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少女「コミケ行くので泊めてください!」男「は……?」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:11:11.44 ID:Fzl9L1Z/o
セミ「ミンミィーーーーーーーーンミーーーーンミーンミーンミーンミィーーーーーーーーwwwwwwww」
セミ「ジルルルルルルルルゥルルルルルルジルジルジルルルルゥ……、ルルルゥ……、ル」
セミ「ツクツクボウシ! ツクツクボウシ! ツクツクボウシ! ニィーォニ! ニィーォニ! ニィーォニ! ニィーーーーwwwwww」
男「あ……、暑い……」フラフラ
男「ダメだ……、今年の夏は涼しいんじゃなかったのか? 溶ける、溶けるぞ……」
男「大学も夏休みになったばっかだし、この三連休は、クーラーきかせて家に引き込もるか……」
男「……ん? 俺のアパートの入口……、なんだ? 大家さんと、誰かがモメてる……?」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1503641471
2 :
◆mclKiA7ceM
[saga]:2017/08/25(金) 15:11:48.12 ID:Fzl9L1Z/o
・全部で600レスほどの予定です
・数日間に分けて更新します
※この作品はフィクションです。実在の人物や団体等とは関係ありません
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:16:22.67 ID:Fzl9L1Z/o
少女「だから! 合鍵を貸してくださいと言ってるんです!」
大家「そう言われてもですね……。何か証明するモノが無い限りは」
少女「証明……? そうだ、このチャーム! 彼なら同じのを持ってるハズですよ!」
大家「そんなの知りませんよ」
男「あのー、どうかしました?」
大家「ああ。男さん。ちょうどよかったです。実はですね……」
少女「男さん!!!」ダキッ
男「うおっ!?」ヨロッ
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:17:05.52 ID:Fzl9L1Z/o
少女(お願い、男さん! ハナシを合わせて!)ヒソヒソ
男(え……、えぇ!?)ヒソヒソ
大家「男さん。この女の子が、あなたの姪っ子だって言うんですよ。本当ですか?」ズッ
男「う……。うぅ、まあ。今は、そんなところです」ダラダラ
大家「今は……?」
男「え! あ。いや。昔から姪っ子ですとも!」
大家「こんなに歳も近そうなのに……?」
男「と、歳の離れた兄貴がおりまして……。その娘で……。ハハハ」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:17:31.19 ID:Fzl9L1Z/o
大家「ふうん……」
男「ハ、ハハハッ……」ダラダラ
少女「……、…………」ダラダラ
大家「…………」
大家「……まあ、いいでしょう」フゥ
少女「!」パァ
大家「―――ただし!!」
男「はっ!?」
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:17:57.08 ID:Fzl9L1Z/o
大家「その子を部屋に置くのであれば、他の部屋にメイワクにならないように」
大家「また、今後もしばらく一緒にいるのであれば、必ず私に一言お願いします」
大家「……いいですね?」
男「は……、はぁいぃぃぃぃっっ!!!」
少女「すごいな、この大家さん……。威圧感がハンパじゃない」
大家「では、私はこれで」ガチャ
男「ごきげんようございますぅぅぅぅっっ!!!」
バタン
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:18:49.35 ID:Fzl9L1Z/o
少女「……スゴいヒトですね」
男「あのヒト、怖いヒトに見えただろ? 本当に怖いんだよ」
男「……それで、君はいったい?」
少女「あ。その。ええ、と……」アハハ
男「…………」
男「今晩泊まるところとか、無いの?」
少女「え! ハイ! ありません!!」
男「なんでそんなに元気なんだ……」
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:19:16.24 ID:Fzl9L1Z/o
少女「実は私、男さんにお願いがありまして」
男「いちおう聞くだけ聞くよ」
少女「ありがとうございます! それではお言葉に甘えて!!」
少女「コミケ行くので泊めてください!」
男「は……?」
少女「コミケです! 知ってますよね、コミケ!?」
男「コミ……、ケ……」
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:19:43.39 ID:Fzl9L1Z/o
男「……いや、知らないな」
少女「えぇ!? いや、コミケですよ、コミケ! コミックマーケット!」
少女「有明は東京ビッグサイトで行われる、日本最大の同人誌即売会!!」
男「有開……、東狂ビッグサイト……? お前、まさか……」
男「“COMIKE”のコトか……?」
少女「COMIKE……?」
男「どうにもハナシが噛み合わないな」
男「まあ、とにかく部屋に入れ」
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:20:09.58 ID:Fzl9L1Z/o
――男の部屋
少女「わあ! ボロっちいですね! ここに泊めてくれるんですか!」
男「ボロっちくて悪かったな。それにまだ泊めるとはヒトコトも言っとらん」
少女「えぇ!? てっきり、もう泊めてくれるものかと……」
男「それはハナシを聞いてから考える」
男「で? コミケ、といったか? それは何なんだ?」
少女「はい! コミケとは、全国から数十万の人々が東京に集まる、夏と冬の大イベント!」
少女「集まった人々は、三日間の会期中、自分の創作作品を発表し、また買い求めるのです!!」
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:20:36.55 ID:Fzl9L1Z/o
男「ふうん……。聞く限りでは、COMIKEと大差無いようだな」
少女「アルファベットなのが、そこはかとなく威圧感を覚えますが……。COMIKEというのは、いったい?」
男「いや、概要は、そのコミケとやらと同じだな」
男「お盆と年末の年二回。有開の東狂ビッグサイトで三日間行われる、同人誌の即売会だ」
少女「……なんか、ちょっと漢字、違くないですか?」
少女「どことなくヤバそうというか……」
男「そうか? ムカシから、そういう地名なんでな」
男「……で、COMIKEに行くために、俺の家でどうするって?」
少女「ハイ! 男さんの家に泊めてほしいんです!」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:21:03.44 ID:Fzl9L1Z/o
男「……なんでまた俺の家なんだ? たしかに有開には近いが」
少女「え!? そ、それはですね……」
少女「……そう、優しそうだったので!!」
男「んな、テキトーな。どこで俺を知ったんだ?」
少女「……男さんの家の中とか?」
男「オイオイオイ盗撮されちゃってるのか」
少女「してませんけど!!」
男「まったく、弱ったな」
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:21:29.69 ID:Fzl9L1Z/o
男「じゃあ、もし俺がココに泊まらせなかったら、どうする?」
少女「え、ええと……。ビッグサイト周辺のホテル、とか……」
男「んなモン、去年のこの時期から予約埋まってるに決まってるだろう」
少女「ぐ。では、都内のどこか、テキトーな場所……!」
男「女の子一人では危ないかもしれんなあ」
少女「ええい、ならば三日間ぶっ通しでビッグサイトに並んでやりますとも!」
男「徹夜組じゃねぇか!!!」
男「……マジでどこも行くトコ無いの?」
少女「はい……」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:21:56.53 ID:Fzl9L1Z/o
男「この近くに、友達とか知り合いとかは?」
少女「いません」
男「毎日実家からビッグサイトに通うのは?」
少女「……遠すぎます」
男「COMIKEに参加するのは諦めるのは?」
少女「絶対にイヤです」
男「……どうしてそんなにCOMIKEに参加したいんだ?」
少女「…………」
少女「……おじいちゃんから、聞いてたんです」
少女「コミケは、それは楽しい催し物だって」
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:22:24.28 ID:Fzl9L1Z/o
少女「日本中から、星の数ほどの人々が集まり、創った作品を通じて交流する……」
少女「参加するのはタイヘンだけど、みんなイキイキしてて、自分も楽しかったって」
少女「そんなイベントに、私も行ってみたかったんです……!」
男「…………」
男「……わかったよ」フゥ
少女「ほ、本当ですか!!」
男「ああ。そんなハナシ聞かされて、追い出すのも薄情だろうしな」
少女「やったー!!」
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:23:16.43 ID:Fzl9L1Z/o
少女「ありがとうございます、男さん! お礼に何でもしますから!!」
男「……何でも?」
少女「……? ハイ、何でもしますよ」
男「…………、……いや、俺から君に頼むコトは無いよ」
少女「ええっ! どうしてですか、料理くらい作れますよ!」
男「バカ。料理するとして、いったい何を作るつもりだ?」
少女「……? 普通に、冷蔵庫の中のモノを使って……」
男「……そんなコトでCOMIKEを乗り切れると思っているのか」
少女「なんですと」
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:23:42.98 ID:Fzl9L1Z/o
男「いいか? COMIKEは、“戦場”だ」
少女「はい。おじいちゃんも言っていました。コミケは“戦場”そのもの、いや、それ以上であると」
男「調子乗って肉なんか食いまくれば、即リバースだ」
少女「なんですと……」
男「COMIKEに参加するつもりなら、まず食事から厳密に考える必要がある」
男「もちろん注意を払うべきは食事だけじゃない」
男「COMIKEに適した服装、装備、健康状態、心構え……。お前、体力に自信はあるか?」
少女「ハイ! 不肖私、元気なコトだけが取り柄なので!」
男「それはいいコトだ」
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:24:09.23 ID:Fzl9L1Z/o
男「だが、生半可な体力では、COMIKEではとても保たない」
男「地上に存在する、あらゆるイベントよりもカコクなのが、COMIKE」
男「そう胸に刻んでおくといい」
少女「はい……。あ、質問なのですが」
男「なんだ?」
少女「男さんってCOMIKEに詳しいみたいですけど。今までに行ったコトがあるんですか?」
男「そうだな……。友人の付き添いだが、夏と冬の2回ずつ。計4回だな」
少女「うわあ……。結構なベテランですね」
男「俺なんかまだまだだぞ。その友人は、計20回近く行ってるらしいし」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:24:36.56 ID:Fzl9L1Z/o
男「まったく……。まさか、この三連休はCOMIKE参加だとはな」
男「しかも自主的に」
少女「というコトは、自分から行ったコトは?」
男「無いな。第一、アニメとかコスプレとか、そんなに詳しくないし」
男「だけど、友人は今回も参加するらしい。いちおう連絡は入れておくか……」
少女「友人さんは詳しいんですか? その、オタク文化ってやつに」
男「ああ。根っからのオタクというか、ロジカルというか、ム○クというか」
男「そういえば、君はアニメとか詳しいのか?」
少女「いやー、実は私も、それほどは」
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:25:04.31 ID:Fzl9L1Z/o
男「……なのに、COMIKEに行きたいのか?」
少女「はい! コミケなのか、COMIKEなのか、わかりませんが」
少女「私はソレに参加するために、ここまで来たので!!」ムフー
男「……元気だなぁ」
少女「ハイ! 元気なコトだけが取り柄なので!!」
男「そうか。わかった。じゃあ、明日から三日間のジュンビをするとしよう」
少女「ジュンビ? 具体的には、何を?」
男「ん……。まあ、COMIKE用の服とか、携帯食料とか、飲み物の用意だな」
少女「えぇー、そんなのまで必要なんですか?」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/25(金) 15:25:32.55 ID:Fzl9L1Z/o
男「さっきも言っただろう。COMIKEは、“戦場”だ」
男「戦場でジュンビを怠れば……、死、あるのみ」
少女「むぅ……。たしかにソレは同意できるところですね」
男「とりあえず、しばらく装備とか考えるから、そこらへんでもテキトーに見ててくれ」
男「……あ」
少女「……? どうしました?」
男「……俺、三日間もCOMIKEに満足に参加できるほど、金が無いぞ」
少女「ふっふっふ。ご心配なく。軍資金なら、ここに!」ビラビラビラッ
男「や、やめなさい! そういうの!!」
22 :
◆mclKiA7ceM
[saga]:2017/08/25(金) 15:26:10.05 ID:Fzl9L1Z/o
序章は以上になります。
第一章は、本日18時ごろの開始を予定しています。
23 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/25(金) 15:27:38.50 ID:5zBktk7GO
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