったんだよ」
男「………その場で考える」
店主「おいおいおい。いくら鬼と嬢ちゃんがいても無理なもんは無理だ」
男「何か策はあるのか?」
店主「あるから支度してんだろうよ。策ってほどでもねぇが、昨日の奴らの荷物がそのままあるんだからよ」
店主「奴隷狩りを装えば簡単に入れるだろ」
79 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/01(水) 22:04:53.86 ID:hmJ7w85O0
白鞘「で、我らは捕まった奴隷として潜入すると」
男「あぁ。それが一番確実だろう」
白鞘「断る! たとえ演技だとしても捕まるフリなぞできるか」
店主「だろうな。元から期待しちゃいねぇよ。そもそも鬼が捕まることがありえないからな」
白鞘「じゃろう。我らは捕まるぐらいなら舌を噛んで死ぬわ」
店主「そっちの嬢ちゃんも無理だ。その場で騒ぎになる」
レイティ「むぅ。我が主様と寄り添えぬというのか」
店主「ってことで、兄ちゃんだけになるが」
男「二人はそうだな。飛んでもらうか」
白鞘「は!?」
レイティ「了解いたしましたわ。我が主様」
白鞘「待て待て待て。儂は嫌じゃぞそんなの」
レイティ「白鞘童子さん。白鞘童子さん」
白鞘「なんぞ」
ムギュッ
レイティ「白鞘童子さん、きみはどこに落ちたい?」
白鞘「落とすなぁ!!」
80 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/01(水) 22:10:37.76 ID:hmJ7w85O0
店主「ってことだから、留守番任せていいか?」
犬兎「」ポカーン
鳥「ねむ…」カックンカックン
犬「本当に忍び込むの!?」
兎「し、しし、死んじゃいます、よ!」
店主「死ぬかもなぁ」
兎「死ぬかも、って……」
鱗「あ、あのぉ!」
店主「どうした?」
鱗「捕まった亜人が一人だけだと変だと思います! だ、だから!!」
鱗「わたしも一緒にいっていいでしょうかっ!」
81 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/01(水) 22:33:18.42 ID:hmJ7w85O0
店主「………怪我させたからって別に気に病む必要はない」
鱗「違うんです。私たちは偶然助かったからよかったけど、連れていかれた子は………」
鱗「だから助けたいんですっ」
男「危ないことには巻き込めない」
犬「そうだよ! 危なすぎるよっ。帰ろうよっ」
鱗「だ、大丈夫です」
店主「大丈夫じゃねぇだろう」
白鞘「連れて行ってやれ」
男「だが」
白鞘「好きなように生きる代償を払う覚悟ができているなら止める理由はなかろう」
白鞘「我らと一緒に死ねるか?」
鱗「死ぬのは怖くて嫌ですけど、でも、諦めないって決めたんです」
鱗「犬ちゃん、兎ちゃん、鳥ちゃんだけじゃなくって、他の皆を助けれるチャンスですからっ」
兎「鱗ちゃん………でも、私、鱗ちゃんがいないと…」
鳥「行ってらっしゃい…」
兎「鳥ちゃん!?」
鳥「応援するよ…。友達だからね…」
鳥「でも死んだら泣くから…」
犬「………鱗ちゃんが決めたことだから。ごめん、僕もついていくって言えなくて」
鱗「私のわがままだから。みんなを巻き込みたくないの」
白鞘「話はついたか?」
鱗「不束者ですが、どうぞよろしくお願いいたします」ペコッ
82 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/01(水) 22:52:49.16 ID:hmJ7w85O0
店主「じゃあ留守番よろしくなー」
鱗「皆、頑張ってね」
男「そうか。車椅子は無理なのか…」
レイティ「奴隷役ですから。では白鞘童子様。参りましょうか」
白鞘「えぇいっ、掴むなぁっ! まだ遠いじゃろ!?」
レイティ「上昇中が一番目立ちますから」
白鞘「ぬぐぐ」
店主「それじゃ。馬車だすぞ」
兎「絶対無事で帰って、きてくださいねっ」フリフリ
犬「頑張ってねーっ!」フリフリ
鳥「頑張るのは私たちかも…」
犬「え?」
鳥「私たちだれも料理作れないわよ…」
犬兎「あ」
83 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/01(水) 22:53:15.01 ID:hmJ7w85O0
今日はここまで。
おやすみなさい。
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 22:55:13.01 ID:GXUZU92xO
おつん
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 23:32:39.74 ID:9kMXXxa1o
おつおつの
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/05(日) 04:48:47.27 ID:oJFCTLWQo
乙ー
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/20(月) 22:40:01.54 ID:MIj3wIw0O
ほ
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/24(金) 01:51:54.39 ID:yqIgqwy/0
おつおつ
89 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/26(日) 22:49:10.23 ID:DEKf6dqZ0
〜4年目 第24週 四日目〜
店主「で、俺が奴隷狩り。お前らが奴隷ってことでいいんだな?」
男「あぁ」
鱗「は、はいっ」ガクブル
店主「それで、お前らは正気なのか?」
白鞘「修羅に正気も狂気もあるまいよ」
レイティ「我が主様が言うなら異はありません」
店主「はぁ。引き返す気はねぇが、気が重いな」
男「世話をかける」
店主「んじゃ、とりあえず娼婦街まで行くか」
白鞘「よし、儂等は飛ぶかの」
レイティ「本当ならば我が主様しか私たちには乗せたくないのだけれど」バサァッ
レイティ「口は閉じてなさい。ベロがなくなっても知らないわよ?」ギュンッ
白鞘「んぎゃっ」
店主「なんつー速度だ」
店主「さて、あいつらが暴れる前に中にはいらねぇとな」
90 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/26(日) 23:21:24.29 ID:DEKf6dqZ0
ガタガタガタガタ
ガタンッ
鱗「ひうっ」
男「大丈夫か?」
鱗「は、はい。大丈夫です」
男「想ったより簡単に入れたな。もう少しかかると思ったが」
鱗「外から、中ですし。奴隷だからだと思います。それに強そうには見えないですからね私たち」
鱗「あ、ところで車椅子ないのに大丈夫なんですか?」
男「あぁ。大丈夫だ」
男(ミーアを守るためなら、俺は頑張れる)
男(その力は―――ある)
ドクンッ
男「んぐぁっ!」ガクンッ
鱗「ふぃっ!?」
ズキズキズキズキズキ
男(いくつもの針を血管に流されるような痛み。慣れない。慣れる事はない)グルンッ
鱗「ぴぃっ!」
男「はぁ、はぁ、はぁ」
男(だけど、それだけで済むなら軽いものだ)
鱗「な、なにが起きてるんですかそれ。触手? いや、スライムみたいな」
男「足、だ」グググッ
男「立つのは久しぶりだな」グイッ
カチャカチャ カチャンッ
男「さて、行ってくるか」
91 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/26(日) 23:38:47.58 ID:DEKf6dqZ0
店主「ついたぞ」コンコン
男「もう少し路地裏に隠してくれ。共犯だとばれたくないだろう?」
鱗「あの、娼婦街って言っても人間ばっかりですし、目立ちませんか?」
男「あぁ、目立つだろうな」
男「だが大丈夫だ。だからこそあいつらが」
ドォンッ
白鞘「木偶共!! 儂等が戦よ!!!!」ズババッ
レイティ「逃げろ逃げ回れ!! 死にたくなければなぁっ!!!!」ガリガリガリ
鱗「うわああっ!?」
男「結構距離あるのに、声が届くな。現地だとどれだけうるさいことか」
店主「奴隷街が大騒ぎだなありゃ。しかし二人であそこまで乱痴気騒ぎ起こせるとは、やっぱり鬼共は常識外の強さなんだな」
男「鬼が、じゃない白鞘童子とレイティアがだ」
男「ここまで騒ぎが大きくなれば俺みたいなのが歩いてても問題ないだろう。それに仮面を外せば」カチャ
鱗「ひぃっ」
男「ただの変人だ」
92 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/26(日) 23:47:11.39 ID:DEKf6dqZ0
男「ここか」
ガチャッ
ボーイ「いらっしゃいませ。初めてのおきゃ―――」
ズブッ
男「すまないな。構ってる暇がない」
ウワッ
男「だが、逃がすわけにもいかない」スパンッ
ゴトンッ
男「さて、どの部屋にいるかな」
男「―――こんな姿見せられないな。ミーアには」
93 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/26(日) 23:53:11.80 ID:DEKf6dqZ0
(見えない、動けない)
(私の腕は二本。持てるものはそんなに多くはない)
(だから何かを手に入れるためには何か捨てないといけない)
(なんて言葉遊びは奪われた者には無用だろうね)
「ァ?」
(ドアが開く音が聞こえた気がした。お客だろうか)
(動かなくても良いはずだ。私を使う人間はそういう人だから)
「ミーアを知っているか?」
「?」
(何か言っている。でも聞こえにくいのだから反応が取れない。仕方なく笑ってみせる)
ズキリ
(抉れた歯茎が痛むけど、この程度ならまだ笑える。だってまだ血は)
(―――血?)
(血の臭いがする。もう慣れた臭いだけど、まだ私は使われてない)
(じゃあ目の前にいるのは、ナニ?)
94 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 00:00:13.70 ID:UYJW5JB40
「耳が、悪くて聞こえなくてね。申し訳ないが近寄ってくれないかな」
(臭いは濃くなる。やっぱりこの臭いの中心はこのなにかだ)
(久々に心拍数が上がる。死にかけたことは何度もあるけど、さすがにこれは)
「ミーア。彼女を知っているか?」
「ェ?」
(ミーアと聞こえた気がした)
(まさかね。死に際の幻聴だろうと笑ってみせる)
「良い名前だよね」
「お前か」
(抱きしめられた?)
(抱きしめられてる)
(そのままナニカは私の体を抱え上げた)
「君はナニかな。優しい人? それとも」
「悲しい人だよ。俺は」
95 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 00:06:22.24 ID:UYJW5JB40
男(彼女を見たとき俺は戦場の光景を思い出した)
男(まるでよくある亡骸のよう。笑顔さえ浮かべなければ本当にただの死体だ)
男「大丈夫には見えないな」
「心配するだなんて不思議だ。君は私を使いにきたんだろう?」
男「ミーアの頼みだ。お前を助けに来たんだよ」
「ミーア。やっぱり幻聴じゃないみたいだ」
男「耳が遠いのか」
「耳も目も悪いよ。むしろ大丈夫なところを上げた方が早いかな」
男「命があってよかった」
「あぁ。命だけは無事だ。因果なものだよ。丈夫な体は生物として至高のはずなのに、私は死ににくいこの体を心底恨んだんだから」
男「だが、そのおかげで助けにこれた」
「君が本当に私を助けにきたのならお願いがある」
男「なんだ」
「これが夢じゃないって信じさせてくれないかい」
男「夢じゃない。現実だ」
「行動で頼むよ。私を思い切り噛んでくれ」
「血が出るくらいにね」
96 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 00:10:26.94 ID:UYJW5JB40
ガリッ
「んくぅっ」
「いやいや、まさかそんなに躊躇なく噛んでくるとは。でもありがとう。ちゃんと痛いよ」
男「それじゃあ急ぐぞ。抱えたままじゃ剣が振れない」
「大丈夫なのかい? 亜人を抱えて走ってるとすぐに」
男「身代わりはもうそこら辺を走ってるよ」
男「見ない方がいい。地獄の釜が開いたような光景だ」
「大丈夫。見えないから。臭いで大体察しは着いたけれど」
男「優しい人じゃなかっただろう?」
「さぁね。やさしさなんてついぞ触れてないから」
97 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 00:14:44.09 ID:UYJW5JB40
店主「ほら、乗り込め乗り込め!」
鱗「掴まってください!こっちです!」
男「何やってるんだ、お前らは」
店主「逃げてきた亜人を助けてんだよ」
男「………そうか。それじゃあ奴隷街に向かって出てくれ」
店主「おい、まだ逃げてるやつが」
男「この街には亜人が隠れ住んでるんだ。そいつらに助けてもらうように話をつけてる」
店主「先に言ってくれよ。おらぁさっきから心臓がバクバクだ」
男「ほら、出せ」
店主「おうっ」
「………」ジッ
男「なんだ?」
「なんでもないよ」
98 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 00:30:52.78 ID:UYJW5JB40
ジャリッ
ミーア「寒い、お腹が空いた」
ミーア(捕まってどれだけ経ったのでしょうか。時の流れを教えてくれるのは一日一回のパン一切れだけ)
ミーア「古書娘さん、元気かな。会いたいな」
ミーア「ドラコさんも、メルメルも。今何してるのかな」
ミーア「………助けてなんて、言えないな」
ミーア「私は私。男さんのもの、じゃない」
ミーア(なんでこんなことに、とは思いません。冷静な私はこうなると予想していた)
ミーア(ただ冷静な私じゃ、私を抑えきれなかった)
ミーア「自業自得で、好きな人たちから離れて」
ミーア「愛してた人を捨てて」
ミーア「大好きな人を助けれなくて」
ミーア「なにもできなくて」
ミーア「なにも残せなくて」
ミーア「私って弱いな」
ミーア「バカだな、私」
ポタッ ポタッ
ミーア「寒いよ。寒いよぉ…」
99 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 00:44:19.52 ID:UYJW5JB40
ガンッ
ミーア「ひやぁっ!?」
「……寒いな。ここは」
ミーア「お、男さん? なんでここに?」
ミーア「そうか。死ぬ前の幻覚なんだ。それか夢なんだ」ポンッ
男「似たようなことを言うんだな。お前たちは」クスッ
ミーア「………男さん?」
男「あぁ。そうだ」
ミーア「なんで、ここに?」
男「お前と向き合いに来た」
男「俺は俺として、お前に向き合いに来た」
ミーア「こんな私を、ですか?」
男「あぁ、いっぱい話そう。言いたいことがすごいあるんだ。帰って、温かいものでも飲みながら」
ミーア「い、嫌です!。私は助けないといけないんです」
男「ミーア」
ミーア「わかってますっ。これは私の意地でしかないって!」
ミーア「でもそれでもこれだけは貫かなきゃいけないんですっ。馬鹿でも阿保でもそれが私がしようって決めたことだから!」
男「違うんだミーア」
ミーア「違いませんっ。私はやっと私だけの私になれたんですっ! もう誰にも奪わせませんっ」
ミーア「私はこのまま死にます。助けれなくてこうなったのも全部私の行動の結果だから。ここで凍えて私は死にます!!」
ミーア「でもそれで私は幸せ、なんですっ」グッ
男「助けたんだ。もう」
ミーア「………え」
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 00:48:49.87 ID:GTj6LqQSo
(不謹慎だが2828)
101 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 00:52:50.93 ID:UYJW5JB40
ミーア「………助けてくれたんですね。ありがとうございます」
男「帰ろうか。家に」
ミーア「なんで、今更助けてくれたんですか?」
男「大切な人を助けるのは当然だろう」
ミーア「人の上に立つ人としては間違いですよ。大間違いです」
男「それでもお前を助けたかったんだ。やっとお前に向き合えるよ」
男「大切な人を助けたいって気持ちは分かった。そのためになりふり構っていられないってことも」
男「俺はミーアを助けたいんだ」
ミーア「なんで、こんな私を。もう貴方の奴隷じゃないんですよ? ただのわがままなミーアなんですよ?」
男「助ける理由なんて簡単じゃないか」
男「助ける理由は―――」
>>102
102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 00:55:50.15 ID:GSEMSI+8o
絶対に失いたくないから
103 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 01:03:26.74 ID:UYJW5JB40
男「ミーア。お前を絶対に失いたくないからだよ」
男「愛してるから、失いたくないんだよ」
男「好きな人と一緒にいたいって思うのは駄目か? 俺の好きなミーア」
ミーア「うぇっ。な、なんでいま、今そんなこと言うんですか!?」
ミーア「あれ、あれだけアピールして靡かなかったのに、こ、ここで?」
ミーア「私、私を好きだから。つ、つまり奴隷でも人形でもなくて」
ミーア「恋人としての、ミーア」
ミーア「みら、見られてる! 私見られてますっ!?」アワワ
男「さて、時間がないから行こう。ミーア」
ミーア「私見られちゃってるぅっ!?」
104 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 01:12:06.90 ID:UYJW5JB40
ダッダッダッダ
ミーア「ひぃっ、ふぅっ! 男さ、はや」
白鞘「そおらっ! 檻なんてぶっ壊しちまいなーっ!」
オォー
レイティ「人間って弱いですわね。私たちの敵ではありませんわ」
レイティ「あなた方もそう思いませんか?」
ソウダーッ
白鞘「戦じゃ戦じゃ! そぉれお主らの力で押し返してみろっ! 奪え! 殺せ!! 勝てば勝者よ! この世の法よ!!」
レイティ「はぁ、我が主様はまだかしら」
ズバッ ドドドドッ
レイティ「きゃっ、建物が、斬られた?」
白鞘「おうおう、やっと来たか」ニヤァ
後輩「緊急につき、家屋を破壊させていただいたであります。保障? そんなもの命がある。それで十分であります。ほら離れた離れた。逃げた方がいいでありますよ、亜人共と私から、ほらほら」
後輩「はぁmどうせ亜人共に破壊されるのだから変わらぬこと。諦めるでありますよ。だけれど」
後輩「代償は血で払えよ。亜人共!」
105 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 01:22:31.03 ID:UYJW5JB40
男「待たせた」スチャッ
鱗「あ、お帰りなさい。仮面つけたんですね。申し訳ないですが、ちょっと素顔が怖くて、えへへ」
ミーア「! ほ、、本当に」
「ミーア、かい?」
男「感動の再開は後だ」
男「レイティア!」
レイティ「我が主様!」
店主「おい、なんかやばいの来ちまったぞ!? はやく逃げなきゃあ死ぬぜあれ!」
男「わかってる、とりあえず鱗と店主はこっちにこい」
店主「いやいや、馬車に乗れって! 喋る暇なんか」
レイティ「貴方は助けてあげる」ヒョイッ
店主「おぉっ!?」
パァンッ
ヒヒィンッ
ガラガラガラガラッ
後輩「馬車!? 小賢しいっ!!」ズバァンッ
後輩「特攻なんて。いや、血迷ったのか?」
店主「あ、あ?」
レイティ「貴方も」
鱗「ひやぁっ!」
男「準備はいいか?」
レイティ「全員回収しました、飛びます」バサッ
白鞘「くっ。今が良いところじゃのに!!」
店主「おい、どういうことだこれ」
男「最善の策だ。有象無象ではあれは倒せないからな。亜人を開放してその騒動に乗じて逃げる。馬車なんかじゃ逃げきれないからレイティアで逃げるんだ」
男「死者は多く出るが、生き延びる亜人も少なくはないはずだ」
ミーア「わ、私のせいで?」
男「いいや、俺のせいだ」
男「今日、人が死ぬのは俺のせいだ」
106 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 01:39:16.58 ID:UYJW5JB40
〜4年目 第25週 休日〜
メリー「号外ディス! 号外ディスよ!!」
男「やはり、騒ぎにはなるな。だが我々の仕業とバレてないようだ。大成功だな」
お嬢「もう危ないことはしないでほしいですわね。次は貴方を危険分子として投獄することになりますわ」
男「危険分子、か」
お嬢「多数の死者が出ましたわ。兵士じゃない、ただの無辜の民の命が失われた」
お嬢「わたくしだって国家転覆を狙う身、きれいごとを言うつもりはありませんが、それでも気分の良いことではありませんわね」
男「そうだな。だが俺は間違ったことはしていない」
お嬢「そう。感情論を除いて結果だけ見れば間違ったことをしていない。だからこその憤りがありますの」
お嬢「今、取れる手段としては最大限の効率でした。ですが、目的は一人のためでしょう」
お嬢「貴方は間違ってないかもしれませんが、貴方が間違ってしまったことは私は知ってますの」
お嬢「それを飲み込むのは私も貴方の気持ちが分かってしまうから。わかってしまうから、事にしませんの」
お嬢「わたくしも指導者としてまだまだ、ですわね」
男「ありがとう。と言っておこうか」
お嬢「どういたしまして、とはいいませんわよ?」
107 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 01:41:49.94 ID:UYJW5JB40
キィキィ
男「やはりまだ体が痛むな」
メイド「私が押しましょうか?」
男「いや、自分でする」
メイド「なんだか、寂しいですわ」
ミーア「あ、やっと見つけましたっ」
男「どうした?」
ミーア「あの、その。そういえば返事をしてなかったことに気づきまして」
男「返事って、なんのだ」
ミーア「わ、私も」
メイド「嫌な予感」
ミーア「男さんのことを愛していますっ!!」
ミーアの愛情度【300/300】
108 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 01:43:05.46 ID:UYJW5JB40
男「体が痛むが休むほどのことではない」
男「さて、今日は」
1.褒める (誰を)
2.叱る (誰を)
3.お仕置き (誰を)
4.交流(誰とどうする)
5.外出
6.狩り
7.教育
8.探索
>>110
109 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/11/27(月) 01:43:45.28 ID:UYJW5JB40
今日はここまで。
皆さん、お久しぶりです。
遅くなってすみませんでした。
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 01:51:45.60 ID:GSEMSI+8o
4ミーアの親友の容態をみる
おかえりなさい
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 01:53:23.61 ID:oesVAMocO
乙乙
待ってた
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/11/27(月) 05:12:53.06 ID:fvdlXKLJO
乙ー
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 12:01:47.09 ID:M5I08GtDo
乙です
更新待ってました
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/27(月) 18:46:10.26 ID:5oehBszCO
乙
とんでもねぇ待ってたんだ
115 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/12/06(水) 00:51:04.43 ID:D6keSjSg0
男「とりあえず様子を見に行かなければな」
男「あれだけの重傷だ。命に別状はないらしいがそれでも心配ではある」
コンコン
ガチャ
魔女「………あ」
魔女「……おはよう………ございま…す」
男「朝早くからすまないな。古書娘と春告はどうした?」
魔女「……薬の材料………探しに…いった」
男「そうか。例の亜人の見舞いに来た。上がらせてもらってもいいか?」
魔女「………うん……どうぞ」
男「ありがとう。ところで容態はどうだ?」
魔女「……亜人は………すごい」
魔女「………あれで生きてる」
魔女「………から、すごい」
魔女「………痛いけど」
魔女「………無事」
魔女「………でも治らない」
男「そうか。完治するとは思ってなかったが手遅れだったか」
魔女「………」コクン
116 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/12/06(水) 01:07:41.03 ID:D6keSjSg0
魔女「………ここ」
魔女「………ごゆっくり」
コンコン
男「………」
コンコン
男「返事がない………あぁ、そうか。耳が聞こえにくいのか」
男「仕方ない、入らせてもらうか」
ガチャ
「誰か、入ってきた?」
「えぇっと、すまないね。あまりよく見えなくて、もっと近寄ってもらえるかな」
「不躾で申し訳ないよ。足の骨が折れてて、こっちから行くことができないんだ」
ギィギィキキィ
「鉄の臭いがする、それに………ミーアの匂いもする」
「もしかして、王子様かい?」
男「王子様?」
「ははは、気にしないでいいよ優しい人」
「さて」ペタペタ
「おや、車椅子かなこれは。よっこらせ」グググ
男「立って大丈夫なのか?」
「立ってないよ。貴方に縋り付いているだけだからね。すんすん、これは胸板だね。すんすん」
男「この位置なら良く聞こえるか?」
「そうだね、できればもっと」カプ
「これひゅらいならひほえるね」カプカプ
男「………なぜ噛む」
「狼だから?」ニコッ
ガブッ
男「―――っ」
「んく、ちょうど喉が渇いていた、なんてね。私は吸血鬼じゃない」
男「すまないが、さすがに痛い。それに首筋を触られるのは良い心地はしない」
「そうかな。私たちにとっては落ち着くんだけどね。信頼できる相手に首を噛ませるのは」
「相手に命を預ける。これほど素晴らしい愛情表現はないんじゃないのかな」
男「愛情表現?」
「そうさ、親愛、友愛、情愛、敬愛、性愛、恋愛。なんにしろ愛だよ愛」
「さぁ、君も私の首を噛んで。大丈夫、変な意味じゃないから。ただの」
「愛だから」
117 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/12/06(水) 01:13:22.24 ID:D6keSjSg0
男「………」
「ふふ、良く見えないけど、たぶん困った顔をしているね。そんな匂いがする」
「価値観の違いだよ。貴方が思うほど重要なことでもない」
「ただの握手みたいなものさ。お互いを理解するための儀式だから」
「さぁ、ほら、おいでよ」
男「しかし、私は」
ガチャッ
ミーア「お見舞いにきましたよ、ふんふふふ〜ん。美味しい冬野菜とお魚さんが手に入ったからお昼はお鍋だね〜」
ミーア「あ、男さんもいたんですね。そんなに抱き合って仲いいですね、まるで恋人同士みたいです」
ミーア「男さんも、お昼一緒に食べますよね? 大丈夫です、量はありますから! 二人とも怪我をしてるんですから遠慮なさらず! って私も怪我してますけど、えへへ。とにかく怪我を治すためには美味しい食事です!」
ミーア「それじゃあ私は台所を借りて料理作ってきますね。ふふふ〜ん」
バタンッ
男「………」
「………」
バァンンッ!
ミーア「数時間で寝取られてる!?」
118 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/12/06(水) 01:14:54.32 ID:D6keSjSg0
短いですが、今日はここまでです
おやすみなさい
119 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/06(水) 01:19:17.10 ID:QEvbU7iDO
おつ
120 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/06(水) 01:30:27.89 ID:Y7weUZbno
おつー
ミーアくんはちょっとは一スレ目のテンション思い出そうか……ww
121 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/06(水) 07:45:18.29 ID:CKQyUBhqo
乙
122 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/12/06(水) 11:41:02.60 ID:A3O5rsxto
乙ー
123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/06(水) 12:37:07.82 ID:NLjPQLz4o
ミーアさん、どんどんギャグ要員になってるなぁ
一番最初はおどおどしてたけど、これはこれでいいのかな?
自分は最初の方が好きだけど
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/06(水) 13:35:48.51 ID:lXqiLQSOo
愛の力だな
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/06(水) 20:59:56.00 ID:Y35Xwn4mo
本来の気質が出てきていると言う事じゃないの?
126 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/12/12(火) 00:41:36.65 ID:AujDsxxD0
ミーア「どういうことなの!?」ズイッ
「や、やぁミーア」
ミーア「やぁ。じゃないよ! 男さんは私の恋人なんだからねっ」
「そうなのかい?」
男「一応な」
ミーア「一応なんですか!?」ガーン
男「嘘だ。本当に恋人だ」
「まぁ、今は誤解だから安心してくれないかな」
ミーア「そっかぁ。誤解………今は?」
「うん、まだ私は告白していないからね。そういえば君が恋人ならば許可を取らないといけないね」
ミーア「まさか、あの、もしかして男さんのことが好き?」
「あそこから助けてくれた人を王子様と思わないほど、私は少女を捨ててないよ。体はこれだけど、心はまだ初々しい少女のつもりさ」
男「ふぅむ、どういう反応をとればいいのか」
ミーア「え、えと、二人とも大好きだし、ど、どうしよう」
「ありがとう、私も大好きだよ。ミーア」
男「あぁ。私も愛しているよ。ミーア」
ミーア「えへへぇ」テレテレ
127 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/12/12(火) 00:51:05.09 ID:AujDsxxD0
ミーア「でも、ちょっと複雑です。好きってことは良いことだけど、二人が私を置いてっちゃいそうで」
「そんなわけないだろう。私が一番好きなのは今でも君だよ。ミーア」
「しかし本当に君は男さんのことが好きみたいだね」
ミーア「うんっ、好きだよ。本当に、好き」
「ふふっ。その言葉が聞けてよかったよ。安心して、さっきの私の言葉は嘘だから」
ミーア「え?」
「君がどこまでこの人のことを好きか知りたかっただけさ」プニ
ミーア「よ、よかったぁ」ヘナッ
「ところで本当に私が好きだと言ったらどうするつもりだったんだい?」
ミーア「悩んでましたっ。すっごいすっごい悩んで」
ミーア「たぶん、許してました。恋心は止められないって知ってるから。男さんの彼女さん、ナージャさんがいても止められなかったから」
ミーア「それで、男さんも好きだっていうなら仕方ないことで、私は男さんからちょっぴり愛してもらえればいいから」
ミーア「ちょっとだけでも、いっぱい幸せだから」
「ミーア………」
128 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/12/12(火) 00:58:37.72 ID:AujDsxxD0
男「俺が愛したと言った女を少しだけしか愛さないわけがないだろう」
ミーア「いっぱい、いっぱい愛してくれるんですか?」
男「押しつけがましいほどにな」
「ははは、うらやましいな。ミーア、君が」
「本当に」ボソッ
「いい夫婦になれそうだ」
ミーア「えへへっ、あ、そういえばお昼ご飯っ!」
「楽しみにしてるよ」
ミーア「作ってきますねっ」
男「手伝おうか?」
ミーア「ランハオさんと一緒にいてください、独りぼっちは寂しいですから」トテテ
男「ランハオ?」
「あぁ、言ってなかったね。私の名前だよ」
「狼のランハオ、それが私さ」
129 :
亜人好き
◆HQmKQahCZs
[saga]:2017/12/12(火) 01:06:13.85 ID:AujDsxxD0
〜4年目 第26週 〜
男「そういえばランハオが退院したらどうするんだろうな」
お嬢「ミーアは忙しいからどうするべきかしら。暇な人が誰かいませんの?」
男「暇な奴………」
男「メイドが飼ってるライカンスロープがいたな」
お嬢「あぁ、あのぽっちゃりの」
男「やめとこう、器用とは思えない」
お嬢「とりあえず今は保留にしておきますの。怪我が治ればできることがあるかもしれませんの」
男「だな」
お嬢「それより、今週の仕事は」
【軍事力強化】 体×20
【村を発展させる】 技×20
【外交を行う】心×20
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