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QB「ついに僕にも感情が芽生えたんだ!」
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102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/04(水) 06:12:46.93 ID:YGw9U2j9o
インキュベーター「それでも勝ちと言い張りたいなら言えばいい、僕らにとって勝ち負けなんてどうでもいい事だ」
インキュベーター「それに僕らは……?」
インキュベーター「……これは……」
ほむら「……っ……!!」
マミ「……エ……」
杏子「……エイミー……?」
エイミー「……ニャー」スリスリ
ほむら「……エイミー……!エイミー……!!」ギュッ
インキュベーター「……有り得ない……!あんな不完全な契約で願いが叶うなんて……!そんなはずが……!」
杏子「どうだよ!これでもまだ痛み分けだっていうか!?QBのバカは自分の命でエイミーを生き返らせた!」
インキュベーター「……契約は成立していた……?でもあの時は確かに……」
杏子「うだうだ考えてもてめーには何一つ分かんねぇんだよ!」
杏子「有り得ねぇ!?これがお前達が笑った奇跡だろ!!」
インキュベーター「……」
インキュベーター「……分かったよ、今回は確かに僕の負けだ」
ほむら「……エイミー……!エイミー……!!」
ほむら(……叶っていたわよ……!あなたは、確かにエイミーを生き返らせた!)
ほむら「QB……!!!」
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/04(水) 06:14:45.07 ID:YGw9U2j9o
ほむら「……」
杏子「……」
マミ「……」
ほむら「……まぁ、妥当なところといったとこかしら」
杏子「なーに言ってんだ、立派な墓だろ、あいつには勿体無いくらいだぜ」
ほむら「……ふふ、そうかしら」
ほむら「死体も残らなかったから、埋めるものがなかったけれどね……」
杏子「良いんだよ、こういうのはきっと、形だ」
マミ「……エイミー、元気だよ、QB」
ほむら「……」
ほむら「今回のことで、一つ分かったことがあるの」
杏子「……?」
マミ「……?」
104 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/04(水) 06:19:08.14 ID:YGw9U2j9o
ほむら「……QBの結界に取り込まれた時、あなた達の記憶も多少なり私の中に流れ込んできた」
ほむら「………だから……きっと私の記憶もあなた達に流れ込んできたと思う……」
ほむら「……その……ごめんなさい、まどかを守るためとはいえ……あなた達にはひどいことをしたわ」
ほむら「……あの時の私は、何にも信じられなくて、一人でまどかを救おうとしてた」
ほむら「……でも、漸く分かったの」
ほむら「……やっぱり私達は一人じゃ生きていけない……誰かと一緒に生きていくべきなんだって」
杏子「……」
マミ「……」
ほむら「……一人じゃなくて、良かった」
ほむら「……えぇ、あなた達と出会えて、私はとても嬉しい」
ほむら「幸せよ」ニコッ
杏子「……」
マミ「……」
杏子「ほむらの奴からこんな言葉が聞ける日が来るなんてなぁ、マミィ」
マミ「ええそうね、今日はきっと槍が降るわ」
杏子「現実に出来るぜ、それ」
ほむら「……もう……」
ほむら「……」
105 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/04(水) 06:22:29.05 ID:YGw9U2j9o
ほむら(……まどか、あなたを守ることは出来なかった)
ほむら(QBも、守ることは出来なかった、けれど)
ほむら(二人は守ることが出来た、これは紛れもなく、あなたと皆のおかげ)
ほむら(あなたに導かれる日まで、私は精一杯生きるから)
ほむら(争いばかりを繰り返す残酷な世界だけれど、それでも私は精一杯抗うから)
ほむら(だから、見守っていてちょうだい)
ほむら「大好きよ、まどかも、皆も」
ほむら「……行きましょう、見滝原に」
杏子「……おう」
マミ「……ええ」
「……」
106 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/04(水) 06:26:31.36 ID:YGw9U2j9o
QB「それで、どうして僕はここにいるのかな」
QB「どう考えても導かれる存在ではないと思ったんだけど」
QB「え?契約をして魔女になったのならそれはもう導く対象だって?」
QB「いやぁ、どうだろう、厳密に言えば僕は魔女でもなく魔法少女でもないような気がするんだけど」
QB「あ、そうだ、そういえば君に一つ聞きたいことがあるんだった」
QB「もう誰も聞いていないし、言ってもいいよね」
QB「ほむらから聞いた話だと、君はこの世界を作り替えたらしいじゃないか」
QB「確かに彼女に聞いた通り、この世界は前よりは随分とマシになったようだけれど」
QB「それでもこの世界に呪いが蔓延っているのは紛れもない事実だよね」
QB「……まぁ、神様にまでなって作り替えた世界だ、きっとこれが最善なんだろうね」
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/04(水) 06:33:03.44 ID:YGw9U2j9o
QB「きっと君はそんなことないんだろうけど、わかり易く伝えるために敢えてこの言葉を使うよ」
QB「残酷すぎた世界がちょっぴりマシになった程度で彼女たちの人生が生きやすくなった訳では無い」
QB「特にほむらなんかは、君がいなくなってしまって、ともすれば前の世界よりも遥かに汚れを溜め込みやすくなってしまっている」
QB「それでいてどうして君は、そう平気な顔をしていられるんだい?」
QB「……わっ……!危ないなぁ……剣なんか投げないでよ」
QB「どうしてそんなことが聞きたいのか?って?」
QB「そうだね、僕に心が生まれてしまったからかな」
QB「だから、頭では理解していたはずの君たちの行動がより理不尽に感じられるようになってしまった」
QB「って、所かな」
QB「……」
QB「なるほど、「信じてるから」ね」
QB「ふぅん、全く、君たちには敵わない」
QB「君たちはきっと、僕が想像しているより遥かに強い絆で結ばれているんだね」
QB「今はそれが、とっても羨ましいよ」
QB「……」
QB「そうだね」
QB「ほむらもそう思っていてくれてるなら、嬉しいな」ニコッ
108 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/04(水) 06:38:33.20 ID:YGw9U2j9o
QB「あ、彼岸花か」
QB「死体のない墓に花なんて添えても意味なんてないだろうに」
QB「彼女を止めてくれるかい?今にも僕に襲いかかってきそうじゃないか」
QB「「また会う日を楽しみに」か」
QB「うん、僕もその時を楽しみにしているよ」
QB(ねぇ、ほむら)
QB(いがみ合っていた僕達だけれど、僕に心が生まれただけでこんなに僕達は寄り添えるんだ)
QB(だからきっと、残酷な世界でも、救いも希望もない世界でも、奇跡はあるんじゃないかって、そう思うんだ)
QB(次に君に会う時は、きっと僕はもっと君たちのことを理解している)
QB(君とともに喜んで、悲しんで、笑いあって泣きあって)
QB(今よりももっと、君たちのそばまで歩み寄る)
QB(そうして、漸く君に出会った時、かける言葉は決まっている)
QB(今度はもう、嘘だなんて言わせない、掛け値なし、言うことなしの真実だ)
QB「ついに僕にも感情が芽生えたんだ」
QB「そう言える日を、僕も楽しみにしてるよ」
109 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/10/04(水) 06:40:58.57 ID:YGw9U2j9o
終わり
見てくれてありがとう
110 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/04(水) 06:42:38.96 ID:DY7iO5k80
乙
111 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/04(水) 06:54:16.68 ID:wtcipQ1VO
乙よかった
112 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/04(水) 07:08:04.37 ID:/vDjMxPoo
乙
大多数の糞の山の中にたまにこういうのがあるから辞められない
113 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/04(水) 07:59:19.36 ID:t0F/1M7mo
すばらしい
114 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/04(水) 10:10:12.15 ID:xyRU7Wpso
乙
このほむほむなら叛逆の物語に至らないと思いたいな
115 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/05(木) 23:35:35.37 ID:z//ooA+P0
乙
また改変後SSが読めるとは思わなかった
QB、お前は胸を張って円環に入っていい奴だよ
インキュベーター産の魔法少女って実は結構いたんじゃないかと思ってる
人間じゃなくてもココロがあるなら契約できるらしいから、猫の魔法少女とかもいそう
116 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/05(木) 23:46:48.00 ID:l6mHeKOvO
おつ
117 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/08(日) 17:23:11.28 ID:DAkUZ6r60
乙 いいもの読んだ
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