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【安価でUNDERTALE】ANCHOR TALE
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/09/19(火) 16:22:54.35 ID:H8ebF82x0
むかしむかし ちきゅうには
ニンゲンと モンスターという
2つのしゅぞくが いました。
ところが あるとき
2つのしゅぞくの あいだに
せんそうが おきました。
そして ながい
たたかいのすえ ニンゲンが
しょうりしました。
ニンゲンは まほうのちからで
モンスターたちを
ちかに とじこめました。
それから さらに
ながい ときが ながれ……
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1505805774
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 16:26:25.61 ID:H8ebF82x0
〈イビト山 201X年〉
それは 「のぼったものは
にどと もどらない」といわれる
でんせつの山でした。
いま そこから
ひとりの こどもが
「ちか」に おちました。
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 16:28:07.13 ID:H8ebF82x0
こどもの なまえ
>>4
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 16:41:07.43 ID:dTWM43ToO
メサイヤ
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 17:02:30.73 ID:H8ebF82x0
メサイヤ「……」
金色の花の中で、目が覚めた。
どうやら、この花がクッションになって、落ちてきたところを受け止めてくれたらしい。
あたりは真っ暗でよく見えない。
メサイヤは壁伝いに暗闇の中を進み、ルーンの刻まれた門を潜った。
目の前に、大きな花がいた。
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 17:06:01.01 ID:H8ebF82x0
「ハロー!
ボクは フラウィ。
おはなのフラウィさ!」
花がこちらを見つめて喋り出した。
「キミは……
この ちていのせかいに
おちてきた ばかりだね?
そっか じゃあ さぞかし
とまどってるだろうね。
このせかいのルールも
しらないでしょ?
それなら ボクが
おしえてあげよう。
じゅんびは いい?
いくよ!」
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 17:09:23.37 ID:H8ebF82x0
花は勝手に話を進めた。
目の前に赤いハートが現れる。
「そのハートはね
キミのタマシイさ
キミという そんざい
そのもの といってもいい。
はじめは すごくよわい…
けど LVがたくさん
あがると どんどん
つよくなれるんだよ」
花は慣れたように説明を続けた。
LVとは「LOVE」の略で、これを集めると強くなるらしい。
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 17:13:55.37 ID:H8ebF82x0
フラウィ「このせかいではね
LOVEは こんなふうに…
しろくて ちっちゃな
『なかよしカプセル』に
いれて プレゼントするんだ」
フラウィの背後に、白い小さな球が浮き上がる。
球はこちらに向かって、クルクルと回りながら放たれた。
フラウィ「さあ! カプセルを
おいかけて!
いっぱい いーっぱい
ひろってね!」
メサイヤはどうする?
>>9
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 17:27:29.42 ID:j15e3JEm0
underpantsみたいにフラウィをはたく
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 17:43:33.27 ID:H8ebF82x0
フラウィ「……なにを するの?
いきなり はたくなんて ひどいね
ぼくのLOVEを うけとってはくれないのかい」
フラウィは距離をとって、もう一度白い球を飛ばしてきた。
メサイヤはどうする?
>>11
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 17:44:38.09 ID:gMdj8IPv0
騙されないぞ、これ良くないものだろ と言う
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 17:51:38.76 ID:H8ebF82x0
フラウィ「……騙されるって、なんのことだよ
きみは ここに おちてきたばかりじゃ なかったのか?
このせかいの ルールを 知らないんじゃ なかったのか?
……きみ、名前は?」
メサイヤは、どうする?
>>13
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 17:59:51.66 ID:3VxYEofN0
今は勝てないので助けを呼ぶ
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:07:06.29 ID:H8ebF82x0
メサイヤは「たすけて!」と叫んだ。
声はなにもない暗闇へと吸い込まれていく。
フラウィは、顔をしかめた。
フラウィ「……名乗らないというのかい。
ふーん。へーえ。
どうやら、ボクはキミについて、
かってな おもいちがいをしていたのかもしれない。
きょうみがでてきた。
しばらくきみのこと、みさせてもらうよ。
きみがこのせかいに どんなえいきょうを およぼすのか、
楽しみに、しておくよ」
フラウィは、不気味な笑い声をあげて、メサイヤを睨みつけながら地中へと潜っていった。
足がすくんでいたメサイヤは、脱力して尻餅をついた。
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:11:16.84 ID:H8ebF82x0
「誰? 誰かそこにいるの?」
どこかから声が聞こえる。
メサイヤが顔をあげると、白くて大きな獣が現れ、こちらを見つけて早歩きで近寄ってきた。
「あなたなの? さっき『たすけて!』って言ってたのは」
メサイヤ「……」
「こわがらなくても だいじょうぶよ。
わたしは トリエル。
このいせきの かんりにんです。」
白い獣は、両膝をついてメサイヤに視線を合わせながら、笑顔で名乗った。
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:15:35.17 ID:H8ebF82xo
トリエル「まいにち ここをみまわって
おちてきたコが いないか
かくにんしているの。
ニンゲンが このせかいに きたのは
ほんとうに ひさしぶり。
さぁ、いきましょう!
いせきを あんない してあげるわ」
トリエルは立ち上がると、メサイヤに手を差し伸べた。
メサイヤは、その手をとった。
トリエル「こっちよ」
メサイヤは暗闇の向こうに消えていこうとするトリエルの白い身体を、見失わないように着いていった。
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:19:38.65 ID:H8ebF82xo
辿り着いたのは、大きな建物だった。
荘厳な雰囲気も漂っているが、どこかメルヘンチックな気もする、不思議な建物だ。
トリエル「さあ、あなたは今日から
ここでくらすのよ。
いせきの しかけについて おしえておくわね」
トリエルはボタンのついて床を歩きながら、扉をあけた。
これは侵入者を撃退するためのパズルらしい。
トリエル「よく見て、慣れておいてね」
トリエルにとって、私はもう、侵入者ではないらしい。
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:24:26.41 ID:H8ebF82xo
トリエル「この部屋は ボタンを押さないと
扉が開かないようになっているの
かべに スイッチがあるでしょう?
それを おしてきてもらえるかしら?」
メサイヤは言われた通り、壁に取り付けられているスイッチを確かめた。
[このスイッチを おすのよ]と書かれている。
こんなものに、なんの意味があるのだろう。
メサイヤがスイッチを切り替えると、トリエルは笑顔で喜んだ。
トリエル「よくできました!
今度はあっちのスイッチも おしてちょうだいね」
メサイヤは、言われた通りに動いた。
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:24:43.28 ID:HO6TyJtIo
Gルート行かなきゃ(使命感)
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:27:48.40 ID:H8ebF82xo
トリエル「あなたはニンゲンだから
モンスターに おそわれることもあるでしょう。
そんなときに どうすればいいか
しっておかないと いけませんよ」
トリエルは、用意しておいたマネキンとメサイヤを「バトル」させようとした。
メサイヤは、どうする?
>>21
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:30:13.57 ID:voVvBpd2O
トリエルと戦う
22 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:34:23.40 ID:H8ebF82xo
メサイヤは、マネキンには目もくれず、トリエルに向き合った。
トリエルは目を丸くしている。
トリエル「あらあら。
あなたは けっこう じっせんてきなのね。
わかったわ。ここはわたしが
ひとはだ ぬぎましょう」
トリエルは両手を大きく開いて、笑顔で話しかけてきた。
トリエル「バトルになったら、まずはあいてと
『おはなし』を するのよ」
メサイヤは、どうする?
>>23
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:34:46.99 ID:CfuqCDSSO
お話
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:40:55.30 ID:H8ebF82xo
メサイヤは、トリエルにはなしかけた。
メサイヤ「……こんにちは」
トリエル「こんにちは! そう、よくできました!」
トリエルは、うれしそうだ。
トリエル「きょうは とてもいい天気ね」
メサイヤ「……うん」
この場所に、天気が関係あるとはとても思えなかったが、
メサイヤは、とりあえずトリエルの言うことに同調した。
YOU WIN!
0EXP 0G をかくとく!
トリエル「そう! それでいいのよ。
あなたは さいのうがあるわね」
メサイヤは、すこし照れた。
25 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:47:05.32 ID:H8ebF82xo
メサイヤはトリエルの後ろをついていった。
途中、カエルのモンスターがメサイヤの目の前に現れたが、にらめっこしているうちに、トリエルが目で威圧して追いやった。
手を引かれながら、針のむしろのパズルをわたり、メサイヤは大きな廊下に出た。
トリエル「ここまでは よくできました。
でも… つぎは すごくつらい おねがいを
しなければ ならないの。
…… このへやの むこうのはじまで
ひとりで あるいていくのよ」
トリエルは心配そうな目をしながら言った。
トリエル「…どうか、
わるくおもわないで ちょうだいね」
トリエルは踵を返し、ずんずんと進んでどこかへ行ってしまった。
メサイヤはどうする?
>>26
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:51:09.78 ID:mESXA/VC0
トリエルの言う通り、
1人で歩いていく
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:57:43.35 ID:H8ebF82xo
メサイヤは、トリエルの消えて行った方へと歩いて行った。
歩いても歩いても同じ景色が続く。とても長い廊下だ。
メサイヤは、トリエルの顔を思い浮かべながら、ひたすらに歩いた。
いつまでも景色が変わらないことに、くじけそうになったが、止まってはいけないような気がして、とにかく歩いた。
しばらくゆくと、左側の壁に柱が立っているのが見えた。
メサイヤは柱を確かようとすると、モフッとしたものにぶつかった。
トリエル「ああ!」
柱の後ろには、トリエルが隠れていた。
28 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 19:03:52.20 ID:H8ebF82xo
トリエル「よ、よくできました!///
あんしんしてちょうだい。おいていったりしないわ。
ここに隠れて、ずっと見ていたのよ。よくここがわかったわね。
わたしを 信じてくれて ありがとう」
トリエルは、メサイヤにハグをした。
トリエル「でもね、このれんしゅうには
とてもだいじな いみがあったの。
…ひとりで おるすばん できるか テストをしたのよ。
わたしは ちょっと ようじが あるから
おるすばん していてね」
メサイヤの両肩に手をぽんと置いて、トリエルは微笑んだ。
トリエル「ここで まっているのよ?
ひとりで あるきまわると あぶないですからね。
…そうだ。あなたに『ケータイ』を わたしておくわ。
ようが あるときは それで でんわするのよ?」
それじゃ、おりこうさんにしていてね。そう言ってトリエルはどこかへ行ってしまった。
メサイヤはどうする?
>>29
29 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 19:25:31.72 ID:3VxYEofN0
寝る
30 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 19:40:15.40 ID:H8ebF82xo
メサイヤは柱を背に座って、リラックスした。
トリエルの用事とはなんだろう。想像もつかない。
預けられたケータイには、白い動物の毛が、一本だけはさまっていた。
メサイヤはふっと息をふきかけて毛を落とし、ポケットにしまった。
どれくらい待てばいいのだろう。わからない。
だが、大人しく待っていれば、きっとトリエルが迎えに来てくれるだろう。
メサイヤは目を閉じた。
そのまま柱にもたれて、ねむってしまった。
しばらくして、ケータイが鳴ったのだが、メサイヤは気づくことなく寝過ごしてしまった。
31 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 19:55:15.92 ID:H8ebF82xo
……夢を見ていた気がする。
誰かが何かを話している。
メサイヤがそれを、隣で聞いている。
夕陽の中の、おだやかな空間だった。
ただただ、おだやかな気持ちになっていたことしか、覚えていない。
メサイヤ「……」
目が覚めると、いつの間にか、地面に横たわるようにして眠ってしまっていた。
トリエルはまだ来ていないようだ。メサイヤは起きて、移動してみることにした。
32 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 20:03:15.84 ID:H8ebF82xo
進んでいくたびに、トリエルの言う「パズル」のようなものが待ち構えていたが、難なく通り過ぎていった。
途中、カエルが目の前に飛び出して来たり、喋る岩にちょっかいを出されたりした。
しばらく進むと、白いオバケのようなものが眼前を塞ぐように横たわっていた。
どうやら「グーグー」と言い続けて、寝たふりをしている。
ムリヤリどかそうか。メサイヤはどうする?
>>33
33 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 20:05:04.63 ID:+906MjCjO
ウ ウ ウウウウウ と不気味な歌を歌う
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 20:06:25.54 ID:XJzj4yON0
耳のそばでどへたくそなこもりうたをうたう
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 20:17:34.22 ID:H8ebF82xo
メサイヤは、グーグーと寝たふりをするオバケに対抗して、こちらも唸ってみた。
メサイヤ「ウ ウ ウゥゥウゥウ……ゥゥウウ ゥゥウウ……♪」
「あ……」
オバケはメサイヤの行動に、つい反応を示してしまった。
メサイヤ「……」
「……キミ、なかなかいいネ。いいアンビエンスを かんじちゃッタ」
メサイヤ(?)
「あー……でも、そうだネ……そうだよネ」
オバケはウロウロと悩んだようにうろついてから、遠慮がちに言った。
「ぼくは……ナプスタブルークっていうノ。
いつもは 誰にも会いたくないから
この いせきに いるんだけど…
でも… きょうはネ いいひとに であっちゃッタ…」
メサイヤ「……」
ナプスタ「あ……ゴメン、じぶんがたりするのが クセで… つい」
メサイヤ「……」
ナプスタ「…ジャマだよね。いま どくネ」
オバケはすうっと消えかかった。
メサイヤはどうする?
>>36
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 20:29:17.69 ID:XJzj4yON0
いつかまた遊ぼう
37 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 20:49:27.61 ID:H8ebF82xo
メサイヤ「い、いつか」
ナプスタ「……?」
メサイヤ「いつか……また、遊ぼう」
ナプスタブルークは、身体の上半分だけ消えかかった状態のまま、止まった。
ナプスタ「また……そうだネ。また、だネ」
メサイヤ「うん」
ナプスタ「ハハ……ごめんネ。半分消えちゃったまま、話すなんて、失礼だよネ」
メサイヤ「……」
ナプスタ「でも……ありがとウ……」
ナプスタブルークは、今度こそ消え去った。
地面には、ぽつぽつと、濡れた跡があった。
38 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 20:59:03.38 ID:H8ebF82xo
メサイヤは、またしばらく進んだ。
誰でも解けてしまいそうな、簡単なパズルを潜り抜け、ふと気が付くと、大きな黒い木が目の前に現れた。
「たいへん…よていより
ずいぶん じかんが かかってしまったわ」
木の向こうから、懐かしく感じる声がした。
トリエルが、ケータイで電話をかけながらこちらに向かって歩いてくる。
ちょうどメサイヤの持っていたケータイが鳴って、トリエルがこちらに気づいた。
トリエル「まあ! ひとりでここまで来たの?
だいじょうぶ? ケガはない?
こっちへ いらっしゃい。
かいふくして あげましょうね」
怖いことがあったわけでもなかったけど、
トリエルにまた会うことができて、メサイヤは安心した。
39 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 21:03:08.55 ID:H8ebF82xo
トリエル「ずっと ほったらかしにして ごめんなさいね。
あなたを おどろかせようなんて かんがえた
わたしが バカだったわ」
トリエルは、なぜだか心配そうな目をしていた。
大人しく待っていなかったことを、今になって少しだけ後悔した。
トリエル「ふふ……これ以上、隠しても仕方ないわね。
こっちよ。ついていらっしゃい!」
トリエルはそう言うと、ウキウキとしながら木の向こうにある、なんだか可愛らしい家へとメサイヤを案内した。
40 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 21:16:35.07 ID:H8ebF82xo
家の中はあたたかくて、甘い匂いが漂っていた。
トリエル「いいにおいでしょう?
サプラーイズ!
バタースコッチシナモンパイを 焼いたの。
あなたが きてくれた おいわいにね。
ここでたのしく くらして もらいたくて…
だから こんやは カタツムリパイは がまんするわ」
なんだか聞き慣れない恐ろしい単語が聞こえてきた気がするが、気に留めないことにした。
トリエルは、メサイヤをこころから歓迎してくれているようだった。
トリエル「さあ はいってはいって!
ほかにも みせたいものが いっぱい あるのよ」
トリエルは右手の廊下へと歩いて行った。
メサイヤはどうする?
>>41
41 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 21:17:42.53 ID:FV4++UDsO
ヘドバンしながら歌い出す
42 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 21:34:17.94 ID:H8ebF82xo
メサイヤ「VOOOOOOOOOO!!!」ドンドン
メサイヤはおもむろに、頭をぶんぶん振りながら大声をあげた。
トリエル「どうしたの!? どうしたの!?」
慌ててトリエルが飛んできて、荒ぶるメサイヤを抱きしめて落ち着かせた。
トリエル「ごめんなさい。そうよね。
いろんなことが きゅうに たくさんおこったから
つかれて こんらんしてしまったのよね。
きょうのところは、しずかにおやすみなさい。
あなたのための ベッドも ちゃんと用意したのよ。
だいじょうぶ、バタースコッチシナモンパイは
ちゃあんと とっておきますからね」
まだ少し手足をじたばたさせているメサイヤを抱き上げ、トリエルは子ども部屋に行き、ベッドに寝かせた。
トリエル「おやすみなさい。かわいい子」
もふもふの手でメサイヤのおでこを撫で、トリエルは部屋を後にした。
メサイヤはどうする?
>>43
43 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 21:39:23.90 ID:HO6TyJtIo
夢の中へ
44 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 21:39:23.94 ID:XJzj4yON0
なにかおもしろいものないかさがしてみる
45 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 21:55:43.09 ID:H8ebF82xo
メサイヤはおとなしく眠ることにした。
寝かされたベッドは、もちろん初めて使うものだけれど、かすかに、私の知っている匂いがしたような気がした。
〜
気が付くと、目の前は眩しいオレンジ色だった。
感じられないけれど、ここちよい そよ風を感じる。
感じられないけれど、隣に温かいものを感じる。
感じられないけれど、愛しさを感じる。
私の隣に、誰かがいる。
「…………」
聞こえないけど、何かを話しかけられた。
話せないけど、私は何かを話そうとして……
何も、言えなかった。
そうだ、私は何も言えなかった。
あの子に、何も言えなかった。
言いたいことがあったのに、言えなかった。
今も、ずっと、言えないままだ。
世界は止まっている。
そよ風は吹き続けているけれど、時間は止まっている。
私の世界は、止まっている。
――――――
――――
――
―
46 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 22:05:15.15 ID:H8ebF82xo
目が覚めた。
ここはどこだろう。眠い目をこすりながらベッドをおりると、目の前に、パイのようなものが一切れ置いてあった。
そうだ。これはバタースコッチシナモンパイ。
トリエルが焼いてくれたものだ。
部屋を出て、ぱちぱちと音のする方へと向かってみる。
暖炉のそばで、トリエルが本を読んでいた。
トリエル「おはよう。よく眠れたかしら?」
今が朝なのかどうかもわからないけれど、トリエルはたぶん早起きだ。
メサイヤはどうする?
>>47
47 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 22:06:59.42 ID:YpVXP81Po
なんとなく不安になったのでトリエルママに抱きつく
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 22:24:22.98 ID:H8ebF82xo
メサイヤは、本を読んでいるトリエルのおなかへと飛び込んだ。
トリエル「あら! まあ、まあ
どうしたの? いったい」
メサイヤは、特に何も言わなかった。
トリエルは本を置いて、メサイヤの頭を撫でた。
トリエル「こわいゆめでも みたのかしら?
だいじょうぶ。もう心配はいらないわ。
あなたはもう わたしのかぞくよ。
あたらしいかぞくができて、わたしも とてもうれしいわ」
トリエルの服は、あたたかい匂いがした。
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 22:26:34.15 ID:H8ebF82xo
「あなたに よませてあげたい ふるいほんが たくさんあるの」
「とっておきの ムシとりスポットにも つれていって あげましょうね」
「それから、おべんきょうは わたしがみてあげますからね」
「いがいかも しれないけれど じつは がっこうの せんせいに なるのが ゆめだったのよ」
トリエルは、楽しそうに喋った。
メサイヤは、相槌をうつ代わりに、トリエルのおなかへ顔をおしつけた。
ゆるやかな時間が流れた。
メサイヤはトリエルに抱き着いたまま、暖炉の方を見た。
ゆらめくオレンジの炎が……
ほんのすこし、夢の中の景色を、思い起こさせた。
トリエル「……どうしたの?」
メサイヤ「……
>>50
」
50 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 22:37:28.08 ID:+906MjCjO
さっきたくさん生えてた黄色い花は何?
あれも食べれるの?
51 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 22:50:21.93 ID:H8ebF82xo
トリエル「きいろいはな?
ああ あのはなは このせかいに
わずかしか さいていない
きちょうな はななのよ。
わたしのへやにも おなじものが かざってあるわ。
ただ、食べることはできないわよ。
もしかして、おなかが空いたのかしら?
バタースコッチシナモンパイが まだたくさんあるけど たべる?
それとも なにかべつのものを つくりましょうか?」
メサイヤは、べつにお腹が空いているわけではなかった。
トリエル「どうしたの?
なにか いいたいことが あるなら
なんでも いってちょうだいね」
メサイヤ「
>>52
」
52 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 23:08:25.37 ID:/5/qr5puo
街とか人が沢山いる場所に行きたい
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 23:12:47.50 ID:H8ebF82xo
トリエル「え……」
メサイヤ「…………」
トリエル「…………」
トリエルは表情を氷らせ、黙ったまま、本をとじた。
トリエル「……わたしは ちょっと
ようじが あるから……
ここで まっていなさい」
そう言うと、トリエルは、そそくさとどこかへ行ってしまった。
階段を降りる音が聴こえた。
メサイヤは、様子のおかしいトリエルを追いかけた。
54 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 23:17:05.89 ID:H8ebF82xo
階段を降りると、無機質な廊下が続いていた。
しばらく歩くと、トリエルが背中を向けながら立ち尽くしていた。
トリエル「まちや ひとが たくさんいるばしょ…
あなたは、『おうち』に かえる
ほうほうを しりたいのね?」
メサイヤは、うなずいた。
トリエルは、振り向かずに言った。
トリエル「このさきに いせきのでぐちが あります
そのむこうは ちていのせかい。
いちどでたら もう なかへもどれません。
これから わたしは その でぐちを こわします。
もう にどと だれも ここから いなくならないように」
トリエルの声は、冷え切っていた。
トリエル「いいこだから、おへやにもどっていなさい」
55 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 23:25:18.83 ID:H8ebF82xo
トリエルは、すたすたと廊下を進んでいった。
メサイヤは走って追いかけた。
トリエルは立ち止まって、また振り返らずに喋った。
トリエルの声は、メサイヤがまだ聞いたことのなかった、つめたいものだった。
トリエル「ここに おちた ニンゲンは
みな おなじ うんめいを たどる…
わたしは このめで なんども みてきました。
ここへ きて…
ここを でていって…
そして、しんでしまう。
あなたは なにも しらないの…
この いせきから でれば…
あなたは かれらに… アズゴアに… ころされてしまうわ」
トリエルが、どんな顔をしているのか、メサイヤは、わからなかった。
怒っているようで、悲しんでいるようで、焦っているようで、絶望しているようだった。
さっきまでかんじていた、あたたかさは、
いまでは、すっかり かんじられなかった。
トリエル「これは あなたを まもるためなの…
…おへやに もどるのよ」
メサイヤはどうする?
>>56
56 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 23:29:57.59 ID:Vdu4Td7Do
ぼくを あなたの ペットにしようとするのは やめてほしい
ぼくは あなたの さびしさを まぎらわせるために うまれてきたんじゃない
57 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 23:42:29.49 ID:H8ebF82xo
トリエル「っ……」
先ほどから、肩のひとつも動かさなかったトリエルが、明らかに反応示した。
そして、ゆっくりとこちらを振り向いた。
悲しさと、悔しさと、みじめさに満ち溢れた目をしていた。
トリエルの想いが、メサイヤの心に、刺さった。
トリエル「…………」
メサイヤ「…………」
トリエル「……とでも……っ」
トリエル「なんとでもっ……いいなさいっ!」
トリエルはそう叫んで、メサイヤに背を向けた。
トリエル「とめても ムダよ。これが さいごの けいこくです。」
トリエルは、また無言でずんずんと奥へ歩いて行ってしまった。
メサイヤは、全力で追いかけた。
58 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 23:50:50.21 ID:H8ebF82xo
やがて行き止まりにつきあたって、トリエルが立ちどまった。
メサイヤはその後ろに立った。
トリエル「どうしても でていくと いうのね…」
メサイヤ「…………」
トリエル「そう… あなたも ほかの
ニンゲンたちと おなじなのね。
なら のこるしゅだんは 1つしかない…
わたしを なっとくさせて ごらんなさい。
あなたの つよさを しょうめいするのよ」
トリエルに、ゆくてをふさがれた。
59 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 23:58:55.99 ID:H8ebF82xo
トリエルは、メサイヤと目を合わせようとしない。
両手をあわせて、魔法攻撃を放ってきた。
メサイヤは必死に避けたが、攻撃は強烈で、大きなダメージをうけてしまった。
トリエルは、よそよそしい態度をしているが、なおもいくつもの火の玉を飛ばしてくる。
強さを証明すると言っても、メサイヤは、決して強いわけではない。
話し合いで解決しようとしても、何を話せばいいのかもわからない。
メサイヤは、どうする。
>>60
60 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/20(水) 00:05:33.11 ID:42LjFxcJ0
炎の動きをよく見る
61 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/20(水) 00:07:49.04 ID:e6d19fN1o
ずっと ここに とじこめ られる なんて ごめんだね
いっそ わたしを ころしてよ
といって戦闘態勢を解く
62 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/20(水) 00:12:49.50 ID:8/Ct1P90o
メサイヤは、トリエルから放たれる炎弾をよく見つめた。
ぎゅんぎゅんと通り過ぎる火の玉を、ギリギリのところで避けようとする。
頬が焼けた。髪が焦げた。
もうとっくに、身体に力が入らない。
それでも、なんとか炎を見つめて避けつづけた。
やがて、メサイヤは気づいた。
とっくに自分が動けなくなっていることに。
そして、自分が避けているのではなく、トリエルがわざと火の玉を当てないようにしているのだとわかった。
メサイヤは、下を向きながら火の玉を打ち出し続けるトリエルを見つめた。
トリエル「……何を、しているのっ……」
メサイヤ「…………」
トリエル「たたかうか、にげるかしなさい!!」
メサイヤは、どうする。
>>63
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