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アスカ「だいじょうぶの笑顔。」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 17:00:03.52 ID:TrZWhGNQ0
<葛城邸・リビング>
シンジ「…………………。」ハァ...
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1507622402
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 17:09:48.53 ID:TrZWhGNQ0
スッッ パアァァ----ン!!!
シンジ「痛っ!何するんだよ、アスカ!」
アスカ「まったく辛気くさいわねー、バカシンジ。いったいアンタどうしたってぇのよ?」
シンジ「……母さんのことを考えてたんだ。でも、母さんのお墓には母さんは居ないんだって聞かされて…。」
アスカ「なに?ちょっと前に流行った千の風がどーたらってやつ?」
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 17:20:02.51 ID:TrZWhGNQ0
シンジ「ううん、そうじゃないよ。前に父さんに言われたんだ。遺体も遺品も遺ってはいないって。それで僕はこれからあの墓標で何に手を合わせればいいんだろうって…。」ハァ...
アスカ「……………。バカシンジ。」
シンジ「なに?アスカ。」
アスカ「いまから出かけるわよ!。」
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 17:30:10.23 ID:TrZWhGNQ0
シンジ「えぇっ?!なんだよ!いきなり、そんなっ…。」
アスカ「いいから!早く支度しなさい。朝からアンタがそんな辛気くさい顔してうつむいてんの見せつけられちゃたまったもんじゃないわ。」
シンジ「そんな急に言われても…。」
アスカ「い・い・か・ら!40秒で支度なさい、グズグズしてると張っ倒すわよ!」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 17:40:01.99 ID:TrZWhGNQ0
……………………
………………
………
<第3新東京市・共同墓地 碇ユイ墓標前>
シンジ「アスカ…。ここ…。」
アスカ「そうよ、アンタのママのお墓……。ここでいいのよね?」
シンジ「アスカ、僕が何に悩んでたかちゃんと聞いてなかったの?」
アスカ「聞いてたからここにきたの。」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 17:50:02.41 ID:TrZWhGNQ0
シンジ「えっ?」
アスカ「ごめん、シンジ。アタシね、アンタのお母さんに何があったのかミサトから聞かされてるの。」
シンジ「そう……なんだ…………。」
アスカ「だからって流石に第7ケイジはやっぱり生々しすぎる気がするのよね。だからここにしたの。」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 18:00:13.34 ID:TrZWhGNQ0
シンジ「……………。」
アスカ「アタシね、人が人を弔うって言うのはつまるところは心の在り方だと思うの。そりゃ確かに遺骨だとか遺品だとかそういう物があれば手は合わせやすいわよ?でもそう言うのってその心の在り方を示すためのデバイスでしかないと思うのよ。」
シンジ「…うん。」
アスカ「それにね、シンジ?遺されたアタシたちが元気にやってて故人を想ってあげること、悼んであげること。
その気持ちが一番大事なんじゃないかしら?それが出来ればどこに居て何に向かって手を合わせてもアンタのママにその心はきっと伝わるわ。」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 18:10:02.23 ID:TrZWhGNQ0
シンジ「アスカ…。ありがとう、優しくしてくれて…。」
アスカ「あら?アタシはいつだって優しいわよ?優しいからアンタみたいな優柔不断にいっつも喝を入れてやってんでしょ?」
シンジ「普段も、もう少しお手柔らかにお願いできないかな?」
アスカ「なに言ってんの!優しいとお手柔らかは違うのよ!アンタくらい煮え切らないのにはあれくらいで丁度よ。少し足りないくらいかしらねー。」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 18:20:18.31 ID:TrZWhGNQ0
アスカ「それにアンタだって…。」ボソッ
シンジ「なにか言った?アスカ。」
アスカ「なんにも!ほらバカシンジ、アンタのママに手を合わせるわよ!」
シンジ「うん。ありがとう、アスカ。もう だいじょうぶだよ。」ニコッ
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 18:30:01.97 ID:TrZWhGNQ0
……………………
………………
………
<共同墓地・入口>
シンジ「ねぇ、アスカ。」
アスカ「なによ?バカシンジ。」
シンジ「アスカはミサトさんから僕の母さんのこと聞いたって…。ごめんね、実は僕もアスカのお母さんのこと…聞かされてるんだ。」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 18:40:04.57 ID:TrZWhGNQ0
アスカ「ま、そうよね。それが当然の帰結ってもんよね。ミサトがアタシだけに話すなんてあるわけないものね。」
シンジ「黙ってて、ごめん。」
アスカ「黙ってたのはお互い様でしょ?それに黙ってたって言うよりはどう考えたって軽々しく触れていい話題じゃないもの。アタシにしたってたまたまきっかけがあっただけなんだし。」
シンジ「…………。ね、アスカ?海に行こうよ。」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 18:50:03.38 ID:TrZWhGNQ0
アスカ「は?何よ?突然。」
シンジ「海に行こう。海じゃなくてもいいんだけど、もう少しアスカと話がしたいんだ。」
アスカ「唐突ねー。ま、いいわ。行きましょ、今日は天気もいいし。アタシも付き合わせたんだしね。」
シンジ「ありがとう、アスカ。」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 19:00:02.94 ID:TrZWhGNQ0
……………………
………………
………
<新横須賀(旧小田原)・埠頭>
シンジ「アスカ、ここ憶えてる?」
アスカ「忘れるわけないでしょ?アタシが初めて踏んだこの国の地面だものね。」
シンジ「本当は僕たちが初めて出逢った場所にしたかったんだけど…。」
アスカ「さすがに太平洋の海の上は無理ってものよ。」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 19:11:23.59 ID:TrZWhGNQ0
アスカ「で…?話ってなんなのかしら。」
シンジ「………アスカはさ。いつかエヴァを降りる日が来るって、そんな未来があるって考えた事ある?」
アスカ「………………!」
シンジ「アスカは僕の母さんの話聞いたったって事はさ、アスカのお母さんの事。アスカ自身が直接は聞かされないにしても感づいてはいるんでしょ?」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 19:20:02.20 ID:TrZWhGNQ0
シンジ「ごめん、デリカシーを欠いた事を聞いてるのはわかってるんだ。でもね、なんだかアスカとはちゃんと腹を割って話をした方がいいと思ったんだ。」
アスカ「…………。」
シンジ「アスカがエヴァにこだわる理由も想像がつかない訳じゃないから…。多分その辺の話については僕よりも大きいもの想像つくんだけど…。」
アスカ「……………アンタが想像してる理由だけじゃないわよ、きっと。」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 19:30:07.54 ID:TrZWhGNQ0
シンジ「そうかも知れないね。僕はアスカ自身じゃないから全部お見通しってわけじゃないけど…。」
アスカ「アタシね…。ママがママじゃなくなった時にね、これ以上誰かに捨てられたくなかったんでしょうね。そんな時にタイミング良くエヴァのパイロットに選ばれてね…。」
シンジ「うん…。」
アスカ「もちろん今となっては仕組まれた話だって気付いてるわ。ただ、仕組まれた話とは言えエリートとしてのレールが用意されてさ…。」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 19:40:02.53 ID:TrZWhGNQ0
アスカ「誰よりも優秀ならみんながアタシを見てくれる。気にかけてくれる。捨てられない。そんな気持ちでエヴァにしがみついて生きてきたの。」
シンジ「…………。」
アスカ「アンタのママの話を聞かされた時ね…。そりゃ当然感づくわよね、弐号機の正体に。そこから先はアンタが想像してる通りよ。アタシがいま弐号機にこだわる理由。」
シンジ「あのね、アスカ。ケンスケから聞かされた話なんだけどね。」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 19:51:00.98 ID:TrZWhGNQ0
アスカ「あの三バカ一味の話?」
シンジ「まだ僕が先生のところにいた頃の話でさ第3新東京市に来る前だね、小学生の頃の話らしいんだけどね。トウジが凄くヘコんでた事があったんだって。」
アスカ「そりゃ鈴原だってヘコむ事くらいはあるわよ。」
シンジ「そうなんだけど、なんだかヘコみ方が尋常じゃなかったらしくってケンスケが心配して理由を聞いてみたんだって。」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 20:00:15.39 ID:TrZWhGNQ0
アスカ「どうせ鈴原じゃない。つまんない事だったりするんでしょ?」
シンジ「そしたらね、トウジが応援してる野球チームで長年主力だった選手が引退を表明したらしくって、それでヘコんでたんだって。」
アスカ「バカらしい!鈴原らしいわねー、本当。誰だって衰えるんだから引退くらいするじゃない。」
シンジ「優勝した年に4番を打ってたんだって。トウジにとってはよっぽどだったんだよ、ケンスケが言うには給食が喉を通らないくらいヘコんでたらしいし。」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 20:10:31.92 ID:TrZWhGNQ0
アスカ「あの鈴原が?!嘘でしょ?」
シンジ「僕もケンスケから聞いた話だから…。で、ひと月くらいそんな様子が続いてある日いきなり元気に学校に来たらしいんだ。」
アスカ「どーせ、つまんない事で機嫌直ったんでしょ?」
シンジ「つまんない事かなぁ。その選手の引退セレモニーの次の日だったらしいんだけどね、そのセレモニーの挨拶で『いつかチームに戻ってきます。ファンの皆さん、チームの皆さん、その時はまた一緒に戦いましょう。』って言ったんだって。」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 20:20:28.76 ID:TrZWhGNQ0
アスカ「…………。」
シンジ「その人はもう選手として野球に関わらなくなったけど野球をやめた訳じゃないんだって思えてきて嬉しかったってトウジは言ってたっけ。」
アスカ「どう言う事よ…。」
シンジ「さっきアスカ、誰だって引退くらいするって言ったでしょ?でも、引退するからって言って何もかもをキッパリと断つことも無いと思うんだよ。」
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/10(火) 20:30:12.03 ID:TrZWhGNQ0
シンジ「関わり方が変わってもエヴァとともにある人生をアスカが必要とするならさ、アスカはエヴァを捨てる事はないと思うんだよ。」
アスカ「…………。」
アスカ「やっぱり、アンタだって…。」ボソッ
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