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【多重クロス・安価】色々なキャラで人理修復【FGO】
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146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/26(木) 00:06:00.31 ID:1Ul1as2DO
アムロが牽制して七花が確実にダメージを積み重ねつつ止めを刺すチャンスを覗う
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/26(木) 00:16:00.67 ID:KdFAuJnzO
>>145
内容によっては再安価って書いてあるじゃん
148 :
◆9DJJwpqX1YBd
[saga]:2017/10/26(木) 00:38:23.63 ID:dNo/JV2O0
「アムロは牽制、七花はその隙に攻撃して!」
「了解だ。行くぞ、七花」
「……ああ」
ガンダムの姿を取ったアムロがビームライフルを連射する。
それと同時に七花が駆けだし、接近する。
正確無比な射撃が男に迫る。
回避か防御、その隙に七花が攻撃を叩き込む算段だろう。
「―――悪いな」
「何っ……!?」
射撃は、ほんの僅かな動作で回避された。
それこそ微塵の隙すら発生しない程の、小さな動作で。
「飛び道具は効かねえんだわ」
ならば、とでも言うように七花が踏み込んだ。
装備や先程の攻撃を見るに、相手は魔術師のようだ。
剣も槍も弓も装備していないのだ。少なくとも三騎士という訳ではないだろう。
それなら、接近戦は七花に分がある。
近接の間合いで、七花が両腕を振るった。
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/10/26(木) 00:51:49.11 ID:RwBxCCbD0
成る程……正体が分かった
150 :
◆9DJJwpqX1YBd
[saga]:2017/10/26(木) 00:53:15.94 ID:dNo/JV2O0
「っ……!」
轟音。
七花の腕は、しかしながら相手を切り裂いていない。
「接近戦はないと見たか? 甘ぇえよ、ガキ」
相手は、杖で受けていた。
『槍兵のような構えでもって』、七花の突きを正面から受ける。
まさか受け止められるとは思っていなかったのだろう。
七花の眼が見開かれる。
「言ったよな。本気で来ねえと殺す―――ってよ」
ゾッ、と肌が粟立った。
殺意。
先の影のサーヴァントような、狂気のそれじゃない。
正真正銘の、理性から来る殺意。
冷や水を浴びせられたように、身体が強張った。
151 :
◆9DJJwpqX1YBd
[saga]:2017/10/26(木) 01:07:44.85 ID:dNo/JV2O0
「ほうら、避けてみな―――!!」
杖の切っ先から、魔術が迸る。
炎、雷、氷……五大属性を無視するかのような、多彩な魔術が杖から噴出する。
大きく後退しながら回避行動に入る七花。
だが、とても避けきれない。
遂には炎魔術が七花を燃やし尽くさんと迫る。
「―――『刀語 薄刀・「針」』」
が、炎が七花に届く事はなかった。
まるで風に巻かれる一枚の紙ように、七花の身体が熱風に押される。
薄刀・「針」―――その特性は「薄さ」と「軽さ」。
羽毛の如く軽さで、炎の勢いに逆らわず、熱風に流されることで回避したのだ。
152 :
◆9DJJwpqX1YBd
[saga]:2017/10/26(木) 01:25:34.79 ID:dNo/JV2O0
「はっ、面白れぇな! なら―――」
「―――させるか!」
「―――っ!」
追撃の構えを取った瞬間、男にアムロが斬りかかる。
鋭い踏み込みと共にビームサーベルを一閃。
男は虚を突かれたものの、槍の構えで迎え撃つ。
サーベルを避け、返しの突きを放つ。
が、アムロはそれすらも易々と回避し、再びサーベルを振るった。
「ちぃっ―――!」
たまらず距離を取る青髪の男。
アムロは隙なく構えながら、男を見る。
153 :
◆9DJJwpqX1YBd
[saga]:2017/10/26(木) 01:36:48.51 ID:dNo/JV2O0
「近接戦の心得はあるようだが、飽くまで『戦える』といった程度らしいな」
「抜かせ。本来のクラスで召喚されてりゃ、今頃お前は立っちゃいねえよ」
「そうなのかもしれないな。だが―――」
挑発するような口調の途中、突然アムロの身体が宙に浮いた。
背中と足裏のバーニアを吹かして、まるで宙返りをするように浮き上がる。
人間にはできない、モビルスーツだからできる、ノーモーションからの動作。
その背後から現れたのは―――鑢七花だった。
七花の突撃を、アムロは自らの姿でギリギリまで隠していた。
その上でノーモーションで動き、男の不意をついたのだ。
「ちぃっ―――!!」
男の反応は目に見えて鈍い。
それでも杖を横薙ぎに振るったのは流石と言えるだろう。
苦し紛れだが、正確な一振りが七花を迎撃する。
154 :
◆9DJJwpqX1YBd
[saga]:2017/10/26(木) 01:53:28.65 ID:dNo/JV2O0
だが―――、
(残像―――!)
七花の姿が掻き消える。
虚刀流七の構えから繰り出される、前後方向自在の足捌き。
特殊な歩法により緩急をつけ、男の一撃を避けたのだ。
「虚刀流奥義―――落下狼藉!!」
「ぐっ―――!!」
空振りを見据えての、踵落し。
男は何とか身を捩って直撃を避ける。
だが、完全に躱し切るには至らず。
衝撃をそのままに受け、後方へ吹き飛ぶ。
155 :
◆9DJJwpqX1YBd
[saga]:2017/10/26(木) 01:59:43.62 ID:dNo/JV2O0
「―――やるじゃねえか。どうやらあんた等の事、見くびってたみたいだな」
左腕より血を滴らせながら、それでも男は軽口を零した。
最初は押されたものの、数の差もあってか戦況は有利と言えた。
冷静に立ち回れば、七花もアムロも決して相手に劣ってはいない。
「……力を見る、というのが目的ならば、もう十分だと思うが」
「そうさな。あんた達二人の力はそれなりに分かった。確かに充分だろう」
男は降参の意を示すように、両手をあげた。
安堵の息が漏れる。
どうやら戦いは終わったようだ。
156 :
◆9DJJwpqX1YBd
[saga]:2017/10/26(木) 02:01:13.49 ID:dNo/JV2O0
「だが―――そこの嬢ちゃんの力はまだ見てねえな」
直後、その考えが誤りだったと理解する。
凄まじい魔力が肌を突き刺す。
これまでのより更に強大で、凶暴な、魔力の奔流。
これは、まさか―――
「そぅら、防がねえとマスターが死んじまうぞ!!」
―――宝具。
「焼き尽くせ木々の巨人―――――『 灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』!! 」
157 :
◆9DJJwpqX1YBd
[saga]:2017/10/26(木) 02:04:50.60 ID:dNo/JV2O0
アムロと七花が、動く。
僕とマシュの前に立ち塞がり、共に防御の構えを取る。
だが、無理だ。
例えガンダムの盾だろうと、例え完成形変体刀の肉体であろうと、あれを受け止めるには至らない。
どうする。どうする。どうする。
焦燥の中で、だが答えはでず。
燃え盛る藁の巨人が近付いてくる。
アムロも、七花も、僕も。
ただ身を固くして、次に来るであろう衝撃に備えるだけだった。
そんな中で。
唯一動いた者がいる。
「―――マシュ―――」
円と十字架を模った巨大な盾を手に、少女は一歩前に出る。
そして、
「宝具、展開します――――!!」
全てを守る盾が、顕現した―――。
158 :
◆9DJJwpqX1YBd
[saga]:2017/10/26(木) 02:05:17.99 ID:dNo/JV2O0
一旦終了します。
ありがとうございました。
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/31(火) 20:04:43.64 ID:pmipv7Tw0
乙
ものすごく期待してる
160 :
◆9DJJwpqX1YBd
[saga]:2017/11/02(木) 00:29:14.91 ID:AYlM/iMm0
少し更新していきます。
161 :
◆9DJJwpqX1YBd
[sage saga]:2017/11/02(木) 00:30:11.28 ID:AYlM/iMm0
◇
私は、ずっと考えていた。
何のためにここにいるのだろうと。
何のために、サーヴァントとなったのだろうと。
既にマスターは二人のサーヴァントを召喚している。
御伽話の世界からの、凄腕の英霊達。
二人は私なんかよりもずっと強くて、ずっと逞しくて。
マスターを危険に晒す事なんて、そもそもなくて。
私がいる意味なんてないんじゃないかと、ずっと思っていた。
守ることしか―――いや、宝具も使えず、守ることすら出来ないサーヴァント。
真名も知らず、己が力を発揮することもできないサーヴァント。
役立たずの、サーヴァント。
ずっとずっと、そう思っていた。
それは今回の戦いでもそう。
突然現れた青髪の魔術師。
先程の影のサーヴァントよりも遥かに強い彼を相手にしても、二人は互角以上に戦っていて。
私はマスターの側で、それを見ているだけだった。
加勢することも、サポートすることも、できずにただ見ているだけ。
とても情けなく、不甲斐ない気持ちで一杯だった。
162 :
◆9DJJwpqX1YBd
[sage saga]:2017/11/02(木) 00:40:31.41 ID:AYlM/iMm0
この人の―――あの朝に出会い、ただそれだけの関係なのに、死の間際まで共にいてくれた人の―――力となりたかったのに、
なのに、なのに。
「焼き尽くせ木々の巨人―――――『 灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』!! 」
我に返ると、視界は真紅に染まっていた。
凄まじい魔力。凄まじい熱量。
炎を纏う藁の巨人が、ゆっくりと近付いてきている。
アムロさんと七花さんが私達を庇うように立つが―――無理だ。
例え二人でも、あれとぶつかってただで済む訳がない。
いや、後ろにいるマスターだって―――死んでしまう。
(守らないと、使わないと、みんな消える―――。仮初めでもいい、未熟でもいい、今だけでもいい。私が、私がやらないと、みんな無くなってしまう―――)
前にでる。
アムロさんよりも、七花さんよりも、前に。
そう、今は私が、私がやらなくちゃ―――
「宝具、展開します――――!!」
藁の巨人が放つ真紅すら染め変えて、白が全てを包み込んだ―――。
163 :
◆9DJJwpqX1YBd
[sage saga]:2017/11/02(木) 00:47:07.55 ID:AYlM/iMm0
◇
世界に色が戻っていく。
直前まであった灼熱は、もうどこにもない。
自分の身体を見る。
宝具をくらったというのに、傷の一つもない。
前に立つアムロも七花も同じだ。
傷一つなく―――そして、僕と同じ様に驚いた様子で―――立っている。
「―――マシュ」
そう、全てはマシュが起こした。
自らの宝具を展開して、男の宝具を正面から受け切ったのだ。
「やった……私、宝具を展開、できた……」
マシュ自身も信じられないような様子だった。
「驚いたな。まさかこんな力が……」
アムロが小さく呟いた。
七花もまた目を丸くしていた。
彼等ですら死を覚悟したんだと思う。
そんな必死の状況を打破したのだ。
「すごい……すごいよ、マシュ!」
駆け寄り、その手を握る。
あの時と同じ、小さく、でも暖かな手。
こんな小さな手が、それでも僕達を守ってくれた―――、
「……なんとか一命だけはとりとめると思ったが、まさかマスターともども無傷とはね」
青髪の魔術師も、驚きを表情に滲ませていた。
その表情に既に殺意はない。
攻撃する様子がないという事は、『実力を見る』のは終わったのだろう。
164 :
◆9DJJwpqX1YBd
[sage saga]:2017/11/02(木) 00:59:35.35 ID:AYlM/iMm0
「……こちらの実力は分かってくれたようだな」
「ああ、十分に分かったよ」
「それは何よりだ。こちらも死ぬ思いをした甲斐があったよ」
「悪かったな。こっちも命がかかってるもんでよ。少しは手ぇ抜いたんだぜ、あれでも」
アムロの皮肉めいた言い回しもどこ吹く風。
青髪の男は口笛を吹いて、僕とマシュを見詰める。
「あんたにも謝っておかねえとな。悪かったな、何処ぞのマスターさん」
ニヤリと笑いながら、男は続けた。
「―――喜べよ。あんたのサーヴァント達はどれも一級品だ」
どこの時代の、どの英霊かは分からない。
それでも、サーヴァント自身からそういわれると、何故だか自分のことのようにうれしくなる。
そう、アムロも、七花も、マシュも、皆すごいサーヴァントなんだ。
例え虚構の世界からの英霊だとしても、例え真名も宝具も分からない英霊だとしても、みんな―――。
165 :
◆9DJJwpqX1YBd
[sage saga]:2017/11/02(木) 01:01:00.05 ID:AYlM/iMm0
「さて、本題に入らせて貰おうか―――」
魔術師は語る。
この冬木という街であった聖杯戦争。
彼はそれにキャスターとして召喚され、戦っていたという。
だが、街は一夜の内に姿を変えた。
人という人が消え、残ったのは7体のサーヴァントと、無尽蔵に湧き出てくる怪物達のみ。
初めに、聖杯戦争を再開したのはセイバーだったという。
キャスター以外のサーヴァントはセイバーに敗北し、あのような影のサーヴァントに姿を変えた。
そして、最後に残ったキャスターを倒すべく、活動を始めたとのことだ。
「つまり一人では太刀打ちできないから、力を貸してほしいと」
「まぁ、そういうこったな。この世界で唯一マトモ、そんでもって腕もあるってんなら、手を組まない選択肢はないだろう」
「そうだがな……。もう少しやり方っていうものは無かったのか?」
「細かい事を気にすんな。こんなふざけた状況で出会っちまったんだ。一蓮托生と行こうぜ」
セイバーは強力なサーヴァントだという。
キャスターですら勝利は難しいという程に。
異変の原因がセイバーにあるとするのなら、激突は避けられない。
166 :
◆9DJJwpqX1YBd
[sage saga]:2017/11/02(木) 01:05:00.55 ID:AYlM/iMm0
歴史の保障を否定した事象。
その原因。
セイバーが何をしたのかは、分からない。
何をどうすれば、こんな風に世界を創りかえられるのか。
何をどうすれば、人の歴史を消滅させることができるのか。
僕の小さな思考じゃ、とても理解しきれない。
それ程までに強大な力を、セイバーは有しているのかもしれない。
とても太刀打ちできる相手ではないのかもしれない。
でも。
それでも。
「―――戦おう」
気付けば言葉が出ていた。
みんなの視線が一斉に向けられる。
そう、戦わなくてはいけないんだ。
カルデアの一員として、みんなのマスターとして―――戦う。
167 :
◆9DJJwpqX1YBd
[sage saga]:2017/11/02(木) 01:15:59.83 ID:AYlM/iMm0
「そうでなくてはな」
アムロは珍しく笑みを浮かべていた。
「分かった」
七花は小さく―――だが、力強く頷いた。
「やりましょう、マスター」
少女は真っ直ぐに僕を見る。
どこまでも付いていくと、その瞳が語っているような気がした。
「いい心意気じゃねえか。面白いぜ、カルデアのマスターさんよ」
話は決まった。
目指すは異変の根源。
そこに待ち受けるセイバーの元へ。
僕達は進む事となった。
168 :
◆9DJJwpqX1YBd
[sage saga]:2017/11/02(木) 01:17:35.48 ID:AYlM/iMm0
今日は以上となります。
また書きダメができたら更新します。
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2020/01/20(月) 12:12:59.92 ID:doFBB4M40
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