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摩耶「よ! あたし、摩耶ってんだ、よろしくな……」
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1 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/15(日) 13:51:08.07 ID:4jyNuRyPo
※しんみりコメディ
※ショタ提督の謎に迫ってみる
※短い
建造されたてのあたしは、指令室の提督の前で挨拶をしたわけだが……。
提督「よろしくお願いします」
摩耶(ついてねえな、あたしも。この鎮守府は駄目だ……)
なんでかって? この提督とやらは、どうみてもガキんちょ。
なおかつ、もやしのようにヒョロヒョロ。おかっぱ頭で整った顔立ち。
女の子にも見えるほど。無表情で落ち着いてるのが、かえってイラつかせる。
摩耶(こんなチビっこが提督なんて、鬼の海軍もヤキが回ったのか、
人材が枯渇してんのか、どっちにしても負け戦だな、こりゃ)
提督「高雄型の部屋に案内させましょう。大淀」
大淀「はい。こちらへどうぞ」ニッコリ
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1508043067
2 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/15(日) 13:52:56.85 ID:4jyNuRyPo
廊下に出ると、あたしは大淀に話しかけた。
摩耶「なあ、戦局はそんなに悪いのか?」
大淀「は? なぜです?」
摩耶「だってよ、提督が子供って普通じゃねえぜ」
大淀「そうですね……。戦局は確かに悪いですが、最近持ち直してます」
摩耶「へぇ」
大淀「提督の活躍でね」ニコッ
摩耶「そんなお偉い提督様には見えねえけどな」
大淀「信じられないのも無理はありません。高雄さんや愛宕さんに聞いてみたらどうですか?」
摩耶「そうする」
重巡洋寮の高雄型の部屋に入ると、愛宕姉の圧……熱い歓迎が待っていた。
愛宕「摩耶〜〜! 待っていたの! お姉ちゃん、とっても嬉しいわぁ〜〜♪」ムギューーー
摩耶「わぷっ! 分かったから! 分かったから!」
高雄「愛宕、嬉しいのは分かるけど、そのへんにしておきなさい」
鳥海「私の計算では、摩耶は酸素が足りてませんね」
愛宕「あら〜〜いっけない! 摩耶! 大丈夫?」
摩耶「」グッタリ
3 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/15(日) 13:55:14.31 ID:4jyNuRyPo
三途の川から戻ってきたあたしは、疑問をぶつけてみた。
摩耶「大江艦長が手招きしてるのが見えたぜ……。それはそうと、ここの提督はどうなってんだよ?」
愛宕「さっすがわが妹! 提督に目をつけるなんて流石ね!」
摩耶「そうじゃなくてさ……」
高雄「素敵な方です」バルンッ
摩耶「えぇ……」
鳥海「司令官さんの戦略は、いつも私の計算と一致してます」めがねクイッ
摩耶「はぁ……」
姉貴たちが認めてるなら、そこそこのヤツなんだろう。
鳥海「司令官さんは優秀です。例えば、人類史上の戦史を全て諳んじられるほど。
神話、紀元前の戦いから、冷戦後の内戦まで全て」めがねクイッ
高雄「艦娘の指揮官としても、ずば抜けた素質を持っています。
200人以上の艦娘を顕現させた上に、同時に12人を戦闘させられるほどの
『霊能力』を持っている提督は、世界でも10人といません」
愛宕「その上、あの華奢な体つきと、端正な顔立ち……///」
摩耶「お、おう……」
優秀なのは分かったけど、なんか気にくわねぇ……。
愛宕「近寄りがたいあの雰囲気もたまらないの! パンパカした〜〜い♪」
摩耶「よくわからねぇけど、愛宕姉は自重しろ!!!」
4 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/15(日) 13:57:46.56 ID:4jyNuRyPo
その後、戦闘海域の近くの護衛艦の作戦室。
摩耶(姉貴は優秀って言ってたけど、本当かどうかお手並み拝見)
提督「深海棲艦は疑い深い。それを逆手に取ります」
提督が艦隊に次々と指令をだす。
摩耶(そんなに上手くいくもんなのかね?)
あたしの読みとは裏腹に、作戦は見事的中。
提督「追い詰められた深海棲艦に、逃げ道を作ります。救援の深海棲艦もそこに殺到するでしょう。
それは、この海峡です。ここが彼女たちの『死地』です」
海峡に押し込められた深海棲艦の大軍に、伏兵の艦娘が四方八方から集中砲火。
寡兵で大軍を破る、マンガみたいな展開。
摩耶(やるじゃん)
艦娘や兵士は歓喜に沸き立つが……。
提督「深追いは無用。手負いの獣をこれ以上追い詰めると火傷します。撤退です」
摩耶(子供ならもっと喜べよ! 見切りの良さは評価するけどさ……。ちょっと老練すぎんだろ)
実際、不穏な空気を感じ取った深海棲艦が大規模な援軍を差し向けていた。
あのタイミングの撤退は見事だったわけだが……やっぱり気にくわない。
5 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/15(日) 14:00:05.13 ID:4jyNuRyPo
海戦の数日後、鎮守府の大食堂で昼食を取っていると……。
摩耶「……はぁ」
足柄「摩耶がため息なんて、らしくないわよ。どうしたの?」
摩耶「うーん、あたしにもよく分かんないんだけどさ。提督を見ると、なんかモヤっとすんだよ」
足柄「なに? 恋してんの?」
摩耶「ちげーーよ! ショタはストライクゾーンじゃねえから!」
足柄「じゃなに?」
摩耶「なんつーか、釈然としないんだ。あの提督の存在が。
だいたい士官学校とか、あんな子供が入れるのか?」
足柄「そうねぇ……。わたしたち提督のことって、ほとんど知らないのよ」
摩耶「それって怖くね? 正体不明のヤツに命を預けるのって、怖くねーの?」
足柄「提督に命を預けるのは怖くないわ。彼はいつも私に勝利をくれるから」
摩耶「まあ優秀なのはいいんだけどさ。年季の入ったいぶし銀の指揮と、あの容姿が不釣り合いすぎて、
ちょっと怖いんだよ、正直。子供らしくねーんだよ。違和感ありまくりなんだよ」
足柄「ふうん」
6 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/15(日) 14:01:43.63 ID:4jyNuRyPo
足柄がコーヒーを飲みながらニコニコしている。
摩耶「あの年頃の子供っていうかガキンチョはな、戦争なんかに関わらないで、
平和に遊んでりゃいいんだよ。あたしらはそのためにいるんだし」
足柄「そうね」
摩耶「感情のままに泣いたり笑ったりすりゃいいんだよ。でも提督は能面みたいに無表情だし。
どんな修羅場をくぐったらああなるんだ?」
足柄「……」
摩耶「とんでもねえ闇を抱えてるんだぜ、きっと。そう思うとさ、
ふと『提督は幸せなんだろうか?』とか、色々考えちまってよ……」
足柄「摩耶って、口はがさつだけど、ちゃんと考えてるのね」ニコニコ
摩耶「がさつは余計だ。でもサンキューな」
足柄(なんだかんだ言っても摩耶って子供好きなのね。高雄型の運命(さだめ)なのかしら……)
足柄がふと考え込んだ。
足柄「そうねぇ……。確かに提督は感情を表に出さないし、幸せかどうか分からないわね」
摩耶「幸せだとはとても思えねえぜ。あたしが子供らしい幸せを取り戻してやんよ!」
足柄「どうやって?」
摩耶「まずあの能面フェイスをぶっ壊す。こういうのはどうよ?」ヒソヒソ
足柄「……え、あんた本気?」
摩耶「摩耶様に任せろ!」ニカッ
7 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/15(日) 14:06:21.19 ID:4jyNuRyPo
ある日の指令室……。
足柄「提督!」ドアバーーーン
大淀「」
そこにはパンツを顔にかぶり、手袋、スリングショット水着、網タイツ、ハイヒールの足柄がいた。
足柄「ウェルカム!!!」バーーン!
足柄「そこは私のカツカレーよ!!!」ババーーン!
提督「……足柄さん、何か御用ですか?」
眉一つ動かさない提督。
足柄「……ちっくしょう……。この私が、ここまでやられるなんて……」
足柄が腕を下した。
足柄「コマネチ!」ササッ
提督「ああ……分かりました。冗談なんですね」
足柄「ゴフッ」バターン
顔面蒼白で倒れる足柄。
使えねぇ……。あたしも指令室に入る。
摩耶「雑魚は寝とけ。ネタが古いんだよ! ガキンチョ入れ食いの鉄板ギャグ、見せてやんよ!」
あたしは提督に背を向けると、スカートとパンツを半分おろし、前かがみになった。
摩耶「ケツだけ星人〜〜」プリプリ
丸出しのケツをプリプリ動かしながら、左右にテケテケと小刻みに動く。
摩耶(これでドッカンドッカン……)
ふりむくと提督がじっと見ていた。無表情に。
摩耶「ゴフッ」バターン
8 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/15(日) 14:09:17.62 ID:4jyNuRyPo
そこに……。
龍驤「……まな板」ガチャ
首から洗濯板をぶら下げた龍驤が入ってきた。
龍驤「キミィ、まな板知らへん? ずっと探してるんやけど」キョロキョロ
大淀「……プッ……ククク……」
龍驤「ん、下? 下に何かあるん?」キョロキョロ
龍驤「お! あったわ〜〜、こんなところにあったわ〜まな板!」ホッコリ
龍驤「って、これ、洗濯板やないか〜〜い!!!」
提督「……」
摩耶(これでもダメなのかよ……)
提督「……クスッ」
あたしと足柄が飛び起きる。
摩耶「んだよぉ! 提督も笑えんじゃねえか! 楽しい時は笑っていいんだぜ!」ワシワシ
足柄「サイッコーね! 今までで一番嬉しい勝利よ!」ワシワシ
半ケツのあたしと変態仮面の足柄が提督を撫でまわす。
どんな絵面だよ。
摩耶「龍驤姉さん、ありしゃした! 勉強させてもらいました!」ペコリ
足柄「龍驤、ありがとう! 肉を切らせて骨を断つ。モノホンの自虐ネタ、マジ超うけたわ!」ゲラゲラ
龍驤「おう、キミたち精進するんやで。あと足柄は妙高と一緒に三者面談な」
足柄「んにゃー!」バターン
それから提督は少しだけ感情を出すようになった。
艦娘との距離も縮まった。
鎮守府の雰囲気もグッと良くなったぜ。
−続く−
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/15(日) 16:42:06.75 ID:/Q1M5a2So
期待
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/15(日) 21:53:14.77 ID:TUeQiofWO
ジョークに染まった艦娘たちを見て知恵熱出してしかも生涯それに苦しめられると見た
11 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/22(日) 01:35:04.77 ID:zqiBUGXqo
足柄「あれから提督も雰囲気変わったわね」
摩耶「だけどな、まだ足りねぇ……」
ある日、あたしと足柄は司令室に押しかけた。
摩耶「提督、邪魔するぜ」
提督「なんですか」
足柄「提督には、もっと幸せになっています!」
摩耶「提督を甘やかす専門家を呼んであるからな。先生方、お願いします!」ガチャ
ぞろぞろと雷、霞、夕雲、浦風が入ってきた。
最初は雷。
雷「私たちを怖がらないで……。むしろ頼ってほしいの。
司令官の役に立つことが、私の喜びなの! 一緒にお仕事……ううん。
一緒い居るだけでもいい。そう、そこから始めましょう、ね?」パァアア
次は霞。
霞「艦娘と距離を取るなんて……あなた私たちが怖いの?
しっかりしなさい! 司令官なんでしょ?
それで私たちの指揮が取れるの? 堂々と艦娘と向き合いなさい!」キッ
12 :
◆FfvRSd7Ma6
[saga]:2017/10/22(日) 01:36:59.55 ID:zqiBUGXqo
そして夕雲。
夕雲「もっと近づいても……夕雲は怒りませんよ? うん?
怖がらないで……ふふ、仕方ない子♪ いいのよ……こっちから行くから……」トロ〜ン
最後に浦風。
浦風「提督、うちは何があっても提督の味方じゃけぇ、安心しんさい。
もし仕事がたいぎいかったら、うちを呼んでつかぁさい。ぶち癒したるけぇ」ニコッ
頼らせ、叱って、甘えさせて、包み込む。
ママ勢のナチュラルな連携プレー。雀鬼共のコンビ打ち、はたまた軍神の車懸りの陣か。
さすがの提督も、ありゃ勝てねぇ。
足柄「提督、固まってない?」
摩耶「甘やかされることに慣れてないんだろ、多分。
あの手のスレたガキは、親の愛情が足りてねぇからな。
しっかり甘えて、子供らしい幸せな時間をすごすといいぜ!」
駆逐艦たちにチヤホヤされる提督を見て、あたしは満足。
あの時は「良いことした」と思ってた。
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