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【安価・コンマ】幻想的な世界を探険家が行くようです【オリジナル?】
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265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/10(火) 23:01:37.83 ID:hC5X+dqJo
乙です
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/10(火) 23:45:19.04 ID:fTO7/fSA0
乙
267 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/11(水) 21:04:21.39 ID:qBrf68q60
こんばんは。そろそろ始めます
=====此処から=====
268 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/11(水) 21:19:44.53 ID:qBrf68q60
「……」
一人、眠るアルジール。霧に満ちた世界で、時間だけが流れる。
輝く月だけが、夜を照らす。音のない闇は、穏やかに、少女を包んでいた。
しかし、その静けさは、突然に破られることになる。
「っ」
ぞわりと、アルジールの背筋を冷たいものが奔る。
寝袋を直ぐに這い出、背嚢から鉈を背負う。そして、それを構えて、彼女は目を凝らした。
霧の向こう。それは、確かに存在していた。
林の若木と見紛う程、巨きなヒトガタ。
それにまとわり付き、不気味に月光を照り返す、粘着質の液体。
頭と思しき所から垂れ下がった、異様に長い舌。
その頭の殆どを覆う、余りにも大きな口。
異形。アルジールは、思わず声を漏らした。
「……あ、くま」
269 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/11(水) 21:34:07.51 ID:qBrf68q60
そんな馬鹿な、と、乾いた喉を唾で濡らし、早まった呼吸を抑えようとしながら、思う。
人を襲い、喰らい、恐怖させるモノ。探険家にとって、絶対に回避せねばならない厄災の一つ。それが、悪魔であった。
極限の修練を積んだ武人か、完全に武装した正規軍一個小隊。
さもなければ、悪魔祓いと呼ばれる、”教会”の私設部隊でも無ければ、例え最弱の個体であっても、対抗は不可能。
そんな化物が、それだった。
しかし、探険家は、それの恐怖をよく知るが故に、ギルドという組織を通して、徹底的にその情報を集めている。
特に、各地の支部が受け持つ地域においては、それら「らしい」というだけの、噂話の様な情報であっても、一つ残らず集め、確認する。
そして、もし本当にそれが居たのならば、即座に軍に通報し、これを討伐する。
連邦という国に於いてこの方針は、他の安全策を一段上回る重要性を以て認識され、実際に徹底されている。
そのギルドが、居ないと言った。その地域に悪魔が出ることなど、有り得ない筈なのだ。
だが、現に、それはそこにいる。
アルジールの目線の先、その巨体であれば、五秒あれば此方に辿り着く、という、至近の距離に。
このままでは死ぬ。アルジールは、確信した。
(にげなきゃ)
(はやく、にげなきゃ)
二桁コンマ安価:↓1 100-運命【30】以下が出ると……
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/11(水) 21:36:08.05 ID:cluUj6BDO
あ
271 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/11(水) 22:04:41.00 ID:qBrf68q60
乾いた音。瞬間、アルジールの身体が固まる。
足元を見下ろせば、無意識に後退っていた足が、小枝を踏み折っていた。
(あ)
形振り構わず、逃げ出す。鉈も振り捨て、脇目も振らず、霧の中を走る。
ちりちりと背筋に感じる嫌な感覚。それを振り切ろうとして、必死に。
だが、悪魔と呼ばれるそれは、逃走を許さなかった。
一つ、二つ、三つ。その歩みは、僅か三つで、彼女が離した距離を無にした。
四つ、五つ、六つ。その歩みは、僅か六つで、彼女が持った距離を無にした。
逃げるその背は、悪魔の目の前にあった。
「ひっ」
二桁コンマ安価:↓1 100-運命【30】以下が出ると……
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/11(水) 22:05:07.05 ID:ID4Xdpcao
はい
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/11(水) 22:10:05.82 ID:SKyVSJ5V0
これヤバイな・・・
274 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/11(水) 22:31:57.38 ID:qBrf68q60
「あっ……」
霧が、彼女の敵となった。
湿った空気を身に纏った草原は、露を含む。それが彼女の足を滑らせた。
転げ、大地に身を伏せる。
慌てて立ち上がろうとして、アルジールはそれを見た。
目の前に迫る、醜悪なるモノ。
己を喰らわんとして、その顎を開くモノの姿を。
「や……」
選択安価:↓1
1.叫ぶ
2.助けを呼ぶ
3.祈る
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/11(水) 22:39:25.53 ID:S1IMW1wIO
2
276 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/11(水) 22:47:00.63 ID:qBrf68q60
「誰か、助けて――」
最早、意味を為さないであろう、人に聞き取れない程の声。
それでも、アルジールは声を上げた。
自身を助ける事を望む、その声を。
「――伏せるんだ」
故にこそ。
意味を為さぬと考えながらも、それでも上げたその声は、彼女自身を救う切っ掛けになった。
277 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/11(水) 23:03:05.93 ID:qBrf68q60
「――――」
突如、閃光が煌めく。咄嗟に伏せた顔にまで届くその光は、直接見ていない筈のアルジールの視界をも遮った。
しかし、それより影響が大きかったのは、悪魔の方であった。
恐らくは、光に弱い種類だったのだろう。閃光が止み、視界が戻ったアルジールは、苦悶の咆哮を上げ、逃走していく悪魔の後ろ姿を見た。
「……た、すかった?」
呆然と、その場で立ち尽くす。
自分の生命が助かったのだという、その事実。それを咀嚼するまでは、もう暫くの時間を必要とした。
そして、この生命を救ってくれた何者かが存在している事へ思い至るまでは、更に少し。
「ふむ。ようやく落ち着いたと見える」
「あ……」
その声の主は、彼女の背後から姿を現した。
擦り切れきった外套。土気の色をしたそれは、すっかり草臥れきっている。
目深に被った鍔広の帽子が落とした影は、月を隠し、人影の顔を隠していた。
「さて、立てるかな。お嬢さん」
278 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/11(水) 23:07:17.79 ID:qBrf68q60
=====此処まで=====
今日は此処まで。
取り敢えず、新キャラ登場です。登場自体は予定通りですが、こんな形になるとは予想外……
時の運といえばそうなんですが、実はあと少しでバッドエンドに成りかけてたり。
回避出来てひとまず安心です。
明日も九時頃から出来ると思います。
お付き合い、有難うございました。お疲れ様でした。
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/11(水) 23:10:44.28 ID:dM+M/EMSO
乙
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/12(木) 00:20:10.27 ID:l/nDkuTJo
あぶねぇ
おつ
281 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/12(木) 21:32:10.84 ID:3lnUYl2J0
こんばんは。そろそろ始めます
=====此処から=====
「……えっと、はい。立てます」
「結構」
戸惑いながら、アルジールはその人影を見やる。
ひとまず、立てる。抜けたかと思いきや、自身でも意外なことにしっかりとしている腰を上げる。
さて、これはどうしたものだろうか。彼女は、混乱の内に、人影と相対した。
自由安価:↓1 アルジールはどうする?
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/12(木) 21:32:57.49 ID:dBcky19So
感謝の言葉を述べつつ自己紹介
283 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/12(木) 21:44:01.38 ID:3lnUYl2J0
「えと、助けて頂いて、有難うございました。私、アルジールです。探険家をしてます」
何はともあれ、人に助けられたなら感謝を。そして、初めて会った人間には自己紹介を。
骨身にまで染み付いたその行動は、彼女の親に叩き込まれた習慣だった。
「ほう、探険家。同業だったか。とまれ、感謝の言葉は有難く頂戴しよう」
二桁コンマ安価:↓1 (魅了*10)+20+コンマ値で、「初期好感度」を決定
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/12(木) 21:46:00.37 ID:h1DXpaXmO
ら
285 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/12(木) 22:24:04.28 ID:3lnUYl2J0
「しかし、中々礼儀の成ったお嬢さんだ。好ましい人間の様に見える」
「え? あ、有難うございます」
自己紹介しただけで、高評価。少し、背筋が痒くなる。
アルジールは元々、愛想が無い。ぶっきらぼうな物言いをしてしまう性分で、人からよく見られることが少なかった。
一応、探険家として活動するにあたり、必要最低限のマナーというものは身につけたが、所詮付け焼き刃だ。
それだけに、こんな風に言われると、面映い……というより、自分の事を言っているように思えず、実感がなかった。
「さて、礼儀を受けてはこれに応えるのが筋だろう。私も、自己紹介させてもらおう」
それから、その人影は、鍔広の帽子を取り、それを胸に当てて、軽く一礼した。
「私は、そうだな。イーゼル。イーゼル・バックスだ。君と同じ、探険家だ。宜しく頼むよ」
影が消え、漸く月明かりに照らされたその顔は、壮年を迎えた年頃の、男性のものだった。
イーゼル・バックスの初期好感度が67に設定されました。
286 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/12(木) 22:59:35.11 ID:3lnUYl2J0
「ふむ……所で、お嬢さん。君は、どうやら見たところ、駆け出しのようだが」
「えぇ、はい。実を言うと、つい一週間ほど前に活動を始めたばかりで」
「ほう。これは驚いた。そんなルーキーが、悪魔を相手に逃げ出す根性を持っているとは……」
顎に手を当てながら、目を細める。
イーゼル・バックスを名乗るその男は、どうやら、アルジールよりは遥かに、探険家としてのキャリアが長いようだった。
その体験からだろうか。彼は、彼女の今日の行為について、高い評価を下していた。
「……どうだろう、アルジール君。私の勝手な見立てによれば、君には、何か良いものがあるように見受けられる」
「もしよければ、だが。先達として、君の成長を手伝おうかと思っているのだが」
「手伝い……?」
「そう。具体的には、私が持つ技術・知識の伝授だ」
「この歳になるとね。未来ある若者を育てる事に、大いに楽しみを覚えるように成っていてね」
「出来れば、受けてもらえると、私にとっても良いのだが……さて、どうだろう?」
「えっと……」
アルジールは、この突然の申出を、頭の中で吟味した。
突然現れた、見知らぬ人間。これが故郷なら、怪しいと言って断る所だが。
受けようか、受けまいか。どうしようか?
自由安価:↓2 バックスの申出を受ける? 受けない?
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/12(木) 23:00:45.29 ID:xzQFie6kO
受ける
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/12(木) 23:03:59.44 ID:FcpJ+ZzdO
受けない
289 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 00:02:40.38 ID:t/S/PhQg0
「……いえ。結構です」
暫く考えて、アルジールは、それを断ることにした。
返事を聞いて、イーゼルの顔は、少し曇る。
「そう、か。要らぬお節介、という奴だったかな」
「あ、いや。そうじゃなくって」
「ふむ?」
沈黙。
決して、不満がある訳ではない。
その様子からして、アルジールがこの男性から学ぶ所は大であるのは、明白だ。
身なり、装備、立ち居振る舞い。少なくとも、駆け出しの探険家とは比べ物にならない経験を、彼は積んでいる。
その教えを請うことが、マイナスになる筈はなかった。
ただ、
「その。自分で、色んな物を体験してみたくて」
「――――」
イーゼルは、幾つか皺の刻まれたその顔に、曖昧な表情を浮かべる。
郷愁、だろうか。何かを懐かしむ様に、目を細める。
「そうか。未知の探求こそは、我々探険家の本領だ。それを遮るわけにはいかないな」
そして、彼は首肯し、断りを受け容れた。
「……まぁ、しかし。それにしても、全く何もしない、という訳にもいかないな」
「え?」
「これは、私の我儘だと思って聞いてほしいのだが」
「折角こうして出会えた縁というものが在る。このまま別れるというのも、勿体のない話だ」
彼はそう言うと、アルジールを誘い、近くの倒木に座った。
「贈り物、として考えてほしいのだが。何か、君が聞きたいことがあれば、これに答えようと思う」
「聞きたいこと……?」
「そうとも。私の遍歴も長い。君にとって、どうしても知りたいことがあるのなら、私の知る限りを教えよう」
「無論、私の勝手な物言いだ。これも不要というなら、無理に押し付けるつもりはないが」
「此方は、どうかね?」
選択安価:↓2 バックスに何を聞く?
1.姉の事
2.バックスの事
3.助けた時の「閃光」
4.悪魔の事
5.その他(自由記述)
6.何も聞かない
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 00:03:23.17 ID:DovMHzIyo
2
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 00:03:39.98 ID:ihi7VMUDO
2
292 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 00:05:55.02 ID:t/S/PhQg0
=====此処まで=====
安価、了解です。今日は此処まで。
すみません、本当ならもっと早く進行出来た筈なんですが……
色々、面倒がありまして、遅くなった割に進みが悪く、お待たせしてしまいました……
暫く、これくらいのスローペースで進むことが多いかと思います。ご迷惑をおかけします。
では、お付き合いいただき、ありがとうございました。
お疲れ様でした。
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 00:06:13.03 ID:DovMHzIyo
乙でした
294 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 00:09:22.64 ID:1RZgcweD0
おつおつ
295 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 00:23:40.45 ID:1lERmofho
おつの
296 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 09:50:17.61 ID:rMZypqP10
必要になったら色々教えてもらおう
297 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 19:40:38.87 ID:eCqPPs6E0
>>274
で2を選ばなかったらBADENDだったとしたら、アルジールは本当にギリギリの生還という事か
298 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 21:21:18.24 ID:t/S/PhQg0
こんばんは
ちょっと面倒がありましたので、9時半までお待ちを
最悪、今日はお休みかもしれません
299 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 21:34:02.02 ID:t/S/PhQg0
何とか出来そうなので、開始します
>>297
其処の選択肢も確かに大事なポイントだったんですが、それ以上に運命の失敗が大きかったですね……
此処まで連続してとは正直思っていなかったので
=====此処から=====
300 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 21:55:15.18 ID:t/S/PhQg0
「じゃあ、その。バックスさんの事を聞きたいです」
「私の、かね」
それは、探険家としての経歴を? そう尋ねられるが、アルジールは首を振る。
「私以外の探険家って、お姉ちゃ……姉以外に知らなくて」
アルジールには、探険家として家を出た姉が居た。
時折、家に帰ってきては、自分と遊んでくれる、優しい姉だった。
しかし、何故そうした道へ進んだのか、とか、探険とはどんなものだったか、とか、そうした体験は、余り話してくれなかった。
だから、そうした辺りの事情がどうなっているのか、ふと気になったのだ。
しかし、よく考えれば、出会って直ぐの相手に聞くことではなかっただろうか。
そこに思い至り、慌てて訂正しようとしたが、バックスは、何処か納得した様に頷いていた。
「そういう事なら、話すに吝かではないよ」
「ほ、本当ですか?」
「無論だとも。虚偽は罪。これでも私は、意外と信心深くてね」
「一度言ったことを、覆しはしない?」
「然り。まぁ時には、我らの主にお目こぼしを願うこともあるが」
そういって、彼は、彼自身の物語を語り始めた。
301 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 22:21:06.52 ID:t/S/PhQg0
「とは言っても、そう珍しいものではない。私自身も、父親が探険家だったのさ」
「昔から、彼は多くの探険をし、多くの物を見つけ、多くの事を書き記した。無論、人の知識を得ることにも貪欲だった」
「その蓄積が、私の家には山のように積み上がっていた訳だが。それを見る内に、影響されて……といったところさ」
「そうだったんですか……」
彼の語ったのは、アルジールの理由に、極似通ったものだった。
こういう理由で始める事って、案外多いのかしらん……と、彼女がぼんやり思っていると、バックスは、言葉を続ける。
「意外かもしれないが、この家業は、親の跡を子が継ぐ事が珍しくない」
「そもそも、全くのゼロから探険家を志す者の方が、圧倒的に少数派だ。何しろ、未知の領域を踏破していく、とても危険な職だから」
「だが、もし一人がそうして探険家となると、縁者が続いて探険家になる可能性が高まる。何故か分かるかね?」
「えっと……探険の話を聞かされて、興味が出るから?」
「探険の話を聞かされて、というのは間違っていない。しかし、興味をひかれる以上に、それは『ノウハウの継承』になる」
「ノウハウ……」
「つまり、探険家としての経験の一部を、体験談として引き継げるわけだ。こうすると、探険家としての活動中に、無為に生命を落とす可能性が下がる」
「危険を回避出来るなら、探険家という職業は、とても稼ぎの良いものと言える。君も、旧世界の遺物の価値は知っているだろう?」
「はい。確かに、モノによっては凄い値段が付くみたいで……」
「となれば、一攫千金を狙う人間が、これに倣う可能性が高まる。こうして、探険家を担う人間はどんどん増えていく、という訳だ」
「成る程……」
その後、彼女は、探険家という職に纏わる彼の過去について、幾つかの話を聞くことが出来た。
今の今まで、終ぞ姉から聞くことの出来なかった、探険家についての知識。
これを知れば、姉に近づくことが出来るだろうか。バックスの話を聞きながら、彼女はそう思った。
302 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 22:34:58.70 ID:t/S/PhQg0
……気がつけば、空が白み始めている。
アルジールは、自分が随分長い間バックスと語らっていた事に気づいた。
「あの、お話、有難うございました。とても勉強になりました」
「何、私も、久々にこうして楽しい時間を過ごせた。礼を言うよ」
微かに、口の端を上げるバックス。皺が刻まれ始めたその顔は、少しだけ、笑っているようだった。
「これからも、何処かで会うことがあるかもしれない。その時には、またこうして語らえればいいな」
「はい。また、その日が来たのなら」
それからふと、彼はかがみ込むと、自身の履く靴から、一つの鋲を取り外した。
立ち上がると、彼はアルジールの手を取り、その中に鋲を握らせる。
「危難無き旅路を願って、泡沫の縁を此処に結ぶ。君の未来に、幸あらんことを」
幸せを祈るまじない。昔話で見た、古めかしい験担ぎだった。
どうやら、彼が信心深いというのは本当らしい、と思い、アルジールは微笑した。
「有難うございます。貴方の未来にも、幸せがありますように」
イーゼル・バックスと知り合った。
好感度が上がった。67→70
303 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 22:37:49.20 ID:eCqPPs6E0
こういう語らいすき
304 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 22:38:06.25 ID:t/S/PhQg0
4月9日 1/6 霧の高原の村 達成値:166/200
それから、アルジールはバックスと別れ、自分が寝床としていた場所に戻った。
幸いというべきか、置いていた荷物に特に欠けはなく、悪魔の痕跡もない。
安堵のため息を付き、そして、自分が悪魔に出会って生き延びた幸運に感謝する。
暫く、そうして祈った後、彼女は自分の頬を軽く叩いた。
「さて、これからどうしようかな」
アルジールはどうする?(体力:48/48)
1.探索
2.調査
(1)疎らな林
3.休息
4.移動
305 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 22:40:21.72 ID:1lERmofho
2
306 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 22:41:30.13 ID:WVvwMIMKo
3
307 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 22:42:23.95 ID:eCqPPs6E0
4
悪魔が現れた場所は危険と判断し、村外れに拠点を移す
308 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 22:50:13.21 ID:t/S/PhQg0
=====システム=====
↓1ェ……
何だってこう物忘れが酷いのか
=====システム=====
アルジールは調査を行った。
「……そういえば、昨日の悪魔」
彼女は、まさに昨日、自身の身に降り掛かった災いを思い出す。
悪魔というのは、基本的に夜行動するとされている。理由は不明だが、実際、昼間に被害が出ることは少ない。
だから、まさか今襲われることはあるまい……と思うが、どうにも、あの恐怖を思い出すと不安になる。
其処で、彼女は、自分が調査したエリアをもう一度調査し直した。
「……ふぅ。痕跡は無いみたい」
結果としては、当座の心配はなさそうだ、という所だった。
それを理解し、彼女は少し、自分の中の恐怖が薄まるのを感じた。
探索達成値が4上がった。20/200
309 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 22:50:54.57 ID:t/S/PhQg0
4月9日 2/6 霧の高原の村 達成値:170/200
「よし……」
アルジールはどうする?(体力:48/48)
1.探索
2.調査
(1)疎らな林
3.休息
4.移動
↓1
310 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 22:51:12.89 ID:WVvwMIMKo
1
311 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 22:55:25.64 ID:t/S/PhQg0
=====システム=====
うわぁまた抜かった……
ワンテンポ確認してから投稿しないと……
=====システム=====
アルジールは探索を行った。
「じゃあ、後少し、此処を探険しきっちゃおう」
周りへの警戒は怠らず、注意深く探索を行うアルジール。
残念なことに、特に何かを見つけることはなかったが、注意深い観察のおかげで、地形の探索はとても良く進んだ。
探索達成値が10上がった。180/200
312 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 22:56:21.73 ID:t/S/PhQg0
4月9日 3/6 霧の高原の村 達成値:180/200
「この分だと、もう少しで終わるかな……」
アルジールはどうする?(体力:48/48)
1.探索
2.調査
(1)疎らな林
3.休息
4.移動
↓1
313 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 22:57:00.54 ID:eCqPPs6E0
2(1)
安価入れ忘れた時は自動的に↓1って事でどうだろう?
314 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 23:05:35.62 ID:t/S/PhQg0
=====システム=====
>>313
それが良さそうですね……これからはそうさせて頂きます。
ご意見、有難うございます。
=====システム=====
アルジールは調査を行った。
「そういえば、まだこの林。調べきってないんだよね」
様々なものが見つかったので、そういえば手付かずの部分があった……と、彼女は、林を調べ直した。
見てみれば、どうやら、林を作っている木々は、皆同じ種類であるらしい。
それも、建材などによく利用される種類であることも、何となく知れた。彼女の故郷には、未だ木造りの家も多い。
「……もしかして、木材の為に植えられたのかな?」
探索達成値が6上がった。186/200
315 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 23:06:34.59 ID:t/S/PhQg0
4月9日 4/6 霧の高原の村 達成値:186/200
「態々木を植えるってことは、昔はこのあたりも、荒れた土地だったのかな」
アルジールはどうする?(体力:48/48)
1.探索
2.調査
(1)疎らな林
3.休息
4.移動
↓1
316 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 23:10:21.68 ID:tTD5+onnO
4
317 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 23:11:56.01 ID:t/S/PhQg0
=====システム=====
>>316
済みません、4を選択する場合は、何処へ行くのかを併記してください。
=====システム=====
318 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 23:29:02.35 ID:eCqPPs6E0
安価有効なら
>>307
で
319 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 23:52:28.24 ID:t/S/PhQg0
アルジールは、拠点を村の傍に移すことにした。
昼間であれば安全性は保証されるが、夜は話が別だ。
それまでに、村の様な、安全な場所に移るべきだと考えたのだ。
幸い、昨日の悪魔は特に光に弱い様子だった。
まだ街灯の普及は充分ではないが、その分、村の警備はしっかりしており、篝火の類も多い。
明かりさえあれば、そう襲われることもないだろう。
一先ず、荷物などは全て村の外れにまで引き上げ、其処を仮の拠点に定める。
その後、村の有力者に話を通し、悪魔の出現を、情報として伝える。
これだけで、大分危険は減る筈。
「いやはや、しかし、悪魔に出会ってよく生き残ったものだ」
「あぁ、助けてくれた人がいたので」
「おや、そうだったか。では、その御仁にも、謝辞の一つでも送らなければならないな。そうでなければ、我々は悪魔の事を知らずにいたのだから」
「そうですね……」
拠点を村外れに移した。
夜の運命判定がなくなった。
320 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/13(金) 23:57:35.12 ID:t/S/PhQg0
4月9日 5/6 霧の高原の村 達成値:186/200
「一先ず、安心かな……」
アルジールはどうする?(体力:48/48)
1.探索
2.調査
(1)疎らな林
3.休息
4.移動
↓1
=====此処まで=====
今日は此処まで。ぼちぼち進んだかな……
ところで、皆さんにお聞きしたいのですが、現状のこのシステム、不便ではないでしょうか?
私としては、種族能力の「観測者」によるコンマ値の改竄等、
能動的に使用可能な技能の類を使う、という選択肢がないのが、少し分かりにくいかと気づいたので、これについて追加しようとは考えています。
その他、何か改めた方が良い、というものがあれば、ご指摘頂ければと思います。
頂いたご指摘を参考に、この探険が終わった後、諸々を改良して行きたいと思います。
それでは、お疲れ様でした。
321 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/14(土) 00:05:59.56 ID:BSt+PJ2e0
おつ
1
・種族能力含めステータスはレス遡らないと数値忘れてる時あるから、カッコ内に体力以外のステも併記してほしい
・「観測者」スキルも、↑レスのような行動前の安価決めの文章内にスキルの使用回数(例:スキル「観測者」1/1 みたいに)が分かるようにしてもいいかも
・達成値は現状より数値を下げた方が展開が速いとは思う
322 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/14(土) 00:43:35.65 ID:UQP2LYw50
乙
たしかに達成値はもう少し少なくしていいかも
323 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/14(土) 22:49:50.35 ID:Ft13XpC20
こんばんは
今日はおやすみという事でお願いします。明日も出来るかちょっと微妙です
ご意見、有難うございます。適宜対応していきたいと思います。
324 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/14(土) 22:58:27.69 ID:c47tz35lO
乙乙了解よ
325 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/16(月) 22:14:18.94 ID:CaNAVm820
済みません、木曜日までちょっと書けそうにないです
お待ち頂いている方には申し訳ありませんが、暫くお休みということで……
326 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 22:29:58.98 ID:BjNblBIbo
気が向いた時に更新してくれればそれでいいのよー
327 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 22:30:38.09 ID:P8qXXAULo
了解しました
328 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/16(月) 22:41:46.74 ID:OoOs/8oN0
了解
リアル優先でね
329 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/20(金) 20:51:23.80 ID:hXMEzEEd0
こんばんは……昨日は出来ませんでしたが、今日はやります
九時過ぎ頃から始めます
330 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/20(金) 21:15:12.51 ID:hXMEzEEd0
そろそろ始めます。
達成値については、減らす方向で考えていこうと思います。
=====此処から=====
331 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/20(金) 21:18:57.95 ID:hXMEzEEd0
アルジールは探索を行った。
「さて……」
安全の確保、そして悪魔発見の連絡。
一通り行うべき事を行ってから、彼女は再び探索に戻った。
とはいっても、もうこの近辺の調査はかなり進んでいる。
調べきれていない範囲を総ざらいするようにして、虱潰しに歩き続けた。
探索達成値が7上がった。193/200
332 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/20(金) 21:20:50.43 ID:hXMEzEEd0
4月9日 6/6 霧の高原の村 達成値:193/200
「もう少し。今日中に終われるかな……?」
アルジールはどうする?:↓1
【コマンド】
1.探索
2.調査
(1)疎らな林
3.休息
4.移動
5.技能
(1)観測者(1/1)
【ステータス】
名前:アルジール(性別:女)
体力:48
膂力;5
器用:8
理知:3
耐久:7
魔力:1
魅力:2
運命:70
種族能力:観測者(1/1)
技能:科学技術Lv.1
333 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/20(金) 21:22:17.54 ID:VybKmjSlo
1
334 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/20(金) 21:22:32.86 ID:Jw6GuQ/Uo
1
335 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/20(金) 21:26:11.30 ID:hXMEzEEd0
アルジールは探索を行った。
「〜〜〜♪」
もう、この霧の高原は、彼女にとって庭も同然と言っても良かった。
大体、何処にどんなものがあるかは頭に入っている。
引き続き探索を続け、もう少しで完了、というところまで漕ぎ着けた。
探索達成値が5上がった。198/200
336 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/20(金) 21:31:48.75 ID:hXMEzEEd0
4月10日 1/6 霧の高原の村 達成値:198/200
「ふぅ……眠るのに安全を気にしなくていいのは、いいなぁ」
村の近くは、夜も明かりが灯っていた。
こうしている分には、悪魔も獣も寄ってはくるまい。
アルジールは、その安心感に浸っていた。
アルジールはどうする?:↓1
【コマンド】
1.探索
2.調査
(1)疎らな林
3.休息
4.移動
5.技能
(1)観測者(1/1)
【ステータス】
名前:アルジール(性別:女)
体力:48
膂力;5
器用:8
理知:3
耐久:7
魔力:1
魅力:2
運命:70
種族能力:観測者(1/1)
技能:科学技術Lv.1
337 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/20(金) 21:32:30.65 ID:eXzrTAMDO
2
338 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/20(金) 21:36:05.65 ID:eXzrTAMDO
「観測者」の能力って、使った次の安価のコンマを変動させるの?
339 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/20(金) 21:48:32.73 ID:hXMEzEEd0
=====システム=====
>>338
あー……そうか、先に使用を宣言しても、改変すべきコンマが出てないから意味がないですねこれ。
済みません、一回撤廃します。次の更新の時までにエラッタします。
=====システム=====
アルジールは調査を行った。
「最後に、此処の全体を見回ってみよう」
いよいよ以て、最後の探索・調査である。
最初の探索ではあったが、様々な事があったのを思い出す。
獣、悪魔、遺物、骨、そして同業者。
それと出会った場所を巡りながら、未調査のエリアを探索した。
探索達成値が7上がった。205/200
探索達成! 『霧の高原』の探険が完了した。
340 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/20(金) 21:49:10.41 ID:hXMEzEEd0
=====システム=====
十分程離席します、済みません
=====システム=====
341 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/20(金) 22:32:42.57 ID:hXMEzEEd0
「ふぅ……これで、未踏領域は大体埋めたかな」
霧の高原自体は、実の所、完全に人跡未踏の地であるという訳ではない。
其処に村が存在し、人が暮らしている上、直ぐ側を鉄道が通っているのだから、ある程度、その地勢については調査も行われた。
しかし、それでも尚探索の手が及ばない領域というのは存在している。
主に、アルジールの様な探険家が出向くのは、そうしたエリアだった。
それは俗に「未踏領域」と呼ばれているが、アルジールは、彼女に割り当てられたこの未踏領域について、探険を完了した。
探険が終われば、次に来るのは、その情報の報告である。
その為には、一度トラムツキーのギルドに戻らなければならない。
となると、此処に設置した拠点は、完全に引き払う必要がある訳で。
一息つき、彼女は、自分の前に鎮座している自分の拠点を片付け始める。
極短い間とはいえ、自分の家であった場所というのは、意外と愛着が湧くものだと、そうしている内に、彼女は発見した。
初めての探険というのは、大変だったが、自分にとって良い経験になったのではなかろうかと、そう思う。
探険家として、姉に近づき、そしてその痕跡を追う。彼女の目的に、また一歩近づけた。
「これからも、頑張らないとね」
ぽつりとつぶやいて、彼女はまた、引き払いの為の片付けを続けた。
=====此処まで=====
済みません、今日はこれ以上続けられないので、此処で切り上げます。
明日以降、探険から帰ってきた時の処理を行ってから、拠点行動に移ろうと思います。
……ところで、このスレの世界観には、実はドマイナーな元ネタが存在しています。
幾つかネタは仕込んでありますが、お気づきになった方、いらっしゃるでしょうか。
もしいらっしゃったら……ちょっと嬉しいですね。
では、短いながらお付き合い頂き、有難うございました。
お疲れ様でした。
342 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/20(金) 22:53:18.43 ID:eXzrTAMDO
乙です
343 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/20(金) 22:54:03.39 ID:VybKmjSlo
乙
344 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/20(金) 23:14:07.70 ID:Jw6GuQ/Uo
おつおつ
345 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/21(土) 12:05:09.21 ID:cCawJgOZO
おつ。elonaじゃないな、多分。
346 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/22(日) 23:27:51.29 ID:Edh8+1Pp0
おつ今日もおやすみか
観測者スキルについてなんだけど、物語中でアルジールが死亡した時に使用回数が残っている場合に限って
自動的にスキル発動して死亡前に戻る、とかは欲しい(多分、想定した使用例だとは思うけど)
347 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/24(火) 08:52:22.73 ID:0PahHe42O
音沙汰なく済みません……アレコレ面倒があったもので
今週末、多分金曜日まで更新はできません。お待たせしてしまって申し訳ないです
システム面へのご指摘、有難うございます
348 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/24(火) 12:34:59.20 ID:ADdh2cHK0
了解
349 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/24(火) 23:18:33.11 ID:mbaIm/U70
了解
再開待ってるよ
350 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/27(金) 20:25:35.10 ID:QZBVreD60
こんばんは
今夜の九時半頃、再開したいと思います
ようやく時間が出来た……
351 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/27(金) 20:51:07.52 ID:noDPaSxt0
今日も無理っぽい?
352 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/27(金) 20:52:28.45 ID:noDPaSxt0
あれ?レスが反映されてなかった。
>>351
何でもないです
353 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/27(金) 20:52:40.22 ID:QZBVreD60
>>351
やれることはやれますが、開始は九時半からなので、もう少しお待ち下さい
354 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/27(金) 21:34:34.73 ID:QZBVreD60
そろそろ始めます。
観測者スキルについて、改訂を加えました。今日の更新の終了時に、内容を紹介します。
後、ステータス表示も少しいじります。
=====此処から=====
暫くして、彼女は探索の拠点の引き払いを終えた。
そろそろ、此処からも離れる頃合いだ。
「戻ろう」
背嚢を背負い上げ、駅へと向かう。
鋭い汽笛が、彼女の立ち去った後の高原に響き渡る。やがて、それは霧に吸い込まれて、少しずつ消えていく。
村から離れた、切り立った崖の下。石を突き立てただけの粗末な墓が、静かに、それを聞き届けていた。
=====INFO=====
三日間が経過しました。
アルジールは『トラムツキー』に移動しました。
355 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/27(金) 21:39:16.41 ID:QZBVreD60
4月13日 1/6 魔都メルシュテル・トラムツキー
「帰ってきた……」
三日後。アルジールは、トラムツキーへと戻っていた。
長い列車旅を終え、暫くぶりに戻ってきた大都会の空気は、淀んで濁っていた。
「えっと……確か、探索が終わったら」
客車から降り、荷物を背負い直して、懐から紙片を取り出す。
それは、初日に管理者から渡されたもの。細則について、全てを記憶しておける程頭の働きが良くないアルジールは、それを常に持ち歩いていた。
紙片を広げ、確認する。曰く、
「探索から帰還したものは、探索したエリアについて情報をまとめ、これをギルドの長に提出。
同時に、発見した遺物等があれば、ギルドに引き渡して鑑定を行う。
遺物の扱いは、発見者に一任する」。
「今回は、情報のまとめはもう終わってるから、モノを引き渡せばいいのかな」
やることが分かったなら、行先は決まっている。
彼女は、足早にギルドへと向かった。
356 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/27(金) 21:47:40.71 ID:QZBVreD60
「ようこそ、探険家ギルド『連邦』支部へ。ご用件は何でしょうか?」
久し振りに聞いた管理者の声は、初めて聞いた言葉と一言一句違わず、その調子まで全く変わらなかった。
「こんにちは、アルジールです」
「おや。お帰りなさい、アルジールさん。悪魔発見の報、受け取りました。良く生き延びて、帰ってきてくださいましたね」
驚いた。探険家と距離を置きそうな印象がある彼女が、労いの言葉を掛けてくれたこともそうだが、
ほんの数日前に伝えたばかりの悪魔の情報を、もう知っている。
どうやって知っているのだろうか。疑問に思うが、それはさておき、まずは報告だった。
「はい。帰ってこれました。それで、今から霧の高原について報告したいんですが、大丈夫ですか?」
「結構。では、お伺いしましょう」
それから、彼女は、初めての探険についての報告を始めた。
其処がどのような場所だったか。どのような発見があったか。其処からどのような事実が推測されるか。
ゆっくりと、辿々しくも確実に、それを伝える。
知らず、彼女の語りには、熱が入っていく。管理者は、その様子を、静かに見つめていた。
357 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/27(金) 22:03:23.05 ID:QZBVreD60
「……えっと……うん。これで、報告はおしまいです」
「はい、確かに。探険家アルジール、貴方の探険報告を受領しました」
暫くして、報告は終わった。
額に汗さえ浮かべ、精神の興奮を隠そうともしないアルジールは、達成感に満たされていた。
しかし、彼女にはもう一つ、やることが残っている。
「……あ、そうだった。後、発見した遺物の鑑定をお願いしたいんですが」
「わかりました。では、お見せください。此方で一度預かり、翌日にお伝えいたしましょう」
アルジールは、彼女の背負った背嚢を開き、その中から遺物を取り出し始めた……
=====システム=====
此処で、発見した遺物の鑑定について解説します。
今回アルジールが発見した遺物は、以下の通りです。
・懐中時計?
・黒い箱?
・巨大な機械の情報
・ゴム線?
・凹んだ金属板
・薄っぺらな板
・苔むした軽石(骨)の情報
・ガラス球?
これらの内、どの情報を提供し、どの情報を提供しないかを選べます。
基本的には全てを提供するものですが、極稀に、
『それを発見された時点で、連邦政府がそれを奪っていってしまう貴重品』等、それを人に知らせる事自体が危険を伴う品が存在します。
こうした情報まで提供してしまうと、以降、『何か』があるかもしれません。
この為、時には、意図的な隠蔽も必要になることがあります。
因みに、今回も一つだけ、こうした『特別な品』が存在しています。
よく考えた上で、選択してください。
記述安価:↓1 何を見せるか、何を見せないか。
358 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/27(金) 22:04:33.02 ID:QZBVreD60
……済みません、よく考えろって言っておきながら↓1はないですね。
条件を訂正します。『22:15分に最も近い有効な安価』を採用するものとします。
359 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/27(金) 22:08:36.50 ID:66A0oPs8O
中にデータが入ってそうな薄っぺらな板は見せない
360 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/27(金) 22:15:23.37 ID:gewXYvHeO
巨大な機械の情報以外全て出す
361 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/27(金) 22:37:10.55 ID:QZBVreD60
はい、了解しました。
これが『特別な品』なのかどうかは……お楽しみです。
=====システム=====
(……あ、そうだ。あの大きな機械、私がちょっと調べてみたいんだよね。これは後にしておこう)
アルジールは、全てを提出する前に、そう思い立ち、『巨大な機械の情報』だけを出さないことにした。
「確かに、受け取りました。また明日、お越しください」
「明日ですね。分かりました」
「報奨金については、探険の調査報告に対するものと一纏めに、明日お支払いするということになります」
「はい」
「結構。では、お疲れ様でした。探険の疲れも残っているでしょう。ゆっくり休憩することも、考えてくださいね」
「有難うございます」
こうして、彼女の初めての探険は、完全に終了した。
まずまず、生命はしっかりと持って帰り、それなりの成果を挙げた。
彼女の探険家としての生活は、一先ず、良好な滑り出しを切った。
これから、彼女がどうやって生きていくのか。それは、彼女の選択次第である。
=====INFO=====
『霧の高原』の探険を完遂した。
『技能学習点』を1点獲得した。
362 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/27(金) 22:55:11.22 ID:QZBVreD60
=====此処まで=====
きりが良いところまで来たので、今日は一旦此処で止めます。明日は、多分昼過ぎあたりから出来るかと。
人がいるようなら、大体15:00くらいから始めようと思います。
では、此処までやってきて、皆さんから頂いた意見や自分で気づいた点に基づき、幾つかのエラッタや表記改訂を行いたいと思います。
・探索達成値は、200では多すぎるということなので、基本的に100に下げます。
但し、『ストーリー上重要な場面』を含む探険先では、また200に戻したいと思います。
・種族技能「観測者」の効果を、以下のように変更します。
種族能力:「観測者」
……任意のタイミングに於いて、一日一回だけ、直前に行ったコンマ判定時の数値を最大+−50する事が可能。
使用する際は、コンマ判定が確定した後、筆者が続きを記入するまでの間に使用を宣言し、どういった数値へ変更するかを併記してください。
宣言と改変先数値を確認し次第、それに合わせて、それから先の記述は書き換えられる。
また、致命的な状況に追い込まれた時、『使用回数が残っていなくとも』自動で発動して危機を脱することが出来る。
但し、後者の効果の発動時には特殊なコンマ判定があり、この際にある条件を満たすと……?
・行動の安価を取る際、【コマンド】欄及び【ステータス】欄を併記します。
分量が多くて読みにくい、という風になるまでは、この表記を維持します。
・【ステータス】欄に、「所持アイテム」及び「装備」の項目を追加します。
見たままの内容です。此処に含まれていないものは、アルジールは持っていないものと考えます。
・現地での探険を「完了」した後、その成果をギルドに報告し、探険の全行程を「完遂」することで、『技能学習点』を獲得します。
この点数を、習得したい技能Lvと同じ値だけ使うことで、新しい技能を習得したり、既に習得した技能のLvを高めたり出来ます。
詳しくは次回の更新時にお伝えします。
・拠点での行動時、【ステータス】欄に「所持金」の項目を追記します。
363 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/27(金) 23:05:05.11 ID:66A0oPs8O
乙
364 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/27(金) 23:12:56.38 ID:QZBVreD60
それと、此処までで幾つか頂いたレスに対して、勝手ながら返信を……
>>164
遺物の正体については、次回の更新で明らかになります。
見た目の情報だけで色々と考えて頂けると、此方も楽しいので、お付き合い頂いて嬉しいです。
>>235
有難うございます。そう言って頂けると、幸いです。
>>296
ふむ……。その案、頂きます。その内実装してみます。
>>303
良かった。この語らいの所は力を入れたので、評価してもらえると嬉しいです。
>345
Elona……やった事はありませんが、知っているだけは知ってます。
あのゲームとはまた違いまして、あれよりも更にマイナーです、多分。
元ネタが気になるな、という方は、『ソレグレイユ』でググってみると出てきます。
この他、何か質問や疑問があれば、お書きいただければ返信致します。
では、今日もお疲れ様でした。
365 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/27(金) 23:40:41.86 ID:EtbGjIjeo
おつおつよ
366 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/27(金) 23:51:38.67 ID:GsF+KzfLo
乙
367 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/28(土) 00:12:47.19 ID:OoRueI/aO
>>364
ああ、やっぱ違ったか。ソレグレイユは知らんなあ。
マイナーネタを同じく元ネタにしてる身なので、お互い頑張りましょう。
368 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/28(土) 15:33:16.66 ID:6jMqGGCrO
ちょっと用事が入ったので、開始時間をずらします
5時とか6時とかからになります
369 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/10/29(日) 00:09:26.96 ID:uqUNmaTK0
(`0言0́*)<ヴェアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
済みません、宣言しておきながらまた出来ませんでした……
明日は少し微妙なので、早くても月曜日になります……
>>367
声援、有難うございます。そちらも頑張ってください
370 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/29(日) 00:23:01.74 ID:Z4fDCvhro
ういう
371 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/29(日) 00:34:08.76 ID:A0ce+OUB0
了解
忙しいんだね
372 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/10/29(日) 23:09:47.18 ID:dhLBVrqjO
多忙人ね
373 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/01(水) 16:25:19.36 ID:U7S5nKd1O
こんにちは
ようやく時間が取れそうです。今日の九時あたりからやります
374 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/01(水) 20:30:24.94 ID:7CtEPrTd0
こんばんは
予定通り、九時頃から開始したいと思います
これで少し息抜きが出来る……メカエリチャンかわいいなぁ……
375 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/01(水) 21:17:48.16 ID:7CtEPrTd0
では、始めます。
尚、所持金の項目ですが、大雑把に、切り詰めていけば100ドラールで一日過ごせる程度の価値と考えてください。
=====此処から=====
4月13日 1/3 エリア
「うーん。ベッドが柔らかいって、いいなぁ」
持ち帰った遺物を鑑定に預けた、その直ぐ後。
探険家ギルドの用意する宿舎へ、アルジールは戻ってきていた。
久し振りの寝床は、安物のはずだと言うのに、随分と心地よく感じられた。
「さーて。『明日の朝、動く前に鑑定の結果を聞きに行く』けど、それ以外は特に何も問題ないな……」
「今日一日は、少し休もうかな」
アルジールはどうする?:↓1
【コマンド】
1.自室
2.商店
3.調査
4.散策
5.訪問
6.受領
7.探険
8.移動
【ステータス】
名前:アルジール(性別:女)
体力:48
膂力;5
器用:8
理知:3
耐久:7
魔力:1
魅力:2
運命:70
種族能力:観測者(1/1)
技能:科学技術Lv.1
所持金:500ドラール
装備:平服(服装)
所持アイテム:『巨大な機械の情報』
376 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 21:23:34.15 ID:jMY0xHrVo
2
377 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/01(水) 21:31:23.81 ID:7CtEPrTd0
「特に、これといってほしいものは無いんだけど……」
そういう彼女が立っているのは、ギルドの建物――聞くところによると、「ビル」と呼ぶらしい高層建築の、中頃の階層である。
前にあるのは、ギルドのシンボルを掲げた、階層一つを占める巨大な商店。
管理者が言っていた、ギルドの系列店舗、という奴だった。
「一度くらい、見ておいたほうが良いよね」
前回の探険で、彼女が発見した巨大な機械。
それというのは、構造としては其処まで複雑なものではなく、もし彼女が工具を持っていれば分解して、更に詳しく情報を知る事が出来たものだ。
そうした、何時何処で必要になるか分からない「備え」も、此処では扱っていると聞く。
見ておいて、損はない。そういいながら、彼女は店に入っていった。
自由安価:↓2 店舗の中で、何を探す? 或いは、何を見つけた?
大雑把な記述だと、此方で独自解釈をする事になります。
378 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 21:34:05.74 ID:J7D5LmGTo
掃除道具が見つかった
379 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 22:17:55.03 ID:jMY0xHrVo
薬系
380 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/01(水) 22:28:00.59 ID:7CtEPrTd0
「傷……」
ふと、アルジールは、自身の探険を思い出す。
あの時、彼女は狼に襲われ、大怪我をした。
偶然、あの時は直ぐ近くに町があったから生き延びられた。
しかし、もしあれが秘境であれば。駆け出しの自分が、傷を負ったまま生きていられただろうか……?
そうした事態を避ける為にも、薬を常備しておくのは、よい事だろう。
そう思った彼女は、店員を捕まえた。
「あの、済みません」
「はい? どうしましたか?」
「その……」
選択安価:↓1
1.薬はありますか?
2.薬品はありますか?
3.薬……
381 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 22:29:22.29 ID:z68ZnrpDO
1
382 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/01(水) 22:42:30.70 ID:7CtEPrTd0
「薬……」
ぴたり。店の棚を整理していた店員の手が止まる。
そして、アルジールの顔を横目で見やる。
表情は、良く読み取れなかった。
「えと……その。探険の時に使える、傷薬みたいなものがないかな、と」
戸惑うアルジールがそう続けると、途端に、店員の顔に微笑みが戻る。
「傷薬、ですね。それでしたら、あちらの方にございます」
そういって、彼はアルジールを案内した。
その先の陳列棚にあったのは、彼女も生家で見たことがある軟膏だった。
至極安物らしいが、少なくとも、傷を早く癒やす効果はある。
元お転婆娘の実体験だった。
「此方にあるものですと、こういったものになります。より専門性の高い薬をお求めなら、『薬局』をお探しになった方がよいかと思います」
「有難うございます」
さて、値段を見てみると、成る程、10ドラール。至極安い。これなら幾つか買っても良いかもしれない。
「買おうかな……」
自由安価:↓1 買う? 買う場合、幾つ買う?
383 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 22:48:26.55 ID:oxFvRmuDO
3つ買う
384 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/01(水) 23:00:49.15 ID:7CtEPrTd0
アルジールは、その傷薬を三つ買う事にした。
大した効果はないが、無いよりは有る方がいい。
一つの容器に使い切りの量しか無い。三回切りではあるが、治療の手段が出来た。
「使うような場面がなければ良いんだけどね」
=====INFO=====
『傷薬』を三つ手に入れた。
傷薬……使用すると、拠点なら『1行動単位』、探険先なら『2行動単位』後、傷が癒える。
体力が5回復する。
=====INFO=====
385 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/01(水) 23:02:44.19 ID:7CtEPrTd0
4月13日 2/3 魔都メルシュテル・トラムツキー
「取り敢えず、傷薬は仕舞っておこう。いつでも使える方がいいよね」
「さて、そろそろお昼か……」
アルジールはどうする?:↓1
【コマンド】
1.自室
2.商店
3.調査
4.散策
5.訪問
6.受領
7.探険
8.移動
【ステータス】
名前:アルジール(性別:女)
体力:48
膂力;5
器用:8
理知:3
耐久:7
魔力:1
魅力:2
運命:70
種族能力:観測者(1/1)
技能:科学技術Lv.1
所持金:500ドラール
装備:平服(服装)
所持アイテム
・『巨大な機械の情報』
・傷薬*3
386 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 23:04:30.06 ID:jMY0xHrVo
4
387 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/01(水) 23:30:45.42 ID:7CtEPrTd0
ぶらぶら、ぶらぶら。
日が中天に昇った頃、アルジールは、ギルドのビルの周囲を宛てもなくうろついていた。
何と言っても、大都会である。
元々田舎娘のアルジールには、珍しいものばかり。
歩いているだけでも、案外面白かった。
とはいえ、そろそろそうして歩いているのも疲れてきた。
そろそろ、何処かへ入るなり何なりして、休憩したいものだ……と、辺りをキョロキョロと見渡してみる。
すると、彼女の目に、ふと止まるものがあった。
「……あれは」
二桁コンマ安価:↓1 数値次第で……?
=====此処まで=====
今日は此処まで。もうちょっと長く出来れば良いんですが……
さて、大幅にインターフェースを改訂してみましたが、どうでしょう。
特に差支えないようなら、これを基本ベースにしていこうと思います。
因みに、新しく追加した所持金の概念ですが、連邦国内では、通貨単位は『ドラール』です。
大体の貨幣価値は、今日の更新の頭のところにも載せていますが、今後の注意点として、
『ある国の通貨は、そのままでは他国で使えない』という点があります。
先々、国をまたいで探険するようになった時には、要注意ですね。
あ、それと改訂を……
>>385
【ステータス】の所持金の部分
×500ドラール → ○495ドラール
それでは、お疲れ様でした。
388 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 23:32:03.29 ID:z68ZnrpDO
乙
389 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 23:32:59.09 ID:oxFvRmuDO
乙です
390 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/01(水) 23:37:57.48 ID:9kMXXxa1o
おつ
391 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/06(月) 03:17:10.10 ID:8Ni92Pb00
音沙汰ないなー
管理者さんってロボットとかの人間じゃない類だよねたぶん
392 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/07(火) 23:52:37.98 ID:JOqVyweF0
予定が空いたと思ったらこれだよ!
一向更新が出来ていませんが、明日辺りやろうと思います……
後、お金の所にミスがあったので改訂します。改訂したのを更に間違えるってどうなの……
>>385
【ステータス】の所持金の部分
×500ドラール → ○470ドラール
393 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/07(火) 23:58:09.68 ID:uwJAPB+WO
了解
394 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/08(水) 19:09:36.16 ID:gU4Nn9Vh0
生きとったんかワレェ!
もうエタったものを思ってた
395 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/08(水) 21:40:32.49 ID:ek4fRYTz0
十時まで待って下さい
Undertale……こんな時間からやるんじゃなかった……
ちょっと落ち着く時間をください……
396 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/08(水) 22:25:07.69 ID:gU4Nn9Vh0
どのルートでエンディング迎えたの?
397 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/08(水) 22:40:18.85 ID:ek4fRYTz0
ごめんなさい、泣きすぎて頭痛がしてきたので、今日はお休みします……
>>396
調べてみたら、Nルート→TPルート、らしいです
事前情報通り、何も見ないで進めて良かったと思えるゲームでした……
398 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/08(水) 22:40:43.20 ID:rgftPrPmo
もちろんlove上げまくったよなぁ?
399 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/08(水) 22:42:27.35 ID:RDlYUHuxo
さあ、次はGルートにいこうか
400 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/09(木) 21:05:01.63 ID:Vciexfys0
こんばんは。五分後に開始します
Undertaleが沼というのが何となく理解出来た。魅力的なゲームだ……
>>398
、
>>399
堪忍してつかぁさい、もうそっとしておいてあげたいんです……
401 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/09(木) 21:14:38.11 ID:Vciexfys0
そろそろ始めます。
=====此処から=====
彼女の目に入ったのは、ビル群の間にちょこんと収まっている、小さな建物だった。
少し古めかしい感じのする、小洒落た様子のレンガ造り。ちょっと近づいてみると、良い匂いがしてくる辺り、どうやら料理屋かなにからしい。
「……うん」
腹の虫は正直なもので、大層立腹しながら餌を寄越せと唸っている。
その欲求に逆らわず、彼女はその店に入ってみることにした。
周りの通行人が、店の方に歩いて行く彼女を奇妙な目で見ていた事には、気が付かないまま。
402 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/09(木) 21:26:01.67 ID:Vciexfys0
「うわぁ……」
小洒落た様子、と外観をアルジールは形容したが、どうやらそれは、中も同じ様だった。
落ち着いた色の照明。どうやら、都会を眩しく輝かせている電気の光ではなく、彼女にも見慣れたランプの火によるものらしかった。
時々、炎のゆらめきに合わせて、温かみのある木製の調度品が、その影法師の形を変える。
幾つか据えられたテーブルと椅子は、ほんのりと明るく照らされていた。
「いらっしゃい」
そして、店内の壁際には数脚の椅子が置かれたカウンターがあり、その奥に立つ男性は、皿を洗う手を止めて、歓迎の声を掛けてくる。
金属の縁で出来た眼鏡が、ランプの明かりで煌めく。
白いものが混じる、切り揃えられた髪など、見た目からは清潔感が漂っている。
どうやら、この男性が店主のようだ。
自由安価:↓1 アルジールはどうする?
403 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 21:28:19.32 ID:vvSIYCrPO
この店はどんな料理を出しているのか聞く
404 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/09(木) 21:48:58.87 ID:Vciexfys0
「ど、どうも。あの、此処って、料理屋みたいですけど、何のお店なんでしょうか?」
バックス氏といい、ギルドの管理者といい、どうも年上と接する事ばかりである。
少しは馴染んできたものの、相変わらず慣れない敬語を使って、店について聞いてみる。
美味しそうな匂いに釣られてはきたが、何の匂いかは今一良くわからなかったのだ。
「何のお店か、と言われると困りますね。一応、個人でやっている食堂ですから、『お望みのものをお出しします』、とでもしておきましょうか」
少し微笑みながら語るその姿は、如何にも、「歳を重ねた大人」という感じで、好感の得られる態度だった。
成る程、と頷いて、ちょっと納得する。色々作っているから、何の匂いか分からなかったのか。
「さて、まぁ、まずはお掛けください。どこでも構いませんよ」
しかし、そう言われて、アルジールは少し慌てる。
最初は軽く覗いてみるというだけのつもりだったから、此処で食べるかはまだ決めていなかった。
迷って、えっと、と声を出そうとする。しかし、自分のお腹から大きな文句が聞こえてくるのに気づいて、彼女は赤面して黙った。
(自分の身体に正直に。うん)
そうして、彼女は店を見回し、折角だから、ということで、カウンター席に座った。
405 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/09(木) 22:00:58.16 ID:Vciexfys0
「ご注文は、どうされますか?」
店主は、此方を見ながら言ってくる。
しかし、どうすると言っても、見るべきものがない。
どんなものなら出せるのか、どれがどれほどの値段なのか。そういうものを知る為のものが、何もない。
「えっと、お値段の方は……?」
持ち合わせは少ない。余り高価なものだと、何も食べられなくなってしまう。
少なくとも、値段だけは知っておかないといけない。
しかし、そう思って投げかけた問いには、奇妙な答えが返ってきた。
「あぁ……お客さんは、初めての方でしたか。では、説明しないといけませんね」
「え、あ、はい」
「此処の食事は、どんなものを、どれだけの量頼んでも、一人30ドラールで提供しています。
ですので、お客さんは、今何が食べたいか、だけを仰って頂ければ大丈夫ですよ」
「……ほえー」
何とも、奇妙なシステムである。都会ともなると、こんなやりかたもあるのだろうか。
少し奇妙には思うが、しかし、30ドラールでお腹一杯食べられるというなら、悪くない。
「では、どうしましょうか」
「えっと、それじゃあ……」
自由安価:↓2 アルジールは何を頼む? 尚、曖昧に、例えば「懐かしいもの」というふうに頼んでも問題ありません。
*この安価、その後の展開にちょっとだけ影響します。
406 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 22:09:40.12 ID:oARFd2Gho
懐かしいもの
407 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 22:10:21.65 ID:+ou3ap8DO
スタミナがつくもの
408 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/09(木) 22:45:22.16 ID:Vciexfys0
「えっと、じゃあ、何か『スタミナのつきそうなもの』を……」
「『スタミナがつきそうなもの』、ですね。畏まりました」
少しお腹も減っているし、何か腹持ちの良いものを、と思った結果、こんな頼み方になった。
しかし、店主は曖昧な注文にも文句一つ言わず、あっさりと頷いて了解してくれた。
更に驚いた事には、そうして了解した後、店主がどこからか、一つのコップを出してきたのだ。
「此方、飲み物の水です。此方は無料なので、どうぞご自由に」
「えっ、水が無料なんですか?」
「はい。当店自慢のサービスですよ」
至極軽い様子で言う店主を尻目に、信じられない、という面持ちがつい顔に出る。
人が飲める水の確保というのは、とても面倒だ。これは探険家だけの問題ではなく、社会全体の問題でもある。
嘗ての文明は、極めて高度な水道システムを有していたらしく、蛇口をひねって出てくる水をそのまま飲めたというが、
そんなのは現在、『夢のシステム』といって差し支えない代物だ。
今の社会で同じことをしようものなら、たちまち飲んだ者は腹痛に襲われることだろう。
ということは、水を客に提供するには、少なくとも煮沸して消毒するか、既に消毒してあるものを買ってくるしかない。
どちらも手間がかかる。対価を頼むのに充分だ。だというのに、無料。しかも、幾らでも飲んで良いときた。
訳の分からないまま、出された水を飲んでみる。仄かに、柑橘の香りと風味がした。
端的に言って、旨い。そのまま一杯を飲み干してしまうと、店主は笑って、新しい一杯を注いでくれた。
409 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 23:13:00.88 ID:n+tVp5R50
この世界、どの程度の文明レベルなんだろう。現代くらい?
410 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/09(木) 23:28:25.79 ID:Vciexfys0
そうして、水を飲んでいると、目の前で店主が料理を始めた。
考えてみると、こうして調理している場面を見ながら食事を待つのは、始めてな気もする。
少し楽しみにしながら、アルジールはそれを見物した。
まずは、年季の入っていそうなガスコンロに火を掛け、底の深い鍋を出す。
それを加熱して温めている間に、カウンターの奥の方にある、鉄製の箱
……冷気が漏れ出たのを見ると、どうも冷蔵庫らしい。随分な高級品を置いているものである
……から、幾つかの野菜を出してきた。見れば、ニンニク、タマネギ、ニンジン、ピーマンである。
ニンニク。成る程、確かにこれが食事に入っていると食欲が湧く。結果的に体力は付くだろうが、少し臭いが気になるところである。
どう料理するのやら、と眺めていると、さくさくこれをカットしていく。ニンニクは微塵切り、そのほかは角切り。
そうしてすっかり切り終わると、熱された鍋に軽く油を敷いて、其処にトマト以外の野菜類を順番に入れる。
暫くそれらを店主が炒めていると、油の香ばしい匂いが漂って来た。如何にも料理をしている、という感じである。
そうやって炒めた後、店主は後ろの冷蔵庫らしい箱をまた開いて、赤い肉の塊を出した。
牛肉らしい。脂身がなく、肉そのものが少し薄いのを見ると、頬肉だろうか。
それを細かく、サイコロ状にカットすると、少ししゃがんで、どうやら切ったじゃがいもらしいものを出してくる。
此処まですると、彼は、切ったトマトと牛肉、そしてじゃがいもを鍋に入れ、調味料らしい粉を振りかけてから、また炒め始める。
尚々、ますますもって良い匂いである。アルジールの腹の虫が、少し騒がしくなってきた。
少しして、炒め終えたものを見ながら、店主はまたまた鉄の箱を開き、何かの汁らしいものが入った器から、その中身を鍋に全て注いだ。
そのまま鍋を煮てしばらくすると、レードルで掬い上げた汁を味見して、塩コショウ、それとハーブで味を付ける。
また味見をして少しだけ頷くと、彼はその中から煮込んだものを少し小さな皿に盛った。
「お待たせしました。これが、『スタミナのつきそうな料理』ですよ」
ことり、と、アルジールの前に置かれたそれからは、湯気と一緒に、何とも芳しい香辛料の匂いが漂ってきていた。
少しだけ、唾を飲み込む。空腹にこの匂いは溜まらない。
彼女は、いつもは欠かさない食前の短い祈りもおざなりに、一緒に出されたスプーンを取り上げて、早速食べ始めた。
411 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/09(木) 23:48:32.70 ID:Vciexfys0
彼女が食べてみて感じたのは、まず、ほんの少しの懐かしさだった。
何というべきだろうか。故郷でよく母が作ってくれたチリ・スープと、何処かしら似通った風味がする。香辛料が同じものなのだろうか。
次いで、味そのもの。間違いなく、旨い。どうやら、煮込む前に入れた汁は肉汁であったらしい。肉の味が、野菜にまで染みている。
少し懸念していたニンニクの強い臭いは気にならないが、香辛料の辛味と香りのお陰で、全く空腹感に歯止めがかからない。
ガツガツと、行儀が悪かったのではないかと後から恥ずかしくなるほどの勢いで食べ始め、あっという間に皿は空になった。
「おかわりもありますが」
「……お願いします」
そういって皿を差し出すと、ちょっとした肉と野菜の山がその上に出来る。今度は自制し、少しずつ、味わいながら食べた。
結局、その二杯目も全て平らげてしまったが、その頃には、彼女は充分に満腹になっていた。
微笑ましいものを見る店主の目線を注がれるのは、少し居心地が悪かった。
412 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/09(木) 23:53:38.60 ID:Vciexfys0
=====此処まで=====
今日は此処まで。
料理と食事の描写は迂闊に出すべきじゃありませんでした。
滅茶苦茶書きにくい……せめて別のメニューで書けばよかったかな……
調べてると自分で飯テロ状態になるし……
後は、幾つかコメントに返信しておしまいにしたいと思います。
明日は……ちょっとだけならできるかな。土日は出来ないので、あしからず、ご了承ください。
それでは、お疲れ様でした。
>>391
その辺りは、ご想像にお任せということで。
然るべきタイミングがあれば、分かることと思います。
>>409
文明レベルとしては、18世紀〜19世紀頃を基軸に考えて頂ければと思います。
但し、断片的に21世紀までの技術や物品が混じっている感じです。
413 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 23:59:52.96 ID:n+tVp5R50
おつ
忙しいだろうにありがたい
414 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/09(木) 23:59:56.92 ID:vvSIYCrPO
乙
415 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/10(金) 00:02:02.67 ID:N3sDoXxf0
おつおつ
416 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/10(金) 12:15:03.10 ID:zk3/Q+xUo
週末カレーにすっか
おつ
417 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/10(金) 21:01:11.22 ID:Koyj0hWB0
こんばんは
十分後くらいから始めようと思います
418 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/10(金) 21:43:48.53 ID:Koyj0hWB0
NGHAAAAAAAAAAAAA! また遅くなってしまったぁ!
とまれ、始めます。
=====此処から=====
「ご満足頂けましたか?」
「はい。お腹一杯です」
皿が下げられ、グラスに水がまた注がれる。それを飲めば、少し残っていた後味を、柑橘の風味が流し去っていく。
爽涼。口の中もすっきりとして、後に残ったのは、心地よい満腹感だけ。昼寝の一つでもしたくなる様な、穏やかな気分だった。
「あの、美味しい食事、有難うございました。これ、お代です」
「いえいえ。楽しんで頂けた様で、何よりです」
ぱさりと、紙幣を手渡す。相変わらずの微笑みを浮かべてそれを受け取った店主は、それを勘定し直すこともなく、そのままカウンターの後ろの金庫に入れた。
ちょっとばかり、不用心な気もする。
これをちょろまかしてしまう様な不届き者も場所によっては居ると聞くが、そんなことも必要ないほど、客への信頼があるのだろうか。
そうだとすれば、その客として扱われているアルジールにとっても、嬉しい話である。
「また、お伺いしますね」
「えぇ。またのご来店、お待ちしています」
ちょっと食べすぎたかしら、お腹が重いかも、と、そんな心配をしながら席を立つ。
外の明かりの様子を見れば、昼を過ぎた頃だろうか。そろそろ、帰るによい頃合いである。
会釈して、扉を開ける。さて、今日はあと何をしよう。次の予定を考え、扉を抜けた。
「あぁ、そうそう。一つアドバイスですが」
「『団子鼻さんに会いに行ってみてください』。きっと、お役に立つと想いますよ」
「えっ?」
去り際に掛けられたその声に振り向くだけの時間は、彼女にはなく。意味を問おうとした時には、扉は閉まって―――
419 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/10(金) 21:49:38.57 ID:Koyj0hWB0
4月13日 3/3 魔都メルシュテル・トラムツキー
気がついた時、アルジールは、何故かギルドの自室にいた。
行儀よく寝床に腰掛け、くつろいでいる格好をしている。
「……?」
白昼夢でも見ていたものか。しかし、あの心地よい満腹感は、確かに今も感じている。
「一体何だったんだろう……」
「……あれっ、太陽がもう暮れかけてる……」
「?????」
何だか、良くわからない。
一体あの店は何だというのだろうか。
「……『団子鼻さんに会いに行ってみて』、か」
アルジールはどうする?:↓1
【コマンド】
1.自室
2.商店
3.調査
4.散策
5.訪問
6.受領
7.探険
8.移動
【ステータス】
名前:アルジール(性別:女)
体力:48
膂力;5
器用:8
理知:3
耐久:7
魔力:1
魅力:2
運命:70
種族能力:観測者(1/1)
技能:科学技術Lv.1
所持金:440ドラール
装備:平服(服装)
所持アイテム
・『巨大な機械の情報』
・傷薬*3
420 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/10(金) 21:53:04.90 ID:I67GaE9RO
5
団子鼻に会いに行く
421 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/10(金) 22:04:49.03 ID:Koyj0hWB0
あの店主に掛けられた言葉。こんな不可思議を引き起こす人物の言葉が、気にならない訳はなかった。
アルジールは、そのまま直ぐに宿舎を出て、小走りに目的地へ向かった。
つまり、団子鼻を名乗る、あの小人の所である。
少し表通りから入った辺り。人からはよく見えないであろう、入り組んだ路地の入り口。
其処に辿り着いて、彼女は、声を掛けた。
「こ、こんにちは……? 団子鼻さん……?」
「やぁ、君か。早速来てくれたとは、嬉しいね」
「うひゃっ」
声を掛けたのとは全く逆方向の足元から、声が響く。
思わず飛び上がって、声の方を向いてみれば、あの人好きのする顔の小人が、其処に立っていた。
「おっと、また驚かせてしまったね」
「あぁ、いや。大丈夫です、はい。こんばんは、団子鼻さん」
「はい、こんばんは」
相変わらず、なりの大きさからは考えがたい、深みのある声は、しかし、その年老いた姿には、よく似合っている。
一先ず、挨拶をしてから、彼女は早速、彼に話を尋ねることにした。
「えっと、ですね。実はついさっき、こんなことがあったんですが……」
「ふむ?」
422 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/10(金) 22:09:18.08 ID:Koyj0hWB0
=====此処まで=====
ごめんなさい、今日は此処までということで……。
予定もあるので、早くても次は月曜日です。
楽しみにしていただいている方には、申し訳ありません。
取り敢えず、今回のこの団子鼻のイベントを経由することで、新しいコマンドを一つ解放するつもりです。
詳しいことは又次回、お話しようと思います。
いつでも疑問等お書き頂いても大丈夫ですので、何か分からない事があればお気兼ねなくどうぞ。
それでは、お疲れ様でした。
423 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/10(金) 22:23:59.88 ID:DBjTRBS80
おつ
424 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/10(金) 23:00:19.72 ID:E++DTx1Qo
おつおつの
425 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/11/18(土) 02:08:43.09 ID:QvYTBaqm0
一週間ぶりでしょうか、皆様お久しぶりです
今日の夜くらいから、再開しようと思っています
取り敢えず、次に実装するのは『技能の獲得』に関するものです
結構大規模に安価で募集を掛ける予定なので、ご興味の有る方は是非ご参加を
426 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/18(土) 21:29:20.65 ID:rFZ5ll6x0
参加できそうになくて無念・・・
今んとこ、名前の出てきた地名がトラムツキーと霧の高原の村だけだけど、他にも登場させる予定?
427 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/30(木) 18:29:59.65 ID:ux0PZXrH0
生きてるか?
428 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/02(土) 14:24:06.76 ID:kftoQ2g80
済みません、今度は三週間も空いてしまいました……
前回の連絡からお待ちいただいている方、申し訳ありませんでした……
今日の夜こそは問題なくやれる……筈なので、参加して頂ければ幸いです……
429 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 17:13:13.41 ID:3v6EMftPo
寒くて忙しい時期だしね……
430 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/02(土) 21:01:14.43 ID:kftoQ2g80
そろそろ始めます。
前回言った安価を取る予定です。
=====此処から=====
「成る程。あの店だったか」
「ご存知なんですか?」
「そうだね。よく知っている」
顎に手をやって話す団子鼻に、あの男性の正体を尋ねるアルジール。
案の定、団子鼻は彼の正体を知っていた。しかし、どうもそれ以上の事を述べる気配がない。
「まぁ、何れわかる時が来るかもしれない。安心しなさい。彼は悪い人ではないから」
ころころと笑うが、しかし、悪い人ではなくとも得体の知れない人ではあるのではないか……と、密かに思う。
例えば、目の前の小人の様な。正直、怪しすぎる。
暫く、そうして笑った後、小人は改めて呟いた。
「しかし、彼が私の所に探険家を寄越す、という事は……ふむ」
「……な、何でしょう」
そう言って見つめられているアルジールは、居心地が悪いばかりである。
目を背けて、意識をそれとなくそらす。
女性をジロジロ見つめるとは、少しデリカシーがない様である。文句の一つでも言ってやろうかと思っていると、その内、団子鼻がこんなことを言った。
431 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/02(土) 21:02:09.08 ID:kftoQ2g80
「アルジール君。君は、どうやら探険を一つ熟してきたようだね」
「え? えぇ、はい」
「であれば、恐らく、探険に際して、自分の技量に不足を感じる事があったのでは?」
ふむ、と思う。確かに、色々大変な事はあった。
悪魔の様な例外はさておき、獣を追っ払えなかったり、或いは調査が上手くいかなかったり。
もう少し、何かしら身についた技能でもあれば、上手く切り抜けられたのではないか、という瞬間は、幾つか思い当たる。
「それについて、私が提供出来る事がある」
「……というと?」
「つまり、君に対して、何かしらの技術や知識を伝える手段を紹介できる、という事だね」
成る程。それは、有難い話である。
少しでも自分の技を磨いていけば、探険をできる場所も増えていくことだろう。
その手段の提供とあれば、これは嬉しい限りである。
「勿論、私も情報を商っているからね。それなりの代金はもらうけれども」
「逆に言えば、お金で経験を買える、ってことですよね」
「……ふむ。確かにそうだ」
先人曰く、時は金なり。金で経験を積む時間を短縮出来る、購入出来るという僥倖。見逃すことは出来ない。
「じゃ、じゃあ、お願いしてもいいですか?」
「勿論だとも。では、契約成立だね」
お互い、良い結果になればいいが。そう言いながら、団子鼻は手を差し出す。
握手の為に手を差し出そうとするが、手の大きさが違いすぎる。どうしようか悩んだ末、指を一つ握ってもらうことで代用とした。
何だか赤ちゃんをあやしているような、と、団子鼻の体温が意外と高いことに驚きながら、確かに、アルジールは彼と不思議な握手を交わした。
432 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/02(土) 21:11:20.74 ID:kftoQ2g80
「……さて、早速だが、アルジール君。君はどんな技能を身に付けたいと思うかな?」
「えーっと……そうですね……」
折角の機会である。何かしら、役に立てやすい技能の方が良いだろう。
しかし、それはそれとして、幾つか興味のある事柄もある。
どんなものを学ぶべきか。アルジールは、暫く考え込んだ。
=====システム=====
さて、早速ですが安価です。
今回アルジールは、どんな事を学ぼうとするでしょうか。
投稿時間から20分後まで、自由記述で投稿してください。
投稿の仕方としては、@技能名 A大まかな効果、あるいはイメージ の何方かをお書き頂ければ大丈夫です。
例:機械技術を更に学ぶ(@パターン)
例:戦う技術を習得したい(Aパターン)
例:交渉時に補正を得られる様な技(Aパターン)
=====システム=====
433 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 22:01:03.09 ID:q3lH8uKf0
>>20
の1 っていけるかな
範囲が広すぎるとかで駄目なら探索前の調査(調べもの)時に使える能力
434 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/02(土) 22:06:57.47 ID:kftoQ2g80
>>433
問題ありません。効果については、実装時に適宜エラッタをかませる予定ですので、ご自由にどうぞ
しかし、ちょっと安価の参加者数を多く見積りすぎてたかな……
後二つくらいは欲しいので、もうちょっと待ちます
435 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 22:31:32.14 ID:7z8trjgKo
交渉の補正
436 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/02(土) 23:57:14.87 ID:Li/nxSRA0
遺物の解析能力
437 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/13(水) 22:08:50.97 ID:MQP6t5/00
待ってる(待ってたらいいのかな)
438 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/19(火) 20:56:03.96 ID:CcXCh0mI0
WRYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYYY
やっと面倒が終わりました。明日あたりから、ぼちぼち更新が出来ると思います
前回の安価以降、音沙汰なく済みませんでした
439 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/19(火) 21:20:12.13 ID:4zsCyxrn0
待ってたぞ
440 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/20(水) 20:42:24.27 ID:aukZKkC00
こんばんは
九時頃から始めたいと思います
441 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/20(水) 21:05:26.17 ID:aukZKkC00
では始めます。
=====此処から=====
「とりあえず、もっと基本的な、探険家としての心得を学び直したいです」
「ふむ。成る程、それは確かに大事なことだ」
「後は……人と、もう少し上手く話せるようになりたいのと、遺物を自分で調べられるようになったら、面白いかなぁ、とか」
「ほうほう。中々面白い着眼点だ。成る程、成る程」
差し当たって、頭に浮かんだ三つを並べてみるアルジール。どれをとっても、決して損にはならない筈。そういう能力や技能を、意図して選択した。
「と、なると……少し待っていて欲しい」
「あ、はい」
断りを入れた団子鼻は、一度物陰に入ると、何やらガサゴソと漁り始める。何を、と思って見てみるが、どうも影が濃くて、見えにくい。
そのまま少し待っていると、やがて、彼は物陰から、その体躯からすれば大きいであろう、本らしいものを持ち出してきた。
古めかしい、革の装丁。高級そうな本だった。
「これだね。この三冊の内から、一冊を選んで欲しい」
「えっと……」
表紙を見てみると、こんなことが書いてある。
『探険の心得 初級』
『交渉術 初級』
『遺物の知識 初級』
何だか変な題名だが、どうやら、これが、団子鼻の提供する「金で買える経験」、ということらしい。
本を読んだくらいで、とも思うが、例のバックス氏も、父親の残した本から学んだという。
読むこと自体は無駄ではあるまいし、この不思議な小人のすることだ。きっと何かしら効果はあるだろう。
「それじゃあ……」
自由安価:どれを習得する?
先着で2票集まったものを習得します。尚、効果は以下のINFOの通り。
=====INFO=====
・探険の心得……探険中、あらゆるコンマ判定について、Lv*2の補正を与える。
・交渉術……対人交渉時に行われる判定について、Lv*5の補正を与える。
・遺物の知識……理知判定により、遺物が何であるかを自分で鑑定出来る。
=====INFO=====
442 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/20(水) 21:23:24.88 ID:f+r2maXxo
遺物の知識
443 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/20(水) 21:26:15.13 ID:u93/IQZDO
探検の心得
444 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/20(水) 21:30:40.03 ID:OZbHEg/Io
遺物
445 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/20(水) 21:47:59.41 ID:aukZKkC00
=====システム=====
「遺物の知識」で決定しました。
では、早速書いていきます。
=====システム=====
「じゃあ、『遺物の知識 初級』をお願いします」
「了解したよ。では……」
選択された本を器用に差出し、残りの本を元の物陰に戻す。
団子鼻が戻ってきた時、アルジールは、まだその本の表紙を見つめていた。
「どうしたんだい?」
「あ、いえ。まだお代も払ってないのに、読めません」
おやおや。思わず団子鼻は苦笑する。それを見て不思議に思うのは、アルジールの方であった。
買ってもいないものを利用するのは、泥棒と同じではないのだろうか。
何がそんなにおかしいのかしら?
実は、彼女は、未だ本屋というものに立ち入ったことがない。
だから、立ち読み、などどいう概念も、それをやっている人間が少なくないことも、知らないのだ。
微かな笑いを湛えたまま、団子鼻は続ける。
「いや、失礼。そうだね、確かにそうだ。しかし、まぁ、此処では代金を払わなくても、本を読んでもらって構わないよ」
「え、でも」
「そうだね。食事をしに店に入ったら、大体は食べた後で会計をするだろう? それと同じと思って欲しい」
「あぁ……。そういうことなら」
ようやく納得がいったアルジール。それでは、お言葉に甘えて、と、彼女は本の表紙を開き、早速読み始め
446 :
◆nN35Xsj1FM
[saga !orz_res]:2017/12/20(水) 21:49:47.13 ID:aukZKkC00
447 :
◆nN35Xsj1FM
[saga !orz_res]:2017/12/20(水) 21:50:21.38 ID:aukZKkC00
――――――――――
448 :
◆nN35Xsj1FM
[saga !orz_res]:2017/12/20(水) 21:52:21.45 ID:aukZKkC00
最早、文明は失われて久しい。
ものも、名前も、概念も、何もかも、忘却された。
しかし、残滓は残っている。
忘れてくれるな。
確かに、我々は此処に居たのだ。
449 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/20(水) 21:53:09.00 ID:wBUp3B9q0
どうしたの?
450 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/20(水) 22:04:27.95 ID:aukZKkC00
「……あれ」
気がつくと、アルジールは、本を片手に立ち尽くしていた。
おかしい。確かに自分は、今さっき本を読み始めたばかりなのに。
そう思って、本の表紙を見ようとして、気付く。題名が、消えている。
ぱらぱらと、ページをめくる。白紙。何も、書いていない。
「いやはや。まさか、此処までとはね」
「え……」
足元では、団子鼻が、その細い目を大きく見開いていた。
「君は……そうだね、運命に愛されている。これは驚くべき事実だ。ヒトという種族が到達し得る、ある一つの極点に既にいるということだからね」
「運命、に?」
「君のような人間が探険家になるのは、さて、何時振りか。これは先が楽しみだ」
其処まで言って、団子鼻の目は、いつものように柔らかく閉じられた。
先程までの驚愕は、もう見えない。しかし、その目に映る色は、これまでとは少し違って見える。
「……さて。君の頭には、もうしっかりと知識が刻まれている筈だ。だが、少し疲れているようだからね。もう今日は帰って、休んだ方がいい」
「ああ、お代のことだが、君からは取らないことにしたよ。その代わり、探険が終わって、何か技能を覚えたいと思う時は、是非此処に来て欲しい」
「理由は、まぁ、色々あるが。君という人間に、私は興味を抱いたんだ。だから、より多く、君と話をしたいんだよ」
「さ、今日はこれでおしまいだ。早く帰って、横になりなさい」
それから先のことを、アルジールはよく覚えていない。
昼に食事を取った後の時のように、気がついたらギルドに帰り着いていて、気がついたらベッドに寝ていて。
気がついたら、深い眠りに落ちていた。
=====INFO=====
技能「遺物の知識 Lv.1」を習得しました。
技能学習点を1消費しました(1→0)。
=====INFO=====
451 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/20(水) 22:19:11.13 ID:aukZKkC00
4月14日 1/3 魔都メルシュテル・トラムツキー
「……」
ガンガンと、頭を殴られた様な痛み。それと同時に、アルジールは最悪の目覚めを迎えた。
むくりと起き上がってみれば、自室である。
「……痛っ」
頭の中に、情報が流れる。それは、無数の『遺物』に関する知識であった。
これが、技能の獲得。団子鼻が齎した、知識。
「……うん」
何はともあれ、約束通り、自分を鍛えることには成功した。なら、それでいい。
あの時起こった諸々については、確かに気になる。しかし、あの時の様子を見ると、聞いてもごまかされそうだ。
なら、話してくれるようになるまで、待つだけ。その間、探険家として修行を積まなければ。
アルジールは、頭痛が収まるのを待ってから、行動を開始した。
アルジールはどうする?:↓1
【コマンド】
1.自室
2.商店
3.調査
4.散策
5.訪問
(1)管理者〔遺物鑑定の結果を聞く〕
(2)団子鼻
(3)不思議な料理屋
6.受領
7.探険
8.移動
【ステータス】
名前:アルジール(性別:女)
体力:48
膂力;5
器用:8
理知:3
耐久:7
魔力:1
魅力:2
運命:70
種族能力:観測者(1/1)
技能:科学技術Lv.1
遺物の知識Lv.1
所持金:440ドラール
装備学習点:0
装備:平服(服装)
所持アイテム
・『巨大な機械の情報』
・傷薬*3
452 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/20(水) 22:59:18.86 ID:OZbHEg/Io
5
(1)
453 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/20(水) 23:22:27.89 ID:aukZKkC00
まずは、昨日頼んだ遺物の鑑定結果を聞きに行かなければ。いつまでも管理者を待たせるのも悪い。
そう思ったアルジールは、諸々の身支度を整えてから、一階に降りた。管理者の定位置がそこなのは、数回しか顔を合わせていなくても、もう分かっていた。
案の定、彼女は、執務机で作業に勤しんでいた。いつも通り、無表情のままだ。
「おはようございます、管理者さん」
「ああ、アルジールさん。おはようございます」
昨日と同じように、声を掛ける。挨拶は大事。親の教育は、アルジールの骨身に染みている。
一方、その後には、世間話をするでもなく直ぐに本題に入るのは、彼女自身の口下手が原因である。人とあまり長く話すのは、彼女も得意ではなかった。
「あの、昨日頼んだ遺物の鑑定なんですけど」
「ええ、既に完了しています。報酬の用意もありますので、少しお待ちを」
そういうと、管理者は執務机の引き出しを開け、中から、書類と封筒を取り出した。
書類の方が、鑑定結果と領収書。封筒の方が、現金らしい。
「ああ、鑑定結果については、具体的な内容をお伝えすることも出来ますが、どうされますか?」
「具体的な内容、というと?」
「この遺物はこんなもので、希少性がどの程度だから、報酬はこれだけだ、というような説明ですね」
「あぁ、成る程」
聞いても聞かなくても、一応探険家としては大きな問題はない。時間を取ると言っても、少しだけだろう。
本当に何方でも良いようだが、どうしようか。
選択安価:↓2 1.鑑定結果を聞く? 2.聞かない?
=====此処まで=====
今日は安価を取っておしまいです。
ようやく時間も取れるようになったので、今後はある程度は安定して更新出来るかと思います。
……しかし、何というか、思いもよらない隠しフラグを片っ端から回収して、ガンガンストーリーが進んでいるなぁ。
悪いことではないのですが、話の筋立てをちょっと変えないといけないかもしれない。
本当はもっと沢山探索をこなしてから色々イベントを挟むつもりだったんですが。
安価とコンマで進めると、本当に先がわからない。それが面白いんですが。
では、お付き合い頂いて有難うございました。
明日も……多分同じくらいの時間帯でできるかな。
お疲れ様でした。
454 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/20(水) 23:28:40.43 ID:dN+rYO74o
乙です
1
455 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/20(水) 23:34:10.02 ID:u93/IQZDO
1
456 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/21(木) 21:13:27.02 ID:HXtQ4l4h0
こんばんは
ごめんなさい、少し遅れます
457 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/21(木) 22:19:39.06 ID:HXtQ4l4h0
大変お待たせしました、始めたいと思います。
=====此処から=====
「じゃあ、聞かせてもらってもいいですか。やっぱり、遺物がどんなものなのかは気になるので」
「承りました。では、お聞かせ致します」
アルジールの返事を聞いて、管理者は、領収書と封筒を一度机に置いてから、鑑定結果を読み上げ始めた。
「提出頂いた順番に、説明致します。まず、懐中時計らしいものですが、これは見た目通り、時計でした。
しかし、とても高度な技術が使用されているらしく、ネジを巻く必要がなく、また時間を極めて精密に刻みます」
「ネジを巻かなくていい、懐中時計……」
「次に、小さな黒い箱。これはどうやら、情報を内部に格納出来る機械の類のようです。
『連邦』でも、軍の一部以外ではまだ普及していない、かなり希少な物体です」
「えっ。そんなすごいものなんですか」
「そんなすごいものですね。報酬も高くなります」
「おぉ……」
「次に、ゴム皮膜に覆われた線。比較的単純な構造をした金属線が内包されていました。
調査の結果、何かしらの電気信号を受け取り、音に変換して出力するものと分かりました」
「信号を、音に。蓄音機みたいなものなんでしょうか」
「おや、アレをご存知ですか。その通り、原理は違えど、引き起こされる結果は同じです」
(使えるようなら、使ってみたいかも……)
「次に、凹んだ金属板。これはどうやら、『飛行機』を構成するパーツらしいようですね」
「……飛行機? っていうと、最近都会で作られたっていう、空を飛ぶ乗り物の?」
「そうなります。旧世界では、現在よりも遥かに多く飛行機が飛んでいたといいます。
それが壊れた時に外れた、機体の一部なのでしょう」
「空を飛ぶ、か……」
「次に、薄い金属質の板。此方も希少品です。先の小さな黒い箱と同様、情報を格納出来る機械のようです。
しかも、これは軍でも研究段階にある、更に複雑で小型のもののようですね」
(また希少品! 何だか幸先がいいなぁ)
「次に、ガラスで出来た球。現在トラムツキーでも使用されている、電気による照明
……電灯の、実際に明かりを発する部分と、構造的な類似が見られます」
「あの、明るい奴のですか?」
「はい。ただ、利用されている原理についてはかなり相違が見られます。
こうした物品は珍しい為、少し報酬が上乗せされています」
「成る程……」
「あれ?」
458 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/21(木) 22:21:23.66 ID:HXtQ4l4h0
管理者の言葉は、そこで止まった。
アルジールは、戸惑った。確かもう一つ、向こうで見つけた、苔だらけの骨らしいものについて、鑑定を依頼したのだが。
「済みません、管理者さん。まだ鑑定を依頼したものがあったと思うんですが」
「はい?」
「いや、あの。苔むした骨、みたいなものの鑑定を」
「……はい?」
「えっ、と……」
「……はい?」
「……」
「……はい?」
はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。はい。
蓄音機の針を何度も戻して、同じところだけを聞いているような。
管理者は、同じ言葉を繰り返し続ける。
ガラスの様に透き通った瞳には、何も映し出されていなかった。
(……何、これ)
二桁コンマ安価:↓1 100-幸運【30】以下が出てしまうと……
459 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/21(木) 22:24:30.65 ID:i49WdxX2o
あ
460 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/21(木) 22:50:22.82 ID:HXtQ4l4h0
「……」
ふと、思い出す。そういえば、実家に居た頃に、似たような光景をみた様な。
あれは、そう、確か、家の小屋で、機械をいじっていた時に……
「……あ」
その光景をはっきりと脳裏に思い浮かべた時、アルジールは、一つだけ管理者を元に戻す方法を考えついた。
普通は、こんなことはしない。が、どうもこんな様子を示すものには、その手段が有効なことが多いというのは、経験則でもあった。
小さく、ごめんなさいと呟く。そして、彼女は、まだ同じ言葉を繰り返し続ける管理者に向けて―――
思い切り手を振り上げ、そして振り下ろした。
頭に向けて。大体大雑把に斜め四五度程の角度で。それは勢い良く。
ゴイン、と、重い音。感覚をなくしたかと思うほど強い痺れが、アルジールの手を襲う。
どう考えても、人間の頭からする音ではない。が、痺れの強さに悶えるアルジールは、そのことには気づかない。
そのままアルジールがバタバタと慌てていると、やがて、一撃を呉れたきり、前のめりの姿勢になったまま動かなくなった管理者が、再び動き出す。
大丈夫かしら、と見つめるアルジールをよそに、管理者は、いつもの直立姿勢に戻り、いつもの無表情で、アルジールを見つめ返した。
暫く、視線を交わす。また妙な状態になるのでは、という心配を抱えたアルジールとしては、気が気でない時間。
しかし、そんな心配は無用であると、管理者が告げた言葉で知ることになる。
「……おはようございます、アルジールさん。どうされましたか?」
461 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/21(木) 23:06:59.96 ID:HXtQ4l4h0
結論から言ってしまえば、管理者は、先程あった諸々のやり取りを覚えていなかった。
どうやら、自分の経験則……「壊れたものには斜めに手刀を呉れれば結構直る」というのは、人間にも適用されるらしいと、妙な確信をアルジールは抱く。
実際の所、それがどの程度正しいかなど、分からない。
しかし、それはそれとして、確かにおかしくなっていた管理者は戻った。だから、それで良かった。
ただ、先の様に、苔むした骨のことには一切触れないように、同じ話題を聞き直すのは、少し骨が折れたが。
ともあれ、その結果として、アルジールに与えられた報酬も判明した。
410ドラール。郷里の近くの鉱夫が一日に貰う額と、殆ど変わらない。
自分の年若さからすれば、信じられない程の高収入だった。
また、鑑定された現物は、一度アルジールの手元に戻された。売却を望むなら、管理者に話を通せば、然るべき筋へ売却可能だという。
今のところ、金には困っていない。必要ならば手放す、という方針で差し障りはないだろう。
「……はぁ。昨日から、疲れることばっかり」
一旦自室に戻って、ベッドでため息を吐く。一体、何度私は驚かされたり変な体験をすればいいのだろう。
探険をしに私は田舎を出てきたのであって、都会の真ん中で、こんな不思議なことにばかり出会しても、こう、何か求めているものとは違う。
それに、姉を探す目的に資することは、何も起こっていない。
人見知りのするアルジールは、赤の他人が絡まなければ、意外と前向きな根っこを持っている。
しかし、それを踏まえても、何度も重なる不思議な出来事は、彼女の精神に負担を掛けていた。
462 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/21(木) 23:09:30.33 ID:HXtQ4l4h0
4月14日 2/3 魔都メルシュテル・トラムツキー
しかし、何時までもぼんやりしていると、折角の時間が勿体無い。
アルジールは、ベッドの上で、考え始めた。
「ふう。どうしようかなぁ」
アルジールはどうする?:↓1
【コマンド】
1.自室
(1)休息
(2)所持品整理
2.商店
3.調査
4.散策
5.訪問
(1)管理者
(2)情報屋の団子鼻
(3)不思議な料理屋
6.受領
7.探険
8.移動
【ステータス】
名前:アルジール(性別:女)
体力:48
膂力;5
器用:8
理知:3
耐久:7
魔力:1
魅力:2
運命:70
種族能力:観測者(1/1)
技能:科学技術Lv.1
遺物の知識Lv.1
所持金:850ドラール
装備学習点:0
装備:平服(服装)
所持アイテム
・『巨大な機械の情報』
・傷薬*3
463 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/21(木) 23:15:11.85 ID:HXtQ4l4h0
=====此処まで=====
今日はこのあたりで……
大分前になりますが、アルジールが鑑定を依頼したものの内、まずかったのは『苔むした軽石の情報』でした。
何がどうまずいのか、とか、管理者が一体何者なのか、とか、そのあたりは、進行の中でわかる、かも?
後、質問なのですが、此方で提示するコンマ安価の時、
『コンマが幾らの時どうなる』
という条件も示したほうがいいでしょうか。それとも、今のままマスクデータにしておいても大丈夫でしょうか。
必要そうなら、今後は提示する方針にしたいと思います。
明日も同じ時間か、もう少し早く出来るかもしれません。
では、お付き合い頂いて有難うございました。
皆様、お疲れ様でした。
あ、安価は↓のものを取ります
464 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/22(金) 12:21:00.36 ID:BH3UDmJro
マスクでいいかと
安価は5の(1)
おつです
465 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2017/12/22(金) 21:47:11.69 ID:xip7H0Oe0
ゴメンナサイ、今日はおやすみにします
少し疲れました……
466 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/23(土) 05:29:19.12 ID:SjxqhoMh0
久しぶりに来てみたらスレに動きが
コンマ安価は今のままで良いですよー
467 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/01(月) 00:02:07.32 ID:kCQZnFXE0
おけおめー
468 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/12(金) 21:18:44.80 ID:gC8jp7+/0
待ってて良いのかな・・・
469 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/03/05(月) 13:57:12.85 ID:Xo+PIP0q0
もう駄目か?
470 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/28(土) 21:24:51.43 ID:03BEVS6k0
待ってるよ……
471 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/05/13(日) 00:33:12.91 ID:zxCD4I4l0
>>1
よ、見ていたら何も言わなくても良いから、せめて応えてほしい
俺はこの世界の続きが見たいんだ
スレ続行が難しいなら、システム面を公開して誰かに引き継いでくれ
472 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2018/05/13(日) 23:01:56.76 ID:6GdvWhaY0
お久しぶりです
これだけ放置しておいて、今更どの面下げて、という感じですが、
>>1
です
年始以降諸用で忙殺されておりまして、更新は当分できそうもないのが現状なのですが、ご報告までに
此処をエタらせるつもりはありませんが、8月前後までは手をつけられそうにありません
保守して頂いた方、またご期待頂いている方には申し訳ありませんが、そこまでお待ち頂ければと思います
時々、此方を覗きに来ますし、書く時間がある程度確保出来るようでしたら、安価一つ分だけ物語を進める、ということは出来るかもしれません
が、基本的には8月まで待っていただくことになると思います
お詫びというか、こういった世界観が楽しい、という方に向けて、元ネタへの直接案内をしようかと思います
以下のURLのアンダーバーの後に、全半角小文字で「ワールド」と打ち込んでみてください
ttps://www46.atwiki.jp/fantastical_/
473 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/05/14(月) 21:09:16.53 ID:9Lg608F50
続けてくれると聞いて安心した
474 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/06/25(月) 09:00:19.63 ID:O9mUkQ1s0
8月まで保たせるならたまにはレスした方がいいよね
475 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/07/06(金) 10:28:27.74 ID:r/WGoKDFO
あ
476 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2018/07/29(日) 21:14:51.70 ID:4yCSlyZR0
お久しぶりです、
>>1
です。
ぼちぼち目処がついてきました。お盆休み前後には再開できそうです。
開始する前にはもう一度お知らせしますので、その折には是非ご参加頂ければと思います。
お待ちいただいている方には申し訳ありませんが、今しばらくお待ち下さい。
477 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/31(火) 07:39:39.30 ID:anodizJo0
おお、待ってる
478 :
◆nN35Xsj1FM
[saga]:2018/10/27(土) 13:11:28.47 ID:+3ksF1GH0
ふ、復活していた……
駄目かと思っても待った甲斐があった
今後折を見て続けていくつもりです
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