【再開】オリロンパ(β)

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1 : ◆Vcl4B/DaxY [!orz]:2017/09/15(金) 21:00:30.52 ID:AOdWhDCI0
注意
・原作の世界観をお借りした、オリキャラによるコロシアイssです。
・以前エタってしまったスレの再構成になります。一部の設定、展開が変わっています。
・原作とはパラレルになります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1505476830
2 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:01:30.17 ID:AOdWhDCI0




もう、ここには誰もいない。

自分以外の何もかもが、初めから存在していなかったかのように。



3 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:02:50.17 ID:AOdWhDCI0






【PROLOGUE】再起





4 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:05:30.34 ID:AOdWhDCI0
意識が覚める。


???「……」


冷えた外気を肌に感じる。刺すような冷たさが全身を包んでいる。

その冷たさは、冬の朝によく似ていた。

???「……」

吐息の音だけが耳に届く。

私が今感じているものは、それだけで……視界には何も映っていない。


ああ……瞼が開いていないんですね。間抜けですね……私。
5 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:07:58.82 ID:AOdWhDCI0
蓋を引きはがすように、ゆっくりそれを開いた。

酷く重いそれを開くと、黒一色だった空間は色づきを始める。


???「――――」


……視覚が完全に戻った時、認識していたものは非日常的な空間だった。


???「……え?」


私はそこで立っていた。
6 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:15:08.06 ID:AOdWhDCI0
薄暗い中、聖者の描かれたステンドグラスが僅かに光を漏らしている。

長い卓が何列も並んでいて、奥に出口らしき扉がある。扉と反対方向には十字架が掲げられて、講壇が一つ置かれていた。

???「……」

見た限りでは、ここは礼拝堂のようだ。自分がこの場所にいて良い存在なのかと一瞬思う。

???(どうして……こんな所に……)

ここへ訪れたような覚えはどこにもない。……というより、私の中の記憶自体が酷く曖昧だった。

それでもどうやら、自分の素性だけは忘れていなかったようだ。

私の名前は、稲羽兎……

そして……超高校級の幸運


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【超高校級の幸運】稲羽 兎(イナバ ウサギ)

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ふと宝くじを買うと、3回に1回くらい少額が当たって……自販機で50回に1回くらいの確率で当たりが出る。

いつも朝、たまたま早く目が覚めて……天気が崩れそうな日に限って傘を持っていて……

稲羽「……」

そういうささやかな幸運なら存在するけど、どれも超高校級と呼ばれる程には思えなかった。

生きていられること自体が幸運というのなら、それは殆どの人間に当てはまる気もしますし……
7 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:21:11.55 ID:AOdWhDCI0
しかし、この場所には何も心当たりがない。ここで私が眠っていたのは確かなようなのに。

稲羽(ああ、これは夢でしょうか?)

室内には奇妙な物が存在していた。

監視カメラと1つのモニター。この場の内観にそぐわないそれらが、天井の隅から覗いている。

その異物感は、夢の中でイメージがごちゃ混ぜになっているかのような。そんなちぐはぐさに思えた。

だから多分これは夢ですね。……多分。

稲羽「……あっ!?」

僅かに後ずさった拍子に脚を縺れさせて、そのまま横転する。

稲羽「うう……」

全身を打ちつけた衝撃に呻いた。頭にぐわりとした鈍痛が残る。

後を引いて生じる熱を含んだ痛みは、今いるこの状況が夢ではない事を暗に示しているようだった。

稲羽「……」

私は羽織っている兎に縋るように、彼女を指で掴む。

指に触れる僅かな温もりが暖かかった。こうしていると、兎が私の傍で見守っていてくれるような……そんな妄執を抱く。

稲羽「……」

兎さんとは小さい頃からいつも一緒だった。

今も……きっとこの子が導いてくれるでしょう。

稲羽「……そう、ですね」

とりあえず、ここから出て……


ガタンッ
8 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:23:41.75 ID:AOdWhDCI0
稲羽「……?」

不意に音がした。音のする方向へ目を向けるが、そこにあるのは木製の講壇だけだった。

稲羽「……」

誰か、いるんでしょうか……

……見てこよう。少し怖いけど、私には兎さんが付いているから大丈夫……



稲羽「誰か……いますか……?」

???「……」

暗闇の中、大きな電子機器の画面が数字で埋めつくされて、ちかちかと光を漏らしている。

その微量な光が反射する中で、不気味な青白い顔が浮いていた。

稲羽「……ひっ」

ぽっかりと、抉り取られた痕のように真っ黒な目玉。それがただ、こちらを凝視している……

???「……(無)」

……よく見ると顔ではなく、ただの仮面だった。

何だか不気味だ。それにどこかで見たような。


服には、画面を埋めているものと同じような文字列が無数に連なっている。

何だか耳なし芳一みたいですね。
9 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:26:15.69 ID:AOdWhDCI0
稲羽「あの……」

???「……」

仮面越しでは、彼がどんな表情をしているのか判別が付かなかった。

それでも彼からの返答に期待して、声をかけ続ける。

稲羽「私……稲羽兎です。あなたは……」

???「あー……うん」

仮面姿の彼は、ばつが悪そうに声を上げる。

???「……ハック・ウィルヘルム」


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【超高校級のハッカー】ハック・ウィルヘルム(-)

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本名不詳、素性の一切が不明のハッカー。唯一分かっているのは高校生だという事。

サイバー犯罪などの対策をしているような人間ではなく……完全に、愉快犯的な犯行にその能力を使っている。

そういえば……あの仮面も彼が犯行声明を行う時に付けてますね。

稲羽「あなたには……ここがどこなのか……分かりますか?」

ハック「さぁな……知りたくも無ー……」

ハック「へっ……」

彼も……超高校級と呼ばれている人間です……

稲羽「……」

偶然でしょうか?

……そもそもここはどこですか?


【INFO】
ハック・ウィルヘルムと出会いました
10 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:36:00.16 ID:AOdWhDCI0
【中庭】

礼拝堂を出ると、独特の芳香に満たされた。

一面が薔薇に囲まれた庭。

庭と言っても天窓から外が見えるのみで、屋内だった。

「ん……ぅ……」

天窓から見える外は、まだ薄暗い。

薄明りの中で、赤い薔薇が敷き詰められるように咲いている。

扉は2つ。先程教会から出てきた扉と……それとは別の奥の入り口、或いは出口らしき木製の扉。

稲羽(まだ、先があるんですね)

それらには長い間放置されてきたもののように、蔦が鬱蒼と絡みついている。

???「だめ……ん、あぁ……っ」

さっきから苦しそうな声が聞こえる。

大きなリボンを付けた、全体的に緑色の色調をした女の子。薔薇の前に屈んで何かに耽っている。

……何をしているんでしょうか?

???「はぁっ……はぁ……ぇ……?」

声を掛けられずにいると、リボン少女の大きな瞳がこちらを捉えた。

頬がほんのりと赤らんでいて、小柄で可愛らしいという印象を受ける。
11 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:37:42.06 ID:AOdWhDCI0
???「淫乱そうな兎さん……もしかして……混ざりたぃの……?」

稲羽「え……いえ」

あんまり……混ざりたくは無いですね……

???「そっかー……」

少女は少し熱っぽい様子を残したまま、小さく笑ってこちらに向き合った。

???「……わたしは四季ヶ原咲。植物を愛しているよ」


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【超高校級の園芸部】四季ヶ原 咲(シキガハラ サキ)

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枯れた土壌を蘇らせ、その全土を花で埋め尽くすという環境保全を続けている。

彼女が自身の在籍する学校に立ち上げた園芸部は、最早園芸というより個人的な植物研究機関と化していて……

そんな状態故に部員は彼女しかいないらしい。

稲羽「……」

スケールの大きな話ですね。
12 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:40:19.65 ID:AOdWhDCI0
四季ヶ原「わたしが専門的に扱ってるのは……人工授粉だょ。植物の更なる発展の為の手段の1つだね」

稲羽「品種改良……とかですよね」

四季ヶ原「ぅん。味の改良とか、見栄えの良さの向上とか……より良い植物を作る為に……」

四季ヶ原「……っていう名目にはなってるけど……わたしは植物ってみんな素敵だと思うんだ」

四季ヶ原「生まれつき弱くて劣等種となってしまった子だって、みんな必死で生きようとして……」

四季ヶ原「健気で……愛いょ……」

よほど、植物が好きな子なんだな。

稲羽「そういえば……さっきのも人工授粉の一環ですか?」

四季ヶ原「んー……こっちはね……」

四季ヶ原ちゃんは蕩けるような表情を浮かべる。

稲羽「……?」

四季ヶ原「関係を発展させる為の行為……酷く一方的だけどねぇ」

四季ヶ原「でもね、こうするとね……あへぇ……背徳感が凄いの……」

四季ヶ原ちゃんは薔薇の中に指を焦らすように挿し入れ、そのまま淫猥な動きでゆっくりと掻きまわす。

四季ヶ原「あっ……良い、ょ……んんっ……ぁ♡」

稲羽「……」

愛が……少し過激な方向に進んでしまった例でしょうか。
13 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:48:19.53 ID:AOdWhDCI0
???「おい……」

彼女をただ見つめていると、背後に学ラン姿の男性が立っていた。

首からホイッスルを下げている。厳格そうな顔つきの人。

彼は精悍な表情を保ったまま、つかつかとリボン少女の元へ歩いて行く。そしてそのまま、地べたに座り込む彼女を見下ろした。

???「また下らん戯言を抜かしていたのか?」

四季ヶ原「ぇー……下らなくないょー……性欲は動物に強く根付いた本能だからね……」

四季ヶ原「あなたの身体だって、ちょっと舌で嬲ってあげれば……はぁ、本能に追従しちゃう筈だし……」

四季ヶ原「人間……気持ち良い事には抗えないからね……、んっ……」

話しながら喘いでいる四季ヶ原ちゃん。

学ラン姿の男性は、そんな彼女の様子に僅かな苛立ちを見せる。

???「ふん……貴様が何を思おうと勝手だがな……そのように口に出すのは慎むんだな。迷惑行為でしかない」

四季ヶ原「でも……事実でしょ?」

???「チッ……」

学ラン姿の男性はそれ以上の追及を止めた。そして彼の意識は私に向けられる。

???「少し良いか? 2つほど問いたい事がある」

稲羽「は、はい……」

???「お前は、自分がこの場にいる理由を把握しているか?」

突然振られた質問。それも……丁度私の感じた疑問と同じ。

横を見ると、ハックさんはいつの間にか姿を消していた。

稲羽「……いいえ。何も覚えていません」

稲羽「どうして自分がここにいるのか……ここまで来た経緯も、そもそもここがどこなのかも」

???「……そうか」
14 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 21:51:07.76 ID:AOdWhDCI0
???「ではもう1つ。……お前は超高校級の人間で間違いは無いか?」

稲羽「……はい」

ハックさんがいなくなった事に少しの寂しさを覚えて、自分の素性を伝える。

学ラン姿の男性は、どこか想定通りだといった表情をして頷いた。

???「幸運か……なるほど、話は分かった」

???「橘高直人だ。一応審判として活動している」


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【超高校級の審判】橘高 直人(キッタカ ナオト)

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彼は球審を中心として活動しているけど、神出鬼没であらゆる種目の試合に現れる。果ては喧嘩の仲裁まで行うらしい。

非常に迅速かつ公平な審判をし、その審判の多くは双方が納得いくものとなるようだ。

四季ヶ原「んぇー……可変なんとかゾーンって……」

橘高「非常に残念だが無いな」

……確かに迅速ですね。

橘高「そんな判定基準に一貫性の無い輩がいるとすれば……選手達にしても観客にしても害でしかないだろうな」

四季ヶ原「ぁひ……」

橘高「ところで……」

橘高さんが茂みの中に目線を送る。そしておもむろに茂みの中へ手を入れる。

ハック「……」

橘高「貴様についても聞きたいのだが? 良いな?」

ハック「……へっ(死)」

ハックさんは、橘高さんに胸倉をつかまれる体制になっていた。

ハックさん……そんな所にいたんですね。


【INFO】
四季ヶ原咲と出会いました
橘高直人と出会いました
15 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 22:05:13.89 ID:AOdWhDCI0
【体育館】

中庭の扉を出た。

扉を開くと、眩い光が差し込んで……目の奥を深く突き刺す。

少しすれば眩さも薄れていき、景色をはっきりと認識出来るようになっていく。

稲羽(ここは……)

広大な空間。少し古錆びた玉座が鎮座している。

床には煤けた赤い絨毯が敷かれていて、天井にはシャンデリアが吊るされている。

その重鎮さと、色褪せながらも豪奢な雰囲気は、西洋の古城を彷彿とさせる物だった。

けど……

稲羽「……」

王座はステージ上にあって……天井からはバスケットボールのゴールと……

ここは何というか、体育館と古城がそのまま融合したような空間だった。

???「ひええええん」

そしてその空間の中央に、数人の男女が集っている。

???「ノウマクサンマンダボダナン……――……」

???「oh、お経ですか?」

彼らの様子を窺う。

不安そうな人、考え込んでいる人、逆に平然としている人……様々だった。

橘高「これで全員だ」

稲羽「全員……」

橘高「この場には超高校級と呼ばれている人間が16人集まっている。それ以外の人間は確認できなかった」

稲羽「超高校級の人間だけ……ですか?」

橘高「ああ。どうにも奇妙な話だが……一先ず素性だけははっきりさせておけ」
16 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/15(金) 22:09:58.51 ID:AOdWhDCI0
ハック、四季ヶ原、橘高と合流したところで終了です。

続きます。
17 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/17(日) 01:42:38.10 ID:X5xNsRV70
開始します。
18 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 01:44:17.40 ID:X5xNsRV70
・銃を下げた無表情の女の子


???「…………そこの……兎」

カウガール姿で、身体に所々古傷が見られる金髪の女の子。表情が無く、腰には長い銃を下げている。

稲羽「私……ですよね」

???「…………うん……そう……」

彼女は無表情のままで、私に問いかける。

???「…………喰える?」

稲羽「多分……喰えないんじゃないかと」

私は……兎さんを着ていますけど、肉体は人間ですよね。……人間を食べる対象に含むというのなら別ですが……

???「冥途の土産に…………名前を…………」

彼女は無表情で不穏な事を呟いて、自分の名を口にした。

???「リーチカ・ランジェ…………」


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【超高校級の狩人】リーチカ・ランジェ(-)

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海外のどこかの村で狩りをして生活していたが、近年来日して獣害対策などを行っている。

彼女は狩りに銃や各種罠を用いて、その腕は百発百中だとか

リーチカ「兎…………狩っても良い?」

稲羽「……い、いいえ」

なるべくなら、まだ……死にたくないですね。

リーチカ「…………うん…………ほとんどがそう答える………と思う……けど…………」

リーチカさんは帽子を深く被る。しかし表情は変わらず無のまま……

リーチカ「…………兎に…………拒否権は……ない…………」チャキ

稲羽「……!?」

彼女はあくまで無表情なまま、私へ向けて銃を構えた。

……本格的に危ない気がする。兎さんもそう言っている。


【INFO】
リーチカ・ランジェと出会いました。
19 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 01:46:46.52 ID:X5xNsRV70
・金髪に青が混じった髪色の人


自分が人間だという事を、何とかリーチカさんに伝えた。

稲羽「はあ……」

???「あら、今度は兎さんなの」

稲羽「……あ」

派手な髪色の……女性?

……綺麗な人……だなあ。目鼻立ちが整っていて……

???「疲れてるみたいね? 分かるわ……突然こんな事になっちゃって……」

???「おまけにここって個性の塊って感じの子ばっかりで……アタシも若干地味だからさ……ついていけるかしら?」

結構派手なような……

???「あ、ゴメンね。アタシは加々美優紫よ」


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【超高校級の美容師】加々美 優紫(カガミ ユウシ)

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凄腕の美容師。老若男女問わず顧客を持ち、状況に応じて一番最適だと判断した髪型を提案するらしい。

……というか、彼って確か男性ですよね。

加々美「やっぱり女の子は……身だしなみもしっかりしてるわね。それにその兎ポンチョもグッド」

稲羽「そう……でしょうか」

加々美「ええ。一体どんなケアしてるのかしら? お姉さん知りたいな」

稲羽「……」

とりあえず、普段の手入れの工程を伝えた。

加々美「……なるほどなるほど。しっかりやってるのね」

加々美「もし良かったら、違ったお手入れも試してみない? サービスするわよ?」

稲羽「良いんですか?」

加々美「勿論よ」

……美容師さんに髪を弄ってもらえるなんて。今、手持ちのお金が無いから……帰ってからになりますね。

加々美「贔屓にしてね〜」


【INFO】
加々美優紫と出会いました。
20 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 01:48:43.98 ID:X5xNsRV70
・三角巾にエプロン姿の女性


???「こんにちわ」

稲羽「こんにちは」

三角巾を被ったエプロン姿の女性。女性の付けたエプロンの腹には、写実的な胎児が描かれている。

???「ねえ……試しに飲んでみる?」

彼女は私の身体を抱き寄せ、自身の胸を押し当ててくる。……とても大きくて……柔らかい……

???「うち、お母さんじゃけぇ……いっぱい出るわよ」

稲羽「……」

なんて事を言う人なんですか……?

稲羽「あの、母乳は十年以上前に卒業してますので……」

よし、完璧な言い訳ですね。これで彼女も納得してくれるはず。

???「でも、きっと……おいしいよ?」

稲羽「ひええ」

???「……あらあら。まだ、ちょっと怖いのかな……? じゃあ、まずはご挨拶しましょうね」

???「那波千代子です。超高校級のベビーシッターじゃ……」


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【超高校級のベビーシッター】那波 千代子(ナバ チヨコ)

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これまで何人もの赤子を育て上げてきた高校生ベビーシッター。彼女の育成は、対象に愛を注ぎつつ、着実に能力を伸ばしていく方針。

……という話。

那波「貴方は、哺乳瓶の方がええかの」

稲羽「ど、どっちも遠慮し……」

那波「うふふ」カポッ

稲羽「ーッ!!!!」

それから私は、那波さんに無理矢理ミルクを注がれ続けた。

味は……何だか苦かった。


【INFO】
那波千代子と出会いました。
21 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 01:51:09.32 ID:X5xNsRV70
・派手な装飾に身を包んだピエロ


???「ゴホ、ゲッホ!!!!」ビチャッ

???「……Hi☆」ダラダラ

那波さんの背後から、ハイカラな男の子がぴょこんと顔を出した。

というか、全身に包帯を巻いた血だらけの……これは所謂、ピエロですね。

彼は喀血しながらも、ニコニコと朗らかな笑顔を浮かべていた。

那波「もう大丈夫?」

???「うん」

ピエロ……

稲羽「チンドン屋……みたいですね……」

???「Oh……チンドン屋って今時……?」

???「君って……すっごく変な子だね?☆ ちょっとだけドン引き」

か、考えていたことが口に出ていたみたいです……

???「僕の名前は珍 問屋……じゃなくて、杯団。サーカス団さぁ☆」


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【超高校級の道化師】杯 団(サカス ダン)

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とあるサーカス団に所属している道化師。

彼はサーカス中の事故で高所から転落しても平然としていたらしく、その丈夫な肉体が評価されているらしい。

稲羽「あの、ところで……その怪我は……」

杯「うん……さっき廃材に突っ込んで……全身にPierce」

……本当に大丈夫ですか?

杯「It's a pain……僕はこんなドジだから……うぅ……うえぇぇ……一座でも未だに末端なのさぁ」

稲羽「……」

杯「でもね! Don't worry! 僕は幸せなんだ。皆が僕を見て笑ってくれるから」

杯「それこそ……僕ら道化の生きる意味さ……☆」

杯君は笑っていたかと思えば泣いて、また笑って……そんな表情の変遷を忙しなく繰り返していた。


【INFO】
杯団と出会いました。
22 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 01:54:56.15 ID:X5xNsRV70
・着物姿に簪を刺している女の子


???「……」

着物姿の、淑やかそうな女性。

彼女は静かに目を閉じ、何かに意識を向けているようだった。

???「……どなたか……いらっしゃいますか?」

稲羽「あ……はい」

私の返答を確認すると、彼女は深々と礼をする。

???「失礼致しました。少し、音を拝聴していたのです」

???「お初にお目にかかります。わたくし、お琴を弾かせて頂いております……辰爾和琴と申します」


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【超高校級の琴奏者】辰爾 和琴(タツミ ワコ)

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代々琴奏者を輩出してきた辰爾家の跡取り娘。

辰爾家は琴奏者として伝統的な家系で、その正式な後継者である彼女の琴は人の感情に強く作用する働きがあるらしい。


辰爾「稲羽兎様……因幡の白兎の伝承を思い起こさせますね」

彼女は考え込むように、手を顎に添える。その一挙一動に丁寧さが伴っている。

辰爾「皮を剥がれた痛みに泣いていた兎に、正しい治癒法を教えた大国主命は……兎から予言を受け、八上姫を娶る事になります」

辰爾「その兎はある意味では、大国主命に幸運を齎したと言えるのではないでしょうか」

確かに兎って、縁起の良い物の象徴とされる事がありますけど……この話も、少なからず関係しているんでしょうか。

辰爾「……稲羽様は、その白兎の生まれ変わりかもしれませんね」

稲羽「そ、そうですか……?」

辰爾「ええ。兎で幸運ですから、何かの縁を感じます」

稲羽「え……えへ……」

……な、何を喜んでいるんだ、私は。

辰爾「ふふっ」

辰爾さんは、少し悪戯っぽく笑っていた。


【INFO】
辰爾和琴と出会いました。
23 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 01:58:18.20 ID:X5xNsRV70
・全身に機械を付けた小柄な少年


小学生くらいの幼い男の子。全身にアンティークな機械を付けている。

彼は天井の隅をじっと見つめている。

那波「そうだ、僕も自己紹介してみようか。兎のお姉さんにこんにちは」

???「ん……ボク様か?」

少年が反応を示す。彼は視線はそのままに、声だけをこちらに向ける。

???「ボク様は……一応高校生の筈なんだが……」

那波「それはどうかしら……」

???「ん? そうか……」

少年は、当てが外れたと言うような声色で呟く。

???「ボク様の名前は……絡繰時矢。こっちは確かな筈だ……うん」


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【超高校級の機械職人】絡繰 時矢(カラクリ トキヤ)

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自作の機械を売ったり、時計などの修理屋として生計を立てている。

彼の作った機械は、思い付きで不可思議な機能が付加されるらしい。

絡繰「……」

彼の小さな胸には、時計が付けられている。

針は4時を示している。

中庭から漏れていた灯りからすると……今は朝の4時という事になるでしょうか。

絡繰「……ところで、あそこの監視カメラ。随分と高性能なカメラみたいだな」

絡繰「恐らく、今流通している技術では考えられないような機能が組み込まれているに違いない」

稲羽「そう……なんですか?」

絡繰「ああ。是非とも分解してみたい。一体どんなパーツを使っているのか……」

絡繰君は、何かに思いを馳せるように目を閉じた。

絡繰「アレをバラせば……世界征服に一歩前進するだろうな」

……世界征服?


【INFO】
絡繰時矢と出会いました。
24 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 02:03:30.43 ID:X5xNsRV70
・アラビア調の褐色女子


???「……」

アラビア調の衣装を着た女の子が、冷たい目線をこちらに向けている。

彼女の格好は薄い布地で露出度が高く、褐色の肌が覗いている。……目のやり場に困る。

???「あのさ……」

稲羽「は、はい……」

???「さっき彼と親密そうに話していたけど……ボクより美しい自信があるのかい?」

稲羽「……ええ……っと……」

???「ふふ……ないだろ? 出直して来なよ……」

稲羽「……」

出直すって……何の事でしょうか……

???「……でもま、こんな状況だしね。名前だけは伝えておくよ」

???「小倉真帆だよ」


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【超高校級のダンサー】小倉 真帆(オクラ マホ)

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アラビアンダンサー……ベリーダンサーとも呼ぶ。

熱心なマニアから彼女の名前を耳にするが、肝心の彼女については謎に包まれている点が多い。彼女は所謂アングラな存在だろうか。

小倉「……話してる最中にじろじろ見てるなんて、キミは随分余裕だね」

稲羽「えっ? ごめんなさい……」

そんなに見ていたんでしょうか、私……

小倉「……ボクの身体に興味があるのかい?」

稲羽「えっと……」

……無いと言えば嘘になる。

彼女の身体……無意識に視線が吸い寄せられて、そのままずっと見ていたくなるような怪しい魅力がある。

小倉「良いよ。気の済むまで見ても」

小倉「ふふ……気が済むかは保証できないけどね」

稲羽「……」


【INFO】
小倉真帆と出会いました。
25 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 02:05:22.58 ID:X5xNsRV70
・宣教師姿の男性


先程から何かを唱えている人。

経典らしき書物を手にした、宣教師姿の男性。不思議な神々しさを伴って、彼は静かに佇んでいた。

???「……――――…………――……」

彼はしばらく唱え続けていたが、やがてそれも終わりを迎えた。

???「集団催眠……有り得ない話では御座いませんね」

稲羽「……」

???「おや、御挨拶が遅れましたね」

???「私共は迎心教団。人々の心を迎え、救う事を目的とした団体で御座います」

???「そして私は天草神門。迎心教団の教祖を担っております」


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【超高校級の教祖】天草 神門(アマクサ シモン)

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迎心教団は、近年発足した信仰宗教で。今では信者の総数が1000万を超えるらしい。

活動内容はよく分からないが、「健全な生を」とか、「平等なる救い」とか、そんな謳い文句はよく目にする。

天草「人々を苦しみから解放する事が、私共が与えられた役割です」

稲羽「私共……?」

天草「はい。離れていようと強く感じるものです……我が同志達の生命の躍動を……」

す、すごい……

稲羽「……もしかしてエスパーですか?」

天草「エスパー……近い事象が働いている可能性は大いに御座いますね」

天草「心理的な繋がり……共通の意識を以って活動する類似性による調和……」

天草「私共は迎心教団という1つの枠組みを介し、無意識的に繋がる事を可能としているのです」

稲羽「……」

どういう原理なんでしょうか?


【INFO】
天草神門と出会いました。
26 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 02:09:02.40 ID:X5xNsRV70
・煙管を手にした前時代的な女性


???「やぁ」

羽織を着て、煙管を手にした女性。片目が髪の毛で隠れている。

まるで……国語や歴史の教科書に載せられているような容貌です。

???「私の代表作は『不幸代行人』……まあ、代表作云々は今適当に決めたのだがゴホン」

???「しかし勿論、君もこの表題を一般的教養として有しているね? 私は返答を促す」

稲羽「はい……」

特異な血筋の生まれの主人公が、他人の不幸を代行して引き受けるという怪奇物だった。

主人公が己の身に苦痛を受け続けて、周囲に対して呪いを抱き、その感情に徐々に蝕まれていく。

恐怖を覚えつつも、彼に少しだけ共感を抱いた。

???「はは、嬉しいね……さて、そんな君には説明しなくても分かっているとは思うのだが」

???「様式美という事で名乗っておこう。私こそ現代に蘇った文豪、辻垣理緒であると」


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【超高校級の小説家】辻垣 理緒(ツジガキ リオ)

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辻垣「君は……超高校級の幸運だったね。良い機会だ、是非君の幸運に関するエピソードを聞かせてくれ賜え」

辻垣「例えば石油を掘り当てたとか……そんな事があったら是非肖りたいところだ」

稲羽「そんなに……運は良くないですよ」

辻垣「ははは、謙遜することは無い」

辻垣「超高校級と呼ばれる以上、君には何らかの能力が備わっている筈だ……私は興味深そうに君の顔を覗き込む」

彼女は自身の言葉通り、何かを考えるような様子で私の顔を覗き込む。

辻垣「自己否定などしていては、折角の肩書が泣いてしまうよ」

稲羽「……」

でも……あんまり自信ないんですよね。


【INFO】
辻垣理緒と出会いました。
27 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 02:11:30.33 ID:X5xNsRV70
・帽子に札を付けた少年


???「嘿呀!!!」

壁を殴りつけている、中華風の服装の男の子。

帽子から顔全体を覆うくらいのお札が下がっていて、完全にキョンシーと形容できる。

???「……アイヤー!? 嚇到我了!?」

稲羽「!?」

???「何だお前!? お前は誰だ!?」

稲羽「わっ、私は……あ、初めまして。稲羽兎です」

???「稲羽……? 稲羽、兎……稲羽兎。稲羽兎……稲羽兎……稲羽……稲羽兎……」

???「我、李紅運」


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【超高校級の拳法家】李 紅運(リー コウウン)

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彼は中国拳法家として中国各地を放浪しているらしいけど……詳しい事は分からない。

稲羽「キョンシーですか? こうして……腕を伸ばしてピョンピョコ……」

李「どこを見たらキョンシーに見えるのだ?」

稲羽「……」

お札とか……かな

李「キョンシーとは要するに死体の活動であろう? 中々縁起がよいな」

李「まあ、そのように蘇ったところで奴らが……決定的に欠落しているのは変わらぬが」

李「……というか! お前こそ何なのだ? 兎の真似事か?」

李さんが、私の顔をまじまじと見つめてくる。

そして、自身の額の札を指で遊ばせながら話を切り返す。

李「よいか? この札は、我が老師により施された符呪にすぎない」

稲羽「符呪……」

李「ああ。絶対的な服従の」

稲羽「……」

やっぱり……キョンシーじゃないですか……?


【INFO】
李紅運と出会いました。
28 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 02:13:59.23 ID:X5xNsRV70
・長いコック帽を被った女の子


???「ひええええええええっ!!!」

コックコートを着て、やけに縦に長いコック帽を被った女の子。彼女の背丈の半分以上はあるだろうか。

彼女は頭を抱えて、膝をガクガクと震わせている。

???「ゆゆ……悠長に名前なんて言ってる場合なのですか……ッ!!!」

稲羽「え?」

???「こんな大規模な誘拐沙汰ですよ……!? 米菓たち……きっときっと! 臓器を売られるんですよ!」

???「臓器の活きをよくするために、きっと……危ない人たちから執拗に拷問を……」

稲羽「……」

???「いやああああああ!!! 痛いのは嫌なのです!!!!!!!! せめて殺してからあああああ」

稲羽「お、落ち着きましょう! まずは……し、深呼吸です、はい。すーはー」

???「す、すーはー……」

しばらく2人で深呼吸をつづける。

……そうして彼女もようやく落ち着きを取り戻したようだった。

???「はぁ……ごめんなさい……取り乱してしまって……」

???「こ、これで……15回目なのです」

稲羽「……」

自己紹介の度に……取り乱していたって事ですね。

かなり心配症の子みたいだ……でも、こんな状況じゃ無理はありませんよね。

???「米菓は……米菓リリィなのです。しがないパン屋なのです」


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【超高校級のパン屋】米菓リリィ(ベイカ-)

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彼女の作るパンはその中毒性から『麻薬入りパン』とか『アンパン(隠語)』といった異名を付けられている。

インターネット上では、彼女のパンをただ崇拝する米菓リストという謎集団まで現れだした。

米菓「はあ。本当なら仕込みをしている時間なのですのに……」

米菓「あー、パンをしこたま焼きたいのですー」


【INFO】
米菓リリィと出会いました。
29 : ◆Vcl4B/DaxY [sage saga]:2017/09/17(日) 02:17:13.26 ID:X5xNsRV70
・髷を結ったふくよかな男性


さっきから……ずっと気になっていた人。

???「……」

ふくよかな男性。頭頂部の髷が、光沢を発しながら雄々しく主張している。

あの肉付き、立ち振る舞い、貫禄……私は、あの人を知っている。

四季ヶ原「あー……おでぶさんだ」

四季ヶ原「乳房山だっけ……? 潮の吹きだっけ……?」

稲羽「違います! 沙慈の海さんです!」

???「……いかにも。姓を沙慈、名を百舌と申すでごわす」


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【超高校級の相撲取り】沙慈 百舌(サジ モズ)

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現役高校生にして力士……

彼は稽古を重ね続け、どんどん上り詰め……横綱間近という話も出ている。まさに期待大です。


稲羽「沙慈さん! いつも試合……いえ取組を見ています! こうして姿が見れて感激です!」

四季ヶ原「ミーハーくさいねぇ」

沙慈「はっはっは、娘っこよ。ありがとう。何だか照れるものでごわすな」

豪快に笑う沙慈さん。かっこいいなあ……

沙慈「うむ、それでは……」スッ

稲羽「……!」

沙慈さんが、私へ向けて手を差し出す。

これは……握手の合図。

稲羽「あ……あぁ、ぁ……」

稲羽「……」ガクガク

私は恐る恐る彼の手に触れる。彼の大きな手が、私の手を握り返す。

力強い手の平に掴まれ、彼の熱が全身へ循環するように……私の身体を熱くする……

沙慈「よろしく、娘っこ」

稲羽「よ、よろひくお願いしまひゅ……」

もう、右手洗わない……

四季ヶ原「イッちゃった……」


【INFO】
沙慈百舌と出会いました。
30 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/17(日) 02:22:20.83 ID:X5xNsRV70
一通りの挨拶を澄ませる事が出来た。

李「……ところでこれは何の集まりか? 忘れてしまった」

四季ヶ原「それがねぇ、皆忘れてるんだょ。綺麗さっぱりしっぽりねぇ」

稲羽「皆さんも……ですか?」

四季ヶ原「ぅん」

全員、記憶の無いままこの場にいるらしい。

沙慈「妙な話でごわすな。誰も彼も超高校級の肩書を冠している」

杯「偶然じゃないかな???」

ハック「なワケ無ーだろ?(爆笑) 確率的に換算してみろ」

ハック「全人類……そっから俺達16人が引き抜かれる可能性……へっ、とんだ低確率、低低低低低確率だな」

加々美「犯人は何の為にこんな事したのかしらね?」

絡繰「超高校級に用があるんじゃないか? 純粋に能力を求めているのか、怨恨の類なのかは知らないが……」

絡繰「何せボク様は天才だからな、他人の羨望を買ってしまう」

四季ヶ原「すごい自信だねぇ……」

辻垣「集まったのは私達自身の意思で……何かの原因で記憶が……なんてね」

辻垣「はは、よく出来た話ではないかね?」
31 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/17(日) 02:25:25.70 ID:X5xNsRV70
???「やぁ」

稲羽「……?」

いきなりツートンカラーの熊が現れた。

それは奇妙な光景だったが、その熊の姿はどことなく可愛らしく思えた。

ハック「何だ……こいつ……」

???「ボク……モノクマです。この施設の管理者です」

???「そして現在高校生であるオマエラを導く……有体に言うと教職員です」


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【管理者兼学園長】モノクマ(-)

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管理者? 教職員?

米菓「はあ!? 変な嘘はややややややややや」

モノクマ「嘘じゃないよ!」

熊がぷんぷんと腕を振る。挙動は可愛らしいが、言葉の端々が胡散臭い。

辻垣「教職員と言うが……ここは学校の類なのかい?」

モノクマ「まあ、形式上は。オマエラは高校生だしね、才能を救うと書いて救才学園とでもしようか」

四季ヶ原「入学した覚えも無いんだけどねぇ」

那波「うふふ、可愛い赤ちゃん。おまんま飲む?」

モノクマ「ボクは、親に全てを支配される赤子とはまるっきり正反対の存在です」

モノクマ「何せオマエラを管理する役目を担ってるからね」

モノクマは自分への言葉をのらりくらりと交わす。

絡繰「お前、分解しても良いか?」

モノクマ「どこの世界に、「身体をバラさせてください」っつって二つ返事でOKくれるような人がいるのかな?」

モノクマ「でも、そうだね……ボクの答えは。……OK! 分解しても良いよ」

モノクマ「ただし、要件が終わってからで……あ、あと……優しくしてね……?」

絡繰「出来る限り優しくするさ」
32 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/17(日) 02:27:22.84 ID:X5xNsRV70
モノクマ「じゃあ簡潔に言うよ」

モノクマ「オマエラには、今この瞬間からここで暮らして貰うから」

ハック「……あ? なんだって」

モノクマ「キミ達全員でこれから、共同生活を行うんだ」

ハック「……は?(死)」

唐突な話だった。それでいて目的が不明瞭で……

僅かに不安が立ち込める。

辰爾「……何故、そのような事を行う必要があるのですか? それもそちらの独断で」

沙慈「うむ。少々急でごわすな、連絡なんかもしておらんし」

モノクマ「ほら、すぐぶーたれる。これだから現代っ子は困る」

米菓「ひえええ……米菓、店を開けっぱなしなのです……」

米菓「早く帰らないとお父さんが過労死するのです」

絡繰「……そういえば、その共同生活に期限は設けているのか?」

モノクマ「期限?」
33 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/17(日) 02:28:22.70 ID:X5xNsRV70






モノクマ「無いよ」

モノクマ「これからは、この空間がオマエラの世界になるんだ」





34 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/17(日) 02:30:44.26 ID:X5xNsRV70
辻垣「それはつまり……死ぬまでという事かね?」

モノクマ「そーでーす」

モノクマはさっきと変わらない、至って可愛らしい様相で答える。

けれどその答えには……漠然とした恐ろしさだけしか感じられなかった。

稲羽「……」

辻垣「死ぬまでならば……早めに命を絶てばすぐに解放されるという訳だね」

加々美「縁起でもない……」

米菓「ひええええ! 米菓は早く帰りたいのです!」

米菓「は、早くしないと粉塵爆発で店が焼け野原になってしまいます!」

モノクマ「大丈夫、何とかなるよ。秩序を乱すような人が出ないよう、罰則も完備してあるし」

モノクマ「細かい事は気にしないで、共同生活をエンジョイすれば良いよ」

橘高「待て。貴様には説明する義務がある。何が目的でこんな事を仕出かしやがった?」

橘高「そして何故、俺達の記憶に抜けがある? 原因は何だ?」

モノクマ「……」

モノクマは無言になる。

橘高「……チッ、くだらんタヌキだな。所詮貴様は二流以下か」

モノクマ「タヌキじゃなくてモノクマ!」

杯「皆は嫌がるけど! 僕はここって良いところだと思うな!」

杯「MonochromeでPsychedelic! そして笑顔がとってもCuteな熊さんもいるしね!☆」

杯「マーベラス!」
35 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/17(日) 02:33:27.38 ID:X5xNsRV70
米菓「うええええん! 何でもしますから帰してくださいぃ!」

四季ヶ原「……何でも?」

ハック「そ、そうだ……あ、あんなカルト男といられるかよ……(怯)」

天草「……」ニコ

ハック「クソ(死)」

口々に非難が上がる。

そうです……理由も分からないし……

小倉「まあ、ボクはあの人さえいれば良いんだけど」

加々美「……」

小倉「出来れば……こんな窮屈な所じゃない方がありがたいかな……」

モノクマ「……しょうがないなぁ」

モノクマ「出たい人の為に……特別な条件を用意してあるんだ」
36 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/17(日) 02:34:54.26 ID:X5xNsRV70



モノクマの声が冷たくなる。

……ただの、私の思い込みかもしれない。

けれど急に、周囲の空気が冷えきったような気がして。強い悪寒が全身を巡った。


モノクマ「うぷぷ、それはね……」


その笑い声には、どこか聞き覚えがあって……

それは嫌な思い出を抉るような……悪意を凝縮させたような表情で。



モノクマ「秩序を破れば……そうだねここにいる中の誰かを殺せば……」

モノクマ「そいつには、秩序を乱した罰としてここから出て行ってもらいまーす!」


37 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/17(日) 02:38:00.26 ID:X5xNsRV70
稲羽「……え?」

モノクマ「殺し方は問わないよ。色々あるよね」

モノクマ「刺殺で一発勝負……またはめった刺し……」

モノクマ「撲殺、絞殺、毒殺……はたまた拷問の要領でじわじわ嬲り殺し……」

四季ヶ原「わたし、毒は好きだよ。植物から分泌される卑猥な汁だもん……」

李「今はそれどころではない気がするな」

杯「HEY! モノクマさん! 君を殺すっていうのもアリかな?」

モノクマ「ダメだよ。これは生徒間でのコロシアイだからね」

モノクマ「ほら、ボクは生徒じゃないし」

モノクマ「ボクも殺したり殺されてみたいけど、生徒じゃないから駄目なんだ。ああ、つれえわー」

杯「そっか! あはは!」

モノクマ「理解が早くてうれし」


パン


モノクマ「いっ」

杯「……????」
38 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/17(日) 02:39:16.56 ID:X5xNsRV70
モノクマさんがどうにかなってしまったところで終了です。

続きます。
39 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 01:33:06.58 ID:X7+uLgOx0
音が聞こえたと同時に、モノクマが呻いた。

モノクマ「な、なに――――あっ」パン

間髪入れずに同じ音が響いて……モノクマの身体が弾けた。

モノクマ「――」

モノクマは身体に穴を開け、そのまま糸が切れた様に倒れ込む。

そうして倒れた彼は、動きの一切を止めた。

ハック「……(笑)」

那波「……え? え?」

彼の身体から目線で辿ると、銃口に行きつく。

リーチカ「…………」

リーチカさんが構えた銃から、煙が立ち上っている。

杯「……What!?☆ どうしたんですか!? モノクマさん!」

杯「ねぇねぇねぇ!!!」バラバラバラ

絡繰「揺すりすぎてパーツが飛び散ってるぞ」

もう声は聞こえない。

さっきまで揚々と言葉を発していた彼は、最早何も言う事が出来ない残骸となっていた。

彼の最期は、あまりにもあっけないものだった。
40 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 01:36:22.02 ID:X7+uLgOx0
那波「こうして見ると……やっぱり小さい子じゃの……」

天草「こんな御方でしたが、命には変わり御座いませんしね。供養致しましょうか」

李「卒塔婆でもぶっ刺すアルか?」

天草「そうですね、それが良いでしょう」

李「在天国安眠」グサ

天草「南無阿弥陀仏……」

辻垣「酷い死体蹴りを見た」

加々美「……っていうか、いつもそんなの持ち歩いてんの?」

結局……彼が言っていた事は何だったんでしょうか……

ここから出るには……誰かを殺すとか……

稲羽「……」

本当に……これで終わりなんですよね?

四季ヶ原「何はともあれ、これで帰れるねぇ」

米菓「ほ、ほんとにほんとですか……?」

四季ヶ原「良かったね。リリィちゃん。お店が倒壊しなくて済んだょ」

橘高「……」

安心しきっている人もいれば、残骸を訝しげに見ている人もいる。

辰爾「……?」

辰爾「……何か、音が」
41 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 01:38:36.51 ID:X7+uLgOx0
ザク


音が響いた。

柔らかいものが裂かれる音と……何かが弾けるような水音。



気が付いた時には、もう事は済んでいた。


リーチカ「…………」ボタ



リーチカ「…………」ボタボタボタ


【超高校級の狩人】リーチラ・ランジェさんの身体から、赤い血が止め処なく溢れ出ていた。
42 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 01:40:36.48 ID:X7+uLgOx0
床から無数の槍が伸びていた。

リーチカ「…………」

身体を逸らして避けたのか、槍は彼女の脇腹をかけて右半身に集中している。

彼女は表情1つ変えないまま、ただその場で佇んでいた。

辰爾「リーチカ様!?」

ど……どうして?

杯「あっ? 気持ちいい?☆」

辻垣「台詞がそぐわないようだが……と私は状況も相まって混乱するのであった」

リーチカ「…………」

橘高「おい、応急措置だ」

那波「は、はい!」

橘高さんが呼びかけ、那波さんがリーチカさんを介抱する。

この時私は……起こった事を上手く処理できずに……

ただ見ていることしか出来なかった。

リーチカ「…………」

リーチカさんは無表情で微動だにしない。痛むような素振りも、声をあげる事も無く、ただ無表情だった。

まるで何事も起こっていないような。……或いは既に事切れているかのような。

沙慈「リーチカの娘っこ、無事でごわすか」

リーチカ「…………」

沙慈「うむ、一先ず無事でごわすな」

四季ヶ原「いやにあっさりしてるねぇ」

那波「うう……良かった……」

モノクマ「ふー」
43 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 01:42:40.42 ID:X7+uLgOx0
沙慈「ぬお?」

モノクマ「何だか生まれ変わったような心持だよ」

先程壊された筈のモノクマが現れる。

米菓「ひええええええええええ!!!!!」

モノクマ「ん? なんだ、死んでないの?」

ハック「そりゃ、こっちの台詞なんだが……」

モノクマ「モノクマは永久に不滅です」

モノクマは自分だった物の残骸の前に立ち、壊れるまでと全く変わらない様子でケタケタと笑っていた。

……頭が付いて行かない。

モノクマ「良いね、早速血みどろ。コロシアイ共同生活の第一歩としては及第点……悪くないよ」

絡繰「お前……スペアがあったのか」

モノクマ「その通り、その気になれば無限に湧き続ける事だって可能で……」

四季ヶ原「ゴキブリ……?」

モノクマ「それはそうとリーチカさん……どうしようか」

モノクマ「キミは2発撃ったから……ボクももう1発撃っても良い筈だけど……」

リーチカ「…………」

リーチカさんは何の反応も見せず、ただモノクマの方を見ていた。

那波「だ、駄目じゃ、もう……」

モノクマ「……まあいいや、ボクも説明不足だったし」

モノクマはやれやれと口にしながら、説明を始める。
44 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 01:45:41.46 ID:X7+uLgOx0
モノクマ「さっきも言ったと思うけど、秩序を乱したら罰があるんだ」

モノクマ「罰には今みたいな、物理的な死も含まれてるよ。っていうか、ほとんどがそうなんだけど」

小倉「その罰とやらに意味はあるのかい?」

モノクマ「コロシアイを円滑に過ごすために必要な事の1つだよ」

モノクマ「ちなみに今のは、管理者ことボクへの暴力行為禁止に抵触したものです」

ハック「どんな独裁だよカス」

モノクマ「はい管理者への暴言! イエローカード」

ハック「うわあああ(死)」

モノクマ「それで……規則を破ると、問答無用で槍に襲われる事に……」

モノクマ「今回は見逃すけど、次からは確実に死ぬように処理するから気を付けてね」

橘高「待て、規則とは何だ?」

モノクマ「うん、それを今から教えようと思ってたとこ」

モノクマ「規則は全て電子生徒手帳に網羅されているから、余すとこなく」

李「澱死生吐手帳? 斯様な物騒な物をもらい受けた記憶は無い気がするが」

モノクマ「オマエラのナカにこっそり入れておいたよ」

稲羽(中……?)

モノクマの言葉の意味を頭で反芻すると、ポケットの中に何かが入っているのに気が付く。

モノクマ「はぁ……あの背徳感は、鮭の卵に種付けした時以来の味わいだったぜ……」

辻垣「鮭に種付けか……逆ならば私も試したことがあるよ……着床はしなかったがね」

絡繰「聞いてはいけない事を聞いてしまったみたいだな」

モノクマ「そんじゃばいばい」
45 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 01:49:35.93 ID:X7+uLgOx0
モノクマがいなくなる。

稲羽「……」

米菓「こ、ころしあ……コロシアイなんて……コロネの間違いじゃないのですかぁぁ」

沙慈「真に奇怪な話でごわすな……これが現だとすれば」

四季ヶ原「紛れもない現実だょー……」

これは夢じゃない……

しかし夢のように突飛で……夢よりも際限のない話。

この状況を形容するとしたら……“終わりの見えない悪夢”という言葉が丁度当てはまるような。

辻垣「奇妙奇天烈な話では無いか。さっきのリーチカさんを貫いた槍だってどれだけの費用をかけているのか」

辻垣「ここまで大規模な事をして……彼は我々に何を期待しているのだろうね?」

杯「What he wants to do……楽しいコロシアイ! じゃないんですか?☆」

加々美「ちょっと普通じゃないわね、モノクマちゃん……っていうか、これを考えた首謀者って言った方がいいかしら」

加々美「とにかくどっかおかしいみたいね……」

ハック「そこに怪しい奴がいるな……(横目)」

天草「何のことでしょう?」

橘高「……とにかくだ」

橘高さんが声を張る。

全員が言葉を止め、彼の方に意識を向ける。よく通る声だった。

橘高「奴の思惑に応じてやる必要は一切ない」

那波「……」

橘高「……下らん気は起こすなよ」
46 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 01:51:21.92 ID:X7+uLgOx0




突然始まったコロシアイ共同生活。

私の中で、芽生え始めた恐怖心が蠢いていた。



 
47 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 01:53:10.07 ID:X7+uLgOx0





【PROLOGUE】再起

End

残り人数:16人




 
48 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 02:14:14.32 ID:X7+uLgOx0
設定です
思いつくまま羅列してるので偏っているかも


【名簿:女子1】

【超高校級の幸運】稲羽 兎(イナバ ウサギ)
身長:157cm 胸囲:78cm
好きな物:可愛いもの 嫌いな物:悪意
一言:「……」

【平和主義者】
【誠実】
【まな板】

【容姿】
茶髪 ブレザーに兎のポンチョ
ブレザーはメルヘン思考でロリ風味になってます。


【超高校級の園芸部】四季ヶ原 咲(シキガハラ サキ)
身長:147cm 胸囲:67cm
好きな物:植物 嫌いな物:人間の生殖
一言:「兎は生殖本能が活発なんだょね」

【小動物系】
【腐女子】
【下ネタ】

【容姿】
緑の大きなリボンに緑基調のセーラー服 気分によって身体に蔦を巻いてます。
茶髪のショートハーフアップ


【超高校級の狩人】リーチカ・ランジェ(-)
身長:167cm 胸囲:80cm
好きな物:肉全般 嫌いな物:喰えないもの
一言:「…………喰えない?」

【無表情】
【健啖家】
【野生動物並の死生観】

【容姿】
カウガールみたいな服装で、サイドに三つ編み 古傷が見られます。
常に無表情


【超高校級のベビーシッター】那波 千代子(ナバ チヨコ)
身長:168cm 胸囲:92cm
好きな物:幼い人 嫌いな物:虐待
一言:「かわいい子じゃの」

【子供大好き】
【慈愛溢れる】
【母性的】

【容姿】
エプロンと三角巾 エプロンの腹に胎児が描かれています。
ルーズサイドテール
49 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 02:15:49.53 ID:X7+uLgOx0
【名簿:女子2】


【超高校級の琴奏者】辰爾 和琴(タツミ ワコ)
身長:164cm 胸囲:82cm
好きな物:兄 嫌いな物:血の臭い
一言:「風情を感じます」

【名家のお嬢様】
【謙虚】
【文武両道】

【容姿】
着物姿、髪に花の簪を刺しています。目にハイライトがありません。


【超高校級のダンサー】小倉 真帆(オクラ マホ)
身長:160cm 胸囲:88cm
好きな物:美しいもの 嫌いな物:それ以外
一言:「どうでもいい」

【面食い】
【男性的】
【褐色】

【容姿】
アラビア調の踊子の服装をしています。褐色肌で露出度が高いです。


【超高校級の小説家】辻垣 理緒(ツジガキ リオ)
身長:172cm 胸囲:83cm
好きな物:人間 嫌いな物:湿気
一言:「実に興味深い資料だ」

【嘘も方便】
【悪筆】
【回りくどい言い回し】

【容姿】
文豪みたいな見た目です。片目が髪の毛で隠れています。何故か煙管を常備しています。


【超高校級のパン屋】米菓 リリィ(べいか -)
身長:152cm 胸囲:72cm
好きな物:パン 嫌いな物:汚物
一言:「早く帰りたいいい」

【ショートスリーパー】
【心配性】
【潔癖症】

【容姿】
コックコート 茶髪のコロネヘアーの2つ結びです。
コック帽がやけに長いです。
50 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 02:22:25.84 ID:X7+uLgOx0
【名簿:男子1】

【超高校級のハッカー】ハック・ウィルヘルム(-)
身長:165cm
好きな物:ウイルス散布 嫌いな物:直射日光
一言:「……(笑)」

【卑屈】
【ストーカー】
【手持無沙汰】

【容姿】
フードを着ています。服全体に数字列が描かれています。
時々奇妙なお面を被っています。


【超高校級の審判】橘高 直人(キッタカ ナオト)
身長:175cm
好きな物:グラウンド 嫌いな物:不等
一言:「大人しめな奴だな」

【厳格】
【迷いが無い】
【融通が利かない】

【容姿】
学ランを着てホイッスルを下げています。
表情が厳めしく常に機嫌が悪そうに見えます


【超高校級の美容師】加々美 優紫(カガミ ユウシ)
身長:179cm
好きな物:会話 嫌いな物:孤独
一言:「セットさせてね〜」

【超イケメン】
【相談役】
【人との繋がりに飢えている】

【容姿】
金髪に青のメッシュがかかってます。フリルが付いた服を着てます。


【超高校級の道化師】杯 団(サカス ダン)
身長:156cm
好きな物:ダーツの的 嫌いな物:楽しませられない事
一言:「変な子だね☆」

【ドジっ子ピエロ】
【異常好奇心】
【表情豊か】

【容姿】
ピエロです。頬に目玉と涙のペイント
51 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 02:27:29.18 ID:X7+uLgOx0
【名簿:男子2】

【超高校級の機械職人】絡繰 時矢(カラクリ トキヤ)
身長:132cm
好きな物:機械弄り 嫌いな物:作業妨害
一言:「全身に時計を付けてやりたい」

【天然タラシ】
【観察眼】
【可愛い系少年】

【容姿】
大きいキャスケットを被っています。
歯車を全身に付けて、右目に機械


【超高校級の教祖】天草 神門(アマクサ シモン)
身長:182cm
好きな物:救い 嫌いな物:見放す事
一言:「神々が我々を見守っております」

【カリスマ】
【献身】
【エンジェルスマイル】

【容姿】
銀髪の男性
宣教師のような見た目で、胸には迎と彫られた飾りを付けています。


【超高校級の拳法家】李 紅運(リーコウウン)
身長:160cm
好きな物:修行 嫌いな物:死
一言:「妙な仮装だな」

【真っ直ぐなフレンドリー】
【善悪に縛られない】
【求道者】

【容姿】
くすんだ灰色の長い三つ編み 服装はキョンシーっぽいです


【超高校級の相撲取り】沙慈 百舌(サジ モズ)
身長:192cm
好きな物:富士山 嫌いな物:窮屈
一言:「照れるでごわすな」

【心優しい】
【女性にモテる】
【所帯染みている】

【容姿】
髷を結って和服を着ています。立派な羽織紐を結んでます。
52 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 02:33:08.66 ID:X7+uLgOx0






【CHAPTER1】白紙は黒インキで染まる





 
53 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 02:36:34.08 ID:X7+uLgOx0
【1F 食堂】

机の上に料理が並べられている。

小倉「……これは誰が用意したんだい?」

橘高「ああ……那波と俺でな。当然食材はこの場にあった物になるが」

橘高「あの熊が用意した以上あからさまに怪しいが、一応毒見は済ませておいたから……」

橘高「害が無い事は確認済みだ」

四季ヶ原「ふーん」

橘高「食わねば始まらんしな。こんな物でも腹に入れるしかあるまい」

那波さんは、怪我をしたリーチカさんに付き添って行った。

心配しないでとの事でしたけど……

やっぱり心配です。
54 : ◆Vcl4B/DaxY [saga]:2017/09/19(火) 02:38:53.22 ID:X7+uLgOx0
米菓「みなさん! 米菓のパンも! 召し上がってください!」

米菓「沢山あるのですよ! 異物は一切入っていないのですッ!」

米菓ちゃんが運んできたのは山のような量のクロワッサン。室内が芳ばしい香りで満たされる。

米菓「ご安心下さい! 米菓は清潔感には人一倍気を使っているのです!」

米菓「お風呂だって朝昼晩と3回入りますし……身辺の掃除も一日10回程してますから!」

橘高「……過剰過ぎないか?」

米菓「勿論マスクも常備しています!」

米菓「なので入っている物といえば小麦粉、お塩、卵、イースト菌……とにかく変な物は一切入ってません!」

ハック「いつの間に焼いたんだ……」

米菓「目が覚めてからすぐに……脊髄反射的に……」

ハック「お前……かなり図太いな……」

天草「皆で朝食を摂る……よき習慣で御座います」

四季ヶ原「神門くんはそればっかりだねぇ」

天草「ええ。やはり健全なのが一番で御座います」

小倉「それにしても規則か、本当に一生なんだね」

他の面々に倣うように、電子生徒手帳を開く。
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