川崎「あ……あたしと付き合ってくんない?」 八幡「!?」

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367 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2018/04/04(水) 21:10:53.89 ID:a+Ab1NOVO


 接近するメンシュハイトにこちらから駆けて距離を詰める。

 俺には見えている。息を殺し、粉塵に潜む平塚隊長の姿が。

 猫のように低く、なおかつ素早くメンシュハイトの背後へ向かっている。


 動きは愚直で単調。気を緩めるな。
 一度のミスも許されない。


 メンシュハイトを見る。

 表情も体のモーションも、どちらも決して見逃すまいと目を見開く。

 これまでの敵の行動パターンを鑑みて、平塚隊長の思考を読み取って、これから取るべき行動を予測する。


 メンシュハイトが迫る。

 俺の動きを悟られてはいけない。俺自身の足の向き、視線、表情で敵に俺の次の動作を誤認させる。

 これまでこいつとの戦いで、俺も平塚隊長もフェイントは使っていない。同じく相手も高度な駆け引きなどまるでしていない。

 圧倒的な力があり、技術を必要としないのだ。


 その慢心を突く。

 お前が人類を舐めている間に終わらせる。


「ッ!」


 踏み込み、翻る。隙のないフェイント。対人戦に慣れた者を相手にしても、これほど鋭く切り返せばわずかの間が生まれるだろう。

 紙一重でメンシュハイトの体を交わし、付かず離れずの距離で背後に回り込む。


「──フッ」

 態勢を立て直した瞬間に平塚隊長が一閃。

 メンシュハイトの脇を抜けた勢いをそのままに斬撃を重ねる。そしてまた隊長の鋭い攻撃が同じ場所を斬りつける。

 脳が焼けるような集中。
368 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2018/04/04(水) 21:11:37.24 ID:a+Ab1NOVO


 全身全霊で、ちぎれそうになる腕を回す。

 寸分たがわず同じ箇所へ刃を当て、極限までふたり呼吸を合わせた絶え間ない剣戟。

 これまで幾度となく爆破を間近で見たため、すぐに離脱しなくてはならないと警告するように全身が熱くなる。

 ほぼ同時に、平塚隊長とそれぞれ反対の場所に離脱した。


 爆風と飛んでくる瓦礫に備えて構えるが、爆発は起きない。

「……ッ」

 ──ドォォオオオオオオオオオン!!!!!!

 これまでに経験したことがないような爆発と鼓膜を引き裂くような轟音。

 低く構え飛ばされまいとしていたが、やすやすと吹き飛ばさた。


 大小さまざまな瓦礫に全身を打ち付け、打ち身や切り傷に苦悶の声が漏れる。

 転がりまわって平衡感覚を失っているがすぐに立ち、俺を吹き飛ばしたメンシュハイトの方を見据える。

 土煙で視界が悪いが、メンシュハイトの方から不定期に小さな爆発が起きる。その様子は寿命の近い電球を思わせた。

 小さな断続的な小規模爆発が収まる。

『比企谷くん! 先生??』

 耳元の大声にビクッと身体が反応する。声がでかすぎる。
369 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2018/04/04(水) 21:15:35.55 ID:a+Ab1NOVO
文章もう変えん言うたけどめんどいから普通に書くで
370 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2018/04/06(金) 06:58:31.69 ID:VgpniUNnO


「俺の方は大丈夫だ。それより今の爆発のパターンはなんだ」

『良かったー! ……うーん、わからない。初めてのパターンらしくてこっちでも状況が掴めてないの』


 HP減少で別モーション解放って感じか。めんどくさいな。

  せっかく相手の動きを把握して来たってのに、行動パターンが複雑化するとリスクが高くて仕掛けにくくなる。


『平塚隊長!』


 うるさっ……。

 海老名さんの声から察するに、平塚隊長も無事のようだ。

 視界が晴れずまるで様子がわからない。


『比企谷くん、平塚隊長無事だったよ』


「ああ。良かった。海老名さん、もっと敵から離れたほうがいいか?」

『そーだね……、あっ、はい。比企谷くん、平塚隊長がすぐに視界の晴れた場所に移動しろって』

「オーケー」


 背後を警戒しながら、やや遅めの歩調で遠ざかる。

 足元は瓦礫ばかりなので、なかなか思ったようには進めないが、身を隠しながら動けるのでこれはこれでいい。


 20秒ほどで視界が開けた場所へ着いた。

 背後に向き直り、ゆっくりと後ずさる。
371 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2018/04/06(金) 06:59:57.65 ID:VgpniUNnO
上げ忘れや
372 : ◆hr9g98PXaA [sage]:2018/04/09(月) 21:23:43.20 ID:Q6GUsYtMO


『…………動かないね』

 もう10秒は動きがない。

 今の攻撃、もしかすると致命傷に至ったのか……?


 どちらにしろ煙が薄まってから直接目にするしかないだろう。

 しばらく待つのは覚悟しよう。


 敵がいつ襲いかかってもいいようにと、静かに剣を構え直した時だった。


「……ッ」

 嘘だろ!?

 急激な煙の盛り上がり。
 目で終えないほどの速さで、湧き出る水のように煙が幾重にも膨張する。
373 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2018/05/24(木) 15:27:04.17 ID:gtvQB4YmO
まだ?
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