女「私の人生を、キミに決めて欲しいの」探偵「……」

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1 : ◆HD3sj5X5A. [sage saga]:2017/10/02(月) 21:58:47.19 ID:U9hEeN9L0
[今より少し未来]


長い一日が終わる

窓から、夜空を見上げる1人の男



ビル街に急を告げるサイレンが、大きく鳴り響き

室内のラジオからは、投票を呼び掛けるアナウンス


どこにでもありそうで、ここしかない街の片隅で


湯気立つブラックコーヒーを片手に、

柔らかなソファーに腰掛けながら

男は、今日の出来事を思い出していた


彼は、若き探偵である

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1506949126
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 22:00:26.33 ID:U9hEeN9L0
[昼間・とある公園]


女「おーい、こっちこっち」


ヒゲ探偵「いやいや。待たせてゴメン」

女「いいのいいの。昔からそうだしね。私たちは」


ヒゲ探偵「面目ない」


女「…………ソレ、変装?」

ヒゲ探偵「ちょっと、念のためにね。問題なさそうだから、取るよ」ペリペリ

女「……おぉ。変装とか、本格的に探偵ホームズっぽい」

ペリッ

探偵「まぁ、本職はこれでも探偵なので」
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 22:01:27.43 ID:U9hEeN9L0

女「ところで遅れちゃったのって、お仕事とか?」


探偵「まぁね。ペットが逃げたから一緒に探してくれって依頼が急に来ちゃって」

女「へー、それでどうなったの? どんなペット?」ワクワク


探偵「うん。長い蛇が倉庫の奥に隠れててさ、しっかり捕まえたよ」

女「へ、へび!?」カタカタカタカタ


探偵「似た色の、まだらの紐に紛れてたから、見つけるの大変だったよ」

女「あわわわわわわ」ガクガクブルブル
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 22:02:26.42 ID:U9hEeN9L0

探偵「ちょ、大丈夫かい?」

女「うぅ……私、探偵って職業は憧れあるけど、ヘビは想像するだけでダメぇ……」

探偵「……まぁたぶん、そこまで来る様な依頼じゃないけどね。探偵のヘビ探し」

女「……あのギョロっとした目で、イキナリ音もなく這い寄る様子がなんだか恐いの」

女「それに首をこう、ギュゥっと締め付けてきそうで……」



女「……ツチノコだったらかわいいから、まだ探せるんだけどなぁ。昔みたいに」

探偵「中学の時、夏休みの自由研究も兼ねて、みんなで一緒に探しに行ったっけ。なつかしいなぁ」

女「そ。推理同好会のメンバーと、一攫千金を目論んでね。もう10年も前になるかな」

探偵「あぁ、そっか。あれからもう10年かぁ……」

女「ふふっ。長かったような、あっという間だったような」


探偵「……」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 22:03:30.06 ID:U9hEeN9L0

探偵「それじゃ、依頼の相談ってことだけど……」

女「うん。とりあえず、あのカフェでお話しいいかな」

探偵「あぁ、そうしようか」


女「……私、この辺りに来るの、久しぶり。」

探偵「……」

探偵「うん、そうだね」
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 22:04:16.22 ID:U9hEeN9L0

[カフェ]


カランコロン♪


マスター「いらっしゃいませー」

マスター「ってアレ?!」


探偵「どうもー」

女「お久しぶり、マスター。」


マスター「おお、これはこれは」
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 22:05:09.67 ID:U9hEeN9L0

マスター「なんて懐かしい組合せなんだ」

女「マスターもお元気そうで何より」

マスター「うんうん。君も素敵なレディになったねぇ」


探偵「この前の事件、情報提供ありがとうマスター」

マスター「あぁ。無事に解決したみたいで良かったよ」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 22:06:13.30 ID:U9hEeN9L0

マスター「それじゃぁ、注文はどうするかね?」

探偵「いつもどおりコーヒーで」

女「特製ハーブ茶ってまだある? あとテラス席もいいかな?」

マスター「あぁ、すぐに用意するよ。席もお好きな所へどうぞ」


女「それじゃぁ、行こっか」

探偵「あぁ」
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 22:07:13.83 ID:U9hEeN9L0

マスター「お待たせしました。コーヒーとハーブ茶になります」

女「ありがとー」

マスター「それではごゆっくり……」



トントン

マスター(なぁ!)

探偵(?)

マスター(うまくやりなよ)

探偵(…………)
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 22:07:52.34 ID:U9hEeN9L0

女「いやー、それにしても変わってないね。」

探偵「えっ?」

女「この辺りの街並み。高校卒業して、東京の大学に進学した時から、ほとんど同じまま。」

探偵「まぁそう、かな。だいぶコンビニと防犯カメラが増えたけど」


女「このカフェとか、好きだったハーブ茶も残ってて、ほんとに良かった!」

探偵「うん」
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 22:08:46.33 ID:U9hEeN9L0

女「ねぇ、このカフェでさ……覚えてる?」

探偵「覚えてるって、何を?」

女「ほら、私たちの初デートで来たでしょv」

探偵「……あぁ、そうだったね」

女「ホントに覚えてる〜? じゃぁ問題です!」

探偵「んー」


女「私たちが初デートしたのは何月何日で、この店で注文した飲み物は!?」

探偵「…………」
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