今井加奈「温泉街とエイリアン」 【ウルトラマンオーブ×シンデレラガールズ】

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 00:05:00.70 ID:68qbHRVe0

※ウルトラマンオーブ×シンデレラガールズのクロスSSです。

※どこかで聞いたような名前が出てきますが別次元の同一人物って感じです。

※遅ればせながら、加奈ちゃん・こずえちゃん、総選挙上位入り&SSR実装おめでとう!

※主な登場アイドル
今井加奈(16) 遊佐こずえ(11)




SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1506870300
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 00:05:37.66 ID:68qbHRVe0

―――伊香穂温泉

加奈「プロデューサー、早く早くっ!」

 G県中部にある伊香穂温泉。伝統あるこの温泉街に加奈は訪れていた。
 以前一度仕事をしたことがある場所で、その時にもう一度来ようとプロデューサーと約束していた。
 今日は完全なプライベート。総選挙でいい結果を残せたことへのお祝いとして約束を叶えることになったのだ。

P「ちょ、ちょっと待って……」

 元気はつらつな加奈とは逆に肩で息をするプロデューサー。
 やたらと石段が多い温泉街である。日頃のレッスンで鍛えている加奈と違って二十代後半のプロデューサーにはきつい。

加奈「えへへっ、かなかなファイファイっ!ですよっ! がんばってください♪」

 弾けるような加奈の笑顔にプロデューサーの顔も思わずほころんでしまう。
 これまでプロデュースしてきて本当に良かったと思える笑顔だ。

P(思えば色んなことがあったなあ……)

 自信をなくしてしまい、自分を卑下するような言動が目立つ時期もあった。
 だけど加奈はプロデューサーの与えた課題に真摯に取り組んでそれを解決し、立派なアイドルへと成長した。

P(この前の総選挙では全体21位……誇らしかったな……)

 ……そんなふうに物思いに耽りながら歩いていると。
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 00:06:11.00 ID:68qbHRVe0

 がつっ。

P「うわっ!?」

 石段ということをつい忘れてしまい、プロデューサーはつんのめった。
 加奈が短い悲鳴を上げたのが聞こえる。視界に石段の角が迫ってくる。慌てて手を突こうとするが腕組みしていたため間に合わない。
 ぶつかる――痛みを予期し、プロデューサーは反射的に目をつぶった。

加奈・P「「……え?」」

 二人して素っ頓狂な声を出していた。
 今にも角に頭をぶつけそうになっていたプロデューサーが突然現れた男に支えられていたからだ。

男「大丈夫か? 気をつけろよ」

P「は、はい。すみません」

加奈「…………」

 加奈は首を傾げた。彼女は石段の上からプロデューサーを見ていた。
 だから彼の周囲に誰もいなかったことはこの目ではっきりと見ていたのだ。
 それなのにその男は急に姿を現し、プロデューサーを助けた。まるで瞬間移動でもしてきたかのように。
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 00:06:45.46 ID:68qbHRVe0

加奈「ぷ、プロデューサー。大丈夫ですか?」

 何はともあれ、加奈は石段を何段か下って二人の近くに寄った。
 男は黒のシャツとブルージーンズといった風貌で、焦げ茶色のジャケットを羽織り、中折れ帽をかぶっている。

 顔つきからすると二十代後半、プロデューサーと同じくらいだろうか。
 しかし格好も相まってどこか垢抜けているように見え、老成した雰囲気があった。

男「じゃあな」

 プロデューサーの肩をぽんと叩いて男は石段を登り、すぐ近くの店に入った。
 土産物屋だった。観光客なのだろうか。

P「ごめん、考え事してて」

加奈「もう、だめですよ。せっかくお休みとって来たんですから」

こずえ「かなー……ぷろでゅーさー……」

 加奈がプロデューサーに注意していると、こずえが上から呼んできた。

P「行こっか」

加奈「はいっ」
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 00:07:20.19 ID:68qbHRVe0

P「しっかし石段多いなあ。これ、何か理由があるんだっけ」

 プロデューサーが言うと、加奈はポケットからメモ帳を取り出して繰った。

加奈「え〜っと……あっ、あった。全部で365段あるそうですよ。1年中にぎわってほしいっていう願いが込められてるらしいです!」

こずえ「それー……まえのおしごとのー……?」

加奈「うんっ。前来たときのメモ帳そのまま持ってきたんだ」

こずえ「みせてー……」

加奈「はい、どうぞ♪」

 こずえはメモ帳を受け取るとぺらぺらとめくり、すぐ加奈に返した。
 加奈がちょっと驚いているのを見てか、こずえはこう言った。

こずえ「みながらあるいてたら……ぷろでゅーさーみたいにころんじゃう……」

P「……」

 11歳の容赦ない指摘にプロデューサーはバツが悪そうに頭を掻いた。
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 00:07:52.96 ID:68qbHRVe0

こずえ「ふわぁ……たまごぉ」

加奈「あっ、こずえちゃん温泉卵食べる?」

こずえ「うん……たべるー」

 露店で温泉卵を買い三人並んで味わった。
 加奈はこずえの口元を拭いたりお姉さん役ができて楽しそうだった。

加奈「プロデューサー、この温泉街の伝説って知ってますか?」

P「伝説?」

加奈「はい。大昔、この土地で大暴れした龍神がいて、それを光の巨人が鎮めたとか。その話にちなんだグッズも売られてるそうですよ」

P「ふーん……光の巨人ね」

 この前まで東京で怪獣と戦っていた巨人のことが思い出される。
 今なにをしているのだろうか。ずっと戦い続けて疲れたから、案外温泉にでも行って疲れを癒やそうとしているのかもしれない。

P(もしくはハワイで休暇中、とか)

 あり得ない妄想にプロデューサーは自分で失笑した。
7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 00:08:21.14 ID:68qbHRVe0

―――射的屋

 ぽんっぽんっ。

加奈「あぁーーっ。まただめでした……」

 温泉饅頭を食べたり土産物屋を覗いたりしながら歩いていた三人は今度は射的屋に入っていた。
 加奈がチャレンジしているのだが全然的に当たらない。肩を落とす彼女を見てはりきったプロデューサーも挑んだがあえなく撃沈していた。

こずえ「つぎ……こずえのばんー……」

店員「ネクストはユーの番かい? ほらよ……って、おい」

 こずえに銃を渡そうとした店員の動きが止まり、加奈は首を傾げた。

加奈「どうしたんですか?」

店員「あっ……いや。ほらよ。グッドラック」

こずえ「うんー」

加奈「?」
8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage saga]:2017/10/02(月) 00:08:51.37 ID:68qbHRVe0

 数分後、三人は戦利品を抱えて店を出ていた。
 こずえは渡された五発を見事全弾命中させたのだ。

加奈「こずえちゃんすごいね〜……どうしてあんなにうまくできるの?」

こずえ「ふわぁ……? うーん……ふつうに……」

加奈「ふ、普通に? すごいね……」

こずえ「かなもぷろでゅーさーも……へたー……はじめといっしょ……」

P「肇? あっ、湯めぐりの仕事で一緒だったな。けっこう前だけど」

加奈(肇ちゃんも下手なんだ……)

 何でもそつなくこなしてしまいそうな雰囲気とは裏腹に肇はけっこう不器用だ。
 自分と同じように射的が上手くいってない彼女の様子を想像して加奈はくすりと笑んだ。

 藤原肇は同い年のユニット仲間で最近よく一緒に仕事をしている。
 彼女は岡山の山育ちということで高知出身の加奈とは上京組同士話が合った。

 346プロダクションには他にも同じような境遇のアイドルがたくさんいた。
 彼女らと仕事が一緒になると似たような思いを打ち明け合ったりしたものだった。

 その中でも、青森出身の工藤忍の言葉は深く心に残っていた。
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