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吸血娘「死なないハゲってさ、不老不死ってより不毛不死だよね」屍男「…」
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189 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/22(日) 22:05:49.55 ID:NOYNXeaSo
教祖「――――ハハッ」
教祖「私が惑わしている?いいや、違うな。我が兄弟たちは自ら望んで父や母の元に行こうとしているのだ」
教祖「我々はこの旅路を成功させなければならない。天の国への扉の鍵を開けるのが私の使命、天命なのだ」
吸血娘「…だーめだ。完全にぶっ飛んでるわ。聞くだけ時間の無駄だな」
吸血娘「もうさっさと終わらせて帰ろう」
屍男「…あぁ」チャキッ
教祖「待て、なぜ分からないのだ?今から我々が行う儀式はとても重要なものだ。この世界にとっても」
190 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/22(日) 22:06:38.59 ID:NOYNXeaSo
教祖「貴様達は勘違いをしている。これは自殺という罪深い行為ではない。天の扉を開く儀式だ」
教祖「肉体は滅びても、魂は天の国へと渡る。そこは楽園だ、慈悲深き父や母と共に永遠に生き長らえる」
教祖「扉を開けば、この世界にもその恩恵が溢れるはずだ。なぜ邪魔をする?」
屍男「…言ってることがよく理解出来ないが、確かなことが一つある」
屍男「お前は善人ではない。ただの異常者だ」
教祖「――――どうしても、私を殺すのか」
屍男「…お祈りの時間はもう済んだか?」
191 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/22(日) 22:07:33.71 ID:NOYNXeaSo
教祖「分かっていないな。私を殺しても何も止まらない。既に始まっているのだから」
教祖「私の死は終わりではない。先人達のように、この骸が、きっと彼らの旅路の道しるべになる」
教祖「後悔するだろう。いつか我が兄弟の爪と牙が、貴様達の肉を喰らい、抉るその刹那に、自分の愚かさを」
教祖「アーメ――」
バンッ!!!バンッ!!!
教祖「」
屍男「…」
吸血娘「終わったね」
192 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/22(日) 22:08:06.57 ID:NOYNXeaSo
吸血娘「最後にこいつ何か取ろうとしてたな、なんだこれ?」
屍男「…マイクじゃないか。恐らく校内に放送して助けを呼ぼうとしたんだろう」
吸血娘「人間くさいっていうか、小物っぽい最後だったな。結局は命乞いまでしてたし」
屍男「…早く撤収するぞ。銃声で人が来るかもしれん」
吸血娘「分かってるって…」
ヒラッ
吸血娘「…ん?何か落ちた?」
193 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/22(日) 22:11:04.96 ID:NOYNXeaSo
■■■■■■■■■■■■■■■■■■
1978 ○
1987 ×
1993 ×
1994 ×
1997 ×
2000 ×
To the next level.
■■■■■■■■■■■■■■■■■■
194 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/22(日) 22:11:51.08 ID:NOYNXeaSo
吸血娘「…なにこれ?」
吸血娘(数字と○×が書いてるけど…意味不明の暗号じゃん。まったく分からん)
吸血娘(…まあ深い意味はないか。頭のおかしいやつの部屋にあるだし、これを書いたのも頭がおかしいやつなんだろ)
吸血娘(早くここから出るかっ!気持ち悪っ!)
195 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/22(日) 22:12:45.31 ID:NOYNXeaSo
ブゥゥン
吸血娘「誰にも見つからなかったね。いやぁ楽な仕事だった」
屍男「...」
吸血娘「なんだどうした、暗いな。頭の輝きがなくなってるぞ」
屍男「…いや、これで良かったのかと思ってな」
吸血娘「なんで?依頼は成功したし、何も問題はないだろ」
吸血娘「私たちが関わるのはここまで、ここから先はあそこの信者が決めることだよ」
屍男「…そうだな」
屍男(あの教祖が最後に残した言葉…『既に始まっている』か)
屍男(…考え過ぎか)
196 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/22(日) 22:13:52.86 ID:NOYNXeaSo
今日はここまで
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/22(日) 22:24:34.28 ID:mEfK9MDaO
ハゲ弄りが素晴らしい
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/22(日) 22:33:55.31 ID:dm5DQTy1o
モンスターが普通に存在する世界だから神や精霊がいてもおかしくないよなと思う
199 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:29:56.23 ID:p4jNv8ryo
吸血娘「あー仕事疲れで腹減った。甘いものが食べたいな、トゥインキー食いたい」
屍男「…やめておけ」
屍男「以前、お前の食べ残しを食ったが…ハッキリ言って不味かったぞ。あれのどこがいいんだ」
吸血娘「なんで?美味しいじゃん。あの甘さが癖になる」
屍男「砂糖にハチミツとガムシロップと、砂糖水とチョコをぶちこんだような甘さだ。あんなの食べてるとすぐブクブク太るぞ」
吸血娘「ヴァンパイアは体型変わらないっての。あいつんところに報酬貰いに行った帰りに買ってきて〜」
屍男「…たまには自分で買ってこい」
200 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:30:55.32 ID:p4jNv8ryo
カランカラン♪
屍男「...」
魔女「おかえりなさい、どう?上手くやれた?」
屍男「…あぁ、殺してきたぞ。銃は返す」スッ
魔女「んー…弾は二発使ったのね。一発で仕留めなかったの?」
屍男「…初弾で頭に当てたが、用心してもう一発撃っただけだ。銃声は増えるが、もしもという可能性もあるからな」
魔女「へえ…様になってきたじゃない」
魔女「はい、今回の報酬よ。スペシャルってことでいつもより多めね」
屍男「…確認した」
201 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:32:09.12 ID:p4jNv8ryo
魔女「あ、そうそう。さっき言い忘れてたんだけど」
魔女「…どうやら同業者が姿を見られたらしくて、この町に狩人(ハンター)が来てるらしいのよね。当の本人はもう連絡つかないし、多分殺られちゃったみたいだけど」
屍男「…狩人?」
魔女「だから暫くは外出は控えてね。うちの店に来るのも一週間くらいは休んだ方がいいわ」
屍男「…待て、勝手に話を進めるな」
屍男「その…狩人というのはなんだ?」
魔女「あら?ドラキュラちゃんから聞いてなかった?」
202 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:32:44.94 ID:p4jNv8ryo
屍男「…初耳だが」
魔女「そう、じゃあ家に帰ったら尋ねてみるといいわ」
魔女「私よりも…あの子の方が詳しいと思うから」
屍男「...」
屍男「ということがあったんだが」
吸血娘「へー」
203 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:33:21.72 ID:p4jNv8ryo
屍男「一体どういう存在なんだ?狩人という者は」
屍男「…言葉通りに受け取るなら、大体想像がつくが」
吸血娘「その思い浮かべてるイメージであってると思うよ」
吸血娘「簡単に言うとアレだ。ブレイドとかサムとディーンとか、プレデターとかゴーストバスターズ系列のやつ」
屍男「…」
屍男「つまりは…怪物を狩る人間ということか?」
吸血娘「全員が全員、人間ってわけでもないけどね〜私みたいな人外もいるって聞くし」
204 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:34:18.22 ID:p4jNv8ryo
屍男「…なぜそんなことをするんだ?」
吸血娘「そりゃ金と名誉のためじゃないの?」
吸血娘「詳しくは知らないけど、私たちと同じシステムなんだと思う。依頼を受けて始末してるんじゃね」
吸血娘「まあこの点は正直、当然の権利だよね。こっちも人殺したり、迷惑かけてるやつらが大半なんだから文句は言えないよ。黙って殺られる気はサラサラないけど」
屍男(…あの女、あの時知っててわざと教えなかったな)
吸血娘「あいつらの特徴は…何でもありってところかな。殺すためなら文字通りにありとあらゆる手を使ってくるよ」
吸血娘「銃火器に刃物に爆薬、毒に格闘術に呪術…何でもありにね」
205 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:34:59.71 ID:p4jNv8ryo
吸血娘「私が戦ったやつもスパイ映画に出てきそうな道具使ってたし、どうやって作ってるんだか」
屍男「…その狩人とやらとやり合ったことがあるのか?」
吸血娘「うん、言ってなかったけ?今までに二人殺したよ」
吸血娘「まあそこそこ強かったね。私の力なら苦戦するほどの相手でもなかったけど」
吸血娘「でも…もしハゲがあいつらと対峙したら間違いなく死ぬだろうね。相性が悪すぎるよ」
屍男「…それほどなのか」
206 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:35:35.75 ID:p4jNv8ryo
吸血娘「あいつらってさぁ、普段から怪物だの人外だのを狩ってるから経験と知識が一番の武器なんだよね」
吸血娘「特に怪物ってのは弱点が共通してて、攻略法が確立してるからそこを攻められたら打つ手はないよ。いくら再生と怪力があってもね」
屍男「…弱点というなら、ヴァンパイアも似たようなものじゃないか」
屍男「創作でよくあるだろう。ニンニクだの、十字架だの、あれはどうなんだ」
吸血娘「あんなの全部嘘に決まってんじゃん。ばっかじゃないの」
吸血娘「弱点があるってのは否定しないけど、家系によって違うっての。それ以外の攻撃は霧化すればすぐ治るし」
吸血娘「そもそもヴァンパイアの弱点が全部本物だったらどんな虚弱生物だよ。タンスの角に小指ぶつけただけで死ぬわ」
207 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:36:36.45 ID:p4jNv8ryo
屍男「…俺よりもよっぽど不死身の化け物だな。向かうところ敵なしじゃないのか」
吸血娘「………」
吸血娘「…まあそうだね、うん」
吸血娘「と、とにかく狩人がうろついてるなら、しばらくは外に出ない方がいいよ。あいつらに見つかったら一発でバレるし」
屍男「…どこかの部位で怪物と判別しているのか?見た目はあまり普通の人間と変わらないんだと思うんだが」
吸血娘「私たちも善人と悪人をあるところで見極めてるでしょ?あいつらもそこを視て対象を判断してるんだよ」
屍男「――――あぁ、"眼"か」
208 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:37:56.00 ID:p4jNv8ryo
吸血娘「そう、この業界にいるやつなら相手の目を視るだけで正体も思考も感情も、力の強弱さえ分かる」
吸血娘「こっちも視たらすぐ理解るんだけど、あいつら普段から目を隠してるんだよね。サングラスとか眼鏡とか、最近はコンタクトでもいいみたいだけど」
吸血娘「だから基本的に襲われるこっちが不利ってワケ。日常的に目を隠してる用心深いやつなんて、慢心が強い怪物人外連中だと珍しいし」
吸血娘「それに加えて、怪物や幽霊だけはどうしても気配で気付かれちゃうんだよね。霊感ってやつで、これだけは元々死んでるからどうにもできないし」
屍男「…なるほどな。確かに相性は最悪だ」
吸血娘「まあ今はおとなしくほとぼりが冷めるまで待てばいいよ」
吸血娘「もう目撃されたマヌケは殺されたんでしょ?ならすぐ消えるでしょ。あいつら結構忙しいみたいだし」
209 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:38:52.29 ID:p4jNv8ryo
屍男「…そうだな。少し休業ということになるか」
吸血娘「私は今までと変わんないけどねぇ。外には仕事がある日か、近くのマーケットくらいにしか行かないし」
屍男「…俺も遠出はしてないが、さすがにもう少し日の光を浴びた方がいいと思うぞ。太陽が弱点というわけでもあるまいし」
吸血娘「だって人ゴミって苦手だし、太陽が昇ってると何か眠くなるんだもん。人間でもそういうタイプっているでしょ」
屍男「…そういうのをロクでなしと言うんだが」
吸血娘「うるせぇ!お前は髪なしだろうが!」バシーン
屍男「...」
210 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/23(月) 20:40:36.47 ID:p4jNv8ryo
今日はここまで
そろそろ書き溜めが少なくなって来たので更新頻度がちょっと遅くなるかもしれないです
あともう後半戦に入ってます
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 22:53:13.80 ID:SC/Iyzts0
面白い、乙
212 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:35:45.18 ID:tfaj1S6jo
▢▢▢▢ 一週間後 ▢▢▢▢
屍男「...」ポチポチ
吸血娘「なっ!このっ!」ポチポチ
屍男「…」ポチポチ
『K.O.』
吸血娘「んなァ!?」
屍男「…これで5連勝だ。俺の勝ちだな」
吸血娘「ちょ、ちょっと待て!なんで初心者に私が負けるわけ!?三日前までは圧勝してたのに!」
屍男「…お前がグースカ寝てる時に練習したからな」
吸血娘「ハゲのくせにセコいことすんな!」バシーン
213 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:36:29.97 ID:tfaj1S6jo
屍男「どこがセコいんだ。正攻法だろうが」
吸血娘「あームカつく!クソゲーじゃんこれ!こんなので勝って何が嬉しいの!?現実だと私の方が強いのに!」
吸血娘「だからお前はハゲなんだよ!髪がないのは性根も毛根も腐ってる証拠だ!」
屍男「…自分もこの前は初心者狩りして嬉々としてただろ」
吸血娘「よっしゃ!もう一回…次のゲームはこれだ!これなら絶対に負けない!」
屍男「…いいぞ、付き合ってやる」
214 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:37:22.04 ID:tfaj1S6jo
『K.O.』
吸血娘「ちょっと待て」
吸血娘「なんで私が負けるんだよ。このゲームなら間違いなく私の方がやりこんでるはずなのに」
屍男「…お前のことだ。自分が勝てないと分かったらすぐに別のゲームで勝負を挑んでくることは読めたからな」
屍男「このゲームも既に予習済みだ」
吸血娘「ざけんなハゲエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!!!!」ドンガラガッシャーン
吸血娘「もういいわ!寝る!死ねハゲッ!」ダッ
バタン
屍男「…」
屍男「…やり過ぎたか」
215 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:38:24.26 ID:tfaj1S6jo
屍男「少々からかってやろうと思ったが…あの怒り方はしばらく根に持つな。一週間は口を利かないつもりだ」
屍男「特にこれと言って困ることでもないが…引きずられるのも気分が悪い」
屍男「…世話が焼けるな」スッ
コンコン
屍男「…おい、今から買い出しに行くが何か欲しいものはあるか?」
『.........』
屍男「あれからもう一週間だ。そろそろ外に出ても問題はないだろう、冷蔵庫の中も切れてきたしな」
屍男「何もいらないならそのまま行くが」
216 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:39:03.05 ID:tfaj1S6jo
『...アイス。でかいバケツに入ってるやつ』
屍男「…分かった。味は何だ?」
『チョコ』
屍男「チョコアイスか。じゃあ買ってくるぞ」
『…早く買って来いよ。今すぐ食いたいんだから』
屍男(…食い物に釣られてくれるのは楽でいいな)
217 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:40:23.70 ID:tfaj1S6jo
………………………………………………………
…………………………………………
屍男「...」スタスタ
屍男(…時刻は1時か。思ったより時間がかかったな)
屍男(20分以内に戻らないといつも文句垂れるからな。ついでにピザも買っていくか)
スタスタ スタスタ
屍男「」ピクッ
スタスタ スタスタ
屍男(…背後から足音が一つ、まさか…尾けられている?)
218 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:41:01.68 ID:tfaj1S6jo
屍男(偶然か?少し歩幅を変えてみるか)
スタスタ スタスタ
屍男「…」
屍男(…黒だな、間違いない。俺を追っている)
屍男(こんな真夜中だ。一人でいるところを狙った強盗か、それとも...)
屍男(…考えても仕方ない。今は最悪の状況を想定して動くべきだ)
屍男「」ダッ
『...!』バッ
219 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:41:48.97 ID:tfaj1S6jo
ダダダダッ
ダダダダダダダダッ
屍男(…ここら辺でいいか)
屍男「…もういいだろう。追いかけっこは終わりだ」クルッ
『...』
屍男「隠れていないで出てこい。俺に何の用だ」
『…フーッ』スッ
『まさか自分から人気の少ない場所に移動してくれるとはな。これならやりやすくて助かる』
『あのクソガキが言った通り、まだ獲物が残っているとは思わなかった。これも神の思し召しってやつか』
屍男(…日はもうとっくに落ちてるのにサングラスか)
220 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:42:46.79 ID:tfaj1S6jo
屍男「…確認したい。お前は狩人か」
『あぁ…もしかしてお宅、俺らとやり合うのは初めてか?』
『こいつはツいてるな、知ってるか?怪物の初戦生存率は30%だ。そのうちの20%は逃亡、そして10%が狩人を返り討ちにしてる』
『つまり70%が俺らに殺されてるってことだな。大体三分の二だ』
屍男「...」
『こちらも十分の一で殺されるリスクはあるが、大体はイレギュラーだ。一般人を人質に取られたり、新人の初陣だったりな』
『まあ結局何が言いたいかってことだが…』スチャッ
221 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:43:42.34 ID:tfaj1S6jo
傷男「お前さんはここで死ねってことだ」
ゾクッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!
屍男「...ッッ!?」ビクッ
屍男(な、なんだ…今のは…背筋に何かが)
屍男(こんな経験は初めてだ…やつがサングラスを取った瞬間に、警戒信号のようなものが出た…本能的に恐れているのか)
屍男(…目を視れば理解るというのはこういうことか。油断したな…まさかこんなところで、しかも単独で狩人に遭遇するとは)
屍男(―――――最悪の状況を想定する、か)
222 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:44:34.53 ID:tfaj1S6jo
フッ
吸血娘「え?」キョロキョロ
吸血娘「な、なんだ…何か…感じたような。気のせい?」
吸血娘「それにしてもハゲ遅いな。もうとっくに帰ってきてる時間なんだけど」
吸血娘「...」ブルッ
吸血娘「トイレ行こ」スタスタ
223 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/24(火) 22:45:35.00 ID:tfaj1S6jo
今日はここまで
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/25(水) 01:06:31.32 ID:NiFm2FeeO
K.O.まで禿げてるなんて…
乙
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/25(水) 05:31:12.64 ID:57C1pXjW0
乙
良いとこできるねぇ
226 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:44:22.65 ID:pcLh4ORuo
傷男「俺も悪魔じゃない。大人しく抵抗しないのなら、楽に逝かせてやるよ」
屍男「…ッ!」グッ
傷男「そうか、交渉決裂か。まあ端っからそんなクソみたいな期待はしてなかったけどな」
傷男「精々足掻けよ、もう一度死ぬまでな」チャキッ
屍男(拳銃ッ…だがなんだ、この奇妙な感覚は)
屍男(今までに幾度も突き付けられたことはあったが、それらのとは明らかに違う…異様な存在感だ。目が離せない…!)
傷男「…」カチッ
バンバンッ!!!!!!!!
227 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:45:44.93 ID:pcLh4ORuo
屍男「ぐっ…!」ダッ
屍男(いつもなら…銃弾を受けていた。そして弾切れになったところを攻めた)
屍男(だが今回は違う。目の前にいる男は俺の存在を、弱点を知り尽くしているはずだ…それにあの銃には絶対に何か仕掛けがある。ここは迂闊に手出し出来ない)
屍男(…携帯があったら、連絡を取れたんだがな。普段から持ち歩くべきだった)
傷男「…姿を隠したか」
傷男「正面から突っ込んでこなところを見ると、頭が足りない馬鹿じゃないらしいな。既に自分が劣勢になっているのを理解したか」
傷男「だが詰むのは時間の問題だ。怪物って時点でもう勝敗は決している」チャキッ
228 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:46:37.54 ID:pcLh4ORuo
バンッ!!!!!バンバンッ!!!!!!
屍男「フーッ…フーッ...」ハァハァ
屍男(…やはり逃げ切るのは無理か。このまま背を向けて逃げるのもリスクが高い)
屍男(この闇に乗じて、どうにかしてやつに一撃を入れなくては…一撃だけでいい)
屍男(狩人と言っても、耐久力だけは普通の人間と変わらないはずだ。俺の腕力ならかするだけでも致命打になる)
屍男(…だが、相手は飛び道具を持っている。問題はどうやって近付くかだな)
傷男「鬼ごっこの次は隠れんぼか。いい加減にお遊びは辞めだ」ピンッ
傷男「…行くぞ」ポイッ
229 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:48:00.49 ID:pcLh4ORuo
キンッ
屍男(…なんだ?甲高い金属音が落ちた音がした。何かを投げたのか?)チラッ
キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!
屍男「!?ッッッッ!!!!!!?!?!?」ビクッ
屍男(なッ…この音はッ…あ、頭が割れ…!)グラッ
傷男「見つけたぞ、そこか」チャキッ
屍男「あグッ…ぐォォッ…」フラフラ
屍男(防御を…間に合わ―――)
230 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:48:35.45 ID:pcLh4ORuo
バンバンッ!!!!!!!
屍男「ガァッ!?」ズドンッ
屍男(ぐあっ…こ、これは…痛み!?)
屍男(や、やはりただの銃ではない!グッ…このままだと不味い!)
屍男「ウ……アアアァ……」ヨロッ
屍男「オオオオオオオオアオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!」ダッ
傷男「…っ!」ドンドンッ
屍男(傷は戦いの後で癒せばいい…!腕や足の二三本は失っても…今、ここでやつを倒さなくては)
屍男(これ以上長引くとこちらが圧倒的に不利だ…速攻で終わらせる!)
ドンドンッ!!!!!!!
屍男「ウグッ!?アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!」グンッ
231 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:49:47.64 ID:pcLh4ORuo
傷男(おいおいおい、もう十発は撃ち込んだぞ。これでも止まる気配なしか)
傷男(クソみたいにタフなやつだな…ここまでのやつは初めてお目にかかったぞ)
傷男(…まあいい。そこまで殴り合いがしたいなら受けてやるか)スッ
傷男「…!」チャキッ
屍男「アアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!」ブンッ
傷男「…っ!?」サッ
ブオンッ!!!!!!!
傷男(うおっ、空を切っただけでなんつー風圧だよ。まともに当たったら骨が折れるどころじゃないぞ)
屍男「ッッッッッ!!!!!」ブンッ
232 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:50:51.60 ID:pcLh4ORuo
傷男(なっ!?足技っ...)
傷男「ぐおっ!?」ダンッ
屍男「ダアッッッ!!!!」ブンッ
傷男(こ、こいつ…ただ力を振り回してるだけじゃない。よく考えている。それも中々いい動きしやがる)
傷男(だが…何か違和感があるような気がするが…アホか、殺し合いの最中に何余計なこと考えてるんだよ、クソが)
傷男(とにかくこのままだとヤバいぞ。体格、身体能力の差もそうだが、格闘センスは間違いなくこいつの方が上だ。一発当たるだけでも死に繋がる)
傷男(ナイフだけじゃどうにもなんねえなこれ。いくら何でもこの猛攻を掻い潜って刺すのは無理だわ)
傷男(…"リング"を使うか)
233 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:52:15.19 ID:pcLh4ORuo
屍男「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッ!!!!!!」ダンッ
傷男「…っ!」ダッ
屍男(退いたっ…このまま押せば行けるっ…!)
傷男「オラッ!!」シュンッ
屍男「ッ!」グサッ
屍男(構えていたナイフを投げたか…追い詰めたぞ、あと一歩踏み込めば…入るッ!!)
ダンッ!!!!
傷男「」キュポンッ
傷男「…!」ブンッ
ビシャッ
屍男「!?」ビチャッ
234 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:53:10.92 ID:pcLh4ORuo
屍男(な、何を、ボトルに入った液体をかけられたのか…?)
屍男(…あのボトルを見た瞬間に、一瞬だが背中に嫌な感触があった。これは――――)
屍男「」ピクッ
屍男「ッッッッッッッッ!?!??!?!!!!????!?」ビクッ
屍男「ぐがアッ…!!ガグッ!!??」ピクピク
屍男(が…体が灼け、溶け…あ、熱い!!)
屍男(あ、あの液体は酸か!?グゥッ…ギィ…!あ、足が動かなっ)
235 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:53:53.45 ID:pcLh4ORuo
傷男「」ダッ
屍男(まずイッ...もう一本のナイフを…防御が出来ないっ...)
屍男(ギリギリで避けるしか、間に合ッ...)
スッ
傷男「...」チャキッ
屍男「ぐウッ!?」ツゥー
屍男(か、紙一重で躱せた…どうにかして次の攻撃に備えなくては)
キンッ
屍男(…?この音はさっき聞いた金属音と同じ…真下から…)チラッ
236 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:54:48.71 ID:pcLh4ORuo
『』
屍男(…これはリングか?なぜこんなものが落ち…)
屍男(!!!!!!!しま――――)
ドッカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!!!
傷男「ふぅ、どうにか引っ掛かったか。さすがにあの至近距離での爆発だ。半分は間違いなく吹っ飛んだな」
傷男「だが…リングを使わされたのは不味かったな。いくら人通りが少ないと言ってもあの爆発音だ」キョロキョロ
傷男「誰かに通報されてもおかしくねえな。ここからだとサツが来るまで5分ってところか」
傷男「…余裕で間に合うな」
237 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:55:27.90 ID:pcLh4ORuo
モクモクッ…モクモクッ…
傷男「…ん?」
傷男「死体がない…だと?全部吹き飛んだか、死んで灰になったか」キョロキョロ
傷男「…それともあの手負いで動けるのか」
傷男「…はぁ、間違いなく生きてんなこれ。死臭がしねえわ」クンクン
傷男「しかし十数発の弾丸に聖水ぶっかけて、しかも肉体を爆弾で吹き飛ばしても動けるとか…怪物の耐久の域を超えてるぞ」
傷男「とんでもねえ執着心だ。生前の面を拝みたいほどにな」
傷男「もしこれ以上の隠し玉を持っているとしたら…一人だと厳しいか」チラッ
238 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:56:12.49 ID:pcLh4ORuo
ビチャッ…ビチャッ…
屍男「ヴァッ…ギャッ…」ビチャビチャ
屍男(あ、あの接近した一瞬に…俺に手榴弾を仕掛けたのか)
屍男(グッ…胴体の六割、頭は三割が吹き飛んだ…それに加えて酸のような液体の攻撃、這いずるだけで精一杯だ…!)
グチャッ…ビチュッ…
屍男(再生が遅い…このままだと時間の問題か)
屍男(――いや違うな…ここまでだ。もう…終わりだ)
屍男(俺は…ここでやつに殺される)
屍男(逃れられない結果だ。打つ手がない)
239 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:57:30.36 ID:pcLh4ORuo
屍男(既に意識が遠くなってきた。これならもう数十秒もたたないうちに…
屍男(…後悔はない。どうせ一度は死んでるんだ)
屍男(偶然に与えられた命だ。元から価値なんてない…やるだけやったんだ、それでいい...)
屍男(…この半年の間はあいつのおかげで退屈はしなかった…最後に、礼を言いたかったが…お前は長生きしろ、よ)
スゥ
屍男(…あぁ、視界が、暗く、黒く、闇――――――死)
ズキッ
240 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 22:58:51.06 ID:pcLh4ORuo
……………………………………………………………………………
………………………………………………………
……………………………………
『アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!!!!!』
「怪物は死を実感しながら死ぬとなりやすいって言われてるわ」
『痛ェェェ!!!!!!痛アアアアアアアアアアアアアアアアアイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!!!!』
「自分の過去とか気にならないの?親とか、友達とか」
『殺スゥゥゥッッッ!!!!!!ゼーッテェー殺スウゥゥウゥゥッッッッ!!!!!!』
「大抵は未練やら後悔やら、何か思い残したことが起因になって蘇ってるわけだし」
241 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:00:06.76 ID:pcLh4ORuo
ザッ…ザザッ…ザァー…
ザザザザザ……
『逃げ…ッ…ろ……』
プツンッ…
242 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:00:48.87 ID:pcLh4ORuo
ドクンッ…
ドクンッ…
ドクッ…
シュルッ…
シュルルルルルルルル……
243 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:01:22.12 ID:pcLh4ORuo
カンッ
傷男(物音っ...)クルッ
グチャッ…
グチャッ…
スッ…
屍男「」
傷男(やはり生きてやがったか。だがもう虫の息だ)
傷男(肉体が再生しきっていない…皮と骨と、ほんの少しの肉しかないクソガリだ。これで終いに)
傷男(…ん?)
244 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:02:06.95 ID:pcLh4ORuo
屍男「」
傷男(…なんだ?あいつ、あんなに図体がデカかったか?)
傷男(俺より身長は少し高いくらいだったはずだ。だが今は…前と比べると30、いや40インチは伸びてやがる)
傷男(この期に及んで肉体の変化...)
屍男「」ザッ
屍男「」ザッ
屍男「」シュンッ
傷男「!?」ビクッ
傷男(消えッ…いや違う!移動した!残像が僅かにだが見えた!どこにっ...)
245 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:03:15.30 ID:pcLh4ORuo
屍男「」フッ
傷男(後ろ――――)サッ
グシャアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!
傷男「ぐわっ!?」ズサー
傷男(あ、あぶねぇ、今のは完全に運頼みの勘だった…あのスピードは驚異的だ。一度や二度見た程度だと追いきれねぇ)
傷男(まさか…肉体の変化はこの速さになるための形態か?)
傷男(再生が追い付かないだけかと思ったあのズタボロの姿も、体重を軽くして最高速で動けるように...)
傷男(おいおいおいおい、想像以上にこれは)
246 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:04:12.66 ID:pcLh4ORuo
屍男「」グッ
傷男(追撃が来るッ…どうする?迎撃か、回避か)
傷男(…それともアレを使うか?…ナシだな、あれは完全に俺の手に負えないと判断した時に使う作戦だ。それにこいつとは相性が悪い)
傷男(足が速いヤツなら何度も相手にしたことがある。それと同じだ…落ち着けば十分に渡り合える)
屍男「」シュンッ
傷男(消えたッ…!勝負は一瞬だ、あいつの攻撃を避けると同時に弾をありったけぶち込む)
傷男(あの容姿を見るに、防御はもう完全に捨ててるからな。クソ同然の耐久力だ。少しでもダメージを受ければそれでチェックメイト…)
247 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:05:21.20 ID:pcLh4ORuo
チッ…チッ…
傷男(…どうした?姿を消してから4秒は経った…さっきは一瞬で俺の背後を取ったのにあまりに長過ぎる)
傷男(…あいつのタイプは純度100%の怪物型のはずだ。霊体になれるなら、もっと早くに使ってる)
傷男(それとも逃げたか…いや待てよ?タイムラグがある地上の攻撃方法…)
傷男「…まさか」クイッ
屍男「」ヒュゥゥゥゥッゥ
傷男(―――――上からか!!!!!!!)バッ
ズドォォォォォォォン!!!!!!!!!!
248 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:06:40.01 ID:pcLh4ORuo
傷男(どんな跳躍力だよ!?6秒は滞空してたぞ!一体どこまで飛んでやがった!)
傷男(だがこれで終わりだ...今のやつは腕が地面に食い込んでる状態、隙だらけだ)
屍男「」ググッ
傷男(あばよクソ野郎、地獄で先に待ってろ)チャキッ
屍男「!!!!!!」ブオンッ
ズドドドドドドドドドドッッッッ!!!!!!!!
傷男「!?」
傷男(なっ…地面を抉ってそのままアッパーだと!?クッ…最後まで往生際が悪いッ!俺が撃つ方が速いッ!)
傷男(死ねィ!)カチッ
シュンッ
ドンッッッ!!!!
249 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:07:44.16 ID:pcLh4ORuo
屍男「」ズドンッ
傷男(…当たった)
傷男(コンマ一秒の差で俺の勝ちみたいだな。中々肝を冷やされたぞ)カチッ
傷男(…あ?)スッ
傷男(…ん?待て、なぜ一発しか当たってない?俺は全弾撃ち尽くすつもりで引き金を引いたはずだ)
傷男(………そもそもなぜ俺の手に銃がないんだ)
屍男「」クラッ
屍男「」グッ
傷男(……まさかこいつ)
250 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:09:09.47 ID:pcLh4ORuo
傷男(あのアッパーは殴る為じゃない。俺に銃を握らせるためのフェイク)
傷男(本当の目的は...)チラッ
屍男「」スッ
屍男「」チャキッ
傷男(なぜ、お前が――――!)
屍男「...」
251 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:10:16.82 ID:pcLh4ORuo
傷男(や、やられたッ!あいつ…一瞬の隙をついて俺の手から銃を奪いやがった!!)
傷男(まずいまずいまずい、あと一秒もしないうちにやつは引き金を引く!腰にはもう一丁、予備の拳銃があるが間に合うかッ!?)
傷男(…間に合うわけねーか。んな一瞬で抜いて撃つなんて西部劇じゃあるまいし、確実に間に合わない)
傷男(…油断した。まさかジョーカーを握ったまま死ぬとはな。マヌケにもほどがあるぞ)
傷男(あーあ…走馬燈まで出てきやがった。死ぬ寸前になると時間がゆっくり感じるってマジだったんだな。今まで死線はいくつもあったが、初めての経験だ)
屍男「...」
傷男(…つーか、いくら何でも遅く感じ過ぎるだろ。こいつもいつまで構えてんだよ、さっさと撃てよ)
252 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:11:37.06 ID:pcLh4ORuo
傷男(ハハッ、まさか撃ち方を知らなかったりしてな。そうなったら一発逆転出来るんだが…さすがに今の状況だと猿でも撃つか)
傷男(しかし本当に時間がゆっくり流れてるな。この一瞬に体が動けばどれだけ楽か)ピクッ
傷男(…動くぞ)
傷男(…腰のホルスターの手を伸ばす)
スッ…
傷男(…安全装置を外して拳銃を構える)
チャキッ…
傷男「…そして、撃つ」カチッ
ドンッ!!!!!!!
屍男「」ズドンッ
傷男「…は?」
253 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:13:00.31 ID:pcLh4ORuo
屍音「」バタッ
屍男「」ピクピクッ
傷男「...」
傷男(…ど、どうなってやがる。俺の反射神経が死ぬ寸前に限界でも超えたのか?)
傷男(それとも―――――)
屍男「」ピクッピクッ
スタスタ
傷男「…」
傷男「…てめぇがどんなやつかは知らないが、怪物を狩るのが俺の仕事だ」チャキッ
傷男「…じゃあな」
254 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:13:48.52 ID:pcLh4ORuo
スゥゥゥゥゥゥッ.........
傷男「…霧?」ピクッ
傷男「…ッ!?」クルッ
「やっと見つけた…」スタスタ
「まったく…手間かけさせやがて」スタスタ
255 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:14:54.16 ID:pcLh4ORuo
スゥゥゥゥゥゥッ!!!!!
吸血娘「...」バサァ
傷男(…新手か)
吸血娘「…!」ギロッ
傷男「!?」ビクッ
傷男(こ、こいつの眼は…怪物なんて生優しいもんじゃねえぞ。間違いなく強いっ…!)
屍男「」ピクピクッ
吸血娘「…良かった。まだ息はある」
吸血娘「待ってろ、すぐに終わらせてやる」
256 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/25(水) 23:15:25.18 ID:pcLh4ORuo
今日はここまで
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/25(水) 23:20:24.82 ID:npCDEJBso
乙
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/25(水) 23:21:08.55 ID:INFjCzudO
乙。って続きが気になって眠れんのだが
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/25(水) 23:22:48.06 ID:7FalLNjVo
乙。頑張れハンター
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/26(木) 10:16:03.73 ID:jW21oYxAo
頑張れハゲ
261 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:28:40.84 ID:Zw6ntVHno
傷男(…間違いなく出来る。今まで出会ったやつらの中でも群を抜いてるぞ)
傷男(まさかこんな大物とご対面するとは…さすがに一人だと荷が重いな。つーか正面でやり合う相手じゃねえよ、絶対無理だわ)
傷男(…どうやら切り札を使う時が来たな。こういう不測の事態に備えておいて正解だった)
吸血娘「…」スタスタ
傷男「…ッッ!!!」チャキッ
バンバンッ!!!!!!!
吸血娘「...」スゥ
262 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:29:59.51 ID:Zw6ntVHno
傷男(弾が貫通した!?霊体化しているのか、実体が存在しないのか)
傷男(とにかく隙を作らねえと。アレの一撃は人外だろうが幽霊だろうが関係ないからな。当たりさえすれば確実に葬れる)
傷男(もう目立つとかそんなこと言ってる暇はない。こっちも手段は選ばねえぞ)
傷男「ッソラッ!」ポイッ
吸血娘「…」
ピカァッッッッ!!!!!!!!!
キーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!!!!!!!
263 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:32:03.26 ID:Zw6ntVHno
傷男(五感への直接攻撃はやつらの対抗策としては一番だ。どんな強靭な肉体や能力を持っていたとしても、この攻撃は防ぐのは不可能と言ってもいいからな)
傷男(これでやつの目と耳は封じた…後は任せたぞ。出番だ)ピッ
『.........!』ダッ
吸血娘「……閃光か。ん」ピクッ
吸血娘「…あと5秒」
傷男(4…)
吸血娘「…3」
傷男(2!)
吸血娘「…1」
264 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:32:53.54 ID:Zw6ntVHno
『神は我が砦、我が強き盾。破れることなし』フッ
吸血娘「…っ!?」クルッ
修道娘「主よ!どうか我が手に戦う力を与えたまえ!!」シュゥ
吸血娘「…!」
傷男(決まったッ!!これでッ…)
265 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:33:45.99 ID:Zw6ntVHno
修道娘「…っ!?」フラッ
吸血娘「…」
修道娘「」バタッ
傷男「…は?」
吸血娘「…不意打ちはいい作戦だった。最初から二人で戦うより、敢えて伏兵を忍ばせておけば、相手は敵は一人だと完全に思い込む」
吸血娘「で、隙が生まれたところを後ろからズドン。でも残念…こんな体温が高い人間を見逃すわけないでしょ?」ニヤァ
ゲシッ
修道娘「」
傷男「…っ!?」
266 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:35:20.50 ID:Zw6ntVHno
傷男(な、なぜ最初からこちらが二対一だと分かっていた…!感知能力を持っていたのか!?)
傷男(いやそれよりも…どうやってクソガキを倒した?何も見えなかった。ただやつに攻撃を当てる瞬間に何かが起こったことは確かだ。何か...)
傷男「…...」チラッ
修道娘「」
傷男(…恐らくまだ死んでない。外傷がないところを見ると、精神的な攻撃か毒か…)
傷男(…間に合うはずだ、まだ...)
傷男「…ッッッ!!!!」チャキッ
267 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:36:08.61 ID:Zw6ntVHno
吸血娘「あぁ、まだやるんだ、仲間が倒されて、独りになっても」
吸血娘「でも残念、もう終わってるんだよ。お前たちの負けだ」
傷男「…は?何を言って」
フラッ
傷男「!?」ピクッ
傷男「な、んだ…これ……」
傷男(や、やべぇ…意識が堕ちッ…何をされた...?)
268 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:36:56.30 ID:Zw6ntVHno
プーーーーーーーーーーン
傷男(…?い、一瞬…耳元で、何かが聞こえ…...)
傷男(ま、まず…目が開けられなっ――――)
傷男「…ク……ソが……...」バタッ
傷男「」
吸血娘「…雑魚が」
屍男「……終わ…ったのか」フラッ
吸血娘「!?」ビクッ
吸血娘「お、おい大丈夫か!ハゲ!お前めっちゃボロボロだぞ!」
269 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:37:48.39 ID:Zw6ntVHno
屍男「…あ、あまり無事とは言えんな。喋るの、も…きつい」
吸血娘「お、おう...でも生きてるんだな。鏡で自分の姿見た方がいいぞ。正直、私でも吐きそうなぐらいグロくなってる」
屍男「そ、そうか…それよりも...」チラッ
修道娘「」
傷男「」
屍男「…勝った、のか?」
吸血娘「うん、楽勝」
270 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:38:51.99 ID:Zw6ntVHno
屍男「…気絶しているのか。ということは...」
屍男「そうか。アレを…使ったのか」
吸血娘「そう、私の切り札にして―――眷属」
プーーーーーーーーーーン
ピタッ
蚊『』
吸血娘「モスちゃんをね」
271 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:39:42.48 ID:Zw6ntVHno
吸血娘「この子のおかげでもう一人の狩人がどこにいるのかも察知出来たし、私の血をあいつらに注入することで意識を奪うことができた」
吸血娘「まったく…ヴァンパイアの眷属が蚊ってのはちょっとアレだけど、人を殺すのにこれ以上の便利なモノもないよ。まさに人類の宿敵だね」
屍男「…あぁ、そうだな……グゥッ!?」ビクッ
吸血娘「ちょっっ!ほ、本当に大丈夫!?肩貸そうか?」
屍男「いや…いい。一人で立てる…クッ……」グッ
屍男「それにお前では…俺の体重を、支えることは出来ないだろうしな」
吸血娘「…そこまで憎まれ口を叩けるなら問題ないね。心配して損した」
吸血娘「…さて」チラッ
272 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:41:03.84 ID:Zw6ntVHno
修道娘「」
傷男「」
吸血娘「あの狩人共を殺して終わりにするか。私の、ヴァンパイアの血は人間には猛毒だけど、殺すまでには至らないからね」
吸血娘「まったく…まさかまだ町にいるなんて。早く出て行けば長生きできたのに」
屍男「…よく俺がここで戦っていると分かったな。家からはかなり離れているはずだが」
吸血娘「あぁ…それね」
273 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:42:00.28 ID:Zw6ntVHno
吸血娘「なんていうか…虫の知らせみたいなのを感じたんだよね。ハゲの帰りも遅かったし、ちょっと心配になって探しに行ったんだ」
吸血娘「そしたら向こうの方から爆発音が聞こえて、モスちゃん達がここを見つけて急いで駆け付けたってわけ」
屍男「…そうか。今回ばかりは本当に助かった」
屍男「お前がいなかったら…間違いなく俺は死んでいたからな。礼を言う」
吸血娘「…!」カァ
吸血娘「そ、そんな真面目な顔するなよ!照れるだろ!」
吸血娘「あーもう!早く殺して帰るぞ!私はチョコアイスが食べたいんだからな!」スタスタ
屍男「…あぁ、そうすると」
屍男「…ッ!」ズキッ
274 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:42:42.45 ID:Zw6ntVHno
修道娘「」
吸血娘「…勿体ないな。食べ頃だし、いつもなら血を吸いたいところだけど…狩人の血を飲むのはちょっと危ないからな」
吸血娘「…悪く思わないでよね。この世界は負けた方が悪いんだから」シュッ
ガシッ
275 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:43:23.22 ID:Zw6ntVHno
吸血娘「…?」
修道娘「」
傷男「」
屍男「...」グッ
276 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:43:58.46 ID:Zw6ntVHno
吸血娘「…ちょっとハゲ、何で私の手を掴んでるの?殺せないんだけど」
屍男「...」
吸血娘「あ、もしかして肉が食いたいの?やめときなって、狩人の体は全身が武器みたいなもんだから、どこにどんな仕掛けがあるか分からないんだよ」
吸血娘「聖水を飲んで力を増強してるやつもいるって聞くし、怪物のお前が食べたら最悪死ぬかもしれないんだぞ。だから―――」
屍男「…違う、そうじゃない」
屍男「こいつらを殺すのは…よそう」
吸血娘「………は?」
277 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/26(木) 23:46:30.79 ID:Zw6ntVHno
今日はここまで
実は最初は吸血娘と執事の蚊の話にしようと思ったんですがいつの間にかハゲが出てきました
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/27(金) 00:41:24.07 ID:hDmu8YZnO
ハゲを見かけたら10匹いると思えって言うしね
乙
279 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/27(金) 20:11:47.11 ID:3iWUpKkco
ごめんなさい今日は更新出来ないです
大体あと二回分の投下で終わると思うのでハロウィンには完結すると思います
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/28(土) 03:05:33.23 ID:KLKPZGXBo
乙
楽しみだったから短く感じるなぁ
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/28(土) 14:20:53.39 ID:ljV6t1OAO
別の作品とか書いたことある?
あるなろ見たい
282 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 22:59:14.85 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「ちょ、ちょっと…自分が何言ってるか分かってんの?頭大丈夫?」
吸血娘「こいつらを殺さないって…意味分かんないんだけど」
屍男「…」ギュッ
吸血娘「い、いいから早く離せよ!今ここでこいつらを殺さなかったらどうなるか分かってんの!?」
吸血娘「こっちは二人とも顔見られてんだぞ!それに住処もバレてる!いくら私が強くてもカバー出来る範囲は限界がある!」
屍男「…殺さなくても、お前には記憶を消す力があるだろう」
屍男「それを使えば…」
吸血娘「バカ!そんなの通じるのは一般人だけだ!こいつら狩人は普段から私たちの存在を知っているんだぞ!!」
283 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:00:01.61 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「記憶を消すって言っても完全に消えるわけじゃない…鉛筆で書いた文字を消しゴムで消したように、どうしても跡が残るんだ!こいつらは絶対にすぐ思い出す!そしたらどうなるかぐらいお前でも分かるだろ!」
屍男「…分かっている。もしこの狩人を生かしていたら…俺達の未来は破滅しかないだろう」
屍男「だがそれでも…俺は殺せない。殺させない」
吸血娘「だっ…だから!さっきから意味分かんないって言ってるだろ!?なんで殺さないんだよ!?何か考えでもあるの!?」
屍男「…」
屍男「…俺が今まで殺してきたやつは悪人ばかりだった。どいつもこいつも、その瞳は欲望に塗れて、他者を傷付けることに何も躊躇はしないクズばかりだ」
屍男「だが…この二人は違う。こいつらは…悪人じゃない。目を見て分かったんだ」
284 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:00:59.85 ID:X1cgnwtdo
屍男「…こいつらの瞳には確かに正義があった。クズとは違う…他者のことを守ろうとする正義が」
屍男「狩人の本質というのは…そこから来ているんだろう。自らの命を危険に晒してでも、異形の者に立ち向かう…人々の為にな」
屍男「…俺は、そんなやつらを殺すことなんて出来ない。むしろ尊敬に値する存在だと思う」
吸血娘「ハァっ!?お前本格的に頭おかしくなったんじゃないのォ!?」
吸血娘「確かにこいつらはいつも仕事で殺してるやつらとはちょっと違うけどさ、お前を本気で殺そうとしてたんだぞ!!」
吸血娘「そんなやつらをノコノコ生かしておくつもり!?いつかまた絶対襲ってくるぞ!!!」
285 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:02:26.55 ID:X1cgnwtdo
屍男「…それでも、俺には無理だ。理解してくれとは言わない…自分でも支離滅裂だと思う」
吸血娘「っっ…!!」
吸血娘「も、もういい!お前は多分、殺されかけて頭の回路がおかしくなってるんだ!」グイッ
吸血娘「どけ!私が力ずくでもそいつを殺す!!!!!」グッ
屍男「…すまない、それを見逃すわけにはいかない」スッ
吸血娘「…ッ!?」
吸血娘「わ、分かってんの!?そいつらの前に立つってことがどういうことか…!」
286 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:03:20.37 ID:X1cgnwtdo
屍男「…あぁ、分かっている」
屍男「例え…お前と敵対することになっても、この狩人は殺させはしない」
修道娘「」
傷男「」
吸血娘「……...」
吸血娘「…な、なんでだよ。私は…ハゲを助けたんだぞ」
吸血娘「わ、私の身より…その狩人の命の方が大事なの...?」
屍男「...」
287 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:04:16.92 ID:X1cgnwtdo
屍男「…お前とこの二人の命、どちらかを天平に描けるとしたら俺は間違いなくお前を選ぶ」
屍男「だが…今はどちらの命も助かるんだ。なら…俺はこの道を選ぶ」
屍男「…許してくれ、どうしても譲れないモノがあるんだ。それが何かは分からないが…これだけは守りたい」
吸血娘「…」
吸血娘「…もういいよ、話しても無駄だ」
吸血娘「私はそいつらを殺す、お前が何を言っても…それだけは聞けない」
288 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:05:45.99 ID:X1cgnwtdo
屍男「…ッ!!」グッ
吸血娘「ッッッ――――!!!!!」ダッ
ウーウー ウーウー
吸血娘「…!?」ピクッ
吸血娘「こ、このサイレンは…!」
289 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:06:26.34 ID:X1cgnwtdo
屍男「…どうやら、あの爆発音に寄ってきた者は他にもいたようだな」
屍男「もうすぐそこまで警察が来てる…時間切れだ」
吸血娘「…チッ!」スッ
スゥゥゥゥゥゥッ…
屍男「…霧になって帰ったか」
屍男「…」チラッ
290 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:07:17.47 ID:X1cgnwtdo
修道娘「」
傷男「」
屍男「……...」
屍男「…俺は」
「おい!そこで何をしている!!」
屍男「…!」ダッ
「待て!!!!逃げるな!!!!」
291 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:08:49.27 ID:X1cgnwtdo
ダダダダダダダダッ!!!!!
屍男「ハァッ…!ハァッ…!」ダダッ
屍男(…あの時)
屍男(爆弾で吹き飛ばされ、意識が飛びそうになった瞬間に…確かに聞こえた)
屍男(誰かの叫び声と…逃げろという声が)
屍男(叫び声の方に身に覚えはないが、もう一つの方は間違いなく...)
屍男(俺の声だった)
屍男(心の声でも、過去に言った覚えもない…ということは、俺の失われた過去の中で発言したものなのかもしれない)
屍男(もしそうだとすれば…もう一度、死の瀬戸際になれば記憶が戻るかもしれない。今回は欠片しか掴めなかったが、次こそは...)
292 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:10:10.55 ID:X1cgnwtdo
ピギッ
屍男「ウグゥッッ!?」ビクッ
屍男(グッ…そ、そうだ…まだダメージが完全に回復していなかった)
屍男(急に動いたせいで傷が開いてきた…ここでまた意識を失ったら全てが無駄になる)
屍男(…家に戻るのは無理だな。あいつのところに行くか)
コンコン コンコン
ガチャ
293 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:10:56.20 ID:X1cgnwtdo
魔女「はぁい、どちらさま…って」
屍男「」
魔女「!?」
魔女「えっ!?ウソっ!?ゾンビくん!?」
魔女「だ、大丈夫!?いや全然大丈夫そうに見えないけど!死にかけにしか見えないけど!」
屍男「」
魔女「…し、死んでる」
294 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:12:23.69 ID:X1cgnwtdo
………………………………………………………………………………
……………………………………………
屍男「」
屍男「」ビクッ
屍男「」パチッ
屍男「…ここは、あの女の家か」
屍男「…家の前までに行った記憶はあるが、そこからが思い出せないな。倒れたのか」
屍男「…時間は昼の1時か?半日近く寝ていたのか」スッ
スタスタ スタスタ
魔女「〜♪〜〜♪」
屍男「…おい」
295 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:13:13.20 ID:X1cgnwtdo
魔女「…ん?」クルッ
魔女「あっ!ゾンビくん!良かった、気が付いたみたいね」
屍男「…あぁ、すまないな。ベットまで運んでもらって」
魔女「いいのよ…事情は大体ドラキュラちゃんから聞いたわ」
魔女「それにしても、まだ狩人が町に残ってて遭遇しちゃうとはね…怪物であるアナタが生き残っているのは奇跡と言っていいわ」
屍男「…そうだな。あいつの助けがあと一分でも遅かったら、俺はここにいなかっただろう」
魔女「それでも、狩人相手に抵抗してたゾンビくんも凄いわよ?でも本当に良かったわ、意識が戻って」
魔女「四日間ずっと寝込んでたからねぇ…このまま本当の死体になっちゃうかと思ったわ」
296 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:14:07.36 ID:X1cgnwtdo
屍男「…四日、だと?」
屍男「あの戦闘から…四日も経っているのか?」
魔女「えぇ、もしかして気付いてなかった?」
屍男「…あ、あぁ、てっきり半日しか過ぎてないかと」
魔女「まあいいわ。ちょうどランチも出来た頃だし、一緒に食べましょうか」
魔女「私も…ゾンビくんと話したいこともあるし」
297 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:14:45.49 ID:X1cgnwtdo
モグモグ モグモグ
屍男「」モグモグ
魔女「さすがに四日も食べてないとお腹が空いてるみたいね。私のも食べる?」
屍男「…あぁ、貰っておく」モグモグ
魔女「...」
魔女「ねえ、ゾンビくん。どうして狩人を殺さなかったの?」
屍男「」ピタッ
魔女「ドラキュラちゃん、態度には出さなかったけど相当怒ってたわよ。いや…あれは怒ってるというよりも戸惑ってるって言った方が近いか」
魔女「正直、私も同意見。理解出来ないわ」
298 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:15:31.42 ID:X1cgnwtdo
屍男「…」ゴクンッ
屍男「…あいつにも言ったんだが、俺が殺せるのは悪人だけらしい」
屍男「うろ覚えなんだが、俺はあの狩人をあと一歩のところまで追い詰めた。指を少し動かすだけで殺せるところまで」
屍男「だが殺せなかった...あいつの瞳の中にあったのはドス黒い殺意でも敵意でもない。真っ白な何かだ」
屍男「…俺にはそれが眩しすぎた。だからあの狩人達は殺せなかった」
屍男「私利私欲の為に殺しをしてるんじゃない…彼らの目の中には人を守るという使命が感じられたんだ」
魔女「...」
299 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:16:15.56 ID:X1cgnwtdo
魔女「まあゾンビくんの言ってることも分からなくはないわ…確かに、狩人は命をかけて怪物や人外に挑んでいる」
魔女「その根本にあるのは…誰かを救いたい、守りたいといった正義感でしょうね」
魔女「でもアナタは怪物なのよ?もう人間じゃない、そんな綺麗ごとは通用しないわ」
屍男「…分かっている。この感情が、俺の存在と矛盾していることも」
屍男「それでも、俺はあの判断を間違っているとは思ってない」
魔女「…」
魔女「そういう頑固なところはゾンビくんらしいわね。いいわ、この件に関してはもう私からは何も言わない」
300 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:16:58.10 ID:X1cgnwtdo
魔女「さて、ここから本題と行きましょうか。ドラキュラちゃんが狩人に自分の血を注入して倒したって話は聞いてるけど、その効果がどこまであるかは知ってる?」
屍男「…あぁ、聞いたことがある」
屍男「ヴァンパイアの血は人間が摂取すると、量によるが数週間は動けないと」
魔女「そう、今回ドラキュラちゃんが使ったのは眷属の蚊が運べる量の血、ここから計算すると…短くても一週間は意識が戻らないと思うわ」
屍男「…一週間か。俺が四日も寝ていたことを考えると」
魔女「そう、あと数日しか残ってない。顔を見られた二人と、狩人が残っている今、残された道は一つしかない」
屍男「…出て行くしかないか。この町から」
301 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:18:12.80 ID:X1cgnwtdo
魔女「逃亡先と飛行機のチケットやらは私が用意してあげるわ」
魔女「だから明日にはもう旅立ってもいいように準備はしておいて、このことを帰ったらドラキュラちゃんにも伝えてあげて」
屍男「…あぁ、分かった」
魔女「それと…今晩はドラキュラちゃんの話を聞いてあげて」
魔女「あの子は…狩人に怨みがあったから、今回の件には少なからずショックを受けてると思うから」
屍男「…怨みだと?それはどういう...」
魔女「これ以上は私からは何も言わない。ここから先はアナタが自分で知るべきよ」
屍男「...」
302 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:19:25.25 ID:X1cgnwtdo
………………………………………………………
………………………………………
ガチャッ
屍男「…」
屍男「あいつは…まだ寝てるか。昼間だしな」
屍男「…先に荷物の整理をしておくか」スッ
屍男(…この町を出るのは俺だけじゃない。顔を見られた以上、あいつも姿を隠さなくてはならない)
屍男(…この家は思い出の場所のはずだ。亡くなった父と共に暮らしていたんだからな...)
屍男(…悪いことをした。本当に...)
303 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:20:19.15 ID:X1cgnwtdo
チッ…チッ…チッ…
屍男「…そろそろか」
スタスタ スタスタ
吸血娘「…」スッ
屍男「…」
吸血娘「…」
屍男「…」
屍男(…ど、どんな言葉をかければいいんだ…?気まずい...)
304 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:21:06.34 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「…ん」
屍男「…?」
吸血娘「いやだから…ご飯は?私起きてきたばっかなんだけど」
屍男「あ、あぁ…そうだな。すまない、今から準備する」
吸血娘「いやいいよ、ないなら宅配ピザにするから。いつものガーリックミートピザのチーズ120%増し頼んどいて」
屍男「…分かった」
305 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:21:41.72 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「んー♪うっま…何かこの味も久しぶりに食った気がするな」モグモグ
吸血娘「ほら、ハゲにもあげる。トマトいっぱい入ってるやつ」スッ
屍男「...」モグモグ
吸血娘「…いつまでそんなくらいテンションでいるんだよ。一緒にいるこっちの髪までハゲそうだわ」
屍男「…」
吸血娘「まったく…そんなに気にしてるなら最初から殺しとけよ。意味分かんない」
吸血娘「あーあ…私もこの家を離れることになるのかぁ…20年間住んでたところを離れるってのは何か感傷深いっていうか、寂しいなぁ...」
吸血娘「…まあこれも全部誰かさんのワガママのせいだけど」チラッ
306 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:22:13.83 ID:X1cgnwtdo
屍男「...すまない」
吸血娘「…今日が最後の夜なんでしょ?明日にはもうおさらばか」
屍男「…なぜそのことを」
吸血娘「何となく察するわ。そろそろ私の血の効果も切れるころだし」
屍男「…一つ、聞いてもいいか?」
吸血娘「…なんだよ」
屍男「…あの女から、お前は狩人に怨みがあると聞いた。それは本当なのか」
307 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:22:48.46 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「...あいつ本当に余計なことしか言わないな。個人情報もクソもないわ、上の口と下の口ユルユルじゃん」
吸血娘「はぁ…場所移すか。ベランダに来て」スタスタ
屍男「…あぁ」
ヒュゥゥゥゥッゥ
屍男「…」
吸血娘「今日はちょっと風が強いな。まあいいや」ゴトンッ
308 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:23:30.46 ID:X1cgnwtdo
屍男「それは...」
吸血娘「お酒だけど、ほらお前も飲め」トクトク
屍男「…ではいただく」ゴクッ
屍男「…これはラム酒か?いい酒だ、美味いな」
吸血娘「お前酒飲めたんだ。飲んでるところ見たことなかったから飲めないかと思ってた」
屍男「別に…飲めないわけじゃない。嗜むぐらいはする」
吸血娘「ふーん、じゃあなんでいつもミルク飲んでるの?好物なの?」
屍男「好物…というわけではないが、ただ飲まないと落ち着かない気がしてな」
吸血娘「…変なの」ゴクッ
309 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:25:05.13 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「…フゥー」
吸血娘「…このお酒ね、父親が好きだったんだ。色も赤いし血っぽくて…だから私も嫌いじゃない」
吸血娘「他の飲むと吐いちゃうんだけどね」 ゴクッ
屍男「...」
吸血娘「私の父親がどうやって死んだかまだ教えてなかったでしょ?教えてあげる...」
吸血娘「…狩人に殺されたんだよ。多分ね」
屍男「…」
屍男「その…多分というのはどういうことだ?」
310 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:26:32.22 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「私の父親ってさ…結構ヴァンパイアの中では有名人なんだよね」
吸血娘「何でも200年以上も前から活躍してたらしくて、その強さから噛み殺し公爵って呼ばれてたみたいだし」
吸血娘「まあ私から見たら、ただの放任主義のクソ親父だったんだけどね」ゴクッ
屍男「...」
吸血娘「で…その父親が急に消えたんだ。今まで家を長いこと留守にしてたことは何回もあったけど…連絡も取れないってことは初めてだったし、何か分かっちゃうんだよね。肉親が死んだっていう感覚が...」
吸血娘「確信したよ。狩人に殺されたってね。私の父親を殺せる相手なんて…"あの狩人"しかいない」
屍男「…あの?」
311 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:28:04.26 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「私たちの世界でもさ…その存在から、関わるのが『禁忌』になってるやつらがいるんだよね」
吸血娘「『魔人』『色付きトカゲ』『悪熊』『メア&リリー』有名なのはこの辺りかな。こいつらは関わること自体が早死にするっていうくらいに触れちゃダメなやつら。レベルが違うバケモン共だよ」
吸血鬼「そのバケモン共の中に…同じく名前を連ねてる狩人がいるんだ。そいつの名前は…『Shadow』」
屍男「…シャドウ?」
吸血娘「うん、こいつはもう何年も前からこっち側で恐れられてる。名前も、顔も、性別も、種族も不明」
吸血娘「でも存在してるってことは確か…こいつの特徴はその狩りのスタイルそのもの、誰にも目撃されることなく標的を殺す」
312 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:29:09.59 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「世界中で、強いってことで有名だった怪物やら人外がある日、突然消えるんだ。まるで存在を消されたように」
吸血娘「で、付いた異名が『Shadow』いつの間にか背後にいる影…洒落てるでしょ?」
屍男「…話は分かったが、そいつが父親を殺したとは限らないんじゃないのか?」
吸血娘「ううん…これだけは間違ってないと思う」
吸血娘「こっち側のやつって名前を売るのが大好きだからさ、狩人にしても人外にしても、名が知れ渡ってるやつが殺されたら絶対に噂が広がるはずなんだよ。俺があいつを殺したってね」
吸血娘「でも『Shadow』に殺された場合は違う。誰もこいつの正体を知らないし、こいつも自分を隠してるから噂が広がらない…だから確信してる。私の父親はあいつに殺されたって」
屍男「…」
313 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:29:59.78 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「はぁ…もしお前が逃がしたやつが『Shadow』だったらどう責任取るんだよ…マジで」
屍男「…いや、それだけはないだろう」
屍男「お前の父は…かなり強かったんだろ?その娘に手も足も出なかったやつらがシャドウとやらなわけがない」
吸血娘「…まあ、それもそうだね。あいつらは所詮二流だったし…」
吸血娘「…ねぇ、もし私が『Shadow』を見つけて、殺そうとしたら…ハゲはまた止める?あの狩人を助けたみたいに」
屍男「…いや、それはない」
屍男「お前の復讐の相手というなら話は別だ。もしその時が来たら…全力で手助けするさ」
314 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:30:43.26 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「ぷっ…助けるって、あいつら相手でもボロクソにやられてたお前が言うなよ」ゴクッ
屍男「…それもそうだな」フッ
吸血娘「…私さ、父親のことはあんまり好きじゃなかったけど、死んだって感じた時は泣いたんだ。今まで何度かそんな想像はしたことがあったけど、涙なんか出なかったのに」
屍男「...」
吸血娘「…やっぱり家族だったんだと思う。自分が思っているよりも、あの人の存在が大事だったんだよ。気付いた時にはもういなくなってたんだけど」
吸血娘「だから…仇は絶対に取ってやろうと思う。それが私の、娘としての役目だと思うから」
屍男「…そうか」
315 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/28(土) 23:31:00.98 ID:6AK1vIJJo
わかった!ハゲが『Shadow』だ!
316 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:31:36.94 ID:X1cgnwtdo
吸血娘「…...」
屍男「…ん?」
吸血娘「Zzz…Zzz...」スゥ
屍男「…たった数杯でもう酔い潰れたか。無理して飲むからだ」ゴクッ
屍男「…復讐か」
屍男「こいつも…まだまだ子供だと思っていたが、そんなことを考えていたんだな」
吸血娘「Zzz...」グー
屍男「なら…俺も協力する。お前は命の恩人でもあり、俺の初めての友人だ…その時が来たら…」
317 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:32:24.56 ID:X1cgnwtdo
〜〜〜〜 翌日 〜〜〜〜
吸血娘「ネッッッッッッッム!!!!!!!」
吸血娘「というかめっちゃ頭痛いんだけど…グラグラするし気分最悪…もう寝たい...」
屍男「…我慢しろ、あと数時間もしたら飛行機に乗ってるんだぞ。今寝たら確実に乗り遅れる」
屍男「それに気分が悪いのは前日に酒を飲んだせいだろ」
吸血娘「おえっ…マジで無理…なんでお前全然平気なの…このアルコール漬けの死体め…」
吸血娘「ちょっとトイレ行ってくる…吐きそう」オエッ
屍男「早くしろよ。もうそろそろあの女が迎えに来る時間だ」
吸血娘「分かってるって…いざとなったらあいつの車の中で吐いて嫌がらせするから」バタン
屍男「…頼むからやめてくれ」
318 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:33:28.48 ID:X1cgnwtdo
ピンポーン
屍男「…ん?もう来たのか」
屍男「おい、時間だ。早くトイレから出ろ」コンコン
『ちょっと待てって言っといて…』
屍男「…仕方ない。落ち着くまで待ってるぞ」スタスタ
ガチャ
屍男「すまない、あいつの調子が悪いみたいでな。少し待ってて――――」
バンッ!!!!!!!!!
屍男「!?」ズドンッ
319 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:34:58.79 ID:X1cgnwtdo
ジャーーーー
ガチャ
吸血娘「ふぅ、吐いたらスッキリした」
吸血娘「待たせて悪かったな、ハゲ。もういいぞ…って」
吸血娘「…ん?」
吸血娘「あれ…どこ行ったあいつ…もう外に出てるのか?」スタスタ
ボロボロ ボロボロ
吸血娘「!?」
吸血娘「な、なにこれ…玄関が荒れてる。ドアも外れてるし…こ、こんなこと出来るやつなんて一人しかいない」
ネチャッ
吸血娘「血痕…ま、まさか…」
吸血娘「――――――!!!!」ダッ
320 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/28(土) 23:37:18.10 ID:X1cgnwtdo
今日はここまで
最後はハロウィンに投下出来ると思います
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/28(土) 23:38:59.83 ID:CT21gSeMo
乙
え?まだshadowも男の過去も出てないのに
あと一回で終われるのか?まだまだ続きそうな感じなのに
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/28(土) 23:45:03.76 ID:BIn7rUCio
乙
新手の狩人かこないだの狩人の復活が早かったのか
>>315
ハゲ頭は光ってるんだからむしろshineだろ
323 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/29(日) 03:30:29.62 ID:5j57rZcno
もっと続きそうなのに終わっちゃうのかー
324 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:26:59.29 ID:bZYgmwwgo
プルルルルル…プルルルルル…
ピッ
魔女「もしもし?ドラキュラちゃん?どうしたの、今から迎えに――」
『ハゲが攫われた!!!!!』
魔女「…え?」
『私がトイレに入ってる間に消えたんだ!玄関で争った跡があって、血痕も残ってる!』
『でも死体はない…どこかに連れ去られたみたいなんだよ!』
『ど、どうしよう…まさかあの狩人達が早く目覚めたのかも…こ、このままだとハゲが!』
魔女「...」
魔女「…落ち着いて、ドラキュラちゃん。死体は残ってないのよね?」
325 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:27:44.01 ID:bZYgmwwgo
『う、うん…それは間違いない』
魔女「なら狩人の仕業とは考えられないわ。あの人達はわざわざ怪物を攫うなんてまどろっこしいことはしない。殺すか殺されるかの二択だけよ」
魔女「それに、いくら何でも復帰するのが早すぎるわ。仮に目覚めたとしても、向こうも何日も寝たきりだったのよ?そんな病み上がり状態で狩りをするほどの馬鹿だったらとっくに早死にしてるわ」
『じゃ、じゃあ誰がハゲを攫ったんだよ!他に心当たりなんて...!』
魔女「…心当たりならあるでしょう。数え切れないほどに」
『…っ!?それってまさか...』
326 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:28:55.92 ID:bZYgmwwgo
魔女「私の予想だと、ゾンビくんを攫ったのは人間ね。仕事関係の復讐、というよりお礼参りって言った方が正しいかしら」
『な、なんで人間が私の家を特定できたんだ!?それにそんなやつらにハゲが負けるわけないだろ!』
魔女「…恐らく、情報が漏れたのはゾンビくんからでしょうね。彼にはアナタみたいに姿を隠す能力なんてないから、何かのきっかけで正体がバレたんだと思うわ」
魔女「顔さえ分かれば住所を特定するなんてそう難しいことじゃないわ…いつか警告したことがあったでしょう。今はそれが現実に起こってしまったのよ」
魔女「ゾンビくんが抵抗出来なかったのは…それほどあの戦いでのダメージが響いてたみたいね。もう結構平気な顔してたけど、本人はまだ無理をしてたってことかしら」
『そ、そんな…最悪のタイミングじゃん...』
327 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:30:02.20 ID:bZYgmwwgo
魔女「…悪い出来事が連鎖するのはそう珍しいことじゃないわ。むしろ不運が不運に重なって不幸になるのよ」
魔女「とにかく、今はゾンビくんを一刻も早く探し出さないとマズい…拉致されたってことはそう遠くないうちに間違いなく殺されるわ。一時間後かもしれないし、五分後かもしれない」
魔女「…早急に見つけないと最悪の事態になるわね」
『……』
魔女「今、ゾンビくんの携帯がどこにあるか分かる?もし本人が持ってたらGPSで一発で分かるんだけど」
『…家のテーブルに置いてある。あいつ普段から携帯持ち歩いてないから』
魔女「…そうなると、人力で見つけ出すしかないわね。私も情報を集めてみるわ」
魔女「ドラキュラちゃんは眷属を使って、広範囲に散策してみて。出来るだけ悪そうな人が関わってると思うから、その人達が集まりそうな場所なら何か手掛かりがあるかも」
『…分かった。何かあったら連絡して』プツッ
魔女「…」
魔女「…ゾンビくん」
328 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:30:43.93 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「モスちゃん、そっちは南をお願い。ガラが悪いヤツらがいたら私に連絡して」
吸血娘「そっちのモスちゃんズは北を、知らせがあったら伝達係を飛ばして」
蚊『』プーーーーーーーーーーン
吸血娘「…...」
吸血娘「私も…行こう」スゥッ
329 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:31:28.63 ID:bZYgmwwgo
ブゥゥゥン!!!!!
屍男「...」
屍男「…ッ」ピクッ
屍男「…ここはどこだ?…狭いが」
屍男(…一体何があった。確か…家のドアを開けた時に…)
バンッ!!!!!
屍男「!?」ズドンッ
屍男(なっ…撃たれッ……!)バタッ
黒服A「おい、こいつであってるのか?」
黒服B「あぁ、間違いねえよ。手配書の写真通りのハゲだ」
330 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:33:00.11 ID:bZYgmwwgo
黒服C「しかしこんなハゲにうちの組員が何人もやられてるとはな。とても信じられねえが」
黒服D「たかが一人に情けねぇ…組の恥だわ」
屍男(…なんだ、こいつらは……組?狩人ではないみたいだが)
屍男(うぐッ…!こ、これはただの銃弾じゃない…麻酔弾か、意識が―――!)
黒服A「オラ、早く車に運ぶぞ。港までこいつを連れてくのが俺達の仕事だ」グイッ
黒服B「重てぇなコイツ…三人がかりで運ぶぞ」グッ
331 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:33:46.96 ID:bZYgmwwgo
屍男「――――!!!!!!」ドンッ
黒服A「!?」ボコォ
屍男「グッ…ハァッ…!」フラッ
黒服B「おい!こいつまだ動けるぞ!!撃て!!!!」
バンバンッ!!!!!!!バンバンッ!!!!!!!
屍男(こ、こんなところで……お、終わって......)
332 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:34:54.26 ID:bZYgmwwgo
屍男「…思い出しだぞ、全部」
屍男(あいつらは何者だ…?組だのどうとか言っていたが、そうなると仕事関係のやつらか)
屍男(…駄目だ。誰か分からん。その手のやつらはもう何人も殺したからな、特定は無理か)
屍男(…それより、今はここから脱出しなくては。恐らく形状を見るに、ドラム缶か何かに閉じ込められてる状態だ)
屍男(この程度なら問題なくぶち破れ......)グッ
プラーン
屍男(…腕に力が入らん。脚もだ)
屍男(あの撃たれた銃弾が原因か…麻酔が抜けるまで待つしかないか)
屍男(…不覚だった。あの程度のやつらなら普段の俺なら全員始末出来た)
屍男(…あの狩人に負わされた傷がまだ癒えていない。よりにもよってこんな時に)
333 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:36:24.31 ID:bZYgmwwgo
ブゥゥゥン
屍男(…エンジン音、地面の振動の動きを察するに、ここ車内か?一体どのぐらい時間眠っていた)
屍男(…そしてどこに運ばれているんだ)
『おい、あと何分ぐらいだ?』
『30分ってところっすね。渋滞があったんで少し遅れてますわ』
屍男(声…)ピクッ
『ったく…もうほとんど全員集まってるってメール来たぞ。急がねえと俺の評判まで下がる』
『しかしあれには驚いたな。一発で象3体を一瞬で眠らせる弾を五発も撃たされるとは…バケモンかよ』
『まあもう二度と面を拝むことはないんですしいいじゃないっすか。このまま海に沈めるんでしょ?』
屍男(…沈める?)
334 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:37:40.43 ID:bZYgmwwgo
『しかし何で拷問しないんすかねぇ、この前のやつは硫酸プールに沈めたのにこいつはそのまま海にドボンなんでしょ?自分あれもう一度見たかったんすけど』
『俺が知るかよ。ただこいつは何人も殺ってるプロだからな。下手に外だすと何されるか分かんねえからじゃねえの』
屍男(…不味いな。いくらこの肉体でも深海に沈められたら脱出は困難だ)
屍男(仮にドラム缶から出られたとしても、外の水圧でペシャンコになる可能性もある…絶体絶命というやつか)
335 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:38:08.82 ID:bZYgmwwgo
スゥゥゥゥゥゥッ!!!!!
吸血娘「はぁっ…はぁっ…」
吸血娘(クソッ…広範囲に広がり過ぎた…息がきつい…)
吸血娘(…建物の中も捜し回ってみたけど、何も情報がなかった…もうこの町にはいないのか?)
吸血娘(さすがの私でも…郊外まで出られると発見出来る可能性がガクッと落ちる。あれからもう一時間は経ってるんだ。早く見つけないと...)
プーーーーーーーーーーン
吸血娘「モスちゃん、何か見つかった?」
吸血娘「…!」
336 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:38:58.33 ID:bZYgmwwgo
ブゥゥゥン!!!!!
吸血娘「…あの車か」
吸血娘(モスちゃんが言うには、あの車からは何人もの血の匂いがしたらしい。ってことは乗ってるやつは十中八九そっち側の人間)
吸血娘(…もうあれに賭けるしかない)スゥッ
白服A「おい、早く飛ばせよ。もう全員集まってるらしいぞ」
白服B「そ、そんなこと言われても…兄貴がそこら辺のチンピラをやっちゃって、その後始末してて遅れたんじゃないですか」
白服A「あ?俺が悪いってのか、殺すぞ」
白服B「そ、そういうわけじゃないですよ」
337 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:40:00.90 ID:bZYgmwwgo
モクモクッ モクモクッ
白服A「…何か煙たくねえか、まさかテメェ吸ってるんじゃねえだろうな」
白服B「え?てっきり兄貴が吸ってるかと思ったんですけど。っていうか俺、運転中で両手塞がってるのに吸えるわけないじゃないですか」
白服A「空調が壊れてんのか。窓開けるぞ」グイッ
白服A「フゥッー、しかしわざわざ全員集まって公開処刑とか意味分かんねえわ。小学生の授業かよ」
白服B「何でもそいつ、俺達の組のやつらを何人も殺してるらしいじゃないですか。見せしめにして動画でも公開するつもりなんじゃないですかね」
白服A「ならもっと見栄えがある殺し方にしろって話だわ。ハゲてるんだから頭に針の植毛をするとか、埋めて日に晒し続けたらどうなるか実験するとかの方が面白いだろ」
白服B「そ、そうですね」
338 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:41:15.40 ID:bZYgmwwgo
『ミツケタ』
白服A「あ?今何か言ったか?」
白服B「え?何も言ってないですけど」
白服A「っかしーな。女の声みたいなのが聞こえたはずなんだが」
白服B「それってもしかして、前に拉致った女の幽霊かもしれないですね」
白服A「ハッ、馬鹿なこと言ってんじゃねえよ。もしそうならもう一度遊んでやるわ。結構いい声で鳴く女だったからな」
スゥゥゥゥゥゥッ!!!!!
339 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:41:56.01 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「まったく、どいつもこいつもゴミばっかり。この世界は本当に腐ってるよ」
白服A「!?」
白服A「な、なんだテメェ!?どこから入った!?」
白服B「あ、兄貴!?どうしたんですか!!」
白服A「どうしたって、ここにガキが…!」
吸血娘「その臭い息を私にふりかけるのはやめろ。こっちまで腐る」グッ
白服A「ウグッ!?オガッ!!!!!」ギュッ
白服B「あ、兄貴!?」
340 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:42:44.56 ID:bZYgmwwgo
白服B「お、おいゴラァ!!!!!ワレクソガキィ!!!!テメェ何してんだボケェ!!」
吸血娘「お前も黙ってろよ。劣等種如きが私に口聞くな」グッ
白服B「オエ!?ガゴッ…何…を...!!」ギュッ
吸血娘「さて、私は今からお前たちが行こうとしてるところに道案内してほしいんだけど、どっちが連れて行ってくれるの?」
白服A「アァッ!?ざけたこと言ってんじゃ…!!」
吸血娘「あっそ、じゃあお前は必要ないな」ギュッ
ボンッッッ!!!!!
白服A「」バタッ
341 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:44:19.28 ID:bZYgmwwgo
白服B「あ、兄貴ィ!?」
吸血娘「さて、じゃあ残りはお前一人だ。早く行けよ」
白服B「ふざけんなァ!!!!誰がテメェなんか…!!」
吸血娘「…はぁ、何か勘違いしてるみたいだけどさ、お前まだ自分が生きて帰れるとか思ってんの?」ギュッ
白服B「ボウッ!?」ビクッ
吸血娘「お前に残された道は長く苦しみながら死ぬか、一秒でもその苦しみから逃れるために死ぬかのどっちしかないんだよ」
吸血娘「…どう?自分の肺の中に異物を詰め込まれてる気分は、内臓吐きそうなぐらい気持ち悪いでしょ?」
342 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:44:49.35 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「それをもう少し下に移動させると…」クイッ
白服B「…アアアアアアアアアアッッ!!!!い、イテエエエエエエエエエエエエエエエエ!!!!!!」グラッ
吸血娘「うるせえな、気道塞ぐぞ」
白服B「ガッ…!!カッ…カッ…」ピクピク
吸血娘「早く運転するか、その苦しみを延々に味わうか選べよ。もっとエグいやつも試してやろうか?」
白服B「ワガ…ワガッダガラッ…!!」ピクピクッ
吸血娘「…よしよし、賢い選択だ」ニヤッ
343 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:45:32.20 ID:bZYgmwwgo
プルルルルル…
吸血娘「もしもし?」ピッ
『ドラキュラちゃん?今どこにいるの?』
吸血娘「車の中だけど」
『…?多分、分かったわよ。ゾンビくんの居場所が』
『どうやら南の港の方にマフィアの連中が集まってるらしいのよ。高級車が何台も止まってたらしいわ』
『こんな昼間から集まるなんて…取引か、何か重大な出来事でもあったのよ。確証はないけど、私もそこに向かって...』
吸血娘「あぁ、それなら問題ないよ。今、そいつらの仲間の車に乗ってるから」
『えっ!?』
344 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:46:22.59 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「…ん、もうすぐ着くみたい。じゃあ切るね。情報ありがと」プツッ
吸血娘「…待ってろよハゲ。今すぐ行くからな」
ブゥゥゥン……
屍男(…あれから約30分、何も行動も出来ずに時間が経ってしまった)
屍男(…まだ麻酔が抜ける様子もない。そして車が止まった。どうやら目的地に着いたようだ)
屍男(…非常に不味い事態だ)
345 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:47:06.00 ID:bZYgmwwgo
『おう、遅かったな』
『すいません、渋滞だったもんで』
屍男(…台車か何かを使って運ばれているのか?もう時間がないぞ…)
『そいつが例のハゲか。誰にも見られてないだろうな?』
『えぇ、間違いありません。ガキの方はまだ拉致らなくていいんですよね?』
『あぁ、そいつはこのハゲを沈める様子をビデオで録って鑑賞会をしながらヤる予定だからな。最後のお楽しみだ』
屍男(…最初に俺を捕まえて良かったな。もしあっちを先にしてたら今頃お前達は干物になっていたぞ)
346 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:48:01.88 ID:bZYgmwwgo
『これで全員揃ったな。じゃあ早速、始めると』
『…ん?待て、なんだあの車は、こっちに向かって来てるが』
『あぁ、あれはウチの若いやつのだ。ったく…あいつ遅刻するなっつたのに』
『…にしてはスピードが出過ぎじゃないか。このままだとこっちに…』
屍男(…?何かあったのか)
ドッシャアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!!!
347 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:49:14.66 ID:bZYgmwwgo
車『』ボロッ
「な、なんだあいつ!?突っ込みやがったぞ!」
「酔ってるのかラリってんじゃねえのか。おい、誰か見てこ...」
ドンッ
白服B「」ボロッ
吸血娘「あー失敗した。殺すの早過ぎたか。止まるまで待てばよかった」スッ
吸血娘「ちょっと頭打ったわ…ファックだね」
348 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:50:18.73 ID:bZYgmwwgo
「…おい、誰だ。あのガキは」
「…待て、あいつは確かハゲのところの...」
吸血娘「数が多いな。20人はいるか…さすがに飲み切れないな」
吸血娘「まあどうせクソ不味そうな血だし、飲む気なかったけど…いやーそれにしても久しぶりだなぁ」
吸血娘「…食事と仕事以外で人間を殺るのは」
黒服A「おいガキ、テメェどうやってここを...」
吸血娘「黙れ」スッ
349 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:51:14.86 ID:bZYgmwwgo
黒服A「バギャッ!?」ボンッ
黒服「」バタッ
「…っ!?」
「あ、頭が…弾け……」
吸血娘「…私の眷属に手を出して、生きて帰れると思うなよ」
吸血娘「早死にしたいヤツは前に出ろ、死にたくないヤツは隅で震えて神にでも祈ってろ」
吸血娘「全員まとめて地獄に送ってやるよ」スゥッ
「こ、こいつ…!もういい!ヤっちまえ!!!」チャキッ
パラララララララララララララ!!!!!!!!!!
パラララララララララララララ!!!!!!!!!!
吸血娘「…アッハァ」ニヤッ
350 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:52:35.33 ID:bZYgmwwgo
………………………………………………………
……………………………………
屍男(…なんだ、何が起きている)
屍男(何かがぶつかる音がしたと思ったら、銃声が聞こえた。一発や二発じゃない。まるで戦争でもしてるような音だ)
屍男(外で一体何が…)
『…あった。これか』
『よっと…』グイッ
吸血娘「よう、結構元気そうだな。ハゲ」
屍男「…!」
屍男「な、なぜここに...」
351 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:53:32.33 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「なぜって、助けに来たに決まってんじゃん。ほら、早くここから出ろよ」
屍男「…どうやら麻酔か何かの薬を打たれたみたいだ。体が自由に動かない」
吸血娘「えっ?マジ?仕方ないなぁ…首筋ちょっと噛むぞ」ガリッ
屍男「ッ...」ビリッ
ギュインッ…ギュインッ…
吸血娘「ぺっぺっ…ほらこれで少しは動けるようになっただろ」
屍男「…!あ、あぁ…助かった」グイッ
352 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:54:30.49 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「まったくこの一週間でどんだけ襲われてるんだよ。私はお前を助ける騎士様かっての」
屍男「…すまない、今回ばかりは油断していた。まさか人間に襲われるとは」
吸血娘「…まあいいよ。私にも責任がないとは言えないしね、ちょっとこの仕事を甘く見てた」
吸血娘「とにかく無事でよかったよ」
屍男「…礼を言う」
屍男「…ところで、外にいたやつらはどうしたんだ?銃声が何発も聞こえてたが」
吸血娘「あぁ、あそこだけど」
353 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:55:14.82 ID:bZYgmwwgo
死体『『『『『 』』』』』
吸血娘「全員ぶっ殺した。それなりに数がいたから時間がかかったけど」
屍男「…珍しいな。お前があんな殺し方をするなんて…ここら一帯、血の海だぞ。どんな殺し方をしたんだ」
吸血娘「霧の応用でね。ハゲには見せたことないやり方だし」
吸血娘「…何か、ムカついてさ。自分でも驚くくらいキレたわ…でも全員悪人だし文句はないでしょ?」
屍男「…あぁ、そうだな」
354 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:56:09.86 ID:bZYgmwwgo
屍男「しかしどうするんだ。さすがにこれだけの死体の山は隠しきれないぞ。俺だって食えない」
屍男「大量殺人の現場の完成だ。明日の新聞の一面、間違いなしだぞ」
吸血娘「いいじゃん、別に。どうせもうこの国から出るんだし」
吸血娘「でも一応、あのビッチに連絡しておくか。あいつなら何とかするでしょ」
チャキッ…
屍男「…!」バッ
バンッ!!!!!
355 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:56:56.46 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「!?」
吸血娘「ハ、ハゲ大丈夫!?今撃たれたんじゃないの!?」
屍男「…問題ない。ただの銃弾だ。この程度ならすぐ治る」
黒服「こ……の、化け物共が…...」
吸血娘「…まだ生き残りがいたか」スタスタ
黒服「お、お前ら…こんなことして許されると思うなよ…...いつか絶対にぶっ殺してやる…...」
黒服「の、呪ってや、るぞ…絶対に許さねぇ……」
356 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:58:03.40 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「...」
吸血娘「私だって、こんな生き方をしてるんだ。いつか報復で痛い目に遭うことは覚悟してる」
吸血娘「でも私に裁きを下すのはお前でも、お前たちの仲間でもない。遺言はそれで終わり?」
黒服「ゆ、許さねぇ…絶対に...許さねぇ…...」
吸血娘「あー最後に一つ、殺された程度の怨みで化けて出るなら、お前たちの組織なんてとっくに壊滅してるだろ。お前はここで、何も残さずに死ぬんだよ。バイバイ」ギュッ
黒服「アギャッ…!ガッ…グッ」ピクッ
黒服「」
吸血娘「…」
屍男「...」
吸血娘「…行っこか」
屍男「…あぁ」
357 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 01:58:48.57 ID:bZYgmwwgo
………………………………………………………………
……………………………………………
吸血娘「いやー飛行機乗るって初めてだわ!どんな感じなんだろ!」
屍男「…普通じゃないのか」
吸血娘「あっ!液体類は持ち込めないらしいぞ!ハゲ!育毛剤は持ち込めないな!」
屍男「…誰もそんな物持ってない」
屍男「…む」
屍男「…少しトイレに行ってくる。ここで待っててくれ」
吸血娘「んー迷子になるなよー」
屍男「…わざわざ隠れなくても、正面から見送りに来ればいいだろう」
魔女「だって私がゾンビくんと話してると、ドラキュラちゃんが嫉妬しちゃうから」クスッ
358 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:00:20.85 ID:bZYgmwwgo
屍男「…あの一件はどうなるんだ?随分ともう暗殺とか、そんなこと言ってられないレベルで殺してたぞ」
魔女「まあ…何とかなるんじゃないの。元々敵が多い組織だったし、シナリオは自然と出来上がるでしょう」
屍男「…適当だな。それでいいのか」
魔女「まあ私も近いうちにこの町から出て行くつもりだしね。いざとなったら逃げちゃえばいいのよ」
屍男「…」
屍男「…それは俺があの狩人を見逃したせいか?」
魔女「えぇ、もちろんそうだけど」
屍男「…すまない」
魔女「別にいいわよ。そろそろ廃業するつもりだったし、いつまでも続けられる仕事じゃないしね」
359 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:01:09.41 ID:bZYgmwwgo
屍男「…お前にはこの半年間、随分と世話になった。貸しをいくつも作ったからな」
屍男「…手を借りたい時はいつでも呼んでくれ、最大限の協力をしよう」
魔女「……...」
魔女「…そうね。いつか…私の命が危うくなったら、ゾンビくんの助けを借りさせてもらうわ」
魔女「あ、そうそう…最後にこれを見せに来たんだった」ガサゴソ
魔女「ゾンビくん、なぜドラキュラちゃんがアナタのことを気に入ってるか、その理由を知りたくない?」
屍男「…どういうことだ?」
360 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:02:15.76 ID:bZYgmwwgo
魔女「これ、あの子の父親の肖像画の写真、ヴァンパイアは写真に写らないからこういうのしか残ってないんだけど」ペラッ
屍男「…この写っているのがあいつの父親なのか?これは...」
魔女「そう、アナタと同じで髪がなかったのよ。つまりハゲってこと」
魔女「どこか…アナタと父親を重ねていたのかもしれないわね。本当に…素直じゃないんだから」
屍男「…」
魔女「あ、これはあの子に教えないでね。バレたら本当に私が殺されちゃうから」クスッ
屍男「…あぁ、分かった」
屍男(…そうか、そんなことをあいつは…...)
361 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:03:07.86 ID:bZYgmwwgo
魔女「はいこれ、一本引いてみて」
屍男「…?なんだそれは、茎か?」
魔女「そう、花占い。ゾンビくん達の未来を占ってあげるわ」
屍男「…占いは信じてないんだが」
魔女「まあいいじゃない、ゲン担ぎみたいなものよ」
屍男「…これでいいか?」スッ
屍男「これは…黄色い花だな、どういう意味なんだ?」
魔女「…...」
362 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:04:14.22 ID:bZYgmwwgo
魔女「…まあまあってところじゃないかしら。さ、機内に花を持ち込むのは審査やらでめんどくさいって聞くし、それは返してね」スッ
屍男「…雑だな。もっと具体的なものはないのか、花言葉とか」
魔女「所詮は占いよ。ツイてるか、ツイてないかぐらいで分かればいいのよ。深い意味なんて特にないんだから」
魔女「じゃあね、ゾンビくん。向こうでも元気で、また縁があったら会いましょう」
魔女「あ、メールはいつでもしてもいいからね〜何かあったら連絡してね」フラフラ
屍男「…あぁ、またな」
363 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:05:08.07 ID:bZYgmwwgo
魔女「…」スタスタ
魔女「...」チラッ
魔女「…マリーゴールドね」
魔女「…まあ所詮は占いか。当てにならないこともあるわ」
364 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:06:13.04 ID:bZYgmwwgo
屍男「…待たせたな」
吸血娘「遅いぞ!早くしないと飛行機が出発するだろ!」
屍男「…電車やバスじゃないんだぞ。まだしばらくは余裕がある」
屍男 「...」
屍男「…本当にいいのか?俺と一緒に来て」
吸血娘「急になに」
屍男「…考えてみると、狩人に襲われたのも、人間に拉致されたのも俺の落ち度だ。もしこのまま俺といたら、お前にまで危険が及ぶかもしれない」
屍男「…お前は強い。俺よりもずっとな、一人の方が安全なんじゃないか」
365 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:07:40.61 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「...」
吸血娘「…ぷっ」
屍男「…なぜ笑う」
吸血娘「いやだって、私より弱いやつが自分の身の程も知らずに心配してくるから…まずは自分の身を心配しろよ…ぷぷっ」クスッ
吸血娘「それに、私たちが行くところは極東のこっち側のやつらがいっぱい住んでるところらしいからな。私にとっても一番ベストなところだよ」
吸血娘「…私のことは私が決めるよ。ハゲのことも心配だしね。このまま一人にしてたら孤独死しそうだし」
吸血娘「お前は…私が守ってやらないとダメだからな」
屍男「...」
366 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:08:36.14 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「ん、じゃあ仕切り直しってことでアレやるか」スッ
屍男「…またやるのか?正直恥ずかしいんだが」
吸血娘「いいだろ別に、気持ちの切り替えってやつだよ。早く手出して」
屍男「…分かった」スッ
コンッ
吸血娘「これからも、よろしくな!ハゲ!」
屍男「…あぁ、こちらこそな。相棒」
END
367 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:09:07.12 ID:bZYgmwwgo
…………………………………………………
…………………………………
吸血娘「飛行機って意外と大したことないな。揺れるのなんて乗る時だけじゃん。もっとジェットコースターみたいな感じだと思ってた」
屍男「…そんなもんだろ。四六時中揺れてる乗り物なんて誰が乗りたがるんだ」
吸血娘「…どうでもいいけどさ、さっきから気になってることがあるんだけど」
屍男「…どうした?」
吸血娘「お前、もしかして香水付けてる?何か匂うんだけど」
屍男「……...」
368 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:09:57.74 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「え?マジで付けてんの?ハゲが?香水を?」
屍男「…仕方ないだろ。何時間も風呂に入れないんだ。異臭騒ぎにでもなったらどうするんだ」
吸血娘「ぷぷっ…ウクククッ...」
吸血娘「アーッハッハッハッハッハッハァ!!!!!ハ、ハゲが香水付けてる!アハハハハハハハハハァ!!!!」
屍男「…」
吸血娘「ヒヒヒヒヒヒヒヒヒ!!!!も、もしかして頭にも振りかけてんの?それもうシャンプーじゃん!頭洗えるじゃん!!!!」
屍男「…静かにしてくれ、周りが見てるぞ」
369 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:10:38.39 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「いや無理…もうハゲで笑うことはないと思ってたけどこれは笑う…お腹痛い...」プルプル
吸血娘「ハゲと香水なんて世界で一番合わない組み合わせじゃん!これがフローラルな香りならぬ不毛なる香りってか!アッハッハッハハハハハァ!!!!!」
屍男「」イラッ
屍男「…そういえば風の噂で聞いたんだが」
屍男「…ハゲは遺伝するらしいぞ。それもかなりの高確率でな」
吸血娘「アハハハハハハハハハ――――――」
吸血娘「…え?」
370 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:11:17.39 ID:bZYgmwwgo
吸血娘「え、ちょっと待って。嘘だよね?嘘だよねそれ?」
屍男「さあな…俺も詳しくは知らん」
吸血娘「えっ、女は大丈夫だよね?男ならともかく女は薄くならないよね?」
屍男「…性別は関係ないんじゃないか」
吸血娘「えっ…ちょっ……う、嘘って言ってよ」
吸血娘「嘘って言ってよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!」
屍男(…いい気味だ)
おわり
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 02:12:36.49 ID:O73lVglo0
続いたりするのかしら
372 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:16:37.69 ID:bZYgmwwgo
はい終わりです
多分最後まで読んでくれた方は全員まだ途中じゃねえかって思うと思います
実はそうです、全体としては起承転結の起承ぐらいです
実はこれ書き出したの4月くらいで色々あって半年ぐらい終わらせるのにかかってます
で、来年以降も自分のリアルが忙しくなりそうなので本当に全部書けるか分からないんですよね...だから一応ここで終わりってことになります
多分...年明け以降になりますが続編は書けると思います
それまでちょっと待っていただけると嬉しいです
373 :
◆gqUZq6saY8cj
[saga]:2017/10/31(火) 02:21:24.70 ID:bZYgmwwgo
あと屍男の正体に関しては読み返して頂けると大体察しがつくと思います
というか続編がいつ書けるか分からないのでもうバレるように書いてます
他にも意味深な発言とかあれって結局何だったんだよ的なことがいくつもあると思いますが...年内に一応関連作っぽいのは投下してると思います
幽霊的なスレタイで立てると思うのでこっちも読んでくれると嬉しいです
374 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 08:31:21.24 ID:8I4SsK9WO
乙やで、面白かった
375 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 08:48:24.13 ID:yDQtBK62o
おつ
続編書いてくれる時酉同じだよね?
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 08:50:26.33 ID:kNCczCznO
乙
ハゲ親父……一体何者なんだ……
377 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 11:55:51.98 ID:v2SoYiJDo
乙
関連作もきたい
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 14:24:19.16 ID:BqTwMbeW0
乙おもろかった
次作楽しみにしてます
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 14:50:30.98 ID:Or5GIdjro
乙
やっぱりまだ途中だったか
次スレもわかるようなタイトルでよろしく
380 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 17:28:26.67 ID:d6yJxVm3o
乙
次も待ってるよ
面白かった
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 18:36:36.53 ID:9Iael4ESo
マリーゴールドの花言葉は
嫉妬、絶望、悲嘆
黄色いマリーゴールドの花言葉は
健康
うん髪が生えるね
乙
382 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 18:53:18.13 ID:NarKt5QdO
変わらぬ愛ってのが一番すこ
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/03(金) 20:08:22.44 ID:5Jmtwvc20
乙
ここ最近抜け毛心配なって来たけどハゲても良いんじゃないかって思うようになりましたまる
384 :
◆gqUZq6saY8cj
[sage]:2017/11/05(日) 03:47:09.50 ID:g3NMdiz1o
ごめんなさい最後に一つ
幼女幽霊「バケモンにはバケモンをぶつけんだよ!」DQN幽霊「!?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1466012540/
一年くらい前に自分が書いたやつなんですけど次に立てるスレはこれとも思いっきり繋がってます
世界観は同じなのでこっちも読んでもらえると分かりやすいと思います
385 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/05(日) 09:10:27.08 ID:YDGGbRPw0
読んでた
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/05(日) 09:33:22.79 ID:Fo2jiu6Ko
くっそなつい
387 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/05(日) 12:53:44.35 ID:ZiEocw8bo
あーこれの人か。確かに女の子のキャラが近い
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[age]:2023/11/23(木) 19:34:43.82 ID:/u7viSKio
▽いいフサフサの日、奇才・Kato Junichiが贈る
チン狼、無職人狼に続く創作人狼第3弾
『人毛ゲーム/ハゲ人狼 NoHairWolfGames.』13人村
(20:30〜)
https://youtu.be/MxFo2UYSWnY
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