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ことり「花になろう」
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19 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:10:50.69 ID:slrjrDJf0
ガチャッ
ことり「!!」ビクゥッ!
ことりママ「あらことり」
ことり「お、お母さん…」ビクビク
ことりママ「…?なんでそんなに怯えてるの?」
ことり「あ、ううん…」
ことりママ「にしても…」チラッ
穂乃果「…あ」
ことり(お母さんと穂乃果ちゃんと目があった)
ことり(絶体絶命だと思った)
ことりママ「なんだ、穂乃果ちゃんじゃない、楽しんでいってね?」
穂乃果「はいっ!おじゃましてます!」
20 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:12:03.05 ID:slrjrDJf0
ことり「あっ…えっ…」
ことりママ「どうしたの?」
ことり「あ、ううんなんでもない!」
ことり「いこっか穂乃果ちゃん」
穂乃果「うんっ!」
スタスタスタ
ことり「…」
ことり(状況についていけなかった、どういうことなんだろう)
ことり「…」チラッ
穂乃果「?」
ことり(穂乃果ちゃんはこの世界では死人扱いのはずなのにお母さんはあたかもいつも通りのように振舞ってた)
ことり(何が起こってる?)
ことり(なんで怪しまれなかった?穂乃果ちゃんは死んでる人なんだよ?それなのに…それなのに…)
21 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:13:10.65 ID:slrjrDJf0
穂乃果「ことりちゃん?」
ことり「…ん?なぁに?」
穂乃果「さっきから難しい顔してるからさ、何かあった?」
ことり「う、ううんなんでもない!」
穂乃果「……嘘つき」ボソッ
ことり「え?」
穂乃果「ううんなんでもない」
ガチャッ
穂乃果「わー!ことりちゃんのお部屋久々に入ったなー」
ことり「えへへ、そう…だね?」
ことり(いまいち考えがまとまらず疑問形で返しちゃった、久しぶりも何も穂乃果ちゃんはあの時死んだんだから久々もクソもないよね)
ことり(穂乃果ちゃんの思考は一年前なのかな、それともパラレルワールドの穂乃果ちゃんなのかな)
ことり(分からない、けど直接聞くほどことりも無神経じゃない、ここは心の中だけに溜めておくことにする)
22 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:14:32.76 ID:slrjrDJf0
ことり「あ、飲み物持ってくるね」
穂乃果「うん!」
ガチャッ
ことり「………」
スタスタスタ
ことりママ「ことり、これ穂乃果ちゃんと食べなさい」
ことり「あ、ありがとう」
ことり(お母さんからお饅頭をもらった、やっぱりお母さんも何かおかしい)
ことり「ねえお母さん」
ことりママ「何?」
ことり「穂乃果ちゃんって…生きてるよね?」
ことりママ「何いってるの?当然じゃない」
ことり「う、うんそうだよね!」
23 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:17:05.25 ID:slrjrDJf0
ことり「あ、じゃあ去年のこの日のこと覚えてる?」
ことりママ「ええ覚えてるわよ、穂乃果ちゃんが病気から立ち直った日よね?」
ことり「!」
ことり「立ち直った…」
ことり(状況は把握できなかったけど理解にまでは至ってた)
ことり(過去が変わってる)
ことり(穂乃果ちゃんが生きてる世界になってるんだ)
ことり(どうやってそんなこと出来たの…?そもそも今思えばなんで穂乃果ちゃんがこの世界にいるの…?)
ことり(分からないよ…あの時は嬉しさのあまり焦点が当てられなかったけど今思えばおかしな話だよね…?)
ことり「……」
ことりママ「ことり?」
ことり「…あ、お饅頭ありがとう穂乃果ちゃんと食べるね」
ことりママ「ええ」
24 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:18:18.73 ID:slrjrDJf0
スタスタスタ
ことり(飲み物を取って二階へ上がった)
ことり(もう一生会えないと思ってた穂乃果ちゃんに会えたのはものすごく嬉しい、けどその裏側ではあまりにも不可解で現実離れしてて“魔法”でもないと説明がつかない超常現象に頭を悩ましてた)
ことり(きっとあの穂乃果ちゃんは本物、抱き着いた時の温もりもあの輝く瞳も穂乃果ちゃんしか持ってないモノだったから)
ことり(でもそんな本物の穂乃果ちゃんがどうして“今”ここにいるのかな)
ことり(それが分からないよ…)
ガチャッ
ことり「お待たせ穂乃果ちゃん」
穂乃果「あ、待ってたよー」
25 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:19:14.46 ID:slrjrDJf0
ことり「はい、これお母さんから食べてって」
穂乃果「わーお饅頭だ!」
ことり「うふふふっ」
ことり(でも、とりあえずは今を楽しんだ)
ことり(もしかしたらこれは夢なのかもしれない、そう思ったりすると今ある時間の中で楽しまなきゃって思うんだ)
ことり(だから、今は穂乃果ちゃんのことだけを考えて楽しんだんだ)
ことり(分からないこと全てを後回しにして…)
26 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:20:58.04 ID:slrjrDJf0
〜次の日、学校
穂乃果「おっはよーう!」
ことり(次の日、穂乃果ちゃんは何事もなく学校へ来た)
海未「おはようございます、穂乃果、ことり」
穂乃果「おはよう海未ちゃん!」
ことり「おはよう海未ちゃんっ」
ことり(そして何事もなかったかのように海未ちゃんと会話してる)
ことり(やっぱりことり以外の人は穂乃果ちゃんが死んだことを知らないみたいなんだ)
海未「宿題やってきましたか?」
穂乃果「ふっふ〜ん!昨日はことりちゃんの家に泊まったからやってきたよー!」
海未「ほう…珍しいですね」
海未「でもまぁことりが一緒にいるなら納得ですね」
穂乃果「えへへーでしょー?」
27 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:22:23.97 ID:slrjrDJf0
海未「なんでそんな自慢気なんですか!たるみすぎです!」
穂乃果「んもー…」
ことり「あはは…」
ことり(すごく見たことのある景色だった)
ことり(こうやってあの二人が言いあうのは何回も何十回も何百回も見た)
穂乃果「もー海未ちゃんになんかいってあげてよことりちゃーん!」
海未「ことりを盾にしないでください!」
ことり「ま、まぁまぁ二人とも…ねっ?」
穂乃果「はーい」
海未「まったく…」
ことり(そしてことりが二人を止めるんだ)
ことり「ふふふっ…」クスクス
ことり(こんなことするなんて久しぶりで思わず笑みが出てた)
28 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:23:56.92 ID:slrjrDJf0
穂乃果「あ、私絵里ちゃんと希ちゃんのところ行ってくるね!」
タッタッタッ!
穂乃果「じゃあ!」
海未「まったく穂乃果は…」
ことり「ふふふ」
海未「…にしても穂乃果ホントに元気ですね」
ことり「そうだねっ」
海未「一年前、病気だったのがウソみたいです」
海未「やはり穂乃果は強いのですね」クスッ
ことり「えっあ、うん…そうだね」
ことり(過去が変わってるだけに複雑な気持ちだった)
ことり(ごめん海未ちゃん、穂乃果ちゃんが強いのは否定しないけど)
ことり(ことりの元いた世界の穂乃果ちゃんは死んじゃったから…)
ことり(きっとパラレルワールドなんだよ、ここは)
29 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:25:03.02 ID:slrjrDJf0
海未「あの元気さに私たち惹かれていったのでしょうね」
ことり「うんっそうだね」
海未「一年前はホントにどうなるかと思いましたけどホントによかったですよ」アハハ
ことり「…うん」
海未「なのにまったくいつもだらしない生活で…少しは気を付けてほしいところですよ…」
ことり「う、うんそうだね…」
ことり(昨日まで穂乃果ちゃんが死んで一年だなんて悲しんでたのがウソみたいだった)
ことり(ねえ穂乃果ちゃん、どうしてこの世界では生きてるのにことりの世界では死んじゃったの?)
ことり(正直に言えばこの世界の過去なんてどうでもよかった、というか聞きたくなかった)
ことり(だってそうでしょ?例え今穂乃果ちゃんが生きてようとことりの世界の穂乃果ちゃんが死んで今に至るまでは空っぽなんだからさ)
ことり(ことりには“過去が変わってる事実”さえ知ってればどうでもよかったんだ)
30 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:26:00.18 ID:slrjrDJf0
海未「そういえばことり」
ことり「ん?何?」
海未「今日は保健委員の方で集まりがあるのでは?」
ことり「…あっ」
ことり「そ、そうだよ!どうして言ってくれなかったの海未ちゃんっ?!」ウルウル
海未「い、いや昨日言ったじゃないですか!明日忘れないでくださいよって!」
ことり「はっ…」
海未『あ、ことり!明日忘れないでくださいよー?』
ことり「そうだった…」
海未「とりあえず早くいかないと…」
ことり「う、うん!じゃあね!」
海未「はい、それでは」フリフリ
タッタッタッ!
ことり「…ん?」
ピタッ
ことり「昨日…?」
ことり(過去が変わってるなら昨日という過去も変わってるはずだと思うんだけどそこはどうなんだろう、ふと疑問に思う)
31 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:27:04.58 ID:slrjrDJf0
ことり「…ま、いっか」
ことり(集会に遅刻してるしとりあえずは後回しにした、今考えててもろくな答えなんて出てこないだろうから)
タッタッタッ
「絵里ちゃーん!!」
ことり「!」
穂乃果「絵里ちゃん絵里ちゃん!」ギューッ
絵里「わぁ…困った子ね」フフフ
穂乃果「希ちゃんにもぎゅー!」
希「まったく…大きな妹やなぁ」ナデナデ
ことり「ふふふっ穂乃果ちゃんらしいなっ」クスッ
穂乃果「えへへ〜二人とも抱き着きたくなるオーラを出してるんだもーん!」
絵里「何よ抱き着きたくなるオーラって」クスッ
希「穂乃果ちゃんは相変わらずやなぁ」
穂乃果「とーぜん!せっかく希ちゃんと絵里ちゃんっていう優しい先輩がいるんだから抱き着かないわけにはいかないでしょー?」
32 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:28:11.45 ID:slrjrDJf0
絵里「ふふふっこんなにも愛されてて幸せね」クスッ
希「そうやなぁ」
ことり「ふふっ」
ことり(穂乃果ちゃんがいるだけこうも違うんだ、そう実感した)
ことり(私とあの二人じゃきっと浅く笑いあうだけなのに穂乃果ちゃんといるあの二人はとても楽しそうだ)
ことり「…すごいな、穂乃果ちゃんは」
ことり(もし空白の一年の中で穂乃果ちゃんという太陽がいたらあの景色も日常風景だったのかな、当たり前のように見てたのかな)
ことり(分からないな…でも穂乃果ちゃんがいるだけでみんなも違ってたからやっぱり)
ことり(穂乃果ちゃんには敵わないよ)
ことり「…あ、いけない集会だった」ダダッ
33 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:29:14.67 ID:slrjrDJf0
〜昼
ことり「穂乃果ちゃん、お昼一緒に食べよ?」
穂乃果「うんっ!」
「ほっのかちゃーん!」
穂乃果「ん?」
ことり「あ、凛ちゃん」
凛「やっほー!一緒にお昼たーべよっ!」
花陽「だ、大丈夫かな?」
穂乃果「うん!全然おっけー!」
穂乃果「おーい!海未ちゃーん!海未ちゃんも一緒に食べよー!」
海未「はいっ!」
穂乃果「じゃあじゃあ屋上で食べよっ!」
凛「よーっしいっくにゃー!」
タッタッタッ
ことり「わ、待ってよー」
ことり(穂乃果ちゃんがいるだけでお昼も全然違ってた)
ことり(穂乃果ちゃんと凛ちゃんが眩しい笑顔を見せながら走っていってそれを後の三人が追う形、空白の一年と比べると賑やかすぎてなんだかな…)
34 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:30:55.40 ID:slrjrDJf0
タッタッタッ!
ガチャッ
穂乃果「ふうー!風が気持ちいいなー!」
凛「にゃー!」
ことり「はぁ…はぁ…」
花陽「疲れた…」
海未「ほんとあの二人は…」ヤレヤレ
ことり「あははは…」
ことり(その後は五人でお昼を食べた、昨日がまるで悪い夢であったと錯覚に陥ってしまうほど今日という日は明るく賑やかだった)
穂乃果「ことりちゃん!その卵焼きちょーだい!」
ことり「あ、うんいいよ」
穂乃果「あーん」
ことり「あ、あーん」
穂乃果「んっ」パクッ
穂乃果「ん〜!おいしいっ!」
35 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:32:31.44 ID:slrjrDJf0
ことり「ならよかったよ」
穂乃果「これことりちゃんの手作り?」
ことり「そうだよ」
凛「おお〜手作りなんてさっすがことりちゃーん!」
花陽「やっぱりことりちゃんはすごいね」
ことり「えへっそうかなっ?」
穂乃果「うん!そうだよっ!」
ことり「えへへありがとうみんな」
穂乃果「卵焼きくれたお礼にぎゅーっ!」
ギューッ!
ことり「わぁ…じゃあことりもぎゅー!」
穂乃果「あはははっ」
ことり「うふふふふっ」
ことり(この再度昇ってきた太陽はいつまでことりの上にいてくれるんだろう)
ことり(いつ、ことりに月のない夜が訪れるんだろう)
ことり(抱きしめ合ったこの瞬間が懐かしくて嬉しくてことりの中の全てが弾けてしまうほどに心地が良くて)
ことり(今度こそ穂乃果ちゃんを手放したくないって思ったんだ)
36 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:34:57.36 ID:slrjrDJf0
穂乃果「えへへーやっぱりことりちゃんの抱き心地はナンバーワンだよ!」
凛「おー流石みんなを抱いてる穂乃果ちゃんは言うことがすごいやー」
花陽「その言い方だと色々誤解を生むような…」アハハ
海未「わ、私を何番なのでしょうか…」
穂乃果「うーん海未ちゃんはねー…」
穂乃果「分からない!」
海未「わ、分からない?」
穂乃果「ことりちゃんが一番ってこと以外はよくわからないかなー」
海未「そ、そうですか…」
凛「ふーんじゃあ凛もことりちゃんにぎゅーっ!」
ことり「もー凛ちゃん苦しいよぉ」
凛「確かにこの抱き心地は…最高にゃ!」
凛「かよちんもきてきて!きてぎゅっとしてみてよ!」
花陽「え…で、でも…」
ことり「ふふふっいいよ花陽ちゃんおいでっ」
37 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:37:04.28 ID:slrjrDJf0
花陽「じゃあお言葉に甘えて…」
ギューッ
花陽「…あっなんだか温かい」
ことり「そ、そうなの?」
穂乃果「うんうん!なんだかは〜んって感じ!」
海未「なんですかその“は〜ん”って…」
凛「いやいやそんな感じだよ!は〜んだよ!」
花陽「は〜ん…うん、そんな感じだと思う」
海未「え、えぇ…?」
ことり「海未ちゃんもくる?」
海未「……分かりました、ぎゅっとしましょう」
ギュッー
穂乃果「どう?海未ちゃん」
海未「確かにこれは…」
海未「は〜んですね…」
穂乃果「でしょー?」
38 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:38:15.84 ID:slrjrDJf0
ことり「あはは…なんだろは〜んって…」
穂乃果「は〜んはは〜んだよっ!」
凛「そうだよっ!」
花陽「うんうん」
海未「ふふっそうですね、は〜んですね」クスッ
ことり「も、もーは〜んって何なの〜?」
ことり(こんなに盛り上がったのもいつぶりだろう、ことりが、そしてみんながこんな本当の意味で笑いあえたのっていつぶりだろう)
ことり(いつもいつも海未ちゃんや希ちゃんがことりに見せる笑顔はことりを労わるような慰めの笑顔、凛ちゃんや花陽ちゃんが見せる笑顔はことりを悲しませないようにと無理をしてる作り笑顔)
ことり(ことりはみんなの笑顔の裏に気付いてたよ、だって海未ちゃんや花陽ちゃんの笑顔ってすごくわかりやすくて、希ちゃんが見せてくれた笑顔っていうのは海未ちゃんにそっくりだったから、それは凛ちゃんも同様に)
ことり(でも今はどうだろう、みんな心から笑えてると思う、慰めの笑顔もないし作り笑顔もない)
ことり(穂乃果ちゃん一人だけでこんなに違う、月のない夜に突然太陽が現れた)
ことり(だからことりは、ただその太陽に感謝をしたんだ)
39 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:39:36.06 ID:slrjrDJf0
〜放課後
穂乃果「うへへへ…希ちゃーん」
ワシッ
希「ひゃんっ!」
希「…って穂乃果ちゃーん?ウチにワシワシをするとはいい度胸やね〜」ニコニコ
穂乃果「えっ…あっ…それはー…」ダラダラ
希「悪い子にはお仕置きが必要やね!わしわしー!!」
穂乃果「やあああああああ!!!」
絵里「何やってるのよあの二人は…」
ことり「た、楽しそうだね」アハハ
絵里「それで穂乃果、何の用かしら?」
希「ほれほれー!」
穂乃果「やー!助けてことりちゃーん!!」
ことり「え、ええ?!え、えっと…」
絵里「こらっ希」ペシッ
希「あいてっ…もーいいところなのにー」
穂乃果「がくりっ…」
40 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:41:17.25 ID:slrjrDJf0
希「これに懲りたらウチにわしわしなんてしないことやね」ニッコリ
穂乃果「うー…肝に銘じます…」
絵里「それで、もう一回言うけどどうかしたの?」
穂乃果「あーあのねっ!クレープ食べに行こうって言おうとしたの!」
絵里「クレープ?」
穂乃果「そうそう!なんか気分的にクレープ食べたくなって丁度希ちゃんと絵里ちゃんがいたからさ!」
穂乃果「そしていったら希ちゃんの無防備な後姿が…これはやるしかないと思って」
絵里「いやそこは言わなくていいわよ」
希「んー流石に警戒はしてなかったけどまさか穂乃果ちゃんに後ろを取られるなんて…」
絵里「なんかバトル漫画の模擬戦後のセリフね、それ」
穂乃果「それでいいかな?クレープ!」
絵里「え、ええまぁいいけど」
希「ウチもいいよー」
穂乃果「わーい!やったー!」
41 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:42:44.69 ID:slrjrDJf0
ことり「よかったね、穂乃果ちゃん」
穂乃果「うん!」
穂乃果「それじゃあクレープ屋さんにレッツゴー!レッツゴー!」ダッ
絵里「あっ!廊下は走っちゃダメよ穂乃果!」
穂乃果「分かってるよー!」タッタッタッ!
絵里「分かってないじゃない…」
ことり「穂乃果ちゃんらしいね…」アハハ
希「まぁとりあえずいこ?」
絵里「ええ」
ことり「うんっ」
ことり(穂乃果ちゃんがこの世界に帰ってきて初めての学校の帰りはこの四人で歩いた)
ことり(今思えばみんな小学校の頃からずっと一緒だった人達だ、小学生の頃は毎日この四人に海未ちゃんを入れて帰ってた)
ことり(今日は海未ちゃんは家の用事で早く帰っちゃったけどここに海未ちゃんがいれば、小学校の頃とまた同じだね)
42 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:44:16.30 ID:slrjrDJf0
ことり(そしてことりたちの足はクレープ屋さんに移る)
希「ほーなんか見ないうちに色々メニュー増えたねー」
絵里「そうね、バナナ雪見だいふく…ユニークね」
希「そうやねーアイスチョコなんてものもあるし」
希「穂乃果ちゃんは何にするんー?」
穂乃果「それはもちろんイチゴチョコ!」
希「おっやっぱりそれかー小さい頃から変わらんね」クスッ
穂乃果「伝統の味だからね」エッヘン
絵里「いやいやそこ威張るところじゃないわよ…」
穂乃果「えへへ…ことりちゃんは何にするの?」
ことり「んーどうしよっか、迷っちゃってて」
希「そうだよねー迷っちゃうよね」
絵里「んー私はこのバナナチョコでいいわ」
希「普通やね」
絵里「そりゃそうよ、希はこのツナアボカドでも食べてなさい」フフッ
希「もー酷いよえりちー」
43 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:45:28.73 ID:slrjrDJf0
希「じゃあウチはー…これっ!」
穂乃果「おー豪華…」
ことり「アイスティラミス…」
希「ふへへーたまにはこういうのもアリだよね」
絵里「まぁそうね」
絵里「ことりはどうする?」
ことり「うーん…そうだなー…」
ことり「うーん…うーん…」
希「迷ってるねー」クスッ
絵里「まぁことり甘いモノにはうるさいからね」フフフッ
穂乃果「ことりちゃんはこのイチゴショコラにしなよ!」
ことり「え、あ、うん!」
絵里「こら穂乃果は横やりを入れない」
穂乃果「あ、そうだよねごめんことりちゃん」
ことり「ううんいいよいいよ、どうせ決められなかったからこのイチゴショコラにするね」
絵里「いいの?」
ことり「うん、大丈夫」
44 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:46:28.73 ID:slrjrDJf0
穂乃果「よーし!けってーい!レジにいこいこ!」
絵里「もうっ穂乃果ちゃんははしゃぎすぎよ」
希「そういうえりちは堅すぎな気もするけどねー」クスクス
絵里「なんですってー?」
希「ひゃー!これが噂の鬼生徒会長やー!」
絵里「のぞみぃー!」
希「ことりちゃんウチは逃げる!クレープは頼んどいて後で取りに行くから!」ダッ
ことり「あ、うん!」
希「巫女のバイトで鍛えたウチの体力舐めるんやないでー!」
絵里「それならバレエで鍛えた私の体力舐めるんじゃないわよー!!」ダッ
絵里「待ちやがれー!!!」
希「ひええええええ!!!」
タッタッタッ…
ことり「あはは…あの二人はほんとに…」
45 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:48:00.50 ID:slrjrDJf0
穂乃果「ことりちゃーってあれ?二人は?」
ことり「鬼ごっこしにちょっと遠くに行っちゃった」
穂乃果「えー?!鬼ごっこなら私もしたかったよー!」
ことり「んー今は行かないほうがいいかも…なんて」クスッ
穂乃果「??」
穂乃果「あ、それでちょっと時間かかるって」
ことり「うん、分かった」
ことり(穂乃果ちゃんはことりが迷ってる時代わりに選んでくれる)
ことり(どうせことりじゃ選べないんだから穂乃果ちゃんが選んだ選択肢がことりの選択肢なんだ、穂乃果ちゃんがまたことりの前に現れてくれたからことりの足りないものが、欠けてたものが元通りになっていってるんだ)
穂乃果「時間かかるみたいだし座ろっか」
ことり「そうだね」
ストンッ
穂乃果「ふー…なんか歩いてるだけなのに疲れたー」
ことり「運動不足かもね」
穂乃果「どうかなー?」
46 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:49:39.03 ID:slrjrDJf0
穂乃果「…あ、あんなところに花がっ!」
ことり「ホントだ…あんな場所に咲くなんて力強いね」
穂乃果「ねっ」
ことり(公道の道沿いのコンクリートの隙間から白い花が咲いてた、その姿は弱さを感じさせないシャキっとした姿だった)
ことり「でもこんなところで咲いちゃったら…」
穂乃果「すぐ枯れちゃうかもね…」
ことり「なんか…不幸だね」
穂乃果「…まあね」
チリンチリンッ
グシャッ
ことり「…あ」
穂乃果「あっ…」
ことり(ことりの視界に自転車が入る、そして次の瞬間には視界から消える、そしてその一瞬の間で)
ことり(白い花が散った)
ことり「………」
穂乃果「………」
ことり「…あはは、そんなこともあるよ」
穂乃果「そ、そうだね」アハハ
ことり(穂乃果ちゃんの死もそうだった、それは突然すぎる出来事でまたそれはどうしようもない一瞬のことで)
ことり(考えすぎかもだけど、不思議なことにあの花には既視感を覚えてた)
47 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:52:09.07 ID:slrjrDJf0
タッタッタッ
希「はぁ…はぁ…」
ことり「あ、希ちゃん」
穂乃果「希ちゃん酷いよー!鬼ごっこするなら私も誘ってよ!」
希「いやいやそんな鬼ごっこなんてお子様の遊びをしてるわけやないんよ穂乃果ちゃん」
穂乃果「え?」
希「これは戦なんよ、死闘と書いてデスゲームって言うんよ」
穂乃果「なんかすごそうだね…」
ことり「た、大変そうだね…」
希「いやーあのポンコツ生徒会長には困ったものだよ、副生徒会長としては…」ハァ
絵里「へぇ〜ポンコツ生徒会長ねぇ…」ニッコリ
希「!!」ビクゥッ!
希「あ、えっと今のは…あはっ…あははは…」アハハ
絵里「へぇ〜副生徒会長さんがこの生徒会長である私に向かってポンコツ呼ばわりか〜」ニッコリ
絵里「うふふふ…ちょ〜っと絵里さん怒っちゃったかな〜」
穂乃果「絵里ちゃんの顔が笑ってない…」
48 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:53:00.71 ID:slrjrDJf0
希「こ、ここはワシワシで対抗や!」
絵里「一瞬で終わらせるわ!」
ワイワイガヤガヤ ワシワシ
ことり「ちょ、ちょっと二人ともここ公共の場所だよ!!」アセアセ
穂乃果「は、破廉恥だね…」
「こぉら!こんな場所でなんてことしてんのよ!」
ことり「!」
穂乃果「ん?」
希「あ、にごっぢぃ…!」
絵里「にごぉ…!」
にこ「こんな場所で胸の揉み合いなんてあんたらはプライバシーの欠片も無いの?」
希「それとこれと話が別で!」
絵里「そうよ!」
にこ「ったくあんたらは本当に頭お花畑ね…」
49 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:53:56.82 ID:slrjrDJf0
絵里「はぁ?!なんでこんなスピリチュアル野郎と一緒にされなきゃならないのよ!」
希「なんやスピリチュアル野郎って!」
絵里「そのままの意味よ!」
にこ「あーまぁ確かにスピリチュアル野郎はあってるわ」
希「にこっちまでえりちの味方して!」
希「…んまぁにこっちには揉み合える胸が無いから仕方ないかー」クスッ
にこ「!」ピキッ
希「あっちゃーのんたん意地悪しちゃったなーいやーごめんなー?」
にこ「おうおう言ってくれるじゃない、じゃあ私はあんたの胸が潰れるまで揉んでやるわよ!!」ダッ
希「うひゃっ?!また死闘かいなー!」ダッ
にこ「待ちやがれー!このスピリチュアルおっぱい野郎おおお!!!!!」
希「なんやその怪物ー?!?!」
タッタッタッ!
50 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:55:40.42 ID:slrjrDJf0
絵里「これじゃあミイラ取りがミイラになってんじゃないの…」
穂乃果「あはは…仲いいねホントに」
絵里「あれは仲が良いっていうのかしら…?」
ことり「仲良しだよっ」
ことり(突然現れたのは希ちゃんと絵里ちゃんの親友のにこちゃん)
ことり(にこちゃんは絵里ちゃんと希ちゃん関係で知り合って体は小さいけどすごく頼りがいがあって穂乃果ちゃんが死んじゃってからもことりのこと熱心に励ましてくれたりしてとっても人情深い人)
ことり(穂乃果ちゃんが死んでことりが悲しんでる時まず最初にことりを抱きしめてくれたのがにこちゃん、にこちゃんって水臭いこととか後は暗い雰囲気とか苦手みたいで最近はことりも暗いオーラ駄々洩れだったからにこちゃんと関わらずにいた)
ことり(でも穂乃果ちゃんがきて一気に雰囲気は良くなってにこちゃんも気軽に入れる輪っかが出来上がってるのだと思う、これがきっとことりと希ちゃんと絵里ちゃんだけだったらにこちゃんも入りづらかったんだろうなってすごく思うから)
穂乃果「あ、クレープ出来たみたいだから取ってくるね!」
ことり「はーい」
絵里「はぁ…ほんとこの五人だとテンション上げ要員しかいないから困るわね」
ことり「こ、ことりもテンション上げ要員なの?」
絵里「いやことりはお味噌汁でいうダシよ、ことりは唯一のまとめ役、この絶望的アホしかいないメンツの希望だから頑張って」グッ
ことり「え、えぇ…」
絵里「ここに凛とか放り込んだらもうすごいことになるわね…」
ことり「小さい頃からのメンバー集めたら色々起こりそうだね」アハハ
絵里「ホントにね」
51 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:57:00.48 ID:slrjrDJf0
穂乃果「お待たせ!」
ことり「あ、ありがとう」
絵里「ありがとう」
希「ぜぇ…ぜぇ…」
穂乃果「あ、希ちゃんはいどうぞっ」
希「あぁ…どうも…」
にこ「待ち…なさいっ…」ガクッ
絵里「やれやれ」
穂乃果「絵里ちゃんがそれをいうのはなんか違うような…」
絵里「にこもそこでくたびれてないで座りなさい、そんなに苦しいなら」
にこ「ぜぇ…くだらない理由で走るんじゃなかった…」
穂乃果「鬼ごっこなら私も混ぜてほしかったよ」
にこ「鬼ごっことかそんなお子様がやるようなものじゃないのよこれは…」
ことり「希ちゃんと同じこと言ってる…」
穂乃果「はーこんなに盛り上がるなら凛ちゃんたちも誘えばよかったなー」
にこ「誘わなかったの?」
穂乃果「凛ちゃんたちの帰り道とこっちの道が逆方向だからさ、なんか悪いじゃん?」
にこ「なるほどね」
52 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:57:51.14 ID:slrjrDJf0
穂乃果「私とことりちゃんは遠回りしてく感じだし絵里ちゃんや希ちゃんに関しては寄り道程度だし」
にこ「なんで私を呼ばなかったの?」
穂乃果「呼ぼうと思ったけど教室にいなかったからだよ」
にこ「…まぁそうよね、でもまぁ今日はちょっと用事あったし誘われても断ってたと思うけど」
希「どうせにこっちのことやからアイドルアイドルちゅっちゅーって感じやろ?」
にこ「ぶっ飛ばすわよ?」
希「やーんやめてやークレープ持ってるんやし」
ことり「…」
穂乃果「どうしたの?そんな嬉しそうな顔して」
ことり「ん?ううんなんだか微笑ましいなって」
絵里「ほら希とにこの漫才が微笑ましいってよ、ことりのお墨付きよ」
にこ「勝手に漫才化させるな!」
希「なんでやねん!」ビシッ
にこ「定石か!」ビシッ
絵里「いや漫才でしょそれ…」
53 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 22:59:06.72 ID:slrjrDJf0
穂乃果「あははははっ!」
ことり「ふふふふっ」クスクス
ことり(まだ今日が終わったわけじゃないけど、今日という一日はもう既に満足出来たくらいだよ)
ことり(ホントに面白かった、そして今思えばことりたち中学生の頃はいつもこんな時間を過ごしてたんだ)
ことり(当時は何も思わなかったけど失ってからだと痛いほど感じるよ)
ことり(あの日常がどれだけ幸せで溢れていたのかが)
ことり(この今という今を楽しんでる半面心はその痛さが染みて過去と今の違いがハッキリ目に映ってた)
にこ「大体漫才なら絵里の方が向いてるから!」
絵里「いや私はやれないしやりたくないしやらないわよ」
希「拒否の三段構えやん…」
54 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:00:34.56 ID:slrjrDJf0
穂乃果「じゃあじゃあみんな!」
希「?」
にこ「ん?」
絵里「何かしら?」
穂乃果「凛ちゃんと言ったら〜?」
のぞにこ「イエローだよおおお!」絵里「やっぱりラーメンが好きなところじゃないかしら」
穂乃果「じゃ、じゃあどんなに逃げてもずっと追いかけてくるものってなーんだ?」
希「やっぱりえりちやね」にこ「いやワシワシしようとしてるあんたでしょ」
絵里「死、かしら」
穂乃果「………」
のぞにこ「………」
穂乃果「…ぁえっとじゃあ最後におばあさんが川で洗濯をしてる時に川から何が流れてきたのでしょう?」
にこ「ももでしょ」希「ももやね」
絵里「川から流れてくるものなんてゴミくらいでしょ」
穂乃果「絵里ちゃん…」
絵里「…?何よ」
55 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:01:52.02 ID:slrjrDJf0
希「えりち、えりちは天才だよ」グッ
にこ「絵里、見直したと同時に見損なったわ」
絵里「えっ?!なにそれ?!どういうこと!」
希「自覚無し…やはりえりちはすごい人や…」
絵里「どういうことよそれ!」
にこ「あんたがお笑い体質だってことよ」
絵里「何よその不名誉な体質は!」
穂乃果「絵里ちゃんお笑い芸人になりなよ!」
絵里「ならないわよ!」
ことり「…」クスッ
ことり(ことりの目に映る光景が今と昔の違いだった)
ことり(今こうやってゲラゲラ笑いあえる環境が整ってるって思うと嬉しすぎて幸せ過ぎて舞い上がりたくなって)
ことり(でもここで舞い上がるなんて出来なくて、そんな自分の欲望を我慢してたらその欲望は思わぬ形で漏れ出した)
ことり「…」
ポロポロ…ポロポロ…
穂乃果「ん?ってことりちゃんどうしたの?!」
絵里「どうしたの?!どこか痛いの?!」
希「ごめんごめん!仲間外れにしてたわけじゃないんよ!」
にこ「そ、そうよ!ことりも大事な仲間よ?」
56 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:03:25.67 ID:slrjrDJf0
ことり「違うの…!違うの…!!」
絵里「違う!?何が違うの?!」
ことり「またっ…みんなとこうやって笑いあえるのが嬉しくて…!」
希「んん?ウチらはいつもこんな感じやん?」
絵里「違うわよ、きっと改めて身に染みたのよ」
希「おー理解があるねえりちは、そこは素直に感心やわ」
にこ「そもそもそれ当たってるの?」
ギューッ
希「寂しくなったらいつでも言ってな?ウチら親友以上の仲やん」
にこ「なにその怪しい言い方」
希「超超超ちょーう仲がいい関係って言ってほしいな〜」
絵里「そもそもずっと一緒にいるし私たち全員恋人ですっていうのも悪くはないと思うけどね」
穂乃果「ありかも!」
ことり「うん…!うんっ…!ありがとうみんな…!!」
絵里「まったく急に泣きだしたから何かと思ったわよ」
希「μ’sのウチらはずっと一緒やん?」
にこ「何よミューズって」
希「穢れなき女神たちと書いて《ミューズ》!どうやウチのネーミングセンス!」
にこ「厨二ね」
57 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:05:21.65 ID:slrjrDJf0
穂乃果「永遠フレンズとかでよくない?」
絵里「いやなんでそこ永遠にする必要あるのよ」
穂乃果「そこはご愛嬌!!」
穂乃果「…まぁとにかくこんなにもみんな優しいんだからことりちゃんが気にする必要なんて何もないんだよ」
ことり「うん…!うん!」
ことり(なんてことりは幸せなんだろう)
ことり(人生の最大の不幸が人生の最大の幸せになって帰ってくるなんて)
ことり(穂乃果ちゃんの死が不幸であり穂乃果ちゃんとの出会いが幸せであった)
ことり(ことりが泣き止んだ後も会話は弾んで気付けば帰り道は穂乃果ちゃんと二人きりだった)
スタスタスタ
ことり「今日…ごめんね」
穂乃果「泣いたやつ?」
ことり「そうそう」
穂乃果「別にいいよ、私もことりちゃんの気持ち…すごくわかるから」
58 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:07:15.79 ID:slrjrDJf0
ことり「穂乃果ちゃんも?」
穂乃果「うんっ私も同じようなこと感じてたから」
穂乃果「…時間がないから痛いほどに」ボソッ
ことり「え?」
穂乃果「ん?どうしたの?」
ことり「あ、ううんなんでもない」
ことり「あ、もうすぐお別れだね」
穂乃果「そうだね〜今日もことりちゃんの家にお泊りって流石に迷惑か」エヘヘ
ことり「あ、ううん別に」
穂乃果「ううんやっぱいいよ!ごめんことりちゃん私走るね!」
ことり「あ、う…うん」
穂乃果「じゃあね!また明日!」
ことり「また明日!」
タッタッタッ!
ことり(穂乃果ちゃんは背中を消す最後の最後まで明るい姿を見せてくれた)
ことり(そんな明るさを肌で感じてたらこの一人の時間がものすごく寂しくて自然と俯いてた)
59 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:07:58.64 ID:slrjrDJf0
ことり「…ううんダメダメ!“ことりらしく”いかないとっ!」
ことり(ことりらしく、そんな意味深な言葉を使ってことりの足を動かした)
ことり(その後は何もなかった、昨日と違う点があるっていうなら穂乃果ちゃんとメールしてたくらいかな)
ことり「ふぅ〜おやすみぃ…」
ことり(今日は色々あって疲れちゃった)
ことり(だからすぐに眠りにつけたし見てた夢もいい夢だったと思う)
ことり(寝て起きるその間は感じた限りだと一瞬だから穂乃果ちゃんがいないあの時は明日になるのがイヤでよく夜更かししてたけど今はそんな抵抗がない)
ことり(これもまた、一つの違い)
ことり(早寝早起きも、悪くはないね♪)
60 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:09:16.98 ID:slrjrDJf0
〜次の日、学校、昼
希「穂乃果軍曹!穂乃果軍曹!」
穂乃果「なんだね希隊長!」
希「お昼を一緒に共にしたいのですが!」
穂乃果「うむっ!よかろう!」
穂乃果「ことり司令部〜ことり司令部〜!」
ことり「は、はい!」
穂乃果「お昼を共にしてもらおう!」
ことり「は、はい!了解ですっ!」
海未「あなたたちは何をしているのですか…」
ことり(次の日、今日も何事もなく穂乃果ちゃんは来た)
ことり(今日穂乃果ちゃんがいることを実感するともう夢でないことに自覚を持つようになった)
ことり(そして穂乃果ちゃんが来てからは楽しいことばかりだ)
61 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:11:13.84 ID:slrjrDJf0
穂乃果「何って私たちではよくあることじゃん!」
海未「いやまぁ知ってますけど…」
希「そうだよ海未ちゃん、初めは小さい部隊だったよ…」
希「凛二等兵と希隊長の二人だけ…そこから穂乃果軍曹のおかげで絵里中将やにこ大佐…強力な仲間が増えていって…くぅ…!」
海未「なんか語りだしましたよ…」ハァ
希「えへへまぁウチらは少数精鋭部隊なんやからテンションあげてこ?」
海未「精鋭…なのでしょうか?」
穂乃果「精鋭だよ!!」
ことり「食い気味だね…」
海未「は、はぁ…そうですか…」
穂乃果「まぁいいや、そういえば絵里ちゃんは?」
希「今日はなんでも忙しいらしくてウチとなんか構ってられないって追っ払われたよ」
海未「まぁ生徒会長ですからね」
ことり「それをいうなら希ちゃんは副生徒会長だけど…?」
希「ん?あ、いや別に生徒会関係じゃないよ?生徒会ならウチもちゃんとやってるし」エッヘン
海未「そうなのですか?」
希「そうそう、まぁえりちの好きにさせてあげよ」
ことり「そうだねっ」
62 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:13:02.38 ID:slrjrDJf0
海未「じゃあ行きましょうか、屋上でも中庭でもいいので」
穂乃果「あ、待って待って一人呼びたい子がいるんだ」
ことり「呼びたい子?」
穂乃果「そうそう!ちょっと待ってて!」
タッタッタッ
海未「あ、ちょっと!」
希「行っちゃったね」
ことり「凛ちゃんとかかな?」
希「どうやろうね、名前を言わない辺り別人っぽいけど」
海未「それ外したら究極にダサい人ですよ」
希「ウチの占いは90%当たるから」ドヤ
海未「…それ占いと関係あります?」
希「ウチの心には小宇宙《コスモ》が存在してるからね、未来が見えるんよ」ニッ
海未「あっはい」
63 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:14:58.27 ID:slrjrDJf0
海未「では試しに私がこれから20秒以内にすることを予言してください」
希「海未ちゃんはこれから20秒以内に息を吸うよ」
海未「小学生ですか!」
希「強ち間違ってないやん?」
ことり「確かに…」
希「これが勝利の力《スピリチュアルパワー》やで?」
海未「一々ルビ振らなくていいですから…後それはハンドパワーのパチモンですか?」
希「パチモンとは人聞きの悪い!ウチの固有魔法やで?」
海未「そうですか…」
ことり「関心すらないし…」
希「こう見えても心理学は得意なんやけどな〜…」
海未「…じゃあそのわけわからないルビと言葉の数々も心理学の何かですか?」
希「これはウチの個性《オリジナリティー》やで?」
海未「一々ルビ振ってるのに腹が立ちますね」
ことり「あはは…」
64 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:16:43.75 ID:slrjrDJf0
穂乃果「お待たせ!」
希「お、帰ってきた」
海未「どこに行ってたのですか?」
穂乃果「えへへちょっと一年生の教室に行っててね」
ことり「一年生の教室?」
穂乃果「はい、入っていいよ」
のぞことうみ「…?」
「あ、え、えっと……」
希「おっ?」
海未「穂乃果、この方は…」
ことり「お友達?」
穂乃果「そうそう!今日知り合ったばっかりの」
穂乃果「真姫ちゃんだよっ!」
真姫「よ、よろしくお願いします」ペコリ
希「ほうほう真姫ちゃんかーウチ東條希よろしくなー」
ことり「南ことりです♪よろしくね♪」
65 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:19:40.56 ID:slrjrDJf0
海未「園田海未と申します、後そこの希はちょっと頭にお花畑が咲いてるらしいのであまり気にしないであげてください」
希「なんでや!ウチは100%…ひゃっくぱー健全やで!!」
海未「希が健全なら私は200%健全ですよ」
希「じゃあウチは300%健全や!」
海未「なら私は1000%健全ですよ!」
希「一気に桁上がったね?!」
海未「限界は超えるためにあるんです」
希「おお…名言っぽい…」
海未「ふっ…」キリッ
希「…ないわ」
海未「あぁん?!」
穂乃果「も、もう二人とも!」
ことり「あははごめん、これがアットホームな雰囲気だからもしかしたら肌に合わないかも…」
真姫「い、いえ大丈夫ですよ」
ことり「ならいいけど…」
ことり(三人の前に現れたのは穂乃果ちゃんが今日知り合ったという真姫ちゃんという子)
ことり(つり目でなんだかちょっと怖いけどすごく常識はありそうな感じがする)
ことり(まぁとりあえずこの五人で中庭でお昼を食べた)
66 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:21:07.06 ID:slrjrDJf0
穂乃果「それでそれで〜真姫ちゃんが音楽室にいてー」
希「それで出会ったと?」
穂乃果「そうそう!」
海未「へー…ピアノが出来るのですか」
真姫「は、はい少しですけど…」
穂乃果「少しじゃあんなに弾けないよ!真姫ちゃんはすごい人だよ!天才だよっ!」
真姫「うぇええ?!そ、そんな別に…普通よっ!」
海未「希希」ボソボソ
希「なんやなんや?」ボソボソ
海未「顔赤くしてますよ、真姫」
希「あぁあれは内心超嬉しがってるパターンやね」
海未「チョロいですね」
希「チョロイね」
67 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:23:00.37 ID:slrjrDJf0
ことり「希ちゃんと海未ちゃんって不思議な関係だよね…」
海未「何がですか?」
ことり「い、いやさっきのあの言い合いがウソみたいで…冗談なのは分かってるけど」
希「ウチらはああいう関係が望ましいんよ、ふざけられるときに思いっきりバカやってでも真面目な時は一心同体、海未ちゃんが死がウチの死と同義であるように協力し合うそんな仲間やろ?ウチら」
海未「ええ希にしては満点を上げたいくらいにいいことを言いますね」
希「せやろー?ちなみにテストの点数は海未ちゃんより勝ってるからな?」
海未「あ?」
希「負け惜しみべろべろべー」
海未「もしかして死にたいのですか?」ゴゴゴゴゴ
ことり「う、海未ちゃん抑えて」アセアセ
真姫「…ホントにあの人達私より先輩なんですか?」
穂乃果「う、うんそうだよ、でもすごく優しくて頼りになる人だから」
真姫「そ、そうなんですか…」
68 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:24:14.75 ID:slrjrDJf0
穂乃果「希ちゃんはいつもあんな感じだけど真面目な時は超がつくほど人が変わるよ、この中で一番頼りになる人なら絶対希ちゃんだし」
穂乃果「海未ちゃんはちょっと抜けてるところあるけどどんなことにも真摯に受け止めてくれる人だからすごく悩み事とか相談しやすいし」
穂乃果「ことりちゃんは私が一番信頼してる人だから、困ったらまずことりちゃんのところに行けばいいよ」
真姫「ことりさんのところに?」
穂乃果「うん!頼りないって思うかもだけどことりちゃんはすごい力を秘めてるからさ」
真姫「すごい力…?」
穂乃果「うんうん!もう言葉じゃ説明出来ないくらいにすごい力だよ!!」
真姫「そ、そうなんですか…」
希「いやー小さい頃の海未ちゃんはあんなに可愛かったのに…今も可愛いけど」シクシク
海未「な、なんですか急に」
希「真姫ちゃん聞いてよぉ〜ウチの独り言だと思ってぇ」
真姫「えっは、はい…」
69 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:26:13.29 ID:slrjrDJf0
希「海未ちゃんはね…小さい頃は希お姉さまなんて呼んでくれて…ホントに可愛かったのに今じゃこんな…反抗期になってしまってお姉さん悲しいよ…」シクシク
海未「なっ…!」カアアア
海未「あ、あれ一時の気に身を任せてただけで!」
希「ほらほら見てよこれ…こんな堅物が希お姉さまなんて言ってたんやで?あり得んやろ??」
真姫「そ、そうですね…」
海未「大体ですね、今と昔は違うのですよ!希が本当の姉ならまだしも違うのであれば言わなくなることも何も不思議ではありません!」
希「ぐすんっ…小学校の頃はにこっちが長女でウチが次女でえりちが三女でそれからそれから…」
穂乃果「あーあったなー懐かしい!」
ことり「ねっやったね」
真姫「小さい頃から一緒なの?」
穂乃果「そうだよ!長い付き合いの人は幼稚園から、それ以外は小学校から!」
真姫「へ、へぇー…」
穂乃果「でもこれからは真姫ちゃんも一緒だからっ!」
希「そうやで!」
海未「ですねっ!」
ことり「うん!」
70 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:27:26.33 ID:slrjrDJf0
真姫「………」ウルウル
真姫「あ、ありがとう…!」
希「いいっていいって!」
ことり(真姫ちゃんは涙目ながらに笑顔を見せてくれた)
ことり(ことりたちのこの関係は切っても切れぬ強い絆で結ばれてる、それは穂乃果ちゃんが死んでもなお続いてたと思う)
ことり(ただそんな絆も知らないうちに手を当てただけですぐに綻んでしまいそうな絆に成り下がってた)
ことり(みんながみんなを支えてたから穂乃果ちゃんが死んだとき、穂乃果ちゃんの代わりがいなくて崩れちゃったんだ)
ことり(ただね、代わりなんて世界のどこにもいないよ)
ことり(私たちの穂乃果ちゃんは穂乃果ちゃんしか務まらない、海未ちゃんは海未ちゃんしか務まらない)
ことり(穂乃果ちゃんが帰って来て二日目になるけど感じるモノはまだ懐かしさとか昔がどれだけ幸せであったかとかことりでもくどいなと思うほどにしつこく思ってるんだ)
ことり(学校の帰り道、穂乃果ちゃんと二人っきりでお話ししてた)
71 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:29:23.96 ID:slrjrDJf0
スタスタスタ
穂乃果「……」
ことり「…」
穂乃果「真姫ちゃん、どうだった?」
ことり「すごく礼儀正しくて、それにしっかりものだったなって思ったよ」
穂乃果「そっか、ならよかったよ」
ことり「どうして?」
穂乃果「ことりちゃんがイヤな思いとかしてないかなって思ってさ、急な話だったから」
ことり「そんな気持ちは全然ないよ、むしろ私たちの輪に新しい人がきて嬉しいくらい」
穂乃果「そっかそっか」
穂乃果「…真姫ちゃんね、音楽室で一人ピアノを弾いててさ」
ことり「うん」
穂乃果「私はそのピアノの演奏を終わるまでドアの窓からじっと見つめてたけど終わったときにね俯いて悲しそうな顔をしててね」
穂乃果「私、それみただけで分かったんだ」
ことり「分かった?」
穂乃果「この子、独りぼっちなんだって」
ことり「!」
72 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:31:06.36 ID:slrjrDJf0
穂乃果「だから私が手を差し伸べなきゃって思って真姫ちゃんと知り合ってみんなのところに呼んだんだ」
ことり「…そっか」
ことり「………」
ことり(ことりもその穂乃果ちゃんの優しさに救われた)
ことり(穂乃果ちゃんがこんな何も出来ないことりを引っ張ってくれて今ことりが希ちゃんや絵里ちゃんなんかがいるあの輪に入れてることが奇跡でしかなかった)
ことり(絵里ちゃんが言ってたでしょ?ことりは唯一のまとめ役、この絶望的アホしかいないメンツの希望だって)
絵里『いやことりはお味噌汁でいうダシよ、ことりは唯一のまとめ役、この絶望的アホしかいないメンツの希望だから頑張って』グッ
ことり(絵里ちゃんにそんなつもりはないのは知ってるけどことり的にはただあの輪にしては異色の存在だ、と言われてるように感じた)
ことり(穂乃果ちゃんがいなかったらことりはあの輪にはいなかった、だってことりはみんなみたいにツッコミを入れることもボケを挟むことも出来ない、いうなればみんなのノリについていけない人だから)
ことり(絵里ちゃんのいうように私はみんなとは違う存在だったから)
ことり(だから余計に穂乃果ちゃんの優しさは“痛かった”)
ことり(長いこと感じていなかったその優しさはあまりにも鋭すぎる優しさだった、優しさに触れてるはずなのに痛みを感じるなんておかしな話だよね)
73 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:32:44.86 ID:slrjrDJf0
ことり(でもこの優しさはことりを救ってくれた時感じた優しさによく似てたから…また…)
ことり「………」
ポロポロポロ…
穂乃果「もう、ことりちゃんは泣き虫なんだからっ……」
ギューッ
ことり「うぅ…穂乃果ちゃあぁ…!!」
穂乃果「ことりちゃんは笑顔が可愛い人なんだから、笑顔でいようよ?」
ことり「ふぇええええええええええん!!」
穂乃果「あはは…」
ことり(感情が抑えきれなかった、今まで心の内に溜め込んだ感情にブレーキが無くて、あったとしても効かなくてとにかく涙が止まらなかった)
穂乃果「ほらほら泣かない泣かない、私はここにいるから」ヨシヨシ
ことり「ぐすっ…ひぐっ…」
穂乃果「よくわからないけどことりちゃんは色々溜め込みすぎだよ、私だけじゃなくて希ちゃんや海未ちゃんとかだっているんだからさっ」
ことり「そうだけど…そうだけどぉ…!」
穂乃果「もうっ泣かない、それ以上泣いちゃうとことりちゃんを置いてっちゃうぞ」
ことり「!」
ことり「な、泣き止むから、ま、待って…」グズグズ
穂乃果「ふふふっうんうん分かった分かった」クスッ
74 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:34:39.71 ID:slrjrDJf0
穂乃果「…でもまぁね、ことりちゃんが泣いた理由さっなんとなく分かるよ」
ことり「えっ…?」
穂乃果「過去、思い出しちゃったんでしょ?真姫ちゃんとことりちゃんが似てたから」
ことり「う、うん…」
穂乃果「やっぱり…今思えばことりちゃんの時もよく似てたね」
ことり「…」
穂乃果「でも、あの時は真姫ちゃんの時よりもっともっと運命的だったよね」
ことり「そう…かな…?」
穂乃果「そうだよ、道端で迷子のことりちゃんを私が見つけて、でも結局私も一緒に迷子になっちゃって夜遅くまで近くにあった公園で野宿したよね」
ことり「…あはは、あの時はね」
75 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:35:41.70 ID:slrjrDJf0
穂乃果「…私、すごく思うんだ」
ことり「何が?」
穂乃果「例えばの話をしない?」
ことり「例えばの話…?」
ビュンッ!
ことり「きゃっ?!」
ことり(突然ことりと穂乃果ちゃんの周りに突風が吹いた、思わず両の腕で顔を隠し目を瞑った)
ことり(そして少し経つとなんだろう、とても甘い香りがした)
ことり(身体に何かが当たってる感触もする、だけど風が止むまで目を開かなかった)
76 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:36:39.85 ID:slrjrDJf0
ことり「んん…?」
ことり「!」
ことり(そして目を開くとどうだろうか、地平線の彼方、無限に広がる花園に目先数十mの地点には湖があった)
ことり(穂乃果ちゃんはその湖の近くで黄昏てた、湖の先、白い花が咲く一面を見てた)
ことり「穂乃果ちゃん!」
穂乃果「ことりちゃん」
ことり「ここって…ここはどこなの?!」
穂乃果「…ここはどこでもないよ」
ことり「どこでもない…?」
穂乃果「それより例えばの話をしようよ」
ヒラヒラヒラ
ことり「!」
ことり(ふとことりが触れたものに意識を向けるとこのお花畑は赤い花びらが舞ってるのに気が付いた)
77 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:38:15.60 ID:slrjrDJf0
穂乃果「よいしょっ」
ことり「穂乃果ちゃん…?」
穂乃果「今、この何百、何千とある花びらの中で掴んだこの一つの花びら」
穂乃果「これがことりちゃんだよ!」
ことり「それが私…?」
穂乃果「私とことりちゃんが出逢えたのはホントに奇跡だったんだよ、この花びらに、いやことりちゃんに出逢えたことが私の一番の幸せだよ!!」
ことり「!」
穂乃果「こんな数えきれない花びらがあるのにそんな中で私がことりちゃんという花びらを掴んだ、それってホントに夢みたいな出来事だと思わない?!」
穂乃果「何千、何億といる人の中で何十、何百とある国の中更に、何百、何千とある地域の中、そしてそして偶然という必然が重なって出来た私とことりちゃんの出逢い!」
穂乃果「これってキセキでしょ?!誰が何と言おうとそれをバカにすることなんて出来ないでしょ?!」
穂乃果「だからことりちゃんは一生忘れないでほしいんだ!」
78 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:38:56.47 ID:slrjrDJf0
穂乃果「穂乃果が一番大切してるのはことりちゃんだってこと!!!」
79 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:39:56.28 ID:slrjrDJf0
ことり「!!!」ウルウル
ことり(穂乃果ちゃんの瞳はまたしても輝いてた)
ことり(ことりの瞳はその輝きに反射し輝きを宿してた)
ことり(そして穂乃果ちゃんが“その言葉“を言った瞬間、地面に咲く花が花びらに変わっていった)
穂乃果「だからもう泣かないで!」
穂乃果「ことりちゃんは笑顔が一番だからっ!」ニコッ
ことり「うぅ…ううっ穂乃果ちゃん!」ダッ
タッタッタッ!
ことり(ことりは穂乃果ちゃんに向かって全力疾走をした)
穂乃果「ねえことりちゃーん!」
ことり(そんな中穂乃果ちゃんがこんなことを言ったんだ)
穂乃果「これだけは覚えといて」
穂乃果「今ここで起こってることは夢なんかじゃないよ」
ことり(穂乃果ちゃんがその言葉を言い終えた瞬間にことりの視界は)
ことり(暗転した)
80 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:41:19.84 ID:slrjrDJf0
ことり「はっ…!」バサッ
ことり「…」キョロキョロ
ことり「…家だ」
ことり(目覚めたら家だった、しかも外を見る限り朝だった)
ことり「…夢?」
ことり(あの、お花畑の出来事から今に至るまでの記憶がない)
穂乃果『今ここで起こってることは夢なんかじゃないよ』
ことり「いや…夢じゃないのかな」
ことり(穂乃果ちゃんは言った、あれは夢じゃないと)
ことり(当時考えても、今考えてもあそこは謎だらけの世界だった)
ことり(ただあれが夢じゃないっていうならあそこで平然としてた穂乃果ちゃんはなんなんだろう、疑問に思う)
ことり(よく分からない…けどあまり驚きはしなかった)
ことり(あそこにいたのが穂乃果ちゃんだったから、穂乃果ちゃんだから何が出来ても全然驚かないよ)
81 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:42:27.39 ID:slrjrDJf0
穂乃果『私とことりちゃんが出逢えたのはホントに奇跡だったんだよ、この花びらに、いやことりちゃんに出逢えたことが私の一番の幸せだよ!!』
ことり「ふふふっ」
ことり(穂乃果ちゃんのあの言葉が今も心の中をクルクルと回ってる)
ことり(あの言葉が一生ことりの宝物になるのをこの胸に秘めて確信した)
ことり「!」
ことり「そ、そうだ穂乃果ちゃんは…!」
ピッピッピッ
ことり(穂乃果ちゃんとのメールのやり取りを確認した、夢ってそもそも今までの穂乃果ちゃんの出逢いさえも夢なんじゃないかって思って焦りだした)
ことり「…ある」
ことり「よかった〜…」ホッ
ことり「…行かなきゃ」
ことり(あの穂乃果ちゃんの言葉で胸が弾んだ)
ことり(あの言葉一つで清々しい朝になった、朝ごはんを食べて笑顔を振りまきながら走って学校へ向かった)
82 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:43:39.58 ID:slrjrDJf0
「こっとりちゃーん!」
ことり「!」
ことり「穂乃果ちゃん!」
穂乃果「やーやー!朝から元気だねー!」
ことり「それは穂乃果ちゃんもねっ」クスッ
穂乃果「うふふっまぁ元気にやっていかないとね」
ことり(そろそろ感じなくなったよ)
ことり(穂乃果ちゃんが死んだ時の、そして後のお話)
ことり(あの言葉一つでこんなにも胸がときめいてたから今はイヤなこと、何も感じない)
ことり(だから思いっきり走った、この気持ちを胸も内側だけに止めとくなんてもったいなくてただ今は)
ことり(私の心の中から何かが弾けだしそうなくらいに幸せが溢れてたんだ)
83 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:45:42.41 ID:slrjrDJf0
〜その後、学校
穂乃果「文化祭?!」
絵里「違う違う、文化祭じゃなくて音ノ木坂のお祭りみたいなものよ」
ことり「去年そんなのあったっけ?」
希「えりちがもっと音ノ木坂には熱気が必要だって理事長に提案したんやって」
にこ「熱気ぃ…?あんた何企んでんのよ」
絵里「いやー…私はただわいわい盛り上がりたいなって…」
にこ「うわー…陽キャの鑑じゃない」
希「違う違う、えりちは陽キャじゃなくてポンキャや」
にこ「あぁ…まぁ確かにそうね」
絵里「何よポンキャって」
海未「まぁ…そうですねポンキャですね」
ことり「あははは…」
84 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:46:32.34 ID:slrjrDJf0
穂乃果「絵里ちゃんは賢い可愛い」
絵里「えりーちか!」
希「えっ…」
海未「絵里…?」
絵里「……あ、えっち、違うのよ!口が勝手に動いたのよ!」
にこ「そう…」
穂乃果「絵里ちゃんはやっぱり可愛いね〜」
ことり「そ、そうだね」アハハ
絵里「んむぅ…もういいわよ話を戻すわよ?」
希「戻したいの間違いじゃない?」クスクス
絵里「やかましい!!」
海未「ふっ…」
85 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:47:41.01 ID:slrjrDJf0
絵里「まぁ文化祭と差別化はするけどやることは文化祭とほぼ変わらないわ」
絵里「各クラスでお店出したり体育館で見せ物見せたりとかそんな感じよ」
ことり「気分は文化祭でやればいいんだねっ」
穂乃果「だねっ!」
海未「そういえばこの前クラスで話し合いがありましたね」
絵里「ええ、今は何をやるか決めて準備をする頃なの」
絵里「だからこれからは祭りに備えて各クラスで色々やると思うわ」
穂乃果「へー」
ことり「そっか」
希「そっかー祭りかー楽しみやなぁ」
にこ「ここはにこの魅力でお客さん呼んじゃうよ〜!」
希「うーん10点」
にこ「ぬぁんでよ!」
86 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:49:09.91 ID:slrjrDJf0
絵里「それでなんだけど…」
ことり「?」
絵里「今日ここに集まってもらったのはもちろん本件が他にあってね」
穂乃果「なになに?」
希「ここで明らかになるえりちの野望《インサイド》…」
絵里「それはね…」
絵里「私たちで何か出し物をしない?」
にこ「はぁ?出し物?」
絵里「そう、凛と花陽も入れてやりたいの」
海未「出し物ですか…して何か案でも?」
絵里「いや特に決めてないの、というか私だけで決めちゃまずいかなって」
希「なるほどなー」
にこ「王道的には劇よね」
ことり「劇かー」
海未「劇…私たちだけじゃ絶対に完成度が高い劇は出来ないと思うのですが…」
絵里「まぁ劇じゃなくてもなんでもいいの、とりあえず私たちで楽しめる出し物をしたいの」
穂乃果「楽しめるもの…か」
87 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:50:26.00 ID:slrjrDJf0
希「マジックとかどう?」
にこ「それ私たちいる?」
希「人を使ったマジックみたいな?」
ことり「お金とかかからないかな?」
希「うーん…確かにそう言われるとキツイかもなぁ」
絵里「無理しない程度で行きましょう?」
希「そうやねぇ…」
海未「無理しない程度で私たちが楽しめるもの…劇しかないのでは?」
ことり「うーん確かにそうだね」
絵里「じゃあ劇をやるってことで話を進める?」
穂乃果「待って!」
絵里「ん?どうしたの?」
穂乃果「あるよ!みんなで出来る最高の出し物!」
にこ「なによ」
88 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:51:47.83 ID:slrjrDJf0
穂乃果「ライブだよ!ライブ!」
ことり「ライブ?」
穂乃果「ダンスと歌!アイドルみたいなものだよ!」
海未「あ、アイドル?!」
希「面白そうやね!」
絵里「でも歌はどうするのよ」
穂乃果「真姫ちゃんだよ!真姫ちゃんなら作曲出来る!」
絵里「真姫?」
にこ「誰?」
希「あ、そっかえりちとにこっちは知らないんだっけ」
海未「確かに真姫なら可能…かもしれませんね」
ことり「真姫ちゃんは昨日知り合ったお友達だよっ穂乃果ちゃんが連れてきてね」
穂乃果「そうそう!」
絵里「ふむ…まぁ確かに作曲出来るならアリかもしれないわね」
89 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:52:58.44 ID:slrjrDJf0
にこ「ダンスは?」
絵里「振り付け程度なら出来るわよ」
希「流石えりち!よっ!生徒会長!」
絵里「でしょ?」フフッ
にこ「調子いいわね…」
にこ「それで衣装は?」
ことり「衣装は私に任せて!曲にあった最高のやつ用意するよ♪」
穂乃果「よーしっ!そうと決まれば早速真姫ちゃんに相談だーっ!」ダッ
ガチャッ!
タッタッタッ!
海未「ちょ、ちょっと穂乃果!」
絵里「相変わらず穂乃果は行動が早いわね」クスッ
希「ウチらの先導役やからなぁ」
90 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:54:05.43 ID:slrjrDJf0
海未「はぁ…というか私はアイドルなんてしませんよ?!」
にこ「は?なんでよ」
海未「だ、だってアイドルなんて恥ずかしいですし…」
希「いやいや小学校の頃にやった漫才に比べたら微々たるものやろ?」
海未「や、やめてくださいもう思い出したくないんです!」
希「みんなのハートを打ち抜くぞ〜♪」
希「ラブアローシュート!!」バァン
海未「うわあああああああああああ?!?!」ガタガタ
絵里「ちょっと海未!」
ことり「あははは…海未ちゃん昔は結構やんちゃだったからね…」
にこ「ここが生徒会室でよかったわね…」
91 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:55:50.20 ID:slrjrDJf0
ことり「よしよし…」ナデナデ
海未「うぅ…」
希「そんな角で頭抑えるほどなんか…」
絵里「悪いけど海未は強制参加だからね」
にこ「慈悲も容赦もないわね…」
海未「そんなぁ…!」
海未「ことりぃ…助けてくださいよぉ…!」
ことり「海未ちゃん…」
ことり「ファイトだよっ」
海未「うわあああああ!!」
にこ「やれやれ…」
希「海未ちゃんの破廉恥センサーは効き目がすごいからなぁ」
ことり「アイドルなんて面白そうじゃん!出来るかもしれないのにやらない手はないよ!」
絵里「その通りよ海未、凛や花陽を含めた私たちが集まるのは今日一年しかないんだからその間に思いっきり輝きたいでしょ?」
希「うむっえりちの言う通りだよ」
92 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:57:20.88 ID:slrjrDJf0
海未「ううううぅ…」
にこ「唸り始めたわよ」
希「今海未ちゃんは自分と戦ってるんよ、そう聖戦《ジハード》や!」
ことり「海未ちゃん頑張って!」
絵里「何の応援よ…」
トントン
絵里「あ、はーいどうぞ」
花陽「おじゃまします」
凛「おっじゃまー!」
にこ「りんぱなじゃない」
絵里「その呼び方はやめなさい」
花陽「面白そうなことするんだねっ」
絵里「ええそうよ」
ことり「真姫ちゃんはなんだって?」
花陽「いいけど歌詞がないと作れないって言ってた、でも穂乃果ちゃんはそのことより協力してくれることが嬉しかったみたいで真姫ちゃんにぎゅーってしてたよ」
希「おー協力してくれるんか、よかったよかった」
93 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/12(火) 23:58:54.97 ID:slrjrDJf0
にこ「それで歌詞ってどうするの?」
絵里「歌詞と言えば…」チラッ
海未「…な、なんですか?!」
希「やっぱ歌詞と言ったら海未ちゃんだよね〜」ニッコリ
花陽「詩…とか小さい時よく読んでたもんね」
絵里「海未」
海未「な、なんでしょう…」
絵里「ますますしない理由が無くなったわね、もう諦めなさい」
絵里「これは生徒会会長の命令よ」
にこ「職権乱用もいいとこね…」
希「いや職権乱用に分類されるんかそれ…」
94 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:00:13.05 ID:Ohmi38x40
凛「頑張ってねー」
海未「何を…そんな他人事みたいに…!」
凛「だってアイドル、凛はやらないもん」
にこ「は?」
絵里「は?」
海未「は?」
花陽「は?」
凛「えっ…いや凛はやらないよ?知ってるでしょ?凛がみんなが着てるような服が着れないことくらい」
希「いやいや何を言ってるん?やるやらないの問題じゃないんよ、やるしかないんよ」
ことり「そ、そうだよ凛ちゃんもアイドルやろ?」
凛「い、いや…」
花陽「どうして!凛ちゃんは可愛いじゃん!可愛いからアイドルしてもいいんだよ!」
花陽「私みたいな人がしていいのかは分からないけど凛ちゃんはちゃんとやる権利があるんだから!」
凛「い、いやかよちんの方が可愛いよ…」
95 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:02:15.39 ID:Ohmi38x40
にこ「そういう問題じゃないでしょ」
絵里「そうよ」
海未「そうですよ!」
希「海未ちゃん、開き直ってやろうとしない凛ちゃんに口出ししてるやん…」
ことり「あはは…」
花陽「やろうよ!凛ちゃん!」
ギュッ
花陽「絶対楽しいから!こんな私でもやりたいって思えるんだから!」
希「そうやで!ウチらがついてるから!」
ことり「うんうんっ!」
海未「そうですよ!」
凛「…やだっ!凛は見てる方がいい!」ダッ
ガチャッ!
タッタッタッ!
にこ「あ、ちょっと!」
絵里「困ったわね…」
希「んまぁ当然と言えば当然かもしれないけどね」
ことり「そうだね…なんせ凛ちゃんは可愛いって言われるのが好きじゃないもんね…」
花陽「凛ちゃん…」
96 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:04:02.33 ID:Ohmi38x40
ガチャッ!
穂乃果「みんな!」
海未「穂乃果」
絵里「おかえりなさい」
穂乃果「なんか凛ちゃんがすごい勢いで走ってったけどなんかあったの?」
にこ「まぁ…察せられるでしょ?」
花陽「凛ちゃん可愛い服苦手だから…」
穂乃果「やっぱり…」
真姫「どうしたの?」
穂乃果「まぁちょっと身内でちょっとあってね」
絵里「その子が真姫?」
真姫「せ、生徒会長…」
絵里「あ、生徒会長だからそんないつもと違う対応とかはしなくていいのよ?私たちはアットホームな関係でありたいからね」
希「おーこのえりちは賢いわー」
絵里「いつだって賢いわよ?」フフッ
希「……賢くないわ」
97 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:05:55.89 ID:Ohmi38x40
絵里「それで曲を作ってくれると聞いてるのだけど」
真姫「は、はい歌詞さえあれば…」
希「大丈夫やで!歌詞を書いてくれる人がここにはいるから!」
ことり「じーっ」
海未「な、なんですか!」
にこ「この人が書いてくれるから作曲の方をお願い」
真姫「わ、分かりました」
穂乃果「あ、というかにこちゃん絵里ちゃんとか後花陽ちゃんも初対面だから簡単に自己紹介してよ!」
にこ「矢澤にこ、よろしくね」
絵里「絢瀬絵里よ、さっき言った通り生徒会長をしてるのだけどもっといつもの感じで接していいからね?」
花陽「小泉花陽ですっ一応真姫さんと同じクラスなんだけどよろしくねっ」
真姫「西木野真姫です、えっと…よろしくお願いします」
穂乃果「もー真姫ちゃんはもっといつもの感じでいいんだよ?後さんじゃなくてちゃん付けとか!」
穂乃果「花陽ちゃんもそうだよ!これからいっぱい関わるんだから真姫さんじゃなくて真姫ちゃんでいかないと!」
花陽「う、うん!真姫ちゃんっ!」
98 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:07:08.68 ID:Ohmi38x40
絵里「じゃあ私は真姫、馴れ馴れしいかもって思うけどごめんね」
真姫「い、いえ」
にこ「じゃあ私も真姫ちゃんで」
絵里「私たちのことはなんて読んでくれるのかしら?」
真姫「絵里…さんで」
絵里「それはダメよ」
希「そうやで?」
真姫「で、でも…」
絵里「いいから」
真姫「…絵里」
絵里「はいっよくいえました♪」
海未「子供をあやしてる時みたいですね…」
ことり「絵里ちゃん気を遣うのあんまり好きじゃないもんね」
にこ「くそ不器用な女だからねぇ…」
花陽「それはいいすぎじゃ…」
99 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:08:20.85 ID:Ohmi38x40
穂乃果「よしっ!じゃあ早速取りかかろう!」
海未「…ん?そういえばその音ノ木坂祭りはいつでしたっけ?」
絵里「えっとー約二週間後かしら、12日後よ」
海未「はぁ?!二週間で曲を完成させてダンス覚えて歌を歌えるようにしないといけないのですか?!」
絵里「ダンスは簡単でいいわ、それより必要なのは踊りきる体力とチームワークよ」
真姫「つ、ついでにいえばちゃんと人に聞かせられるレベルの歌唱力も必要…だと思います」
穂乃果「おーそれぞれ特化した人がいるからなんか困らなそうだね」
海未「楽観的すぎます!」
にこ「衣装は大丈夫なの?大変なら制服でもいい感じはあるけど」
希「ねっお金もかかるしすごく大変だし」
ことり「ううん大丈夫!せっかくの機会に遠慮なんていらないよっ!」
希「おっことりちゃんやる気やね!」
ことり「当然!」
ことり(これからに対して期待で胸がいっぱいだった)
ことり(再びみんなで何かが出来る喜び、これを感じれただけでことりは舞い上がりそうなくらいに心が弾んでた)
100 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/13(水) 00:09:24.06 ID:6vhRvmwSO
次回につづく
101 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:10:01.55 ID:Ohmi38x40
穂乃果「じゃあとりあえずこれからどうすればいいのかな?」
花陽「曲を作ることからかな?」
真姫「歌詞がないと作れないから海未…にお願いするわ」
希「おっタメ口になってきてる」
絵里「これからの変化に期待ね」
真姫「い、一々言わないでください!」カアアア
希「ほらー戻っちゃったじゃん」
絵里「なんで私の方みて言うのよ」
希「えりちが悪いからだよ」
絵里「は?」
にこ「はいはいストップ、海未、あんたから始まるから歌詞頼んだわよ?」
海未「は、はい…」
花陽「が、頑張ってね」
絵里「困ったことがあったらなんでもいうのよ?」
希「そうやで?」
真姫「む、無理はしないように…」
海未「はい……」
102 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:10:57.84 ID:Ohmi38x40
〜その後、教室
海未「はあああ…」
ことり「あはは…やっぱり作詞は難しい?」
海未「難しいどころじゃないですよ…何を書けばいいのかまったく分かりません…」
穂乃果「ならみんなに言えばよかったじゃーん」
海未「あ、あんな期待の眼差しを向けられたら言うにも言い出せないでしょう!!」
ことり「海未ちゃん、小さいときから控えめだったもんね」
穂乃果「成長して弱気は直ったと思ったんだけどやっぱりまだふりきれてないんだね…」
海未「うぅ…」
103 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:12:01.19 ID:Ohmi38x40
ことり「よしっここは私たち三人で考えよう?」
穂乃果「うんっ!そうだね!」
海未「ことり…穂乃果…!」
ことり「困ったときはお互い様だもんねっ」
海未「ありがとうございます…!本当に…本当に…!!」
穂乃果「それでだけど……」
キーンコーンカーンコーン
穂乃果「結局なにも決まってないじゃん!」
ことり「お昼になっても何も決まってないなんて…」
海未「やっぱり作詞なんて無理ですよぉ!」
穂乃果「諦めたらそこで終わりだよ!」
ことり「そうだよ!」
104 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:13:55.62 ID:Ohmi38x40
海未「うぅ…ですがぁ…!」
穂乃果「うーんどうしよっか」
ことり「テーマとか決めた方がいいんじゃない?」
海未「テーマ…うーん…」
穂乃果「やっぱりさ、こう…なんていうか自分の気持ちを歌詞にしたらいいんじゃないかな?」
海未「自分の気持ちを…うーん…」
ことり「なんか簡単そうで難しいね…」
穂乃果「そっかなー?」
海未「穂乃果は何か案でも?」
穂乃果「ん?いやーせっかくみんなの前で披露するなら盛り上がれる歌がいいなって」
海未「なるほど…確かにしんみりしたようなものでは盛り上げに欠けるかもしれませんね」
ことり「いいね!盛り上がれる曲!」
穂乃果「でしょー?」
海未「ですがテーマを決めたらますます何を書けばいいか…」
穂乃果「んもーそれじゃあ一生作れないじゃん!」
海未「仕方ないでしょう!」
105 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:15:09.63 ID:Ohmi38x40
ことり「とりあえずお昼にしよっか?早くしないと終わっちゃうし」
海未「そうですね」
穂乃果「はーい」
スタスタスタ
ことり(昼、曲の歌詞を三人で考えてた)
ことり(歌詞って聞いて簡単なんじゃない?って思う人いるかもしれないけどこれが案外難しくてね、そもそも曲の方向性が決まってないし決まったとしてどんな言葉を使えばいいのか全然分からないんだ)
ことり(結果、歌詞作りは難航中だった)
ことり(昼が終わり放課後になっても歌詞作りに進行はほとんど見受けられなかった)
ことり(ただ、難航中なのは歌詞作りだけじゃないんだ)
106 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:16:04.26 ID:Ohmi38x40
花陽「凛ちゃん!」
凛「いやいやいや!」
希「もー…強情やなぁ…」
ことり「凛ちゃん…」
絵里「凛、お願いよ…こういう機会じゃないと私たち、一緒に何かが出来ないのよ…」
絵里「この音ノ木坂という、高校生という場所でしか私たち一緒が出来ないのよ…」
凛「い、いや…凛はそんなアイドルなんて似合わないから…」
希「似合うどうこうの問題じゃないんよ、やりたいんよウチら」
絵里「その通りよ、みんなでやりたいの」
凛「凛は…いい…」
絵里「んーもう!」
希「えりちイライラしちゃダメだよ」
絵里「分かってるって…!」
希「イライラしてるやん…」
ことり(凛ちゃんが頑なにことりたちのしようとしてることに参加しようとしなかった)
107 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:16:52.69 ID:Ohmi38x40
ことり(凛ちゃんは昔っからそうだった、女の子らしい服は着ないし女の子らしいこともしなかった)
ことり(昔っから男の子みたいだねって言われそしてバカにされ続けて自分が女の子のその一人だっていうことに抵抗を持っちゃったんだ)
ことり(小学校低学年以来凛ちゃんがスカートを穿いたのを見たことがない、ことり的には凛ちゃんがそれでいいならことりは何も言わないようにしてた)
ことり(だってことりが人の都合にあれこれいうことなんて出来ないから、ことりが望むのはいつだってみんなが笑いあえる平和だから)
ことり(でも、ことりがそんなこと思ってる今にその平和は消え去ろうとしてた)
花陽「凛ちゃん!」
凛「何さっ!凛には似合わないの!」
凛「そんなにやりたきゃ凛以外の人誘ってやってよ!!」
ことり「り、凛ちゃん…」
希「んー…」
花陽「みんなでやるんだから凛ちゃんも一緒がいいんだよ…」
108 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:18:09.26 ID:Ohmi38x40
絵里「…凛」
凛「…何?」
絵里「凛、お願いよ…みんなでやりたいのよ…」
凛「…やだ」
絵里「どうして…?!なんでなの?」
凛「凛には似合わない、凛がやることじゃない」
希「そんな凛ちゃんだからこそじゃん?」
ことり「そうだよ!」
凛「違う、凛は…出来ないしやらない」
バンッ!
凛「?!」ピクッ
絵里「こっちは…こっちは…」プルプル
ことり「え、絵里ちゃん…?」
絵里「こうやってみんなで立てるステージは最後になるかもしれないのに!それなのに一人でも欠けちゃ意味がないのよ!」
109 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:19:58.63 ID:Ohmi38x40
絵里「希だって!花陽だって!ことりだって!!」
絵里「やるのは今じゃなきゃいけないの!このみんなが当たり前のように集まれる今が好きだから今やりたいの!」
絵里「だから凛がどうであれ参加は絶対なのッ!!!いい?!」
凛「…!」ウルウル
凛「ひぐっ…うぅ…うわああああああああああん!!」ダッ
希「あ、凛ちゃん!」
希「もーえりち言い過ぎ!凛ちゃんにだって事情があるんだからそんな直球に言っても何のためにもならないよ!」
絵里「だ、だって仕方ないじゃない!」
希「仕方ないにしても不器用すぎるんよ!えりちは自分の気持ちだけでぶつかりすぎなんよ!」
希「もっと考えて口に出してや!!」
絵里「じゃあどうしろって言うのよ!」
花陽「ふ、二人とも…」
ことり(絵里ちゃんはすごく聡明で高校の時だけじゃない、中学の時も生徒会長をしたし小学生の時は学級委員長をしてた)
ことり(それだけ頭がいいし人格も優れてるし何より優しい)
ことり(けど絵里ちゃんは致命的に不器用だ)
110 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:20:59.08 ID:Ohmi38x40
ことり(まるでそれ以外が優れてるからそれだけが弱点であったかのように、それは良くも悪くも接し方に難があり言葉を選べない)
ことり(それに対して希ちゃんは人の気持ちを大切にする人、絵里ちゃんももちろん大切にはするけどそれに対しての反応が希ちゃんとは大分違う)
ことり(希ちゃんの温かい気持ちがあって絵里ちゃんの優れた計画性があってこそ二人の良さが出てくる、それは誰と誰を組み合わせても同じこと)
ことり(希ちゃんの優しさは誰かの行き過ぎた行動にブレーキをかけてくれたり絵里ちゃんの計画性は誰もが認めるものすごい未来を作ってくれる)
ことり(ただそれは隣に“誰か”がいないと発揮できないチカラ)
ことり(希ちゃんの優しさっていうのは常に独りじゃ生まれない、絵里ちゃんの計画性は誰かのためじゃないと生まれない)
ことり(ことりたちっていうのは独りじゃ輝けない、ことりだって海未ちゃんだって)
ことり(穂乃果ちゃんだって)
にこ「あんたたち何やってるのよ…」
ことり「あ、にこちゃん…」
にこ「花陽、凛を早く追いなさい」
花陽「あ、うん!」
ことり「ことりもいく!」
花陽「うん!」
ダッ
111 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:22:08.47 ID:Ohmi38x40
にこ「ったくあんたらはホントにめんどくさいわね…」
希「なんでウチも入るん?!」
にこ「当たり前でしょ、希は本音を言わなさすぎなのよ」
希「そ、それは…そうだけど…」
にこ「絵里は希の言う通り自分の気持ちだけでぶつかりすぎなのよ」
絵里「だ、だって…」
にこ「…廊下まで聞こえてたわよ?あんたらの声」
絵里「えっ…」
にこ「あんたら二人の不仲説浮上しても知らないわよ?」
希「…むぅ」
にこ「…ま、凛をどうにかするのはあんたらじゃなくて花陽やことりの役目でしょうよ」
絵里「どうしてよ?」
にこ「あんたら二人じゃ無理だから」
112 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:23:41.55 ID:Ohmi38x40
タッタッタッ
花陽「私は上の階を探すね!」
ことり「じゃ、じゃあことりは下の階を探すね!」
花陽「うん!それじゃあ!」
タッタッタッ
ことり「…まず下駄箱を見ようか」
ことり(帰っちゃったかもしれない、そう思って下駄箱へかけた)
ことり「あれ…靴はある…」
ことり「じゃあ…」
ことり(どこかの教室にいるのかな…)
タッタッタッ!
ことり(その後色々なところをしらみつぶしで探した)
ことり(でもどの教室にも凛ちゃんの姿は無くて、もしかしたら花陽ちゃんがもう見つけてたのかななんて思って走ってた足はスタスタとゆっくりになりそのうち探すのをやめてた)
113 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:25:14.97 ID:Ohmi38x40
スタスタスタ
ことり「凛ちゃん…大丈夫かな…」
ことり(ことりは凛ちゃんがイヤっていうだろうから何も言わなかったけどもし可愛い服を着てくれる気が少しでもあるんだったら着せてあげたい)
ことり(ことりは手芸が好き、だからことりは将来着る側じゃなくて作る側になりたいって思ってる、そんな作る側の端くれとしては凛ちゃんに思いっきり可愛い服着せてあげたい)
ことり(凛ちゃんに自分が可愛いんだって気付いてほしい)
ことり(ただ…やっぱり凛ちゃんがイヤっていうならことりはそれ以上は何も言わない…)
ことり(ことりにとってその人の一番がことりの一番だからさ…)
スタスタスタ
ことり「…!凛ちゃん!」
凛「!」
ことり(何を思ったのか体育館に寄ったらステージの上で凛ちゃんが座ってた)
ことり(寂しげに上の空をしててことりがふと声をかけるとピクっと動いて顔をごしごししてた)
114 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:26:19.92 ID:Ohmi38x40
凛「こ、ことりちゃん…」
ことり「…大変だったね」
凛「…うん」
スタスタスタ
ことり「隣、座っていい?」
凛「う、うん」
ことり「ふう」
ことり「…ことりたち、ここで踊ろうと思ってるんだ」
凛「…知ってる」
ことり「凛ちゃんは思わない?」
凛「何が?」
ことり「このステージに立って、ここで踊ってみたいって、輝きたいって思わない?」
凛「…ごめん、思わない」
ことり「そっか…」
ことり(案の定凛ちゃんは否定し続けてた)
ことり(まぁね、凛ちゃんがイヤって言うならことりは何も言わない…)
ことり(はずだったんだ…)
115 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:28:02.86 ID:Ohmi38x40
ことり「…あのさ、凛ちゃん」
凛「何?」
ことり「ことりね、すごく思うんだけど」
ことり「凛ちゃんがもし可愛い服着れたらきっと誰よりも可愛いんだろうなって思う」
ことり「女の子らしくないっていうけど反応や仕草なんかは誰よりも女の子らしくて、きっと幼い頃から一緒にいるみんなの中ならきっと、一番女の子らしい子は凛ちゃんだと思う」
ことり「ううん!絶対に凛ちゃんだよ!」
凛「ち、ちが」
ことり「違わないよ!」
凛「!」ピクッ
ことり「凛ちゃんが可愛いの!ことりが一番可愛いって言ったら可愛いのっ!!」
ことり「可愛い可愛い可愛い可愛い!」
ことり「可愛いのっ!!!」
ことり「こんなに可愛いのに自分のこと可愛くないだなんてそんなのみんなに失礼だよ!!」
ことり「凛ちゃんは何がなんでも可愛いの!!!」
凛「えっ…あっ…え、えっと…」
ことり「…あ、えっと…ごめん…」
116 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:29:12.74 ID:Ohmi38x40
凛「う、ううん大丈夫だよ」
ことり「………」
凛「………」
凛「…その、ありがとう」
ことり「うん…」
凛「なんか…正直ことりちゃんにはビックリした」
ことり「ごめんね…」
凛「あ、ううん!そういう意味じゃないよ!」
凛「なんか…穂乃果ちゃんみたいな感じになるんだなって…」
ことり「穂乃果ちゃん…」
凛「うん、とにかく前へ進みたい感じがすごくて…」
ことり「そ、そんなだったかな…」
凛「そんなだよ」
ことり「……」
ことり(抑えてたものが弾けでた感じだった)
ことり(ことりが抱く凛ちゃんに対しての気持ちが爆発してた)
117 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:31:36.71 ID:Ohmi38x40
ことり「その…昔っから凛ちゃんは可愛いのにどうしてって思ってたんだ」
凛「…」
ことり「それなのにこんなみんなで楽しめるいい機会を逃すだなんて、それも自分が可愛くないなんていう理由でやらないなんてそんなのもったいなくて…」
ことり「ちょっと言いすぎたかもしれないけど…でも…」
ことり「でもそれだけ凛ちゃんのことが好きだから!凛ちゃんは大切な仲間だからっ!」
ことり「それなのに、それなのに本音で言い合えないなんてそんなの…」
ことり「寂しいって思ったから…!!」
凛「!」
ことり「凛ちゃんが本当に、本当の意味で諦めたって言うまでことりは一生懸命凛ちゃんを素敵にしたい!」
ことり「凛ちゃんを幸せにしたい!」
凛「し、しあわせ…」
ことり「凛ちゃんに可愛い服着せたいんだ!凛ちゃんに可愛い服の良さを知ってもらいたいから!」
ことり(そしてその幸せはことりの幸せでもあって…みんなの幸せでもあるから…)
凛「…うん、うんっ…うんっ!」
凛「ありがとうことりちゃん、凛…凛ちょっとだけ頑張ってみる!」
ことり「!!」パアアア
ことり「うんっ!」
118 :
◆iEoVz.17Z2
[saga]:2017/09/13(水) 00:33:23.35 ID:Ohmi38x40
凛「じゃあ凛みんなのところに行ってくる!」
ことり「う、うん!」
凛「ことりちゃんも一緒いく?」
ことり「ことりは…もうちょっとここに残ってるよ」
凛「そっか!分かった!じゃあね!」
タッタッタッ!
凛「…あ、ことりちゃん!」
ことり「ん?なーに?」
凛「ありがとう!!」
ことり「うん!」
ことり(凛ちゃんはとびっきりの笑顔でみんなのところへ走っていった)
ことり(ことりの想いが届いたのかな、ただ一生懸命にことりの想いを伝えたけど、届いたのかな)
ことり(今思えばみんなにあんなわがままみたいな叫び、言ったことない)
ことり(ただことりが思ってることを言った、ことりが言いたいことをいった)
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