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W号戦車「ドゥルルルルルルン……!?」 エリカ「貴女の名は」
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2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 01:12:31.28 ID:AXqqQVBeo
人そんなにおらんし感想も全然つかないから余裕やろ、と思ったら埋まっていたので次スレ立てました
これだけなのもなんなので、少しだけ投下します(眠いので値落ちしたら申し訳ない)
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/10(火) 01:13:42.37 ID:+iFESrnwo
期待
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 01:31:36.00 ID:AXqqQVBeo
エリカ「……」
エリカ「まあ、何か――って言えば、廃校阻止とかなんだろうけど……」
エリカ「それなら、このタイミングも理解できる」
エリカ「やり取りを経て、助けたいって思ったとして……」
エリカ「何故また私と?」
エリカ「私と入れ替わったとして、何が出来るっていうの……?」
エリカ「聞いてる限りじゃ、私に入ったW号じゃ何も出来ないと思うけど……」
エリカ「じゃあ私に何かをさせたいってーの……?」
エリカ「一体何を……」
みほ「あー、楽しかったあ〜」
沙織「転校してきて一番の笑顔だねみぽりん」
みほ「大洗にこんなところがあったなんて……」
みほ「転校なんてやめて、このまま退学してずっと大洗にいようかな……」
優花里「ちょ、西住殿!?」
麻子「目がマジすぎるぞ……」
エリカ「……これを止めろって可能性も出てきたけど、これこそどうしようもないわよ私には……」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 01:38:32.50 ID:AXqqQVBeo
エリカ「……はあ」
エリカ「結局、考えてもどうしようもないって結論になるわよねえ……」
エリカ「なんだかんだでこの子達も嫌々ながら現実を受け入れてるし……」
エリカ「W号、アンタも受け入れなさいよ」
エリカ「……私達には何も出来ないわ」
エリカ「こっちには、守らなきゃいけないものがあるのよ」
エリカ「大洗のために、大切な身内に無駄に敵を作るわけにはいかないでしょ」
エリカ「……」
エリカ「夜がくる……」
エリカ「今日も、元の身体には戻れないのかしら……」
エリカ「……」
エリカ「私の身体……どうなってるのかしら……」
エリカ「不安でしょうがないわ……」
エリカ「せめてあまり暴走せずに、大人しくしてくれているといいんだけど……」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 01:39:02.11 ID:AXqqQVBeo
☆ ★ ☆ ★ ☆
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 01:45:30.55 ID:AXqqQVBeo
エリカ「ん……」
エリカ(あれ……)
エリカ(また見慣れぬ天井……)
エリカ(寝てる間にどこかに移動されたのかしら……)
スッ
エリカ「……!?」
エリカ(視線を移動しようとした時のこの感じ……)
エリカ(まさか――)
ガバッ
エリカ「お、起き上がれる……」
エリカ(戻ってる……元の体に……)
エリカ(でもじゃあなんで見慣れぬ天井……)
エリカ「一体どうなって……」 キョロキョロ
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 02:09:14.23 ID:AXqqQVBeo
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
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┃ l. . .l . . . l . . . l . . . . . . . . . . . l、. .l . . . . . .l . . . . . . . . . . . . .l ..┃
┃ !. . .l . . . .l . . ..l . . . . . . . . . .l、.l l. l , . . . /.. . . . . . . . . . . . . | .....┃
┃ !. . .l . . . .l . . ∧. . . . . . . .l. .l l.l l. l l. . ./|. . . . . . . . . . . . . . | .....┃
┃ ! . . l . l .∧ . l ', . . . . . . .l../ リ レ' !/_,.! . . . . . . . . . . . . . | .....┃
┃ | . . lヽ|/.ー\l 、. . . . . . / ,.ム,斗宍〒ォ. . . . . | . . . . . . . .| .....┃
┃ | . . . . .l ヽ弌ュx、;_\. . ../‐'゙´ィ´ヒ´zzタ /. . ./. . l . . . . . . . .| .....┃
┃ | . . . 、. ヽ. 弋zタ` }/ /. . /. . . l . . . . . . . .| .....┃
┃ | . . . . \. '、 /. /. . . . l . . . | . . .l ! .┃ チーーーーーン
┃ | . . .l . . . \_、 、 //.. . . . . ..l . . . | . . .|.| .┃
┃ | . . .| . . . .ヽ, / ! . . . . . . l . . . | . . .|,' .....┃
┃ | . . .| . . . . . . 、 ‐ 、 ,| . . . . . . l . . . | . . .| ┃
┃ | . . .| . . . l . . 个 . < j . . . . . . l . . . | . . .| ....┃
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┃ | ./ .| . . . l . . . ! . . . . . . ._, l ,. -/. . . . . . /. . . ..| . . .| .┃
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9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 02:10:54.81 ID:AXqqQVBeo
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ヽ
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{ {: .::}:::ハ:::}、. :} } |
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i ::|云ミ、 ′ 乂ヒリノ}/} : } | 「……………………」
|ハ小Vリ }.: .:::} |
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| i圦 __ ノ 7 .:::::::{:::. !
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` ノニニi〔ニニニニニニム:/ '
/ニニニニニニニニニニニ}
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 02:11:20.01 ID:AXqqQVBeo
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11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 02:15:19.62 ID:AXqqQVBeo
エリカ「死んでるーーーーーーーーーーっ」 ガビーーーーーン
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 02:19:45.31 ID:AXqqQVBeo
直下「う、うわああああああああああああ!」
直下「い、逸見さんが蘇ったッ!」
ドドメ色星「ひぃぃぃぃぃ!」
黒星「し、し、し、し、塩! し、塩〜〜〜〜〜!!」
小梅「え、刀に火を点けて今すぐ火葬するの?」
マウス車長「そ、そうじゃなくてソルト! ソルト!」 ババッ
エリカ「ちょ、まっ、何ぶっかけt――いった! 誰今ダマでぶん投げてきたやつ!?」
しほ「お、おおお、落ち着きなさい貴女たち……」
小梅「誰よりガタガタ震えてます家元!!」
まほ「お、落ち着けお前たち!」
まほ「死んだ人間は生き返らない!」
まほ「つまりエリカは……」
まほ「信じがたいことに、呼吸を止めて複数日放置されてなお生きていたということだ!」
エリカ「!?」
しほ「何を言っているのですか」
しほ「さすがに呼吸が止まって動きも止まって数日経ってたら普通は死んでいるに決まっています」
エリカ(……否定できない……)
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 02:25:58.59 ID:AXqqQVBeo
エリカ「っていうかなんでこんな大事――」 フラッ
まほ「エリカ!」
小梅「逸見さん!?」
直下「よ、よし、弱ってるわ!」
マウス車長「い、今の内に追撃を・・…!」
小梅「ま、待ってみんな!」
小梅「少なくとも死体だと思ってたものが動いたんだし……」
小梅「万が一ゾンビかなにかだとしても、逸見さんは逸見さんだよ!」
直下「そうかもしれないけど……」
直下「でもあの態度だけ大きくプライドも高い副隊長なら、ゾンビになって外に出るよりもここで殺されたがるって!」
小梅「確かにそうかも……」
エリカ「ちょ、何早々に丸め込まれかけてんのよ馬鹿!」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 02:36:54.81 ID:AXqqQVBeo
エリカ「大体なんでこんな――」 フラッ
まほ「エリカ!」
ガシッ
エリカ「隊、長……」
まほ「……無理するな」
まほ「例の病気が発症して以来、何も口にしていないんだ」
小梅「にも関わらず井の中のものはポンポン射出してたし、栄養不足だと思うから、あまり無理して動かない方が……」
エリカ「……何やってたのよ私は……」 ゲッソリ
まほ「……何も」
エリカ「え?」
まほ「途中まではいつもの暴走だったのだが、途中から燃料が切れたかのようにピタリと止まってな……」
まほ「息もしていないし、乳首を何度触れてもつねっても押し込んでみても反応がなくて、本当に死んでしまったかと思ったぞ……」
エリカ(悲しんでくれてるっぽい顔なのに発言のせいで全然うれしくない……)
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 02:41:35.33 ID:AXqqQVBeo
まほ「何にせよ、生きててよかった……」
小梅「とりあえずベッドに運んで、栄養も取らなきゃいけないだろうし病院に……」
エリカ「……」
エリカ(栄養不足、か……)
エリカ(本当に文字通り、エネルギーが切れてW号が動かなくなったってことかしら)
エリカ(だとしたら、本当にW号が私の中に入ってもやることなんてないわね……)
エリカ「……」
エリカ(この入れ替わりに何か意味があるとしたら……)
エリカ(やっぱり私に何かをさせたいのかもね……) スゥ
まほ「エリカ。エリカ」
まほ「……眠ったのか……?」
小梅「あ、でも、今回は息してる……」
まほ「そうか……」 ホッ
しほ「とりあえず保健室に運びましょう」
しほ「……こうなった以上、彼女の葬儀は途中ですが取りやめます」
しほ「各自学校に戻り、授業や戦車道に取り組むように!」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/10(火) 02:42:27.03 ID:AXqqQVBeo
眠いので寝ます
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/10(火) 08:56:06.12 ID:t3qU2Ul/O
新スレ乙です。
これはひどいwwwwwwwww
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/10(火) 15:08:24.93 ID:CWXJLQMD0
乙
滑り出しからもうひどい
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/10(火) 16:01:48.03 ID:GdZ9KQTjO
おつおつ、990の時点で新スレ建てた方が良かったね
エリカは乳首さわんなきゃそうそう有事になんないんだから最初から寝かせとけば良かったのに…
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/11(水) 01:37:27.29 ID:xVb0nMvWO
君の名はって、こんな話だったのか……(驚愕)
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 02:15:20.78 ID:36iVTZAto
眠たいので短めになると思いますが投下します
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 02:39:01.84 ID:36iVTZAto
エリカ「ん……」
小梅「あ、起きた?」
エリカ「ここ……」
エリカ(部屋に戻ってる……)
小梅「あれから大分寝てたんだよ、逸見さん」
エリカ「うっそ」
小梅「ほんとだよ」
小梅「どうせ起きるならもうちょっと待ってくれたら布団に潜り込んで添い寝してたのに」
エリカ「この瀕死の起き抜けに右ストレートさせるのやめてもらえる? 疲れるから」
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 03:27:00.25 ID:36iVTZAto
エリカ「……」
エリカ「まだちょっとクラクラするわ」
小梅「今回、いつもより長かったもんね……」
エリカ「……そうねえ」
エリカ「別に責めるわけじゃないけど、もうちょっと早めに何とかしてくれてたら、とは思うけど」
小梅「もう、しょうがないじゃん……」
小梅「乳首ッション入れたらすぐ走り出しちゃうし……」
エリカ「イグニッション入れるのやめたら?」
小梅「でもじゃあ呼吸が止まってるのに放置できるかって言われると……」
エリカ「そりゃそうなんだけど、冷静に考えたら呼吸が止まってるから乳首弄るっておかしな話よ?」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 03:49:04.27 ID:36iVTZAto
エリカ「……」
小梅「起きて速攻スマホ?」
エリカ「いいでしょ」
エリカ「どうせ今日はもう学校に行くのも難しいし」
エリカ「ネットサーフィンは日課だから、欠かすと落ち着かないのよ」
小梅(病気だなあ……まあ例のアレの方がよっぽど病気だけども
エリカ「……」
エリカ(まだ大洗の廃校についてはニュースになってない、か……)
エリカ(……)
エリカ(これじゃあどうしようもないわね)
エリカ「……」
エリカ(私は黒森峰の副隊長)
エリカ(何の勝算もないのに、変に肩入れして戦車道連盟を敵に回すことはできない)
エリカ(副隊長の私がそんなことしたら、赤星や、他の黒森峰の皆にも迷惑がかかっちゃう……)
エリカ(……私は、何にも出来ないわよ……)
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 04:02:09.20 ID:36iVTZAto
ズドーーーーン
ルミ「うひゃあああああ!!」
アズミ「もうっ、今度は何!?」
メグミ「今度も寝返り発生!」
アズミ「もう、なんなのよこの試合は!」
アズミ「せっかく事前に潰せる分だけ潰したのに、まだ湧いてくるっていうの!?」
ルミ「うーん、折角頭脳派知的なお姉さんアピールをするために相手に裏切りを唆してたのに」
ルミ「何だか埋もれて全然アピールにならない気がするわ」
アズミ「……ほんと、多いわねえ、今日
メグミ「……そりゃあ、今日は、本格的に“あの”お子様隊長が陣頭指揮を取る日だもの」
ルミ「まあ、オトナとしちゃ負けられないもんねえ」
アズミ「子供だとどうしてもナメられちゃうしねえ」
メグミ「私達だって色々と疑問や不満を抱いてるものね」
ルミ「……お子様隊長がこのカオスみたいな盤面をどうするか、お手並み拝見といこうかしら」
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/14(土) 04:02:39.31 ID:36iVTZAto
急に眠気が来たので寝ます、申し訳ない
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/14(土) 09:00:01.11 ID:avIDQmAQo
島田、統制取れてないのか
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 22:39:07.01 ID:KMYEftb8o
キン肉マンがあるし、スローペースになりますがちょっとずつ進めます
2017年内には絶対終わらせたい
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 22:49:46.70 ID:KMYEftb8o
アズミ「裏切り者を粗方始末して、敵方も追い込んだまではよかったけれど……」
明智「くっそー!」
明智「それ以上近づいて来てみろ!」
明智「来賓席に主砲をぶち込んで、全員まとめて二度と戦車道で日の目を見れなくしてやる!!」
アズミ「……ちょっと追い詰めすぎたかしら」
ルミ「まさか撃破された自分の車輌から出て仲間の戦車に乗り込んで立てこもるとは……」
メグミ「いくら変幻自在であらゆる戦法に対する対処を学ぶ島田流とはいえ、仲間が戦車に乗り込んできた時の対処なんて教えてくれなかったものねえ」
明智「あーもう!!」
明智「こっちは内定が取り消されるかどうかの瀬戸際なのよ!」
明智「オラ近づくんじゃないわよ!!」 パララララ
ルミ「だああ、機銃撃ってきた!
メグミ「そんなことしても、完全に包囲されてるし、来賓席にぶち込んだら貴女もただじゃすまないわよー?」
明智「うるさい! とっくにただじゃすまなくなってるのよ!」
明智「制限時間はないし、このまま私の入社式の日まで試合を長引かせてもらうわ!!!!」
ルミ「どんだけ長期計画なんだ……」
メグミ「完全に冷静さを欠いてるわね……」
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 23:16:13.56 ID:KMYEftb8o
ルミ「あれの暴走を放っておいたら、私達の進路にも響くわよね……」
アズミ「そうねえ」
メグミ「もうとっくに響いてる気もするけど、ここは問題処理能力をアピールしましょう」
ルミ「よし、ならばバミューダ一の知性を誇る私が!」
ルミ「あー、明智さん、馬鹿な真似はやめてください」
メグミ「おお、ネゴシエーション」
ルミ「なんだかんだで今は労働力が重宝される時代じゃないですか」
ルミ「別に一社の内定が消えたからって死にはしません」
ルミ「別のところに受かればいいじゃないですk」
パララララ
明智「じゃかあしい、就活も知らないクソガキがあ!」
明智「こちとら50社落ちてやっと掴んだ内定なのよ!」
ルミ「えっ」
ルミ「戦車道実績とかいう強力なカードを所有してるのに……?」
パララララララララ
ルミ「何故かどんどん逆上してるわ」
アズミ「眼鏡のくせに頭悪いわよね、ルミ」
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 23:22:03.21 ID:KMYEftb8o
メグミ「まったく……」
メグミ「変に理屈を使ってねじ伏せようとするからよ」
ルミ「ぐっ……」
メグミ「こういう時に心にもないことを言うのは逆効果」
メグミ「バミューダ三姉妹のリーダー格と呼ばれる私のカリスマ的交渉術を見せてあげるわ」
ルミ「おお、さすがはメグミ!」
アズミ「就活時にリーダーやってましたとかいうテンプレトークを喜々として喋りだすタイプは伊達じゃないわね!」
メグミ「アズミは後で殴るとして」
メグミ「こういう時は、素直な気持ちで対峙するのよ」
明智「ぐっ、く、来るな!」
明智「こっちには車長らの人質もいるし、来賓席を砲撃することもできるのよ」
アズミ「黙れ馬鹿」
パララララ
アズミ「うーん、素直な気持ちで真摯にやろうとしたのに、交渉前に追い払われたわ」
ルミ「大雑把かつストレートすぎでしょ……」
アズミ「サンダースの悪いところの化身みたいね……」
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 23:32:29.21 ID:KMYEftb8o
アズミ「やれやれ」
アズミ「やっぱりここはバミューダで最も冷静な私が……」 スッ
パララララ
アズミ「ちょっと!? まだ何も言ってないんだけど!?」
明智「やかましい!」
明智「元はと言えばアンタが行動前に叩き潰しやがるから!!」
アズミ「えー……」
アズミ「だって明智さん、すぐ顔に出るから、絶対何か企んでるなあって……」
明智「お前はいっつもそうやって当然みたいな顔して見下して!!」
明智「散々男くわえこんでるくせに、人のも盗りやがって!!」
明智「そういうところが前からムカついてたんだよ!!」
ルミ「え、そんなことしてたの?」
メグミ「引くわー」
アズミ「勝手に言ってるだけよ」
アズミ「大体向こうが勝手にアプローチかけてきただけで、私は何もしてないというか」
アズミ「彼氏にとって私より魅力がなかったってだけの逆恨みじゃ」
パララララ
アズミ「うーん、等々威嚇射撃でなくマジで銃弾打ち込もうとしてきたわね」
ルミ「近付けないわこれ」
メグミ「どうすれば……」
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 23:35:50.64 ID:KMYEftb8o
???「やーってやるやーってやるやーってやるぜ」
ルミ「!?」
アズミ「この意味不明で上級生が陰で色々ディスってる歌声は……!」
メグミ「た、隊長!?」
ルミ「な、何しにここに……」
愛里寿「……全然進展がないようだから」
アズミ「うっ……」
メグミ「ですが隊長がわざわざいらっしゃらなくても……」
愛里寿「これ以上長引かせても益はないと思うけど」
ルミ「そりゃそうなんですけど……」
アズミ「いくら隊長が強くても、この状況ではどうしようもないかと……」
メグミ「人質も取られていますし、何せ何故か近付こうとするだけで撃ってきますし……」
愛里寿「……」
愛里寿「何でそこまで怒ってるんだろう……」
ルミ「さあ……」
アズミ「なんででしょう」
メグミ「私にはさっぱり」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/15(日) 23:43:42.56 ID:KMYEftb8o
アズミ「まあでも、そんなわけですから、隊長でもどうしようもないかと」
ルミ「何せ大学選抜の全員に敵意を向けてますし」
メグミ「その隊長相手ともなれば、本当に体を撃ち抜いてくるかも……」
愛里寿「……」
愛里寿「アズミ」
愛里寿「このペンキは黒だよね」
アズミ「は、はい……」
ルミ(あれは、アズミが陰に紛れるカモフラ車輌を作って奇襲するために用意した黒ペンキ……)
ルミ(そんなもので一体何を……?)
愛里寿「……」 ビリッ
ルミ「!?」
ルミ(戦車道履修者にとってパンツァージャケットは命ともいえるくらい大切なもの)
ルミ(それをやぶってしまうなんて……)
愛里寿「……」 バシャッ
ルミ「おお、今度はペンキに浸したわ!」
愛里寿「……」 バサッ
メグミ「な……なんなのあれは」
メグミ「牧師の格好じゃない!」
アズミ「あんな格好してどうしようというの!?」
ルミ「そうか!」
ルミ「大学選抜の者なら明智さんを刺激するかもしれないけど、神の使いである牧師なら明智さんも気をゆるしてしまう!!」
バミューダ3姉妹「「「なんという冷静で的確な判断力なんだ!!」」」
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 00:55:57.15 ID:XCceYp5TO
>>1
はこのネタ書きたかっただけじゃねぇか!
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/16(月) 00:57:17.14 ID:n0hPTifbo
めちゃくちゃ眠くなってきたのですみません投下中断します
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 17:24:05.86 ID:MmIYSFcL0
さすがに適当すぎだろwwwwww
せめて元ネタまんまの牧師じゃなくシスターにしてあげるべき
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 18:26:45.25 ID:4CBrMFeYO
キン肉アリス
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/16(月) 23:53:08.35 ID:jN3AwEPzO
前振りがなげえよw
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/17(火) 00:31:55.42 ID:tf3qyPKkO
ミミミが一人一人ボケる流れかと思ったらただの前振りだった
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/17(火) 23:41:02.59 ID:AQnpm5vuo
明日クソ早いのでちょっとだけですが、明日からしばらく投下途絶えそうなので少しでも進めておこうと思います
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/18(水) 00:08:32.83 ID:j/xWl+VFo
明智「な、なんだァーお前ェー!」
明智「大学選抜のヤツは近づくんじゃない!」
明智「私は本気だぞ!」
明智「このまま春を迎えて決着を有耶無耶にしたまま、負けさせなかったという功績を引っさげて入社式を迎えてやるう〜!」
愛里寿「落ち着いて」
愛里寿「私は通りすがりの牧師」
愛里寿「春まで戦車に立てこもるなら、食料がいるだろうと思って持ってきた」
明智「何ィ」
愛里寿「神に仕える者として、餓死しようとする者を見捨ててはおけない」
愛里寿「ここに、ほんのり塩味のポテトチップスとコーラがある」
明智「ぐむーっ、それさえあれば永遠に引きこもれそうな2大アイテムッ」
愛里寿「これを渡したいから戦車に入れてほしい」
明智「グヘヘヘ……」
明智「神の使いである牧師さまの言うことだ、信用してもいいだろう」
ルミ(すごいっ! 完全に相手の懐へと潜り込んだ!)
ルミ(こ、これが島田流後継者・島田愛里寿……!)
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/18(水) 00:30:35.32 ID:j/xWl+VFo
明智「……ん?」
愛里寿「……?」
明智「なんだァー、その薄い胸板は!」
明智「聖人のような性格の神に仕える美少女キャラが、巨乳じゃないわけないだろうが!」
愛里寿「!」
明智「なのにその幼児としか言えない体型……」
明智「さては大学選抜チームの人間だなテメー!」
愛里寿「チッ……」
シュバッ
明智「!」
明智「あ、あの偽牧師はどこに……」
バタン
バタバタバタ
明智「なっ!」
明智「い、いつの間に人質の開放を……!」
愛里寿「柔軟に立ち回り、相手の心の隙を突いて雷のような速さで仕留める」
愛里寿「それが島田流の極意」
明智「!」
明智「ま、まさかお前は、た、隊長……!」
愛里寿「島田流忍法・順逆自在の術によって形勢は逆転した」
愛里寿「大人しく投降すれば、内定だけは取り消されないように働きかけてあげる」
明智「う、うううううう」
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/18(水) 00:34:47.88 ID:j/xWl+VFo
ルミ「すごい……一瞬で全てを丸く収めた……」
アズミ「ただの七光じゃないのは分かっていたけど……」
メグミ「車長としての腕だけじゃなくて、隊長をやるに足るカリスマ性がたしかにある……」
ルミ「可愛らしいだけじゃない、ただの贔屓とは異なる確かな実力を感じる……」
愛里寿「ふう……」
愛里寿「予想より長引いちゃった……」
メグミ「更に時折見せる子供らしい表情……」
アズミ「ふっ……完敗ね……やられちゃったわ……身も心も……」
ルミ「そうね……私達は見つけてしまったわ、支え甲斐のあるリーダーを……!」
愛里寿(やっぱり間に合わなかった……録画しておいてよかった・・・・・・)
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/18(水) 01:14:00.88 ID:j/xWl+VFo
ルミ「しかし改めて、とんでもない隊長だわ」
アズミ「私達は勿論、他の皆も、もう認めざるを得ないでしょうね」
メグミ「元レギュラーチームを速攻でボコボコにして実力は認められてたけど、残虐すぎるとか年功序列がって意見も今まではあったもんねえ」
ルミ「元バミューダ四姉妹だったナルミが子供の悲鳴でブチ切れるタイプだから、直接的いじめとかはなかったけど」
ルミ「ナルミがサハラに留学してからは結構居場所なかったっぽいもんねえ」
メグミ「これを期に、皆との距離がグッと縮まるといいんだけど」
アズミ「まあ、まずは私達が歩み寄って、距離を縮めるべきよね」
ルミ「あ、電話終わったみたいよ」
メグミ「……あら……あの表情……」
アズミ「たまに見せる、“マジで戦う時”のソレね……」
ルミ「よく分からないけど……さっきの電話が理由っぽいし……」
メグミ「どこかと試合でもするのかしら」
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/18(水) 01:14:29.59 ID:j/xWl+VFo
眠いので寝ます。劇場版は巻いて進行します。
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/18(水) 11:52:14.01 ID:MyRLVhC30
ナルミで草
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/18(水) 12:19:45.78 ID:gpsa2en6O
ナルミってあいつかよw
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/18(水) 12:27:30.44 ID:waQ4NgNho
>>48
うるせぇsageろks
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/18(水) 18:20:23.01 ID:LlPLpfsdO
悪魔が敵にいなくてよかった
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/18(水) 19:59:45.84 ID:/Wj6aO0J0
追いついた
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/22(日) 23:36:27.78 ID:3Vu9QBK1o
またもキン肉マンの時間に投下頻度がグッと落ちるでしょうが投下します
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/22(日) 23:38:54.44 ID:3Vu9QBK1o
千代『徹底的に叩きのめしなさい、西住流の名が地に落ちるように』
愛里寿「……」
千代『かつては王道の西住流、柔軟さの島田流とある種の住み分けが行われていたけれど……』
千代『よもや人間戦車などという超のつく絡め手をあの黒森峰で作ってくるとは……』
千代『それであの継続高校に勝利までされたとあっては、島田流の名折れ』
千代『本当の変幻自在の忍者戦法とは何か』
千代『日本の戦車道此処にありと言わしめた島田流の本気を見せつけなくては』
愛里寿(人間戦車……???)
千代『我々に出来なかった発想を有効だと思わせてはいけないわ』
千代『なんとしてもあれはただの愚行だと思わせるのよ』
愛里寿「はあ……」
愛里寿(言われなくても普通は愚行だとわかるんじゃ……)
千代『さもないと、下手したら人間戦車が流行るようになるわ』
愛里寿(お母様は何と戦っているんだろう……)
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/22(日) 23:46:01.82 ID:3Vu9QBK1o
エリカ「……」
エリカ(戦車道で学校を守った少女たち裏切られる――)
小梅「何見てるの?」
エリカ「ッ!」
小梅「逸見さんボクササイズの効果か咄嗟に出る右ストレートが日に日に威力上がってるよね……」 イテテ
エリカ「……悪かったわよ」
エリカ「でもいきなりケータイ覗くのやめなさいよね」
小梅「?」
小梅「なんで?」
エリカ「ちっ……これだから携帯の中身を人に見せられる健全極まるクソ一般人は……」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/22(日) 23:51:28.80 ID:3Vu9QBK1o
小梅「……大洗の記事だったよね、さっきの」
エリカ「しっかり見てたのね」
小梅「……私もさっきまで見てたから、写真見るだけでわかったよ」
小梅「残念だよね……」
小梅「みほさん達、あんなに頑張ってたのに……」
エリカ「……そうね……」
エリカ(まあ、廃校阻止のためにって理由で頑張ったのって、準決勝以降だけど)
直下「あ、大洗の話?」 ヒョイ
ドドメ色星「まったく酷い話でゴンス」
エリカ「ええい、揃いも揃ってなんで私の周りでその話するのよ」
直下「え?」
直下「だって一番気にかけてそうなの、逸見さんだし」
エリカ「はあ?」
マウス車長「毎日ウェブニュース見てたよね」
小梅「続報、気になってるんでしょ」
エリカ「そ、そんなことは……」
エリカ「……」
エリカ(ない、とは言えないか……)
エリカ(また入れ替わりが起きないから、さっぱり情報が入ってこない……)
エリカ(なまじ入れ替われば情報が入るとわかってるからこそ、ヤキモキするわね……)
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/23(月) 00:00:10.17 ID:zDe5U/E7o
ブロッケンJr「それにしても政府の連中は許せねえぜ!」
黒星「公平な立場であるべき組織がそんなんじゃあ……」
エリカ「……まあ、正直、そうね」
エリカ「あの子達が廃校になると、リベンジも出来ないもの」
エリカ「……」
小梅「私達で何とか出来ないかな」
ブロッケンJr「ああ、そうだ! 黒森峰の今まで築いた地位がありゃあ、多少は物申せるんじゃあないか!?」
エリカ「……ダメよ」
エリカ「もうあの子は黒森峰の生徒でもなんでもない」
エリカ「……もう仲間じゃあないのよ」
エリカ「私たちに出来ることなんてないわ」
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/23(月) 02:25:17.57 ID:zDe5U/E7o
小梅「でも……」
エリカ「それに、黒森峰が今まで築いた地位があればそりゃ発言権はあるでしょうけど――」
エリカ「それは全て、黒森峰のために使われるべきものよ」
エリカ「……黒森峰を捨てたあの子のために、これまで築いたものを使えるわけないじゃない」
エリカ「下手に首を突っ込んだら黒森峰の評価にも関わるし、手は出せないわよ」
ブロッケンJr「何でぇ、さっきから聞いてたらグチグチグチグチ言い訳を」
ブロッケンJr「どこの学校だなんて関係ねえ、助けたいから助ける」
ブロッケンJr「それが友情パワーじゃねえのか!」
小梅「そうだよお」
小梅「副隊長仲間だったんだしさあ」
エリカ「でも……あの子はもう……」
ブロッケンJr「でも、じゃあねえ!」
ブロッケンJr「お前は逸見エリカで」 サッ
ブロッケンJr「あの子は西住みほだ!」
ブロッケンJr「そこになんの違いもありゃしねぇだろうが!」
エリカ「違うのよ!!」
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/23(月) 02:26:25.61 ID:zDe5U/E7o
カナディアンマンに夢中になってたらこんな時間で舟漕ぎだしたので中断します申し訳ない・・・
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 11:19:37.41 ID:cLAA8WcA0
このまま戦車でLの陣形を作りそうな勢い
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 20:36:04.42 ID:IJwhUjEf0
乙です。
薄い胸板でもパンツァージャケットを破く膂力を誇る愛里寿。
でもゆで理論なら許せてしまう。
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 23:03:27.15 ID:8gSFlVSpO
君の名は要素よりキン肉マン要素の方が多い
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/23(月) 23:25:54.85 ID:Iv6z02bbo
下手するとガルパン要素より多い
63 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/24(火) 19:02:38.12 ID:locrF/LwO
冷静に考えて、ガルパンと君の名はのクロスオーバーで平然とブロッケンが居るのはおかしい
64 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/25(水) 23:38:43.21 ID:fd/OcNalo
ここからドンドン君の名は要素が強まるからセーフ
のんびり投下します
65 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/25(水) 23:45:58.42 ID:fd/OcNalo
エリカ「……もうあの頃とは違うの」
エリカ「あの子だって……」
エリカ「ううん」
エリカ「あの子の方こそ、もう、あの頃とは全然違う」
エリカ「……あの子は、全く別の場所で、全く違う形で戦車に乗り、全く違う生き方をすることを選んだ」
エリカ「それは揺るぎない事実よ」
エリカ「……それだって、楽な選択肢なわけがない」
エリカ「今更何もかも元のように、なんてこと、出来るわけないじゃない……」
エリカ「違えた道に真剣であればあるほど……」
小梅「逸見さん……」
小梅「ちょっと真面目すぎるっていうか、やっぱり戦車になると頑固だよね」
エリカ「るっさいわね……」
小梅「でもまあ……逸見さんがそう言うなら、私もそれに合わせるよ」
エリカ「はあ?」
小梅「みほさんのことは今でも友達だと思ってるけど、でも……」
小梅「昔も今も、逸見さんの方が、よっぽど私よりみほさんと繋がってるって思ってるから」
エリカ「何言ってンのよ、そんなわけ――」
小梅「勿論、ベタベタとした仲良しこよしってわけじゃないのは分かってるし、そういう意味じゃないよ」
小梅「当然、しっぽりねっとり的な意味でもないし」 グッ
エリカ「親指を人差し指と中指で挟むな」
66 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/26(木) 00:36:52.30 ID:+nAf7Zmdo
小梅「実際さ」
小梅「こう、ウェットな感じじゃないけど、すごく互いに理解し合ってるなあって」
エリカ「買いかぶり」
エリカ「……それに万が一そうだったとしても、アンタが私に合わせる理由はないじゃない」
小梅「まあね」
小梅「……でも、みほさんも逸見さんも、大切な友達だから」
小梅「私は、どんな形であれ、二人がまた関係を始められたらなって思うんだ」
エリカ「……」
小梅「逸見さんも、前の大会で何か変わろうとしているし、見守りたいなあって」
小梅「……例えその選択の結果、二人が絶交しちゃったとしても」
小梅「過去ばっかり見て怯えたり懐かしんだりするだけより、いいかな、なんて思ってさ」
小梅「だから、黒森峰の副隊長として、成り行きを見守るって言うなら、私はそれを尊重するよ」
エリカ「赤星……」
小梅「そんなわけで、逸見さんは助けに行くのかどうかの結果は、『いかない』でしたー!」
マウス車長「よーっし、儲け!」
直下「ぐあーっ! やっぱり手堅く賭けておくんだったー!」
小梅「なかなか綺麗に割れたよねえ」
小梅「それじゃあ配当するから並んで並んでー」
エリカ「赤星!!!!!!!!!!!!!!」
67 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/26(木) 01:05:45.32 ID:+nAf7Zmdo
小梅「あはは、冗談冗談」
エリカ「そういうセリフは配当する手を止めてから吐きなさい」
小梅「まあ賭けてたのは本当だけど……」
小梅「でも、さっきの言葉も本心だよ」
小梅「ブロッケンJrちゃんなんて、ギャンブルに参加してもいなかったし」
エリカ「ったく……」
エリカ「鬼の副隊長と呼ばれたときを思い出させてやろうかしら」
小梅「みんなちゃんと覚えてるよ」
小梅「練習中は相変わらず意識が高すぎて怖いだけで」
小梅「怖い理由も、根っこにある信念も、皆分かってきたからグッと距離が近づいたんだよ」
エリカ「距離の詰め方間違ってンのよアンタは」
エリカ「……ま、それでも少しくらいは、感謝しておいてやってもいいけど」
小梅「逸見さん……」 ジーン
エリカ「色々面倒かけてる自覚くらいあるわよ」
小梅「そうだよね、エリカさんの射出したハンバーグとか濡らした布団とか全部片付けてあげてたもんね」
エリカ「感謝じゃなくて謝罪しなきゃいけない気持ちにさせるのやめろ」
68 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/26(木) 01:17:56.02 ID:+nAf7Zmdo
小梅「皆も大分打ち解けて逸見さんを分かってきたし……」
小梅「逸見の森はもう封鎖してもいいかもね」
エリカ「何ちょっぴり寂しいけどみたいなツラしてンのよさっさと潰せそんなクソみたいな森」
小梅「うん、じゃあ今夜焼き払うね」
エリカ「結構急ね……いや早いに越したことはないけど」
小梅「ゲリラ的に森が燃え広がったってことにしようかな」
小梅「最後は皆でお祭り騒ぎ」
エリカ「森焼けてるのになんでキャンプファイアー気分」
小梅「皆で炎に焼かれ悶え苦しむ逸見さんのロールプレイをして遊ぶの」
エリカ「キャンプファイアーの方がマシなの出してきやがったわね……」
小梅「最後だし、思い思いの焼死を演出し、最期を彩る盛大な花火にしなくちゃ」
エリカ「狂気」
69 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/26(木) 01:49:54.46 ID:+nAf7Zmdo
エリカ「……」
エリカ(ほんと、冷静になればなるほどどうかしてるノリね)
エリカ(黒森峰のお硬いイメージとも離れているし)
エリカ「……」
エリカ(でも……)
エリカ(不思議だし腹立たしいけど、慣れてきちゃった自分もいる……)
エリカ(……案外……変わるものね……)
エリカ「……」
エリカ(あの子は、大洗にいって、驚くほど上手くいった……)
エリカ(最初は渋々駆り出されてたみたいだけど、最終的にはとんでもなく馴染んでいたし、大洗が居場所になってた……)
エリカ(きっと……)
エリカ(このまま廃校になったとしても、あの子なら大丈夫)
エリカ(入れ替わった時に見た表情は、もう諦めて受け入れていたように見えるし)
エリカ(あの子の愛したクマのぬいぐるみみたいに、きっと今回も、しれっと立ち直るわよ……)
70 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/26(木) 02:36:02.62 ID:+nAf7Zmdo
☆ ★ ☆ ★ ☆
71 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/26(木) 02:42:07.10 ID:+nAf7Zmdo
エリカ「ん……」
エリカ「この景色……この感覚……」
ツチヤ「今日は頼んだぞー」 カチャカチャ
エリカ「やっぱり戦車……」
エリカ「んあっ、ば、どこ触って……!」
エリカ「あひいっ!」
エリカ(こンのアホボケカスぅ……!)
エリカ(整備ならもっと違うタイミングあるでしょーが!)
エリカ(なんでこんな朝方にやってンのよ……!)
エリカ「……って……」
エリカ「今日は頼んだって……試合でもするつもりかしら」
エリカ「まあ最近聖グロとやって、知波単のポンコツどもに足引っ張られて無様晒したっていうし、やっててもおかしくはないわね……」
エリカ「っていうか、私たちに負ける前に聖グロなんかに負けるんじゃないわよっ……んあっ、そこはダメだってっ……!」
72 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/26(木) 02:48:53.89 ID:+nAf7Zmdo
エリカ「あー……朝からとんでもない目にあったわ……」
エリカ「……それにしても、気合の入った整備だったわね……」
エリカ「廃校になるけど、最後の思い出に目一杯みたいなやつかしら」
エリカ「……ってわりには広いわね……」
エリカ「っていうか、戦車道連盟でちらほら見かける顔ぶれが……」
エリカ「うわっ、っていうかあの観覧席にいるの、もしかして……!?」
エリカ「いやでもそんな……」
エリカ「一応、サンダースの連中の話じゃあ、戦車はなくしたことにして隠したってことだったわよね……」
エリカ「いくら練習試合でも、こんな大掛かりにやったら問題になるんじゃあ……」
エリカ「……」
エリカ「!?」
エリカ「相手……もしかして最近話題の大学選抜!?」
エリカ「ちょ、何なのよ、この試合は……」
蝶野「整列!」
みほ「……」 ゴクリ
優花里「西住殿……」
みほ「……いってきます」
エリカ「あの表情……ただの練習試合のソレじゃない、わよね……」 ゴクリ
73 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/26(木) 02:56:37.54 ID:+nAf7Zmdo
沙織「うう……大丈夫かな、みぽりん……」
麻子「……なるようにしかならんだろう」
沙織「そうだけどさあ」
華「私たちに出来ることと言えば、少しでもみほさんの負担を軽減してさしあげることだけです」
エリカ「何やらいつになく真面目なのが怖いわね……」
沙織「そうだよね……」
沙織「みぽりんのことだもん、今だってどうしようか考えて悩んで苦しんですはずだもんね」
沙織「少しでも私達が負担を減らしてあげなくちゃ!」
優花里「そうですよ!」
優花里「そりゃあ、確かに8対30の殲滅戦なんて無謀極まりないですけど……」
優花里「でも、西住殿なら――」
優花里「いえ、我々なら、きっと何とか出来ます!」
エリカ「い、今しれっと無謀と阿呆を両方極めたみたいなこと言わなかった???」
74 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/26(木) 03:02:03.32 ID:+nAf7Zmdo
華「そうですね。一撃一撃集中して、少しでも沢山減らさなくては」
沙織「こっちが一輌でも残っていればいいんだし、麻子、頑張って避けてよね!」
麻子「めんどい……」
エリカ「ほ、本気でやるつもりなわけ?」
エリカ「8対30を????」
エリカ「1輌につき4輌くらい倒さないと勝てない計算なの分かってる?????」
麻子「……が、今回ばかりはそうも言ってられないか」
優花里「そうですよ!」
優花里「ここで勝てば、廃校を撤回させられるんですよ!」
沙織「うん!」
沙織「皆で大洗に戻るためにも、絶対勝たなくちゃ!」
エリカ「はあ!?」
75 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/26(木) 03:15:46.40 ID:+nAf7Zmdo
エリカ「何? つまりこいつら……廃校を賭けて試合するわけ!?」
エリカ「社会人チームにも勝ったとかで、今一番ホットな大学選抜チームと!?」
エリカ「それも8対30の殲滅戦を!?」
エリカ「ばっっっっっっっっかじゃないの!?!?!」
エリカ「……」
エリカ「いや……」
エリカ「でも、その条件を取り付けるのも苦労した、ってところかしら……」
エリカ「堂々と黒森峰全体では手助けできなくても、戦車道連盟の“後ろ”にいる一個人としてなら別だし……」
エリカ「多分、持ってるカードを全部切って、この状況……」
エリカ「……」
エリカ「普通なら逃げてるし、無謀の極みで逃げ出したっていいくらいなのに……」
エリカ「アンタは震えながらも……それでも諦めず、整列するのね…・・」
76 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/26(木) 03:18:10.62 ID:+nAf7Zmdo
もうこんな時間なので投下を終了します
77 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/26(木) 04:21:28.08 ID:sS7jN1fZ0
乙
始まっちゃうけどエリカどうするんだこれ?まさか・・・
78 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/26(木) 09:07:13.40 ID:fqRn2bkY0
エリカ不在か(´・ω・`)
79 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/26(木) 11:25:59.67 ID:zvIHSDHdO
エリカは戦車として参戦してるだろ!!
80 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/27(金) 00:49:18.41 ID:RQCt9eLQO
生身のエリカ(中身は4号)に落とされるバミューダか……
81 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/27(金) 12:32:32.96 ID:qNPPEeDhO
ラストのアレをエリカが受けたらどうなってしまうんや…
82 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/27(金) 19:36:24.66 ID:nieR52vsO
アナルが壊れて小さい方だけじゃなく大きい方まで……
83 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/28(土) 22:09:55.60 ID:pMImErVXo
たまには早い時間に投下を始めます
84 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/28(土) 22:17:25.84 ID:pMImErVXo
エリカ「……逃げない、か」
エリカ「黒森峰からは、逃げ出したのにね」
エリカ「……」
エリカ(……分かってる)
エリカ(そうさせたのは、私だ)
エリカ(そして――今回逃げ出さなかったのは、どれだけキツくても守りたいと思わせる存在があったから……)
優花里「とにかく、まずは有利な位置を陣取ることです!」
沙織「確かに、黒森峰との試合でも、地形を活かしたり色々やったもんね!」
麻子「……どこへだろうと行ってやる」
沙織「頼りにしてるよー、麻子」
華「私も、どこでだろうと絶対に命中させてみせます」
沙織「ち、近い近い!」
優花里「頑張りましょうね、みなさん!!」
エリカ(私は、あんこうチームにはなれなかった――)
エリカ(それだけのことよ……)
エリカ(そんなことは、分かっている。何度でも思い知ってる)
エリカ(なのに――)
エリカ(変ね……この胸の疼きだけは、いつまで経っても慣れそうにないわ……)
85 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/28(土) 22:23:18.86 ID:pMImErVXo
エリカ「……」
エリカ「しっかしまあ……」
エリカ「島田流も大人げないわね……」
エリカ「たかが8輌相手にこのオールスターとは」
エリカ「……あの子の常識にとらわれない発想」
エリカ「それが本家忍者戦法の虎の尾でも踏んだのかしら」
キュラキュラキュラキュラキュラ
エリカ「……っと、ついたわね」
エリカ「久々だと、やっぱり変な感じね、自分の意識とは別に体を動かされるって……」
エリカ「まあ、さんざん変な所いじられた影響か、体はすっごく軽いけども」
エリカ「……」
エリカ「あの車輌の砲撃お尻に食らって、私明日から生きて行けンのかしら……」 ゾゾゾ
エリカ「ま、まあ、今そんなことを考えても仕方ないわよね」
エリカ「来ちゃったモンはしょうがないわ」
エリカ「折角だから、特等席でしっかり観戦させてもらうわよ」
エリカ「……島田流の戦いと、大洗の戦いを」
エリカ(……今の私じゃあ、隊長にとっての“あんこうチーム”にすらなれていない……)
エリカ(ムカつくけど、アンタらの戦いを見て、参考に出来る所はさせてもらうわ……!)
86 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/28(土) 23:14:22.79 ID:pMImErVXo
エリカ「……とは言ったものの……」
エリカ「高所を取って有利を得る、なんていう極々普通の戦法ねえ……」
エリカ「ポルシェティーガーを引っ張り上げる奇策も相手にはバレてそうだけど、特に茶々入れもなし、と」
エリカ「……」
エリカ「何でもかんでも奇策ってわけじゃないのは、強みなのかもしれないわね……」
エリカ「腐ってもあの黒森峰に1年居て、西住流を長年仕込まれてたわけじゃない、か」
エリカ「……」
エリカ(何か奇策を仕掛けるとしたら、完全に包囲された後で、ってところかしら)
エリカ(でも相手も、何をしてくるか分からない島田流……)
エリカ「どうするつもりかしら……」
ツチヤ「よーしよしよし、いい子だー」
ホシノ「今の内にしっかり整備し直さないと」
エリカ「あの無能戦車はあの程度の高所でまーた煙を吐いてるし……」
エリカ「ノンキに表出て整備までしてるし、ホントなんでこんな連中に負けたのかしら……」
エリカ「……ん?」
エリカ「何かしら、あれ……」
エリカ「流れ星……?」
87 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/28(土) 23:21:35.60 ID:pMImErVXo
油断していたわけじゃない。
だが――皆、眼下の敵しか見ていなかった。
最初に気付いたのは、傍観者に過ぎないが故に、あれこれ見合わせていた私。
それから少し遅れて、上半身を出したあの子。
私の叫びは届かない。
誰にも聞こえない。
あの子の声も、間に合わない。
流れ星は真っ直ぐにこちらに向かい、そして――
88 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/28(土) 23:22:08.81 ID:pMImErVXo
絶望と爆炎を乗せて、203高知へと着弾した。
89 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/29(日) 00:23:28.63 ID:v++O7ijAo
一体どこで間違えたのか。
一体何が悪かったのか。
一言で言えれば、何か一つに押し付けられたら、きっともっと楽なのだろう。
今まで使用が禁止されていたものを、ロクに練習もせず軽率に持ち出したことも悪かった。
今まで使われなかったのも納得な高すぎる威力もいけなかった。
一応危険性は認識し、発射前にこちらの様子を双眼鏡ででも見て、それから着弾点を決めたのだろう。
それでも発射から着弾までラグはあるだろうし、双眼鏡で見ている人間と発射した人間もしくはその護衛が別人なら、更にラグは大きくなる。
それも、きっとこの悲劇の一因だ。
だが、まあ――一番の原因は、自動車部の連中の存在だろう。
試合中、高所を陣取った状況で、突然車外に出て整備を始める。
まともに動く戦車を使っている大学選抜チームには、出てこない発想だ。
移動中何か起こって足を止めたわけでもないのに、整備が必要となり外に出て来るなど、想定していなかったのだろう。
だから、工具を取ろうとしていてか、キューポラから身を乗り出してなかったポルシェティーガーが狙われたといったところか。
他にもM3など顔を出してない戦車はあったが、真っ先に潰すならポルシェティーガーあたりだろう。
まあ、だから、一言で言うと、不運が重なりすぎた。
そんな簡単な言葉で片付けられないけど。
いや、そもそも、言葉なんて何も出なくて、ただ叫び声を上げるしかできなかったのだけど。
とにかく、私の目の前で――
ポルシェティーガーに跨った自動車部の連中が、爆炎に巻かれ、何か言葉を発することもなく肉塊へと成り果てた。
90 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/29(日) 00:24:15.16 ID:jARwkN5eo
ええ…
91 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/29(日) 00:31:23.77 ID:v++O7ijAo
麻子「っ!」
麻子「よせソド子!!!」
最早誰だか分からない、炎に巻かれた人間の悲鳴で我に返った。
きっと他の連中もそうだろう。
不幸にも、大洗の連中は、人が良すぎた。
区別のつかないおかっぱの奴らが戦車を飛び出し、炎に巻かれた人間を救おうとする。
他にも何人か、反射的に飛び出したヤツがいたようだった。
みほ「ダメ……」
みほ「戦車から出たら――――」
声は届かない。
空から降ってきた流れ星は、あまりにも威力が高すぎた。
爆発による土煙は、肝心要の爆心地を覆い隠す。
恐らく想定していなかったであろう地獄が展開されていることも。
あの爆発を見てなお戦車を飛び出す阿呆がいるということも。
全て全て、覆い隠してしまう。
そして――二発目。
92 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/29(日) 00:33:05.47 ID:vTQuqJbCo
という夢を見たとかだったらつまらんぞ
93 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/29(日) 00:41:03.30 ID:jARwkN5eo
唐突な君の名は要素
94 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/29(日) 00:41:29.62 ID:jzgCx/GxO
ワロタ
95 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/29(日) 00:44:06.87 ID:v++O7ijAo
悲鳴。絶叫。また悲鳴。流星。悲鳴。爆音。悲鳴。
みほ「あ、ああ……」
助けようとする者。逃げようとする者。動けない者。
様々だった。そして、例外なく、地獄であった。
優花里「に、西住殿!」
沙織「ど、どど、どうしたら……」
血と、死と、絶望の臭い。
戦車道では無縁のはずだった、肉が焼けるような臭い。
もう、どうしようもない有様になってしまっていた。
それでも。
エリカ「――――――っ!」
エリカ「また次が来るッ……!」
エリカ「次はこっちよ、早く中に入――――」
せめてあの子には。
自分に乗っている連中くらいは、生かしてやりたかった。
それでも。
優花里「西住殿――?」
みほ「……ごめんね……」
最後に見たあの子の顔は、黒森峰から消える日の前日と同じ、諦めと絶望に満ち溢れていた。
96 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/29(日) 00:56:32.71 ID:v++O7ijAo
何を言えばいいのか分からなかった。
どうすればこの絶望から一時でも立ち直らせてあげられるのか分からなかった。
何かを言った所で、あの子の耳には届かなかったのだろうけど。
エリカ「――――――――」
轟音と共に、全身が引き千切れたかのような痛みに襲われる。
きっとこれが人間の身体なら、痛みだけで泡を吹きのたうち回っていただろう。
カーボン加工されていても、痛いものは痛いのだ。
エリカ「…………!」
でも――カーボン越しの爆破なんかよりもずっと。
胸の辺りで引き千切れ、炎を纏ったあの子の体を見せられた時の心の方が、ずっとずっと痛かった。
みほ「…………」
炎の隙間から覗く、生気のない、絶望に満ち溢れた瞳。
それが、更なる一発による痛みで意識を失う直前に見た、最後の光景となった。
97 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/29(日) 00:56:43.37 ID:3bhB0X3RO
始めて生で見たけどやっぱ面白いな
98 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/29(日) 00:57:53.00 ID:v++O7ijAo
☆ ★ ☆ ★ ☆
99 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/29(日) 01:02:55.11 ID:v++O7ijAo
エリカ「あああああああああああああああああああああああああっ!!!」 ガバッ
小梅「うわあっ!」 ビクッ
エリカ「……はあ……はあ……」
小梅「……大丈夫?」
小梅「うなされてたけど……」
飛び起きると、見慣れた自分の部屋だった。
……特殊カーボンに守られ、いつものように、私一人だけ生還したのだ。
W号戦車が守ってほしかったであろう大洗女子学園どころか、あの子達の誰ひとりとして守れずに、一人だけ。
エリカ「……っ!」
最後の光景がフラッシュバックする。
せり上がってくる胃液に絶えられず、弾かれたようにベッドを飛び出した。
足に力が入らずに、ガクリとその場に崩れ落ちる。
激痛の記憶がまだ残っている。
体にはダメージがないはずなのに、意識としてダメージを認識してしまっているため、肉体的にもダメージが現れてきたということか。
エリカ「うっ……うぇぇぇ……」
せり上がってきたものを、堪えきれずカーペットへと撒き散らした。
入れ替わり中に散々吐いていたのか、出てきたのは透明な液体が少々だけだった。
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/29(日) 01:10:43.72 ID:v++O7ijAo
小梅「だ、大丈夫……?」
大丈夫なはずがない。
それは赤星にも分かっているのだろう。
普段ならあんな花京院みたいな飛び起き方をしてたら小ボケでも挟んでくるところだ。
それをしないということは、それ相応に大丈夫そうじゃない顔をしているのだろう。
エリカ「……」
全身が痛い。
記憶も鮮明。
胃袋の中身も恐らく空っぽ。
激痛のあまり緩んだのか、恐怖のせいか、パジャマとぱんつもぐっしょりだ。
何もないのに、そこまでの醜態を晒すはずがない。
エリカ「……テレビ……」
――間違いなく、あの惨撃は夢じゃない。夢じゃないのだ。
エリカ「テレビを……つけて……」
ならば――確認しなくては。
あの子は死んでしまった。
それでも、W号の中には、まだ四人もいたはずだ。
私は――W号は、せめてその四人だけでも守れたのだろうか。
確認しなくては。逃げずに、確認、しなくては。
101 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/29(日) 01:31:27.97 ID:v++O7ijAo
テレビ『パワフルニュースの時間です』 ティロリーン
テレビ『本日の試合は10対1で横浜ベイスターズが33−4へと一歩近づく結果となりました』
テレビ『注目選手となっていたパワプロ選手は5打数4安打2HRと絶好調も、打率を下げています』
エリカ「ちゃ、チャンネル……」 ピッ
テレビ『今日のわんこ♪』
テレビ『今日のわんこは、秋田県の銀ちゃん』
テレビ『凶暴な人食い熊・赤カブトに立ち向かうほど、とってもわんぱく』
エリカ「……」 ピッ
テレビ『次のニュースです』
テレビ『不動高校で起きた殺人事件に関して、校長は』
エリカ「……」 ピッ
テレビ『本日の天気予報です』
テレビ『福岡県は晴れ、佐賀県と長崎県では曇り、熊本県は曇りのち雨、思い出はいつの日も雨となることでしょう』
エリカ「……」 ピッ
小梅「……」 オロオロ
エリカ(……テレビではやってない……)
エリカ(ネットニュースなら……) スッスッ
エリカ「……」
エリカ「……」
小梅「あ、あの……」
エリカ「……どういうことなの……」
小梅「……え?」
エリカ(あの事件が……記事になってない……?)
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