ダニー・タナー「おはようサンフランシスコ、ここで臨時ニュースです…空飛ぶデロリアン?」

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1 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:21:22.79 ID:7XIufo0I0

───サンフランシスコ 地方TV局───




ベッキー「ダニー、どういうこと?」

ダニー「ちょっと待ってね。えー、たった今入った情報によりますと……」

ダニー「サンフランシスコ市街地上空にて謎の飛行物体を目撃したとの情報が、今朝から局に複数入ってきている模様です。その数なんと30件以上!」

ベッキー「まあ」

ダニー「そして目撃証言によると、その飛行物体は……青い閃光を発して、空にいきなり現れたということです」

ベッキー「まるでUFOみたいね。本当なの?」

ダニー「さあ……で、その飛行物体ですが、見た目がどうやら……デロリアンだとか」

ベッキー「デロリアンって…車の?」

ダニー「デロリアンっていえばそうだよねぇ。磨きたてのステンレス鍋みたいなボディーのアレ」
\HAHAHA…/

ダニー「もしかしたらステンレス鍋が飛んでるんじゃないかっていう人も中にはいたんだけど、タイヤが付いてるみたいなのでやっぱりデロリアンらしいね」
\HAHAHAHA…/

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1505049682
2 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:24:32.06 ID:7XIufo0I0
ダニー「いや信じがたい話だけど…ベッキーはどう思う?」

ベッキー「車が空を飛んでるってことよね?もし本当ならすごいけど……すぐには信じられないわ」

ダニー「まあ確かに、宙に浮いてくれたらとっても助かるなあと思うことはあるけどさ。車の裏を掃除するときとかね…?」
\HAHAHAHA…/

ベッキー「……ダニー」

ダニー「はは、それはおいといて。さて、この謎の飛行物体……UFOなのかデロリアンなのか、はたまた……タイヤの付いたステンレス鍋か」
\HAHAHA…/

ダニー「とにかく、なにか詳しいことがわかった方は、ぜひ局の方まで情報提供をお願いします」

ベッキー「真相が非常に気になるところですが、残念ながら今日はこの辺でお別れです」

ダニー「おはようサンフランシスコ、また明日お会いしましょう!お相手はダニー・タナーと」
https://i.imgur.com/xCRFpZD.jpg

ベッキー「レベッカ・ドナルドソンでした。それでは!」
https://i.imgur.com/Y7arQwD.jpg


\〜Wake up♪ デデン!/
3 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:28:01.24 ID:7XIufo0I0
 < カーット! お疲れ様でーす!


ダニー「……ふぅ。 ちょっと! 一体誰だ? こんな原稿を用意したのは」

  ベッキー「……あら?」

ダニー「子供のいたずらかと思ったじゃない。エイプリルフールじゃないんだからさぁ」

  ベッキー「……?」

ダニー「うちの番組は『正確な情報』がモットーなんだよ? こんなくだらない噂話に乗せられて電波に流すなんて……」

  ベッキー「……まぁ」

ダニー「それに、ベッキーも……君は番組のプロデューサーだろう?こんなのを許可したらダメじゃないか。 ……ベッキー?」

  ベッキー「……ダニー、こっち来て」

ダニー「なに?」

  ベッキー「窓の外。あれ……見て」

ダニー「……?」
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:28:56.13 ID:7XIufo0I0
 












ダニー「……あれは…………」

ベッキー「どうやらただのジョークってワケじゃなさそうね」

ダニー「…………信じられないよ……」


──────────────────


────────────


──────


──
5 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:31:46.05 ID:7XIufo0I0
https://www.youtube.com/watch?v=3pPHiLyfRvo
(Jesse Frederick - Everywhere you look)



※1987年放送開始の海外ドラマ「フルハウス」と、1985年公開の映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のクロスオーバーです
6 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:36:37.55 ID:7XIufo0I0
 












     Thursday











7 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:38:01.31 ID:7XIufo0I0
 












    June 22, 1995
      11:15 AM











8 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:40:35.89 ID:7XIufo0I0
https://www.youtube.com/watch?v=-NMph943tsw
(Huey Louis and the News - The Power of Love)
9 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:42:18.14 ID:7XIufo0I0
 
───ラジオ局「KFLH」───



 【ON AIR】

ジェシー「どーもこんちは。引き続きラッシュアワー・ブラザーズのジェシー・コクランと……」
https://i.imgur.com/AbiAY3a.jpg

ジョーイ「ジョーイ・グラッドストーンです」
https://i.imgur.com/sLBeD2g.jpg

ジェシー「今日のスペシャルは"バック・トゥ・ジ・80's"……ってことで、この時間は80年代のヒットナンバーをどんどんお届けしています」

ジョーイ「ちょっぴり懐かしい名曲が勢ぞろいですよ」

ジェシー「たった今お送りしたのはヒューイ・ルイス&ザ・ニュースで"ザ・パワー・オブ・ラブ"。全米No.1にも輝いた1985年のナンバーでした」

ジェシー「というわけで、ここでスペシャルゲストをご紹介しましょう……ヒューイ・ルイスぅ!! 入って入って!!」


 ガチャッ

 ヒューイ「やあ、どうも」
https://imgur.com/inYQQLW.jpg
\Fooooo!!!!/ \yeaaaaaaah!!!!!/
  \Woooooooow!!!!/
 パチパチパチパチ!   ヒューッ!
10 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:45:42.51 ID:7XIufo0I0

ジェシー「ヒューイ! 今日はどうもありがとう」

ヒューイ「いやいやこちらこそ、呼んでくれてありがとう」

ジェシー「元気そうだねぇ! いやぁホント、来てくれてマジでうれしいよ」

ジョーイ「待ってました! よろしく!」

ヒューイ「ああよろしく」

ジェシー「知っての通り、ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースはここサンフランシスコ出身のバンドです。1980年に結成されました」

ジョーイ「今年で15周年ってことだよね?」

ヒューイ「そうだな」

ジェシー「そのとおり。今は西海岸の各都市でツアー中。これがもう大人気!チケットは全部売り切れだってね」

ヒューイ「ああ、おかげさまでね」

ジェシー「さすがだぜ。 そいで、おとといは地元サンフランシスコでのライブも無事終了しました。 ひとまず、お疲れ様」

ヒューイ「ありがとう」

ジョーイ「それで、この後の予定は? しばらくサンフランシスコにいるの?」

ヒューイ「そうだな……今度は来週の水曜日にヒルバレーで公演があるんだが、週明けに移動して準備するから、今週末は少しだけゆっくりできるよ」

ジェシー「なるほど。ま、ツアーについての話は後でまた詳しく聞いていこうと思います。その前にもう一曲お送りしましょう」

ジェシー「その後、一旦CMです。チャンネルはそのままで! ではこの曲。1982年のナンバーです……マイケル・ジャクソンで”ビート・イット”!」ポチッ


  〜♪
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:49:04.38 ID:7XIufo0I0
 /
  曲のあと、CM入りまーす!
 \



ジェシー「……OK! もう喋っていいよ、大丈夫」

ヒューイ「ああ。……いやしかし、ラジオってのは緊張するな。これ生放送だろう?」

ジェシー「何言ってんだ、アンタほどの男がさぁ。おたくらのライブのほうがよっぽどだぜ……で、週末は地元で何して過ごすんだ?」

ヒューイ「それが何も決まってなくてな。せっかくだし、家にいるのも悪くないと思ってるよ」

ジョーイ「……あ、そうだジェシー。あれお願いしてみたらどう? 今度の日曜、スマッシュクラブでゲスト演奏してくれる人を探してたじゃない!」

ジョーイ「ザ・ニュースに出てもらうってのは? きっと大盛況だよ」

ジェシー「おいおい待てよジョーイ、そりゃ探してたけどよ。そんなの無理に決まってんだろ、忙しいツアーの合間の休暇なんだぞ」

ヒューイ「あぁ、スマッシュクラブか……聞いたことあるよ、アンタがやってるとこだろ?」

ジェシー「……知ってるのか?」

ヒューイ「面白そうだな。メンバーに聞いて、都合つけてみようか?」

ジェシー「……ホントか? 出てくれるのか?」
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:52:48.04 ID:7XIufo0I0

ヒューイ「日曜の夜って言ったな、何とかしてみるよ」

ジョーイ「やったねジェシー!」

ジェシー「いや、マジか……そりゃ嬉しいな、ありがとう! 楽しみにしてるよ!」ガシッ

ヒューイ「いや、こちらこそ」ガシッ

ジェシー「よし、話も決まったところで、本番まであと1分だ。準備しといてくれ」

ヒューイ「OK」

ジョーイ「……そうそう。話変わるんだけど、今朝のニュースのことどう思う? 空飛ぶデロリアンの」

ジェシー「バカなこと聞くなよ、ジョーイ。車が飛ぶだぁ?くだらないね」

ヒューイ「そうか? 俺は見てないが、もし本当だったら面白いじゃないか」

ジェシー「俺に言わせりゃあんなの、ガキがはしゃいでるだけだ。アニメなんか見すぎるとああいうのを本気で信じ込んじまうんだよ」

ジョーイ「……はーい、ボクちゃん早く大人になりまーす」
\HAHAHAHA…/

ヒューイ「……知らないかも知れんが、俺の名前は『ヒューイ・デューイ・ルーイ』から来てるんだよな」

ジェシー「アニメって良いよねぇ〜!」
\HAHAHAHA…/

ジョーイ「……」
\HAHAHA…/
13 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 22:57:44.25 ID:7XIufo0I0
───タナー家・D.J.の私室───

ダダダ……
 ガチャッ

ステファニー「お姉ちゃんたすけて! ミシェルがしつこいの!」ドタドタ
https://i.imgur.com/9e4LziG.jpg

ミシェル「宿題の発表聞いてって言ってるだけだよ?」ドタドタ
https://i.imgur.com/KYBmJX9.jpg

D.J.「騒がないの。 ……ミシェル、またそれ?」
https://i.imgur.com/idFv2l4.jpg

ステファニー「もうあたし5回は聞かされたのよ!?」

D.J.「私だって同じくらい何回も付き合わされたわよ」

キミー「どしたぁチビスケ、何の宿題?」
https://i.imgur.com/TH0gfjC.jpg

D.J.「交通安全についての発表なんですって。ミシェルのテーマは『飲酒運転』なのよ」
14 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:00:16.93 ID:7XIufo0I0
ミシェル「そうなの、練習を家族に聞いてもらわないとだめなんだ」

キミー「へぇ、今時はめんどくさいのやってんだね」

D.J.「何言ってるの、私たちも昔やったじゃない」

キミー「そうだっけ?」

D.J.「ええ、アンタの発表覚えてるわ。『道路の渡り方について──第一章:右を見る 第二章:左を見る 第三章:渡る』」
\HAHAHAHA…/

ステファニー「へぇ……それってちゃんとヤギ語で書いてたの?」
\HAHAHAHA…/

ミシェル「だって家族に全部で50回聞かせたらシールがもらえるんだよ。パパにもジェシーおいたんにもベッキーおばさんにもいっぱい聞いてもらったのに、何でお姉ちゃんたちは聞いてくれないの?」

ステファニー「お願いだから練習なら他の家族にしてちょうだい……」

D.J.「そうよ、いっそコメットにでも聞かせてやりなさいよ。文句は言わないでしょ、言ってても分かんないし」
\HAHAHA…/

ミシェル「犬はズルなんだって、ペットに発表してごまかす人が多いから。言葉が分かる人間じゃないとダメだって先生が言ってた」

キミー「じゃあアタシが代わりに聞いてやろうか?」

ミシェル「今言ったこと聞こえなかったの?」
\HAHAHAHA…/

キミー「……」
\HAHAHAHAHA…/
15 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:05:14.12 ID:7XIufo0I0
ミシェル「いいや、後でジョーイに聞いてもらおっと。ジョーイはおとなしく聞いてくれるから何回でもできるし」

ステファニー「意外ね?」

ミシェル「お昼寝始めるときしか聞いてくんないけどね」スタスタ
\HAHAHA…/

バタン


ステファニー「……行っちゃった」

D.J.「あきれた子ね」

キミー「全く、自分勝手に育ったもんだね」
\HAHAHAHA…/

D.J.「……」

ステファニー「……」

キミー「……何さ!?」
\HAHAHAHAHA…/




キィィィィィン……
シュゴオォォオォォォ……

 ドドォォ……ン……!
16 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:08:40.42 ID:7XIufo0I0
ステファニー「うわっ……!?」

D.J.「ちょっと、何の音……!?」

 シィーン……

ステファニー「……なになに、何があったの?」

キミー「ワァオ! 今のすごかったねぇ。何か落っこちてきたんじゃないの?」

D.J.「わかんないけど……落ちてきた? 何がよ?」

キミー「さぁ。UFOとか?」

ステファニー「……だったら、お迎えだよ。早く行きな!」
\HAHAHAHA…/




 うわぁ、なにこれぇ!?




ステファニー「ミシェルの声だ!」

D.J.「事故か何かあったのかも。見に行きましょ」スタスタ

ステファニー「あっ、待って私もいく!」タッタッ


キミー「さてさて、今日は何で楽しませてくれんのかねぇ! ホントこの家好きだわ〜!」スタスタ
\HAHAHA…/
17 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:11:20.03 ID:7XIufo0I0
 

───裏庭───

 ガチャッ

D.J.「ミシェル!!」

ミシェル「…………」

D.J.「……ミシェル、大丈夫!?」

ステファニー「大丈夫!?」

ミシェル「うん、平気……びっくりした……」

D.J.「どうしたの一体!?」

ミシェル「庭に出てきたら……いきなり……空から……あれが……」ガクガク


https://i.imgur.com/Okz3x5H.jpg


D.J.「……なに、これ……」

ステファニー「うわ……まさかホントにUFO……?」
18 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:13:14.64 ID:7XIufo0I0
D.J.「いいえ……タイヤがついてる。車よ、これ」

ステファニー「誰の? 何でうちの庭にあるの……?」


プシュウゥウウゥウ……

D.J.「!!」ビクッ

 ステファニー「!!」ビクッ

ミシェル「!!」ビクッ


 ガチャッ
ウィイィイイィン


D.J.「ドアが……中に誰かいるの!?」


  「……これ、出るの大変だよ……!」モゾモゾ
 「……こら、そう押すんじゃない……!」モゾモゾ


ステフェニー「…………」ギュゥッ
ミシェル「…………」ギュゥッ
 D.J.「…………」
19 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:15:58.91 ID:7XIufo0I0
 









マーティ「……ふぅ、ようやく出られた……!」
https://i.imgur.com/r5Grwq5.jpg
ドク「ふぅ……やはりちと狭いな……」
https://i.imgur.com/R6JjMr7.jpg
   \Fooooo!!!!/ \yeaaaaaaah!!!!!/
  \Woooooooow!!!!/
    パチパチパチパチ!   ヒューッ!


D.J.「…………!?」
ステファニー「…………!?」
ミシェル「…………!?」
20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:18:12.99 ID:7XIufo0I0
 
マーティ「……ねえドク、一体どうなってるの!」

ドク「分からん……どうもさっきから飛行が安定せんのだ。おかしいな……2015年に戻ってホバーコンバージョンを交換するべきか……」

マーティ「変に改造するからおかしくなっちゃったんじゃない?だいたいどうしてデロリアンを4人乗りなんかにする必要があるって言うのさ」


ステファニー「…………お姉ちゃん、あれ誰?」

D.J.「知らないわ…………あの、すみません」


マーティ「無理やりシートを4つにしたせいですごく狭いんだよ、これ……」

ドク「しょうがないだろう、まだ試作品なんだ。戻ったら手直しする」


D.J.「……もしもーし」


マーティ「だいたい、クララたちのとこへ行くんじゃなかったっけ?なんで1895年じゃなくて1995年に来ちゃったの」

ドク「うむ、タイムサーキットの方もまた調子が悪くなっとるようでな……」

マーティ「はぁ、もう最高だよ。トラブルがいっぺんにやってきちゃって」

ドク「話は後だ、どこかの家の庭に降りてしまったんだぞ? さっさと退けんと……」


D.J.「……ねぇ、ちょっと!! 聞いてる!?」

マーティ「!!」
   ドク「!!」
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:21:20.91 ID:7XIufo0I0
D.J.「あのねぇ、いきなりうちの庭に来ていったい何してるの?」

D.J.「どうやったか知らないけど、車が空から下りてきてうちの庭をメチャメチャに散らかしたってわけ」

D.J.「うちのパパが知ったら怒るわよ、あなたたちが散らかした葉っぱ昨日パパが一枚一枚掃除してたんだから」
\HAHAHA…/

マーティ「いやぁ、その……これにはワケがあるんだ……」


 ガチャッ


キミー「…………ワオ、ベイビー!」
\HAHAHA…/


キミー「ねえちょっとこれデロリアン? イカしてんねー! 改造してんだ!」

D.J.「……デロリアン? あんた車分かるの?」

キミー「そう、アタシ車種とかちょっと知ってるんだ。今自分用の車探してんのよ」

D.J.「そうなの?」

キミー「もう家の車乗るなってパパに言われてさぁ。アタシのあとだと残った足の臭いで事故起こしそうになるんだって」
\HAHAHA…/

ステファニー「……じゃあこれがニュースでやってたデロリアンってやつなの?」

D.J.「そうみたいね」
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:24:05.68 ID:7XIufo0I0

マーティ「……ちょい待ち」

ドク「ニュースと言ったか?」

D.J.「そう。テレビでやってたわよ、空飛ぶデロリアンがサンフランシスコを飛び回ってるって。学校でもみんな噂してたし……本当にこれがそうなの?」

ステファニー「すごーい……」

ミシェル「だったらちゃんと最後まで飛ばしといてくれる?」
\HAHAHA…/



マーティ「ドク、やばいよ。大勢に見つかってるって! 」

キミー「そんなニュースやってたの?」

D.J.「見てなかったの?パパがニュース読んでたわよ、目玉飛び出してグルグルさせながらね」

ミシェル「そう。こーうやって」クリンクリン
\HAHAHA……/
23 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:26:01.16 ID:7XIufo0I0
ミシェル「そんなことより、どうしてよりによって家の庭に降ってきたの!?」

ステファニー「そうよ、危ないと思わないの!?」

マーティ「まって、落ち着いて…」

キミー「そんだけ改造してたら、保険下りないだろうしねぇ」
\HAHAHA…/

D.J.「あんたたち、もっと根本的なところの疑問はないの…?」



D.J.「その車、一体何で飛ぶわけ?」
\HAHAHA……/

マーティ「わかった、分かったよ。確かに勝手に裏庭に車を停めたのは謝るよ、でも事故なんだ!」


 /
  ただいまー
 \


ドク「!」

マーティ「……まだ誰かいるの?」

DJ「パパが帰ってきたわ、大変。庭に車が落ちてきたなんて知ったら何て言うか……」
24 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:30:18.05 ID:7XIufo0I0
ステファニー「パパはニュースのこと知ってるでしょ?自分で喋ってたんだもん。ホントだったとしても……案外驚かないかも」

DJ「どうかしら、少なくともあんたのせいでキッチンに突っ込んだときはショックで目玉飛び出てたけど」
\HAHAHA……/

ステファニー「……やめてよ、今そんなの思い出させないで」


 /
  みんなー、どこにいるんだい?
 \


キミー「新しいガレージよ!」
\HAHAHAHA…/

DJ「ちょっと、キミー!」

キミー「なんで? どのみち見つかるよ」

ステファニー「そうだけど……」


ガチャ

ダニー「あぁみんな、ここにいたの………………………………」

ダニー「……………………!?」
\HAHAHA……/

ダニー「…………」ゴシゴシ



ダニー「………………!!??」
\HAHAHAHAHAHA……/
25 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:33:44.97 ID:7XIufo0I0
マーティ「あの……これにはわけがあるんです……」

ダニー「うちの庭に……何で……その……!!」

ミシェル「車が空から降ってきたの!」

ダニー「……ありがとう……!!」
\HAHAHAHAHA……/


ドク「いやぁその……邪魔しとります」

ダニー「一体どうなってるんだこれは!! 何で空飛ぶデロリアンとやらがうちの庭に来てるんだ!!??」

ダニー「せっかく昨日葉っぱを掃除したのに!!!」
\HAHAHAHA……/


ステファニー「ほら、デロリアンのことはそんなに驚いてないよ」

ダニー「当たり前だ、僕が自分で原稿を読んだんだからね!!!」
\HAHAHAHA……/
26 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:41:12.37 ID:7XIufo0I0
ダニー「それに、テレビ局からそのデロリアンが空を飛んでるところも……僕は見たんだ」

ドク「……」

ダニー「DJ、この人たちは誰だ!? 説明して!!」

D.J.「私も知らないわよ」

ダニー「ステフ、すぐにミシェルを連れて部屋へ行きなさい!!」

ステファニー「え、うん……」

ダニー「キミーは二度とうちへ来ないように!!」

キミー「アタシが何したって言うの!」

ダニー「……ごまかされないか……」
\HAHAHAHA…/


D.J.「パパ。話を聞いてあげましょう? とりあえず悪い人たちじゃなさそうよ」

ダニー「……」

ステファニー「うん……私もそう思う」

ミシェル「さっきはパパみたいに大騒ぎしてたくせに」
\HAHAHAHA…/
27 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:44:28.08 ID:7XIufo0I0
ダニー「……はぁ、わかったよ。 すみません、取り乱してしまって。ちょっと驚いたもんですから」

D.J.「かなりね」
\HAHAHA…/

ドク「いやいや、こちらこそすみませんな。ちと調子が悪くなってしまったもんで……すぐにどかしますよ」

マーティ「待ってよドク、またさっきみたいにフラフラな状態で飛ぶわけ?ヒルバレーに帰るまでに今度こそ吐いちゃうよ……空からばら撒いちゃったら大変だ」
\HAHAHAHA…/


ドク「心配するな、何も飛ばなくともいいんだ。走って帰ればいい、地面をな」カチャカチャ…

ギュルルルルル
ブオォォオオロロン…

ガタン!
ガタガタガタ……


D.J.「…ねえそれほんとに大丈夫?」

ステファニー「エンジンかけただけでガッタガッタに揺れてるよ」

ダニー「本当、ロバがトランポリンしてるみたい」
\HAHAHA…/

D.J.「……」

ステファニー「……」

ミシェル「……」

ダニー「……昔番組でやらせてみたんだ」
\HAHAHAHAHA…/
28 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:46:33.52 ID:7XIufo0I0
ガタガタガタ……

ドク「うーん……こっちもどこかおかしいな……」

マーティ「もしかして、さっきの着地の衝撃でサスペンションがイカれちゃったんじゃない?」

ドク「ふむ、だとしたら厄介な話だ」

マーティ「どっちにしろ、これじゃ走れっこないよ」

ドク「そうだな。ここはやはり……」ポチッ


ウィイイィイン
シュゴォォォォ……


D.J.「……うっそ」

ステファニー「信じらんない、ほんとに浮いた!!!」

ダニー「……なんてこった」

マーティ「ちょっとドク、いいの!?」

ドク「仕方あるまい、どうせもう見られているんだ」

マーティ「……ドクがそういうなら」

ミシェル「わぁすごい! 未来の乗り物みたい!」

マーティ「よくわかったね……」ボソ
\HAHAHAHA…/
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:49:51.43 ID:7XIufo0I0
ガタン!ガタッガタンッ!!
ガックンガックン……

マーティ「だめだ、これじゃ乗ってても上と下がわかんなくなっちゃう」
\HAHAHA…/


マーティ「ドク、このままじゃ無理だよ。ちゃんと直さないと……」

ドク「飛ぶのも走るのも無理か…やはり無理に内装を変えたのがよくなかったか……」

マーティ「だから4人乗りにする必要なんてないじゃない。ほら、エンジン切って」

ドク「……しかたない」カチッ

ヒュウウウゥン……
 ドスンッ

D.J.「止まった……一体どういう仕組みなのかしら……」

ステファニー「よく分かんないけど、とにかくウワサは本当だったんだね。すっごい!」
30 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:53:50.80 ID:7XIufo0I0
ミシェル「ねぇ、これ壊れちゃったの?」

ドク「そのようだ。もともとホバーコンバージョンの調子が悪くて、1995年に来てからというものうまく飛べなかった」

ステファニー「……? どういうこと?」

ダニー「今年こっちにやって来たということかな?」

ドク「あ、いや……その、」

マーティ「そうなんだ! そうなんだよ。 僕たちサンフランシスコは初めてなんだ……今年来たのが初めて、ってこと」

ダニー「……まぁとにかく。その空飛ぶデロリアンとやらが今、空も飛べないし地面も走れないとなると……直るまで待つしかなさそうだね」

ドク「……つまり」

ダニー「他の人に知られたくないんでしたら、この裏庭でこっそり修理してくれればいいですよ。それまで置いていて構いません」

ドク「しかし、それでは迷惑が……」

ダニー「そうは言っても、車もこのままじゃ家に帰る前に船酔いしちゃいますよ?」
\HAHAHA…/

ダニー「僕たちは構いませんよ。もともと大勢で暮らしてるんです、お客が2、3人増えたところで変わりませんから」


キミー「アタシだってお客だよ? たった1人なのに嫌がるのはなんでさ!?」

ダニー「キミーは迷惑100人分なの!」
\HAHAHA…/
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/10(日) 23:57:17.91 ID:7XIufo0I0
ドク「……いいのですか?」

ダニー「もちろん」

マーティ「そう言ってくれるなら……」

ドク「ありがとう。恩に着ますよ」スッ

ダニー「あぁ、ご丁寧にどうも。僕はダニー・タナーです、この家の主人」スッ

ドク「ご紹介が遅れましたな。 私はドクター・エメット・ブラウンです」ギュッ

ステファニー「ドクター? 博士ってこと? へぇ〜本物初めて見た……」


マーティ「マーティ・マクフライです」

D.J.「私ドナ・ジョー・タナー。DJって呼んで……ほぼ同い年くらい?」

マーティ「あーうん……今のところは」

D.J.「?」
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 00:01:04.19 ID:1sZCd8st0

ミシェル「パパ、この人たち泊まっていくの?」

ドク「いやまさか、泊まっていくだなんてそんな!」

ダニー「いえ、そんなに遠慮なさらなくても。そうだねミシェル、帰れるようになるまでいてもらっても良いかもしれないね」

キミー「お人よしだねぇ、付き合いきれないよ。アタシ帰るわ、バイDJ」

D.J.「バイ」

キミー「あ、そうそうおじさん」

ダニー「何?」

キミー「庭の葉っぱ全部掃除してるの、相当変な目で見られてるからやめたほうがいいよ。余計に頭おかしいと思われちゃうから」
\HAHAHA……/

ダニー「言わせておけばいいさ。 庭の葉っぱ全部? そんなわけないだろう」


ダニー「……汚れてるのだけ!」
\HAHAHAHA……/



──────────────────


────────────


──────


──
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 00:05:22.07 ID:1sZCd8st0
 



──

──────


────────────


──────────────────


ドク「お邪魔してしまった上に夕食までご一緒させていただいてすみませんな」

ベッキー「いいのよ、もともと人が多いんだし。ゆっくりしていってください」

マーティ「どうもありがとうございます」

ジョーイ「それでヒルバレーからきたんだってね。ここまで遠かったでしょ」

マーティ「ええ、車で3、4時間くらいかな……」
34 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 00:11:44.89 ID:1sZCd8st0
ジェシー「ヒルバレーか……懐かしいな。昔、バイク仲間で何日かかけてツーリングしたよ」

ベッキー「そうなの? 知らなかったわ」

ジェシー「もう10年ほど前の話だけどな。なかなか面白い場所だぜ、止まったボロい時計台なんかもあってよ……」

ミシェル「止まった時計なんか見ておもしろいの? わけわかんない」

ジェシー「いや、自分の下着とどっちが汚れてるか比べてた」
\HAHAHAHA…/

ジェシー「でもゆっくりみて回れなかったんだよな。俺たちが行ったときは町中警察がウヨウヨしてたんだよ」

ダニー「へぇ。何かあったの?」

ジェシー「町の中にモールがあってな。一本松モールだか二本松モールだか……そんな名前のとこ」

ジェシー「何でも前の晩、そこで銃撃があったらしくてよ。北アフリカの過激派かなんかの仕業だって、もう大騒ぎってわけ」


マーティ「………………」
\HAHAHAHAHAHA…/
ドク「………………」
\HAHAHAHAHAHA…/
35 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 00:16:15.50 ID:1sZCd8st0
ジェシー「よくわかんねえけど、駐車場の屋台にフォルクスワーゲンが突っ込んじまってるのは見たんだ」

ジェシー「田舎の町なのに、恐ろしい事が起こるもんだよな全く」


マーティ「………………」
\HAHAHAHAHAHA…/
ドク「………………」
\HAHAHAHAHAHA…/


ジョーイ「……どうしたの?二人とも」

マーティ「……いや、なんでもない……」

ドク「確かにそんなこともあったと思ってな……」
36 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 00:21:56.23 ID:1sZCd8st0
ステファニー「それで、車は直りそうなの?」

ドク「まだ詳しくは見とらんからなんとも言えんが……」

マーティ「どこが悪いか分かったの、ドク?」

ドク「いや、ざっと調べてホバーコンバージョンのほうは調節できそうなんだが……車のサスペンションのほうは私は専門じゃないからな」

マーティ「直せそうにないってこと?」

ドク「時間はかかるかも知れん」

マーティ「……そりゃまたヘビーだ」



ダニー「……重さは関係ないと思うよ?」
\HAHAHAHA…/
37 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 00:29:22.31 ID:1sZCd8st0
ジェシー「……ダニー。おたく、流行りが50年代で止まってるだろうから言うけど」
\HAHAHA…/

ジェシー「ヘビーってのは『キツい』って意味なんだぜ」

ジョーイ「そうだよダニー。たとえば僕なんか最近お菓子食べすぎちゃってさ……映画なんか見てるとついね。ポパイならホウレンソウを一緒に食べるんだけど……」
\HAHA…/

ジョーイ「ベルトが要らなくなったし、体重も増えた……つまりこれが『ヘビー』ってことだよ。分かった?」
\HAHAHA…/


ニッキー「ちが〜ぅ」
アレックス「もっとおべんきょうしなしゃ〜ぃ」
\HAHAHA…/


ジェシー「……ジョーイ」

ジョーイ「何?」

ジェシー「黙ってろ!」
\HAHAHAHA…/
38 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 00:33:00.70 ID:1sZCd8st0
マーティ「あはは……いやぁ、それにしても賑やかだよね。みんな親戚?」

ジョーイ「いや、全員じゃないよ。僕はダニーの友達で、同居中なんだ」

ダニー「そういえば、うちの家族の紹介をしてなかったね。これは失礼」

ジェシー「そうだったな。俺はジェシー・コクラン。ダニーの義理の弟で、そっちのベッキーが俺の奥さん。それに双子のニッキーとアレックス」

 ベッキー「ほらニッキー、アレックス、ご挨拶しなさい。マーティとドクター・ブラウンよ」

ニッキー「……こんちゎ〜」
アレックス「……ごゅっくりぃ〜」
\HAHAHA…/
https://i.imgur.com/TmGQhLG.jpg


マーティ「こんにちは〜……。かわいいねぇ。女の子?」

ジェシー「おいおい……違うよ! 二人とも男だ。そりゃ髪は伸びててサラサラだけど……見りゃわかんだろ!」
\HAHAHA…/

マーティ「うーん……言われてみれば……」

ジェシー「そりゃないぜ……コクラン家の男だぞ……」

マーティ「はは、ごめんね君たち。よろしく、僕はマーティ」

ダニー「……そして、僕が家の主人のダニー・タナーです。向こうから三人娘のDJ、ステファニー、ミシェル」

マーティ「全部で9人か、たくさんで楽しそうだね。……あれ、さっきはもう一人いなかったっけ? たしかキミーって……」

ダニー「キミーが家族?……冗談でもよしてよ」
\HAHAHA…/
39 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 00:36:02.35 ID:1sZCd8st0
マーティ「…………お母さんは?」


ジェシー「…………あー」

ジョーイ「…………それはつまり……」

ステファニー「その…………」

マーティ「ぁ…………まずいこと聞いちゃった……?」

ダニー「いやいや……僕の妻は───パメラはいないんだ……亡くなってね。8年前に、交通事故で」

ミシェル「…………」

マーティ「いや…………ごめんなさい、知らなくて……」

ダニー「あぁ、気にすることはないよ。昔の話だからね」

D.J.「そうそう、覚えてるわ。ママが死んで、ジェシーおじさんとジョーイおじさんが子育てを手伝いにうちに越してきたの……」

D.J.「私も小学生だったし、ステフは幼稚園で……ミシェルなんかまだほんの赤ん坊だったもの」

ドク「なるほど」
40 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 00:47:41.03 ID:1sZCd8st0
ジェシー「だけど、よく考えると不思議な話だよな」

ミシェル「どうして?」

ジェシー「だってよ、姉貴が死んでなくて、俺とジョーイがここに越してこなかったら……今の自分がどんな人生なのか、想像もつかねえんだもんな」

ダニー「……確かにそうだね。今でもロングヘアーで、相変わらずプレスリーのコスプレしながら一日中はしゃぎ回ってるのかも」
\HAHAHAHA…/

ジェシー「ダニー、冗談よせよ。まさかそんな…………そうかも」
\HAHAHA…/

ジョーイ「僕も、もしかしたらまだコメディアンを目指してるかもね。もちろん今も捨ててない夢だけど……ここに来てなかったらずっと一人だろうし、ここに来ていろいろ変わったこともあるしね……」

マーティ「そうだったんだ……」


ダニー「……まあ、しんみりした話はこの辺にしておこうか」

ジェシー「そうだな。 あ、そうだ……さっきのサスペンションの話だけど、俺はこう見えて車とかバイクとか、いじってたことがあるんだよ……よかったら明日見てやろうか?」

ドク「本当かね?」

ジェシー「ああ、任せとけ」

マーティ「よかった、これで早く帰れそうだね!」
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 00:55:12.22 ID:1sZCd8st0
いったん切ります
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 01:29:06.29 ID:3GwdC4hs0
なかなかシブい組み合わせだ
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/11(月) 06:23:08.74 ID:hJywBu7DO
やだ、思った以上にフルハウス節……楽しい
44 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 23:24:15.01 ID:1sZCd8st0
 





──────


ジェシー「…………」カチャカチャ


   ”……今週の音楽ヒットチャート、第一位はこちら……”


ジェシー「…………」カチャカチャ

ガチャッ

マーティ「ジェシー、いる?」


    ”バリー&ザ・リッパーズで『エイプリル・ガール』!なんとこれで36週連続の一位です……いやぁ素晴らしいですね……”

ジェシー「…………」カチャカチャ

    ”今週末には全米ツアーも開始されます。これからが非常に楽しみなバンドです──”


    ♪〜
45 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 23:31:13.41 ID:1sZCd8st0
ブツッ

ジェシー「……ったく、耳障りったらありゃしねえ……」

マーティ「ラジオがどうかしたの?」

ジェシー「いや……なんでもねぇんだ」

マーティ「そう……ねえ、デロリアンの調子はどう?」

ジェシー「ちょっと待ってな、後はこれだけ……よしっと。ほら、終わった」カチャカチャ

マーティ「終わったの?」

ジェシー「サスペンションも元通りよ。前より良くなったかもな……」

ジェシー「こないだと同じ高さから落ちても壊れないはずだぜ。ジョーイみたいな太っちょが乗ってなきゃだけど」
\HAHAHAHA…/

マーティ「ホントに? ありがとう!」

ジェシー「これくらいどうってことねえよ。じゃ、試しにエンジン動かしてみな」

マーティ「ああ」


カチッ
ギュルルルルッル
ブオオオォロロロン……


マーティ「……うん、バッチリみたい」
46 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 23:39:27.01 ID:1sZCd8st0

ジェシー「前より調子いいぜ。ついでに、スターターのヒューズも交換しといたぞ。パーツが余ってたから」

マーティ「……よかったの?そんなにしてもらって」

ジェシー「俺はどっちかって言うと車よりバイクが専門なんだが……それでも、デロリアンがその辺いけてねえのはよく知ってる」

マーティ「……そうだね。ありがとう」

ジェシー「おたくもそれで困ったことありますって顔してるな。ハハ!」
\HAHAHAHAHAHA…/

マーティ「あぁ、経験あるよ……もう二度と家に帰れないんじゃないかって、死ぬほど焦ったね」
\HAHAHAHAHAHAHA…/

ジェシー「もう心配ご無用! 東海岸まででもへっちゃらよ」
\HAAHAHA…/


ヒョコッ

キミー「何やってんの?」

マーティ「あ、昨日の……お隣さんだったんだ」
47 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 23:45:12.37 ID:1sZCd8st0
キミー「ハイ色男、あたしキミー・ギブラー。ヘンテコ博士は一緒じゃないの?」

ジェシー「人のことヘンテコって言える立場かよ? マーティ、あいつのことは気にするな。喋るダチョウかなんかだと思ってりゃいい」
\HAHAHA…/

キミー「なぁに言ってんのさ、鳥みたいなヘアースタイルしといてからに!」
\HAHAHAHAHA…/

ジェシー「……」
\HAHAHAHA…/

ジェシー「………………ギブラーさん、ご用件は?」

キミー「別に?」

ジェシー「なら失せろ!」
\HAHAHAHA…/

キミー「別におじさんに用があるんじゃないよ、DJいる?」

マーティ「あぁ、さっきキッチンにいたけど……」

キミー「いるならいいんだ、また後で用事があるだけだから。じゃね」スッ


ジェシー「何しに来たんだあいつ?」

マーティ「……変わった子だね」

ジェシー「ありゃいかれてんの」
\HAHAHA…/
48 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 23:52:20.97 ID:1sZCd8st0
ガチャ

ジョーイ「ジェシー、まだ裏庭にいたの……もう終わった?クラブのスタッフから電話が来てるよ、今度のザ・ニュースのステージのことで」

ジェシー「おう、何て言ってんだ?」

ジョーイ「音響機器の調節についてだってさ。マイク音量はどうする?」

ジェシー「音量? 今度は最高のゲストが来てくれるからな……いつもの120パーセントだ。やっぱガンガンいかねえとな。多少うるさいくらいがちょうどいいってもんよ」

ジョーイ「OK……今のはバンド演奏のね。ヒューイ・ルイスが使うマイクはどうする?」

ジェシー「40パーセントにしとけ」
\HAHAHA…/

ジェシー「言っとくけど……うちのクラブで死人は出させねえ」
\HAHAHA…/


ジョーイ「経営者としての才能は抜群だね」
\HAHAHAHAHA…/

ジョーイ「そうそう、ベッキーから伝言。明日買出し行くからついて来てって。僕も行くよ」

ジェシー「OK」

ジョーイ「それだけ。じゃ、また後で」

ジェシー「あいよ」


バタン
49 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/11(月) 23:59:28.38 ID:1sZCd8st0
マーティ「……」ガコンッ

ピキュイィィン


ジェシー「……それは?」

マーティ「いや、ちょっと調整をね」ピッピッピッ…ピピッ

ジェシー「ふぅん……しっかし、妙な機械やら配線で埋め尽くされてんだな」

マーティ「あ、ああ。ゴチャゴチャしてるよね……」



ジェシー「これ全部、空を飛ぶための機械なのか?」

マーティ「いや、そうじゃないんだけどさ。なんというか……」


ドク「オホン! ……マーティ、何しとるんだ?」


マーティ「! あぁ、ドク」

ジェシー「あぁ博士、車直しといたぞ」

ドク「そうか、本当にありがとう……それはそうとコクラン君、リビングで君の双子が待っとったぞ。ABCの歌を歌ってほしいとな」

ジェシー「そうだった。早く行ってやんねぇとな……あれやれば一発で昼寝してくれるから楽ちんなもんよ」
\HAHAHA…/

マーティ「あぁ……またあとで」

ジェシー「サンキュー博士。じゃ、またな」タッタッ
50 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/12(火) 00:05:18.92 ID:cJRLUHgL0
 



マーティ「……」

ドク「マーティ、お前まさかこれがタイムマシンですなどとバラすつもりではないだろうな?」

マーティ「いや、バラすだなんてそんな……」

ドク「ただでさえ空飛ぶ車なんてまだ1995年には存在しとらんのだ、すでに十分不思議がられているんだぞ。その上タイムマシンだなんてことが知られたら、また歴史にどんな影響が出てくるか分からん」

マーティ「分かってる、分かってるよ……」

ドク「とにかく、修理が終わったんだからさっさと退散するんだ。1987年に戻って、デロリアンをさらに改良せんとな……ちょっと失礼」

マーティ「……そうかい」

ドク「目標時間を設定して……と」ピッピッピッピッ……ピピピッ

マーティ「……でもさ、待ってよドク。タイムマシンだってばれちゃいけないんなら、なんでこのデロリアンは4人乗りなの?」

ドク「……」
51 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/12(火) 00:11:51.70 ID:cJRLUHgL0

マーティ「ムチャクチャだとは思うよ。二人乗りのデロリアンに無理やりシート付け足してさ、窮屈でたまんない」

マーティ「だけど他に誰か乗せるつもりでもないとこんなことしないよね。一体何がしたいの?」

ドク「……それはだな……」


マーティ「昔はさ……タイムマシンなんて危険すぎる、さっさと壊せって言ってたのに……」

マーティ「あのときだってそうだよ! そもそも1885年から戻った後のアレがあって、ずっとお別れだと思ってたのに、2年してまた戻ってきたし……」

マーティ「事実、このデロリアンだって新しく作り直したものだろ?」

ドク「わかった、わかった! はぁ、お前さん珍しく鋭いな……」

マーティ「教えてよ、ドク。別に悪だくみじゃないんだろ? 何をしようとしてるのか話してくれたっていいじゃない」

ドク「お前の言うとおりだ……ただ、私もあれから考えを改めた、それだけの話だ。確かに新たな計画があるのは認める……だが今はまだ話せん」

マーティ「……そういうなら、まあいいんだけどさ」


マーティ「あんまり現在で仕事にかかりっきりじゃ、クララだって寂しがるんじゃないの?」

ドク「それは心配要らん。こっちで何日か過ごしても、家族の元には1日以内に戻るようにしてある」

マーティ「なるほど。……歳を取るスピードも早いわけだ」
\HAHAHA…/
52 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/12(火) 00:18:08.33 ID:cJRLUHgL0
ドク「余計なお世話だ……あ、そうだマーティ。2、3買い直したい部品があるのを忘れとった」

ドク「この近くに店があるんだ、買い物に付き合ってくれんか」

マーティ「いいよ、じゃあいこうか。皆に言ってこなくても大丈夫?」

ドク「用はすぐに済む。さあ行こう」

マーティ「OK」



   「で、何に使う部品なの?」

   「簡単に言えばだ、遠隔操作でデロリアンをタイムトラベルさせたときに──」

   「──デロリアンに取り付けた通信装置と現在とで、4次元テレコミュニケーションを可能にする道具だ」

   「……そりゃすごい。タイムマシンの電話版ってわけ?」

   「まあそんなところだ。すでにデロリアンの方には専用のモニターを取り付けてある」

   「へぇ。でもなんだってそんなのが必要なの」スタスタ…

   「今に分かる」スタスタ…





ガチャ


D.J.「マーティ? ドク? 夕食できたんだけど……」

D.J.「いないのかしら?」
53 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/12(火) 00:27:04.66 ID:cJRLUHgL0
ステファニー「いないの?」ヒョコッ

D.J.「ええ。どこかに行ったのかしら……デロリアンは残ってるし……」


ミシェル「……」ヒョコッ

ミシェル「これはチャンスですねぇ〜」スタスタ

D.J.「ミシェル、何してるの!」

ミシェル「だって空飛ぶ車だよ? いっぺんくらい乗ってみないとソンだよこんなの」ゴソゴソ

D.J.「ちょっと、怒られるわよ!」

ステファニー「…………」


ステファニー「実はあたしも気になってたの!」ゴソゴソ

D.J.「あっ、ステフまで! ダメよ……!!」


D.J.「…………」

D.J.「そりゃ私だって気になるわよぅ!」ゴソゴソ
\HAHAHAHA…/
54 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/12(火) 00:29:52.33 ID:cJRLUHgL0

  「うわっ、せまい……」モゾモゾ

  「これホントに4人乗れるの!?」モゾモゾ

  「お姉ちゃん、押さないで潰れる潰れる……!」モゾモゾ


ガチャッ

ダニー「……外がやけに騒がしいと思ったら……」

ダニー「お前たち、何してるんだ?」

D.J.「あ、パパ……あははは……」

ダニー「ダメじゃないか、勝手に乗り込んだりしちゃ」

D.J.「あぁー、いやぁ……その……困っちゃうわよねホント、やんちゃな妹たちで。私は止めたんだけど……」

ダニー「…………DJ」

D.J.「……ごめんなさい、パパ……」

ダニー「……それ、パパでも入れるかな?」
\HAHAHA…/

D.J.「…………ちゃんとヒザ折りたためばね」
\HAHAHAHA…/
55 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/12(火) 00:35:00.48 ID:cJRLUHgL0
ダニー「こりゃすごい、そこらじゅうヘンテコな装置だらけだ……」ゴソゴソ

ステファニー「ちょっ、せまっ……パパまで何してるの!?」

ミシェル「パパは入らないよこれ」

ダニー「うーん……」ギュウギュウ

ダニー「そうだよねぇ、この車にずっと乗ってたらパパ首が胸にひっついちゃうよ」
\HAHAHAHA…/



ステファニー「はいパパ、もうおふざけは終わり。早く降りて」

ダニー「わかったよ。 ……よっ」グイッ

ミシェル「……」

ダニー「……」グイッ
\HAHA…/

ステファニー「……」

ダニー「…………」グイッ
\HAHA…/

D.J.「パパ。一応確認なんだけど……もしかして詰まった?」
\HAHAHA…/



ダニー「……ジェシー呼んで」
\HAHAHAHAHA…/
56 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/12(火) 00:39:55.22 ID:cJRLUHgL0
ミシェル「がんばって押せば抜けるんじゃない? それっ!」ドンッ


ダニー「わっ、ミシェル!!」ガコンッ


ウィイイィイイィン
シュゴオォオォオォオ……


D.J.「!!」

ステファニー「!!」

ダニー「!!」


ミシェル「あー……まっずいかも……」
\HAHAHAHA…/
57 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/12(火) 00:48:13.23 ID:cJRLUHgL0
ゴオォォオオォ…


ステファニー「お姉ちゃん早く止めて! パパでもいいから!!」

D.J.「そんなこと言ったって……!!」


 キイィィィイイイィィン……


ダニー「まずい、ドンドンスピードが上がってる! このままじゃ違反だよ……!」
\HAHAHA…/


  ─ 55mph ─


D.J.「何言ってるのパパ!!」

ダニー「わかってる、冗談だよ……早く止めないと……!」

D.J.「だからどうやるのってば!!?」
58 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/12(火) 00:49:44.15 ID:cJRLUHgL0
 キイイィィイイィイィイイイン……


  ─ 65mph ─



ミシェル「ねえこれ、どこいっちゃうの!?」

ステファニー「わかんないよ!!」




  ─ 75mph ─




D.J.「……これ……」



   M   D   Y   H  M
  JUN  25  1987  15 15
    DESTINATION TIME

  JUN  23  1995  16 34
     PRESENT TIME

  JUN  25  1987  15 15
  LAST TIME DEPARTED




   ─ 85mph ─




D.J.「……何…………!?」
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