少女「コミケ行くので泊めてください!」男「は……?」

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691 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:45:35.37 ID:YzE8DNDmo


少女「ガンバれガンバれ出来る出来るゼッタイ出来るガンバれもっとやれるってェェッ!!!」


黒ずくめ「!?」

参加者「!?」



少女「やれる!! 気持ちの問題だっ、ガンバれガンバれ、そこだァ!! そこで諦めんなァァ!!!」


参加者「シュウゾウ?」

参加者「イワナ?」

参加者「ザワザワ」
692 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:46:03.80 ID:YzE8DNDmo


少女「ゼッタイにガンバる積極的にポジティブにガンバるガンバるゥッ!!」


少女「―――ペキンだって、ガンバってるんだからァァァァァァッッッ!!!!!!」




参加者「……おおおおおおおおおおおおっっっっ!!!!!!」パチパチパチ

参加者「昨日の娘じゃん!」

参加者「この夏に、あえて応援団の服とは……」

参加者「正直に言おう、俺も水着は好きだ」

参加者「熱くなれよぉぉ!!」
693 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:46:30.89 ID:YzE8DNDmo


少女「はぁ、はぁ、はぁ……」


パチパチパチパチパチパチ

パチパチパチパチパチパチ


少女「え……? ……あっ」


カメコ「いいね、今の叫び! コッチ向いて!」

少女「あっ……。ハイ!!」


パシャッ
694 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:46:58.18 ID:YzE8DNDmo


黒ずくめ「…………」アングリ

男「どうだ。驚いたか?」

黒ずくめ「ええ。そりゃ、驚きますよ……」

黒ずくめ「なんですか、今の?」

男「知らないか? ほら、いるだろう。よくテレビに出てる、日本一アツい元テニヌプレイヤーが」

黒ずくめ「……ああ。その、彼が、……え?」

男「彼が出てる動画を編集して、既存の音楽に乗せた、MAD動画群があってな」

男「今のは、その動画群の中でも、トップクラスに有名なセリフだ」

男「昨日、友人の奴がな。朝の待機列で教えやがったんだよ」
695 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:47:26.20 ID:YzE8DNDmo

男「ほら。これが、その時の動画だ」スイッ スイ

男「ハシッコで俺が見切れてるのは気にしないでくれ」


黒ずくめ「……うわぁ。本当だ……」

黒ずくめ「なるほど。それで、あの衣装を……?」

男「ああ。でも、事前には何も言わなかったけど、黒ずくめさんがピッタリの服持ってて良かった」

黒ずくめ「いえいえ。黒い服なら、なんなと、ありますからね」


黒ずくめ「……そっか」

男「…………」
696 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:47:58.01 ID:YzE8DNDmo


黒ずくめ「……いや、ね。実は気にしてたんですよ」

黒ずくめ「朝、電話もらった時から、少女ちゃんの声が暗くて」

黒ずくめ「だからあんなコト言ったんだけど」

男「…………」

黒ずくめ「でも、安心しました」


黒ずくめ「少女ちゃんは、一昨日に友人さんからおハナシを聞いたのと同じ、少女ちゃんだって」

黒ずくめ「僕が知ってる中で、最も“COMIKEを楽しもうとする”、女の子なんだって」

男「……そうだな。俺も、そう思う」
697 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:48:27.20 ID:YzE8DNDmo

黒ずくめ「ふふ。いや、昨日会ったとき少女ちゃん、グッタリしてたじゃないですか」

黒ずくめ「だから、一昨日は、あんなにCOMIKEを楽しもうとしてたのに……」

黒ずくめ「もしかしたら、COMIKEのコト、嫌いになっちゃったのかなって」

男「……それは」


黒ずくめ「でも、杞憂だったようですね」

黒ずくめ「僕は、少女ちゃんにこのまま帰ってほしくないと思って、コスプレに誘ったんですが」

黒ずくめ「そもそも。COMIKEのコトが嫌いなら、今日は来てくれなかったろうし」

黒ずくめ「COMIKEのコトが好きだから、あんな元気いっぱいに、楽しめるんだろうなあ」

男「…………」
698 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:49:24.57 ID:YzE8DNDmo

黒ずくめ「まあ、人間がいっぱい集まるんですし、色々ありますが」

黒ずくめ「……少なくとも、僕は。色んなヒトの全力が見れる」



黒ずくめ「COMIKEのコトが大好きですから」

黒ずくめ「少女ちゃんが楽しんでくれるのは、スナオに嬉しいです」


男「……ああ。俺も楽しいよ」

男「全力で楽しんでるヤツってのは、見てるだけで、コッチも楽しくなってくる」



カメコ爺「ふおおお! 貴女が黒ずくめさんですな!?」

黒ずくめ「え……? あ、ハイ」
699 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:49:51.39 ID:YzE8DNDmo

カメコ爺「やはり。タクシーでお見かけした時から」

カメコ爺「すばらしいコスプレイヤーだとお見受けしていましたぞ」

カメコ爺「はい! 目線をコッチに! 心底見下したカンジで!!」パシャパシャ

黒ずくめ「ハァ……?」

カメコ爺「んん、その冷ややかな目線がたまらない!!」パシャパシャ


男「……って、ちょっとちょっと! ソコのカメコさん! あんた!!」

カメコ爺「おや、どうしましたかな。メジェドどの」

男「あんたタクシーの運転手さんでしょう!!? 今朝の!!」
700 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:50:20.18 ID:YzE8DNDmo

カメコ爺「おや。バレましたかな」

男「バレましたかなじゃないですよココで何やってるんですか!!」

カメコ爺「見てのとおり、カメコですが」

男「カメラ……。……小僧?」

カメコ爺「ほっほ」


カメコ爺「たんパンこぞうは、いくつになっても、たんパンこぞう」

カメコ爺「カメラ小僧は、いくつになっても、カメコですぞ」

男「いや意味がわかりませんから」
701 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:51:13.03 ID:YzE8DNDmo

男「それより、タクシーはどうしたんですか!」

カメコ爺「普通にパーキングに預けてきましたな」


カメコ爺「いや。もうCOMIKEは、若者たちの催しであると、一線を退いていたのですが」

カメコ爺「今朝がたの走りで“コチラ”のほうも、血が騒ぎましてな」カチャ

カメコ爺「老骨にムチ打って。最後の一日だけでもと、馳せ参じたのですぞ」

男「え……。って、コトは……」

カメコ爺「ほっほ」

カメコ爺「会場が有開に移って、ベンリになりました」

カメコ爺「今のビッグサイトでCOMIKEを出来る参加者は幸せですなwww」
702 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:51:41.49 ID:YzE8DNDmo

男「……って! そ、その口調……!!」

カメコ爺「んん、それでは私はこれで」

カメコ爺「星の数ほどのコスプレイヤーが私を呼んでいますぞー!!」ダダダッ


男「…………」


男「はぁ」

男「血は争えない。という、コトか……」


黒ずくめ「男さん? 今のおじいさんは……。一昨日のタクシーの?」

男「ああ。ヒトに歴史あり……、だな」
703 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:52:08.37 ID:YzE8DNDmo


黒ずくめ「さて。COMIKEは、ここからが本番です!」

黒ずくめ「僕たちも張り切っていきましょう!」

男「ああ。そうだな……」


男「って、俺も?」

黒ずくめ「そうですよ。男さん、見たところ僕と同じくらいの歳だと思いますが」

黒ずくめ「ちょっと落ち着きすぎだと思います」ドンッ


男「そ。そんなコト言われても、生まれつきで……、うわっ!」バタタッ

少女「うわっと! 男さんも叫ぶんですか? ええ、一緒に頑張りましょう……!!」
704 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:52:35.89 ID:YzE8DNDmo


――ビッグサイト 東館外 トラックヤード

少女「はぁー……っ。疲れましたー!! 海風がキモチイイー」

黒ずくめ「カメコたちもハケたね。そろそろ、終わりにしようか」

男「もう昼前か……。よくこの炎天下の中で、突っ立ってたよ」


黒ずくめ「本当なら、もっと館内を動き回ってもいいんだけどね」

黒ずくめ「まあ。行列を眺めながらのコスプレというのも、案外悪くない」


ザワザワ ザワザワ ガヤガヤ ガヤガヤ

黒ずくめ「もっとも、その行列は。まだ解消されていないようだけど……」
705 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:53:19.12 ID:YzE8DNDmo

黒ずくめ「さて。このあと、君たちはどうする?」

男「ん? そうだな。……どうする、少女?」

少女「そうですね! せっかくまたCOMIKEに来たんだし、島の頒布物とか、見てみたいです!!」

黒ずくめ「そうか。なら、僕は……」


金髪「おーい、黒ずくめ〜……!!」

紫髪「ココにいたかー……!」


黒ずくめ「おや。騎士は遅れてやってくる、というやつかな」

男「……? あの二人は……」
706 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:53:47.09 ID:YzE8DNDmo

黒ずくめ「今朝、話していただろう?」

黒ずくめ「ほら。本当なら今朝一緒に入る予定だった、連れの二人だよ」

男「ああ。昨日の売り子の……!」


紫髪「探したぞ!!」

黒ずくめ「そうかい? 悪いね。でも、なら連絡くれれば良かったのに」

金髪「COMIKEで電話が繋がるワケがないだろう……!」

黒ずくめ「あはは。それもそうか」


黒ずくめ「それで金髪。体調は大丈夫なのかい?」
707 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:54:13.68 ID:YzE8DNDmo

金髪「ご安心を!! 太陽の下であれば、元気三倍なので」

紫髪「まったく。駅の屋根の下ではヘナチョコになる、金髪にも困ったモノだ……」

金髪「ぐ。あの人の量では、仕方ないだろう!」

黒ずくめ「あはは。ケンカしないで」


黒ずくめ「それよりも、せっかくコスプレ衣装を持ってきたんだろう」

黒ずくめ「昼からの立ちシゴトは、いささかキツいが。頑張るかい?」

金髪「ゼヒとも!!」

紫髪「そのために来たんだからな!!」
708 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:54:41.06 ID:YzE8DNDmo


黒ずくめ「というコトだ。僕たちは、もう少しコスプレしていく」

黒ずくめ「男さんと少女ちゃんは、二人でも大丈夫?」

男「モチロンだ。一日目は二人だけで行動してたからな」

少女「黒ずくめさんも! あと数時間、頑張りましょう!!」

黒ずくめ「うん。思う存分、COMIKEを楽しんでね」


金髪「あの……。お二人?」

男「は?」

紫髪「状況を鑑みるに。黒ずくめと一緒にコスプレをしていてくれたのですか?」
709 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:55:08.58 ID:YzE8DNDmo

少女「ええ! 黒ずくめさんのおかげで、コスプレ、めっちゃ楽しめました!!」

金髪「そうですか。それは良かった」

紫髪「黒ずくめの奴、ごメイワクをおかけしませんでしたか?」


紫髪「……たとえば、薄い本のネタにしようとするとか」

男「あ。あはは。アハハ……」

金髪「まったく。今日も我々を置いて、勝手に行ってしまうし」

金髪「まあ。我々が足カセになって、COMIKEを楽しめないよりは、よほど良いですが」

紫髪「世話の焼けるヒトだ……。だが、それがいい」
710 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:55:35.81 ID:YzE8DNDmo


少女「お二人も、コスプレを?」

金髪「ええ。今日は、西洋騎士の衣装ですね」ガサゴソ

少女「おわ。カタそうなメタルプレートだ……!」

金髪「見た目だけですよ。実際は利便性を考え、軽い素材を使って作っています」

少女「自作なんですか! スゴい……!!」


紫髪「今日はお二人とも、ありがとうございました。まったく、金髪が倒れなければ……」

男「あ……。いえいえ、良いんですよ。ソレ、俺たちにも責任ありますし」

紫髪「……?」
711 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:56:02.61 ID:YzE8DNDmo

男「とにかく。黒ずくめさんをお願いしますね」

金髪「ええ、もとより」


紫髪「ところで、お嬢さん。なかなか良い腕の筋肉をしていますね。普段の運動は何を?」

少女「へ? 私ですか……?」

金髪「おい、紫髪!!」

紫髪「痛い痛い痛い。エリを引っ張るコトはないだろう!」

男「ははは……。それじゃあ、お元気で!」

金髪「ええ。お二人も、ご武運を!!」
712 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:56:31.00 ID:YzE8DNDmo


少女「ふう……。ホントCOMIKEには、色んなヒトが参加してるんですね〜」

男「ああ。俺たちの知ってるヒトでも、全然知らないヒトと友達だったりする」

男「そんなヒトの考えてるコトが見られるのも。COMIKEの良いところだ」


男「さて。このあとは、島の頒布物を見に行くんだったか?」

少女「ハイ! そうだ、たしかコスプレのままでも歩いていいんでしたよね!?」

男「いやいや、着替えていくぞ。俺の格好を見ろ……」

少女「あ。たしかに、ビニール袋かぶったままじゃ、キツそうですもんね……」


男「まずは逆三角形のところで着替えよう。そのあとは、東館の島めぐりだな」
713 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:56:58.44 ID:YzE8DNDmo


――東館 ホール内

ワイワイ ガヤガヤ ワイワイ ガヤガヤ


少女「うう……。もうお昼だというのに、スゴい人ですね!!」

男「そうだな。むろん、大手の行列が、いまだに生き残っているのもあるが……」


男「……ん? 大手の行列が、いまだに生き残ってる?」

少女「どうかしましたか?」

男「……いや、なんでもない。本来なら、コレが正常なんだが……」
714 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:57:25.82 ID:YzE8DNDmo


男「とにかく。スゴいな、今年のFG○の勢いは……」

男「外も行列が長いが。アレは島か、島だよな? トンデモナイ量の血栓だ」

友人「FG○は去年の年末がキッカケで大ブレイクしましたからなwww」

男「そうそう。あの時の採集決戦の盛り上がりといったら……」


男「ってぇ、友人!!?」

友人「男氏wwwヤケモーニンwwwwwwぺゃっwwwwww」

白い死神「おっと。俺もいるぜぇ」

少女「友人さんに、死神さん……!」
715 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:57:56.34 ID:YzE8DNDmo


男「お前ら、今日は何して……。というか、なんで島の内側に座ってるんだ?」

男「まるでサークルみたいに」

友人「んんwwwそれはwww死神氏の本を売っているからですなwww」

少女「し、死神さんの本!? サークル参加してたんですか!?」

白い死神「そんな驚くコトか? 俺だってファンネルばっかやってるワケじゃない」

白い死神「せっかくCOMIKEに参加するんだ。同人誌の一冊くらい書くさ」


少女「で、でも……。今日って三日目。男性向けの日でしたよね」

少女「その、死神さんも、やっぱり?」
716 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:58:43.68 ID:YzE8DNDmo

白い死神「ん……? ……いや、違う。違う!」

白い死神「嬢ちゃん、三日目はエロ同人ばかりだと思ってないか?」

白い死神「三日目は評論、解説本の日でもある。俺が出してるのは、コレだよ」ピラッ

少女「……? コレは……」


少女「『白い死神の絶対失敗しないファンネル術』?」


白い死神「そうだ。俺が教えられるコト、っていったら、やっぱコレしかないからな」

白い死神「あの白い死神がレクチャーするファンネル術。キョーミあるだろ?」

男「なるほど……。たしかに、白い死神のネームバリューは、強いな」ペラッ ペラッ
717 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:59:11.69 ID:YzE8DNDmo


参加者「あっ、死神さんですよね? 新刊1部ください!!」

白い死神「はいよー。良いファンネルライフを、心がけてな」ポンッ


男「死神……。お前、考えたな」

白い死神「おうともよ! おかげで本はバカ売れ!」

白い死神「いやー、来年もサークル参加しちゃおっかなー!!」

男「だけど。お前、ファンネル術なんか教えちゃっていいのか?」

男「他のヤツにも知れ渡ったら、これから動きにくくなるんじゃないのか?」

白い死神「ちっちっち。俺がテクニックのすべてを書いたと思ってるのか?」
718 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 18:59:44.70 ID:YzE8DNDmo

白い死神「こんなのは、俺の108あるファンネル技術の、序ノ口に過ぎん!」

白い死神「それに、知れ渡ったら知れ渡ったらで、ソレを逆用する手段もある」

白い死神「そう。たとえどんな状況であろうとも。俺は頒布物を、迅速、かつカクジツに……」


白い死神「狙い撃つ!!」


少女「うーん、カッコイイなあ……!」

白い死神「おや嬢ちゃん。俺はチケット組だぜ? 本当に尊敬しちゃっていいのかい?」

少女「ええ。死神さんはチケット組ですが、転売しないだけ、志の高いヒトだと思います」

少女「……それに。出し抜き合うのが人間ならば。助け合えるのも、また人間だと思うので」
719 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:00:25.93 ID:YzE8DNDmo

白い死神「……嬢ちゃん。ちょっと、成長したな」

少女「えへへ……」


友人「こうして少年は大人への階段を上っていくのですなwww」

男「少女だけどな。で、お前たち。今朝は何をしていたんだ?」


少女「やっぱり、今日の頒布物のファンネルですか?」

白い死神「んー? まあ、そんなところだな」

友人「そんなところですなwwwwww」

男「…………」
720 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:01:04.72 ID:YzE8DNDmo


男「……おい、友人」

友人「んん?wwwなんですかなwwwwww」

男「今日は行列が正常に伸びているな」

男「三日目だから比較的多いとはいえ、少なくとも、すぐに消滅しているなんてコトは無い」


男「……何をした?」

友人「んんwwwそれはwwwちょっとwww」


友人「お花を摘みにいっただけですなwwwwww」

男「そりゃトイレだ」
721 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:01:44.84 ID:YzE8DNDmo

白い死神「まあ、俺たちには俺たちの戦いがあったのさ。深く追究せんでくれ」

男「……そうか。まあ、そう言われちゃ、引き下がるしかないが……」


少女「死神さーん! それじゃあ、新刊1部、くださいなー!!」

白い死神「おうよ。良いファンネルライフを心がけてな」

男「え。ファンネル、するのか……?」

少女「いえ、する機会があるかはわかりませんが。後学のため、というやつです!」

白い死神「まあ、そういう目的で買ってるヤツが一番多いだろうな」

男「やっぱりキョーミあるよな。そういう、裏の部分みたいなの」
722 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:02:11.27 ID:YzE8DNDmo

男「それじゃあ、俺たちはこれで」

少女「えーっ、もう行くんですかー?」

男「他のところも周るんだろう。一ヶ所に長く留まる時間は無い」


男「あと数時間とはいえ、この暑さだ。気を抜くなよ」

白い死神「言われなくとも。こう見えて、お前なんかより何度もCOMIKEに来てるからな」

友人「上に同じですぞwwwwww」

男「ははは。まあ、屋内じゃ、比較的熱中症もマシ……」



                                          バタン
723 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:02:38.77 ID:YzE8DNDmo

少女「……!!」


友人「んん……!」

白い死神「な……!」

男「ちっ。言ったそばからか。おい……」



少女「ソコのヒト!! 大丈夫ですか!!」ダッ



男「……!」
724 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:03:06.19 ID:YzE8DNDmo


初心者「う、うーん……」

少女「良かった。まだ意識はある。いま、汗を拭いて……」

少女「何か飲み物は持っていますか?」

初心者「い。いや。何も……」

少女「何も持っていない!? どうしてですか!!」

初心者「まさか、COMIKEが、こんなにキツいとは……」

少女「初心者の方ですか……。……、……」


男「お、おい。少女……」
725 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:03:33.96 ID:YzE8DNDmo

少女「男さん! スポーツドリンクを分けてあげてください! 持ってるでしょう!?」

男「あ、ああ。だが、さすがにぬるくなってるぞ……」

少女「構いませんから。さあ、早く!!」

男「お、おう。そらっ」


ポイッ


少女「キャッチ!!」パシッ

少女「はい、コレをどうぞ。自分で飲めますか?」

初心者「あ。ありがとう……」グビグビ
726 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:04:00.78 ID:YzE8DNDmo


白い死神「……はーぁ。少女ちゃん、テキパキしてるねぇ……」

友人「我らが出る幕も無かったようですなwww」

男「ああ。そうだが……」


男「ふっ」


白い死神「ん? どうした、男」

男「いや……、な」


男「お前の言う通り。アイツも、ちょっと成長したな、と思ってさ」
727 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:04:29.19 ID:YzE8DNDmo


少女「めまいは収まりましたか? 良かった」

少女「でも、まだ体が熱を持っていますね……」

少女「念のため、救護室に行きましょう」

少女「ほら、肩を貸してください」

初心者「あ。ありがとう……」


少女「あ。戦利品の入った袋は、絶対に忘れずに!」

少女「放っておいて盗まれても、私、知りませんよ!!」

初心者「は、はい……」
728 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:04:56.26 ID:YzE8DNDmo


――救護室

少女「スミマセン! 熱中症の方、一人です!!」

天使「了解です。スタッフさん、この方を。ベッドへ運んでください」


ドサ…


少女「ふーうっ」

天使「おや……。貴女は、たしか。昨日もお越しになっていましたね」

少女「え? あ、ハイ。そうですね」
729 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:05:22.87 ID:YzE8DNDmo


男「おーい、少女。大丈夫かー……?」

天使「そう。彼と一緒に」


天使「二日間に渡り、ご協力を感謝します」ペコリ

少女「えっ、あっ、そんな! 何も頭を下げなくても……!」

少女「COMIKEの参加者としてトーゼンのコトをしたまでですよ!!」

天使「いえ。このCOMIKEは、本当に患者の数が多い……」

天使「実情。この救護室の機能だけでは、まったく対応できないのです」

少女「…………」
730 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:05:51.50 ID:YzE8DNDmo

天使「加えて、この広い会場中の、すべてにスタッフがいるワケではない」

天使「物陰で倒れている患者の方を、見逃してしまうコトもあるのです」


天使「だから、貴女がたのような有志の協力者は、とてもありがたい」

天使「私の働きだけではすべての患者を救うコトは出来ません」

天使「ですが、皆さんの協力があれば、それも可能となる」


天使「ですから。そんな貴女の、尊い志に」

天使「正しい心を持った貴女にこそ、敬意を表したいのです」ペコリ

少女「わ。わわ。そ、そんな……! 頭を上げてください!」
731 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:06:18.13 ID:YzE8DNDmo


天使「そうですか」ガバッ

少女(上げた)

天使「では、私は患者の看病と、次なる患者の対処があるので、これで」

天使「貴女たちも、健康に気をつけて、COMIKEを楽しんでください」

少女「は……、ハイ!! わかりました!!」


男「…………」


少女「男さん!!」

男「よう。少女。天使さんから直々に、感謝されたみたいだな」
732 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:06:45.20 ID:YzE8DNDmo

少女「ええ、そうなんですよ! あんなヒトから褒めてもらえるなんて。光栄です……!」

男「いや。お前は、特別なコトをしたんじゃない」


男「良いコトをしたんだから、当然、感謝された」


男「それだけのハナシだろう?」

少女「……!」


少女「……私、なれましたかね」

少女「“助け合える参加者”、ってやつに」
733 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:07:11.88 ID:YzE8DNDmo


男「…………」


男「ああ。なれたとも」ポンッ

少女「……!」


男「お前は、俺の。誇りだ」

男「この俺が保証する。お前は、良い参加者だとも」


少女「う……。う、うぅ……」

少女「男さぁぁぁん!!!!」ガバッ
734 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:07:39.17 ID:YzE8DNDmo

男「ちょっ、おい! こここ、こんなところで抱きつくな……!」

少女「男さん、男さぁん。私、嬉しいですよぉ……」グスグス


参加者「カップル…?」

参加者「チワゲンカ…?」

参加者「イヌモクワナイ」

参加者「…リアジュウバクハツシロ」


男「ち……、違う!! 本当に違うからぁ〜っ!!!」


少女「ぐす、ぐすっ。……。おじいちゃん……」
735 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:08:06.39 ID:YzE8DNDmo


――ビッグサイト 逆三角形下


参加者「3!」

参加者「2!!」

参加者「1!!!」



ピンポンパンポーン


パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!
736 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:08:33.45 ID:YzE8DNDmo



アナウンス『これにて、COMIKE 92を――――』


アナウンス『―――終了します!!』


アナウンス『皆さん、お疲れ様でした。また冬に、お会いしましょう!!』


ピンポンパンポーン


パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ!!!!!!
737 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:09:01.13 ID:YzE8DNDmo


――ビッグサイト 屋上


男「ああ……。ついに、終わったか」

少女「終わって……。しまいましたね」


男「…………」

少女「…………」



少女「夕陽が……」
738 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:09:43.98 ID:YzE8DNDmo


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`ミ、;彡`i、ミ`,,,,----"ix;i;;^^^^^^^^^ーー----ミ彡i;::^^^`ー-__,,-^,;ミミ;^^'''^iiiiiiiiiiiiiiii ̄`''''ーーー´`-''';:
;`i:i`ミ彡、;:;ミ 〃;:ixxi;;(,;:,ゞ;:〃:;ヽ'fl;;;;;;ミミミ彡ミ        ミ彡ミ iiiiiiiii;、;;、、、;;;;、、、.、、、
ミ;i:i;;;、、`、;ヽ ;:;;;〃;ixxxi ;;;,;:,ゞ;:〃:;ヽ'l;;;;;;彡i〃巛i;、      ミ彡ミ;;;;(,;:,ゞ;:〃:;ヽ'fl丶、、';;;丶;;丶


男「…………」

少女「ステキだなぁ……」
739 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:10:15.74 ID:YzE8DNDmo


少女「私。夕陽というモノがこんなにステキなモノだとは思いませんでした」


少女「そりゃあ、ハナシに聞いたコトはあります」

少女「夕陽を描いたキレイな絵も、映した美しい写真も見たコトはあります」

少女「見目麗しい夕陽を形容するたくさんのコトバがあるのも知っています」


少女「……でも。実物の夕陽は、こんなにも“ステキ”だ」

少女「陳腐なコトバですが。自分の目で見て、初めてわかるコトも、あるのだと」

男「…………」
740 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:10:42.03 ID:YzE8DNDmo


少女「私は。このCOMIKEに来て、そう、心から思いました」


男「……楽しかったか? この三日間は」


少女「ハイ! それは、とても!!」


男「…………」フッ




男「なら、良かった」
741 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:11:11.61 ID:YzE8DNDmo


少女「さて。私はもう、行かなくてはなりません」

男「こんなに早くにか? 日付が変わるまでには、まだ時間があるぞ」

少女「ええ。でも、日があるうちに、動かないと……」


少女「“ヤツら”が、来てしまいますから」


男「……!」

少女「まあ、この街のヒトたちも。ある種ファンタジックなくらいに」

少女「なんか戦闘力高いみたいですし。心配はしていないのですが」
742 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:11:44.41 ID:YzE8DNDmo

少女「それでも。東狂のヒトたちに、これ以上、私のせいで」

少女「メイワクをかけるのは、本意ではありません」


男「…………」

男「そうか」

少女「あっ、でも! 昨夜はそのまま帰るつもりだったので、荷物は全部持っていますし!」

少女「戦利品は帰ってから、たっぷり堪能させていただきます!!」

少女「ただ、友人さんの既刊のシリーズをすべて読めないのは、心残りですが……」

男「……。後から、同人誌を送る……」
743 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:12:18.68 ID:YzE8DNDmo


男「なんてコトは、出来ないんだよな」

少女「……ハイ。ザンネンながら」


少女「……つきましては。男さんとも、ココでお別れというコトに」

男「…………」


男「……お前は、良いヤツだ」

男「きっと帰っても。元気でやれる」ポンッ

男「がんばれよ」

少女「……!!」
744 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:12:46.64 ID:YzE8DNDmo



少女「―――ハイっ!!」








――シーサイド線 国際展覧場駅前


男「さて。ここまで来れば、タクシーの一つもあるかと思ったが……」

少女「あ。あのクルマは……!」
745 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:13:13.41 ID:YzE8DNDmo


           ___00                __    ∩ ∩
           └‐┐l   ___n_ ___n_ ___n_└┘/7 ∪ ∪
              (ノ    フl.「  フl.「  フl.「  <ノ  ○ ○
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´,,r'´,,、'⌒'ヽ,        ` .、
〃/〃,r'⌒`ヾ           ` .、
!il! i,l',l'i,  ,-─- 、  ,'´",,   ` .、
i l i!i  〃'⌒`' 、`ヽ、∵'`     ` .、            ,,.
,i i i!i. {'l〃,、-,、 ヽ,ヽヽ    ` .、  ` ..,  _____,, -'''"´
, i i i!\{i! i'r'~`',ミ  ヽ,゙i}i、                       _,ィ≦
 'i,i   .'i, ,i〃´`  'i, ','i i,},       ≠==≦、    ,ィ≦≦≦
  ':,  'i,' i,'i, ( ) i  'i, l゙}      {==(◎)==j  {≦≦≦≦
      'i, 'i、、   i   ! i'}        ゞ==='   ゝ≦≠"´
    :' , 'i、 、`ー''" i ,i'i,i'l}      :          ,,.. ''"
   ∵ ,' , .'h、 `-,、,,ノ ,i!l川      ;  __,,.. ''"    ,,
  :'', '. ・  .`-,、,,_,,,ノ斗' {       《≧イ    ,,.. ''"
              ≠彡 \     (    ,,.. ''"
                   `ー─── "


運転手「お呼びですかな」スチャ
746 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:14:17.40 ID:YzE8DNDmo


男「運転手さん! あなた……」

運転手「ほっほ。カメラ爺とは、一日限りの、かりそめの姿」

運転手「やはり本来の私は。しがない運転手ですので」

男「しがない……?」

運転手「ほっほ。東狂という街の日常ですからな」


少女「運転手さんのタクシーなら安心ですね」

少女「それでは、男さん。私はこれで」

男「―――ああ」
747 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:14:55.99 ID:YzE8DNDmo


少女「あっ。覚えていますよね、チャームのコト!!」

男「ん……? ああ、コレか」ジャラ

少女「ソレ! ビビっとくる女性に出会ったら、渡すんですよ!」

男「そんなに重要なコトなのか?」

少女「ええ。それは、もう!」



少女「一人の女の子が、COMIKEの楽しさを知るコトが出来るかどうかの、分水嶺なんですから!」



男「……ああ。そこまで言うのなら。一生をかけて、覚えておこう」ジャラ
748 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:15:23.27 ID:YzE8DNDmo


少女「なら、良いんです」パタン



少女「それでは、男さん! ―――お元気で!!!」


男「―――。……、お前もな!!」



ギュルルン!! ギュルルン!!



ブロロロロロ…
749 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:15:50.55 ID:YzE8DNDmo



男「…………」



男「……ふっ」




友人「んんwww男氏wwwココにいたのですかなwww」

男「友人。死神の設営の撤収は、終わったのか?」

友人「モチロンですぞ。それよりも、少女氏は……?」
750 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:16:48.73 ID:YzE8DNDmo


男「…………」


友人「…………」



男「あいつは、行ってしまったよ」



友人「……そのようですな」

友人「もう少し待ってもらえれば、残りの同人誌も送れたのですがな」

男「その時間も彼女には惜しい。アイツには、アイツの現実があるからな」
751 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:17:37.79 ID:YzE8DNDmo

友人「COMIKEが終わったら現実に戻るのは皆同じですなwww」

男「あ。そういえば、お前……!!」

友人「なんですかな?」

男「今朝、タクシーをよこしたのって。……マジで、お前なのか?」

友人「んんwwwwww」


友人「あちらのお客様からのタクシーです……。というやつですなwww」

男「ば。ばっかお前、俺が遠出するとか、何も言ってないのに……!」

友人「そのあたりは大家さんから聞き出しましたなwww」

友人「細かいセンサクは無用wwwそれが……。ハードボイルド」
752 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:18:05.35 ID:YzE8DNDmo

男「お前が言うとシブくも何ともないわっ!!」

友人「おやwwwこれはwww失敬wwwwww」


男「……それより。今日は、昼も抜きで島をめぐったせいで、腹が減ってるんだ」

男「ちょっとコンビニに付き合ってくれないか? そこのLAMSONでいい」

友人「んんwwwwww男氏wwwwww」


友人「この時間で、駅前のLAMSONに商品が残っているワケがないwwwwww」


男「あっ……!!」
753 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:18:33.82 ID:YzE8DNDmo

男「し。しまった。少女の奴に見せびらかしてばかりで、ソレを忘れていた……!!」

友人「んんwwwまさに、『大手も新刊を落とす』wwwwww」

友人「いかに男氏がCOMIKEに用意周到だとしてもwww」

友人「カンジンなところが抜けていては、セワありませんなwwwwww」


男「……く。くそぅ。今日からまた、寂しく、一人メシだというのか……っ!!」

友人「そうそう、男氏wwwそのコトですがwww」

友人「実はこれから、死神氏や黒ずくめ氏らを呼んでwww」

友人「今回のCOMIKEの打ち上げをやる予定ですぞwwwwww」

男「……!!」パァァ
754 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:19:00.80 ID:YzE8DNDmo


男「俺も……。行っていいのか?」

友人「んんwww承知以外ありえないwwwwww」

友人「なにしろ、男氏は」

友人「三日間の戦場を共にした、“戦友”ですからなwwwwww」


男「…………」

男「……持つべきモノは、友。だな……!」

友人「んんwww以前、今回の参加の予定は断っておいて、都合が良すぎるwww」

男「わ、忘れろ!」
755 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:19:27.42 ID:YzE8DNDmo


男「それで、いったいどこの店で打ち上げやるんだ?」

友人「今回お世話になった、大家さんの傘下のお店ですなwww」

男「げ。またお礼とか、言わなきゃなぁ……」

友人「我も同席しますぞwwwwww一蓮托生以外ありえないwwwwww」





男「…………」




 
756 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:19:54.68 ID:YzE8DNDmo


ヽ         `  _
 ,)_,.v''´⌒ヽ.      ̄ ‐- ...
        )
...   ..:...   ´ヽ.
:.:.:.:.:.:.:.:.:..    :..:⌒;                  __,、         ノ⌒ー'
ヽ:_:.:.:.:.:.:. :. .: .:.:.:.:..:.ノ              ,r ヽ'⌒  `^j      ヽ ..:.:.:.
   ̄ `ー ‐-‐一´             r'´       `ー'⌒ヽ    `ー 、:.
           , '⌒ー-‐、       ヽ,  ....... ... .... . . .. .⌒ヽ
           ヽ-―--‐-ヽ.っ  r_,つ  ヽ.:.:._:_:.:.:.:.___:::.:.:.:.:..:::.:.:ノ- .__,.-
                              ̄   ̄ ̄  ̄ ` ̄ー-
                  l ̄ ̄li         ,.、        ll ̄ ̄l
     _______|__|l____,z_壬个爻_z、____l|__|______
     \;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:、'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::::/
      \;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::/人\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::/
        \;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;//圭\\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:/
       ,ィE\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::/イニニニニト、\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:/
      , イ:l:l:E圭\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'/イ三三三三三三ト\;::'::;::'::;::'::;::'::;::/
   , イ:l:l::レ''´  ̄ ̄\;::'::;::'::;::':/iニニニニニニニニニニi\;::'::;::'::;::'/
  , イ:l:l::レ'´_____ l三三三liY\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/Yl三三三l _________
,イ:l::l::レ''´ \/\/\/i l三三三liil;;;;;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \;;;;lil三三三l ト、\/\/\/\/\/
::l::レ''´∠二∠二∠, ヘ l三三三liil;;;;l             l;;;lil三三三lへヽ'二ヽ'二ヽ'二ヽ'二
−- 、 「 ̄l| l ̄ ̄l |升l三三三liil;;;;l             l;;;lil三三三lヒ|__イ「 ̄|三i三i三
   | l   l| l__l |干l三三三liil;;;;l             l;;;lil三三三l;;| i─‐i l |r-i|「r──‐
757 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:20:23.24 ID:YzE8DNDmo




少女。



俺は、お前がどこから来たのかは知らん。


今までお前が、何を考え、どうやって生きてきて、

俺にとって“何であるのかも”、知らん。


俺は不器用なオトコだ。気の利いたコトバは思いつかん。


だから、単純なコトバだが。

これで、この三日間のお祭に、俺は折り合いをつけたい。



 
758 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:20:51.48 ID:YzE8DNDmo



また、来い。少女。


このお祭を、楽しいと思ってくれたなら。


次は冬にでも会おうじゃないか。


俺はいつでも待っている。



―――そして、いつか。

俺はお前と二人で、この祭のハナシをしたいと思う。



この、COMIKEのハナシを。








 ― Fin ―
759 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 19:21:19.36 ID:YzE8DNDmo
最終章 後編は以上になります。
また、これにて、当作品を完結とさせていただきたいと思います。

約一週間、お付き合い頂きありがとうございました。
合いの手、感想等々、作品を創っていくうえでとても活力となりました。
本当にありがとうございました。
原案となったコミケのほうにも興味を抱いていただければ幸いであります。
760 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 19:28:48.19 ID:Ln26JBD0o
おつおつ
結局少女は何者だったのか
761 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 21:28:41.19 ID:sdyQ9+HOo
762 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 21:31:14.99 ID:vfF7hMMRo
乙でした
763 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/08/31(木) 22:43:33.03 ID:Fi5wsySCo
おつ


>>760
いや判るだろ
764 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/31(木) 23:58:09.61 ID:Ln26JBD0o
>>763
マジか俺の読解力が足らんだけか
読み直してきます
765 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 00:05:12.71 ID:Vne2tJoLo


バトル要素はいらなかったけど全体的にコミケの豆知識があって面白かった
コミケ行ってみたいなと思わせられた。でもきっと始発はムリだw参加してる人達スゴい
766 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 00:09:26.96 ID:DlQkZEVFo
どうでもいいけど、物書きにとって一番ダメージデカイのは批判よりそんなに文章伝わり難かったのかと思うような頓珍漢な感想だと聞いたことがある
767 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 04:08:21.56 ID:s6gV6xVIo
面白かった
おつです
768 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 09:39:38.95 ID:TfiRPZjvo
おつおつ
少女のその後がきになりますな
769 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 12:27:13.18 ID:wzctsPVUO
コミケの裏で何かしらが暗躍してるかのようなフラグを立ててるのにその辺全部投げ捨てたなぁ

これならわざわざそんなフラグなんて建てなくても今回はチケット利用者がいつにも増して多かった、だけで充分な理由になるだろうに
770 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/09/01(金) 16:26:06.14 ID:/TwwDujr0
全部回収したらそれはそれで面白くないような
771 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 16:28:18.34 ID:64st7mzMo
むしろそこはボカして良かったと思う。あんまりTUEE描写が多いと鼻につくし
あくまで男と少女がメインの話だし
772 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 16:56:49.87 ID:nO+nuZvzO
俺も少女がなんなのかわからなかった
なぜ狙われてるのかとか何かのアニメーションなの?
773 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 17:54:49.58 ID:MFTfPEZCo
散々おじいちゃんって言ってるやんけ…

少女は未来から来た男の孫だよ。その証拠に同じチャームを持ってる
敵が何者かはわからん。多分タイムパトロールとかじゃない?
渡せって言ってたブツはタイムマシンとかだと思う
774 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 18:14:41.83 ID:QzhJueY1o
僕だ!
775 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/01(金) 18:19:37.70 ID:wzctsPVUO
>>771
いやぁ、メインが男と少女だからこそ少女と全く関係ないだけになんでわざわざ伏線貼ったのかと
少女の謎、少女を狙う組織の謎なんかはスルーするのも分かるけど、別に全く話と関係ない所で俺は俺の戦いがあったんだぜ!具体的な事は言わないけど!ってされても・・・

人物達と東狂の日常以外は現実のコミケに則してたのに、なんでこんな全く関係のない伏線貼ったの?と
776 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 22:25:19.60 ID:ZIz1vC8F0
面白かった。乙。まさかタイムトラベルとかファンタジー絡むとは思わんかったけど、すげぇ楽しめた
777 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/01(金) 23:21:32.13 ID:8RWlGz04o
>>775
確かにない方が物語としてはスッキリしたかもね。ただ作者はコミケの実情とか
ルールも細かく書いてたし綺麗で楽しいだけがコミケじゃないって言いたかったんじゃない?
778 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 09:48:30.86 ID:p17+6fl7O
コミケのカオスさが出ててよかった
779 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 15:35:45.22 ID:4u2fkZr80

良い意味で昔のSSっぽくて懐かしい気分になった
コミケについても色々勉強になったし、面白いSSをありがとう
780 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/02(土) 21:39:02.46 ID:xUWyi/zlO
伏線って回収して初めて伏線だろ
781 : ◆mclKiA7ceM [saga]:2017/09/04(月) 18:01:04.00 ID:p/u3yDcGo
皆さんこんにちは。

改めまして、約一週間、お付き合い頂きありがとうございました。
また、たくさんの感想、ありがとうございます。
作品を面白いと感じて頂けることは、物書きにとって一番の喜びです。

さて、今回は、いただいた多くの感想への最後のお礼として
ささやかですが、本編の「後日談」を用意させていただきました。


本編はあれで完成しており、それ以上はありません。
本編の裏の出来事や、登場人物のその後などは
読んだ方、一人一人にご自由に“想像”頂ければと考えています。

ですが、一度完結したこの作品にまだ触れてくださっている方へ
私の考える“想像の一つ”をお届けしたいと思います。


つまり、作者本人による二次創作のようなものなので、本編の余韻
ぶち壊してる部分もありますが、あまり気にせずに頂けると幸いです。

蛇足というやつですが、よろしければお楽しみください。

それでは、後日談を開始します。
少ないですが40レスほどの予定です。
782 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 18:04:56.37 ID:p/u3yDcGo




ザッ


男「…………」

男「……なんで、また、ココに来ちまったかね」



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                  l ̄ ̄li         ,.、        ll ̄ ̄l
     _______|__|l____,z_壬个爻_z、____l|__|______
     \;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:、'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::::/
      \;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::/人\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::/
        \;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;//圭\\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:/
       ,ィE\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::/イニニニニト、\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;::'::;:/
      , イ:l:l:E圭\;::'::;::'::;::'::;::'::;::'/イ三三三三三三ト\;::'::;::'::;::'::;::'::;::/
   , イ:l:l::レ''´  ̄ ̄\;::'::;::'::;::':/iニニニニニニニニニニi\;::'::;::'::;::'/
  , イ:l:l::レ'´_____ l三三三liY\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;/Yl三三三l _________
,イ:l::l::レ''´ \/\/\/i l三三三liil;;;;;/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ \;;;;lil三三三l ト、\/\/\/\/\/
::l::レ''´∠二∠二∠, ヘ l三三三liil;;;;l             l;;;lil三三三lへヽ'二ヽ'二ヽ'二ヽ'二
−- 、 「 ̄l| l ̄ ̄l |升l三三三liil;;;;l             l;;;lil三三三lヒ|__イ「 ̄|三i三i三
   | l   l| l__l |干l三三三liil;;;;l             l;;;lil三三三l;;| i─‐i l |r-i|「r──‐
783 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 18:05:22.87 ID:p/u3yDcGo


ヒュウッ


男(…………)

男(小雨まじりの、冷たい風が肌を刺す)

男(周りの公園の木々もざわざわと揺れている)

男(季節はもう秋。と、いうワケか……)


ザワッ ザワザワ…



友人「んっんっんっ〜。…………んん!?」
784 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 18:05:50.60 ID:p/u3yDcGo


友人「おや! 男氏wwwwwwヤケモーニンwwwぺゃっwwwwww」

男「はっ!? その特徴的すぎるアイサツは……」クルッ


男「友人!! どうしてココに!?」

友人「んんwwwいやはやソレは我のセリフwww」

友人「昨日は打ち上げの後、日が変わる前に解散したハズwww」

友人「我は今朝も鷲に泊まっていたから良いとしてwww」

友人「COMIKEはもう終わりましたぞwww男氏は、どうして今日もココにいるのですかなwww」


男「……。それは……」
785 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 18:06:17.73 ID:p/u3yDcGo


::;;ヽヽ:;;;ヽヾゞ;::;:; ヾ; ;.:ゞ;"ゞ ;;;;;ヾ゛ミゞ;;゙;:ヾ; ;ヾ)
⌒ゞ;ゞゞ;ヾゞ;ゞヾゞ;;;,.ヾゞヾ;::;:; ヾ;;ミ; :.ヾヾ;::;:ゞ          _                                     `   :
ゞ;ゞ゚ ゞ; ヾ ; ; ヾゝヾゞ。゙;;;ゞ;;:::゛;;ゞ; ;ヾ;゛; ヾ
ゞゞ::;;ゝ;;゛ゝ;::;:ヾヾ:/;;゚::;;ヾゝ;;;::;:゙ヽヽゞ;;ゞゞ                   `                                   `  .
;;''ヾ;;ゞ;;ゝゞ;;ミミ::ヾヾヽ;;;ゞ;;ソ;;゛:.:;;.ゝ
ゝ;;ゞ::ヽ;;゚ヽヾ::;;ソィ;;ヽヾゞ                                          '  .
::(,ゝ;;ゞ:::ヾゞ::ソ;;ミ`             'ー                                   `   ,
:!i::{
ヾヾ゚;;ヽ':;;ミミヾ;ヾヾヽ:.,
;;ヽ::;ヽ::;:ヽ::ヽミ;ゝ;;;::;:ヽヾツ;.:..                    ´   `  .
;';;ゝヽ:::;: ;;), ' ヾゝ'::ゞ;;゛;::ヽ;;ッ 、       . .   . ´         `   .
⌒;;ヾヾゝヾゞ:;;⌒ヾ;';;ゝヽ::ヾ;;ゝ;;ソィ,,   .        .              `  .
 ;; ::;:;;ヾゝ;;ヽ;.::ヽ; ;:⌒ヽ゛ ヽ ;::ミヽヾ;;ゞ。.:,           ' ,                                    '
 ;ゝ /;;ゞヽ::ゞ;;;゛::ゞ:ゞ::;"ゞ ; ; ;ゞ゛ ゛:: ;;ソ         .                    `
ii:::..ヽ;; ::;:;;ヾゝ;;ヽ;.::ヽ;;ゝヽ;; ::;:;;ヾゝ;;ヽ;.ヽミ;;ン    ´   `


男「……知らんな。ただ、なんとなく、また来てみたくなっただけだ」

男「三日間の早起きのクセが抜けないのはあるが」
786 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 18:06:44.62 ID:p/u3yDcGo


友人「んんwwwお祭は、開催までのジュンビや、当日の盛り上がりも楽しいモノですがwww」

友人「祭が終わった後、こうして静かに余韻を味わうのもツウですなwww」

友人「それが無意味だとしても、だからといって無価値とは限らないwwwwww」


男「…………」フッ

男「ちなみに、お前のほうは、どうしてココに?」

男「別に俺と同じ理由でも構わないが」

友人「まあwww同じといえば同じですがwww」

友人「セキバクとしたビッグサイトの中を写真に収めようかと思いましてなwww」スチャ
787 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 18:07:14.29 ID:p/u3yDcGo

男「カメラ……。親子そろって、か」

男「……いや、ちょっと待て。ビッグサイトの中って、今日も入れるのか?」

男「知らないが、この静けさなら、今日はイベントはやってないだろう?」

友人「んんwwwとくにイベントが無くても、ビッグサイトは毎日開かれているwww」

友人「男氏も見かけたと思いますが、館内にはコンビニやレストランもあるwwwwww」

友人「イベントの無い日も営業していなければ干上がってしまいますなwww」

男「た。たしかに……」

友人「冬コミの最終日の翌日はお正月なので、何かと慌ただしいwww」

友人「COMIKE翌日のワビサビなビッグサイトが見られるのは、夏コミ限定ですなwww」
788 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 18:07:45.70 ID:p/u3yDcGo


男「……そうだったのか」

友人「それではwww我は今から、実質無人のビッグサイトに潜入しますがwww」

友人「男氏も一緒にいかがですかなwwwwww」

男「……。ハイキョ探検、というワケか」

友人「別に荒れ果ててはいませんがwwwwww」


男「いいだろう。その単語、オトコの血が騒ぐ。乗った」

友人「んんwwwわかりみが深いwwwwww」


友人「それではwwwマボロシの、COMIKE 四日目! 開始ですなwwwwww」
789 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 18:08:14.18 ID:p/u3yDcGo



――ビッグサイト 入口

ザッ ザッ


男「まずはオナジミ、逆三角形への大通りか」

友人「んんwww昨日の今は、西待機列の人で埋め尽くされた、この道もwww」

友人「現在は、大きな駅やショッピングモールの屋上のような閑散さwww」パシャパシャ


ガラーン


男「今日は月曜だからな……。数人のサラリーマンの姿がチラホラ見えるばかりだ」
790 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [saga]:2017/09/04(月) 18:08:42.81 ID:p/u3yDcGo

男「そういや、お前、今日はシゴトとか無いのか?」

男「俺は大学の夏休み中だからいいんだが」

友人「んんwww一流の戦士にとって、COMIKEは三日で終わらないwww」

友人「各自がアキバの同人委託ショップで頒布物を漁る、通称“四日目”が本当に存在するwww」

友人「モチロン我もこのあと、アキバの“スイカ”や“鯱の穴”へ参戦せざるを得ないwww」

男「……は、はは。あれだけタイヘンだったのに、まだ戦えるのか」

友人「今日からまた出勤する社畜に比べれば人生イージーですぞwww」

男「あれ。そういやお前、普段シゴトとか、何してるんだ……? 俺、知らないぞ?」

友人「んんwwwwww」
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