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摩耶「よ! あたし、摩耶ってんだ、よろしくな……」
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14 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/22(日) 01:43:15.14 ID:zqiBUGXqo
二月は節分……。
足柄「角が生えてる摩耶鬼は外!」
摩耶「痛って! んだよぉ! ばっか! これはチャームポイントだろ!
それと豆にベアリングの玉を混ぜるのはやめろ!!!」
五月は端午の節句。
摩耶「提督、柏餅食おうぜ〜?」
足柄「え? 食べられない? カツも駄目だけど、これも駄目なのね……」
摩耶(そういえば提督が食事してるとこ、見たことねぇな……)
夏は海水浴。
摩耶「提督、スイカはあっちだぜ! これ持って思いっきり振り下ろすんだ!」
足柄「んにゃ!? 私はスイカじゃないし!
提督が持ってるのは日本刀だし! んにゃーーーー!!!」
そして花火と祭り。
摩耶「提督、祭りと花火が初めてって本当かよ。でも随分楽しんでるみたいじゃねえか!」
足柄「お祭り、サイッコーだわ!」
摩耶「提督、わた飴食べるか? って、食べられないんだよな……」
提督「……ひとくちなら……」
摩耶「お! ひとくちなんて言わずに、全部食べていいんだぜ」
提督「……甘い……」もそもそ
足柄「提督、摩耶! 花火が上がったわ……素晴らしいわ……」
摩耶「綺麗だな……。な、提督!」
15 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/22(日) 01:44:58.06 ID:zqiBUGXqo
そこに大淀が来た。
大淀「摩耶、足柄! また提督を連れ出して! 今度は始末書では済みませんからね!」
摩耶「けっ! あたしは提督のためを思ってやってるんだ」
足柄「そうよ! 営倉送りでもなんでもしなさいよ! でも妙高姉さんの説教だけは勘弁……」
摩耶「提督だって楽しんだし。また来年も行こうぜ!」
提督「来年……」
パシーーン……
大淀があたしの頬を張り飛ばした。
大淀「いい加減にしなさい!」
摩耶「んーだよ! 大淀……」
大淀の目から涙が一筋。
一体、なんなんだよ……。
そっからだ。そっから鎮守府がおかしくなった。
正確に言うと、大淀と明石がおかしくなった。
- 続く -
16 :
◆FfvRSd7Ma6
[sage]:2017/10/22(日) 01:47:44.45 ID:zqiBUGXqo
>>13
訂正……。
誤 : 摩耶「提督、羽子板やろうぜ〜」
正 : 摩耶「提督、羽根突きやろうぜ〜」
なお次回最終回。
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/22(日) 02:20:57.72 ID:DfdVSMRG0
乙です
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/22(日) 04:25:24.20 ID:wPmM7lS5o
物悲しいにおいがするぜえ
19 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/11/04(土) 04:18:17.24 ID:jpvSYrhvo
大淀は……。
摩耶「大淀、命令書間違ってたぜ? 大淀? 聞いてんのか?」
大淀「……え、あ、はい。補給ですね?」
摩耶「ちげーよ……って、大淀、大丈夫か? 最近、ずっとそんな調子じゃねぇか?」
大淀「……」
明石は……。
足柄「ちょっと! 整備頼んでた艤装が戻ってきたけど、
水上偵察機が二式大艇になってたわよ!」
明石「……いいじゃないですか。大きいほうが……」ニヤッ
足柄「」
明石「……ごめんなさい。装備を間違えました。すぐに戻します……」
昼間の鎮守府の大食堂で、あたしらはため息をついていた。
摩耶「……はぁ」
足柄「……はぁ」
摩耶「最近の大淀と明石、おかしくねぇか?」
足柄「そうね。鎮守府が混乱してるわね」
摩耶「まだ事故は起こってねぇけどよ、このままだと大事故になるぜ?」
足柄「どうすればいいのかしら……。あら、羽黒」
羽黒「足柄姉さん、摩耶さん、大淀さんが大会議室に集まってくれって言ってました」
摩耶「あ?」
20 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/11/04(土) 04:20:25.93 ID:jpvSYrhvo
大会議室に行くと、鎮守府の艦娘が全員集まっていた。
足柄「ただごとじゃないわね」
摩耶「大淀が来たぜ」
大淀と明石が入ってきた。目の周りが赤い。泣いていたのか……。
大淀「皆さん、これから話すことは口外しないでください。口外したら安全は保障出来ません」
摩耶(穏やかじゃねえな……軍機が絡んでんのか?)
大淀「提督は……半年後にいなくなります」
ざわつく艦娘たち。
足柄「どういうこと? 転籍するの?」
大淀「違います」
摩耶「退官すんのか?」
大淀「いいえ。とにかく、提督はこの鎮守府からいなくなります。
そして、本日以降、提督との接触を禁止します」
足柄「納得出来ないわ! 事と次第によっては軍令部に乗り込むわよ?」
大淀「提督にこれ以上負担をかけないで下さい!」バンッ
部屋が静まりかえる。
摩耶「……意味がさっぱりわからねぇ。……普通じゃねえよ。
大淀も提督も……。事情を話してくれないか」
大淀「……これ以上、話すことはありません」
21 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/11/04(土) 04:22:10.48 ID:jpvSYrhvo
そこに……。
提督「事情は私から話します。大淀ありがとう」
大淀「……提督……なぜ……」
提督「皆に話したいことがありまして。これから話すことは、最重要軍機です。
話を聞くと、命の保障はありません。聞きたくない者は部屋から出るように」
誰も部屋から出ない。
提督「そうですか。では話しましょう。端的に言うと、私は半年後に死にます」
誰も言葉が出ない。
提督「なぜ死ぬのか。それは、そう作られているから。作られてから10年で死ぬように」
大淀「……ううっ……ぐすっ……」
泣き崩れる大淀を明石が抱きとめた。
摩耶「ばっきゃろー!!! 死ぬとか簡単に言うな! 第一、今ピンピンしてんだろうが!」
提督が優しく微笑む。
頼むから、そんな顔しないでくれよ……。
22 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/11/04(土) 04:24:26.71 ID:jpvSYrhvo
提督「そうですね。それを説明するために、私が作られたところから話しましょう。
私は、いわゆるデザイナーベビーとして生まれました。特定の目的のために遺伝子を操作された人間のことです」
摩耶「……」
提督「深海棲艦に対抗できるのは艦娘しかいません。しかし、艦娘を使える人間は、あまりにも少ない。
『霊能力』の強さは、遺伝的な資質で決まります。訓練ではどうしても伸ばせません」
摩耶「……」
提督「軍は考えました。訓練でどうにもならないなら、『霊能力』の強い遺伝子に書き換えてしまえばよいと。
そこで、受精卵の遺伝子を書き換え、私を作りました」
足柄「……」
提督「私の遺伝子は、『霊能力』史上最強と言われた提督と、『超記憶障害』を持つ女性をベースにしています。
『超記憶障害』とは異常な記憶力を持ち、目にした事、聞いた事、読んだ事を全て鮮明に記憶し、
忘れることが出来ないという障害です」
部屋の雰囲気が冷えていく。
提督「私の遺伝子の『霊能力』因子は書き換えられ、さらに『霊能力』が強まりました。
ですが、それが原因で消化器が弱くなり、特殊なベビーフードのようなものしか食べられません。
せっかく皆さんが作ってくれた手料理も食べられませんでした。申し訳ありません」
摩耶「……」
提督「時間がない軍は、私の遺伝子を、1年で10歳程度まで成長するように操作しました。
私は1歳で軍事教育を受け始め、ありとあらゆる兵法を学び、6歳で鎮守府に着任しました。
なお10歳の体で安定させたのは、その年頃が一番『霊能力』が強いからだそうです」
足柄「……」
提督「さて、このようにして最強の提督が作られたわけですが、軍はある保険をかけました。
強力な『霊能力』と絶対忘れない記憶力を持ち、高度な軍事訓練を受けた……子供。
不安ですね。何をするかわかりません。そこで……10年という寿命を設定しました」
23 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/11/04(土) 04:25:51.77 ID:jpvSYrhvo
あたしは頭の中が真っ白になった。
摩耶「……そんな……嘘だろ……」
提督「嘘ではありません。私の兄二人は、きっかり10年で壊れました」
提督が他人事のように話を続ける。
提督「兄達は極力艦娘と接点を持たないようにしました。
自分が居なくなっても、艦娘がショックを受けないように。
死んだことも知らせていません。彼女たちは、兄達が転籍したと思ってます」
足柄「……」
提督「私もそうするつもりでした」
摩耶「……」
提督「しかし……私の決意は、あなたたちの猛攻で壊れてしまいました。
特に足柄の……クククク……」
足柄のやつ、悲しんでいいんだか、喜んでいいんだか、
恥ずかしいんだか、よく分からない顔になってるぜ……。
24 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/11/04(土) 04:29:29.77 ID:jpvSYrhvo
提督「私は感情を持たないように作られ、また、そのように教育されましたが、
許容範囲を超えた揺さぶりを受けて、徐々に感情を持つようになり、
生きることが楽しくなりました。なってしまいました……」
提督が回りを見渡す。
提督「私はもっと生きたい、と願うようになりました。
感情を持たなければ楽だったのに、ともね」
一呼吸置く提督。
提督「皆さんには責任を取ってもらいます。
私は寿命を延ばす方法を思いつきました。ちょっと変化球ですが……。
それに協力してもらいます!」
艦娘たちの目に光が戻った。
足柄「さすが提督!」
提督「私は優秀ですから」ニヤッ
摩耶「言うようになったじゃねーか! 協力するからよ〜、早くやり方を教えろよ!」ワシワシ
それから、あたしたちは全力で協力したんだ。
25 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/11/04(土) 04:31:44.93 ID:jpvSYrhvo
数年後……。
足柄「摩耶〜、来たわよ〜」
摩耶「よ! まあ入れよ」
今日は二人とも非番。暇な足柄があたしの部屋に遊びに来たってわけだ。
足柄「この部屋も久しぶりね。いつ以来かしら」
摩耶「そうだな……前の提督が生きていた時以来じゃねえか?」
足柄「……そうね……」
結局、提督は死んじまった。半年後にきっちりとな。ソニータイマーかよ。
摩耶「なあ……あたしは間違ってたのか。余計なお節介だったのかな、結局さ」
足柄「そんなことはないわ。提督が『ありがとう』って言ってたじゃない」
摩耶「あたしらを傷つけないための嘘じゃねえのか?」
足柄「最期の言葉で……嘘はつかないと思うの」
摩耶「……そうだな……」
26 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/11/04(土) 04:33:56.93 ID:jpvSYrhvo
その時……。
まや「ママ。お客さん?」トコトコ
摩耶「おう! 足柄おばさんに挨拶しな」
足柄「おば……」
まや「足柄おばさん、こんにちわ!」ペコリ
足柄「こんにちわ〜。でも足柄『お姉さん』よ」ナデナデ
あしがら「まや〜、こんにちわ」
摩耶「よう! あしがらちゃん」
まや「あしがら〜、あっちで遊ぼう」
あしがら「うん!」
あたしと足柄は目を細める。
足柄「まやちゃん、可愛いわね〜。ママに似ないでサイッコーに良かったわ〜。パパそっくり!」
摩耶「うっせ! まあ……提督に似てるのは認めるけどよ……」
提督の「寿命を延ばす」やり方ってのは、子孫を残すことだった。
遺伝子を残せれば、それが生きていることと同じだとさ。
理屈っぽいっていうか、屁理屈っていうか、なんだろな。
27 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/11/04(土) 04:36:03.04 ID:jpvSYrhvo
足柄「あの時は大変だったわね。まさか、大淀から伊良湖まで、艦娘全員が協力に志願するとは……」
摩耶「ああ。提督もすごかったぜ。半年間、ぶっ続けで全員を相手して、全員命中させたからな」
足柄「正直、半年持たずに、逝ってもおかしくなかったわね……」
その後も大変だった。
なんせ鎮守府の艦娘全員、お腹ポッコリだぜ?
足柄「提督が亡くなって、新任提督が来たら、艦娘がみんなマタニティで……」
摩耶「それな。大問題になって、鎮守府の全艦娘が解体されかかったな」
足柄「大淀が裏で手を回して、うやむやにしたそうよ」
摩耶「おっかね。あいつだけは敵に回したくねえぜ……」
足柄がふと部屋の奥を見た。
足柄「あら……浴衣?」
摩耶「いいだろ。まやと祭りに行こうと思ってさ」
足柄「……」
摩耶「まやに花火を見せてやりてえんだ。ちょっと遅くなったけどな」
足柄「みんなを誘って行きましょうよ」
摩耶「そうだな」
花火だけじゃ済まさねえ。
もっと、もっと楽しんでもらうぜ。提督。
完
28 :
◆FfvRSd7Ma6
[sage]:2017/11/04(土) 04:36:55.74 ID:jpvSYrhvo
なぜショタが提督をやっているのか?
なぜ毎晩絞られているのか?
実は、こんな悲しい物語が……(適当)
なおショタ提督のモデルは「蒼き鋼のアルペジオ」の刑部 眞です
html申請してきます
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/04(土) 06:21:43.62 ID:RAOQb0c8O
乙
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/04(土) 15:24:18.10 ID:BTMNSht60
乙
若返りかクローン技術の系統かなとは少し思ってた
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クオリティの高いサービスを貴方に
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