ぐだ男「おうち帰る」 マシュ「は?」

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341 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 19:51:52.14 ID:r91pMgOq0
最原「疑似学級裁判の序盤」

巌窟王「そんなに最初か」

最原「一番最初に『あれっ』て思ったのは、普段はそんなことは滅多にしない巌窟王さんがヒントを与えるようなことを言ったとき」

最原「前回、前々回の学級裁判だと『自分自身でも本当にわからないこと』を純粋な興味で暴いた結果、議論が発展した、みたいなパターンだったから」

巌窟王「それだけか?」

最原「まだあるよ。これが一番の理由かな」

最原「犯人がアンジーさんの口の中に酒瓶を突っ込み、ヒルの許容限界を超えた血液を吸い出させた……」

最原「このトリック、よくよく考えると被害者がアンジーさんってところに致命的な穴がある」

最原「サーヴァントの巌窟王さんならまず最初に気付いたはずだ」

巌窟王「……」

最原「……令呪で呼べたはずなんだよ。だって、酒で溺死させないために、アンジーさんの意識はハッキリしてたはずなんだから」

最原「荒縄で雁字搦めにされていようと関係ないんだ」
342 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 19:58:59.35 ID:r91pMgOq0
巌窟王「……見事、と言ったところか。あのシャーロック・ホームズがお前のことを知ったら頭を撫でたがるだろうな」

最原(たまに巌窟王さんって変な冗談言うな……)

巌窟王「俺が気付いていたはず、というところまで推理の中に入っていたな」

最原「じゃないと犯人を殺そうと思うくらい怒らないと思って」

巌窟王「……アイツは我がマスターの理念を踏みにじった」

巌窟王「やり方こそは歪んでいたかもしれないが、意志自体は間違っていない。それにも関わらずな」

巌窟王「しかも『アンジーは巌窟王を呼ばない』という点を考慮に入れて凶行に及んだのだ」

巌窟王「これで犯人に怒らなければ、何が復讐者か」

最原「最後の令呪。これを失ったら今度こそ巌窟王さんは生き返れない。だから……」

巌窟王「……犯人も、アンジーも大馬鹿者だ」
343 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 20:10:27.07 ID:r91pMgOq0
巌窟王「アンジーが死ねば、どうせこの空間での現界の維持はできなくなる。どっちにしても消えるというのに」

最原「消える前に他のマスターと契約すれば消えない、みたいなこと言ってたけど」

巌窟王「……」

最原「……まあ僕たちにはいらない知識、だよね」

アンジー「ん……!」

巌窟王「む」

最原「アンジーさんっ!」

アンジー「う、う、うう……!」ガタガタ

巌窟王「……もう容態は安定したはずだが」

最原「違う。これは体じゃなくって心の方の問題だ……!」

最原「凄くうなされてる!」

アンジー「か、神様……!」ガタガタ

巌窟王「アンジー! 俺はここにいるぞ!」

アンジー「……ルチャの……女神様……」

巌窟王「……」




巌窟王「は?」

アンジー「ルチャの神様が愉快な腰つきで無理やり迫ってくるよおおおお……!」エグエグ

巌窟王「」

最原「ど、どんな夢かはまったくわからないけど、ありえないほどうなされてる!」ガビーンッ!
344 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 20:15:47.65 ID:r91pMgOq0
某ルチャの女神『オーレッ! あなたもマスターたるもの、強くなくっちゃいけませーん!』

某ルチャの女神『その心意気、覚悟。資格は充分です! 我が加護を受けて超高校級のルチャドーラとして覚醒するのデース!』

アンジー「いやだああああ……いやだよおおおお……! 他の神様信仰したくないよおおお……!」ガタガタ

アンジー「もう高さ足りてるよおおおお……!」エグエグ

巌窟王「」

最原「アンジーさん! しっかりして! アンジーさーーーん!」

巌窟王「……」ズーン

最原「巌窟王さん! 頭抱えてないで誰か呼んできて……巌窟王さん! 巌窟王さーーーんっ!」



その後、アンジーがあと十回『ルチャの女神様いやだ』とうわごとを繰り返したあたりで彼女は目を覚ました。
ついでに何故かケツァルコアトルの加護を手に入れていたが、本気でいらなかったので捨てた。


巌窟王は身内の不祥事を心の底からアンジーに謝ったようだ。めでたしめでたし
345 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 20:23:27.66 ID:r91pMgOq0
夕ご飯食べてから本編します。

綺麗なチケットだろ……? 使えないんだぜ? まだ
346 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 20:50:13.22 ID:r91pMgOq0
ぐだ男家

ぐだ男(前回までのあらすじ)

ぐだ男(ベビードールを着たマシュに組み敷かれた)

ぐだ男(もう何がなんだかわからない)

ぐだ男「……」

ぐだ男「もう知らん。寝る」スヤァ

マシュBB「はいビンター!」パシィンッ

ぐだ男「痛ェ」

マシュBB「据え膳食わぬは男の恥という言葉を思い出してください!」

ぐだ男「お前が出してる据え膳はタバスコ入りなんだよ! 食えるかッ!」

マシュ「そ、そこまで……イヤですか……?」

ぐだ男「あ、いや、マシュのことは全然……」

ぐだ男「ああもう紛らわしい!」

マシュBB「とか言いながら、今日はずっと、どっちの人格が出ているかは百発百中で当ててるんですよ」

マシュBB「愛の成せる業ですね! そんなに私のことが好きなんですか?」

マシュ「……そ、そうなんですか? 先輩はBBさんに叶わぬ恋を?」

ぐだ男「うおーーー! もうシームレスに人格が切り替わってるーーー!」ガビーンッ!
347 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 20:55:32.94 ID:r91pMgOq0
ぐだ男「BBの笑顔はBBの笑顔でわかりやすいんだよ!」

ぐだ男「マシュはマシュでなんか声が優しくて安心する! だけだ! それだけ!」

ぐだ男「ってことで、離してくれませんかね。ピタリ賞的なアレで……」

マシュ「ダメです」

マシュBB「当然ダメです」

マシュ「絶対にダメです」

ぐだ男「ち、ちくしょう……! 俺に一体何をする気だ……?」

マシュBB「ぶっちゃけこのまま私たちに食べられちゃってください!」

ぐだ男「食べ物が不足してたんなら後で買ってくるから……」

マシュ「いいえ。残念ですが性的な意味で、です」

ぐだ男「……」

マシュ「ごめんなさい……」

ぐだ男「謝るくらいなら言わなきゃよかったのにさぁ……!」
348 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/20(水) 21:02:09.14 ID:53XrlNawO
ケツァルコアトルの加護か
7章の悪性以外ノーダメのやつかな?
349 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 21:05:33.09 ID:r91pMgOq0
ぐだ男「……」

ぐだ男「BB! お前! マシュになんか吹き込んだろ!」

マシュBB「何を根拠に?」

ぐだ男「いくら何でも行動が突飛すぎる!」

マシュBB「うーん……まあ確かに吹き込んだっちゃ吹き込みましたが」

マシュBB「突飛ではないですよ。伏線はいくらでもありました」

ぐだ男「え。そうだっけ?」

マシュBB「時間は大体去年の年末、冠位時空神殿ソロモン攻略戦に遡ります」

ぐだ男(お前そんときいなかっただろ)

マシュBB「私はそのときいなかったですけどね!(泣)」

ぐだ男「泣くな鬱陶しい!」
350 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 21:12:32.79 ID:r91pMgOq0
マシュBB「人理焼却式ゲーティアとの対戦。マシュさんの脱落。ドクター・ロマンの決死の宝具」

マシュBB「まあなんやかんやあったものの、人理焼却は阻止され、世界は御覧の通り元通りとなりました!」

マシュBB「その際、死んだと思われていたマシュさんも何故か蘇生しており……」

マシュBB「あなたたちはどこまでも続く蒼天の下、その偉業と勝利の美酒を噛み締めたのです」

マシュBB「……」

マシュBB「で? だから何?」

ぐだ男「は? いや、だから何って……それで終わりだろ?」

ぐだ男「いや、亜種特異点の発生はまだ止まってないけど、おおよそそれで全部終了したはずだ」

マシュBB「これで? いやいや……終わってないですよ。一つ重大な忘れ物をしていたはずです!」

マシュBB「なんかもう、さらっと流されちゃってマシュさん自身も気付くの遅れてたんですけどね!」

ぐだ男「あー……?」
351 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 21:18:16.26 ID:r91pMgOq0
マシュBB「……別にそれのために辛い闘いを耐えてきたわけじゃありません」

マシュBB「あなたちは純粋に、生きたかっただけ! 最後の最後まで足掻いてただけ!」

マシュBB「でも『あって当たり前のもの』を度外視していい理由にはならないんですよねぇ!」

ぐだ男「それは?」

マシュBB「戦いを生き残ったあなたたちの幸せ」

マシュBB「……具体的に言うと集大成がないんですよ! キスとか告白だとかセックスだとか色々あるでしょうに!」

ぐだ男「あー……」

ぐだ男(具体例は素直にうなずきたくないが、言いたいことはわかる)

ぐだ男「……俺はマシュが生きてたってわかったときは凄く嬉しかった」

ぐだ男「俺自身も生きててよかったって、本当に思えたんだ」

ぐだ男「ということをマシュ本人にもキチンと伝えたんだが、まだ足りなかったか?」

マシュ「……」

マシュBB「話が早くて助かります」ニコォ
352 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 21:32:32.18 ID:r91pMgOq0
ぐだ男「……当たり前か。お前本当に死にかけてたもんなあ。あの終局特異点は本当に危なかった」

ぐだ男「報酬が足りないって言われたら『そらそうだ』としか言えないって」

ぐだ男「……」

ぐだ男「で、その話がなんで今に繋がるんだ?」

マシュBB「終局特異点攻略直後は、まあ別にそれでもよかったのです」

マシュBB「ですが、それから数か月、カルデアで過ごしていく内にマシュさんの脳内にはモヤモヤが溜まっていきました」

マシュBB「そして私がこの旅行で、そのモヤモヤの正体を言語化してあげたのです!」

ぐだ男「モヤモヤの正体……」

マシュBB「いい子ちゃんすぎてつまらない」

ぐだ男「……え? それが正体?」

マシュBB「結構重要ですよ、これは」

マシュBB「ていうかこの旅行の最中、ずっとそうでした」

マシュBB「あとのことはマシュさん本人から聞けばいいと思います」
353 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 21:38:55.78 ID:r91pMgOq0
マシュ「私は……私の性格をこれと言って悪いとは言えません」

マシュ「言えませんが、ちょっと寂しいとは思うんです」

ぐだ男「ずっと一緒だったんだから寂しがる要素なんて」

マシュ「……先輩がかかずらっているサーヴァントのみなさんは大体全員問題児です」

ぐだ男「ん……!?」

マシュ「この旅行の最中だけじゃなくって、ずっと前から思ってました!」

マシュ「『あれ? もしかして、私って先輩から手のかからない子だと思われているのでは』って!」

マシュ「いえ、確かにBBさんの言う通り、言語化のされていないモヤモヤした気持ちだったのですが!」

ぐだ男「待て。待て。マシュ、待って」アタフタ

マシュ「もうこの際言わせていただきます。後戻りはできないので!」

マシュ「手のかからない良い子である旨味が薄すぎるんですよッ! 先輩、私はもっと構ってほしいんです!」

ぐだ男「……ま、マジで……?」

マシュBB「マジです」
354 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 21:44:15.51 ID:r91pMgOq0
マシュ「これは……これだけは本当に訊ねたくなかったのですが」

マシュ「……覚悟を決めるために聞かせてください」

ぐだ男「……な、なに?」




マシュ「先輩。私のこと、妹か何かだと思ってません?」

ぐだ男「」

マシュBB「……答えてくださいよぉ。イエスかノーかで」ニヤニヤ

ぐだ男「え、えーと、それは……!」

ぐだ男「……」

マシュBB「……」

マシュBB「はいギルティ。荒療治の必要ありですね」

ぐだ男「な、なにっ!?」

マシュ「先輩……私だって……私だって……!」

マシュ「先輩の全部が欲しいんです」シュルリ

ぐだ男「」
355 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/20(水) 21:46:14.67 ID:r91pMgOq0
続きは明日ー!
356 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/21(木) 09:02:18.27 ID:f5U7mEtgo
イイトコロデー!!!!
357 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/21(木) 19:05:13.48 ID:JJTmOlHz0
ぐだ男(薄暗闇の中、ヤケクソ気味のマシュが服を脱いだ)

ぐだ男(というかマシュが着ている服はボディラインが完全に透けて見えるベビードールだけだったのだけど)

ぐだ男(つまり今ので全裸になっちゃったんだけど。肌色やら肌色やら肌色やらでわけがわからなくなってきた)

ぐだ男(大きくて形のいい胸とか、すべすべしてて思わず手が吸い込まれそうなくびれとか、吸い付きたくなる鎖骨とか……)

ぐだ男(……し、思考を止めるな! 今俺がかけるべき言葉は一つ!)

ぐだ男「マシュ!」

マシュ「なんですか?」

ぐだ男「俺は服を着たままやりたいです!」

ぐだ男(ちがあああああう! そうじゃない! 服を着てくれと言いたかったんだ俺は!)

マシュ「わかりました」セッセッ

ぐだ男(それでいいのか後輩!)ガビーンッ!

マシュBB「それでいいんですかマシュさん……」

ぐだ男(BBにすら言われちゃったよ!)
358 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/21(木) 19:24:48.15 ID:JJTmOlHz0
ぐだ男「……マシュ……一つ聞かせてくれ」

ぐだ男「俺はお前にとっていいマスターじゃなかったのか?」

マシュ「最高のマスターです。今も、過去も、未来でだって」

マシュ「……ただ今までの私はあまりにも欲しがりませんでした」

マシュ「いつもいつも先輩はたくさんの素敵なサーヴァントのみなさんに言い寄られて……」

マシュ「マスターはそれらの願いに出来る限り応えてました」

マシュ「それを見て度々思ってたんです。『私の取り分が妙に少ないな』って」

ギュッ

ぐだ男(マシュが体を押し付けるように抱き着いてきた)

ぐだ男(俺も薄いTシャツとかスウェットパンツとかだけなので、もうほとんどダイレクトにお互いの体温が伝わる)

マシュ「……で、ふと気づいたんです。ジークフリートさんの話を聞いて、フッと」

マシュ「求められたらそれなりに応えるけど、求められなければ何もしない」

ぐだ男「……」

マシュ「先輩はそこまで割り切ってません。求められてなくっても、見るに見かねたらやるときはやる人です」

マシュ「でもそういう傾向は、ちょっとはありました」

マシュ「本当に遅くなりましたよ。私に対しての先輩の対応が妙に冷たい理由は……」

ぐだ男「……お前が言ってなかったからだ」

マシュ「だからもう黙るのはやめにしたんです。私だって欲しい。できれば身も心も全部」

ぐだ男(冷たくした気はないんだけどなぁ……)

ぐだ男(……いや。マシュがそう思ったのなら、その気がなくとも意味はないか)

ぐだ男(かなり悔しいな……)
359 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/21(木) 19:39:22.21 ID:JJTmOlHz0
ぐだ男「……そう思い始めたのは多分、デミサーヴァントの力が使えなくなってきてからだろ」

マシュ「……」

ぐだ男「俺さぁ。安心してたんだよ。ちょっと肩の荷が下りた気分だったんだ」

マシュ「足手纏いがいなくなって、ですか?」

ぐだ男「お前がいて心強いと思ったことは何度もあるけど、足手まといなんて思ったことは一度たりともないよ」

ぐだ男「亜種特異点に初めて行ったとき、隣にマシュがいなくってさぁ」

ぐだ男「『あ、俺がしくじってもマシュは大丈夫だな』って」

マシュ「え……」

ぐだ男「最悪の場合は別のヤツをレイシフトさせればいいんだしさ。どんな裏技でもダヴィンチちゃんならできるだろ」

マシュ「先輩。先輩は私たちにとって唯一の人です! なのに、そんな……」

マシュ「自分のことを『代わりがいる』なんて悲しい目で見てたんですか!?」

ぐだ男「いつか言ったはずなんだけどなぁ。本当はさ、世界には俺みたいなヤツはいくらでもいるんだって」

ぐだ男「あの場にいたのが俺以外でも、多分お前の手を取ってたよ」

マシュ「そんなこと……」

ぐだ男「話を脱線させたな。あのな、俺は別にデミサーヴァントの力が使えないお前を冷遇してたわけじゃない」

ぐだ男「今までお前に頼り過ぎてたんだよ。だからちょっと修正しようと思っただけだ」

マシュ「……」
360 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/21(木) 19:50:49.90 ID:JJTmOlHz0
ぐだ男「終局特異点での戦いが終わって、お前がサーヴァントの力使えなくなって」

ぐだ男「初めて気付いた。やっぱりアレ、仮に偶然だろうと常人がやっていい偉業じゃない」

ぐだ男「俺はずっと隣にマシュがいたから救われてたけど、それもやっぱり異常だったよなって」

ぐだ男「ずーっとお前頼り。ずーっと……ずーっと……」

ぐだ男「……かっこ悪いだろ。そんなのさ」

マシュ「先輩……! 私は、先輩の役に立ちたくて! 立ちたいのに!」

マシュ「なのにサーヴァントの力が使えなくって……どんどん先輩が離れて行っちゃう気がして……!」

マシュ「それでも先輩に頼ってほしかっただけなのに……!」ポロッ

ぐだ男「泣くなよ。俺が悪かったんだ」

ぐだ男「お前は頼られたくって構われたかった。で、俺はお前にこれ以上頼りたくなかった。それだけだ」

ぐだ男「……話し合えば簡単にわかった道理なのになぁ。全然マシュのこと見てなかったよ」

ぐだ男「ゲーティア倒して油断しきってたのかなぁ」
361 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/21(木) 20:04:37.60 ID:JJTmOlHz0
ぐだ男「ごめん。本当にごめん。マシュのことを忘れたことなんて一度もないよ」

ぐだ男「ただちょっと休んでほしかっただけだ」

マシュ「……先輩」

ぐだ男「つっても裏方で相変わらず頑張ってるんだけどさ。上手くいかないなぁ」

ぐだ男「まだお前に頼ってる。頼りたくないのにさ」

ぐだ男「……頼らざるを得ないくらい、お前の存在はでかいんだ」

マシュ「先輩……!」

ぐだ男(安心させるために、マシュの背中に手を回す)

ぐだ男(……やっぱり小さくて柔らかい。出来る限り守ってやりたいと思う)

ぐだ男(現実はまったく逆だけど)

ぐだ男「……」

ぐだ男(まあここまで本気で腹割って話し合ったんだから、もうこんな強引な手は取らないだろう!)

ぐだ男「と、いうわけでマシュ! こんなことをしなくっても、俺はお前のことを大事に」

マシュ「……ん……!」


チュッ
362 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/21(木) 20:19:30.04 ID:JJTmOlHz0
ぐだ男「……?」

ぐだ男(キスされているという事実に気付いたのは、マシュが顔を離したときだった)

ぐだ男(随分と長い間、唇が触れ合っていたような気もする)

マシュ「……確かに。私は離れて行ってしまう先輩を繋ぎとめるために賭けに出ました」

マシュ「本音を聞いた以上、もうこの行動に大した意味はないのかもしれません」

マシュ「が」

ぐだ男「が?」

マシュ「……もう本当に、純粋な好奇心で」

マシュ「先輩と一緒になりたくなってしまいました」

ぐだ男「」

マシュ「……先輩、どうか私を愛してください」

マシュ「お願いです。私を存分に使ってください」

マシュ「代わりなんていません。あなただけです。あなただけがマシュ・キリエライトを好きにできます」

マシュ「地球上でただ一人、あなただけが」

ぐだ男「」





ぐだ男(計算を間違ったーーーッ!)ガビーンッ!

ぐだ男「待て。マシュ。待て。待ってく――」

マシュ「んんっ……!」


チュッ……ジュプッ


ぐだ男「んんっ……!?」
363 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/21(木) 20:29:08.58 ID:JJTmOlHz0
BB(ぶ……ひゃははっ……ひーっひーっ……!)ガタガタ

BB(ヴァーーーッカですねぇ、センパイ! あなたの中に悪性なんてこれっぽっちもないんですから!)

BB(本音をぶちまけたらそれこそ本気にされちゃって当たりまえじゃないでーすかー!?)ゲラゲラゲラ!

マシュ(先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩先輩)

マシュ(先輩を癒す先輩を慰める先輩を解き放つ先輩を愛す先輩に愛される先輩を先輩と先輩に)

BB(……)

BB(……流石にちょっと背中押しすぎちゃったかなー……?)ガタガタ
364 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/21(木) 20:30:11.24 ID:JJTmOlHz0
今日のところはここまで!
365 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 17:51:31.30 ID:N77FKkIM0
BB(……んん。同じ肉体をシェアしてるから多少はわかりますね)

BB(これは深い悲しみ。マスターの持つ空虚さに気付いてあげられなかった罪悪感)

BB(……あと多少の利己心。『私なら彼を助けてあげられる』という慢心と願望)

BB(これですよ。ちょっと背中を押しただけで両方ともに崖の下に落ちて行っちゃうんだからなー)

BB(いやー、本当楽しくて楽しくて仕方ないなぁ!)プププ

ぐだ男(実はマシュを拒む理由は何もない)

ぐだ男(いや、正直な話、マジでマシュのことは妹に近い何かだと思っていたが)

ぐだ男(くれるというものを拒む理由が俺には微塵もない!)

ぐだ男(強いて言うなら、そう。問題がたった一つ。マシュでも俺でもない第三者)

ぐだ男(BBがマシュの中でゲラゲラ笑っているんだと思うと本当に悔しくて憎らしくて仕方ない!)

ぐだ男(ふざけやがってぇ! 後で覚えてやがれよ!)


ジュ……プッ……


マシュ「ん……ぷはっ……んんっ……!」

ぐだ男(……それはさておいて何回ディープな方のキスをするんですかね!)

ぐだ男(ぐ、ぐう……思考が纏まらない……というか纏める方が確実に無理だコレ……)

ぐだ男(ていうかもう現実感がない。夢か何かだと言われたら信じてしまうだろうな)
366 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 18:10:24.67 ID:N77FKkIM0
ぐだ男「あの、マシュ。忘れてないか? お前の中には今BBがっ……!?」ゾクッ

ぐだ男(Tシャツの中に手を入れられた。直で背中をなぞられる)

ぐだ男(どっちの汗かはもうわからないが、汗ばんでペタペタしていた。不快ではないけども)

マシュ「そんなことを気にしている余裕はもうありません」

マシュ「ちゃんとわかってもらいたいんです。私にとってあなたは替えがきかないんだってことを」

ぐだ男(あまりにも高く買いすぎだと思う。他にいいヤツなんていくらでも……)

ぐだ男(……)

ぐだ男(……一瞬、ゲーティアに吹き飛ばされたマシュの背中がフラッシュバックした)

ぐだ男(あー。これだなぁ。あのときのと同じ絶望感を味わうのが怖いんだなぁ)

ぐだ男(だよなぁ。逆の立場になったら凄く怖いものなぁ)

ぐだ男(残されるヤツの悲しさを俺はよく知ってる)

ぐだ男(……もう替えがいるなんてこと、気軽に言えないんだな)

ぐだ男(……)

ぐだ男(とかなんだとか考えている内にTシャツ脱がされてるんだけどッ!?)ガビーンッ!




BB(あともうちょっとー。あと少しー。ルンルン)キャピキャピ
367 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 18:26:39.89 ID:N77FKkIM0
ぐだ男(落ち着け。まだ慌てるような時間じゃあわわわ)

ぐだ男(考えろ。考えるんだ。このままBBに笑われながら取り返しの付かない行為をするのは、こう……)

ぐだ男(マジで死んだ方がいい屈辱だ! 一生ネタにされるぞ!)

BB(ちぃ。観測者の存在がそのまま観測対象に影響を与えてしまう。観測者効果クソ食らえです)

BB(私はただ単に、今まで後輩だと思って見下して来ていた女の子に、センパイがよがる姿をドミノピザ片手に見ていたいだけなのに!)

ぐだ男(とか思っているんだろうな。わかるわかる。ざっけんなボケッ!)

ぐだ男(俺とマシュの関係を見世物にしてんじゃねーよ!)

BB(と、辛うじて残った理性で考えているのでしょうが、それもいつまで続きますかね?)

マシュ「先輩……あの……」

ぐだ男「ん?」

マシュ「……ごめんなさい、首筋。痕が残っちゃいました、ね」ニヘラ

ぐだ男「……あ」

ぐだ男(首筋吸われてたッ!?)ガビーンッ

ぐだ男(……いや、なんか気持ちいいなー、とは思ってたが!)

BB(思考回路は順調に鈍ってますねー。フレーフレーマシュさーん! あと少し、もう少しー!)
368 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 18:36:56.37 ID:N77FKkIM0
マシュ「……あ、先輩……!」

マシュ「よかった。先輩も愉しんでくれていたようで」ニコリ

ぐだ男(どこに意識を向けて言っているのかはあえて語るまい)

ぐだ男(というか俺がそれを考えたくない)

マシュ「……もう、遊びは終わりでいいですよね。充分です」

マシュ「私の方も準備はできてますから……」

ぐだ男(どこの準備が完了だって?)

ぐだ男(……いや、これも考えるべきじゃないな!)

マシュ「先輩。先輩。先輩」

ぐだ男(うおおおおおおおお! もうダメだーーー!)

ぐだ男(ていうか俺も我慢の限界だよチクショウ!)

BB(計算通り。ダメだ……まだ笑うな……堪えるんアハハハハハハハハハ!)ゲタゲタ



……ドォーーンッ


ぐだ男&BB(んっ?)

BB(爆発音? どこから……?)

ぐだ男(……あっ)

BB(……まずい。あのテログループ、いくら何でも時限爆弾まで渡すのはやりすぎました)

ぐだ男(突破口が見えたぞ!)キュピーンッ!
369 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 18:43:07.25 ID:N77FKkIM0
ぐだ男「マシュ。ストップだ。今、何か聞こえなかったか?」

マシュ「え?」

ぐだ男「……いや。聞こえたぞ。今の音は……ホテルの方角からか!?」

BB(おそらく適当にこじつけ言っているだけでしょうが、残念なことにこればっかりは的中でしょうね)

ぐだ男「悪いマシュ! ちょっとテレビを見てくる!」

マシュ「あ、先輩!」

ぐだ男「服を着こんで着こんで」サッサッ

ぐだ男「おーし! マシュもゆっくり来いよ! ゆっくりな!」ダッ

マシュ「あ……」

マシュ「……」

マシュ「……ッ!?!?」

BB(あ、いけない。こっちも正気に戻っちゃいました)

マシュ(え、え……私……今まで一体何を……?)

マシュ(……あ、やだ。私、濡れて……い、いやあっ……!)

BB(はいはーい。ここから先はバトンタッチー。ちょっと休んでてくださいな)

BB(よくできました)

マシュ(あうううううう……!)
370 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 18:53:08.09 ID:N77FKkIM0
ちょっと時間は遡る

エリザ「やーっと見つけた! 時限爆弾まで仕掛けるなんて正気とは思えないわ!」

デオン「人をあそこまで『生かしたまま』壊せるお前が言うのなら実際正気じゃないんだろうな」

茨木「アレを思い出したぞ。ほら、亜種特異点の新宿でファントムが作ってたあの人形」

ジャック「あー。あれと同じくらい心壊れちゃったよねー。生きてるけど」

エリザ「……え? 別にいいんじゃないの? 愛があれば奇跡は起こるものだし」

エリザ「もし仮に奇跡を起こせないのなら、愛を受けてなかったってことでしょ?」

エリザ「それなら心と体が生きていようと、死んでいるのと変わりないじゃない?」

茨木「要は生きてる価値なしと言っているのだな」

デオン「それを決めるのはお前じゃない」

デオン「……が、まあどうでもいい。実際エリザのお陰でここまでたどり着けたわけだしな」

デオン「さて。ここまで来れたのは僥倖だが……」

デオン「……どうやって処理するのか考えてなかったな」

全員「あ」
371 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 18:59:54.97 ID:N77FKkIM0
エリザ「うーん、爆発物処理班を呼ぶ? 今からでも外に待機している警察とか呼び込めるけど」

エリザ「私の陣地作成を一時的に解除すれば」

茨木「それは難しいであろうなぁ? 外にいる警察はそもそも『ここに爆発物がある』という発想すらないに違いない」

茨木「吾らが情報を流してなかったからな?」

ジャック「私たちで解体できる?」

デオン「……む……これは……無理だな。絶対に無理だ」

ジャック「根拠は?」

デオン「桜のマークが刻印されてる」

茨木「BB製か」

エリザ「アイツの頭脳を上回る自信があるのならやってもいいけど?」

ジャック「無理ー」

茨木「残る手段は一つしかあるまいよ」

デオン「我々サーヴァント四騎の誰かが、自己犠牲覚悟で爆弾を処理する……」

デオン「まあ簡単に言えば爆弾を抱え込んで爆発を抑え込むなり、爆発の及ばない遠くまで抱えて走るなり、だな」

エリザ「それ大丈夫?」

茨木「死にはしない。魔術的な要素は一切ない、極めて現実的な爆弾のようだな?」
372 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 19:02:58.77 ID:N77FKkIM0
デオン「と言っても大怪我はする。ということで、もしものときのために治療スキルのあるジャックは除外だ」

ジャック「わーい」

デオン「あとの三騎で、じゃんけんで決めるか。誰が犠牲になるか」

エリザ「うえー。負けたくないー」

茨木「時間も惜しい。さっさとやるぞ」



じゃーんけーん!
373 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 19:07:57.26 ID:N77FKkIM0
ホテル屋上

エリザ「……ねえ。みんな。マスターに伝えてくれる?」

デオン「……」

ジャック「ううっ……」エグエグ

茨木「……エリザ……」

エリザ「私はね? あなたたちと一緒に戦えて……マスターに召喚されて……」

エリザ「人理を救えて、心の底から誇りに思うわって!」



バサァッ


デオン(エリザは竜の羽を大きく広げ、空へ空へと飛んでいく)

デオン(カウントダウンはもう、残り三分もないだろう)

デオン(それにも関わらず、エリザは尚も笑顔だった)

デオン(胸を打つような笑顔だった)



エリザ(私は……カルデアのアイドル、エリザベート・バートリー)

エリザ(マスターの敵を、打ち滅ぼす者よ)



ドカァァァァァァァンッ!
374 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 19:11:26.11 ID:N77FKkIM0
ヒュウウウウウッ


ベシャッ


エリザ「ぐえっ」

デオン「おかえりエリザ」

エリザ「じ、死ぬぅーーー……治療、早く……」

ジャック「はぁい」テキパキテキパキ

茨木「……」

茨木「これ流石にマスターにバレるであろうなぁ?」

デオン「仕方ない、と考えよう」

デオン「疲れた。しかも夜風が冷える。中に入るぞ」

エリザ「お風呂入りたーい」

茨木「火薬臭いから当然よな?」



数十分後、マスターがホテルに到着した
375 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 19:12:01.54 ID:N77FKkIM0
休憩します!
376 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 20:09:30.20 ID:N77FKkIM0
ホテル周辺

ぐだ男「……なるほど。事情はわかった」

デオン「すまないが、私たちはベストの選択しかしていないと断言しよう」

デオン「エリザの拷問技術があったからこそ時限爆弾を発見できたんだ」

エリザ「……ねえー。もう抜糸していいー? これ見栄え最悪なんだけど」

ジャック「いいよー。元から軽傷だったし」

ぐだ男「……BB。何か釈明は?」

マシュBB「釈明? さて、そんなことをする必要は特にありませんね」

マシュBB「カルデアのサーヴァントたちの活躍によって、世界からまた一つゴミが減った」

マシュBB「しかも誰一人として死なずに。これをハッピーエンドと呼ばずに何と呼びましょう?」

茨木「コイツ……白々と……」

ジャック「一番のゴミはBBの思考回路だよねー」

ぐだ男「お前らなあ……」

ぐだ男「……」

ぐだ男「反省してないヤツに怒っても無駄だな」

ぐだ男「なら代わりにいい点を見よう。俺がいない間、よく頑張った」

ぐだ男「集団を引っ張ったのはデオンで、爆発物の処理はエリザだったな」

デオン「……ふふっ。当然さ。私は騎士だからね」

エリザ「まあ爆発物の処理に関してはじゃんけんで負けた結果だけど」
377 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 20:18:15.57 ID:N77FKkIM0
ぐだ男「茨木は……多分暴走しがちなメンバーにブレーキかけてたんだろうな。少しずつ」

茨木「ん。まあ、な。といっても本当に最低限だぞ?」

ぐだ男「最低限でもブレーキ役いなかったらそれこそ本当に死人出てたぞ」

ぐだ男「ジャック。お前は治療役か。見栄えは確かに最悪だが、よくやった」

ジャック「えへへー」

ぐだ男「BB……」

マシュBB「はいはい。お叱りは受けますよっと」

ぐだ男「経過はどうあれテログループが一個消えた。結果はまあ上々と言えなくもないし、別にいいだろ」

マシュBB「……おや」

ぐだ男「でもさあ……だけどさあ……」

ぐだ男「今度の今度こそホテルが営業停止になっちゃったけど、どうするの?」

全員「……」
378 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 20:28:45.89 ID:N77FKkIM0
デオン「ふっ。またマスターの家にお世話になるな」キラキラキラ

ぐだ男「受け入れるわけねーだろ」

デオン「!?」ガビーンッ

ぐだ男「流石に五人は無理だ。五人は。うちの広さ知ってるだろ?」

茨木「確かにこの人数で押し掛けるのは無理よな」

ジャック「私たちは一度も行ったことないから知らないんだけど」

エリザ「……無理ねえ。あのお母さまも流石にいい顔しないでしょう」

ぐだ男「……BB。尻ぬぐいくらいはできるだろ?」

マシュBB「当然、と言いたいところですが!」

ぐだ男「おい」

マシュBB「替えの宿は! ありません!」

ぐだ男「おいおいおいおいおいおい!」

デオン「マシュ。本当に、本当にすまないのだが」

エリザ「私たちの憂さ晴らしのために犠牲になってちょうだい」

ジャック「恨まないでね? 恨むならBBと一体化しちゃった不運を恨んでね?」ギャランッ

茨木「宴の始まりよ。派手にぶちあげるぞ」ゴキンッ!

ぐだ男「待てェ! 落ち着けお前ら! マシュには何の罪もないだろ!?」

BB(やっぱり私は庇ってくれないんですね?)

マシュ(これに関しては仕方ないかと!)
379 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 20:34:33.56 ID:N77FKkIM0
マシュBB「だっていらないじゃないですか」

デオン「一応私たちはサーヴァントだが、元人間だぞ。出来る限り閉鎖された空間で、誰の目も憚ることなく休みたいこともある」

マシュBB「そんな時間はないですし」

エリザ「はあ? そんな時間はないって……」

エリザ「あっ」

ジャック「……ん!?」

茨木「……なるほど。そういうことか」

ぐだ男「ん? どうかしたか?」

デオン「……すっかり忘れていたぞ」

デオン「私たちは明日帰国だ」

ぐだ男「……えっ?」
380 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 20:44:03.78 ID:N77FKkIM0
ぐだ男「ちょっと待て、今計算するぞ」

ぐだ男「最初の日に茨木、次にデオン、次にジャック、次にエリザ、次にマシュ……」

ぐだ男「俺は一週間の休みを貰ってたんだ。あと二日残ってるぞ」

デオン「私たちはそうじゃない。ちょっとだけ短かったんだ」

マシュ「流石にマスターの休みをガッツリ全部奪うわけにはいかないので……」

ジャック「あー……まだ遊びたかったなー」

茨木「よりによって最終日がこれか」

エリザ「私、爆発しかしてないわよ!」

茨木「嘘吐けェ! 明らかに一番好き勝手やっておっただろう!」ガァ!

ぐだ男「じゃあお前ら、このまま空港に……」

マシュBB「ってことになりますかねぇ?」

マシュBB「まあ帰るのは明日の早朝ですから、マシュさんはまだセンパイの家に泊まれますが」

マシュ「……あ、の。先輩……」

ぐだ男「マシュ?」

マシュ「……はぐらかされてしまいましたけど、今度『自分には替えがきく』なんて悲しいことを言ったら」

マシュ「どんな状況であったとしても、絶対に先輩のその空虚さを奪い尽くします」

マシュ「……絶対ですよ?」

ぐだ男「……」

ぐだ男(おっかねぇー……! 強くなったなぁ、マシュ)

ぐだ男(BBのせいだと思うとムカつくが、アイツの闇とマシュの光があわさって最強に見える)
381 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 20:48:39.76 ID:N77FKkIM0
エリザ「……」

デオン「……」

ジャック「……」

茨木「……」

四騎(マスターの首筋に痕がついてる……)

デオン「チッ。走り回っていたから決定的な瞬間を見逃したな」

エリザ「後でBBに録画データを譲ってもらいましょうか?」

茨木「絶対ボられるぞ」

ジャック「いざってときにはナイフで脅すから大丈夫だよー」

BB(実はそのときの録画はしてなかったりして……)

BB(ふふ。弱みは私だけが握る予定でしたからねぇ)

マシュ(……やっぱりBBさんは意地悪です)

BB(積極的なだけです! 誰よりも!)
382 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 20:56:34.97 ID:N77FKkIM0
マシュBB「じゃ、四人は空港近くの24時間営業のファミレスにかけこんでいてください」

マシュBB「朝になったらそっちで合流です」

デオン「いいだろう」

デオン「……帰ったら諸々覚えておけよ、BB」

エリザ「逃げ切れるとは思わないことね?」

マシュBB「……ふふっ」

マシュBB「じゃ、さっさと帰りましょうか。センパイ!」ギュッ

ぐだ男「ああ」

マシュBB「……二回戦の用意はできてますよ?」

マシュ(できてませんが!?)ガビーンッ!

ぐだ男「胃が取れそうになるから勘弁してくれ……」

ぐだ男「それとなBB。お前、俺とマシュが快楽に溺れた場合はな?」

マシュBB「うん?」

ぐだ男「感覚を共有しているお前の方まで快楽に溺れる羽目になるだろ? それはいいのか?」

マシュBB「……」

マシュBB「あっ」

ぐだ男「今まで気付いてなかったんかいッ!」ガビーンッ!

マシュBB「い、いえ。実際共有しているのは感覚だけですし」

マシュBB「私が処女失うわけじゃないですしぃ……」アタフタ

ぐだ男「うーん、どうしよう。急にやる気が湧いてきた。お前相手ならいくらでもやれそうだ」

マシュBB「い、意地悪ぅ!」

マシュ「ていうかダメですよ、何言ってるんですか先輩!」

マシュ「仕返しのためだけの行為なんて、それこそ不健全です!」

ぐだ男「話がややこしくなるからいい加減に体の共有を切ってくれよぉ……!」
383 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 21:01:00.99 ID:N77FKkIM0
数時間後 ぐだ男家

ぐだ男「マシュとBBは寝たか」

prrrrr!

ぐだ男「……あいよ」

ガチャリンコ

BB『本体の方は眠らないんですよ』

ぐだ男「知ってる。そろそろ来るだろうなと思ってた」

BB『さて。サーヴァントたちとの休日、振り返ってみたら如何でしたか?』

ぐだ男「……」

ぐだ男「お前にこんなことを言うのは甚だ不本意だが、楽しかったよ」

ぐだ男「いつか見せたいと思ってたしな。俺の故郷」

BB『……ふふふ。そうでしょう? そうでしょうとも』

BB『最後の最後にドデカい思い出を作ってあげたかったんだけどなー残念だなー』

ぐだ男「お前な……」
384 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 21:10:47.65 ID:N77FKkIM0
ぐだ男「別にマシュの体を借りる形でなくっても、お前もこっちに来ればよかったのにさ」

BB『……御冗談を。私は裏からすべてを操るタイプの黒幕が一番似合ってます』

ぐだ男「そうかい」

ぐだ男「……寂しくなったらいつでも言えって。お前もため込むタイプだろ」

BB『非常に申し訳ないんですが、センパイ相手にぶちまける気はないんですよ』

BB『そういうのができるのはたった一人だけ。その一人はもう二度と会えないんですが』

ぐだ男「救えないヤツだ」

BB『ええ。自覚はありますとも』

ぐだ男「……願うだけならしてやるよ。いつかお前が、どんな形でもいいから救われればいいなって」

BB『反吐が出るほどのお人よしですね』

ぐだ男「自覚はある」

BB『……まあ、でも、あなたの存在が、ちょっとした暇潰しになってることは伝えておきます』

BB『あなたがいれば、元から救いなんていりませんよ』

ぐだ男「愛の告白か?」

BB『ドロドロに溶かしますよ?』

ぐだ男「……なんかもう話せば話すほどギスギスしてくるからやめよう。不毛だ」
385 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 21:21:44.90 ID:N77FKkIM0
BB『ていうかそんなクソ軽口がポンポン叩けるくせに、なんでマシュさんに対してはこう……』

BB『遠慮しすぎでは?』

ぐだ男「お前はお前! マシュはマシュ!」

ぐだ男「第一、あそこまで抵抗したのはお前の存在があったからだって!」

ぐだ男「裏でゲラゲラゲラゲラ笑ってる姿が幻視できるようだったぞ!」

BB『一生ネタにして笑いものにした挙句、結婚スピーチでもツラツラどんなプレイしたのか述べてやろうと思ったのに』

ぐだ男「鼻毛むしるぞッ!」ウガァ

BB『美少女に鼻毛なんて生えませんー!』

BB『……え? あ、イシュタルさん。どうかしましたか?』

ぐだ男「お?」

BB『は? ケツァルコアトルさんが? 抜け駆け? 勝手に加護を?』

BB『いや何してんですかあなたたち! 無駄に干渉したら巌窟王さんに怒られちゃいますよ!?』

ぐだ男「……もう切るか?」

BB『ごめんなさい! こっちが急に忙しくなっちゃったので!』

BB『それでは!』


ガチャリンコ ツーツー


ぐだ男「……」

ぐだ男「明日で終わり、か」
386 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 21:32:21.83 ID:N77FKkIM0
ファミレス

デオン「……楽しかったな」

茨木「そうだな。異論はない。禍根もな」

ジャック「私たちはもっと遊びたかったよ」

エリザ「そんなこと言ったらキリがなくなっちゃうわよ……?」

エリザ「……」

エリザ「……ッ!?」ガビーンッ

デオン「どうした?」

エリザ「茨木ッ! アンタ、確かTOKI●のサイン欲しいからって酒呑にサイン色紙とペン貰ってたわよね!?」

茨木「持っていたが……会えず終いだったので真っ白だぞ」

エリザ「それを今すぐ貸しなさい! 今すぐッ!」

デオン「どうした。一体何が……」チラッ

デオン「……」

デオン「何ィ!? 安室奈美●! 安室奈●恵がいるじゃないか!」ガビーンッ!

茨木「ああ、あのマーリンの次として無駄に有名になった……」

エリザ「不名誉なこと言わないで! 元から有名よ! 何の罪もないマーリンを刺殺したくなっちゃうわ!」

ジャック「マーリンかわいそう」

エリザ「あ、ちょ、来た。こっち来てる! 安室奈美●こっちに来て……キャーーー!」



こっちはこっちで旅行の最後を楽しんでいた
387 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/22(金) 21:32:50.71 ID:N77FKkIM0
続きは明日!
388 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/23(土) 03:54:58.38 ID:CGa/9QPl0
安室奈美恵の話をするとしよう・・・
389 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/23(土) 19:11:12.55 ID:8iFdA6Ic0
巌窟王の学級日誌
最近アンジーの夢見がすこぶる悪い。
理由はわかっている。カルデアにいる神性持ちサーヴァントがこぞってアンジーに加護を与えようとするため起こる副作用だ。

『日系のツインテ美少女が有料で八極拳叩き込もうとしてくる』とか『喋るクマのぬいぐるみ携えた巨乳美女が弓術教え込もうとしてくる』とか『ロリな外見した双子の美少女がバイザー付けたデカい女の人に乗って追ってくる』とか、悪夢の内容は様々だ。

あまりにも不憫すぎるのでBBに苦情を送った後で、入間に助けを求めた。

普段は酷い言動のせいで勘違いされがちだが、彼女は面倒見がいい。強く頼めば断らない。
それと、最初は魔術の存在を一切認めていなかったが、俺の力を正しく認識した後はそのすべてを解析しにかかっている。黄金の脳細胞だとかなんだとかは戯言に等しいが、豪語するだけのことはある。

『対症療法になっちまうが、ひとまず夢なんか見ようがない世界に行けば問題ないはずだ。俺様に任せておけ』

と、言っていたが、もしかして三階の隠し部屋の奥にあった妙な機械を使うつもりなのだろうか。
楽しみにしておこう。
390 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/23(土) 19:18:43.27 ID:8iFdA6Ic0
巌窟王「ふむ。なるほど。確かにこれならばアンジーも夢は見ないだろうな」

巌窟王「……む? 入間め。ケアレスミスだな、これは。仕方ない、俺が修正しよう」

巌窟王「卒業アルバム作りのために培ったノウハウが生きたな」カタカタカタ

巌窟王「む? 入間か。クハハ、お前のミスを俺が今修正してやったところだぞ! 喜べ!」

巌窟王「……ん? 何故泣く? そこまで嬉しかったか?」オロオロ
391 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/23(土) 19:23:28.92 ID:8iFdA6Ic0
早朝のぐだ男家

ぐだ男「……」

ぐだ男「なんか巌窟王が余計なことをする夢を見た気がする……」

マシュ「あ、先輩。起こしてしまいましたか」

ぐだ男「マシュ。もう出るのか?」

マシュ「ええ。本当は書置きを残してこっそり出るつもりだったのですが」

ぐだ男「……二日後、またカルデアでな。やることはまだまだ残ってるぞ」

マシュ「はい。わかっています、マイマスター」

マシュ「……じゃ、行きますね」

ぐだ男「おう。じゃあな」


ガチャリンコ


ぐだ男「……見送りするまでもないよな。すぐ会えるんだし」
392 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/23(土) 19:25:44.16 ID:8iFdA6Ic0
休憩します!
393 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 07:13:32.92 ID:fUQobVMC0
ファミレス

マシュBB「みなさーん! お待たせしました、BBちゃんの到着ですよー!」

デオン「マシュ。マスターとの二人きりの夜、楽しんできたかい?」キラキラキラ

エリザ「ふふっ。ちょっとは大人になったのかしら、マシュ」キラキラキラ

茨木「魔酒よ。ドリンクバーというものは余程飲まない限り元が取れないらしいな?」キラキラキラ

ジャック「マシュー! 会いたかったー!」キラキラキラ

マシュBB「わー。みんな清々しいほどにBBちゃんを無視。凄い笑顔ですね」

デオン「お前はもう消えろ。用は済んだはずだ」

エリザ「本当に。本当にイヤだけど、必要とあらば土下座だってしてやるわ。消えて」

マシュBB「うーん、そんな無駄に覚悟を決められましても」

ジャック「え? 何? 感謝されたいの? ありがとうBBがいてくれて助かった消えてお願いだから」

茨木「しっしっ」

マシュBB「なんかもうみんなBBちゃんのこと好きなんじゃないかって思えてきました」
394 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 07:27:18.08 ID:fUQobVMC0
デオン「BB。一緒に旅行できて一瞬『楽しいな』と思ったことは認めてやる」

デオン「認めてやるがそれは錯覚だと思うことにしたぞ。昨日の仕打ちでな」

マシュBB「別に悪意があったわけじゃないんですけどねぇ」

茨木「悪意ゼロであんなことができるのなら根っから邪悪なのであろうな。わかるわかる」

ジャック「……もしかして酒呑童子のこと思い出してる?」

茨木「いやエリザの昨日の所業思い出してた」

エリザ「何故ェ!?」ガビーンッ

マシュBB「何故とか言ってのけるあたりが一番、ね……?」ニコリ

エリザ「困ったような笑顔をこっちに向けないで! 何が『ね?』よ!」
395 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 07:41:51.06 ID:fUQobVMC0
マシュBB「確かに時限爆弾とか銃の正規品とかを流したのはやりすぎかなーって思いましたけど」

マシュBB「ここまでしないと焚きつけられないと思ったんですよ! 仕方ないじゃないですか!」

デオン「何が仕方ない、だ」

ジャック「……正規品?」

茨木「ジャック? どうかしたか?」

ジャック「いや……あの人たちと戦っている間、アサシンの方のエミヤに銃の写真を送ってアドバイスを貰ったりしてたんだけど」

ジャック「あの人たちが持ってた銃の中に正規品なんて一つもなかったよ?」

マシュBB「えっ?」

デオン「……BBから配布されたものを更に売って資金にでも変えたんじゃないか?」

茨木「だとしたら問題だが……BB。絶対に黙っていろ。一応、汝も仲間なのだからな」

マシュBB「うーん、まあそれは当然ですが、気になりますね。後で本体の方に諸々調べさせてみます」
396 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 08:16:14.66 ID:fUQobVMC0
カルデア

BB「むう……消えた正規品の銃、か……」

BB「確かに売ればかなりの金にはなりますが、一体どこに消えたんでしょうね」

BB「……ん? あれ。エリザさんのせいで顔が半壊してたから解析が遅れましたが、これって……」

BB「昨日ホテルを襲ったの全員木っ端の構成員じゃないですか。バイト感覚で社会に楯突いてるタイプの」

BB「じゃあ正規品じゃなかったのは銃だけじゃなくって構成員も……」

BB「……そういえば彼らが狙ってた政治家、今の居場所は……」カタカタ




BB「……あっ! 空港!? 嘘でしょ!?」
397 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 08:18:35.74 ID:fUQobVMC0
休憩します!
398 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 11:15:11.37 ID:ejLZNH5Io
もう一悶着ありそうで嬉しいぜ
399 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/24(日) 13:47:36.82 ID:WTiz8mVXo
もうちっとだけ続くんじゃ
400 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 16:44:43.78 ID:fUQobVMC0
空港

BB(ちょっとマシュさん! 人格交代! 大変なことがわかっちゃいました!)

マシュ(……今ちょっと取り込み中なのですが)

BB(いいから!)

マシュBB「みなさん! あの正規品の銃の居所がわかっ……」

マシュBB「あれ。茨木さんだけですか?」

茨木「BBか」

マシュBB「あれ? なんで縛られて……あれ。私も。あれ?」


ズドォンッ!

キャー!


テロリストA「静かにしろ。見せしめにされたいか?」

マシュBB「……」

マシュBB「あの。もしかして遅すぎました?」

茨木「吾らが空港に入った途端コレよ」

マシュ(カルデアのBBさんと私の中のBBさんで人格が独立しているって割にはこういうこと起こりますよね)

BB(だって実際に二つの人格を同時起動させてると滅茶苦茶頭痛くなるんですもの。片方はスリープさせてますよ)
401 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 16:56:13.51 ID:fUQobVMC0
茨木「吾はいざというときに他の人質たちの盾になれるから、あえて人質の中に紛れ込んでおる」

マシュBB「マシュさんは?」

茨木「鈍くさいから普通に捕まった」

マシュBB「マシュさん……」

茨木「まあ魔術とは何の所縁もない連中が相手だから、どんなに武装しようが吾らは問題ない。ないのだが」

マシュBB「一つ。空港を占拠しているから、どう少なく見積もっても人数が昨日とはケタ違い」

マシュBB「二つ。人質の救助が終わっていないので下手に動くと今度こそ死人が出る」

マシュBB「三つ。ここ明らかに『見せしめスタジオ』ですよねー。彼らの要求にちょっとでも陰りが出たらそれでもアウト」

マシュBB「……それ以前に、この状況自体が私たちにとってはアウトです」

茨木「一歩間違えたらテレビに映るぞ。化粧に気合は入れてきたか?」

マシュBB「んなわけないでしょう。私たち本当はここにいちゃいけないし、ここにいることがバレてもいけないんですよ」

マシュBB「ダヴィンチちゃんに怒られるー……」ガクリ

茨木「こうなってくると哀れよの。安心しろ、吾らもちょっとは庇ってやる。ちょっとは」

マシュBB「誇張でもなんでもなくマジでちょっとでしょうね」
402 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 17:15:24.01 ID:fUQobVMC0
茨木「というかなんでこんなことが起こった? 空港の占拠なんて一朝一夕の計画性ではできん」

茨木「にも関わらずヤツらの目的は例の政治家の身柄。昨日とまったく同じだ」

茨木「ここにいる人質はついでの札に過ぎん」

マシュBB「まあー簡単に言っちゃえば、昨日のテロが上手く行くなんてこの人たちもさらさら思ってなかったってことですよ」

マシュBB「まさかあそこまで徹底的に大失敗するとか思ってないし、爆弾に至ってはあんな方法で処理されると思ってなかったんです」

茨木「陽動……?」

マシュBB「というより演出ですねぇ。昨日のヤツは上手く行けば『テロ対政治家の戦いに罪のない市民が犠牲になった』的な結果になるはずだったんです」

マシュBB「その後、失敗したテロを生き残った政治家を改めて本気でこの人たちが殺す」

マシュBB「そういう筋書き。まあ下処理がエリザさんたちのせいで全部ぶち壊しになっちゃいましたが」

茨木「今回もぶち壊すぞ」ニヤァ

マシュBB「……」

BB(センパイを呼びましょう。今回ばかりはサーヴァントだけだと荷が重すぎます)

マシュ(そんな……)

BB(……私もイヤですけどね。今日ばっかりは)
403 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 18:41:52.49 ID:fUQobVMC0
ぐだ男家

ぐだ男「ふんふんふーん……」ルンルン

母「あら。上機嫌ね」

ぐだ男「ああ。だって当然だろ。一年以上ぶりに友達に会うんだからさ!」

ぐだ男「お母さんたちにも会いたかったけど、それと同じくらい友達にも会いたかったんだ」

ぐだ男(世界を救う理由の半分くらいは、自分が元いた世界を取り戻すことだったからな)

ぐだ男(アイツらとの思い出が無ければ、あそこまで強くなれていない)

ぐだ男(過去があるから今がある。あの偉業は、あらゆる意味で一人では絶対に成し得ないものだ)

ぐだ男(カルデアでの人間関係も大事だけど、こっちも大事だもんな。だから楽しいんだ)



prrrr!



ぐだ男「……電話?」

ガチャリンコ

ぐだ男「はいこちらぐだ男」

BB『……本当にすみません、センパイ。今回はネタ抜きで謝らせてもらいます』

ぐだ男「……」

ぐだ男「何があった?」

BB『まだ気づいてないんですね。テレビでも見ればわかるかと』

BB『私たちは今羽田空港です』

ぐだ男「……」
404 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 18:48:21.05 ID:fUQobVMC0
数分後

ぐだ男「わかった。今回ばかりは俺がいないと死人なしで事を収めるのには苦労するって話だな」

BB『……いっそイヤだ、と突っぱねてくれればこちらもどれだけ救われたか』

ぐだ男「なんだ。知ってたのか。今日俺が何をするのか」

BB『そちらのカレンダーにマスターの筆跡で予定が書いてありましたからね』

BB『余程楽しみにしていたんだろうなって、マシュさんと二人で話してました』

ぐだ男「流石に人命には代えられないさ。じゃ、空港行くな」

ぐだ男「お母さん! 携帯貸して!」

母「いいけど、どこに行くの?」

ぐだ男「友達のところ」

母「気を付けていってらっしゃいね」

ぐだ男「ああ! 行ってきます!」
405 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 19:02:29.71 ID:fUQobVMC0
BB(……ふと思うことがあるんですよねー)

マシュ(突然なんです?)

BB(いや、マスターって人理焼却事件に巻き込まれたとき、その時点で過去がなくなっちゃったんじゃないかって)

BB(確かに彼の、どんなサーヴァントでも使役できるコミュ力は大したものですが)

BB(それと引き換えに、それ以前の人間関係が途絶えがちになってしまった)

BB(……私たちと仲良くしないと生き残れないから無理に仲良くしているんじゃないかって)

BB(そう思ったことありません?)

マシュ(……)

マシュ(少し前ならそう思ったかもしれません。でも、もう先輩との絆は本物です)

マシュ(百歩譲ってそうだったとしても、私たちでそれを補えばいい話です)

BB(奪ってばかりな気がしますけどねぇ。茨木さん、デオンさん、ジャックさん、エリザさんなんか顕著ですよ)

BB(マスターと一緒に戦っているんだから、マスターに甘えて当然、みたいに思ってます。確実に)

BB(彼に一体何を与えられるっていうんですか。生きる権利?)

BB(彼自身も言っていましたが、人理焼却事件は彼以外の誰かがあそこにいても解決してましたよ)

BB(あんな辛いことしなくっても、他の誰かが英雄になってくれたはずです)

マシュ(……BBさんは、このまま彼が故郷に残った方がいいと考えてるんですか?)

BB(多少は)

マシュ(絶対にイヤです)

BB(……マシュさんも大概、意地悪です)

マシュ(先輩自身、絶対にそう言うはずです。絶対にカルデアに帰ってきます)

BB(あなたの思い込み……いや、願望である可能性は?)

マシュ(ありません。必ず果たされる現実です)

マシュ(私はマスターを信じています)

BB(信心……あまりにも残酷ですね。その願いが重圧になってるかもしれないのに)

BB(……ま、私が言うことじゃありませんが)

マシュ(……)
406 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 19:16:56.75 ID:fUQobVMC0
空港の片隅

デオン「ふむ。まずいな。あのテロリストグループ、空港内に散っていた人質になっていない人間を虱潰しに探している」

エリザ「広いところに集めて交渉材料を増やすつもりなのねー。せせこましいことだわ」

ジャック「私たちだけなら逃げ切れるけど」

ジャック「……ていうかそろそろ仕掛ける?」

デオン「さて……人質の方は茨木がなんとかするだろうが、それにも限度があるだろうしな」

エリザ「かと言ってこうやってドブネズミみたいにコソコソするのもねぇ」

デオン「何か不都合が?」

エリザ「端的に言うわ。飽きた」

エリザ「即死させること前提なら人質は全員助けられると思うけど?」

デオン「マスターに怒られたくなかったらやめておけ」

ジャック「……でも飽きたっていうのは確かに、私たちも同じかな」

ジャック「やっちゃおうよ、もう」ジャバジャバ

デオン「仕方ない。確かにザコ相手にここまで神経質になるのもバカらしいしな」

デオン「ところでジャック。その手で振ってるペットボトルはなんだ?」

ジャック「……」ニヤァ
407 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 19:30:21.55 ID:fUQobVMC0
ジャック「さっきそこのアイスクリーム屋で盗んで来たドライアイスを、自販機で買ったミネラルウォーターのペットボトルに入れたもの」

エリザ「ああ。それってアレでしょ? 簡易的な」

ジャック「フラグメントグレネード」ブンッ!


ボォンッ!


グァァァ!


ジャック「タイミングを見計らって、破裂する直前で目と鼻の先に投げれば」

デオン「普通に失明するな。くだらない小細工だが、結構威力は出るだろう」

デオン「おっと。いけない」

テロリストB「ひ、ひいい……目! 目がぁ……!」

テロリストC「な、何ッ!? なんだ!? 一体何が起こっ――」


ブンッ グサッ


テロリストC「……え?」ボタッ

テロリストC「え。な、に? 棒が、俺の腹から出て……来……」

バタリッ

エリザ「棒じゃなくって投擲した私の槍なんだけど」

テロリストB「あぎいいいい!」ジタバタ

デオン「始めるか」バキィッ

テロリストB「ぎゃんっ」

エリザ「うわっ……筋力Aのくせにサッカーボールキック? 死ぬわよ?」

デオン「自分の身を振り返って物を言え。そっちの方が死亡率高いだろう」

エリザ「いいのよ別に。ジャックがいれば」


ズポォッ


ヒュパッ


エリザ「ほらー。抜いた途端に傷口が元通りー」

ジャック「いえいいえーい!」

デオン「先を急ごう」

エリザ「はいはーい。またまた一方的な蹂躙の始まりね」

ジャック「バレないように一人ずつ確実に仕留めてこー!」
408 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 19:44:49.70 ID:fUQobVMC0
マシュBB「……まずいですね。痺れ切らして、あの三人が動き出しました。ハッキングした監視カメラから覗いた限りやりすぎです」

茨木「そうであろうなぁ。吾もあっちに行けばよかったなぁ、と考えて来たところよ」

茨木「明らかな格下相手にビクビクするのもバカらしい、とでも思ったのであろうな?」

マシュ「これ、もしも気付かれたら人質が……」

茨木「さて。どうであろうな。アイツらが相手にしているのは今は警察」

茨木「警察からの攻撃だ、という確信を得たら確かに人質を殺すであろうが」

マシュBB「実際には全然そんなことはないわけですからね。確認作業に手間取って、人質をどうこうするという発想に至るのはもう少し先ですよ」

茨木「仮に人質をどうこうする、ということになったら吾がどうにかするしな」

茨木「くくく。吾を人間の盾に使うとは……あの三人も随分と不遜よな」

マシュ「先輩……」
409 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 19:57:35.29 ID:fUQobVMC0
ぐだ男「さて。空港に辿り着いたはいいが」

ぐだ男「当然だが中に入れないぞ! どうしたらいい?」

BB『人払いします! その隙にセンパイは中へ!』

BB『おそらく入口には見張りのテロリストがいますが、それは自力でなんとかしてください!』

ぐだ男「無茶なことを言う!」

ぐだ男「……で、人払いって具体的には何をする気だ?」

BB『センパイ。私は告白します。実は、センパイのことを監視していました。ドローンとか使って!』

ぐだ男(『とか』って……)

BB『ちなみにそのドローン、自爆機能付きです』

ぐだ男「えっ」





警察「ん? なんだ? 何かがこっちに飛んで――」


ドカァァァンッ!


キャァァァァ!


ぐだ男「」
410 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 20:02:01.76 ID:fUQobVMC0
BB『後でテログループに全部罪を押し付けるので大丈夫ですよ』

ぐだ男「ふざけんな!」

ぐだ男「……ああ、でも確かに人がどんどん逃げていく!」

BB『さあ! センパイ!』

ぐだ男「わかってる! 俺のサーヴァントたちに人殺しをさせたりしない!」

ぐだ男「ましてや、せっかく守った現代の人たちを!」ダッ

警察「ん? キミ! 爆発が起こっている、そっちの方向に行くのは危険だ!」

警察「早くこっちに戻ってきぶへぁっ!」ガツンッ

ぐだ男「ドローンが警察の人の顔に当たったーーー!」ガビーンッ

BB『爆発しないから大丈夫ですよー!』

ぐだ男「本当ごめんなさい!」
411 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/24(日) 20:04:41.59 ID:fUQobVMC0
休憩します!
412 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 18:17:12.68 ID:jVL+MJmq0
ぐだ男「よし! 空港の中に侵入成功!」

BB『センパイ! 三時の方向!』

ぐだ男「あいあい!」バッ


ズドォンッ


テロリストD「!?」ガビーンッ

ぐだ男「BB! このまんま逃げて空港内で撒くぞ!」

BB『えっ。倒すんだと思いました』

ぐだ男「えっ」

BB『えっ……ガンドくらい撃てますよね?』

ぐだ男「あれ礼装ないと撃てねぇーよ! それより早く逃走経路!」

テロリストD「……」グッ

ぐだ男「あ、やべ。遅かった」


ガンッ


??????「ふいー。間に合った間に合った。キミー、こんなところに来ちゃダメだよー。危ないよー」

ぐだ男「……んっ? なんか聞き覚えのある声が……」

BB『あ。件の渦中にいる政治家さんですね。やっぱり捕まってませんでしたか』

ぐだ男「はっ?」
413 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 18:21:42.04 ID:jVL+MJmq0
アストルフォ?「いやー。たまたまボクがここを通りがかったからいいものを。一歩間違えたら脳天ずばーんだよ」

ぐだ男「……」

ぐだ男「アストルフォか? ちょっと歳食ってるように見えるけど……」

アストルフォ「あれ? キミ、ボクのこと知ってるの?」

ぐだ男「は?」

BB『別に言う必要はなかったので今まで言ってませんでしたが、その人がテロリストと対立してた政治家さんです』

ぐだ男「どう見てもアストルフォなんだけど……」

BB『聖杯戦争の歴史は結構長いですからねー。一体くらいは受肉したサーヴァントもいるでしょう』

BB『ついでに、当然ながら現代の人との基礎スペックが桁違いですので、社会の中心に食い込むことも間々ありますって』

ぐだ男「ちょっと待って。ちょっと待って。わかった。コイツがカルデアのアストルフォじゃないことはわかったが」

ぐだ男「だからってよりにもよってなんで政治家!? コイツに政治任せたら世界滅ぶぞ!」ガビーンッ!

アストルフォ「えへへー。それほどでもー」

ぐだ男「褒めてないッ!」
414 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 18:28:49.13 ID:jVL+MJmq0
アストルフォ「いやー。とある聖杯戦争で受肉した後、なんやかんやあってフランスの政治家にまで祭り上げられちゃったんだけどさー」

以下トルフォ「これが中々楽しくってやめられなくなっちゃってー」テレテレ

ぐだ男「世も末だ……」

トルフォ「で、まあ対テロ法案とか大胆な外交政策だとか色々ぶち上げている内に、変なのに絡まれるようになっちゃってね」

トルフォ「まあ大体自力でなんとかしてたんだけど」ウン

ぐだ男「自力で……なんとか……」

BB『もう思考が追い付いてませんね』

トルフォ「理性蒸発してたからさー。生前と同じように宝具がどんどんあっちゃこっちゃに流れちゃってさー」

トルフォ「今ではもうちょっと頑丈で怪力のある普通の人だよ。参っちゃうよね、あっはっは」

ぐだ男「あっはっは……」

ぐだ男「……投げ出したくなってきた」ズーン

BB『頑張ってー! 負けないでー!』
415 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 18:33:52.73 ID:jVL+MJmq0
ぐだ男「ま、まあいい。それはいい。どうでもいい!」

ぐだ男「アストルフォ。俺はとある組織の魔術師の端くれだ。ちょっとした事情があってサーヴァントたちがテロに巻き込まれてる」

トルフォ「昨日と同じ子たちだね」

ぐだ男「で、そいつらの暴走を止めるためにここに来た! できれば力を貸してほしい!」

トルフォ「いいよ!」グッ

ぐだ男「……」

ぐだ男「やっぱコイツ、アストルフォだな……なんかの間違いだと思いたかった……」

BB『この軽さとチャラさは完全に唯一無二のものですよね』
416 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 18:40:37.20 ID:jVL+MJmq0
トルフォ「まあ……かと言って、ボクがそうそう軽率に動くわけにもいかないんだけどね」

トルフォ「あの人たちの目的はボクの身柄だから。そこを押さえたら計画が第二段階に入っちゃう」

ぐだ男「第二段階?」

トルフォ「ボクの身柄を交渉材料にして『実在しない裏金をさも実在しているかの口調で要求する』みたいな」

トルフォ「そのくらいのことはすると思うな。実在してないものは用意できないから、ボクもろとも人質は皆殺しになるかな」

ぐだ男「今日新月だったっけ」

BB『いえ、普通に月は出るはずですよ』

トルフォ「失礼な人たちだなあ……」

ぐだ男「……まあそこはわかった。アストルフォはアストルフォなりに、出来る限りでいい。協力してくれ」

トルフォ「うん、そのつもりだよ! さて、それじゃあ……」

トルフォ「正々堂々と恰好いい名乗りを上げて、人質のいるホールにバーンとォ! 登場しようか!」バァーンッ

ぐだ男「やっぱりお前アストルフォだったわ」

BB『軽率に動くわけにはいかないとわかっている上での発言ですからタチ悪い……』
417 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 18:42:36.49 ID:jVL+MJmq0
休憩します!
418 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 19:46:01.93 ID:jVL+MJmq0
ぐだ男「……」

ぐだ男「いや。名乗りを上げるのはまあともかくとして」

ぐだ男「人質が集められているホールに行くっていうのは賛成だな」

トルフォ「名乗りを上げる部分はー?」

ぐだ男「ちょっと黙っててくれ」

トルフォ「はーい」

ぐだ男「人質を全員解放してしまえば、ひとまずは余裕ができるわけだし」

ぐだ男「後は俺がちょいちょい手綱を引いて行けば、少なくとも誰も死なないはずだ」

BB『もうテログループの心配しかしてませんよね』

ぐだ男「だってアイツら、俺がいない場所で、弱くて大量の敵を見かけると――」





エリザ「ボエエエエエエエエ!」


ガラガラガラッ


ぐだ男「……敵だけじゃなくってフィールド使って遊び始めるんだもん……!」エグエグ

BB『ホールへの最短ルートがエリザさんの歌声のせいで崩壊。別のルートを指示します』

ぐだ男「頼む……」

トルフォ「いやー。いつの世もサーヴァントってみんなとんでもないよねー」

ぐだ男「お前もとんでもないサーヴァントの筆頭なんだけど……」
419 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 19:57:31.62 ID:jVL+MJmq0
テロリストE「……!? ……!」ビクンビクン

エリザ「あらら。私の歌声で絶頂しちゃったみたいね」

デオン「両耳から血が出てるが……」

ジャック「ありえないほど出てるね……もしかして頭蓋骨割れてない?」

エリザ「さて。じゃあ次。ジャック、このあたりをテープとかビニールとか使って密封して。おびき寄せられたヤツ使って次の実験するから」

ジャック「はーい!」ペタペタ

ジャック「できた!」

デオン「流石に俊敏Aだな。あっと言う間だ」

デオン「……で、何をする気だ?」

エリザ「何人かおびき寄せられたタイミングで防火シャッターを落として。それで完全に密室の完成だから」

エリザ「あとコレ、一応渡しておくわね。酸素補給缶」

デオン「ああ、よくアイドルとかが使っているアレか」

デオン「……」

デオン「お前、まさか」

ジャック「あ、やばい。私たち外出てていい?」


ドタドタドタッ


テロリストF&G&H「見つけたぞ!」ゾロッ

エリザ「あ、来ちゃった! ほら、早くシャッター降ろして!」

デオン「く、くそ……!」

ジャック「巻き込まれ決定ー」
420 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 20:03:36.29 ID:jVL+MJmq0
ガラガラガラガシャンッ

テロリストE「なんのつもりかは知らんが、防火シャッターを下ろしたところで……!」

エリザ「すううううう……!」

テロリストG「貴様たちの逃げ場がなくなっただけ……?」

エリザ「すうううううううううう……!」

テロリストH「……な、なんかおかしいぞ。だ、段々耳が痛く……いや……」

エリザ「すうううううううううううう……!」

テロリストE「い、息苦し……!」


バタバタバタッ


ジャック「耳痛いー!」キィィィン!

デオン「それはそうだ。エリザがこの空間の空気を全部吸ってるんだからな!」キィィィィン!

デオン「気圧が急激に下がれば耳も痛くなるさ……」

デオン「ていうかもう全員気絶したぞ! いい加減にしろ!」

エリザ「ふうううっ! あー、竜の肺活量って凄いわねー。やればできるものだわ」

エリザ「うーん、殺さずの縛りプレイも中々面白いものね。次もコレやってみる?」

デオン「選択肢の一つとしてはいいかもしれないが……」

ジャック「しばらくはいいよ。次行こう? 次。私たち、面白いこと思いついちゃった!」キラキラキラ

デオン「じゃあ次はジャックの番だな」
421 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 20:10:00.44 ID:jVL+MJmq0
BB『げぇ。マジですね。あの三人、明らかにこの状況を楽しんでます』

ぐだ男「遊び始めただろ? しかも相手の人権を完全無視する方向で」

ぐだ男「デオンは隣にマリーとかがいれば真面目なヤツなんだけどな」

BB『……エスカレートして人を殺し始めるまで、あとどのくらいだと思います?』

ぐだ男「大丈夫だ。余程のことがない限り、そんなタイムリミットは存在しない」

トルフォ「聞いてる限り急いだ方がいいっぽいけどね」

トルフォ「いやー。流石に弱い者イジメはダメでしょ」

ぐだ男「相手の自業自得ではあるんだけどな……限度ってものがある」

BB『さあ。あと少しでホールですよ! そこに人質が集められてます!』
422 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 20:26:17.14 ID:jVL+MJmq0
トルフォ「それにしても凄いね……キミがあのカルデアのマスターか」

ぐだ男「あ、れ……言ってないよな?」

トルフォ「なんとなくわかった!」ドヤァ!

ぐだ男(そういえば理性蒸発ってたまに直感スキルに似た働きするんだったか)

トルフォ「キミはともかくとして、サーヴァントの方は問題だらけみたいだけどね」

ぐだ男(お前が言うな、と言ってもコイツは別人だから仕方ないな……)

トルフォ「まあ英霊なんてみんな曲者揃いだからさー。根気よく付き合ってあげてね」

トルフォ「そしたらきっとそれなりに応えると思うからさ。聖杯戦争の先輩からのアドバイスだよっ!」

ぐだ男「言われなくとも」

BB(……)

BB(……みんななんで、こんなプレッシャーかけるようなことバンバン言っちゃうんですかねー)

BB(イヤなら投げ出せばいい、くらいは言ってもいい気がしますが)
423 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 20:42:58.01 ID:jVL+MJmq0
BB『……おっと。それ以上進むと危ないですね! 再度の迂回を推奨します!』

ぐだ男「はあ? 何言って……」

ムワッ

ぐだ男「……この匂い、まさか」

BB『可燃性のガスです! 逃げてくださーい!』

ぐだ男「誰がこんな無茶なことを――」


ドカァァァァンッ!


ぐだ男「ぎゃあああああああ!」

トルフォ「あー、ダメだ。もうこの道使えないね。凄い爆発だったもん」

BB『まあ私のドローンの方が火力出ますけどね』

ぐだ男「お前の父ちゃんマイケル・ベイ!?」ガビーンッ!



ジャック「きゃははははは……」



ぐだ男「……遠くからジャックの声が聞こえる……アイツの仕業か」
424 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 20:54:18.48 ID:jVL+MJmq0
BB『段々エスカレートしてきてますよ。本当に死人は出ないんですよね?』

ぐだ男「お前、わかってて言ってるだろ。アイツらは指示なしにそんなことしないよ」

BB『……もうちょっと疑うこと覚えましょうよ。つまらないです』

ぐだ男「そりゃ悪かったな。次のルートを教えろBB」

BB『了解』

トルフォ「ふぅん……へぇ……」

トルフォ「なるほど。伊達に世界救ってない、か」ニヤニヤ

ぐだ男「ええい、値踏みするような目で見ないでくれ」

トルフォ「あ、ごめんごめん。じゃあ早く行こうか」
425 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 21:03:12.27 ID:jVL+MJmq0
ぐだ男(考えてみるに、明らかに手心加えてるな)

ぐだ男(わざわざガス爆発とかさせなくってもナイフでグサリで全部ケリが付く)

ぐだ男(大丈夫。まだヤツらは冷静さを失ってない)

BB『あっ! センパイ! それ以上進むと――!』

ぐだ男「えっ?」

ボチャンッ

ビリビリビリッ


ぐだ男「ぎゃあああああ! びーりーびーりーすーるー!」ビリビリ!

トルフォ「おっと。気を付けなよー!」グイッ

ぐだ男「あ、ありがとうアストルフォ……」

ぐだ男「……なんだここ! 道に水たまりがいっぱい……壁や天井には、刀傷?」

トルフォ「トイレの水を出しっぱにした上に、防火スプリンクラーを破壊。あと壁や天井の電気のコードを千切って引っ張って道に敷き詰めてるんだね」

BB『わっかりやすーいトラップですね。おそらくデオンさんがやったものと推測されます』

トルフォ「水に触れたらビリビリするよ。多分、誰かに助けられない限り延々と」



ギャァァァァァ!
タズゲデェェェェ!


ぐだ男「どこからか助けを求める声が……」

ぐだ男「デオンのヤツが一番エグくないか!?」ガビーンッ!
426 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 21:12:39.96 ID:jVL+MJmq0
ぐだ男「イモータルカオスブリゲイドより阿鼻叫喚なんだけど! 今更だが、殺さずの誓いを守っている上でもコレは酷いぞ!」

BB『しかも楽しんでやってますし』

ぐだ男「アイツらー……絶対合流したら説教かましてやるー……!」

BB『……』

BB『ねえセンパイ。もうここで止まっちゃいましょうよ』

ぐだ男「あ?」

BB『だってもうルートがほぼ途絶えてますし、なによりも下手したら巻き込まれますよ』

BB『……ねえ。本当に、あの人たちについていけると思ってます? 曲がりなりにも兵器ですよ?』

BB『仮に心を持っていたとしても、結局のところは使い魔。あなたとは価値観が違うバケモノの集まりです』

ぐだ男「……」

BB『ここで止まることも一つの選択だと思いますが』

ぐだ男「BB。何を怒ってる?」

BB『は?』

ぐだ男「いや……気のせいかもしれないんだが、お前がなんかイラついてるように見えて」

BB『……』

BB『ダブるんですよ……!』

ぐだ男「?」

BB『……いえ、なんでもないです。ただ、止まってほしいだけです』

BB(私の好きな『先輩』とダブって見えて、凄くイライラしますので)
427 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 21:18:40.39 ID:jVL+MJmq0
ぐだ男「お前が何にイラついてるのかは知らんが、とにかく俺は先に進むぞ」

ぐだ男「アイツらは余程のことが起こらない限りは絶対にキレたりしないが」

ぐだ男「……お前から聞いた話だと、多分遠くない未来にプッツンする」

BB『え?』

ぐだ男「あのな。茨木はいくらなんでも無関係の人間の盾になることを素直に了承するようなヤツじゃないんだよ」

ぐだ男「本当に守っているのは……!」

BB『……ああっ! なるほど!』

BB『え、でも仮にそうなったとして、そんな簡単にプッツン来ます?』

ぐだ男「アイツもアイツで結構好かれてるからな。指一本でも触れたら一瞬だぞ」

BB『あらー』




ぐだ男「BB。絶対にマシュを守れ。血が一滴でも流れたら、アイツらすぐに本気になるからな!」

BB『オーダーを了承。全力で遂行しますとも』
428 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/25(月) 21:19:41.99 ID:jVL+MJmq0
続きは明日!
429 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/26(火) 05:37:20.31 ID:/bZdsMgCO
待ってる
430 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/26(火) 18:33:53.23 ID:JcDAdJUt0
ぐだ男「……んー? 待てよ。BB。ルートがほぼ途絶えたって?」

BB『ええ。まあ無理すれば押し通れないこともないですが』

ぐだ男「ということは、ホール側からも誰も出てこれないってことだよな」

ぐだ男「目的は敵勢力の分断か? 遊んでいる割には意外と考えてるじゃないか」

ぐだ男「だが分断させたとしても、小さくなった方の勢力を一瞬で刈り取る係が必要になるな」

BB『一騎くらいはこちらに残っている可能性……あると思います』

ぐだ男「ていうかお前のハッキングで見通せないのか?」

BB『凄まじい速さで、あっちに行ったりこっちに行ったり』

BB『残念なことにカメラ越しだと彼女たちの動向が見切れないんですよ。敵を襲うときくらいしか』

ぐだ男「エリザは鈍足だが、デオンとジャックは俊敏がありえないレベルだからな」

BB『それと、おそらく彼女たちの目的はきっとそれで合っていますが』

BB『人質の逃走ルートすら潰してしまうって点を完全に失念してますね』

ぐだ男「……不自然に失念しすぎだな。何か勝算でもあるのか?」

ぐだ男「いや。よそうか。とにかくルートがほぼ途絶えたのなら何か考えないと!」

トルフォ「頑張ってねー!」

ぐだ男「お前も知恵貸せッ!」
431 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/26(火) 18:42:39.17 ID:JcDAdJUt0
茨木「……」

マシュ「茨木さん。どうしました。先ほどから何か、眉間に皺を寄せてますけど」

茨木「……いや……大したことではないのだが……」



娘「……怖いよぉ……」

おばちゃん「大丈夫……大丈夫だからね……」

サラリーマン的な男「くそっ……なんで俺がこんな目に……」



茨木「……人間、弱くないか?」

マシュ「え?」

茨木「鬼からすれば確かにどれも有象無象だが、それにしても弱すぎるであろう」

茨木「吾の一番知っている人間はもっと強かったぞ」

マシュ「……先輩が強いんです」
432 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/26(火) 18:50:12.88 ID:JcDAdJUt0
茨木「……別に、吾が協力してやったのは、マスターと吾の利害が一致していた。ただそれだけの理由よ」

茨木「最初から人類史がそこまで素晴らしいものだとは思っておらんわ」

茨木「おらなんだが……」

マシュBB「それにしても失望するレベルで見苦しいほど弱い、ですか?」

茨木「……守ったところで、ゲーティアのような人類悪なぞいなくとも人は死ぬ」

茨木「心底と言うには浅いが、多少はな」

マシュ「……そんなことは……」

茨木「やっぱりくだらんな。迷う気も失せるわ。そのときが来れば吾は……」

マシュ「茨木さん?」

茨木「……今はなんでもない。今はな」

マシュ「……」

マシュ(先輩……早く来てください。大惨事が起こる前に……!)
433 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/26(火) 19:13:02.77 ID:JcDAdJUt0
分断の外側 ぐだ男サイド

デオン「……」

ぐだ男「……」

トルフォ「……」

BB『……』

デオン「何故マスターがここにッ!?」ガビーンッ!

デオン「いや、それよりお前! お前! 少し歳食ってるがまさか!」

トルフォ「え? 彼もボクのこと知ってるの?」

ぐだ男「俺のサーヴァントはみんなお前のこと知ってるぞ」

トルフォ「照れるなー」テレテレ

ぐだ男「で? デオン。お前、どうした?」

デオン「えっ。な、何のこと? 私はいつも通りだけど」アセアセ

ぐだ男「返り血拭いてから物を言え」

BB『バケツひっくり返した感じでドロッドロですね。頭からつま先まで』

デオン「……」

デオン「コロシテナイ、ヨ?」ガチガチ

ぐだ男「そうか。血を拭け」
434 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/26(火) 19:22:32.70 ID:JcDAdJUt0
五分後

デオン「ここまで圧勝だと逆に楽しいなって……思って……」グスグス

デオン「敵をなます斬りにしまくってたら、本当タガが外れてきて……」

ぐだ男「俺たちがお前を見つけた一瞬、お前こっちのことを一瞬だけ『新しい獲物』だと誤認してたからさ」

ぐだ男「お前の凄い表情がガッツリ見えちゃったよ」

デオン「マスター。令呪で命令してくれ。『自害しろ』と」

ぐだ男「しないしない。仲間が増えて嬉しいよ、デオン」

ぐだ男「じゃあ手札も揃ったし、そろそろ先に進むか?」

トルフォ「どうする気?」

ぐだ男「道がないなら作るのみ、だ!」
435 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/26(火) 19:34:45.64 ID:JcDAdJUt0
休憩します!
436 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/26(火) 20:40:17.13 ID:JcDAdJUt0
トルフォ「キミ随分と個性的なサーヴァント引き連れてるんだなぁ」

トルフォ「戦い方見てる限り、酷い趣味してるみたいだし。カルデアって悪の秘密組織なの?」

デオン「……現地で出会ったサーヴァントを味方に付けるのはキミの専売特許だが」

デオン「よりにもよってコイツにだけは見られたくなかったな」

ぐだ男「酷い趣味してるわけじゃなくって、友達と同じ遊びしてたら意外とハマっただけの話だ」

ぐだ男「コイツ自身は結構真面目だぞ」

トルフォ「ふぅん」

BB『センパイ。ちょっとは疑問に思わないんですか?』

ぐだ男「なにが?」

BB『自分は本当にサーヴァントとやっていけるのかどうか、とか』

BB『残念なことに一般人とは完全に価値観が剥離してますし』

デオン「……」

ぐだ男「そこに疑いは持たないようにしてる」

ぐだ男「デオンはいいヤツだ。俺はそれを知ってる」

デオン「マスター……!」

ぐだ男「BB。解析頼む。目標は……わかるよな?」

BB『わかってますよーっと』

BB(……ちょっとだけ到着が遅れるようにしてあげましょう)

BB(辿り着くころにはちょうど大惨事、ですよ。ふふっ)

BB(あなたは一度、夢から覚めるべきです)
437 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/26(火) 20:58:25.30 ID:JcDAdJUt0
テロリストたち「ざわ……ざわ……」

茨木「……さっきからアイツら騒がしいな」

マシュ「それもそうでしょうね。警察でもテロリストでもない第三者が『何故か』攻撃してきてるんですから」

マシュ「しかも昨日に引き続き」

茨木「つくづく運がない。吾らを二度も敵に回すとは……」

茨木「む……空気が危うくなってきたな。そろそろか?」

マシュ「えっ?」

BB(警察と彼らの会話の傍受に成功)

BB(ひとまず引っかけてみることにしたようですね。人質はまだ大量にいますし)

BB(この攻撃をやめなければ人質を一人殺す、って方向に纏まりかけてます)

マシュ(そんなことをしても無駄なのに!)

マシュBB「そういえばイバラギンさん。ずっと気になってたのですが」

マシュBB「どうも旅行サーヴァントのみなさん、人質への対応がおざなりですよね。なにか勝算でも?」

茨木「最悪の場合は吾が全部どうにかするということで纏まった」

マシュBB「具体的には?」

茨木「全員問答無用で食い殺す。容赦なしだ」

BB(……なるほど。やっぱり。最終手段のセーフティは手加減なしの大蹂躙)

BB(だからみんな人質に関しては放置気味だったんですね)

マシュ(そんなことにならないよう祈っておきたいのですが)

BB(届くわけありませんよ。そんなに簡単に)

マシュ(先輩が来てくれればなんとかしてくれます!)

BB(……届く距離にいる誰かに祈っても、現実に敗れるだけです)

BB(絶対に)
438 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/26(火) 20:59:02.92 ID:JcDAdJUt0
続きは明日!
439 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/27(水) 08:37:05.36 ID:CPRNKI3iO
最後のBBは桜っぽい
440 :爆死の人 ◆SxyAboWqdc [saga]:2017/09/27(水) 20:21:56.97 ID:X44oVm7N0
BB『そこです! そこの壁を延々と攻撃していればおそらく向こう側に抜けられます!』

BB『その後、また突き当ったら再度壁に攻撃! これを合計三回繰り返せば安全に先に進めると断言します!』

デオン「なるほど。わかりやすい。筋力Aと怪力スキル持ちが両方協力すればなんとかなるかもしれないな」

トルフォ「えー。手の甲が裂けちゃうよー」

デオン「誰が素手でやれと言った? ちゃんと食事処からスプーンを拝借してきた」スッ

ぐだ男「それはそれで気が長ぇーよッ!」ガビーンッ!

ぐだ男「……ん。そうだ。近くに食事処があったのなら、もう一つ拝借したいものがあるな」

トルフォ「え? なになに?」

ぐだ男「いや、俺一人で大丈夫だ。もう分断の外側の連中はデオンが全員斬ったんだろ?」

デオン「当然。私は敵には容赦しないからね」

ぐだ男「じゃあちょっと取ってくるから壁の破壊は任せた」

ぐだ男「ときにBB」

BB『はい? なんです?』

ぐだ男「……本当にここでいいのか?」

BB(……ちっ。気付かれた、か。でも)

BB『ええ。もちろん』

ぐだ男「そうか。ならきっと意味はあるんだろうな」

BB(……こういうときの私の言葉は絶対に信用すると思いましたよ)

BB(意味はある、か。それ『何かを隠しているな』って思ってる人間の物言いですよ)
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