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島村卯月は歌いたい
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1 :
◆3dZIRy7M7.
[sage saga]:2017/09/11(月) 22:15:26.95 ID:X60EVqXV0
前回までのお話
佐久間まゆは告らせたい
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1504786325
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1505135726
2 :
◆3dZIRy7M7.
[saga]:2017/09/11(月) 22:16:25.35 ID:X60EVqXV0
卯月(みなさん、こんばんわ! 島村卯月、17歳です!)
卯月(私はいま、ここ346プロで駆け出しアイドルとして頑張っています!)
卯月(そんな私なんですが、本日の練習も終わったレッスンルームで今何をしているかというと……)
卯月「おーねがいっ! シンデレラー! 夢は夢で終ーわれーないっ!」
卯月(『お願いシンデレラ』を熱唱しています)
卯月(さて、なんでこんなことになっているのかと言えば時間は少し遡って――)
『島村卯月は歌いたい』
3 :
◆3dZIRy7M7.
[saga]:2017/09/11(月) 22:17:55.16 ID:X60EVqXV0
卯月(みなさん、こんばんわ! 島村卯月、17歳です!)
卯月(私はいま、ここ346プロで駆け出しアイドルとして頑張っています!)
卯月(なんだかついさっきも同じような自己紹介した記憶があるんですけど、気の所為ですよね。気の所為)
卯月(それはともかく、私は今、忘れ物をとりに慌ててレッスンルームに引き返しているところです!)
卯月「うう……使ったタオルそのまま置いてきちゃうなんて……持って帰らないとお母さんに怒られちゃうし……」
卯月「あれ……? レッスンルームの明かりがついてる……? 今日は私が最後だったと思ったけど……?」
卯月「誰か個人レッスンでもしているのかな……?」
卯月(集中しているところを邪魔しちゃ悪いですし、こっそり中の様子を伺いましょう)
卯月(えっと、あれは――)
P「ハァーイ! ハァーイ! ハァイッハァイッハァイッハァイッ!!」
卯月(鏡に向かって全力でサイリウムを振っているプロデューサーさん……?)
4 :
◆3dZIRy7M7.
[saga]:2017/09/11(月) 22:22:29.72 ID:X60EVqXV0
P「クソッ! こんなんじゃダメだ……ライブも近いって言うのに俺は何をしているんだッ!」
卯月「あ、あのー。プロデューサーさん? 何をしているんですか……?」
P「何って……そりゃあ見ての通りコールの練しゅ――し、島村!? 何時からそこに!?」
卯月「はい、島村卯月です。えっとレッスンルームに忘れ物を取りについさっき来たところなんですが……」
P「み、見たのか!?」
卯月「えーっと……プロデューサーさんがサイリウムを振っている姿でしたらばっちりと……」
P「クッ……そうか……恥ずかしいところを見られてしまったな……」
卯月「いえ、というか一体何をしているのか解らなかったんですけど……?」
P「何って、見ての通りコールの練習さ」
卯月「コールの練習」
5 :
◆3dZIRy7M7.
[saga]:2017/09/11(月) 22:24:56.49 ID:X60EVqXV0
P「ああ、もうすぐ346プロの定例ライブがあるだろう? 確か島村も初参加の予定だったよな」
卯月「はい! ですのでライブに向けて猛特訓中なんですけど……なんでプロデューサーさんがコールの練習を?」
P「なんでって……ライブでアイドルを応援するのはプロデューサーの責務だからだよ。コールもそのうちの一つさ」
卯月「え……? プロデューサーって、そういうお仕事でしたっけ?」
P「そうか、島村は次のライブが初めてだったな……なら知らないのも無理はない……」
卯月「いえ、なんだか私の知っている一般的なプロデューサー業と認識が合ってないというか……」
6 :
◆3dZIRy7M7.
[saga]:2017/09/11(月) 22:32:40.19 ID:X60EVqXV0
卯月「まぁ、それはともかく。コールってそんな必死になって練習しなきゃいけないものなんですか?」
P「島村……それは知らないからこそ言える言葉だ。いいか、コール入れるって言うのは生半な技量でできるものじゃないんだぞ」
卯月「え、そ、そうですかね……?」
P「ふぅ……(溜息) 論より証拠だな。よし、じゃあこの曲にコールを入れてみるといい」
卯月「え? ここでですか!? うう、ちょっと恥ずかしいですけど……わ、わかりました。島村卯月がんばります!」
P「よし、じゃあサビの部分を流すぞ!」
7 :
◆3dZIRy7M7.
[saga]:2017/09/11(月) 22:33:17.72 ID:X60EVqXV0
『おーねがい』
卯月「えっと……ふっふーっ♪」
『シーンデレラー』
卯月「ふっふーっ♪」
『夢は夢で終ーわれーない』
卯月「ふわっふわっふわっふわっ♪』
卯月「えーっと……こんな感じで良かったでしょうか……?」
P「す……すげええええッッ!!?? なんて無駄のない美しいコールなんだああああッッ!!??」
8 :
◆3dZIRy7M7.
[saga]:2017/09/11(月) 22:40:58.59 ID:X60EVqXV0
卯月「ええっ!? 私いまそんなに絶賛されるような事しました!?」
P「ああ、これぞまさしく天賦の才……さすがは期待の新星アイドル……いや、まさかこれほどまでのポテンシャルを秘めていたとは……」
卯月「そ、そうですかね……そんなに凄いですかね……えへへー」
P「島村! お願いだ!(ガシッ!)」
卯月「え、あ、ひゃい!? な、なんでしょうか!?」
P「俺にコールを教えてくれないか!! 今の俺にはおまえだけが頼りなんだ!」
卯月「え……わ、私なんかが、ですか?」
P「ああ、むしろこんなこと島村にしか頼れない。島村だからお願いしたいんだ!」
卯月「そ、そこまでお願いされたら仕方ありませんね……」
卯月「わかりました! それではこの島村卯月、頑張ってお手伝いします!」
P「本当か!? ありがとう島村! このお礼はいつか必ずするからな!」
卯月「わ、わかりましたから、あのプロデューサーさん。とりあえずその握った手をですね……」
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