沢村栄治「実況パワフルプロ野球2016」

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20 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sgae]:2017/08/29(火) 20:40:08.76 ID:XxQ94R/D0
ライバルの北井さんも忘れられたエースでかっこええぞ
情報全然ないけど
21 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/29(火) 21:25:12.80 ID:yzLBba0A0
影浦や石丸も出して欲しい。
22 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/29(火) 21:29:46.84 ID:+MI9ttiJo
この時点で既に泣ける
23 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:19:41.11 ID:yyCXQJ0E0
>>19
曖昧にさせて置いたけど、そういう意見があるならば
今後、話の流れ的に苗字を名乗る事があれば、そうしようと思います

>>21
考えときます。どのチームへ入団させようか
北井さんに関しては、何か情報さえ得られれば

この2人以外に、1人だけ確実にだそうと考えてるのがいますが…
かなり数奇な運命を辿った人物なので、どんな風に登場させようか悩んでます
24 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:20:44.19 ID:yyCXQJ0E0
数時間後

瑠菜「栄治〜がんばって〜!」

泥だらけになった私服を洗いに出した瑠菜は、ジャージに着替えて、グランドへ応援に向かいにきた

栄治「……」スッ

栄治は黙って手を挙げる

新島「なあお前、アマゾネスに戻ってくる気はないのか」

瑠菜「今はあまり、野球がしたいって気分じゃなくて…」

新島「お前の実力なら独立リーグどころか、プロでも通用するんだがな…もったいない」

瑠菜「私の事よりも、栄治はどうしちゃったんですか」

瑠菜「さっきから練習を見ていて思いますけど、打撃、守備、走力…いずれも段違いにパワーアップしてますけど」

新島「ああ、あまりに能力アップしてるものだから」

新島「ドーピングやったのかとか、変な博士から改造手術をうけたのかとか、色々と問い詰めてみたんだが」

新島「……あいつ、なんて答えたと思う?」

新島「『自分が何者かを思い出した』だってさ」

瑠菜「えと…いまさら厨二病?」

新島「さあな。だが、あのチームで一番野球がヘタクソだった男が、あそこまで覚醒したのは喜ばしい事だ」
25 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:21:38.10 ID:yyCXQJ0E0
新島「よし、今日の練習はここまでだ!」

チームメイト全員「チス!あざーした!」

栄治(さて、今日はこのあと何をしようか…)

栄治(そういえば、今日は投球練習してないな。よし、ブルペンにでもいくか)

栄治「矢部くん、投球練習したいんや。付き合ってくれるか?」

矢部「良いでやんすよ」

瑠菜(お、待ってました。今日はやらないとばかり思ってたわ)

新島「さて、投手としてはどこまでレベルアップしたのか…」

〜〜〜

栄治(前世で肩を壊して以来、現世の今日に至るまでアンダースローで投げてきたからな…)

栄治「久々にオーバースローで投げてみるか」

栄治「フン!!」

ガシャァァン!!

栄治が本気で投げた球は、とんでもない方向へと飛んでいく

矢部「栄治くん、いまのは流石にないでやんす」

栄治「すまんすまん」

栄治「うらぁ!!」

ガシャァァン!!

またしてもとんでもない方向へと投げてしまう

栄治(やっぱりまだ、体が慣れてない…)

栄治(制御しきれてないな)
26 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:22:30.28 ID:yyCXQJ0E0
新島「おいおい、パワーアップしたと思ったら、コントロールは以前よりも酷くなってるじゃないか」

新島「そもそもお前はアンダースローだろ?急にオーバースローに変えてどうした」

栄治「わしは本来、オーバースローなんですわ」

新島「え、そうなの?それにしても制球が酷すぎる、アンダースローの方が良いんじゃないか?」

新島「なあ、お前もそう思うだろ?」

瑠菜「……」

新島「瑠菜?聞いてるか?」

瑠菜(大暴投ばかり注目されてるけど…)

瑠菜(いまの球、ほとんど見えなかったわ)

瑠菜「えっと…栄治、失礼を承知で聞くけど」

瑠菜「やっぱりドーピング使ったの?それとも改造手術?正直に答えて」

栄治「聞いてなかったか?自分が何者か思い出したんや」

瑠菜「……あなたは何者なの」

栄治「野球を心から愛する兵隊や」

瑠菜・新島「」

矢部(ただの厨二でやんす)
27 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:23:27.75 ID:yyCXQJ0E0
次の日

新島「おい栄治」

栄治「へい、なんでしょう」

新島「私と勝負しろ」

栄治「えっと…打撃練習ですかい?」

新島「打撃練習などと言う生やさしいものじゃない」

新島「文字通り真剣勝負だ」

栄治「……」

栄治「すいません、その勝負を受ける事はできません」

新島「む、何故だ」

栄治「わしはまだ制球力がダメダメですわ」

栄治「デットボールを連発させかねないです。女性を傷つけたくない」

新島「紳士なのは良いが、気にするな」

栄治「しかし、ストライクが入らなければ…」

新島「ひとまず、慣れ親しんだアンダースローで投げてみろ」

栄治「……」
28 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:24:03.17 ID:yyCXQJ0E0
栄治「ほんじゃ、いきますぜキャプテン」

新島「こい!」

栄治「フン!」

ズバァァン!!

ボールは高めに入った

新島(まだ制球に難があるが、まあこれは許容範囲だな)

ズバァァン!!

新島(二級連続ボールか)

栄治「くそ…入ってくれ!!」

ゴゴゴッ!!

新島(うお!?なんだこの球は…異常にホップしていくぞ)

ズバァァン!!

新島(おしいな、いまのもボールか…)

新島(いや、それよりも今の球は)

新島「おい矢部!スピードガン持って来い!」

矢部「了解でやんす」

新島「暴投には気をつけろ。そこで計っていてくれ」
29 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:24:53.77 ID:yyCXQJ0E0
栄治(まずいな、あと一球でフォアボール)

栄治「ええいままよ!」

ズドォォン!!!

新島「うお!?」

地面スレスレの低めのボールが、打者の手前で異様にホップし、高めのボールゾーンへと入っていく

審判係「ファアボール!」

新島「……一応、この勝負は私の勝ちだ。あまり嬉しくないがな」

栄治「こんな結果で申し訳ないです」

新島「おい矢部、スピードガンみせろ」

矢部「……こ、これは…」

新島「どうした?」

新島はスピードガンを覗くと、その数値をみて、目を大きく見開く

新島「なっ、148キロだと!?」

新島(アンダースローでこんな球を、投げる奴いるのか!?)

栄治「もっと制球力を鍛えて、出直しますわ」

そういって、ブルペンへと向かっていく
30 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:27:53.82 ID:yyCXQJ0E0
それから毎夜、矢部は栄治の練習に付き合わされた

そして3週間が経過する

ズドォォン!!

矢部「ぎゃああ!!」

栄治「どうしたんや、矢部くん」

矢部「だ、だいぶ…コントロールが良くなってきたでやんすね…」

矢部「おかげで手が痛いでやんす」

矢部(キャッチャーミット使っても、ビリビリくるでやんす)

栄治(もうだいぶ、ストライクも入るようになったのう)

栄治「ほんじゃ、あと40球ほど付き合ってくれるか?」

矢部「ばっちこいでやんす!」

ズドォォン!!ズドォォン!!ズドォォン!!

矢部「〜〜〜ッ!!!」
31 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:29:27.59 ID:yyCXQJ0E0
次の日

阿比留「全員、注目してほしい」

阿比留「アマゾネスに新しい戦力が加わる事になった」

番堂「番堂長児や。よろしく」

矢部「番堂ってあの…」

小石川「すっげぇ…本物だ。あのアメリカの名選手が…」

栄治(番堂長児…この世代のバケモンの1人…)

栄治(まさか、お目にかかれるとはのう)

この時、栄治の全身からアドレナリンが溢れ出していた

栄治(勝負したいわ。このバケモノと全力で)

〜〜〜

新島「やはりアメリカで戦ってきた選手が来ると、みんな気合はいるな。良い傾向だ」

投手1「えい!」

カキィィン!!

番堂「おらどうした!こんなヘナチョコじゃ通用せんで!」

栄治「……」ジーッ

番堂「ん?」

番堂(……)

番堂「なあ新島キャプテン」

新島「どうしました」

番堂「あいつ何者や」

新島「ああ、あれは栄治っていう選手で、投手やってます」

番堂「まだ若いやろ。なんでこんな所におるんや」

新島「え?」

番堂「あいつからは、強者の雰囲気がするで」

番堂「去年の成績は?」

新島「たしか防御率8点台です。ちなみに中継ぎで」

番堂「んな!?そんなアホな!」ガクッ
32 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:31:07.14 ID:yyCXQJ0E0
栄治(勝負したい…あのバケモノと)ウズウズ

ギャーギャー!

栄治(何を騒いでるんや?)

番堂「嘘つけ!あれが防御率8点台な訳ないやろ!」

新島「だから!去年までの話だっつーの!」

番堂「じゃあ今年はどうなんや!」

新島「それが突然、覚醒し始めて…まだまだ未知数で」


矢部「番堂さんが栄治君の事を、評価してるみたいでやんす」

栄治「ふーん」

矢部「…?嬉しくないでやんすか?」

栄治「わしはまだ何も見せていない」


番堂「ち、もうええわ」テクテク

新島「あ、ちょっ…」

番堂はツカツカと、栄治の目の前まで歩いて行く

番堂「……」

栄治「……」

番堂はゴツッと音を立て、自分の額を、栄治の額にぶつける

矢部「あわわわ!?」

新島「こら!意味も無くケンカふっかけるのやめろ!」
33 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:31:36.91 ID:yyCXQJ0E0
番堂「栄治とか言うたな?」

栄治「ええ。会えて光栄ですわ番堂さん」

番堂「なんで独立リーグ何かにおるんや」

栄治「あんさんこそ」

番堂「……」

栄治「……」

番堂「ワシと勝負せいや」

栄治「望むところですわ」

矢部(元メジャーリーガーにあそこまで詰め寄られて、なんで堂々としてるんでやんすか)
34 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:32:10.48 ID:yyCXQJ0E0
瑠菜「何か騒がしいけど、どうしたんですか」

新島「実は…かくかくしかじか…」

瑠菜「え、番堂さんが入団してきて…しかも栄治と勝負?」

小石川「乱闘でも起きるんじゃないかってくらい、二人とも殺気立ってて…もう冷や冷やでしたよ」

瑠菜「……」

新島「んじゃ、私はあいつの球を受けにいってくる」

矢部「キャプテン」

新島「ん?」

矢部「覚悟したほうが良いでやんすよ」

新島「どういう意味だ」

矢部「すぐにわかるでやんす」

矢部「オイラはスピードガンを用意するでやんす」
35 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:33:27.13 ID:yyCXQJ0E0
栄治「……」ゴゴゴゴ

番堂「……」ゴゴゴゴ

小石川「な、なんだこの空気…」

矢部「二人とも威圧感がハンパじゃないでやんす!」

新島(番堂さんは分かる。だがなぜ栄治までもが、あんなオーラはなっているんだ)

栄治(毎夜毎夜、矢部君と特訓を積み重ねたおかげで、やっと力の制御が出来るようになってきた)

栄治(まずは…足を思いっきり上げて)グワッ

新島(なんだあのフォームは)

番堂(野球漫画に出てきそうな投げ方やな)

栄治(腕を振り下ろす!)

新島(なに、オーバースローだと)

手からボールが離れた瞬間、既にボールは新島のグラブの目の前まで接近していた
そして球は、勢いよくホップしていく

ズドォォン!!!

新島「うわぁぁ!?」

新島(な、なんだこの球は!!)

番堂「」

番堂(こ、こいつ…やっぱりアメリカのバケモン達と同等の球を…!!)

瑠菜は矢部のほうへと向かっていく

瑠菜「スピードガンは何キロだった?」

矢部「ひゃ…160キロでやんす…」
36 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:34:23.77 ID:yyCXQJ0E0
番堂(ふん。いまじゃ160なんざ、珍しくもない)

番堂(……とはいえ、あの手前でホップする球はやっかいや。クローザーの上原に通じる物がある)

矢部「凄いでやんすよ栄治くん!160キロでやんす!」

栄治(160か…大谷やチャップマンにはまだ勝てないか)

栄治「フン!」

番堂「…!!ぐ、速い」

ズドォォン!

バットは空を切る

矢部「今度は161キロでやんす…」

栄治「これで終わりだ!」

ガキィン!

栄治「っ!」

矢部「ファールでやんす!」

栄治(ライナー性のファールか。さすが海外にいっただけある選手や)

栄治「じゃが負けん!」

ガキィン!

新島「またファールだ」
37 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:35:22.15 ID:yyCXQJ0E0
それからしばらくして

栄治(……10級連続でファールか、やるのう)

番堂(チッ、ボールが前に飛ばん)

小石川「俺達はひょっとしたら、とんでもない名勝負を見ているんじゃ」

矢部「全部の球が、150キロ後半以上いってるでやんす…!」

栄治(まっつぐで決めたかったけど、止む終えん)

栄治(これで決めたるわ)グッ

シュッ…

番堂(遅いボールでひっかけてきたか。まあ予想はしてたわ)

番堂「これで終わりや!」

ククッ

番堂(な、カーブ!?いやちょっと違う)

驚愕した番堂だが、しっかりと球をバットでとらえる
弾く音が響くと、そのまま白球は斜め上に上がっていく

栄治「……っ!!」

番堂「バックスクリーンへ一直線」

番堂「この勝負はワシの勝ちや」
38 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:36:22.45 ID:yyCXQJ0E0
栄治「……」

栄治はマウンドに立ったまま、うつむく

新島(これほどまでの覚醒をして…うーむ、何か気の毒だ)

新島はマウンドへ近づいていく

新島「栄治、お前はよくやった」

新島「相手は元メジャーの男。いつまでもメソメソすんな!」

栄治「く…くくく…」

新島「ん?」

栄治「ハハハ…ええのう、やっぱこれ位、凄いのがいないと、気合が入らんわ」

新島「なんだ、落ち込んでると思いきや、目をギラギラと光らせてるじゃないか」

新島「そうだ、その調子で精進しろ!」
39 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:39:04.47 ID:yyCXQJ0E0
出井田「アマゾネスの偵察に来たのは良いですが…」

出井田「あんな怪物がいたとは…なぜ今まで騒がれなかったのか、不思議でなりません」

出井田「元々は番堂選手の様子を見るのが目的だったのですが…思いもよらぬ物を」

〜〜

瑠菜「栄治!やるじゃない!」

栄治「瑠菜ちゃん」

瑠菜「びっくりしたわ!覚醒したのは知ってたけど、ここまでとはね」

瑠菜「もう少し制球力が上がれば、怖いもの無しよ!」

栄治「……」ダキッ

瑠菜「キャッ!もう、また皆が見てる前で抱き付いてきて…」

栄治「新婚旅行はドコへ行きたいんや?」

瑠菜「ちょっと、まだプロに指名されてないじゃない。気が早いわよ」

栄治「そうやな。まだ約束は果たしていないが…」

栄治「必ず約束は果たす。その自信もある」

瑠菜「フフフ、期待して待ってるわ」

栄治「……」ギュゥゥ

新島「貴様ら!いつまでイチャついてるんだ!」

番堂「わかいのう」

〜〜

出井田「」

出井田(ちゃっかり、憧れの瑠菜さんに抱きついて…)ピキピキ

出井田「栄治さん…絶対に貴方には負けないですよ。二つの意味で」ゴゴゴゴ
40 : ◆NGhx43FrFs [saga]:2017/09/02(土) 20:39:32.18 ID:yyCXQJ0E0
今日はここまで
41 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 02:22:11.24 ID:bX6CBGrSo
力の制御して161ならフルパワーで投げたら165くらい余裕でいきそう
42 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/15(金) 12:08:33.70 ID:5YZU4/X60
制御下かつ絶不調だろうしもっといきそう
43 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2020/04/11(土) 22:30:56.14 ID:v+fdNjvj0
続き見たかったんだけどなぁ・・・

いつの時代のどのピッチャーよりも速い球を投げた男、それが沢村栄治
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