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ダニー・タナー「おはようサンフランシスコ、ここで臨時ニュースです…空飛ぶデロリアン?」
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159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 00:56:59.31 ID:HU8BJlMf0
ステファニー「だけど……パパはいいの?」
ダニー「何がだい?」
ステフ「ママのこと。……もう愛してないの? 」
ダニー「……はは、何言ってるんだ。もちろんパメラはパパにとって一番大事な女性だよ。付き合ってからも、結婚してからも、今までもずっとね」
ダニー「でも……今となっては、思い出の中の人でなきゃいけないんだ」
D.J.「……私も」
ダニー「?」
D.J.「ママに久しぶりに会えて嬉しかった。だけど……やっぱりみんながいないと寂しい」
ダニー「……きっとここにいるみんな、同じ気持ちのはずさ」
ステファニー「……うん」
ミシェル「……うん」
ダニー「……行こうか。未来を取り戻しに」
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 01:02:20.55 ID:HU8BJlMf0
きります
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 01:22:44.77 ID:HU8BJlMf0
>>137
訂正
ダニー「ベッキーとはもともと仕事で組んでたから、たまに家で来ることはあったみたいだけど……」
↓
ダニー「ベッキーとはもともと仕事で組んでたから、たまに家に来ることはあったみたいだけど……」
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 11:36:16.54 ID:HU8BJlMf0
──────
ドク「タナー君」
ダニー「ドクター・ブラウン、頼みがあります。もう一度デロリアンを貸していたただけませんか」
ドク「……」
マーティ「……」
ダニー「……信じてほしいんです。僕たちは家族をもとに戻さなきゃいけない」
D.J.「お願いします!」
ステファニー「お願い……」
ミシェル「……お願い」
ドク「わかった。ただ少しだけ時間をくれんか……まだ少し調整しなければいかんところがあるんだ」
ダニー「わかりました。だったら……三人とも」
「「「?」」」
ダニー「今のうちに、ママにさよならをいっておいで」
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 11:40:22.10 ID:HU8BJlMf0
コンコン
パメラ「? どうぞ」
ガチャ
D.J.「……ママ」
パメラ「あら、どうしたのDJ。ステフにミシェルまで」
D.J.「ううん、何でもないの。……これから私たちとパパと4人で買い物にいくのよ」
パメラ「あらそうなの?知らなかったわ。楽しんでらっしゃい、ドク・ブラウンたちと一緒に留守番しておくから」
D.J.「うん……」
ステファニー「……」
ミシェル「……」
パメラ「……? どうしたの?みんな元気ないの?」
D.J.「ううん、違うの。ただ……」
パメラ「?」
D.J.「何て言ったらいいのか……」
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 11:46:43.44 ID:HU8BJlMf0
ステファニー「私から言う……ママ」
パメラ「何、ステフ?」
ステファニー「……今まで言う機会、あんまりなかったかもだから言っとくね」
ステファニー「いつも……見守ってくれてありがとう。大好きよ」チュッ
パメラ「あら、そうだったかしら?ふふ、ありがと」
ミシェル「……えっと……ママ」
パメラ「……ミシェル。あなた昨日からちょっとよそよそしい感じじゃない?」
ミシェル「……ぁ〜……わかる?」
パメラ「分かるわよ、当然でしょ。何か隠し事してるんじゃないでしょうね?」
ミシェル「……ぁはは……お見通しかぁ……」
パメラ「…………?」
ミシェル「…………」
パメラ「…………」
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 11:51:29.32 ID:HU8BJlMf0
ミシェル「……ママ。あたし赤ちゃんのころどんな子だった?」
パメラ「赤ちゃんのころ?そりゃもうとっても可愛かったわよぉ。ミートボールみたいにまんまるで」
\HAHAHA…/
ミシェル「……ミートボールぅ??」
\HAHAHA…/
パメラ「昔の話よ」
パメラ「……懐かしいわ、ミシェルが生まれたばっかりのころ。ステフもまだこんなにちっちゃかったものね?」
ステファニー「そうね……」
パメラ「DJも小さかったけど、そのころからもうがんばってお姉ちゃんやってたりして」
D.J.「……そうかしら」
パメラ「それがみんなすっかり大きくなって。8年なんて本当にあっという間よ」
パメラ「……親になると特にね。子供はすぐ成長して、変わっていくから」
ステファニー「……私たち、変わった?」
パメラ「ええ、もちろんいい意味でよ。パパもママも驚くくらい」
パメラ「……何もかも変わるものよ。子供も、家族も、人生も」
D.J.「……」
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 11:57:11.84 ID:HU8BJlMf0
パメラ「ママも、今までいう機会なかったから話しておくわ……あなたたちの人生は変化の連続よ。それを受け入れる強い心と、支えてくれる人たちのことを忘れないこと……わかった?」
D.J.「うん……わかった」
パメラ「よろしい。……でももう一つ。 決して変わらないこともあるわ」
ミシェル「……変わらないことって?」
パメラ「ママはいつまでもあなたたちを見守ってる。どこにいようとね」
ステファニー「……」
D.J.「……」
パメラ「三人とも私の誇りだもの。立派に育ってくれて本当に嬉しいわ」
ステファニー「……ありがとう」
パメラ「もちろんパパも見守ってくれてるわよ。水曜と土曜はあなたたちの部屋の壁紙も全部拭きなおしてくれるし」
\HAHAHA…/
D.J.「……ありがとうママ。やっぱりママって最高」
パメラ「もちろんよ。キミーにも二十歳になったら義理の母親になってほしいって頼まれてるんだから」
\HAHAHA…/
ステファニー「それ、絶対受けちゃダメ。変な書類とか持ってきたら暖炉に捨てて」
\HAHAHAHA…/
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 11:59:55.37 ID:HU8BJlMf0
パメラ「ふふ、わかったわよ。……話は終わった?」
ミシェル「……」
パメラ「?」
ミシェル「……」ギュッ
パメラ「あらあら」ギュッ
パメラ「……いつもの調子に戻った?」チュッ
ミシェル「……大丈夫だと思う」
D.J.「……」
ミシェル「ママのこと、なんだかよく知れたような気がする」
パメラ「あらそう?よかった」
D.J.「じゃぁ……そろそろ行かなきゃ」
パメラ「いってらっしゃい!」
ステファニー「バイ、ママ」
ミシェル「行ってきます」
パメラ「楽しんできてね〜」
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 12:01:59.89 ID:HU8BJlMf0
バタン……
D.J.「…………」
ステファニー「…………」
ミシェル「…………」
D.J.「…………グスッ……」
ステファニー「……グシュッ……ヒック……」
ミシェル「…………スンッ……スン……」
「「「……さよなら、ママ」」」
169 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 12:07:43.06 ID:HU8BJlMf0
ドク「……済んだかね?」
D.J.「……」ゴシゴシ
DJ「……ええ。もう大丈夫」
ステファニー「私も。もう平気」
ミシェル「……あたしも」
ダニー「…………」
ドク「……そうか」
ドク「では、乗るんだ」
170 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 12:09:51.54 ID:HU8BJlMf0
──────
マーティ「みんな、準備はいい?」
D.J.「ちょっと待って……パパがまた挟まってる」
\HAHAHA…/
ダニー「しょうがないよ……パパの身長じゃ、このデロリアンは本当に狭いんだから」
ダニー「ドクター・ブラウン、できればもう少し大きいサイズにしてもらえると助かるんですけどねぇ……これ」
ドク「……大きいサイズ……」
マーティ「どうかした?」
ドク「……いや、何でもない」
ダニー「よいしょ……ふぅ、何とか乗れました……」
ドク「そうか。 いいかね、今回は私がリモコンで操作するから、そのハンドルには触るんじゃないぞ」
ドク「もう一度1987年に戻ったら、君たちのやるべきことはひとつ。ミシェルが例の交通事故を起こした男と接触している瞬間を見つけて、全てを元通りにするんだ!」
ステファニー「……わかった」
171 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 12:13:49.82 ID:HU8BJlMf0
ドク「ただし……いやこれがもっとも難しいんだが……そのミシェルと顔を合わせてはいかん。気づかれないようにするんだ。絶対にな」
ミシェル「……うん」
ドク「ミシェルだけじゃない。先に1987年に行った昨日の君たち自身もだ。絶対に会ったり話したりするんじゃないぞ」
ドク「過去の自分と出会ってしまったら、時空にどんな悪影響があるか分からんからな」
D.J.「悪影響って……たとえば?」
ドク「下手をすれば宇宙全体が破壊される。運が良ければ、我々の住むこの銀河系の破壊だけで収まるがね」
D.J.「……そう。だったら安心だわ」
\HAHAHA…/
ドク「では出発だ──幸運を祈る」
172 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 12:15:35.62 ID:HU8BJlMf0
─ JUN 24 1995 15 10 ─
─ ≡≡ ≡ ≡≡ ≡ ≡ ─
─ JUN 25 1987 14 45 ─
173 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 12:25:23.81 ID:HU8BJlMf0
──────
シュバァァァァァァアアアン!!!
シュゴオオォオォオォォ……
ウィイィン
ゴオォォォ……
ギャッ
ガタンッ
ダニー「おっと…」ガクン
『さあ着いたぞ。君たちの今いる正確な日付と時刻は、1987年6月25日午後2時45分』
『君たちが最後に出発した時刻のちょうど30分前だ。つまり、昨日の君たちはまだ1987年には来ていないはずだ』
『もう一度作戦を言うぞ。ミシェルがいた現場に先回りして待ち伏せし、見つからないように隠れて、ミシェルが例の酔っぱらい男から車の鍵を奪って投げ捨てる瞬間に立ち会う』
『そしたら、何とかしてその鍵を取り戻し、ミシェルが去ったあとを見計らってすばやく男に返す!』
174 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 12:30:13.79 ID:HU8BJlMf0
『それでもとに戻るはずだ。ただしグズグズしていると、ほんの少しの時間経過も歴史に影響を及ぼさない保証はない!すばやく済ませるんだ』
ステファニー「……それ、どういうこと?」
『たとえばの話……車と歩行者、どちらかがほんの10秒でもずれてしまうと……事故は起こらんというわけだ』
ダニー「……」
『まあそう悲観せんでもいい。きっと上手くいく』
D.J.「……だといいけど……」
『私には当時の状況は詳しくわからんからな、具体的にどうするかは君たちの手にかかっている。タナー君、君が指示を出して、全員をまとめてくれ……ミシェル!』
ミシェル「なに、ドク?」
『どんな小さなことでも良い、事細かに思い出すんだ。どこから来て、何をして、どうなったか……いいかね、全ては君にかかっている』
ミシェル「……わかった。がんばる」
『幸運を祈る、諸君! では、1時間後に連絡する』
『そうそう、デロリアンにウォーキートーキーを載せてあるから、活用してくれたまえ』
ザーッ……ザーッ
ブツッ
175 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 12:35:40.57 ID:HU8BJlMf0
ダニー「……これかな?」ゴソゴソ
ステファニー「えっと、スイッチは……ちゃんと使えるの?」カチッ
ダニー「ちょっと待って……」カチッ
ダニー「えー、こちらパパ。応答せよ」
“えー、こちらパパ。応答せよ”
ミシェル「おぉ……悪くないね」
ダニー「問題ないみたいだね」
D.J.「よし。何かあったらこれで連絡を取りましょう」
ダニー「それじゃ、パパとミシェル二人でいってくる。DJ、ステフ、お前たちはそのデロリアンを見張ってて」
DJ「わかった。……頑張って、二人とも」
ミシェル「……うん」
ダニー「行こう、ミシェル。昨日お前がいた場所まで案内してくれ」
ステファニー「気をつけて!」
スタスタ……
176 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 12:43:02.02 ID:HU8BJlMf0
いったんきります
177 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 17:07:12.75 ID:HU8BJlMf0
──────
D.J.「……」
ステファニー「……」
D.J.「……あの二人大丈夫かしら」
ステファニー「きっと上手くやってくれるよ。信じて待つしかないよ」
D.J.「そうね……」
警察官「あー、ちょっと……君たち」
D.J.「? ……あ」
ステファニー「昨日のおまわりさん」
警察官「……昨日? どこかで会ったかい?」
D.J.「……?」
D.J.「!」
178 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 17:12:12.24 ID:HU8BJlMf0
ステファニー「そうよ、だって……」
D.J.「ステフ!」
警察官「……?」
D.J.「あー、いえ……なんでもないんです……あはは」
警察官「……何でもいいが、ここは駐車禁止区域なんだ。その車はどこかにやってもらいたいんだが」
ステファニー「…………どういうこと?」
D.J.「静かに! あの……ごめんなさい、おまわりさん。すぐどかすんで……」
警察官「頼むよ。また後で見に来るからな」スタスタ
ステファニー「……さっきのおまわりさんって……」
D.J.「……あんまりややこしいこと考えたくないけど、そういえば私たち昨日も全く同じ場所にデロリアンを停めた気がするわ」
ステファニー「……そうだっけ?」
D.J.「そうよ! すぐとなりがロンバート・ストリートだったもの、はっきり覚えてるわ」
ステファニー「……それってまずい?」
D.J.「まずいわよ。もうすぐ昨日の私たちがここに来るってことなのよ? 鉢合わせたら大変ってドクが言ってたでしょ!」
ステファニー「えぇっ……? じゃあどうするの?」
D.J.「別の場所に移すの。早く乗って!」
ステファニー「う、うん、分かった!」
ブロロロロ……
179 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 17:16:51.15 ID:HU8BJlMf0
──────
ダニー「……ミシェル、この店で間違いないね?」
ミシェル「うん、このお店だよ。この扉から出てきたの」
ダニー「よし……じゃあミシェル、よく思い出して。あのときのことを詳しく話してくれ」
ミシェル「わかった……」
ミシェル「あたしあっちの、坂の上の方向からお店の前に歩いてきたの」
ミシェル「そしたらちょうど男の人が出てきて……そのときにはもうフラフラだった」
ダニー「……で、その男の人と言い合いになって、ミシェルが鍵を奪った。そうだね?」
ミシェル「うん」
ダニー「鍵は道の反対に捨てたって言ってたけど、本当かい?」
ミシェル「うん、ちゃんと覚えてるよ。ちょうどあっちの方向に投げたの」
ミシェル「で、お姉ちゃんたちが呼んでるのが聞こえたから……来た方向に走って逃げたんだ」
ダニー「そうか……よしミシェル、こうしよう」
ダニー「パパとミシェル二人とも、向こう側の茂みに隠れて二人が現れるのを待つ。男と昨日のミシェルをね」
ダニー「昨日のミシェルが鍵を投げ捨てるのを待ち構えて、それを取って、すぐに男に返す。これはパパがやろう」
ミシェル「本当にそれで大丈夫……?」
ダニー「大丈夫、パパこれでもフットボールの経験があるんだから。クォーターバックのパスだと思えば楽勝だよ」
\HAHA…/
ミシェル「…………パパ」
ダニー「はは、冗談さ。よし、隠れる場所を探そう」
ミシェル「パパでも隠れられるところ探さなきゃね……」
\HAHAHA…/
180 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 17:22:19.45 ID:HU8BJlMf0
──────
ブロロロロロ…
キィッ
D.J.「……この辺なら大丈夫よね」ガコンッ
ステファニー「お姉ちゃん、私頭こんがらがりそう……」
D.J.「私もよ。とにかくドクの言うとおり、昨日の私たちと関わらずにやり過ごせばいいのよ」
ステファニー「うん……」
D.J.「パパたちに車動かしたこと知らせなきゃ。トーキー貸して」
ステファニー「トーキー……?」
ステファニー「…………あっ!!!」
D.J.「何?」
ステファニー「……お姉ちゃんごめん……さっきの場所に忘れてきちゃった……」
D.J.「えぇっ!? アンタ何やってんのよ!」
ステファニー「これってまずい……?」
D.J.「まずすぎるわよ!! いいから早く取りに行きなさい!」
ステファニー「えっ、私一人で!?」
D.J.「私はデロリアンを見張ってなきゃいけないの! ほら早く!! 2ブロックしか離れてないから歩いていけるわよ!!」
ステファニー「う、うん……」ダッ
D.J.「……」
D.J.「……見つからないようにね!」
181 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 17:29:18.48 ID:HU8BJlMf0
──────
ステファニー「はっ、はっ……」タッタッ
ステファニー「確かもう少し先に……」タッタッ
「はっ、はっ……」タッタッ
ステファニー「……」タゥタッ
「……ドク、怒ってなきゃいいけど……家はこっちだったよね……」タッタッ
ステファニー「…………」タッ…
ステファニー「……今の…………パパ……?」
ステファニー「ということは……あっちにはもう……!」
「何かよくわかんないけど……すっごーく変な気分」
「ミシェル、何言ってるの?」
「実を言うと私も……なんだか違和感があるの」
ステファニー「……遅かったか……」
182 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 17:36:25.62 ID:HU8BJlMf0
──────
ステファニー「……裏から回って……」コソコソ
ステファニー「……そーっと……」コソコソ
「違和感って、なにが?」
「分かんないわよ。だけど……ちょっと気味悪いの」
「お姉ちゃんもミシェルも何言ってるの?」
「そんなこと言われたって……」
ステファニー「えーっと……トーキー……」コソコソ
ステファニー「……あった!」コソコソ
ステファニー「……もう少し、あとちょっとで届く……!」グググ…
183 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 17:39:39.81 ID:HU8BJlMf0
──────
ダニー「ここなら完璧だ! お店の様子もよく見えるし、向こうからは気づかれにくい」
ミシェル「そうだね」
ダニー「あとはミシェルを待つだけ! なに、簡単だよ」
ミシェル「……ホント?」
ダニー「もちろん。 DJとステフはちゃんと見張りできてるかな?」
ミシェル「連絡してみたら?」
ダニー「そうだね」カチッ
ダニー「えー、こちらパパ。DJ、ステフ、応答せよ」
184 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 17:42:43.36 ID:HU8BJlMf0
──────
ステファニー「……よし、ゲット!」パシッ
“えー、こちらパパ。DJ、ステフ、応答せよ”
ステファニー「!!!」ビクッ
「?」
「どうかしたの?」
「今パパが…………」
「?」
ステファニー「…………!」ドキドキ
「……ううん。なんでもない」
「パパまだかなぁ……」
ステファニー「……ふぅ……っ」
ステファニー「びっくりさせないでよ、もう……スイッチOFFよ、こんなもん」カチッ
───
ダニー「……もしもし? もしもし?」カチッ カチッ
ミシェル「動かないの?」
ダニー「おかしいなぁ……」
185 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 17:47:55.12 ID:HU8BJlMf0
「あー、ちょっと君たち。 そのデロリアン、早く動かしてって言ったよね?」
「……何のことです?」
「とぼけたって無駄だ。さっきから言ってるが、ここは駐車禁止区域なんだぞ!」
「……えーと……わかりました……すぐ動かします」
ステファニー「早くあっち行って……こっち向いてないで……」コソコソ
「次こそもうないぞ。分かったな」スタスタ
「……? 一体何の話? あのおまわりさんに会ったことあったっけ?」
「よくわかんないけど……どのみちロンバート・ストリートは観光客も多いし、人目につかないところのほうがよさそうね」
カチッ
ギュルルルル…
ステファニー「! ……そうだ、この後確か……」
186 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 17:52:23.91 ID:HU8BJlMf0
「……もう、いい加減にしてよ!」バンバン
ギュルルルルル
ブオオォォオオロロン……
「いよっし!」
「やった!」
ザーッ……ザーッ
『映った? 映った! よぉし成功だ!』
「ドク!?」
「ドク!?」
ステファニー「今だっ……気を取られてるうちに……」ダッ
「……」キョロキョロ
ステファニー「あっ」
「!」
ステファニー「やっば……!」ダダッ
「…………!?」
「……ねぇ、ちょっと!」タッタッタッ
ステファニー「わぁ、これやばいかも……!」ダダダッ
「ちょっと待って!」タッタッタッ
187 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:04:27.17 ID:HU8BJlMf0
──────
D.J.「……ステフ……遅いわね……」
D.J.「何してるのかしら……」
「まぁ、珍しい。改造したデロリアン?」
D.J.「……?」
「ねえ、これあなたの車なの?かっこいいわねぇ!」
D.J.「えっ? いえ、これは知り合いの車なんです……」
D.J.「……待って。あなた……」
D.J.「……!」
188 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:07:42.26 ID:HU8BJlMf0
「? 私がどうかした?」
D.J.「……いや、なんでもないんです……ただ、その、あなた私の知ってる人によく似てて……」
「あら、そうなの? そういえば、あなたも何だか初めて会った気がしないわね……」
D.J.「……えっと、多分気のせいじゃないかしら……」
「雰囲気が、なんだか……そう! 私の一番上の娘によく似てるのよ!」
D.J.「そうなの……」
「えぇ。きっと大きくなったら、あなたみたいな美人に育つこと間違いないわ」
D.J.「……そうなんですね……」
「お邪魔したならごめんなさいね。用事があるからいかなくちゃ。じゃあね、お嬢さん」スタスタ
D.J.「…………」
D.J.「…………」
189 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:09:25.95 ID:HU8BJlMf0
D.J.「………………待って……!」
D.J.「!」
「? …………何かしら?」
D.J.「……いえ、なんでもないです……お元気で」
「……?」スタスタ
D.J.「……あ……私、まずいことしちゃったかも……」
190 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:15:22.48 ID:HU8BJlMf0
──────
ステファニー「……はぁっ、はぁっ……はぁっ……」タッタッタッ
ステファニー「しっつこいわね……何もこんなところまで追ってこなくてもいいじゃないの……!」
ステファニー「……よし、向こう側の茂みに隠れてやり過ごすか……」タッタッ
ダニー「……ミシェル、来ないねぇ……」
ミシェル「?」
ダニー「……いや、お前のことじゃないんだ。昨日のミシェル……いや昨日のミシェルも今日のミシェルも同じか……」
ダニー「あれ、だったらパパたちが待ってるミシェルはこのミシェルでもある……?」
\HAHAHA…/
ミシェル「……パパ、あんまりややこしいこと言わないで」
ダニー「分かってる、冗談だよ……」
ステファニー「ふぅ……ふぅ、ここなら大丈夫でしょ……」ガサゴソ
ダニー「えっ、ステフ!?」
ミシェル「お姉ちゃん!?」
ステファニー「えええあぁぁっ!!!??」
\HAHAHAHAHA…/
191 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:21:20.80 ID:HU8BJlMf0
ミシェル「ここで何してるの!?」
ダニー「そうだぞ、デロリアンは!?」
ステファニー「お姉ちゃんが見張ってるの! それよりパパたちこそ何してるの!?」
ダニー「昨日のミシェルを待ってるんだよ……!」
ステファニー「私はミシェルに追っかけられてここに来たの!」
ミシェル「……あたし?」
ステファニー「あんたじゃなくて、昨日の……いや昨日のミシェルも今日のミシェルも同じか……」
ステファニー「あれ、だったら私を追いかけてきたのはこのミシェルでもある……?」
\HAHAHAHA…/
ミシェル「……」
\HAHAHA…/
ダニー「……タイムトラベルってややこしいんだねぇ」
\HAHAHAHA…/
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:24:20.83 ID:HU8BJlMf0
「……」キョロキョロ
「……」キョロキョロ
「……おかしいな……見失っちゃった」
「お姉ちゃんにすごく似てると思ったんだけど……見間違いかなぁ?」
ミシェル「……やっぱりお姉ちゃんだったんだ」
ステファニー「何よ、文句ある!?」
ダニー「シッ、静かに! 店から誰か出てきたよ……」
193 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 18:28:36.05 ID:9/8HqEqpo
あー、繋がった
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:31:11.53 ID:HU8BJlMf0
「……おじさん」
「……んん〜?」
「こんな昼間からお酒飲んでたの?すごくお酒臭いよ」
「なぁンだお嬢ちゃん、ほっとけよぉ……ンヒック。帰んねぇと……」ゴソゴソ
「ちょっと! 車で帰るつもり? ダメだよそんなの、なに考えてるの?」
「ぁあ〜?」
「……宿題でやったもん、お酒飲んで運転したら危ないし、事故起こすって!」
ダニー「…………」
ミシェル「パパ、あのおじさんだよ。あの人」
ダニー「……あぁ…………」
ステファニー「……パパ? 大丈夫?」
ダニー「…………いや、なんでもない……」
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:34:33.02 ID:HU8BJlMf0
「うるっさいなぁ〜あっちいってろォ……かぎ鍵カギ〜……」ジャラジャラ
「だからダメって言ってるでしょ!」バッ
「ンおい!何しゃがる……ヒック!」
「……えっと……」
「返せぇ!」
「……えいっ!」ポイーッ
「あぁっ! 車の鍵……クソガキ何すんだ!てめぇ!」
ステファニー「あっ、鍵を投げた……!」
ミシェル「パパ、こっちに飛んでくる!」
ダニー「分かってる……よし……もうちょっと……」
ダニー「……取った!」パシッ
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:38:03.11 ID:HU8BJlMf0
/
ミシェルー!どこにいるのー!
\
/
ミシェルー!
\
「! お姉ちゃん……」
「……!」ダッ
「こらおいっ、待てっ!!」
「…………」タッタッ
「……くそっ、行っちまった……」
「……鍵……車の鍵、どこ行った〜……これじゃ帰れねえじゃねえかよ〜……ヒック」
ステファニー「パパ、ミシェル行ったよ。今だってば!」
ダニー「あぁ、わかってる……!」ダッ
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:42:29.51 ID:HU8BJlMf0
「……クソッ、あのガキゃ……ヒック……」
ダニー「……あの、すいません。 鍵……落としませんでした?」
「! あれ、あんたどっかで……おぉ! 鍵持って来てくれたのか! ありがてぇ!」
ダニー「……」
「困ってたんだよなァ、ありがとうありがとう……さ、こっちに……」
ダニー「…………」
「……なァ、こっちにクレって……」
ダニー「…………」
「……なぁって……」
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:45:14.14 ID:HU8BJlMf0
──飲酒運転で──
──ジョーイとジェシーが越してきた──
──みんな揃ってタナー家なんだ、誰一人として欠けちゃいけない──
──あたし、ママのこと何にも知らないんだもん──
──忘れもしないよ、1987年6月25日──
──8年前の事故を起こした男なんだ──
──行こうか。未来を取り戻しに──
──こいつが──
ステファニー「 パ パ ! ! 」
ミシェル「 パ パ ! ! 」
ダニー「……!」
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:48:38.49 ID:HU8BJlMf0
ダニー「……鍵は返す」
「お、おう……」
ダニー「だから、さっさとどっか行ってくれないか……」
「……?」
ダニー「僕の気が変わらないうちに……!!」
ダニー「早く!!!!」
「……? あ、あぁ……なんだ一体……?」
ブロロロロロ…
ダニー「…………」
ダニー「……事故が起こったのは、僕のせいでもあるのかな……」
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:50:50.26 ID:HU8BJlMf0
ステファニー「パパ、上手く行った? ……パパ?」
ダニー「…………」
ミシェル「……パパ、大丈夫?」
ダニー「……あぁ、大丈夫……パパは平気さ」
ダニー「DJのところへ行こう。 未来へ戻らなくっちゃね」
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 18:57:13.91 ID:HU8BJlMf0
──────
D.J.「……ステフ! どこ行ったのかと思ったら……パパたちといたの!?」
ステファニー「うん、途中でばったり会っちゃって……ごめん」
D.J.「で、パパ、どうだった?」
ダニー「……」
D.J.「……パパ?」
ダニー「……あぁ、いや……やるだけのことはやったよ」
D.J.「そう……」
ザーッ…ザーッ
『諸君、いるかね?』
ミシェル「ドク!」
『任務は無事遂行できたか? あまり過去に長居しすぎてもよくない、準備が出来たらデロリアンに乗り込むんだ』
ステファニー「……えぇ。分かった」
『君たちが出発したきっかり1時間後の現在に、君たちを連れ戻してやろう』
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 19:00:25.61 ID:HU8BJlMf0
──────
シュバァァァァァァアアアン!!!
シュゴオオォオォオォォ……
ウィイィン
ゴオォォォ……
ギャッ
ガタンッ
ドク「君たち全員無事か!」
マーティ「よかった。で、どうだった?」
DJ「どうって言われても……パパ」
ダニー「あぁ、一応計画通りにはやってみたけど……ねえミシェル?」
ミシェル「うん……」
ステファニー「みんなはどこ!?」ダッ
DJ「そうよ、早く探しましょ!」ダッ
ドク「おっと……」
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 19:02:05.73 ID:HU8BJlMf0
ガチャッ
D.J.「ただいま!!」
ステファニー「みんないる!? ジェシーおじさん!!」
D.J.「ベッキーおばさーん!!」
ミシェル「ジョーイー!!」
ステファニー「……」
D.J.「リビングも見てみましょ」
ステファニー「う、うん」
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 19:06:54.52 ID:HU8BJlMf0
D.J.「おじさーん!おばさーん!」
ステファニー「いないのー!?」
ミシェル「ニッキー!アレックスー!!」
ダニー「……」
ステファニー「……」
ミシェル「……」
D.J.「……返事がない……」
ステファニー「みんなどこ行っちゃったの!? もとに戻ったんじゃないの!?」
ダニー「……」
ミシェル「……どうしよう……」
ステファニー「………………みんな…………」
ダニー「…………」
ガチャッ
「「「「!!!!」」」」
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 19:10:02.94 ID:HU8BJlMf0
ジェシー「おたくも一つくらい持てっての!自分のクッキーだろうが」
ジョーイ「自分のじゃないよ、ニッキーたちと半分こするんだよ!」
\HAHAHA…/
ベッキー「くだらないことでケンカしないでちょうだい……」
ニッキー「たらいまぁ〜」
アレックス「かぇったよぉ〜」
D.J.「みんな……!!」ギュゥッ
ジョーイ「おっと……!?」
ステファニー「あぁ、よかったぁ……」ギュゥッ
ベッキー「あらあら……どうしちゃったの?」
ミシェル「おいたんおかえり!」ギュゥッ
ジェシー「おう……どうした?ちびたんモードなのか?はは」ギュッ
ミシェル「聞いた? あたしのことちびたんだって……よかった、いつものおいたんだ!」ギュウゥッ
ニッキー「ぼくもぉ〜」ギュゥッ
アレックス「はいどうじょ〜」ギュゥッ
\HAHAHA…/
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 19:12:00.94 ID:HU8BJlMf0
ジョーイ「どうしたの一体?夕飯待ちきれなかったの?」
\HAHAHA…/
ダニー「いや、違うんだよジョーイ……みんな無事に戻ってきてくれて……ホントに……」
ダニー「あぁ本当によかった!!!!」ギュゥッ
ジェシー「おわっ、ちょっ、ダニー!!!おたくはハグ禁止令出てんだろうが!!」モゾモゾ
\HAHAHA…/
ダニー「いいじゃないの。今日くらい!」ギュゥッ
ジェシー「ったく……! どうなってんだ一体……」
ベッキー「みんな今日はどうしちゃったの? 全員そろって悪い夢でも見てたわけ? ふふっ」
D.J.「悪い夢ってワケじゃないけど……妙な体験っていうか……ね?パパ」
ダニー「…………ああ、そうだね」
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 19:14:14.75 ID:HU8BJlMf0
ステファニー「あ……そうだ。おじさんたちに聞きたいことがあるの」
ジェシー「ん?どした?」
ステファニー「……あのね、もし………………………」
ジョーイ「……なに、どうしたの?」
ステファニー「…………もし、ママが生きてたら、二人ともここには住んでなかったじゃない?」
ジョーイ「……ステフ、いきなり何かと思えばまたその話?」
ステファニー「それで、ここに住んでなかったとして……それで二人がもっと有名になって、成功してたとしたら……」
ジェシー「……?」
ステファニー「……そっちの人生のほうがよかったと思う?」
ベッキー「…………?」
ジェシー「……」
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 19:17:48.85 ID:HU8BJlMf0
ジェシー「ステフ、バカなこと言うんじゃねえよ」
ジェシー「……確かに、もしかしたらの話、姉貴が生きてたらそうなってたかも知れねぇし、そうならなかったかも知れねぇ」
ステファニー「……」
ジェシー「んなこと、誰にもわかんねえんだ。未来のことなんてな……だけど、もしそうだとしたら、俺はコイツと組んで仕事することもなかったし……」
ジョーイ「そうそう」
ジェシー「ベッキーと出会って、結婚して、双子が生まれるなんてありえないってことだよな。俺はそんなの、まっぴらごめんだね」
D.J.「……そっか」
ジェシー「そりゃ始めのころは何でこんなとこ来ちまったんだって思ったこともあったさ。上手く行かなかったり、悪い事もいろいろあった」
ジェシー「子煩悩になったって言われてリッパーズはクビになるし、ロックな男からエプロンの似合う男になっちまったし……おまけに隣人にゃギブラーよ」
\HAHAHAHA…/
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 19:20:00.72 ID:HU8BJlMf0
ジェシー「ミシェルのおむつのつけ方がわかんなくて、ジョーイと一緒に考えた挙句、尻にトイレットペーパーを巻きつけたことだってあるしな」
\HAHAHA…/
ミシェル「……そんなことしてたのぉ?」
ジョーイ「ホントの話だよ。キッチンでお尻洗ってたしね」
\HAHAHAHA…/
ダニー「……そんなことしてたのか!?うちのキッチンで!?」
\HAHAHA…/
ジェシー「ははは……そうそう、懐かしいぜ。だけどな……今となっちゃ、お前たちなしの人生なんて考えらんねえんだ。どんな成功だって、家族には替えられねえよ」
ベッキー「……私も同感だわ。人生ってどこで分かれ道になるかわからないけれど、過去をやり直してもいいことなんて一つもないと思うの」
ベッキー「だって過去の出来事全てがあって、今の私たちがいるんだもの。過去を否定するのは、今の自分を否定するのと同じよ。あなたたちのママもきっとそう言うわ」
D.J.「……ありがとう、ベッキーおばさん」
ジョーイ「僕だって同じさ。パメラが亡くなったときは皆のことも心配したし、心にぽっかり穴が開いた気分だった」
ジョーイ「でもそのおかげで今の僕らがある。むしろ贅沢なくらいさ……最高の家族が手に入ったんだから。でしょ?」
ステファニー「……そうだね」
ミシェル「みんな帰ってきてくれてよかった!」
ダニー「僕も……それを聞いて安心したよ」
ダニー「…………これでよかったんだよね……」
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 19:24:11.17 ID:HU8BJlMf0
ジェシー「……そうだ、みんな忘れてるわけじゃねぇと思うけど」
ジェシー「明日、パムの命日だろ……どうだ。皆揃って……墓参りでもいくか」
D.J.「いいねおじさん、行こう行こう!」
ステファニー「そういえばずっと行ってなかったもんね」
ミシェル「ニッキーとアレックスは行った事ないよね。あたしが連れてったげる」
ニッキー「いぇーい」
アレックス「いぇーい!」
\HAHA…/
ベッキー「あらあら……この子達ちゃんと分かってるのかしら?ふふっ」
ガヤ
ガヤ
ドク「どうやら、無事解決したようだな」
マーティ「あぁ。……よかった」
──────────────────
────────────
──────
──
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 19:25:09.68 ID:HU8BJlMf0
もうちょっと続きます
今日中に終わらせたい
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 19:45:05.20 ID:WPBJHyaMo
シリアスの中にしっかりフルハウスっぽいウィットな言い回し入れてるの尊敬する
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 20:00:52.24 ID:HpmszzqbO
懐かしやら言い回しうますぎるやらで泣きそうになる
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:09:03.27 ID:HU8BJlMf0
──
──────
────────────
──────────────────
M D Y H M
SEP 19 2017 13 00
DESTINATION TIME
JUN 25 1995 11 08
PRESENT TIME
JUN 25 1987 16 16
LAST TIME DEPARTED
ドク「……」ピッピッ…ピピピッ
マーティ「2017年?」
ドク「もう少し未来へ行けば、よりよいホバーコンバージョンのパーツが見つかるかもと思ってな」
マーティ「なるほど」
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:15:09.35 ID:HU8BJlMf0
ドク「よし。……それでは諸君、我々はこれで。 大変世話になった、礼を言うよ」
ダニー「いえそんな……僕たちの方こそ、いろいろとありがとうございました」
D.J.「マーティも、元気でね」
マーティ「ああ。ありがとう」
D.J.「なんというか、その……二人のお陰でいろいろと勉強になったわ」
ステファニー「あ、そうだ……デロリアンの調子はどうなの?」
ドク「まだ快調とはいかんが、戻ってから改良するよ」
ジェシー「空飛ぶ車ってだけでも意味わかんねぇってのに……」
ジョーイ「さすがに、タイムマシンだなんていわれても信じらんないよ」
ベッキー「え、えぇ……」
ステファニー「無理ないよ」
ニッキー「たーぃましーぃん」
アレックス「フシュウゥーーーゥ」
\HAHAHA…/
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:19:34.23 ID:HU8BJlMf0
ミシェル「……ねえドク!」
ドク「何かね、ミシェル?」
ミシェル「今度は家族みんなでタイムトラベルしたいな。9人乗りのデロリアンがあったら最高なのになって」
D.J.「何言ってんのよ、もうこりごりよタイムトラベルなんて」
マーティ「ははは、その通りだね……」
ドク「……」
ダニー「無理言っちゃだめだよミシェル。それに、ニッキーとアレックスはシート1人ぶんで足りるから、8人乗りで十分さ」
ドク「……」
ドク「…………なるほど……その手があったか……」
ステファニー「どうしたの、ドク?」
ドク「いや、しかしそんなスペースがデロリアンにあるはずがない……」
ドク「いや待った…………あ、そうか……!」
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:21:33.44 ID:HU8BJlMf0
マーティ「ドク……今度はどうしたんだい?」
ドク「浮かんだんだ……あるビジョンが! これだマーティ……」
マーティ「なに、何のこと?」
ドク「よし、そうと決まればさっさと出発せにゃならん。やることは山とあるぞ」
マーティ「張り切るとすぐこれだ……」
\HAHA…/
ドク「ありがとうミシェル、おかげで最高のアイデアが浮かんだよ」
ミシェル「さすがでしょ!」
ミシェル「何の話かな? 」
\HAHAHA…/
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:25:16.88 ID:HU8BJlMf0
ドク「では今度こそ……これで」
ステファニー「ねえ!……また会えるかな?」
マーティ「……ああ、きっと会えるさ」
ドク「マーティ、行くぞ」
ニッキー「ばぃばぁぃまーてぃー」
アレックス「どくもげんきでねぇ」
ゴオォォォォオオオ…………
キイィィィィイン…………
バシッ!バシッバシッ!!
シュバアアァァァァァアン!!!!!!
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:30:46.46 ID:HU8BJlMf0
ミシェル「……行っちゃった」
ベッキー「!?」
ジェシー「!?」
ジョーイ「消えた……!?」
D.J.「……なんだかすごい目に遭ったような気がするわね」
ジョーイ「何かあったの? ていうか……今の見てなんとも思わないの!?」
D.J.「……ううん、何でもないの」
ピンポーン
ダニー「ん……お客さんかな?」
ステファニー「パパ、私が出る」
/
はーい。どちらさま?……
\
/
…………うっそでしょ、信じらんない!!!
\
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:34:11.21 ID:HU8BJlMf0
ダニー「……?」
ジョーイ「ステフ、どうしたんだろう?」
/
…………ちょっとみんな、早くこっち来て!!!
\
ガチャッ
ダニー「ステフ、一体誰なんだい…………!?」
マーティ「やあ、久しぶり!」
\Fooooo!!!!/ \yeaaaaaaah!!!!!/
\Woooooooow!!!!/
パチパチパチパチ! ヒューッ!
「「「「マーティ!!!???」」」」
221 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:38:30.84 ID:HU8BJlMf0
D.J.「だって、さっきまで向こうにいて、それで……」
ステファニー「今帰ってったとこじゃない!!」
マーティ「そう。一度2017年へ行って、1987年に帰った……けど、また過去からやって来たんだ。未来に戻ってきたのさ」
ミシェル「うっそー!」
マーティ「てのは冗談。今帰ったのは1987年の僕で、この僕が正真正銘、1995年のマーティさ!」
ジョーイ「……言われてみれば、確かに……」
マーティ「いやぁみんな、久しぶり! 会いたかったんだ、遊びに来たよ!」
ジョーイ「ちょっと老けたね?」
\HAHAHAHAHA…/
マーティ「……」
\HAHAHAHAHAHA…/
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:43:28.74 ID:HU8BJlMf0
ダニー「いやぁ、びっくりだよ。それに……隣の人は?」
マーティ「紹介するよ。この人は……」
ジェニファー「ジェニファー・マクフライです」
https://i.imgur.com/WDAcmsP.jpg
ベッキー「あら、美人。 奥さん?」
ダニー「やるじゃない……さすが色男」
ステファニー「うーん、なんかよくわかんない……タイムトラベルって数学の宿題よりややこしいわ……」
\HAHA…/
prrrrrrr…
ジェシー「はい、タナー。……あぁ、どうも。……うん……えっ?」
ジェシー「まじか……それで、すぐ行かねえとダメになっちまったのか」
ジェシー「そうか……いや、いいんだ。ああ……また今度頼むよ。それじゃ」
ガチャン
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:45:29.95 ID:HU8BJlMf0
ダニー「ジェシー、何かあったのか?」
ジェシー「聞いてくれよ……ザ・ニュースなんだけどよ、ヒルバレーの次の会場が落雷で機材全部ダメになっちまったんだと」
ジョーイ「ええっ?大変じゃない」
ジェシー「それで、今からすぐそっちへ向かうんだってよ。スマッシュクラブでのライブはなしだ 」
ベッキー「あら……それは残念ね」
ジェシー「ほんとだぜ……代わりにゲストを探さねえと……」
マーティ「……」
ジェシー「チッ……たく、どうすっかな……誰か演奏ができる奴……」
マーティ「……」
ジェシー「……」
マーティ「ねえ」
ジェシー「何だ! えっ!!?? マーティ!!?? おうわっと!!!!」ガタッ
\HAHAHAHAHA…/
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:49:31.44 ID:HU8BJlMf0
ジェシー「おたく……なんで!? だってついさっき……!?」
マーティ「それよりさ、その代わりのゲストっての……僕にやらせてもらえないかな」
ジェシー「……あんたが?」
マーティ「ギターならちょっとくらいは弾けるよ」
ジェシー「ホントか? そりゃいい! でも……いいのか? 今夜だぜ」
マーティ「大丈夫だよ。ほんのお礼さ」
ジェシー「そりゃありがてえ。知らなかったよ……初めてギター弾いたのはいつ?」
マーティ「んー……1955年」
\HAHAHAHA…/
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 20:52:17.50 ID:HU8BJlMf0
ジェシー「……ハッハーぁ……面白いね……チャック・ベリーに楽曲提供しましたってか?」
\HAHAHA…/
ジェシー「……よし決まりだ!」ガシッ
マーティ「決まり!」ガシッ
ジョーイ「よかったじゃない、ジェシー。これでなんとかなりそう?」
ジェシー「あぁ、とにかく頼んだぜ」
マーティ「任せてよ。……あ、そうそう」ゴソゴソ
ダニー「どうしたの?」
マーティ「……手紙を預かってきてるんだ。『ジラード通り1882番地、タナー家の皆様へ……』」
D.J.「手紙? 誰から?」
マーティ「誰からだと思う?」
226 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 21:01:59.34 ID:HU8BJlMf0
──────
ガヤガヤ…
ワイワイ…
ジェシー「皆さん!大変お待たせいたしました」
ジェシー「スマッシュクラブ、今夜はスペシャルゲストを招いての演奏です」
ジェシー「それにあわせて、バンド名は一晩限りの変更となります。名付けて、『ホットダディ&ザ・マーティパペット』!」
ジェシー「いつもは『ホットダディ&ザ・モンキーパペット』なんだけど、今日はたまたまギターのバイパーってヤツが休んじまってさ」
ジェシー「……だからモンキーの部分が要らねえってわけ!」
\HAHAHAHA……/
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 21:06:55.76 ID:HU8BJlMf0
ジェシー「それでは!今夜のスペシャルゲストをご紹介しましょう……ヒルバレー1のギタリスト! マーティ・マクフライです!!」
\ ヒューッ! イェーイ! /
\パチパチパチパチ…/
マーティ「…………」ボソボソ
マーティ「…………」ボソボソ
ジェシー「……?」
マーティ「……の、これ……」ボソボソ
ジェシー「あっ……ちょっと!マイクの音量上げて!!」
マーティ「……っ」キーン…!
マーティ「あぁ、もう大丈夫ありがとう。なんでこんなにマイクの音量下がってるの?ははは」
\HAHAHAHA…/
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 21:12:26.73 ID:HU8BJlMf0
マーティ「えー、どうも、こんばんはみなさん」
マーティ「今日はその……楽しんでいって下さい」
マーティ「……ねえジェシー、リハーサルしてないけど大丈夫?」
ジェシー「心配要らねえよ、こいつらはプロだ。リードは任せるから、代わりにきちんと合わせてやるさ」
マーティ「OK、それじゃ……みんな」
マーティ「リズムはブルースで。Bから入って、途中で変わるけど……適当に合わせてついてきて」
マーティ「いくよっ!」
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 21:18:00.34 ID:HU8BJlMf0
https://www.youtube.com/watch?v=RelL4BS2lEQ
(Marty Mcfly - Johnny B Goode)
♪〜
ジェシー「おっ、ジョニー・B・グッドとはいいセンスじゃねえか!盛り上がっていこうぜ!」
“Deep down Louisiana close to New Orleans
Way back up in the woods among the evergreens
There stood a log cabin made of earth and wood
Where lived a country boy named Johnny B. Goode
ミシェル「お姉ちゃん、踊ろっ!」
ステファニー「えぇっ? しょうがないわね……」
Who never ever learned to read or write so well
But he could play the guitar just like a ringing a bell...”
D.J.「パパ」
ダニー「パパの動きについてこれるかな? これでも昔はディスコでブイブイ言わせてたんだから!」
\HAHAHAHA…/
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 21:20:34.60 ID:HU8BJlMf0
“Go go!
Go Johnny go Go!
Go Johnny go Go!
Go Johnny go Go!
Go Johnny go Go!
Johnny B. Goode
Go go!
Go Johnny go Go!
Go Johnny go Go……”
♪〜
♪〜
──────────────────
────────────
──────
──
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 21:23:27.72 ID:HU8BJlMf0
──────
\アーアーアーアー♪/
Coordinating Producer
MILES KRISTMAN
Associate Producers
JODIE BABA
JOHN MOFFAT
Executive Story Editor
ADAM I. LAPIDUS
CAROLYN OMIE
BOB GALE
Guest Starring
CHRISTOPHER LLOID
as Emmet Brown
MICHAEL J. FOX
as Marty Mcfly
CHRISTIE HOUSER
as Pamela Tanner
Associate Director
TOM RICKARD
Stage Managers
KEITH E. RICHMOND
REBECCA BAUGHMAN
DEAN WEICHEL
Director of Photography
J. BRUCE NIELSEN
Art Director
LYNN GRIFFIN
Edited by
JAY SHCERBERTH
Executive In Charge of Casting
BARBARA MILLER, C.S.A.
Casting by
JOANNE KOEHLER, C.S.A.
Music by
JESSE FREDERICK
& BENNETT SALVAY
& HUEY LEWIS
Theme Song
"Everywhere You Look"
by JESSE FREDERICK
& BENNETT SALVAY
& JEFF FRANKLIN
Theme Song Performed by
JESSE FREDERICK
Set Decorator
JAMES IRA COLBURN
JEFF FRANKLIN PRODUCTIONS
Miller・Boyyet PRODUCTIONS
In Association With
WARNER BROS. TELEVISION
製作・著作
─────
NHK
終
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 21:27:49.74 ID:ljKRk7XTo
愛を感じた。大いに拍手!
SS速報は時々こういう快作が出てくるから侮れん
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 21:28:42.35 ID:HU8BJlMf0
休憩後おまけあり
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:00:20.28 ID:HU8BJlMf0
(以下、おまけ)
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:01:26.95 ID:HU8BJlMf0
Wednesday
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:02:24.83 ID:HU8BJlMf0
July 4, 1995
12:58 PM
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:03:32.09 ID:HU8BJlMf0
────────────
サンフランシスコ, ジラード通り 1882番地
タナー家の皆様へ
私の計算が正しければ、君たちは私とマーティが1987年へ戻るのを見送った直後、
訪れた1995年のマーティからこの手紙を受け取っているはずだ。
まずは君たちと別れてから8年間元気に過ごしていることを請合っておこう。
(といっても私は日々こことさらに別の時代とを行ったり来たりしているので、私の中においてはそれ以上の時間が経過しているのが事実だ)
あれから4年の歳月を経て、私は1991年5月2日、ヒルバレーで自身の研究所を立ち上げた。
そしてさらに4年をかけ、全く新しいデロリアン・タイムマシンの開発に成功したのだ。
これは我が研究所最大のプロジェクトである、一般向けのタイムトラベル体験ツアーに使用される予定のものだ。
「英知を分かち合い、未来を見据えるためのチャンスを多くの人々と共有し、人類の更なる発展に貢献する」
これが初めてタイムマシンを作り上げてからの、私の次なる目標であった。
それがついに叶おうとしている。君たちのおかげだ!
その感謝の気持ちとして、私の最新の発明品である「新型8人乗りデロリアン」の、初のタイムトラベル実験に君たちをぜひ招待したい。
もちろん、家族全員分のヒルバレー行きのチケットも添えておいた。
独立記念日の休暇に、ヒルバレーのフューチャーテクノロジー研究所で会えるのを楽しみにしている。
君たちの友
エメット・ブラウン博士
1995年6月25日
────────────
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:08:34.75 ID:HU8BJlMf0
──────
D.J.「ここが『フューチャーテクノロジー研究所』……?」
ジェシー「随分でっかい建物だな」
ステファニー「これホントにドクが作ったの?すごーい……」
ジョーイ「向こうに入り口があるよ。入ってみようよ」
『こんにちは。フューチャーテクノロジー研究所へようこそ……』
『当研究所の創立者で、発明主任のエメット・ブラウン博士に代わり、皆様を心より歓迎いたします……』
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:11:06.81 ID:HU8BJlMf0
ザーーッ…ザーッ
ドク『やぁ! 映った!』
ミシェル「あっ、ドク!」
ドク『諸君!よく来てくれた。 エメット・ブラウンだ!』
ダニー「本当だ、モニターに映ってる」
ニッキー「ひさしぶりぃ」
アレックス「ちょぅしどぉ?」
ドク『タイムトラベル一日体験ツアーへよくぞ参加してくれた! ……だが一つ、ちと気になる問題がある。残念ながら今から君たちに伝えるのは、非常に不吉な事実だ』
ドク『いやはや、実にヘビーだ。気を引き締めて聞いてくれたまえよ!』
ドク『……ビフ・タネンが行方不明なんだ』
ベッキー「ビフ…」
ジョーイ「タネン?」
ダニー「知らないな。 誰のことなんだろう」
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:13:18.13 ID:HU8BJlMf0
ドク『1955年に消息が途絶えたきり、全く分からんのだよ。この不良はどこにいるのか……忽然と消えちまったんだ!』
ジェシー「そりゃ大変だけど……40年前の人間が何で関係あるんだ?」
ドク『なぜそうなったのか見当も付かんが……ビフが時間の壁を越えてうろついているとすると、歴史がめちゃめちゃになりかねん』
ドク『いつの時代のどこにいるかも分からん!用心せにゃならんぞ。あのビフがタイムトラベルをすると碌なことにならん』
ジョーイ「随分ひどいいわれようだね」
ダニー「そんなにワルなの?」
ドク『とにかく、君たちは専用の待合室にて待っていてくれたまえ。私はすぐに戻る!』
ドク『くれぐれも、ビフには用心するんだぞ! ではまた!』
ザーーッ…ザーッ
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:18:24.65 ID:HU8BJlMf0
──────
ザーッ…ザーッ
ドク『諸君、改めてよく来てくれた。歓迎する』
ドク『実験に参加してもらう前に、まずはタイムトラベルの基本原理について説明しておこう』
ドク『知ってのとおり、時空を越えるのは並大抵のワザではない……分かるだろう?』
ドク『そこで私が開発したのが……科学の粋を集めた究極のこの一台──』
ドク『8人乗り新型デロリアンタイムマシンだ!』
https://i.imgur.com/fHo9QKr.jpg
ドク『より速くなり、燃費も抜群。その上……スマートなコンバーチブルタイプ!』
ドク『未来の天気は分からんが、もし分かるならタイムトラベルには晴れの日を選ぶべきだな』
ドク『ひいひいひ孫たちとのドライブも、時代を超えたグループ交際も!……しかし、タイムトラベルにはもっと真剣な態度で臨むべきだ。そう、君たちのようにな』
ドク『さて、私はもう少しマシンの整備にかかる。また会おう』
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:20:42.32 ID:HU8BJlMf0
ザーッ…ザーッ
ステファニー「あ、画面が切り替わった」
ダニー「監視カメラの映像だね。どこかの廊下だけけど……」
ベッキー「へぇ、こんなのも見せてくれるのね」
ミシェル「……? 誰かいる!」
『……ハロー! 誰かいるかい!? ……何見てんだよこのボケ!』
ジェシー「……なんだあいつ?」
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:26:14.29 ID:HU8BJlMf0
──────
ドク『では諸君に、タイムトラベルに関する注意を注意を与えておこう』
『……』ソローリ
D.J.「あっ、さっきの……!」
ドク『それさえ覚えておけば、初めてでも難なくフワ〜っと時空の壁を越えられる』
『……』ソローリ
ニッキー「うしろ〜」
アレックス「ぁぶな〜ぃ」
ドク『だが急がねば。もしビフが現れたら何が起こるかわからん!』
『うぉらっ!!』バキィッ! バチバチッ
ガラガラガラ……ガシャーン!!!
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:28:11.88 ID:HU8BJlMf0
ドク『!!!! ああぁあぁあっ……!!』
ジェシー「……おいおい、こりゃまずいんじゃねえか?」
ジョーイ「何なのさっきからあの男、相当なワルだよ?」
ビフ『ハロぉ〜! ハロぉ〜、ブラウン博士ぇ〜! ハッハァ!!』
https://i.imgur.com/xrRvK3m.jpg
ドク『シャッターが……閉じ込められてしまった……!! ビフ! 一体どうやって中へ入った!!?』
研究員『〜〜〜!! 〜〜!』モゴモゴ
ビフ『こいつらに聞いてみな!』ペリペリ
ドク『なっ……なぜ縛られとるんだ!』
研究員『プハァっ……ドク! 研究班が1955年に行って実験を行っていたときに……』
研究員『ビフがきっとこっそりマシーンに……!!』
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:30:47.94 ID:HU8BJlMf0
ビフ『そうさ! タダ乗りのチャンスを逃す手はねぇだろ!』
ドク『ビフ! お前は現代にいちゃいかんのだ!!すぐ1955年にもどれ!さもなきゃ宇宙がメチャメチャになってしまう!!』
ビフ『心配すんなって、戻るさ! オ・レ・の やり方でな』
ビフ『だがその前に……軽くひとっ走りさせてもらうぜ』
ドク『やめろぉっ!! ビフっ!!』
ビフ『もっとおしゃべりに付き合いたいが時間がないんでね。……いや違った!時間なら自由自在だっけ! ヒャッハァ!!』
ドク『おい開けろ!! ここを開けるんだビフ!!』
ビフ『ほいじゃ、バイバァイ!!』
ブオォオン……
パラリラ〜♪
ドク『やめろおおおおぉぉぉおぉお!!!』
ビフ『ハ〜ッハッハァ!!』ブロロロロ……
ベッキー「なんてひどい! たたっきのめしてやんなくちゃ!」
ジェシー「ベッキー、落ち着けよ……」
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:34:09.26 ID:HU8BJlMf0
ドク『なんてこった……デロリアンを盗まれた!』
ドク『こりゃ大変なことだ、歴史が全く塗り替えられてしまうぞ……もしも奴が…………』
ドク『待てよ……そうだった、これがあるじゃないか!!私の最新作8人乗りのデロリアン・タイムマシン!!これで追いかければ……』
ステファニー「じゃあ早速追いかけなくちゃ!」
ドク『あぁっ……ダメだ、私はここに閉じ込められて身動きが取れんのだぞ! マシンに乗り込めるわけがない……』
ダニー「……万事休すだね」
ドク『…………いや待った』
ステファニー「?」
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:35:00.32 ID:HU8BJlMf0
ドク『私が乗れなくても、ほら……! タイムトラベル参加者の諸君がいる!』
ドク『D.J.、ステファニー、ミシェル、タナー君にコクラン夫妻、それにグラッドストーン君、ニッキーとアレックスも!』
D.J.「待って、私たち!?」
ドク『そうだ! タナー家の諸君、君たちだ!』
ドク『8人乗りデロリアンは君たちの目の前にある扉の向こうでスタンバイしてある。操縦はリモコンで私がするが、ナビゲーターの諸君がいなきゃ話にならん!』
ミシェル「すっごい!面白くなってきたね!」
ドク『ビフを連れ戻してくれ。全宇宙の運命が諸君にかかっている! まずは落ちついて、安全に関する注意を聞いてほしい』
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:36:42.41 ID:HU8BJlMf0
──────
"さあさぁみんな! 急いで! 乗った乗った!"
"足元に気をつけて! 全員乗ったら出発だ、急いで!"
"転ばないように! ドンドン乗って!"
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:37:32.03 ID:HU8BJlMf0
ザーーッ…ザーッ
ドク『さあ準備はいいかな? 心配要らん! 私が付いている……おぉっと!!』バチィッ!
ドク『……リモコンの調子がちと怪しいが、しかしやるっきゃない。 地球の運命がかかっているんだ!』
ジェシー「……大丈夫なのか?本当に……」
ミシェル「あたし前に座ろっと」ゴソゴソ
"博士、ビフが時間の壁を越えました。もはやどこにいるのか分かりません"
ドク『……「どこ」じゃなく「いつ」だろう?』
ダニー「言ってる場合?」
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:40:52.38 ID:HU8BJlMf0
ドク『いつの時代に奴がいるかは簡単に分かる。諸君が乗り込んだ8人乗りデロリアンには4次元タイムトラッキングスキャナーが取り付けてあるんだ』
ドク『これさえあれば例えビフがどこへ行こうと、奴が今いる時間と場所を瞬時に割り出して追跡できる!』
"博士、発車準備が整いました"
ドク『……よし、いよいよだ。 いくぞ諸君!』
ザーッ…
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:41:58.69 ID:HU8BJlMf0
ピーッ ピーッ
ピーッ
ピーッ ピーッ
ピーッ
ピーッ
ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ ピーッ
ピーッ
ピーッ
ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ
ピーッ ヒ ゚ーッ
ピーッ ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ
ピーッ ピーッ ピーッ
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:42:40.28 ID:HU8BJlMf0
ガコンッ
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:43:52.31 ID:HU8BJlMf0
ブロロロ……
ドク『いいかね? ビフのデロリアンが見えたら、時速88マイルまで加速して追突するんだ!』
ブオオォォォ……
キイイィィイイィイン……!!
ミシェル「いっけえぇぇえ!!」
ステファニー「わあぁ、速い速い! あはは!!」
ドク『さぁいくぞ……現在時速55マイル!』
D.J.「フウゥ〜!」
ジョーイ「なにこれぇ、すごいよ!!」
ドク『65……!!』
ベッキー「もっと飛ばして! ヒィ〜ハァ〜!!」
アレックス「いぇぇぇ〜ぃ!」
ニッキー「ぶうぅう〜ん!」
ドク『75……!!!』
ダニー「ああぁあぁぁあああああ!!!」
ドク『85……!!!!』
ジェシー「あああああああああぁあぁぁ!!!!!!!!」
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:45:33.81 ID:HU8BJlMf0
『よおぉぉし!!! 時速88マイルだぁ〜〜〜っっ!!!!!』
https://www.youtube.com/watch?v=ilsyO-wtMMs
(Huey Louis and the News - Back In Time)
TO BE CONTINUED
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 22:51:46.80 ID:HU8BJlMf0
って、なんでビフ君が!? 本当の本当に終わり
最後は「(バック・トゥ・ザ・フューチャー・ザ・ライドに)続く」
なので続編は存在しません
フルハウス第1話がアメリカで放送開始されたのが1987年9月22日
30周年記念になればと思いますです、おめでとうございます
最後までお付き合いありがとう
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 22:53:28.72 ID:N6YRQN3Vo
乙でしたっ☆
SSにおける、歴史的傑作!
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/09/19(火) 23:18:07.87 ID:HU8BJlMf0
>>8
と
>>254
において表記ミスがあったので訂正します。
×Huey Louis and the News
○Huey Lewis and the News
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/19(火) 23:21:51.46 ID:uYAHEqp7o
乙乙
おまけはUSJか何かのアトラクションネタかな?
フルハウスは登場人数多くて家族関係がよくわからなかったけどこのSSのお陰でわかったわ
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[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
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