憲兵「………………」女提督「あの」

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1 : ◆I53lPPif0o [sage]:2017/09/13(水) 15:36:26.85 ID:Rm5zT9OHo
憲兵「ん……何であるか?」

女提督「あーいえ。憲兵さんですよね?」

憲兵「そうであるが。貴女は?」

女提督「はい! 今日からこちらの鎮守府で提督をすることになりました、女提督です! よろしくお願いします!」

憲兵「あぁ……そうでありました。話は聞いているであります。本日よりよろしくお願いするであります」

女提督「今日から護衛をしてくれるんですよね? 珍しいですよね、提督の護衛は艦娘がするのが通例ですのに」

憲兵「貴女も話は聞いているでありましょう。この呪われた鎮守府について」

女提督「あー……まぁ、はい。聞いてます」

憲兵「ここへ就任された提督殿は既に20を越えています。ですがその全てが逃げるようにこの鎮守府を去っている……それほど、ここは危険な場所であります」

女提督「最前線……その重圧に耐えられなくなる人が続出しているんですよね」

憲兵「事はそう単純では無いのであります。が、今我輩から言えることは何もないのであります」

女提督「えーと……戦争の重圧以外にも何かあるんですか?」

憲兵「………………。我輩は貴女の護衛、メンタルケア、監視を任されています」

女提督「逃げ出さないように、ですか」

憲兵「気を付けるでありますよ。ここは……魔窟でありますから」

女提督「…………分かりました。よろしくお願いします!」

憲兵「我輩からのアドバイスはただ一点……艦娘と必要以上に近付くことの無いように」

女提督「………………」

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2 : ◆I53lPPif0o [sage]:2017/09/13(水) 15:47:07.87 ID:Rm5zT9OHo
女提督「…………」

かりかり……

憲兵「…………」

コッ……コッ……コッ……コッ……

女提督「静かですね」

憲兵「ここはいつもそうでありますよ。敵深海棲艦の攻勢は激しさを増すばかりであります。それ故常に警戒を怠れんのであります」

女提督「そうなんですか。……少し寂しいですね」

憲兵「感傷には浸らぬことをオススメするであります。艦娘は兵器、感情を向けるだけ無駄であります」

かちん

女提督「……そんな言い方はないんじゃないですか?」

ふるふる

憲兵「残念ながら、真理であります。一隻が沈み、二隻が沈み。そんな毎日のなか、沈み行く艦娘全てに悲しみを抱いては貴女の心はすぐに壊れるであります」

女提督「そんな……」

憲兵「昨日話した者が明日も話せるとは限らない。故に余計なことを頭にいれることはやめた方が良い」

女提督「……私は、犠牲はなるべくなら出したくありません」

憲兵「確か……貴女は前の鎮守府で艦娘を一隻も犠牲にしなかったことで勲章を授与していたのでしたな」

女提督「あ、あれ? 知ってるんですか?」

憲兵「えぇ。そんな貴女にはここの現実は辛いでしょうが……それが現実であります」

女提督「そんな」

ブー!! ブー!!

憲兵「艦娘が帰還したようでありますな」

女提督「………………」
3 : ◆I53lPPif0o [sage]:2017/09/13(水) 16:03:01.76 ID:Rm5zT9OHo
天龍「………………」

憲兵「本日の戦果は?」

天龍「んなもん、わかんねぇよ。撃ってる奴が敵か味方かもわかんねぇんだからな」

憲兵「三隻だけでありますか」

金剛「…………デース」

村雨「……皆、沈んだわよ……叫び声が、聞こえてきたもの」

憲兵「それでは次の出撃まで自室で待機をしているのであります」

女提督「ちょ、ちょっと待ってください! あの、私は」

天龍「新しい提督……だろ? 悪いけど疲れてんだ、挨拶はいらねぇよ」

ぞろぞろ

女提督「あ、ま、待って!」

憲兵「提督殿。先ほど言ったことはお忘れではないでありますな?」

女提督「待ってください! あんな、ボロボロなのに……入渠させないと!」

憲兵「次の出撃は一時間後であります。そんな暇はないのでありますよ」

女提督「なっ……ここは私の鎮守府ですよ!? それは私が決めます!」

憲兵「……待つのであります。少しでも穴を作ればすぐに深海棲艦に押し返されるのであります。沈んだ艦娘はすぐに補充されるのでありますよ。上が望まれていることはあくまで現状維持……わかるでありますね?」

女提督「……黙りなさい。この鎮守府のことは、私が決めます」

憲兵「……まさか……貴女は艦娘のことを人間だとでも思っているのでありますか?」

女提督「私たちと同じ見た目をしていて、私たちと同じように物を考える。ほとんど人間と変わりません」

憲兵「分かっていないのでありますな……。艦娘は兵器。我々人間には対抗できない化け物に唯一対抗できる手段でしかないのであります」

女提督「私の考え方とは違うようですね」

すたすた

憲兵「………………優秀な人間が何人もここに配属され、艦娘を守ろうとし……そしてどうなったのか」

女提督「…………」

憲兵「艦娘を何隻も失い、壊れた人間。そのなかには、英雄・男提督といるのであります」

女提督「…………、……え!?」

憲兵「優秀な人でありました。艦娘と共に戦い、優秀な艦娘を増やし、いずれ世界を救うと思っていました」

女提督「し、知っています……ですが、男提督は海外に行ったと」

憲兵「いいえ。精神病院で今もなお己を傷付け続けているのであります」

女提督「……なんで貴方がそんなことを……」

憲兵「……彼は友人でありましたから」
4 : ◆I53lPPif0o [sage]:2017/09/13(水) 16:05:19.88 ID:Rm5zT9OHo
続く……
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/13(水) 16:10:49.86 ID:bIZAD6Avo
何番煎じシリアス
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