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【謎解き】 先輩「キミは知ってるのかな? 学校の七不思議」男「……はい?」
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102 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/02(土) 06:44:43.18 ID:Fm1G0iGvO
これ気づいたこと書き込んでもいい感じですかね
103 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/02(土) 18:45:19.93 ID:52492BqYo
いい感じに嫌な感じになってきたな!
電話は学校の職員室なり事務室なりからだった、とかかな
乙
104 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 18:46:44.05 ID:h6hCO3y7o
……
放課後
廊下
友「悪いな、日直の雑務に付き合わせてしまって」
男「すぐに終わったし、別に構わないよ」
友「にしてもホント校内人少なくなるなあ」
男「一種の流行り病みたいなもんだろ。それに周りが帰るってのに自分ひとり残るってのもおかしいし」
友「まあ、そうだな」
男「部活は?」
友「結局休みになった。天候も良くないし、ってことで運動部のほうは。はよ帰れってさ。ミス研は?」
男「何やるか分からないけど、とりあえず顔出すよ」
友「ほっほう。張り切ってますなあ。良いですなあ」
男「……。で、お前はこれからどうするの? 帰るのか?」
友「えっ俺? お、俺はだなあ……」
体育教師「お、良かった、良いの見つけた」
友「え、先生?」
105 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 18:50:19.44 ID:h6hCO3y7o
体育教師「実は、体育用具のチェックと片づけをしなきゃいけなかったんだが、見回り担当で今からちょっと話すことができてね」
男(見回りの話し合い……家庭科室が荒らされたことだろうか)
体育教師「頼めそうなのを探してたらちょうど良いのがいたから」
友「ちょうど良いのって。喜んでいいんスか、それは」
体育教師「で、どう? 頼まれてくれないか? そんなに時間かからないと思うんだが」
友「あー、俺はその、どうせ部活は休みになったから、課題を仕上げようと思ってて。もうその約束しちゃってるんですけど」
男「……お前、その課題って」
友「や、やり直しって言われただけだよ。そんな目で見ないでくれ……」
男(……俺も美術の先生には、話の続きを聞きにいきたいが)
106 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 18:51:55.18 ID:h6hCO3y7o
体育教師「じゃあ君は?」
男「僕ですか? 僕は――」
男(体育用具……)
『体育倉庫の怪』
死んだ男子生徒が現れる。
男(また『旧七不思議』)
『他の6つの不思議に関わると――』
男(……まさか。あり得ないことを恐れるなんて馬鹿馬鹿しい)
男(俺はオカルト話を信じない、そうだろう?)
体育教師「頼む。評点にオマケがつくかもしれないぞ」
友「いいんですか、ソレ?」
男「分かりました、じゃあやりますよ」
107 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/02(土) 18:52:18.06 ID:VTi12P7DO
でもこれって先輩も男から七不思議聞いてるんだから先輩にもなにか起こらないとダメだよな
108 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 18:56:54.11 ID:h6hCO3y7o
体育倉庫
男(先生から預かったんだが……古い鍵だな)
ガチャ
ガラガラ
男(灯りが貧弱で、こんな天候だと薄暗い)
男(ここが七不思議の場所に選ばれるのも分かる気がする)
男(……気味が悪い)
男「……ま、そんなのが現れる訳がない」
男「さっさと片付けるか」
109 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 18:59:11.16 ID:h6hCO3y7o
……
男「……ふぅ」
男(結構時間かかってしまった。先輩、部室で待ってるかもしれないな)
男「あとはこれを奥に……」ヨイショ
男「……」
男(駄目だ、どうしてもそのことについて考えてしまう)
男(死んだ……男子生徒)
男(倉庫の扉は外からしか鍵がかけられない。それに、ここはグラウンドの外れだ)
男(その生徒は何かの拍子に閉じ込められて、そして誰にも気がつかれることなく――)
男「はあ」
男(余計なことを考えすぎだ。悪い癖だな)
「……」
男「よし、これで完了っと――」
ガラガラ
男「!?」
ガシャン
110 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:05:17.59 ID:h6hCO3y7o
男「なんで……扉が……?」
男「くっ」タタッ
男「おい、誰だ? こんなことして?」
男(待て。今鍵を持っているのは俺だ、だったらすぐに……)
男「……っ」ガタガタ
男「何でだ……何で鍵がかかってるんだ?!」
『……』
男「おい! 誰かそこにいるんだろ? 開けろよ!」
『……』
男「聞いてるのか! 冗談は止めろよ!」ドンッ
111 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:07:31.46 ID:h6hCO3y7o
男「何で、どうしてだ……」ガタガタッ
男(開かない……間違いない、鍵がかかってる)
男(施錠は外からしかできない……鍵は今俺の手元)
男「どういうことだよっ開けてくれっ」ガタガタッ
男「おい! いい加減にしろっ!!」ドンドンッ
男「くそっ」
男(閉じ込められた……?)
男(今日は運動部は休み……誰も気がつかない)
男(これじゃあ、死んだ男子生徒ってのが……つまり――)
男「っ」
男(そんな馬鹿なことがあるかっ)
112 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:14:24.45 ID:h6hCO3y7o
男「くっ」ガタガタッ
男(駄目だ、開かない)
男(ちょっとした悪戯なんかじゃない……)
男「どうしてこんな」
男(こんなところに閉じ込められるなんて)
男(こんな……)
「……」
男「!?」
男(俺のほかに誰か、いる?)
『体育倉庫の怪』
死んだ男子生徒が現れる。
113 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:22:02.69 ID:h6hCO3y7o
男(いや、そんなわけはない、気のせいだ。誰もいない。疑うから恐れるんだ大丈夫だ)
男(気のせいだ、気のせい……)
男(誰もいない、誰も……)
「……」
男「……開けてくれ。……頼む、誰か……」ドンドンッ
男「……頼むよ……」
男「誰かっ!!」ドンドンッ
114 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:28:27.92 ID:h6hCO3y7o
先輩『ちょっと、どうしたの!? 中にいるのよね!? 閉じ込められたの!?』
男「! ……先輩!?」
先輩『大丈夫!?』
男「と、閉じ込められてしまったみたいで……」
先輩『鍵がかかってるわ』ガタガタ
男「今鍵は僕が持ってるんですけど、なぜか施錠されたみたいで……」
先輩『分かった! 体育の先生に伝えてくるから。ちょっと待ってて。すぐに戻るから、心配しないで!』
男「はい……」
男(良かった)
男「はあ」
「……」
男(気のせいだ。誰もこちらを見ていない。ここには俺しかいないんだから)
「……」
男(視界の隅から、誰かがこっちを見ているような気がするのは、考えすぎなだけだ)
「……」
115 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:29:53.72 ID:h6hCO3y7o
ガチャリ
男「先輩」
先輩「お待たせ。大丈夫?」
男「……ええ。閉じ込められただけですから……その鍵は?」
先輩「スペア。先生から借りてきたの」
男「スペア……」
先輩「何があったの? どうして閉じ込められたの?」
男「僕にも分かりません……。中で片付けてたら、突然扉閉められて」
先輩「えぇ? 何それ……」
男「先輩は、どうしてここに?」
先輩「私? 私はキミを探しに来たのよ。部室で待ってても来ないからどうしたのかなーって」
先輩「それで探しに行ったら、キミのクラスメイトのお友だち? ほら、よく一緒にいる彼。彼を見つけてさ、キミのコト聞いたの」
先輩「そしたら、まだ倉庫の片づけしてるかもって言ってたから」
男「そうですか……助かりました。先輩が来なければ、閉じ込められたままでしたから」
先輩「なら良かった! キミのピンチに颯爽と現れて、救うことが出来たのね」
男「そう、ですね。ありがとうございます」
先輩「ふふ。にしても、どうしたのかしら? キミが中で片付けてたこと、気がつかなくて誰かが閉めたのかな?」
男「どうでしょうか……」
116 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:31:26.30 ID:h6hCO3y7o
職員室
先輩「……それで、そのあと、私が先生から借りたスペアキーで開けたんです」
体育教師「そうか。そんなことがあったのか。それは災難だったなあ」
男「いえ……」
先輩「そうですよ! 誰かが気がつくまであんな場所に閉じ込められるんですよ! とっても怖いことです! それは災難だったなあ、なんてのんきに言ってる場合ですか!?」ズイッ
男(冷静に考えれば……先輩が来なくとも体育の先生が気がついたのか。終わったら鍵を返すし報告もするんだから)
体育教師「す、すまなかった。いや、あの倉庫も古いからな。ふとしたはずみで施錠されたのかもしれん。調べてみて修理が必要だったらそうするよ」
先輩「よろしくお願いしますね!」ズイッ
117 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:32:14.90 ID:h6hCO3y7o
男「その、スペアのキーのことなんですが」
体育教師「ん?」
男「保管はどうされているんですか?」
体育教師「え? ああ、いつも使ってる鍵と並べて吊り下げてあるが……そうか、誰かがスペアを持ちだして悪戯したってこともあり得るか」
体育教師「だけど、ついさっき彼女が借りに来るまで、そんなことしそうなヤツは職員室にいなかったと思うけどなあ。入口の傍で話し合いしてたから、変なヤツが来ればすぐに分かるはずなんだが」
先輩「……もしかして、それって私が、そんなことしそうな変なヤツの範疇にあるってことですか?」
体育教師「こ、言葉のアヤって奴だよヤダなあははは」
男「……」
118 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:33:13.41 ID:h6hCO3y7o
ガラガラ
先輩「失礼しましたー」
男(何かの拍子に鍵がかかることは、もしかしたらあるかもしれない。だが、あの扉が自然に閉まることはない)
男(閉めた誰かは、中にいた俺に気がつかなかった? いくら薄暗いとはいえ、特に広いわけでもない倉庫で?)
男(声もかけず? 灯りがついて扉が開いていれば、中で誰か作業しているかも、って考えるのが自然じゃないだろうか)
男「……」
男(それに昨日から。この『旧七不思議』に関わる連続した出来事……もう偶然とは思えない……)
119 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:34:26.59 ID:h6hCO3y7o
男(『地獄からの便り』『死人の電話』『もう一人の自分』『家庭科室の包丁』『体育倉庫の怪』)
男(嫌がらせ? でも、誰が何のために『旧七不思議』を?)
男(それとも、本当にこれは……?)
『七つめの不思議』
『他の6つの不思議全てに関わると――』
男「……っ」
男(何だ、何だっていうんだ!? 他の6つに関わると、どうなるんだ?)
男(あと残りは1つ『校庭を走る幽霊』……)
120 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:35:12.55 ID:h6hCO3y7o
先輩「どうしたの? 大丈夫?」
男「先輩」
先輩「閉じ込められるって嫌な経験よね。ズーンと来るのも分かるわ。よしよし」ヨシヨシ
男「いえ、それだけじゃなくて……」
先輩「え?」
男「その、実は」
121 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:36:10.90 ID:h6hCO3y7o
先輩「昨日から『旧七不思議』を体験してるって。本当それ? そして『七つ目の不思議』……」
男「信じられないのは分かります。僕自身もそんなことは信じられない」
先輩「……」
先輩「いえ、信じるわ。現に今体育倉庫でそんなことがあったわけだし、家庭科室のことは私も聞いた。それにキミがそんな嘘を言うとは思えないもの」
先輩「私ならともかくね」
男「ええ」
先輩「ぇ」
男「一体なんでこんなことになってるのか、分からなくて。その、偶然で、僕の考えすぎだと思いたいんですけど」
先輩「……うん」
男「でも、偶然が重なりすぎてる。それに気になるのが」
先輩「うん?」
122 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:37:07.04 ID:h6hCO3y7o
男「どうして『旧』のほうなんだろうって。もしかしたら『旧』は本当に……なんて。馬鹿げてるって自分でも思いますが……」
先輩「『旧七不思議』……そうね、どうしてかしら」
男「例えば誰かの嫌がらせだとしても、それは何のためにやってるのか。どう考えても、家庭科室を荒らすなんてやりすぎです」
先輩「……うーん」
男「それに……」
先輩「?」
男「あ、いえ……」
男(何で俺なんだ? 俺が何かしたか?)
123 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/02(土) 19:40:38.23 ID:h6hCO3y7o
男「何が起こっているのか、分からないことばかりで」
先輩「そうね……」
担任「お、ちょっといいか?」
男「……先生? 今度はなんですか?」
担任「う、悪い話じゃない。実は、教頭先生がさっき出張からお戻りになられてね。ほら、昔の学校生活について聞いてるってこないだお前言ってただろ?」
男「え、ええまあ」
担任「その件で少し伺ってみたんだが、教頭先生、喜んでお話してくださるそうだ。それでどうだ、今からでも」
男「……」
担任「お前のためならって思ったんだが……どうした、都合が悪いか?」
男(また……)
124 :
◆Jiax/7r6DNu8
[sage]:2017/09/02(土) 19:59:35.84 ID:h6hCO3y7o
今日は以上です
言うほど謎解きでもないような気がするのでラクな気持ちで読んで下さると幸いです(震え)
できればお手柔らかに……
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/02(土) 20:06:28.05 ID:yzzFIugA0
乙
いくつか気になる点はあるなあ
ちなみに赤字のあにちょっとびびった
126 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/02(土) 22:14:58.09 ID:K/TG3OiA0
新しい七不思議の頭を読むのはミスリードなのかな
127 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/03(日) 15:59:25.19 ID:XOAqrPXyo
乙
水底から掴む手が来るのかどうか
128 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/03(日) 19:34:14.91 ID:T2l1QxM3o
男(この学校にずっといる教頭先生なら、何か知っているかもしれない)
男(特に『旧七不思議』についてのこと、『七つ目の不思議』のことだ)
男(だけど、気が進まない。もう関わりたくないって気持ちがある……)
男(俺はこんなこと信じていなかったのに、こころのどこかでは……)
男「……先輩は?」
先輩「え?」
男「先輩は、どうされます? 一緒に――」
先輩「私? 私は……」
先輩「ごめん、私今日は少し早く家に帰らなくちゃいけなくて」
男「……そうなんですか」
129 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/03(日) 19:35:15.57 ID:T2l1QxM3o
男(またか……)
男(また俺が……)
先輩「そのね、今の話だったら、キミは――」
男「分かりました、先生。では僕一人で教頭先生に伺います。有難うございます」
担任「お、そうか。じゃあ、教頭室でお待ちになっているから」
先輩「大丈夫? その……」
男「……大丈夫ですよ。じゃあこれから教頭先生のところへ行きますので、さよなら」スタスタ
先輩「え? う、うん。じゃ、ばいばい……」
130 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/03(日) 19:37:34.50 ID:T2l1QxM3o
……
教頭室
教頭「いやあ、私としても嬉しいよ。生徒が学校の歴史に興味を持ってくれるのはね」
男「そう、ですか」
教頭「ああ。学校は勉強をする場所ではある。だけど、ただそれだけのところじゃ、味気ないだろう?」
男(教頭先生と直接話したことはなかったが、評判通り本当に気さくな人だ)
教頭「私も結局一番の古株になってしまったね。今まで他の学校に異動する機会もあったんだけどね、これも縁というやつなんだろうか」
教頭「だから、この学校のことであれば詳しく話せると思うよ。もちろん私の知っている限りのことだけどね」
男「ご協力いただいて、ありがとうございます」
教頭「うん。それで、学校の生活についてだったよね?」
男「はい。特に、生徒たちの間ではどんなことが流行っていたのか、なんてことが聞きたいと思いまして……」
教頭「ふむ。流行りか……」
131 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/03(日) 19:50:00.61 ID:T2l1QxM3o
教頭「もちろん今までの皆の流行りについて。長々と喋ることも良いけれど」
男「?」
教頭「君としては、もっと具体的に聞きたいことがあるんじゃないのかな?」
男「えっ?」
教頭「長年の教師の勘だよ。なんとなく分かるんだ。どうも様子がおかしい」
男「あ、いえ……」
教頭「言いづらいことでもあるのかね?」
男「……。その、実は」
教頭「何だい? 言ってごらん?」
男「少しお話ししづらいかもしれませんが、実は聞きたいのは七不思議についてなんです」
教頭「……。七不思議?」
132 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/03(日) 20:52:50.34 ID:T2l1QxM3o
教頭「七不思議か。もしかして、そっちが本題かね?」
男「実はそうでして、その、すいません」
教頭「いやいや謝ることはないよ。今流行っているんだよね。興味を持つのは自然なことだ」
教頭「この手の流行りは私も何度も見てきたし、不思議なことじゃない。七不思議だけど、なんてね」ハハハ
男「は、ははは……」
教頭「そういった超常的なことに心を惹かれるのは私も理解できるさ。学校側としては、良い話ではないが……。それを文化祭で発表するのかい?」
男「……ええ。そのつもりでしたが、まだ決まっていません」
教頭「ふむ? そういえば何部だったかな?」
男「ミステリー研究会です」
教頭「ミステリー研究会? ……なるほど。彼女がいるところか」
男「先輩をご存じなんですか?」
教頭「あぁ、ふふふ。まあ、なんていうか、彼女は教員たちの間でもたびたび話題に上るからね」
男(なんとなく分かる気がする)
133 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/03(日) 21:20:31.61 ID:T2l1QxM3o
教頭「面白い子だから1年生の時から目立っていたけどね。決定的になったのが君のいるミステリー研究会についてのことさ」
男「え?」
教頭「ミステリー研究会は、それまで部員が誰もいなくてね。長年廃部状態だったんだ」
教頭「ところが今年の初めだ。突然部活を作るって言い出して。半ば強引に作っちゃったんだよ」
教頭「以前からこっそり忍び込んでいたらしい部屋を部室だって言い張ってね」
男(想像に難くない。先輩らしいといえば先輩らしい押しの強さだ。……俺もそこに巻き込まれているわけだが)
教頭「そういうこともあってね。教師の中には彼女に対して苦い顔をしている人もいるんだ」
教頭「私もそのことで少し注意をしたんだが、残念なことに嫌われてしまったようだ」ハハハ
男「……」
男(それで……)
男(それで今日は早く帰るなんて言ったのかな)
男(……)
男(先輩少し、わがままだよ)
134 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/03(日) 21:21:58.32 ID:T2l1QxM3o
教頭「出来ればもう少し、慎んでくれると――ああ、すまない、君に話すことじゃなかった」
男「いえ……」
教頭「いや、どうも話が長くなって困るものだ。職業病というやつだろうか」
教頭「そうだ、七不思議の話だったね。悪いんだが、最近の七不思議についてはよく知らないんだ。今、よく流行っていることは知っているんだが……」
教頭「生徒たちも、やはり私のような立場の人間には話題に出しづらいんだろう。まあ、私も進んで聞こうとは思わなかったがね」
男「すいません」
教頭「いやいや、いいんだよ。だから、私が君に話すことができる七不思議も昔の七不思議なんだ」
教頭「今流行っているという話については、まったく分からない」
男「いえ。むしろ、そちらの昔に流行っていたと言う七不思議のほうが今は気になってて。そちらの話が聞きたいんです」
135 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/03(日) 21:25:48.72 ID:T2l1QxM3o
教頭「そうなんだ。それはちょうど良かった。でも、どうして昔の七不思議に興味を?」
男「あ、それは……特別な理由はないんですけど。昔も、今のように大流行していたって聞いたんです。それで興味が出てきて」
男(実は自分の周囲に起こっているんです、なんてさすがに言えない)
教頭「なるほど、そうだったか」
男「できれば、その。昔に流行っていた七不思議の内容を聞いてみたいんです」
教頭「うん、分かった。さて、どのような内容だったかな、ちょっと思い出してみようか」
136 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/03(日) 21:30:49.38 ID:T2l1QxM3o
……
教頭「……これが『校庭を走る幽霊』と呼ばれているものだったかな、たしか」
男(『体育倉庫の怪』『家庭科室の包丁』『地獄からの便り』『もう一人の自分』『死人の電話』『校庭を走る幽霊』)
男(これで6つ。内容は知っていることとほとんど変わらなかった)
男(だが、問題は最後の話だ)
男(教頭先生が知っているのは『水底からの掴む手』? それとも)
教頭「うん。これで6つか。次で最後だね。最後は――」
教頭「『七つ目の不思議』」
137 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/03(日) 21:35:35.95 ID:T2l1QxM3o
教頭「これはよくあるような話でね、珍しくもない」
教頭「今言った6つの不思議」
『地獄からの便り』
『死人の電話』
『もう一人の自分』
『家庭科室の包丁』
『体育倉庫の怪』
『校庭を走る幽霊』
教頭「これらの不思議全てに関わってしまった人は――」
138 :
◆Jiax/7r6DNu8
[!red_res saga]:2017/09/03(日) 21:37:39.21 ID:T2l1QxM3o
学校の中で、死ぬ
139 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/09/03(日) 21:44:01.64 ID:T2l1QxM3o
教頭「以上が、私の知っている七不思議だ」
男「……」
男(不思議全てに関わった人は)
男(学校の中で、死ぬ……)
男「……」
男(僕は……)
男(『地獄からの便り』『死人の電話』『もう一人の自分』『家庭科室の包丁』『体育倉庫の怪』)
男(それらにすでに関わっている……?)
男(残すはあと一つだけ。それを経験すると――)
男(……僕は死ぬ?)
140 :
◆Jiax/7r6DNu8
[sage]:2017/09/03(日) 21:47:25.90 ID:T2l1QxM3o
今日は以上です
折り返しは過ぎてますが、次ちょっと開きます
141 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/03(日) 21:56:30.40 ID:nX1UhUjA0
乙
気がついてることはあるんだけど、それが物語にどう関わってくるのかがまだちょっとわからんです
142 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/04(月) 10:03:22.54 ID:TRbcQi5no
ひー
先輩の動きが怪しいのはミスリードか、それとも
これ人為的だと、家庭科室の件で男を目撃したって証言した奴は黒になるよな…
乙
143 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/04(月) 17:19:29.92 ID:Y8zTHrTi0
シナリオもめっちゃ引き込まれるけど文章力もすごいね。作家さんみたいだ
続き待ってます
144 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/04(月) 19:16:55.73 ID:8k5NpZ3vO
許嫁の方の続きも進めてほしい
145 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/05(火) 23:39:37.14 ID:nJB/sQiA0
許嫁の人だったか
あっちもオナシャス
146 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/06(水) 00:10:05.56 ID:Be50lvaA0
>>126
ほんとだ
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/15(金) 20:23:12.64 ID:XRWSKnjaO
保守
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/02(木) 02:59:30.68 ID:l9hFsnUJo
ちょっと待ってくれよ。
3時に真っ暗な部屋でこれ読んでて、男が昔のガチでやばい方の七不思議に徐々に巻き込まれていく感じにめっちゃ怖がってたのに、内容よりもここで止まってるたのが方が怖いわ。焦らさないでよ…
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/02(木) 18:04:16.26 ID:MDvx1Uj3o
もう2ヶ月も経ってたのか…
150 :
◆Jiax/7r6DNu8
[sage]:2017/11/03(金) 22:07:06.77 ID:WzSg7O3To
すまぬ…
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/04(土) 15:30:58.59 ID:Ltq0ioMZo
続きくるなら待つぜ
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/20(月) 19:44:34.49 ID:voCcSKE0o
待つぜ…
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/12(火) 00:52:41.96 ID:GmKwlHZLo
ほ
154 :
◆Jiax/7r6DNu8
[sage]:2018/01/03(水) 23:08:25.75 ID:hMpgxIA3o
あけましたほ
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/04(木) 11:26:04.17 ID:o2XCzn5J0
しゅ
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/01/05(金) 04:48:03.00 ID:wLfXPErzo
うれぴ
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/03/03(土) 20:25:38.15 ID:tbZ/BrxV0
ほりう
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/04/17(火) 05:38:16.98 ID:8/MG8vKzo
待ってるんだけど…
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/05(土) 17:45:37.45 ID:C53PpkYR0
ほりう
160 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/05/28(月) 03:45:58.87 ID:q9Ss2xA0o
おねがい
161 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/04(水) 16:43:04.36 ID:aSV1+HNqo
落ち着いたら頼むぜ
162 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/07/07(土) 09:29:35.65 ID:gWdoAw0P0
堀宇う
163 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/10/23(火) 12:49:27.66 ID:ITiLrdA7o
おねがい
164 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2018/11/27(火) 11:27:58.36 ID:AQQj2Ckg0
まあだかな
165 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/03/08(金) 23:16:51.24 ID:RsAPTAxLo
ほ
166 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2019/12/13(金) 00:54:53.95 ID:sxmybTo7o
ほ
167 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[age]:2022/08/07(日) 22:52:28.37 ID:EQke12tso
8月ゲーム部〜Switch知育ゲーム
『ハコボーイ&ハコガール』
(22:06〜放送開始)
https://www.twitch.tv/kato_junichi0817
168 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[age]:2024/09/28(土) 22:38:27.90 ID:jVX3Rohso
『パラノマサイト第2夜
フルボイスCV:UNKちゃん@SQUARE ENIX』
▽Steam/Switch/スマホ
ミステリーノベルホラーゲーム
「パラノマサイト FILE.23/本所七不思議」Night.2
(20:02〜)
https://www.twitch.tv/kato_junichi0817
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