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【艦これ】北方のとある鎮守府の話・改二
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1 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/05(火) 13:20:47.35 ID:4Oufeck40
【艦これ】北方のとある鎮守府の話・改
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1493144424/
の続きです
忙しいあまりに前スレが全体的に雑なまま終わったので、そこの補足も含めていきたい
章ごとに書きためたものをまとめて投下するだけなので、結構間隔開くと思います。すまない…
このスレでなんとか三章と四章は書ききって、五章の触りまで行ければいいな…てか、できればこのスレで終わらせたい
とりあえず一個だけ書き忘れてた短編やっときますね
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1504585247
2 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/05(火) 13:35:13.87 ID:4Oufeck40
《レポート0》
3 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/05(火) 13:35:54.50 ID:4Oufeck40
唐突だが、以前私が深海棲艦とは何か、と尋ねたところ、ーーはこんな風に返してきた
彼らは個にして群にあらず、群にして個にあらず
・・・つまりはどういうことかと言うと、結局、その言葉どうりの意味であった
4 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/05(火) 13:36:49.28 ID:4Oufeck40
深海棲艦とは、海に眠るあらゆる怨念、後悔や憎しみ、恨み、怒り。そういったものの混ざり合う存在なのだ
連中はある一個の個体として存在しているように見えるが、実際にはそうではない。奴らの中では多くの念が絡み合い、捻れ合い、犯し合い・・・そうしてある一つのカタチとして、私たちの視界に映り、あるいは捉えられるものなのだ
5 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/05(火) 13:37:16.11 ID:4Oufeck40
そして連中は自身を形作るモノのことをよく理解している。よく把握している。なぜなら奴らは、元々その残滓の集まってできた、言わば念そのものなのだから
その証拠に、深海棲艦は皮肉にも艦艇として立派に機能している。砲撃や雷撃を行い、艦載機を飛ばし、哨戒や輸送まで行っている
・・・とどのつまり、彼女らは元々やり方を知っていただけなのだ
6 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/05(火) 13:38:07.49 ID:4Oufeck40
これが、私がーーに教えられた真実であった。恐らく、そこに嘘偽りはないと思われる
だが、もしーーの言うことが全て事実だとするならば、奇妙な点がいくつもある
7 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/05(火) 13:38:33.86 ID:4Oufeck40
一つはカラダだ。彼女らの体は確かにそこにあるように見えるが、果たして念だけによって彼女らは肉体を得ることは本当に可能なのか
艤装や艦載機にも謎が多い。連中の用いるそれらは、やけに生物じみた気味の悪いものが多く、それでいて我々のものと同質の部分も見受けられるのだから、非常に異質に思われる
もう一つは目的だ。深海棲艦は執拗に人間を襲い、今なお海の支配権を激しく我々と奪い合っているのだが、彼女らの本当の目的はどこにあるのだろうか
人間を全て殲滅すれば満足なのだろうか。それとも、海の全てを我が物にしたいのだろうか。はたまた、単なる気まぐれなのか、あるいは
8 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/05(火) 13:39:40.39 ID:4Oufeck40
〜〜〜〜〜
深海棲艦の生態やその出自に関しては、未だわからないことが多すぎる
だがこの数年、徐々にではあるが、彼女らに関する調査は進展を見せているようだ
この調査がさらに進めば、奴らの行動原理や弱点、あわよくば連中を本拠地の居場所を突き止めることさえできるかもしれない
私も戦場で戦う立場ではあるが、微力ながら私たちの未来のためにも、これからもできる限り彼女らの調査に協力していきたいと思う
9 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/05(火) 13:43:36.74 ID:4Oufeck40
《レポート0》
おしまい
読んでくれた人いたら、ありがと
続きはいつになるかわからないけど、とりあえず次の海外遠征まではのんびりしたい。する。
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/05(火) 17:43:38.54 ID:faMAUxIlo
おつー
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/07(木) 10:41:50.40 ID:5hPpT1fk0
>>1
乙
12 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/07(木) 15:13:37.57 ID:H0CpzQkp0
訂正です
>>8
×あわよくば連中『を』本拠地〜
○あわよくば連中『の』本拠地〜
誤字脱字ばかりですまない…
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/07(木) 18:40:13.15 ID:86iwrE97o
Don't mind
14 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 17:24:02.40 ID:Mzva3VoV0
六月某日・昼
【横須賀鎮守府前】
提督「」ポカン
大和「・・・」
神風「・・・」
??「ちょっと〜!そんなとこでボケっと突っ立ってないで、早く中に入ってよ〜!」
提督「」
大和「・・・」
神風「・・・司令官?」ヒョコ
提督「な・・・」ガクガク
神風「・・・?」
提督「な・・・な・・・」
15 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 17:24:28.61 ID:Mzva3VoV0
提督「・・・なに、これ・・・」ポツリ
16 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 17:25:02.73 ID:Mzva3VoV0
〜 一週間前 〜
17 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 17:25:40.78 ID:Mzva3VoV0
五月某日・昼
【鎮守府・寝室】
提督「・・・と、いうわけなのです」
大和「はあ・・・合同演習、ですか」
提督「うん」
大和「横須賀鎮守府からのお招きですか」
提督「そうそう」コクコク
大和「・・・で、迎えの船を使って五日後に出発・・・」
提督「なのです」ムフ-
大和「・・・」フム
提督「・・・」
18 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 17:26:27.03 ID:Mzva3VoV0
大和「いや無理ですから」キッパリ
提督「ですよね〜・・・」
19 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 17:27:41.26 ID:Mzva3VoV0
大和「どう考えても無理です」
提督「・・・どうしても?」チラ
大和「どうしても」
提督「・・・ほんとのほんとに?」チラチラ
大和「・・・ほんとのほんとに」
提督「・・・」ジ-
大和「ぅ・・・」
提督「・・・」ウルウル
大和「・・・」ムムム
20 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 17:40:31.07 ID:Mzva3VoV0
大和「はぁ・・・」コホン
大和「・・・いいですか?そもそもまずですね、この鎮守府に艦娘が二人しかいない時点で、私たちは本当に最低限、ギリギリの艦隊しか組めませんよね」ピッ
提督「そうだね」
大和「おまけに艦種も駆逐艦と戦艦が一隻ずつ・・・せめて空母を一隻、できれば巡洋艦も一隻くらいはいないと、深海棲艦を相手にまともな戦闘は行えません」
提督「そうかなあ・・・」
大和「加えて、この鎮守府には装備や資材が全くと言っていいほどありません。手に入る見込みも、今のところは皆無です」
提督「なんとかしないといけないんだけどね・・・」
大和「・・・正直に言って、今の私達では、実践を想定した演習を行う意味がありません」
提督「う〜ん・・・でも、こないだ深海棲艦に襲われた時は、大和が頑張ってくれたおかげでなんとかなったし・・・」イジイジ
大和「・・・」イラッ
21 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 17:42:08.20 ID:Mzva3VoV0
ドンッ!
提督「!」ビクッ
大和「あの時は敵も単艦でしたし、加えて火力に劣る駆逐艦だったから、たまたま撃退することができただけですっ!一歩間違えれば、鎮守府諸共に壊滅していたかもしれないんですよ!?」キッ
提督「は、はい・・・」
大和「これから先、敵が艦隊を組んで攻め込んでこられた場合、私たちは対抗する術を現状何一つ持ち合わせていないんです。演習を行う前に、まずそちらの問題を片付けないでどうするんですかっ!?」ダンッ
提督「う、うぅ・・・」ムムム
大和「もっと危機感と責任感を持ってくださいっ!貴女はこの鎮守府の提督なんですよ!?」
提督「・・・」
提督「・・・た、確かに、おっしゃる通り・・・です・・・」ショボショボ
大和「・・・」ジッ
大和「・・・わかってもらえればいいんです」フゥ
22 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 17:43:52.43 ID:Mzva3VoV0
大和「ともかく。この話はこれで・・・」
提督「だが、断る!」キリッ
大和「・・・」
提督「・・・」フンスフンス
大和「・・・提督?」ニコォ
提督「ま、まあまあ、話を聞いてよ大和」ドウドウ
提督「これはね・・・絶好の機会なわけよ」ピッ
大和「絶好の機会」
提督「うん」
大和「・・・どういった意味でしょう?」
提督「ふっふっふっ・・・聞きたい?聞きたいの?聞きたいよね?」ニヨニヨ
大和「あ、いえ、別にそこまでは・・・」
提督「え・・・」
大和「・・・」
提督「」カクカク
大和「・・・」ハァ
大和「・・・理由を伺っても?」
提督「よしっ、じゃあ説明するよ!」ガバッ
大和(今日の夕食、どうしようかしら・・・)ポワポワ
23 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 17:53:05.84 ID:Mzva3VoV0
提督「まず一つ。私たちが演習に参加することで、貴重な実戦経験を積めるよね」ピッ
大和「まあ・・・はい」
提督「もう一つ。私たちが他所の鎮守府に出向くことで、私たちの存在を広くアピールできるよ」ピッ
大和「存在をアピール?」
提督「うん。ほら、ここの鎮守府ってさ、場所も場所だし、敵もあんまり寄りつかないから、どうしても他の鎮守府に比べて重要度が低いじゃない?」
大和「そうですね」
提督「だからさ、みんなの前ですっごい目立ってさ、『私たちもいるんだぞ〜!」、って、軍の連中に見せつけてやるんだよ!」
大和「はあ・・・それで、演習ですか」
提督「うんっ。少数の私たちが一艦隊を相手に互角に渡り合うところを見せられれば、あいつらの私たちを見る目も変わるよ、きっと!」
大和「・・・ですが、それに何の意味があるんですか?もし仮にその目論見が上手くいって私たちが注目を浴びることになったとしても、それで徳することはあまりないかと思いますけど・・・」
提督「ふっふっふっ・・・実はそうでもないんだよね」チッチッチッ
24 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 17:53:37.04 ID:Mzva3VoV0
提督「もし他の鎮守府の人たちにまで私たちが軍にとって必要な戦力だと認識されれば、上の連中も黙ってはいられないはずだよ。もし少数でも十分に戦力になると分かれば、例え辺境の鎮守府だとしても、人材や物資も含めてそれなりの支援を行わないわけにはいかないだろうからね」
提督「だから、私たちが資材や食料を手に入れるために、まずはあいつらの鼻を明かしてやる必要があるってこと!」グッ
25 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 18:29:02.83 ID:Mzva3VoV0
書いたデータが結構飛んだから、中途半端で申し訳ないけど続きはまた今度にします
26 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/28(木) 18:32:46.25 ID:ruFbEeF60
乙です
27 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/28(木) 21:39:17.66 ID:b07HonK3o
おつおつ
28 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:31:37.64 ID:Mzva3VoV0
>>24
から続き
提督「・・・ね?演習に参加するには、妥当な理由だと思わない?」
大和「うぅん・・・そう上手くいくでしょうか・・・」
大和「というかそもそも、たった二隻で一艦隊と戦うなんて・・・」
提督「大丈夫っ!その辺のことは全部、この私に任せて!」
提督「きっと、上手く行かせてみせるから!」グッ
大和「・・・」ジッ
大和「・・・根拠はありますか?」
29 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:32:06.68 ID:Mzva3VoV0
提督「え・・・こ、根拠?」
大和「はい。私や神風さんに、貴女の言葉を信じさせるに値するだけの、明確な根拠です」
大和「そうでなければ、いくら貴女の頼みといっても、受け入れることはできません」
提督「それは・・・」
提督「・・・」
提督「・・・ない」
大和「・・・では・・・」スッ
提督「で、でもっ!」
大和「・・・」ピクッ
30 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:33:07.31 ID:Mzva3VoV0
バッ
提督「私が、この鎮守府の提督の、この私自身が!」
提督「貴女達の協力があれば、きっと上手くいく、ううん。絶対にいかせてみせる!」
提督「だから、お願いっ!私のことを信じてくれるなら、この鎮守府のためにも、どうか私と一緒に来てくださいっ!」ベチャ-
大和「・・・!?」ビクッ
大和(ど、土下座・・・)
31 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:33:35.22 ID:Mzva3VoV0
提督「・・・」ドゲザ-
大和「・・・」ジッ
大和「・・・何か妙案があるんですか?」
提督「・・・」
提督「・・・うん。幾つか」
大和「・・・そう」
大和(幾つか、ね・・・)
大和「・・・」ムゥ
32 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:34:07.61 ID:Mzva3VoV0
提督(・・・)ジッ
ギュッ
大和「・・・提督?」チラ
提督「・・・大丈夫だよ、大和」
提督「責任は全部、私が持つ」
大和「でも・・・」フイッ
提督「私を信じて・・・お願い」
大和「・・・」ム...
提督「・・・」ジッ
提督(大和・・・)
提督(彼女は、きっと・・・)
提督(・・・なら・・・)
33 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:34:34.89 ID:Mzva3VoV0
スウッ
提督「ね・・・貴女の力を貸して、大和?」
大和「っ・・・!」ピクッ
大和(今の・・・)
提督「・・・」ジッ
大和「・・・」グッ
大和(・・・そんなのって、ずるい・・・)
34 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:37:13.81 ID:Mzva3VoV0
大和「・・・はぁ」
大和「・・・わかりました。提督を信じます」
提督「・・・!」パアッ
提督「ほんとっ!?」パッ
大和「ええ」
スッ
大和「提督である貴女が覚悟を決めたんです。なら、貴女の部下である私が続かずして、なにが艦娘ですか」
提督「や、大和ぉ・・・」
大和「・・・提督。どうか、この大和も貴女とご一緒させてください」ニコッ
提督「ぁ・・・」
提督「うぅ・・・」グッ
提督「わあぁ〜ん!ありがとー!大和ー!」ダキッ!
提督「大好きだよー!ずっと一緒だよー!」ギュギュ-
大和「はいはい」グイッ
提督「うぇ〜ん!」ビエエエ
大和(もう・・・調子が良いんだから・・・)フッ
35 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:40:26.51 ID:Mzva3VoV0
大和「提督」ツンツン
提督「うぅ・・・ん・・・?」グスッ
大和「その・・・」
大和「・・・」ン...
大和「・・・期待、していますから」ニコッ
提督「!」
大和「ですから私も、提督のご期待に応えられるよう、全力で戦います」
大和「一緒に、頑張りましょうね」グッ
36 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:41:02.31 ID:Mzva3VoV0
提督「・・・う、うん、任せてよ!完璧な作戦を立てて、相手をボッコボコのギッタギタにしてやって、絶対に大本営のほっぺたを落としてやるんだから!」グッ
大和「ほっぺたは落とさなくていいです・・・」
37 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:41:58.77 ID:Mzva3VoV0
・・・・・
提督「あ・・・」
大和「?」
大和「どうしたんですか?」
提督「ん・・・今更だけど、その・・・」チラ
大和「・・・?」キョトン
提督「・・・行き先が」
大和「・・・はい」
提督「えと、その・・・」
提督「・・・ごめん」
大和「・・・」ジッ
大和「・・・どうして謝るんですか?」
提督「だって・・・」
提督「・・・」
提督「・・・横須賀鎮守府は、大和にとって、あんまり、その・・・」
大和「・・・」スッ
大和(・・・本当、感が良いのか、悪いのか・・・)
38 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:43:32.83 ID:Mzva3VoV0
大和「・・・ええ、そうですね。確かに、あの場所には、良い思い出はあまりありません」
大和「ですが・・・それも私の中ではある程度区切りがついたことですから・・・他でもない、貴女のお陰もあったから・・・」
提督「大和・・・」
大和「・・・」ニコッ
大和「ですから、提督は何も気にしないでください」
大和「・・・私も、提督にご迷惑はおかけしません」
提督「・・・」ジッ
提督(大和・・・やっぱり、まだ・・・)
提督(・・・)ギュッ
提督(私に・・・今の私にできることは・・・)
39 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:44:03.63 ID:Mzva3VoV0
スッ
提督「・・・わかった。大和がそう言うなら、私からは何も聞かないことにするね」
大和「・・・ありがとうございます」
提督「ううん、いいのいいの」パタパタ
提督「・・・でも、何か困ったことがあったら、遠慮なく言ってね?」ヒョコッ
提督「いつだって、力になるんだから」フンスフンス
大和「・・・」フッ
大和「・・・はい。では、その時は遠慮なく言わせてもらいますね」ニコッ
提督「ん、どんとこい」ニコッ
40 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:44:41.98 ID:Mzva3VoV0
大和「・・・それに、向こうでいくつか確認しておきたいこともありますし・・・」ボソッ
提督「・・・?何か言った?」
大和「・・・」ジッ
提督「・・・?」ポカン
提督(顔に何かついてるかな・・・?)ペタペタ
大和(やっぱり、自覚は無いみたいね・・・)
41 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:46:19.34 ID:Mzva3VoV0
大和「・・・いえ。なんでもありません」フルフル
提督「・・・なんか、気になるんだけど・・・」ム-
大和「大したことではないですよ・・・ただ、今朝からずっと提督の顔に引っ付いているワカメがなんだか面白おかしいな、と」
提督「ええっ!?ワカメ!?嘘っ!?」
バッバッバッ
提督「・・・付いてないじゃん!」
大和「冗談です」ジ-
提督「だ、だよね〜・・・さすがの私でも、顔にワカメなんて付いてたら気がつくもんね・・・」
提督「も、もう!急に変なこと言わないでよ〜!」
大和「すみません」ジ-
提督「む〜!」
大和「・・・」ジ-
大和「・・・本当は提督の頭に乗っている昆布のことが面白かったんです」ツイッ
提督「へへーん!今度は騙されないよー!」ベ-
提督「大体、海に潜ってもいないのに、頭に昆布なんて乗っかるわけないんだから!」
大和「そうですよね・・・」ジ-
提督「ふふん。残念だったね大和。私をそう甘く見ないことだよ」フンスフンス
大和「・・・」ジ-
42 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:47:09.21 ID:Mzva3VoV0
大和「・・・そうですね」ジ-
提督「・・・?」
43 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:48:14.42 ID:Mzva3VoV0
・・・・・
提督「・・・あっ!もうこんな時間だ!」
提督「それじゃあ私、そろそろ見回りに行くから。大和は留守番お願いね〜」ガタッ
大和「私も行かなくて大丈夫ですか?」
提督「大丈夫大丈夫。何かあったら、すぐに逃げ帰ってくるから!」パタパタ
大和(それはそれで、なんだかなあ・・・)
ガチャ
提督「じゃ、行ってきま〜す!」
大和「あ、はい。気をつけてくださいね」
提督「は〜い!」
バタン!
44 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:48:40.10 ID:Mzva3VoV0
シン...
大和「・・・」
大和「ふぅ・・・」
大和「・・・」トットットッ
ギシッ
大和「・・・」
大和「・・・」
大和「・・・あ」ポン
45 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:51:07.02 ID:Mzva3VoV0
大和「・・・せっかくだから、今日の晩御飯はあの昆布を使わせてもらおうかな」クスッ
46 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:55:17.22 ID:Mzva3VoV0
こっから短編3つ
《レポート2》
《西方のとある鎮守府の話》
《やっぱり駆逐艦は…》
今日は一つだけかも
47 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:55:58.43 ID:Mzva3VoV0
《レポート2》
48 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:56:32.94 ID:Mzva3VoV0
ー1月15日ー
あれから一週間ほど経った。この日、私は鎮守府周辺の哨戒にあたっていたのだが、夜の帳も下りた頃に帰投してみれば、私の妹が件の施設に転属になったとのことだった。それを聞いては、私はもう居ても立っても居られず、すぐさま鎮守府を飛び出して彼女の元を訪ねた。
49 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:57:05.91 ID:Mzva3VoV0
数ヶ月振りに会う彼女は、以前と変わらず明るく元気一杯な様子で私を迎えてくれたが、当の私は以前ここで見たあの兵器とやらのことが気がかりでしょうがない。あれは危険だ、あってはならないものだ、と本能が警告している。例え上層部の指示であっても、そんなものがある場所へ妹を預けるのは、やはり抵抗があった。
その後、妹と別れて早々に私は旧友に再度会い、彼女の処遇について再考するよう頼みこんでみた。だが、成果は芳しくなかった。旧友も私の気持ちは十分に理解してくれたようだったが、上からの命令である以上どうしようもないようだ。結局、何度かしつこく掛け合ってみたものの、色よい返事が返ってくることはなかった。
仕方のないこととはいえ、どうにもやりきれない。私はこんな時でさえ、彼女の力になってあげることができないのか。
50 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 22:58:13.98 ID:Mzva3VoV0
帰り際、旧友はすっかり肩を落とす私に対し、励ますように明るい口調で声をかけてきた。
心配ない。運が良ければ、君も同じ場所に来れるはずだ、と。
それはあくまで昔馴染みの友人にかけるような気楽さを感じさせながら、どこか虚ろな声音にも思われた。
51 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/28(木) 23:00:13.52 ID:Mzva3VoV0
今日はここまでかも
もし読んでくれた人がいたら、感謝感謝かも
そろそろ色々と見えてくる…はずかも
52 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/09/29(金) 09:46:05.53 ID:ej9ae/2p0
あ、そういえば、こないだ最初っから改めて読み直して気付いたんですけど、ラスボス的なの既に出てました
書いたの忘れてた…なんかすみません
53 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/30(土) 13:14:00.68 ID:Tbryp8+2o
おちゅん
54 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:12:12.47 ID:0iqDdIct0
《西方のとある鎮守府の話》
55 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:13:07.53 ID:0iqDdIct0
二月某日・昼
【西方のとある鎮守府・執務室】
提督「なあ、松風」
松風「うん」カリカリ
提督「唐突で悪いんだけどな」
松風「なんだい、司令官?」カリカリ
提督「脱いでくれないか」
松風「・・・」カリカリ
提督「・・・」
提督「服を、脱いでくれないか」
松風「言い直さなくていいから」
56 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:13:48.80 ID:0iqDdIct0
カタン
松風「知らなかったな・・・キミはロリコンだったんだね」
提督「ああ。誰にも話したことはないんだが、実はそうなんだ」
松風「妙高さんとケッコンまでしているのにかい?」
提督「ああ。小さな女の子を見ていると、無性にムラムラしてくるんだ」
松風「・・・僕でもかい?」
提督「勿論だ。松風のクセのある髪や勝気な瞳、男勝りな口調だが優しげな声音、未発達ながら女性らしさを感じさせる体つき、わずかに漂う爽やかな香り、それに可愛らしい山高帽・・・」
提督「魅力的な君を見るたび、いつも私は君に対して抑えきれないほどの興奮を覚えているんだ」ハアハア
松風「そうだったのかぁ・・・」
57 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:14:20.04 ID:0iqDdIct0
松風「だ、そうだよ?妙高さん?」チラ
提督「え?」
ガチャリ
妙高「・・・」ニッコリ
提督「あっ・・・」
58 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:15:12.35 ID:0iqDdIct0
・・・・・
【西方のとある鎮守府・食堂】
カチャ
松風「ふぅ・・・ごちそうさま。今日も美味しかった」
伊良湖「はい。お粗末様でした」
松風「本当、伊良湖さんが来てくれて助かったよ。キミが来る前は、それはもう酷いものだったからね・・・」
伊良湖「そうなんですか?」
松風「ああ・・・初めて磯風の料理を食べた時には、僕は深海棲艦になった気分だったよ・・・」ハハッ
伊良湖「は、はあ・・・?」キョトン
59 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:16:14.25 ID:0iqDdIct0
松風「いや、でも・・・久し振りに姉貴や間宮の料理も食べたいなあ・・・」
伊良湖「松風さんのお姉さんと言えば・・・神風さんや春風さんですか?」
松風「そうだよ。特に春風の姉貴の作る料理は絶品でね。どうやら川内さんに仕込まれたみたいだけど、それはもう料理人顔負けの出来さ」
伊良湖「へぇ〜」
松風「うん・・・」
松風「・・・」
松風「姉貴たち、今頃何してるかなあ・・・」フゥ
60 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:17:00.13 ID:0iqDdIct0
ドタドタドタ...!
松風「ん・・・?」
バタン!
足柄「提督はどこっ!?」
松風「いきなり騒がしいな・・・」ハァ
61 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:18:12.65 ID:0iqDdIct0
伊良湖「足柄さん。いらっしゃいませ!」ニコッ
松風「司令官なら執務室さ。今頃、キミの姉さんにこってり絞られているところだろうね」
足柄「妙高姉さんに・・・?なに、またなんかしでかしたの?」
松風「いやなに、大したことじゃないんだけどね。ただ、僕が提督から軽いセクハラを受けただけさ」
伊良湖「え、ええっ!セクハラ!?」
足柄「またあ!?」
伊良湖「またっ!?」ガビ-ン
62 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:19:18.97 ID:0iqDdIct0
足柄「あんのクソ提督ー!まだ懲りてなかったのねー!」ギリギリ
伊良湖「ま、前にも同じようなことがあったんですか・・・?」
足柄「そうよ!それも何度も何度も!」
足柄「あのクソ提督ってば、ことあるごとに妙高姉さんや私の布団に潜り込むのよ!かと思ったら、占守や駆逐艦の子たちに言い寄って・・・ほんっと、節操がないなんてもんじゃないわ!」
松風(すっかりクソ提督呼びが馴染んでるね・・・誰かさんの影響かな?)クスッ
63 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:19:49.18 ID:0iqDdIct0
松風「それにしても、そうか・・・」フム
伊良湖「とても真摯な方ですし、そんな風には見えませんけれど・・・」
足柄「伊良湖は来たばっかりだから、あいつのことがわかってないのよ。もうしばらくもしてみなさい。すっかり化けの皮が剥がれて、貴女の下着の色を毎日のように聞いてくるようになるから」
伊良湖「え、ええっ!?し、下着・・・」ワタワタ
伊良湖「そんな・・・下着の色だなんて・・・は、恥ずかしいですっ!」カアッ
足柄「・・・今時珍しいくらいウブな子ねえ・・・」ハァ
64 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:20:32.27 ID:0iqDdIct0
松風「・・・まあ、心配ないさ。彼には妙高さんという、頼れるパートナーがいるからね」
松風「彼女がいる限り、滅多なことはないと思うよ」
足柄「楽観的ねえ・・・」ム-
松風「そうかい?だって、ほら。キミの姉さんはとても優秀じゃないか。艦娘としては勿論だけど、一人の女性としてもね」
松風「あんなに仕事が出来て、優しくて甲斐甲斐しくて、それでいてしっかり厳しいところもあるんだから、いわゆる大和撫子とは少し違うかもしれないけど、添い遂げるにはこれ以上ない人だと思うよ」
足柄「まあ、そこは否定しないけどね・・・」ハァ
65 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:22:50.79 ID:0iqDdIct0
松風「それに・・・僕は司令官もああ見えて、一途な人だと思うよ」
足柄「はあー?一途?あれが?どこが?」
松風「伊良湖さんも言ったろう?彼は元々そういう人だよ。だって現に、彼は今まで一度も、妙高さん以外の女の子に対して『そういったこと』を本当にしたことは一度もないんだからね」
足柄「もう十分アウトなことやりまくってるわよ」
松風「それはまあ・・・彼なりの愛情表現みたいなものだろうさ。あまりそう目くじらを立てないであげてよ」
足柄「そこまで寛容になれる人間はそういないわよ・・・というか、なんで貴女はそこまであいつを庇うのよ?」
松風「理由かい?簡単なことだよ。僕は彼を好ましく思っているからさ」
足柄「え」
伊良湖「きゃあ」パッ
66 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:23:37.21 ID:0iqDdIct0
松風「・・・なんだい?そんなにおかしなことかい?」ムゥ
足柄「・・・やー、そんなことはないんだけど・・・いやでもなんか、びっくりというかなんというか・・・」ポリポリ
伊良湖「ま、松風さん・・・そうなんですか・・・?」ポワポワ
松風「二人して失礼だなあ・・・ま、でも本当のことさ」
67 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:25:56.44 ID:0iqDdIct0
松風「僕も司令官との付き合いはそう長くないけど、ここに着任した当初は姉貴もいなかったからね。駆逐艦は僕一人だけで、周りにはあまりよく知らない人ばかりで・・・結構不安だったのさ」
伊良湖「そうだったんですか・・・」
足柄「あら。私には全然そんな風には見えなかったけど?」
足柄「むしろ、自信満々って感じ?駆逐艦なのに凄く堂々としてるって、みんな感心してたのよ」
松風「そうか、そんな風に思われてたのか・・・初めて知ったな」アハハ
松風「・・・でも、本当にそんなことなくって。誰かと一緒にいる時でさえ、僕は一人ぼっちだったんだ。食事の時も寝る時も、いつも一人。寂しかったけど、それを誰かに相談できるほど、僕は強くなかった」
68 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:26:43.69 ID:0iqDdIct0
松風「そんな時にさ、司令官が助けてくれたんだ」
伊良湖「提督さんが、ですか?」
松風「うん。僕が遠征から帰った時だったかな。その日は長旅で結構疲れていたから、一人でお風呂に入ってゆっくりしていたんだけどね。そこに司令官がやって来たんだよ」
伊良湖「え、ええっ!?」
足柄「やっぱり変態じゃない」ハァ-
松風「そうだね。僕も初めはそう思って、すぐに憲兵を呼ぼうとしたんだ」クスクス
松風「そうしたら司令官、なんて言ったと思う?」
69 :
◆PhE6LVcl/M
[sage]:2017/10/01(日) 03:27:11.75 ID:0iqDdIct0
提督『松風。明日からは私と一緒に食事を取り、私と一緒に風呂に入り、私と一緒に寝るんだ。これは命令だ』
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