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杏「はたらかないひとてきかぐやひめ」
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19 :
◆ganja..OLI
[saga]:2017/10/06(金) 22:44:59.12 ID:FHCLDYMO0
仁奈「なんか叱ってる杏おねーさん、菜々おねーさんみたいだったでごぜーます」
杏「杏は17歳ですからね! キャハッ」
仁奈「菜々おねーさんと同じでごぜーますね」
杏「そ。おんなじ歳おんなじ歳。そんなわけで最後だねー」
『十五夜の夜、月が明るさを増し、空が真昼のように明るくなりました。
そして、雲に乗った月の都の迎え達が、ゆっくりゆっくりとかぐや姫の屋敷に近づいてくるのです。
帝が、かぐや姫を守るために送った軍勢も、どうしたことか石のように身体が動かなくなってしまいました。
月の都の迎えは屋敷の上空でとまると、こう言いました。
「さぁ、姫様。お迎えに参りました」
おじいさんとおばあさんは、かぐや姫の手を力いっぱい握りしめましたが、不思議とその手から力がすぅと抜けてしまいました。
「お父さま、お母さま、これでお別れでございます。これからは月を見るたびに、私のことを思い出してください」
そう言ってかぐや姫は天女の羽衣を羽織ると、そのまま月の都のお迎えたちとともに夜空へと登っていき、月の光の中に消えてしまいました』
杏「おし……あれ、ここで終わりか」
仁奈「? どういうことでごぜーますか?」
文香「実は、もう少しだけ続きがあるのです……杏さんなら、ご存知かと思いますが」
仁奈「どんなですか?」
杏「かぐや姫は月に帰っていく時に、帝に不死になれる薬を置いていくんだよ。でも、帝はその薬を焼いちゃうんだ」
仁奈「え、なんでそんなことしやがりましたか?」
杏「それは帝が詠んだ歌でわかるんだけどー」チラッ
文香「『逢ふ事もなみだに浮かぶ我が身には死なぬ薬も何にかはせむ』……ですね」
仁奈「難しくてよくわかんねーです」
杏「かぐや姫居ないのに死ななくなっても意味ないじゃん! ってことだよ」
仁奈「へぇー……」
杏「そして、その薬を燃やした山だから不死の山、富士山なんだってさ。ってところまででおしまいおしまい」
仁奈「物知りだー……」
杏「ホントかは知らない」
仁奈「えっ」
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