【モバマスSS】お題は星の数だけ 14夜目

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102 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 20:31:08.08 ID:Gu3ercLmo
共感覚にフォーカスされるの見るの初めてかも
103 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 20:31:57.40 ID:xxl3iEC90
「スマートフォンのキーボードを打つとプロデューサーの音声がでるアプリを改良したものだよ」

「へぇ、そんなものがあるのか」

俺の音声アプリなんて誰が得するのかわからないが、変わった物があるもんだなぁ

「うん、もちろんその音声は音葉さんを支配……というか、その気にさせる効果があるよ」

「やっぱり泉は天才だ! 今度言う事聞いてやるからな」
104 :訂正します [saga]:2017/10/14(土) 20:34:53.74 ID:xxl3iEC90
「スマートフォンのキーボードを打つとプロデューサーの音声がでるアプリを改良したものだよ」

「へぇ、そんなものがあるのか」

俺の音声アプリなんて誰が得するのかわからないが、変わった物があるもんだなぁ

「うん、もちろんその音声は音葉さんを支配……というか、その気にさせる効果があるよ」

「やっぱり泉は天才だ! 今度言う事聞いてやるからな」

「プロデューサーがそこまで言うなら、それでいいけど……」

C言語を魅了するアイドルは、その笑顔で俺まで魅了する気かと思った
105 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 20:47:42.76 ID:xxl3iEC90
「ちょっと試してみて良いか?」

「うん、どうぞ」

アプリのアイコンをタップすると、『プロデューサーボイス(Ver 泉)』と出てきた

可愛らしく、デフォルメされた泉のアイコン付きとなっている

「どれどれ、泉ありがとうっと」

一文字ずつ文字をフリック入力していく

『泉ありがとう』

おお、滑らかな声が聞こえてきた
106 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 20:55:06.13 ID:xxl3iEC90
「うん……どういたしまして」

俺(偽)からのお礼に頬を染める泉に、少し嫉妬と恥ずかしさを覚えた

「よし、早速音葉にためしてくるぞ!」

「応援してる、頑張ってね」

手を振る泉を後にして、音葉が戻ってくる事務所へと向かう



「今度は私用の作ろうかな……」
107 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/14(土) 21:29:52.13 ID:xxl3iEC90
「お疲れ様です、戻りました」

大きな挨拶をして事務所へ、音葉は……いた

「お疲れ様……とても嬉しそうな声みたいだけれど」

それはもう、と言いたいところだが、声に出すわけにはいかない

「強いて言うならそうだな、音葉に会えたことかな」

歯が浮くようなセリフだ、普段の俺なら間違いなく言う事はないだろう
108 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/14(土) 21:46:30.49 ID:xxl3iEC90
「珍しいセリフね……悪い気はしないけれど」

少し驚いたような、でも、満更でもなさそうにほほ笑む音葉

このまま世間話をしたい気持ちもあるが、せっかく泉が用意してくれたコレを試してみたい

「そうそう、珍しいスマホのアプリを見つけたんだ」

「スマホのアプリ……私、そういうのに敏感じゃなくて」

予想通り、この手にうとい音葉は全く不信感を抱いていない
109 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 22:09:29.84 ID:xxl3iEC90
「俺の声が出るっていう需要がないアプリなんだ」

さっきも思ったけれど、本当に需要がなさそうだ

むしろ喜ぶやつがいたら見てみたいものだが……

「それは面白そう……難しくなければ」

音葉の反応は予想と違い、好感触だ
110 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 22:24:22.09 ID:xxl3iEC90
「どういうものなのか……見せてもらっても良い?」

「ああ、もちろんだよ」

話が上手くいきすぎているような気がするが、この流れのままいくしかない

「じゃあ、まずはこんな感じかな」

手始めに簡単なものを入力してみる

『音葉の歌が聞きたい』

機械音声とは思えないほど、人間じみた声が聞こえてきて

「……」

音葉の方を向いてみると、ぼーっとしたような、何かが抜けてしまったような雰囲気
111 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 22:38:20.76 ID:xxl3iEC90
「いつも歌っているつもりだけど……変なプロデューサー」

くすくすと笑う音葉、いつも通りのような気もするが、その瞳は見たことがない光を湛えている

「いつでも聞きたいから、頼むよ」

「貴方のために歌うのは……嫌いじゃないわ」

こほんと咳払いをすると、ゆっくりと瞳を閉じてから音葉が歌を

陳腐な表現ではあるが、透き通るような声で歌詞を紡いでいく

それは無機質な事務所の中で躍動し、まるで鼓動を内包しているような勢いを感じる
112 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 23:02:06.86 ID:xxl3iEC90
「ふぅ、気持ちを込めて歌ってみたけど……どう?」

不安そうな顔でこちらを覗き込んでくる音葉

正直に言うと、歌に夢中になってしまい、終わったことに気付いていなかった

「音葉の歌はいつ聞いてもいいもんだな」

「なら良かった……あ、たまには小さい子にしてあげるみたいに……」

すすっとこちらに寄ってきて、綺麗な髪を揺らしながら、頭を下げた

これは撫でろってことで良いんだよな?
113 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 23:09:04.33 ID:xxl3iEC90
恐る恐る音葉の頭に手を置いてみる

綺麗な髪は手触りもとても良くて、早く撫でてみたいと思わせるほどだ

「じゃあ、いくぞ」

「はい……」

ごくりとつばを飲み、ゆっくりと手を滑らせていく

びくりと、音葉の体が反応するがそれも最初だけ

後は撫でられることに、集中するかのようにおとなしくなった
114 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/14(土) 23:20:08.15 ID:xxl3iEC90
「んっ……小さいころを思い出すわ」

気持ちよさそうな声を上げて、上機嫌のようだ

大人びているけれど、音葉はまだ未成年の少女

たまにはこういうコミュニケーションも必要だと感じた

「そうか、今度からたまには撫でてやるからな」

「子供扱いは嫌だけど……こういうのなら嬉しい、です」

年相応の笑顔を見て、何だか撫でている俺の手が暖かなった
115 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/14(土) 23:21:41.57 ID:xxl3iEC90
すみません、眠気に負けそうなので続きはまた明日ということで……
近頃筆が遅くて申し訳ないです
116 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/14(土) 23:50:54.79 ID:X0C1sh2DO
乙です
117 :1でです [saga]:2017/10/15(日) 20:43:18.84 ID:vi5Ode480
すみません、祭で飲みすぎてしまったので今日は見送らせてください
明日は必ず書きますのでご勘弁ください
118 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/15(日) 20:47:17.94 ID:O+GygGhJo
(今日祭りがあった場所を特定中)
119 :再開します [saga]:2017/10/16(月) 21:09:44.86 ID:RC7O5UsD0
「まだ……歌いましょうか?」

素敵な提案だが、今はやることがある

「それは次のお楽しみにとっておくよ」

そう、今のお楽しみはコレなのだから

撫でられたままの音葉にばれないように、スマホをフリック入力していく

『音葉、ソファに座るんだ』

そして流れる合成音声、いつ聞いても人が喋っている感覚しかない
120 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/16(月) 21:20:34.28 ID:RC7O5UsD0
『俺を膝枕するんだ』

立て続けに音声が静かな事務所に響く

「私の膝枕……? 気持ち良いかわからないけど、どうぞ」

ぽんぽんと太ももを叩き、俺を手招きしてくれる

今日は珍しく短いスカートをはいており、きめ細やかな肌が大胆に露出している

「おじゃまします」

気が小さいので、いちいち相手の反応を気にしてしまう

「おじゃまされました」

俺の頭にそっと手をおいて、何故だか嬉しそうに音葉がほほ笑んだ
121 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/16(月) 21:34:38.82 ID:RC7O5UsD0
俺の頭の下には音葉の太ももがある

そう考えると、とても興奮するとともに、俺は何をしているんだという罪悪感が沸き上がってきた

大切なアイドルにこんなことをさせている自分がとても小さく思える

けれど……この感触の温かさに抗えるほど自分は聖人でも何でもない

そうだ、俺はプロデューサーである前にただの男でしかない

女の柔らかさと温かさを求めてしまうのは当然である

そう思うと気持ちが楽になってきて、今の状況を楽しむ余裕が出てきた
122 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/16(月) 21:43:36.06 ID:RC7O5UsD0
「どう? 私の膝枕……気持ちいいかしら」

珍しく不安そうな声色で、音葉が俺の顔を覗き込んでくる

立派なお山のせいで顔の上半分しか見えない

「うん、とってもいい気持ちだ。眠ってしまいそうだよ」

「そう……」

シンプルな返事だが、そこには先ほどの不安は欠片も感じられない

123 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/16(月) 21:53:37.57 ID:RC7O5UsD0
ぐうっと背伸びをするついでに、手を音葉の太ももに置いてみる

びくりと体が跳ねて、声にならない声が漏れた

「どうしたの……?」

返事を返す代わりに手を動かしてみる

絹のような手触りってこういう事を言うんだろうなと思った

つうっと指で太ももをなぞる

「だ、だめっ……くすぐったい」

俺を止めようとしてなのか、俺の頭を抱きしめるようにして捕まえた
124 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/16(月) 22:07:25.69 ID:RC7O5UsD0
柔らかく良い匂いで包まれて、頭がくらくらする

苦しいが、このまま窒息しても良いと思わせる魅力的な感触

この感触だけに気を取られていたが、耳を澄ませると小さな声と、荒い吐息が聞こえてきた

「は、ぁ……どうして意地悪するの?」

ぞくぞくするような吐息と加虐心をそそられる言葉

よし、もうどうなってもいいや

頭をぐりぐりと動かして、音葉のお腹とは逆の空いている空間へと向ける

「動かないでっ……おとなしく、してて」

それは無理な注文だ、もう俺に壁なんてものは存在しない
125 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/16(月) 22:17:48.96 ID:RC7O5UsD0
このまま突っ走ってやろうと、スマホに入力していく

ああ……泉、こんな素敵なものを作ってくれて本当にありがとう

俺はこのまま階段を上って大気圏まで行ってくる

『音葉、××××××××××××』

流れてきたのは音葉まで聞き取れた

しかし、その後は機械的なアラームのみ

その後、どこかで聞いたことのある声がスマホから聞こえてきた

『はぁ……これを聞いているってことはどういうことかわかるよね?』

泉? なんで泉の声が聞こえてくるんだ、壊れちまったのか?
126 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/16(月) 22:29:56.49 ID:RC7O5UsD0
『これはリミッターみたいなもの、プロデューサーが音葉さんに変な事しようとした時に備えたんだ』

おいおい、それは野暮ってもんじゃないの?

『さすがにどんなことでもってのは無理だからね?』

そして、泉が恐ろしい言葉を最後に吐いた

『そうそう、ペナルティとしてこのスマートフォンは使用不能になるから』

「ま、待て! それはやりすぎだろ? いったん落ち着こう」

『これは収録された音声なので、貴方が何を言っても無駄です、さようなら』

声が途切れると同時に、スマホの電源が落ちた

おいおいマジかよ……何度も何度も電源ボタンをおしたりこねくりまわしてみるが、電源は入ることはなかった
127 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/16(月) 22:39:02.90 ID:RC7O5UsD0
「その……大丈夫?」

ああ、こんな時でも音葉は優しいなぁ

「ああ、こんな時でも音葉は優しいなぁ」

あれ? 勝手に口が動いて思っていることを言葉にしていた

「ふふ……おかしな感覚でしょう?」

音葉が妖しく笑う、それはどこか美しく魔性だ

「俺に何か……したのか?」

「貴方のまねごと、貴方を支配してみようと……」

心臓が飛び跳ねるかと思った

128 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/10/16(月) 22:48:08.58 ID:RC7O5UsD0
「最初にスマホの声……ううん、音を聞いた時におかしいと思ったの」

それはわかった……けれど、そのことを知っているのは俺と泉だけのはずだ

「だから、真似事……私の歌を聞いたでしょう?」

まさかその時に? 俺のスマホのように自分の声で俺を……

「そう……どう? なかなか面白いでしょう」

くすくすと音葉が笑う、まるで欲しかったおもちゃを手に入れたような顔で

そして、美しい声で俺に命令をするのだ

「さぁ、遊びましょう……私のお人形さん」




おしまい

129 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/10/16(月) 22:50:14.67 ID:RC7O5UsD0
お待たせしちゃってすみませんでした……
まだ書きたいのですが、今回はここでお開きとさせて頂きます

改めて読んでくれた方に心からの感謝を
そして、たくさんのお題ありがとうございました
また読んで頂く機会があればよろしくお願いします
130 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 22:50:38.83 ID:GaLKPoHJo
131 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/10/16(月) 23:58:17.96 ID:P6hOaIxDO


次こそはっ……!!
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