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【安価・コンマ】幻想的な世界を探険家が行くようです【オリジナル?】
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◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/02(月) 22:31:31.58 ID:tEWu+UL60
「実は私は、情報屋みたいなものをやっていてね。特に、ギルドの手の届かない、僻地の集落なんかの情報に詳しい。
それで、新しい探険家の君に、自分を売り込んでおこうと思ったんだ」
「情報屋……いや、その前に、なんで私が探険家だと? 今日初めて此処に来たのに」
「ふふ。私はなんでもお見通しなんだよ」
はぐらかすように笑う団子鼻に、アルジールは、怪しく思っている事を隠そうともしない、渋い表情を向けた。
それでも、その小人は何も言わない。これは付き合っても仕方がないと、彼女自身の感覚に従って、それは止めた。
「はぁ。それじゃあ、貴方は情報屋で、商売の話をしに来た。そういうことですね?」
「そうだとも。まぁ、無理に、とは言わない。私はいつも、この辺りにいる。もし何か知りたいことがあったら、此処に来ておくれ」
(……まぁ、ギルドが知らない事を聞けるのはいいかもしれないけど)
決して悪人ではないということは感じているが、どうにも胡散臭さが拭えない小人である。
イマイチ団子鼻の話は信じきれなかったが、取り敢えずアルジールは、そういうものがこの辺りに居るということは、記憶に留めておくことにした。
「……じゃあ、夜も遅いから、私はそろそろ帰りますね」
「おお、引き止めてしまったかな。それでは、さようなら。また会えるのを楽しみにしているよ」
「はぁ。さようなら」
と、軽く会釈をして、少し目線をそらし、また元に戻す。すると、団子鼻はもう其処には居なかった。
気配が動いた気配など、何もなかった。だというのに、その跡には、痕跡一つ残っていない。
何やら、ペテンにかけられたような、不思議な感覚を覚えたが、夜が遅いのは本当である。
首を傾げながら、アルジールは、帰路についた。
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