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ちひろ「みなさんにはライダーバトルをしてもらいます」
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1 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/15(金) 23:12:17.53 ID:AzPeXUTE0
私たちの事務所は、アイドルみんなの仲がとってもよかったです。
仲良くレッスンをして、お仕事をして、おしゃべりをして…。
たまに喧嘩することもあったけれど、それはお互いがお互いのことを想っていたからで、数日経てば仲直り。
私はそんな事務所が大好きでした。
いつまでもそれが続くと思っていました。
でも今私の目の前にあるのは、無機質な裏返った世界と、絶望。
あの楽しかった日々は、ただの幻想だったんでしょうか?
……そんなわけない。
私はあの日々を取り戻したい。
だから、戦います。
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1505484737
2 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/15(金) 23:14:20.17 ID:AzPeXUTE0
────────────────
──────────
─────
未央「たぁ!!」ブンッ
ディスパイダー「ウボォォォアアア!!」ダッ
未央「っ!しぶりん!そっち行ったよ!!」
凛「ハァァァアアア!!」タタタッ
ガキィィィィン‼︎
ディスパイダー「グァ…!!」ドサッ
凛「卯月!今だよ!!」
卯月「は、はい!!」スッ
『ストライクベント』
ドラグレッダー「グオォォォオオオオオ!!」
卯月「っ……えい!!」グッ
ディスパイダー「グ、ガ……!!」
ドゴォォォォォオオオオオ‼︎‼︎
3 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/15(金) 23:16:10.42 ID:AzPeXUTE0
卯月「ふぅ…よかった、当たった…」
未央「ナイスしまむー!さすがだね!!」
卯月「そ、そんな…大したことないですよ」
凛「いや、みんなすごく動きがよくなってるよ。最初なんて、酷かったってレベルじゃなかったし…」
未央「あー…みんな足が震えて全く動けなかったしね…」
卯月「ま、まぁ私たちも成長してるってことですよね!!」
凛「とりあえず…今回は確か未央の番だよね」
未央「そだね!じゃあ遠慮なく…ボルキャンサー!!」
ボルキャンサー「キシャァァアア」パクッ
未央「はぁ…エサやりがこんなに大変だなんて、世話の焼けるペットだねぇ、まったく…」
卯月「あはは…そうですね…」
ペット…確かにそうも言えるのかもしれません。
私たちがそれぞれ契約しているモンスター。
この子たちの力を借りることで、私たちは鏡の中の世界『ミラーワールド』に棲む他の『ミラーモンスター』と戦うことができます。
そしてそのミラーモンスターの魂をエサとして契約モンスターに与える…こんな感じで私たちの飼い主とペットの関係は成り立っています。
ただ…私たちにそのエサを与える力がないと判断された瞬間に契約は破棄、飼い主はペットに食い殺されてしまうようです。
4 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/15(金) 23:16:57.99 ID:AzPeXUTE0
だから私たちは絶対に、戦う運命からは逃れられない。
あの日このカードデッキを手にしてから、私たちに平穏な日々というようなものはありません。
最近はずっとモンスターと戦ってばかりです。
私たちはエサやりを三人順番で回しているので、どうしても戦闘の回数が増えてしまいます。
でも、こんなの私一人では絶対にできないと思うから…凛ちゃんと未央ちゃんには、とっても感謝してるんです。
凛「さて、それじゃ事務所に戻ろっか」
未央「だね!う〜ん、やっぱりレッスンより何倍も疲れちゃうなぁ〜」ノビー
卯月「ですよね…いくら三人で協力してるとはいっても、こういうのは慣れないですし…」
凛「まぁ慣れたいとも思わないけどね」
5 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/15(金) 23:18:00.51 ID:AzPeXUTE0
─事務所─
未央「はぁ〜疲れた〜」グデー
卯月「もうこんな時間…早く帰らないとですね」
凛「今は夏休み中だからまだマシだけど、学校が始まったらもっと厳しくなるね…色々と」
未央「勉強とアイドルとモンスター退治を全部かぁ」
卯月「うぅ、考えたくもないですぅ…」
ガチャッ
P「ん、卯月たちか」
卯月「あっプロデューサーさん!お疲れ様です!」
P「おう、お疲れさん。こんな時間まで事務所にいるなんて珍しいな。自主レッスンでもしてたのか?」
凛「まぁそんなところかな…」
未央「体力がつくっていう面で言えば、間違ってはないね…」
P「?よく分からんけど無理は禁物だぞ。何事もほどほどにな?」
未央「ほーい!」
6 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/15(金) 23:18:40.91 ID:AzPeXUTE0
当然、モンスターと戦っていることは誰にも言ってません。
言ったとしても、こんな突拍子もないこと信じてもらえるか分からないし…。
そもそも信じてもらえたとしても、余計な心配をかけてしまうだけだから。
凛「プロデューサーはまだ仕事残ってるの?」
P「ああ、まゆと智絵里とかな子が一緒に撮影だったんだけど、三人を現場から家まで送る仕事が残ってるよ」
卯月「こんなに遅くまで撮影ですか…大変ですね」
P「そうなんだよ、俺がもうちょっと上手くスケジュールを立ててやれてればなぁ……おっと、そろそろ行かないと」ガタッ
凛「いってらっしゃい。気をつけてね」
P「おう!お前たちも、もう遅いから気をつけて帰れよ!また明日な!!」
未央「うん!」
卯月「お疲れ様でしたー!」
ガチャッ
卯月「……」
卯月(また明日…かぁ)
7 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/15(金) 23:19:21.19 ID:AzPeXUTE0
─帰り道─
未央「…今日も無事に終わったね」
卯月「そう、ですね…」
凛「……」
未央「…明日も…大丈夫だよね」
卯月「…っ……」
未央「他のみんなも…私たちと同じ考えだよね。とにかく生きるために戦ってて、殺し合いなんて──」
凛「当たり前だよ」
卯月「凛ちゃん…」
凛「今日までずっと戦ってきて、他の子とは誰一人、戦闘どころか出会ってもない。きっとみんな上手くやってて、ずっとこのままの日々が続くだけだよ」
未央「うん…」
凛「確かにこの状況がベストだとは到底思えないけど、同じアイドルの仲間と戦うくらいだったら……」
卯月「…そうですね」
あの日私たちは、ちひろさんに突然会議室に呼ばれました。
誰が居たかはあまり覚えていませんけど、他にも数人のアイドルが集まっていました。
そこで告げられた言葉。
まるでアニメや漫画の中の世界で出てくるような台詞でした。
『みなさんにはライダーバトルをしてもらいます』
殺し合いをして生き残った一人だけが、なんでも願いを叶えることができる。
だから、戦え。
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 01:30:13.26 ID:pbyisC+oo
すべてちひろって奴のせいなんだ
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 08:25:50.68 ID:8oI4t5Iio
神崎からして叶える気まったくないんだよなあ
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 13:03:59.96 ID:8EI0Pu6/O
全ては禍ツ神ちひろの掌中よ
ちひろにかかればアイドルを殺し合わせ、また生き返らせることなど容易い事
ん?なんだあの緑色nで追うqでぇwりvqc絵wくぉjpれもぺくぉいmpdcおpwqcおpjwrqcふじこおjふぇwんvwれいおmvp
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 16:48:02.17 ID:gPH3Lsrho
名前からすると黒幕は蘭子
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 17:24:10.96 ID:w+yNOxVUo
神様系アイドル達がなんとかしてくれるから…
13 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/16(土) 19:32:11.87 ID:JmLCGrfY0
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──────────
─────
四つ葉のクローバーを見つけると願いが叶う、なんてよく言いますよね。
私は、その言い伝えは本当だと思ってます。
実は私、四つ葉のクローバー探しが趣味なんです。
それで、アイドルになってからよくするお願いっていうのがあって…。
『事務所のみんながずーっと仲良く一緒にいられますように』
えへへ…他の人からしたら、ちっちゃなお願いだって思われちゃうよね。
普通の人は、『お金持ちになりたい!』とかお願いするのかな…。
でも、私はこれでいいんです。
私は、アイドルのみんなと仲良くお仕事をしている今がとっても幸せで……これ以上を望んだら、きっと神様に怒られちゃいますから。
だから、なんでも叶えられる力なんて、私はいらないんです。
14 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/16(土) 19:32:58.37 ID:JmLCGrfY0
─撮影所・楽屋─
智絵里「……」
智絵里「……はぁ…」
まゆ「あら、どうしたんですか智絵里ちゃん?ため息なんかついて…」
智絵里「あっまゆちゃん……ううん、なんともないんです。ただちょっと、撮影が長くて疲れちゃって…」
かな子「疲れたときには糖分を摂るといいよ!はいっ、手作りクッキー!!」スッ
智絵里「あ、ありがとうかな子ちゃん…」
かな子「まゆちゃんもどうぞ〜」スッ
まゆ「うふふ、ありがとうございます……モグモグ…うん、いつも通りとっても美味しいです♪」
かな子「よかった〜」
智絵里「……」
かな子「智絵里ちゃんも食べてみて?」
智絵里「あっ、うん…」パクッ
かな子「……どう…?」
智絵里「…とってもとっても美味しいです♪」
15 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/16(土) 19:33:34.36 ID:JmLCGrfY0
かな子「よかった〜」ホッ
智絵里「ふふっ」
かな子ちゃんとまゆちゃんと私の三人でお仕事をするっていうのは今まであんまりありませんでしたけど、この二人とはすごく仲がいいです。
同じユニットを何度か組んだことがあるっていうのが大きいのかな。
かな子ちゃんはいつもお菓子を持ってきてくれたり、まゆちゃんは些細なことでも相談に乗ってくれたり…二人ともとっても優しいんです。
そして…こうやって何気ない会話をしている時間が、私は大好きです。
16 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/16(土) 19:34:25.95 ID:JmLCGrfY0
かな子「そろそろプロデューサーさんが迎えに来てくれる時間かな?」
まゆ「そうですねぇ…早く来ないかしら…」
智絵里「約束の時間までは、あと五分くらい……っ!?」
キィィィィィイイイイイン‼︎
智絵里(耳鳴り…まさか……あっ!?)
エビルダイバー『……』
智絵里(か、鏡に……そっか、最近モンスターと戦ってなかったから…)
かな子「智絵里ちゃん?どうかした?」
智絵里「あ、えっと……う、ううん。なんでもない…」
智絵里(い、今はダメ!もう少し待って!!)
エビルダイバー『……』サッ
17 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/16(土) 19:35:10.49 ID:JmLCGrfY0
智絵里(危なかった…あと少しで、かな子ちゃんとまゆちゃんが…)
まゆ「……」
ガチャッ
P「お待たせ!ちょっと遅れちゃったか?」
かな子「プロデューサーさん!」
まゆ「大丈夫ですよぉ。時間ぴったりです♪」
P「おっ、それはよかった。三人とも撮影はバッチリだったか?」
かな子「はい!とっても楽しくできました!!」
まゆ「もちろんです。プロデューサーさんの担当アイドルなんですから」
智絵里「……」
P「ははっ、それは頼もしいな」
P「智絵里も、大丈夫だったか?」
智絵里「えっ、あっ、はい!バッチリでした!」
P「そうか!偉いぞ!!」グッ‼︎
智絵里「……えへへ…」
18 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/16(土) 19:36:02.58 ID:JmLCGrfY0
P「よしっ、それじゃ帰るか!」
智絵里「…はいっ!」
何気ない日常に、急に入り込んできた異常。
すごく怖くて、不安で、泣いてしまうときもあるけれど…
みんなと楽しく過ごすために…幸せに過ごすために…
智絵里(明日は、やらなきゃ)
私は、頑張ってみます。
まゆ「……ふふっ」
19 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/16(土) 19:39:08.33 ID:JmLCGrfY0
────────────────
──────────
─────
ちひろ「……」
ちひろ「……」
ちひろ「……さて…」
ちひろ「カードデッキを渡してから、二週間ってところですか…」
ちひろ「ようやくチュートリアルが終わって、ゲーム本編に入っていく頃かしら…」
ちひろ「そろそろ動き出す子たちが出てくるでしょうね…」
ちひろ「…まぁ、だいたい予想はつきますけど」
ちひろ「……」
ちひろ「……」
ちひろ「…面白くなってきそうですね」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/16(土) 21:23:13.68 ID:6b6Hv0DCo
かな子、まゆ、智絵里の契約モンスターは王蛇の面子?
ブチ切れた智絵里は怖そう、ライア鞭持ち出し
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/17(日) 12:47:38.76 ID:oN+ekecu0
元ネタのように誰かの延命の為にしてるのか、マネードーパントらしく上流階級の見せ物にして稼いでるのか…
22 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/17(日) 19:14:54.48 ID:AnAvSQxN0
─翌日・事務所─
智絵里「ふぅ…」
智絵里(今日もレッスンきつかったなぁ…)
智絵里(……でも、もっときついことがこの後に…)
智絵里「うぅ…」
智絵里(……)
智絵里(…こんなことばっかり言ってられないよね)
智絵里「頑張るって、決めたんだもん」
ガチャッ
かな子「あっ智絵里ちゃん!レッスン上がりだよね?お疲れ様!!」
智絵里「あっ、かな子ちゃん…うん、ありがとうっ」
かな子「はいっ、お菓子どうぞ♪」スッ
智絵里「あ、ありがとう…」パクッ
智絵里(…美味しい)モグモグ
23 :
◆zrXbcUossg
[saga]:2017/09/17(日) 19:15:32.30 ID:AnAvSQxN0
かな子「そういえば智絵里ちゃん!私これから、駅前にできた新しいパンケーキ屋さんに行こうと思ってるんだけど…一緒にどう?」
智絵里「あっ……ご、ごめんねかな子ちゃん。今日は、今からちょっと用事があって…」
智絵里(……)
かな子「そっかぁ…残念…」
智絵里「ごめんね…」
智絵里(かな子ちゃんは、いつも通りだなぁ…当たり前だけど…)
智絵里(でも…)
かな子「そしたら、また今度一緒に行こうね!!」
智絵里「…うんっ!!」
智絵里(その『いつも通り』に、私はすごく救われてる)
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