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池袋晶葉「アンズロイドと」安部菜々「私たちの事務所」
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1 :
◆5AkoLefT7E
[saga]:2017/09/25(月) 21:55:40.40 ID:6zzzKWfl0
〜晶葉ラボ〜
池袋晶葉「……ふぅ」
安部菜々「お疲れさまですアキハちゃん!」
晶葉「おお、菜々か、お疲れ様」
菜々「い、いよいよ、完成……なんですよね?」
晶葉「ああ、ちょうどインストールの準備が整ったところだ」
菜々「そこの……おっきい繭みたいな形の入れ物が?」
晶葉「そうだ。蓋は見てのとおりガラスだから、中の本体を見ることは出来るぞ? 開けるのはやめてほしいが」
菜々「だ、大丈夫ですよね? いきなり襲ってきたりとか」
晶葉「ははは、大丈夫だ。まだその段階ではただのリアルな人形にすぎないからな」
菜々「そ、そうなんですか? こ、こんにちは〜」ヒョイッ
晶葉「だから、そんなに警戒して覗き込まなくても」
菜々「こ、これはカワイイですね……!!!」
晶葉「……設計段階のイメージは見てるだろう?」
菜々「そ、そうですけど、やっぱりこう……立体だと違うなあと……」
晶葉「まあ、アイドルになるんだから、驚くほどカワイイくらいがちょうどいいか」
菜々「けっこう小柄なんですね?」
晶葉「その辺の数値も定義書に書いてあったろう……? 1.4メートルになっている」
菜々「へぇ〜、ナナよりちっちゃい……」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1506344140
2 :
◆5AkoLefT7E
[saga]:2017/09/25(月) 21:56:01.63 ID:6zzzKWfl0
晶葉「そういえば、プロデューサーはいないのか?」
菜々「いえ、『アキハの集中を乱すのもよくないから、ここで待っています』って。部屋にいます」
晶葉「まったく、その程度ではこの天才の腕は揺るがないんだがな」
菜々「まあ、アイドル部門の命運が懸かってますし……。プロデューサーさんもちょっと心配になってるだけですよ」
晶葉「そのわりに菜々が来るのは止めなかったんだな」
菜々「も、もしかしてナナ、お邪魔だったり……?」
晶葉「まさか。言ったばかりだろう? その程度は問題にならないさ」
菜々「よかったです……。そうだ、名前は決めてるんですか?」
晶葉「ああ、もちろん。このアンドロイドは、その圧倒的な歌、ダンス、ヴィジュアルで、今までの全てのアイドルを否定する!」
菜々「ふむふむ」
晶葉「よって、『コードネーム:否(イナ)』と名付けた!」
菜々「……」
晶葉「……ん?」
菜々「……アキハちゃん」
晶葉「ど、どうした?」
菜々「かわいくないです!」
晶葉「……ええっ!?」
3 :
◆5AkoLefT7E
[saga]:2017/09/25(月) 21:56:33.48 ID:6zzzKWfl0
菜々「そんな名前の女の子がいますか!? "イナちゃん"って響きはまだギリギリいいとしても、漢字が後ろ向きすぎます!」
晶葉「だ、だが……」
菜々「かわいそうですよ! そんな名前じゃ!」
晶葉「むぅ……そうか……」
菜々「はい!」
晶葉「じ、じゃあ、菜々ならどうする?」
菜々「へ?」
晶葉「"へ?"じゃないだろう。私は……その……認めたくないが、ネーミングセンスというものに欠けるようだし……」
菜々「え、えーっと……」
晶葉「ほら、何か案はないか?」
菜々「ち、ちょっと待ってください! ウサミン星からネーミングセンスをダウンロードしてますので!」ミョンミョン
晶葉「そういうのはいい」
菜々「そ、そういうの……」ガーン
4 :
◆5AkoLefT7E
[saga]:2017/09/25(月) 21:57:15.05 ID:6zzzKWfl0
菜々「じ、じゃあ、こうしましょう!」
晶葉「?」
菜々「"否"って漢字の、上をちょっと出すんです! こうすれば……」カキカキ
晶葉「えーと、"杏"か……! あんず、あんず……」
菜々「ど、どうでしょう……?」
晶葉「ああ、いいと思うぞ。それでいこう!」
菜々「よかったです……! あ、プロデューサーさんにも聞いてきましょうか?」
晶葉「いや、別に大丈夫だろう。"2人で決めたなら"ってなるのがオチさ」
菜々「た、確かにそうですね……」
晶葉「では、ネーミングのコンフィグを書き換えて……」カタカタカタカタ
菜々「おお、そんなにすぐ変えられるんですね?」
晶葉「もちろんだ。名前や出身地、趣味や好物などはコンフィグファイルから読み取る設定になっている。いちいちモジュール内をいじるのは面倒だからな。直前の仕様変更にも対応できるよう、変わりそうな値は変数にしておいて、実際の値は外部ファイルから読み取るのが一般的……」
菜々「Zzz……」
晶葉「……私が悪かったよ」ペシペシ
菜々「……はっ!」
5 :
◆5AkoLefT7E
[saga]:2017/09/25(月) 21:57:59.99 ID:6zzzKWfl0
菜々「ちなみに出身地はどこにしたんですか?」
晶葉「北海道だ」
菜々「どうして北海道なんですか?」
晶葉「ダーツが刺さったから」
菜々「雑ぅ……」
晶葉「そんなところに時間を使うのも、勿体無いだろう?」
菜々「そうですかね……? あ、苗字は?」
晶葉「ああ、それも決めようと思ってたんだ。はい」
菜々「へ? これは……ダーツの矢?」
晶葉「向こうの日本地図に向けて投げてくれ」
菜々「い、いやいや! 出身地はもう決まってるんですよね?」
晶葉「そう言ったじゃないか。今は苗字の話だろう?」
菜々「じ、じゃあなんでダーツを?」
晶葉「苗字なんてなんでもいいだろう? だから、ダーツが刺さった市町村を苗字にする」
菜々「ざ、雑ぅ……!」
6 :
◆5AkoLefT7E
[saga]:2017/09/25(月) 21:58:52.13 ID:6zzzKWfl0
菜々「えっと……、もし"おしゃまんべ"とかに刺さっても?」
晶葉「長万部 杏……悪くないんじゃないか?」
菜々「変ですよぅ……」
晶葉「じゃあ、良い感じの市町村に投げてくれ。 私だって"近江八幡 杏"なんて長い名前はイヤだからな?」
菜々「なんですかそのプレッシャーは……。え、えいっ!!!」
トンッ
菜々「ええと、東北の南の方……」
晶葉「福島のあたりか?」
菜々「そうですね。福島県の……」
「「双葉町?」」
7 :
◆5AkoLefT7E
[saga]:2017/09/25(月) 21:59:49.44 ID:6zzzKWfl0
晶葉「では、全ての準備が整った。これよりインストールに入る!」
菜々「おおー!」パチパチパチ
晶葉「成功できたらそのまま起動する予定だ」
菜々「ど、ドキドキしますね!」
晶葉「私はワクワクの方が大きいけれどな」
菜々「仲良くなれますかね……?」
晶葉「大丈夫だ。敵対心はなるべく抱かないようになっている。学習して成長するにしても、犯罪など起こされてはたまったもんじゃない」
菜々「ならいいんですけど……」
晶葉「では、インストールを開始するぞ!」
菜々「はい!」
晶葉「インストール……スタート!」ポチッ
菜々「……」
晶葉「……」
菜々「……あれ?」
晶葉「ん?」
菜々「これ、始まってるんですか?」
晶葉「ああ、特にエラーも出ていない。正常に開始しているとも」
菜々「もっと……こう……"バチバチバチィ!!"みたいな感じかと……」
晶葉「菜々のスマホはアプリをインストールするたびに火花が散るのか?」
菜々「ナナ、ガラケーです」
晶葉「……すまん」
8 :
◆5AkoLefT7E
[saga]:2017/09/25(月) 22:00:43.45 ID:6zzzKWfl0
菜々「どれくらいで終わるんですか?」
晶葉「うーむ……いかんせん、初の試みだからな……。以前、関係ない外部メモリへ出力してみた時は、そこまで時間はかからなかったが」
菜々「どうしてですか?」
晶葉「あー、まあ、技術的なことだから気にしないでくれ。これ以上菜々の睡眠時間を増やすのもな?」
菜々「くぅ……ちょっとバカにされた気がします……」
晶葉「はは、気を悪くしたなら謝ろう」
菜々「大丈夫ですけ……あれ?」
晶葉「ん? どうかしたのか?」
菜々「いえ、何かそこに落ちてますよ?」ヒョイ
晶葉「え?」
菜々「これは……なんでしょう? 肌色で、なんか輪っかみたいな?」
晶葉「……輪っか」
菜々「なんだかセロハンテープの芯とか、そういうのに似てますね」
晶葉「……菜々、それの直径は、20センチもないくらいか?」
菜々「へ? そうですけど……ってアキハちゃん、見ればいいじゃないですか」
晶葉「勇気がないんだ」
菜々「はい?」
晶葉「その内側に番号が刻印されているか?」
菜々「えーっと……『2』って書いてありますね」
晶葉「『2』か……! くそっ! 道理で首の組み立ての時に違和感があったんだ……! 頭と接着する『1』とか胴体側の『5』なら気づいたのに……!」ブツブツ
菜々「あ、アキハちゃん?」
晶葉「中止は……いや、できない。ここでのロールバックは危険だ……」
菜々「アキハちゃん! 説明してくださいよぅ!」
晶葉「……首だ」
菜々「く、クビ!? ナナ。もうちょっとアイドル続けたいんですけど!」
晶葉「違う! そのパーツ! 首の部分のパーツなんだ!」
菜々「へ?」
晶葉「このアンドロイドは、頭と胴体をつなぐ首の部分が5つのパーツになっているんだ」
菜々「は、はい」
晶葉「そのうちの1つを……付け忘れた……」
菜々「ええ!?」
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