他の閲覧方法【
専用ブラウザ
ガラケー版リーダー
スマホ版リーダー
BBS2ch
DAT
】
↓
VIP Service
SS速報VIP
更新
検索
全部
最新50
【謎解き】 先輩「キミは知ってるのかな? 学校の七不思議」男「……はい?」
Check
Tweet
1 :
◆Jiax/7r6DNu8
[sage]:2017/08/30(水) 21:30:48.48 ID:5T6Waf7lo
……
「悪くない……悪くない……悪いのは……」
「ずっと、ずっと……許してほしいと……」
「……もう、間に合わない」
男(血、血だ……こんなに……止まらない。血がどんどん流れて)
男(死ぬ……このままでは死んでしまう!)
男(……ああ)
男(どうして)
男(どうして、こんなことに?)
男(七不思議なんて)
男(調べなければよかったんだ……)
男(あのとき)
男(先輩に誘われたあのときに、断っていれば――)
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1504096248
2 :
◆Jiax/7r6DNu8
[sage]:2017/08/30(水) 21:45:23.15 ID:5T6Waf7lo
数日前放課後
ミス研部室
男「七不思議……? 最近、校内で流行っているヤツですか。何となく聞いたことはありますね」
先輩「おやおや? その返答。キミはあまり興味ないのかしら??」
男「オカルトは信じないタイプですから。でも、先輩もそうでしょう? 急にどうしたんですか」
先輩「いやー、それはそうなんだけど」
男「?」
先輩「私はね、噂の成り立ちに興味あるの。今の時分にどうしてこんな噂が広まったのかっていうこと」
男「ああ、なるほど」
先輩「特に最近はね、この学校のどこにいてもその噂を耳にするの」
男「学年男女問わずに流行っているみたいですね。夏休みを越えたら少しは収まるかと思いましたが」
先輩「というわけで、我が部は秋の文化祭に七不思議を研究して発表します!」ババーン
男「……いきなりですね」
3 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 21:48:15.69 ID:5T6Waf7lo
先輩「嫌なの?」
男「ミステリー研究会らしくないような」
先輩「何故広まったのかの『謎』を追う。いいじゃない。それに流行りの七不思議を研究したとなれば注目される!」
先輩「そうすれば存続に必要な部員の一人や二人……、いえ十人くらい入部してきてもいいわね」
男「随分欲を張りましたね」
先輩「この部室には大切な想いがあるの。風化させてはならない。忘れて欲しくない。これは私の使命よ!」
男「去年までずっと使われていなかったでしょう、ココ」
先輩「あなたも副部長である以上、この部を盛り立てなければならないのよ、分かる?」
男「強引に入部させられたんですけどね」
4 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 21:50:29.47 ID:5T6Waf7lo
先輩「もう。昔から脈々と受け継がれる七不思議。キミはそそられない? そそられないのかな?」
男「昔からあったんですか? 七不思議っていうのは」
先輩「ふふん」
男「何ですかその笑い」
先輩「テレッテレッテッテ〜」ババーン
男「ノート?」
先輩「この部屋、昔の文集とか回報とか、良く分からないものいっぱいあるじゃない?」
男「半分書庫みたいになってましたから」
先輩「で、この部誌。私はこの青く輝くノートを見つけたのよ、棚の奥からね」
男「輝いてはいないです。この部屋にあったってことは、かなり昔のものですよね」
先輩「そ、十数年前よ」
男「へえ」
5 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 21:52:47.81 ID:5T6Waf7lo
先輩「びっしり書いてあるから長い時間かけて読んでいるんだけど、なかなか興味深いのよ。当時の部活動の記録とか学校の様子とかがね」
先輩「で、その中にあったの。『最近、七不思議がとても流行っている』って」
男「そんな前にも流行ってたんですか」
先輩「そう。ま、書いてる本人は全然興味がなかったらしくて『どこかしこもこの噂でもちきりだ。面倒で仕方ない』としか書かれていなかったんだけど」
男「昔と今が同じ状況なんですね。確かに何だかちょっと面白い感じがします」
男(十数年前にもこの学校で流行っていた七不思議か……)
6 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 21:54:13.11 ID:5T6Waf7lo
先輩「でしょでしょ!? 良かった、キミなら分かってくれると思ったんだあ」ニッコリ
男(だから突然七不思議なんて言い出したのか)
先輩「さっそく調査に入るわよ!」
男(相変わらず変な人だなあ)
男(俺がこの春ここに入部させられたときも……)
7 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 21:54:40.33 ID:5T6Waf7lo
ガラガラ
男『あれ? ここは?』
先輩『……誰?』
男『!? す、すいません。備品倉庫だと思ったんですが、間違えました』
先輩『……』
男『まだ学校に慣れてなくてですね、その……、すいませんでした』
先輩『待ちなさい』
男『え?』
先輩『ここに来たからにはもう逃げられないわ』
男『……は?』
8 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 21:55:37.07 ID:5T6Waf7lo
先輩『キミ、新入生ね?』
男『え、ええ』
先輩『ここを見つけ出すなんて才能があるわ』
男『や、普通に入口ありましたけど』
先輩『ふふん』ドヤ
男(何だこの人)
先輩『ねえ。キミって、幽霊や呪い、信じるかしら?』
先輩『それとも、信じない?』
9 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 21:56:54.64 ID:5T6Waf7lo
男『僕は信じないほうですけど』
先輩『ふうん、そっかそっか』
先輩『じゃあ、これからよろしくね』
男『よろしくの意味が分からないです。そもそもここは何なんですか?』
先輩『ここ? ここはね……』ムゥ
男『……』
先輩『ここは……』
先輩『……ミステリー研究会の部室よ』
男『今考えませんでした?』
10 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 21:57:52.79 ID:5T6Waf7lo
男(そして先輩は自身を部長として、かつてこの学校にあったというミステリー研究会を再開させ)
男(強引に入部させられた俺は、副部長に任命されたわけだが……)
男(何だかんだでずっと入り浸っている。この二人だけの部活に)
11 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 21:59:05.74 ID:5T6Waf7lo
先輩「じゃあ、とりあえず七不思議の話を集めてみましょうか」
男「これだけ話題沸騰だと、すぐに集まりそうな気もしますね」
先輩「それだとちょっとつまらない気もするけど。私も周りのひとに聞いて回るから、そっちもよろしくね」
男「了解しました」
先輩「ふふ。夏休みはもう終わっちゃったけど、楽しいことになればいいわね!」
12 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:01:19.56 ID:5T6Waf7lo
……
教室
友「別にいいけどさ、どういう風の吹きまわしだ? オカルトの類は信じないんじゃなかったか」
男「興味出てきたんだよ、何だか調べたくなってきて」
友「そーかそーか。やっぱりお前もか。あり得ないとは思いつつも、魅かれるものはあるよなあ」
友「幽霊、UMA、ムー大陸。宇宙人未来人超能力者にツンデレ少女。オカルトは思春期のロマンだ」
男「最後のはオカルトじゃないけどな。で、お前は幾つ知ってるの? 全部?」
友「まさか。2つだけだ」
男「少ないな」
友「こういうのは少しずつが基本だ。いきなり全部は粋じゃない」
男「そんなものなのか」
友「じゃ、教えてやるよ。俺が知ってるのは『うしろに立つ悪魔』『レンガ塀のさけび』だ」
友「実はこの学校にはな……」
13 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:02:40.92 ID:5T6Waf7lo
……
男「ふーむ」
男(あれからまだ学校に残ってるヤツを捕まえては話を聞いてみたが、七つとも知っている人はいなかったな)
男(最近では放課後に残ってる生徒が部活の人間くらいしかいない。これも七不思議の影響があるとかないとか……)
男(今日は帰ってまた明日聞いてみよう)
男(にしても)
「……」
男(誰もいない学校ってのは少し不気味だ)
14 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:13:36.75 ID:5T6Waf7lo
自宅
男「ただいま」ガチャ
姉「おう、お帰りやすー」
男「……」
姉「どした?」
男「姉ちゃん、いくら家だからってその格好はちょっとどうかと思う」
姉「まだまだあっついからのう。うわっ…私の格好、セクスィーすぎ…?」
男「そうですね」スタスタ
姉「やーん弟が冷たーい」
男「暑かったから良かっただろ」
姉「これは一本取られましたな」テヘ
15 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:15:14.94 ID:5T6Waf7lo
男「姉ちゃんは夏休みが長くてうらやましいよ」
姉「おかげで毎日ゾンビの盆踊りごっこが捗るぜ」
男「楽しいのかそれ……。あ、そーだ。去年姉ちゃんがウチの生徒だった時さ、七不思議ってあった?」
姉「ん? 七不思議?」
男「今学校で流行ってるんだよ」
姉「ヘーそうなんだ。全然聞いたことなかったなあ……うん? や、記憶にちょっとあるようなないような」ウーン
男(大流行りしたのは今年からなのか)
姉「駄目だ、あったような気がするけど内容までは思い出せん。にしても、どしたの? 珍しい」
男「ちょっと気になってね」
姉「何、もしかして怖いの? 今夜おねーちゃん一緒に寝てあげようか?」
男「うるさい」
16 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:16:55.01 ID:5T6Waf7lo
翌日
放課後
先輩「それで、どうだった?」
男「七つのうち一つだけ分からなかったんですけど、他は思ったより簡単に聞けました」
先輩「ほうほう。やるじゃない」
先輩「じゃ、聞かせて。私はまとめてみるから」
男「分かりました。まずは――」
17 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:19:44.83 ID:5T6Waf7lo
『うしろに立つ悪魔』
学校にいるという悪魔から殺されてしまう。逃れるためには学校を移るしかない。
その悪魔は昔から学校に棲みついている。
『みずに濡れた少女』
放課後の校内に少女の幽霊が現れる。彼女は自らを殺した相手を探し求めている。
『忘れさられたへや』
学校のどこかにあるという開かずの部屋。部屋には亡者の怨念が蠢く。
その扉が開けば、亡者が解き放たれ、学校に不幸を起こす。
『レンガ塀のさけび』
レンガ塀の傍を歩いていると、悲鳴と助けを求める声が聞こえる。
しかし、それに応えてはならない。
『るり色の日記』
クラスで苛められていた生徒の日記帳。担任にも見捨てられたその生徒は死んだ。
それを読むと、魂を奪われてしまう。
18 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:20:37.60 ID:5T6Waf7lo
先輩「簡単にまとめてみたわ。こんな感じな訳ね」
男「ええ。あとそれから『ななつめの不思議』があるんですが」
先輩「ななつめ?」
男「ええ」
『ななつめの不思議』
その謎は隠されている。不思議を体験したものは、それを見つけなければならない。
男「という曖昧なものです」
先輩「ふむふむ」
19 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:22:01.31 ID:5T6Waf7lo
男「僕のほうはこんな具合でしたが、先輩はどうでした?」
先輩「うーん、残念。どれも私の聞いたのと同じだにゃー。残り一つは分からなかったわ」
男「そうですか……」
先輩「ふふ。まあまあ、謎が残ってるほうがいいじゃない? にしてもどう思う? この七不思議」
男「まあ、こんなものじゃないですか? もう少し場所が関係しているものかと考えてましたけど」
先輩「場所?」
男「例えばトイレとか、美術室、音楽室のなんちゃらが云々って感じで」
先輩「そうね、具体的な場所はレンガ塀しかないわよね。どれも殺したり死んだり物騒だけど」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/30(水) 22:22:12.47 ID:lY3ZEFMA0
謎は?
21 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:24:27.79 ID:5T6Waf7lo
先輩「じゃ、この不思議を一つ一つ調べてみましょうか」
男「調べるって、どうやって?」
先輩「もちろん現地調査よ」
男「現地調査?」
22 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:25:05.30 ID:5T6Waf7lo
校舎裏
レンガ塀
男(とは言っても、調べられるのってこれだけか)
男(校舎裏のレンガ塀……叫びが聞こえるとか何とか)
男「確か、この塀は学校の創設と同時に作られたんですよね。昔の偉い人が寄贈したと」
先輩「へーそうなんだ。よくそんなこと知ってたわね」
男「校長先生がよく言ってません? 催しがあるごとに、我が校の創立は〜って感じで始めて。その中で、寄贈したっていう偉い人の名前を必ず出します」
先輩「キミ校長先生の話なんて聞いてるんだ? 偉いねえ!」
男「先輩はロクに聞きそうにないですね」
先輩「もちろん!」フフン
男「自慢することじゃないです」
23 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:25:47.95 ID:5T6Waf7lo
先輩「でも、ここあまり誰も近寄らないよね」
男「そもそも他に何もないですし」
先輩「だから、そんな噂が立ってもおかしくない……のかしら」
男「そうかもしれませんね。で、調べるって言ってもどうするんですか?」
先輩「……」
男「もしかして考えてなかった?」
先輩「……悲鳴が聞こえてくるまでここで待機よ」
男「えっ」
24 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:26:19.48 ID:5T6Waf7lo
先輩「……」
男「……」
先輩「……」
男「……」
男(叫びなんて聞こえない……当たり前だが)
男(聞こえてくるのは……蝉の鳴き声に、遠くから部活動の……これは水泳部か)
男(……)
男(そういえば今年は海にもプールにも行かなかったなあ)
男(だらだら過ごしてたらいつの間にか夏休みも終わってしまっていた)
25 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:26:51.47 ID:5T6Waf7lo
先輩「……」
男「……」
先輩「……」
男「……」
男(先輩と海に……誘ったらOKしてくれただろうか)
男(水が滴る先輩の姿を見てみたい)
男(美人だしプロポーションも良いし、絵になるだろう)
男(先輩の踊る黒髪、弾ける笑顔、白い水着、響く波音、熱い砂浜、太陽が燃えているぜ!)
男(……)
男(何か悲しくなってきた。俺は今何をしているんだろうか)
26 :
◆Jiax/7r6DNu8
[saga]:2017/08/30(水) 22:27:25.66 ID:5T6Waf7lo
先輩「……」
男「……」
先輩「……」
男「……」
男「あの、先輩?」
先輩「うん?」
男「そろそろ部室に戻りませんか」
先輩「……うん」コクリ
男「先輩?」
先輩「私、私ね。ずっと、ずっと」
先輩「キミがそう言ってくれるの待ってたんだよ」
男「先輩……」
男「だったら先輩から言ってくださいよ」
先輩「負けるのは嫌なのよ」
男「何の勝負ですか」
79.69 KB
Speed:0
[ Aramaki★
クオリティの高いサービスを貴方に
VIPService!]
↑
VIP Service
SS速報VIP
更新
専用ブラウザ
検索
全部
前100
次100
最新50
続きを読む
名前:
E-mail
(省略可)
:
書き込み後にスレをトップに移動しません
特殊変換を無効
本文を赤くします
本文を蒼くします
本文をピンクにします
本文を緑にします
本文を紫にします
256ビットSSL暗号化送信っぽいです
最大6000バイト 最大85行
画像アップロードに対応中!
(http://fsmから始まる
ひらめアップローダ
からの画像URLがサムネイルで表示されるようになります)
スポンサードリンク
Check
Tweet
荒巻@中の人 ★
VIP(Powered By VIP Service)
read.cgi ver 2013/10/12 prev 2011/01/08 (Base By
http://www.toshinari.net/
@Thanks!)
respop.js ver 01.0.4.0 2010/02/10 (by fla@Thanks!)