熊野「花火大会…ですの?」

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1 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/22(火) 15:32:09.49 ID:6lj/y0GI0
キャラのコレじゃない感は許してください。

遅筆&書き溜めを投稿する形になります。



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2 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/22(火) 15:32:55.28 ID:6lj/y0GI0
提督「あぁ、お前の名前の付いた花火大会が開催されているんだ」


熊野「はぁ?それがどうかなさいまして?」キョトン


提督「いや、さ。ここ最近お前も頑張ってるし、一緒に花火大会行かないかって」


熊野「そうですか…」


提督「あ、別に嫌なら…無理しなくて良いんだぞ?」


熊野「別に一言も嫌とは言っていませんわ!わたくしの名前の付いた花火大会ですね?是非行かせて貰いますわ!」


熊野「それはそうと、それはこの鹿屋から近いのでして?」


提督「そこが問題なんだよ!」


熊野「何故威張るんですの…?」
3 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/22(火) 15:33:33.50 ID:6lj/y0GI0
提督「ここ鹿屋は九州の南部鹿児島県に位置している、因みに熊野大花火大会は三重県の熊野市で行われる」


熊野「凄く遠いですわね…わたくしは海からでも行けますが提督はそうもいきませんわね」


提督「それに数日とは言え鎮守府を開けることになる、勿論休みにする予定だが敵は休みなど関係なしにやってくるしな」


熊野「もっと近くの花火大会ではダメですの?確かにわたくしの名前の付いている花火大会は気になりますわ、でもそこまで無理していく必要ありませんのよ?」


提督「いいんだよ、ここで」


熊野「そう…わかりましたわ」


提督「じゃあ3日後に出発するから、数日分の衣類とか準備しておいてくれ」


熊野「了解ですわ!」
4 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/22(火) 15:36:47.31 ID:6lj/y0GI0
―13:39―最上型の部屋―


熊野「ふんふふん〜♪」


鈴谷「ん〜ぁ、ねっむーい」


熊野「あら、鈴谷」


鈴谷「ちぃーっす、熊野は何してるの?」


熊野「準備ですわ」


鈴谷「あー昼寝の準備ね」


熊野「それだけでは無いのだけれど…まあいいですわ」


鈴谷「ん〜鈴谷もねっよかな〜」


熊野「それが良いと思いますわよ、仮眠も美容には必要ですわ」


鈴谷「じゃあ寝るね〜おやすみ、熊野」


熊野「えぇ、お休みなさい鈴谷」


熊野「っと…どうせですし浴衣も持って行きましょうか」ブツブツ
5 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/22(火) 15:37:27.31 ID:6lj/y0GI0
ガチャリ―。


最上「熊野はいるかい?」


熊野「どうかしたんですの?熊野に何かご用?」


最上「提督が伝え忘れたことがあるって言ってたよ」


熊野「あら…そうですか、ありがとうですわ」


最上「うん!ってそこで寝ているのは鈴谷かい?」


熊野「えぇ、眠たかったようですわ」


最上「んーじゃあボクもちょっと寝るね、熊野が帰ってきたときにまだ寝ていたら起こして欲しいな」ノビ-


熊野「わかりましたわ、それではおやすみなさい」


最上「うん!お休み熊野」
6 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/22(火) 15:38:04.73 ID:6lj/y0GI0
―13:42―執務室―


熊野「それで伝え忘れとは何ですの?わたくし14:00位から食事の後の仮眠を取るのが日課なので早くして欲しいですわ」


提督「あぁ、すまんな。色々と考えたんだがな、新幹線でちょくちょく降りて色んな所観光しながら行きたいんだがそれで問題ないか?」


熊野「別に良いですわよ、わたくし以外に他に誰かいらっしゃるんですの?」


提督「え?お前と俺の二人だけど?」


熊野「えっ?二人きりですの?」


提督「ああ、お前を労うためだしお前だけで良いかなって。本当は間宮さんも誘いたかったけどな」ハハハ


熊野「そう、二人きりですのね」


提督「嫌だったか?」
7 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/22(火) 15:39:01.28 ID:6lj/y0GI0
熊野「い、いいえ!提督が折角!わたくしの為に企画してくださったんですから行かせて頂きますわ!」


提督「そう言ってくれて嬉しいよ」ニコ


熊野「ふふ、ではわたくしはそろそろ仮眠を取らせていただきますわね」


提督「あぁ、変に呼び出したりしてすまなかったな」


熊野「あなたは提督でわたくしはあなたの部下ですわ、謝ったりしてほしく無いですわ」


提督「ははっ、確かにその通りだ」


熊野「ではこれで、失礼しますわ」


提督「おう、おやすみ」
8 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/22(火) 15:39:42.59 ID:6lj/y0GI0
バタン―。


提督「…っと…青葉」


青葉「はいはーい青葉です!」スッ


提督「やっぱり居たか…」ハァ


青葉「提督が青葉をこんな体にしたんですよ?」ウルウル


提督「誤解を招くようなことを言うな…誰もお前に忍者みたいな潜伏スキルを持たせた覚えは無い」


青葉「まあそれは置いておいて何かご用ですか?」


提督「どうせ知ってると思うが花火大会に行くんだよ」


青葉「要するに青葉に花火を見る二人を撮れってことですね???」


提督「よく分かったな」
9 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/22(火) 15:40:41.44 ID:6lj/y0GI0
青葉「アレ?マジですか?冗談のつもりだったんですけど」


提督「…すごいな、お前」


青葉「えへへ、それほどでもです」


提督「因みに旅費は取材費として俺がなんとか工面してやるから最高の1枚を撮れよ?」


青葉「了解!」


提督「あと"ついで"に言っておくが新聞には旅が終わってから書けよ??もし先に書いたら…その時は分かるな?」ニコニコ


青葉「…い、いやだなぁ、て、提督は青葉を疑うんですか??」


提督「うん、一番しそうだし」


青葉「酷い!!!!」


提督「さあ散った散った」


青葉「むぅ…(´・ω・`)」
10 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/22(火) 15:41:32.06 ID:6lj/y0GI0
とりあえず一旦ココまでで。
書き溜めがある程度出来れば投下しに来ます
11 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/22(火) 20:16:03.62 ID:AB5OUOxA0
キャラのコレじゃない感がものすごいねw
12 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/23(水) 00:56:48.25 ID:ie3lhR4yo
青葉は司令官呼びですよ
13 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 19:55:28.37 ID:IDULw38c0
>>12
指摘ありがとうございます、確かにそうでしたね…

この鎮守府の青葉ちゃんは提督呼びと言うことでお願いします!
14 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 19:56:38.62 ID:IDULw38c0
今から投下していきます
15 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 19:58:01.73 ID:IDULw38c0
―3日後―10:36―鎮守府入り口―


熊野(提督遅いですわね…この熊野を待たせるなんて)


提督「…ハァハァハァ、待ったか?」


熊野「えぇ、待ちましたわ。すごーく待ちました」


提督「因みにどれくらい待った?」


熊野「レディは遅れてくるものですから、せいぜい20分位ですわね」


提督「そっか…すまん」


熊野「いいですわ、別に怒ってなどいませんし……それでも罪悪感を感じるなら、楽しい旅にしてくださいね?」


提督「!? ああもちろんだ!」


熊野「それで最初はどうなさるおつもりで?」


提督「ん?あぁ、タクシーがそろそろ来るはずだからそのタクシーで駅まで向かおうと思う」


熊野「え?駅ってもしかして鹿児島中央までですの?」


提督「うん、まあ」


熊野「そうですか、わかりましたわ」


熊野(提督と狭い車内で密着…照れますわ///)
16 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 19:58:47.44 ID:IDULw38c0
熊野「そ・れ・で?何か言うことはありませんの?」


提督「ん?……あぁ、その服凄く似合ってるよ。なんか珍しいなお前がそういう格好するの」


熊野「…20点ですわね」


提督「採点式かよ…一応聞くけど何点満点中?」


熊野「1000点ですわ!」ドヤァ


提督「マジかよ…」


熊野「マジもマジ、大マジですわよ?」


提督「じゃあ満点目指せるように頑張るわ」


熊野「せいぜい頑張って欲しいですわね」クスクス
17 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 19:59:42.81 ID:IDULw38c0
ブロロロロ。


提督「っと、このタクシーだ」


運転手「いやぁ、すいませんね。ウチの若いもんが色々迷惑掛けたんでしょう?」


熊野「…?」


提督「あはは、別に良いですよ。今こうして来て貰ってるわけですし」


運転手「そうですかねぇ…あ、お荷物はトランクにどうぞ」


提督「ほら、熊野荷物寄越しな」


熊野「あ、はい分かりましたわ」


運転手「…どちらまで?」


提督「鹿児島中央まで」


運転手「分かりました、助手席に座られます?」


提督「あぁ、お気遣いありがとうございます。じゃあお願いします」


熊野(提督と密着じゃないのですわね…よかった)
18 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 20:00:24.29 ID:IDULw38c0
―11:54―タクシー内―


運転手「そういえばどこにご旅行に行かれるんですか?」


提督「三重県の熊野大花火大会を見に行くんですよ」


運転手「三重県ですか、いいですねぇ。こういう職業をしてるのでやっぱりこの地を離れることが出来ないんですよね」


提督「奇遇ですね、私も出張以外であんまり離れられないんですよ」


運転手「もしかして軍人さんですか?」


提督「えぇ、まあ」


運転手「やっぱり!鎮守府前と言われたので軍人さんなのかなと思っていたんですよね」


提督「あはは、バレてましたか〜」
19 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 20:01:13.71 ID:IDULw38c0
運転手「後ろの可愛らしいお嬢さんは彼女さんですか?」


提督「! まさか、ただの…友人ですよ」


運転手「あ、着きましたよ」


提督「ありがとうございます」


運転手「8700円ですね〜」


提督「はい、これで…あ、領収証貰えます?鹿屋基地で」


運転手「はい、っとこれですね。私は荷物出しておくのでお嬢さん起こしてあげてください」


提督「おーい熊野、起きろー」ペシペシ


熊野「んぅ…提督?…もう着いたんですの?」


提督「あぁ、次は新幹線だぞ」


熊野「ん〜〜〜」ノビ-


運転手「じゃあお荷物ですね。ありがとうございました」


提督「こちらこそ じゃあ行こうか」


熊野「ええ」
20 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 20:02:22.61 ID:IDULw38c0
―12:38―新幹線内―


提督「そういえば熊野は新幹線初めてか?」


熊野「ええ、すごくわくわくしますわ」


提督「博多まで一時間とちょっとで行けるんだから驚きだよなぁ」


熊野「そんなに早く着くんですの?!」


提督「俺も最初乗ったときは驚きだったよ」


熊野「わたくしが35.36ノットが最速ですのよ?それにしたって早すぎじゃありませんの?」


提督「そんなに顔赤くするなって、こっちは陸でお前は海だろ?大きさだって違うし仕方ないじゃないか」


熊野「そ、そうですわよね…」


提督「そうだ、これ買っておいたから食べな」っ駅弁


熊野「これは駅弁というやつですわね?灰干し…とは何ですの?」


提督「火山灰を使って魚の水分やアンモニアなどを抜くんだよ、そうすることで時間が経っても魚の嫌な匂いがしないんだ」


熊野「…スンスン、確かに生臭さはありませんわね」


提督「フフフ、美味いか?」


熊野「………それ天龍さんの真似ですの?全く似てないですし、少し…いえかなり気持ち悪いですわ」


提督「泣きそう」


熊野「知りませんわ!」
21 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 20:03:18.67 ID:IDULw38c0
―13:20―熊本辺り―


提督「うーん、熊本は地震があったから少し様子とか気になってたけどそこまでなのかな?」


熊野「単純に被害が少ない地域を見ているだけなのではなくて?」


提督「そうか…確かにそうかもしれない」


熊野(提督の目…凄く真剣ですわ)


提督「あ、そうそう。今から30分位したら一度乗り継ぎのために博多で降りるぞ」


熊野「了解ですわ」
22 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 20:04:18.85 ID:IDULw38c0
―13:58―博多駅構内―


熊野「んん〜、暑いですわね」


提督「とか言いながら日傘取り出すところは流石だな」


熊野「紫外線はお肌を傷めますわ、対策するのは当たり前でしょう?」


提督「お、おう…」


熊野「提督、わたくしショッピングに出掛けたいですわ」


提督「ん、じゃあ行こうか」


熊野「え、付いて来られるんですの?」


提督「お前が一人で迷わずここまで帰ってこられるなら一人で行かせるんだが…」


熊野「…返す言葉もありませんわ」


提督「それで行きたいところに目星は付いてるのか?」


熊野「天神へ!!」


提督「ほいほい、じゃあバスで行くか」


熊野「へぇ、一律100円ですのね」


提督「良心的だよな」


熊野「提督のお財布に…ですわね?」フフッ
23 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 20:05:20.86 ID:IDULw38c0
―14:12―福岡PARCO―


提督「ほえー、パルコなんて初めて来た」


熊野「わたくしもあまり来たことはありませんわ」ドヤァ


提督「ドヤるなドヤるな」


熊野「もう…少し位良いじゃありませんか」


提督「そういえば福岡と言えば軍艦防波堤と呼ばれるやつがあったな」


熊野「なんですの?それは」


提督「旧海軍の駆逐艦3隻が防波堤になってるんだよ『桃』型駆逐艦の『柳』と『秋月』型駆逐艦の『凉月』『冬月』の3隻で防波堤が作られているんだ」


熊野「いい話ですわね」


提督「ああ、軍艦としての役目を終えてからも国のために尽くしてるっていい話だよな」


熊野「あ、提督。この服を頂きますわ」


提督「それ俺が出すの…?」


熊野「ダメですの?」ウルウル


提督「うっ…いいけどさ…」


熊野「ありがとうですわ」


提督「てか、そろそろ戻らないと新幹線間に合わないし行こうか」


熊野「んっ、もう少し見たかったですが仕方ないですわね」
24 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 20:06:00.14 ID:IDULw38c0
―14:33―新幹線内―


熊野「それで?次はどこで降りるおつもり?」


提督「広島駅だ、今日はここで一泊するからな」


熊野「そうですの。どこか行きたいところでもあるんですの?」


提督「大和ミュージアムって言えばわかるか?」


熊野「…ええ、なんでも色々わたくし達が軍艦だった時代のものがあるとか」


提督「まあそういうことだ」


熊野「…んぅ、わたくし眠くなっちゃいました、寝てもよろしくて?」


提督「ああいいよ、着いたら起こす」


熊野「ありがとう、ございます…提督」
25 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 20:06:43.12 ID:IDULw38c0
―15:38―広島到着―


提督「おーい、着いたぞ」


熊野「ん…ふぁあぁ…おはよう…ございます」


提督「このあと呉まで電車で行くから」


熊野「わたくし少し緊張しますわ」


提督「へぇ、熊野でも緊張することあるんだな」


熊野「なんですの?そのわたくしは緊張しないみたいな物言い」ムス-

提督「いやさ、凄い意外だったからさ」


熊野「むぅ…」


提督「あんまり怒らないでくれ」


熊野「別に怒ってなんか居ませんわ!」


提督「えぇ…」
26 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 20:07:10.90 ID:IDULw38c0
―16:02―大和ミュージアムチケット売り場―


熊野「ここが大和ミュージアムですのね」


提督「ああ、来てみてどうだ?」


熊野「なんか凄く…力強い力を感じますわ」


提督「中に入ったら多分もっと凄いと思うぞ」


熊野「では、入りますわね」


熊野「!! これは戦艦大和…」


提督「10分の1で再現した模型だそうだ」


熊野「やはり大きいですわね…」


提督「俺がお前をここに連れてきたのは、この大和の模型を見るためじゃないんだ」
27 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 20:08:15.49 ID:IDULw38c0
熊野「他に何があるのですの?」


提督「ここだよ、大型資料展示室」


熊野「あら、零式艦戦六二型ですわね」


提督「これを見て欲しいんだ」ユビサシ


熊野「これは?」


提督「人間魚雷『回天』」


熊野「…っそんな…」


提督「旧日本海軍は不必要に多くの命を奪った。それは紛れもない事実だし、決して変わることの無い不変の歴史だ。この人間魚雷『回天』もそうだし、人間ロケットの『桜花』もだが…様々な特攻兵器を作り出した」


提督「『桜花』なんて駆逐艦を一瞬で沈められる兵器だ。それでも…どんなに優れた兵器でも人間の命を使ってまで使用してはいけないだろう?でも、したんだよ俺たち人間の先祖は…。軍艦の魂を有す艦娘のお前達からすれば憎いかもしれない」


提督「熊野、お前と共に日本に帰りたいと願った乗組員は犬死にだったと思うか?言い方は悪いが様々な船に見捨てられたと言っても差し支えのないお前は、それでも共に戦った乗組員の死は犬死にと言えるか?」


熊野「………わかりませんわ…そんなのわかりません…わたくしは確かに日本に帰りたかったですわ…でも…わかりませんわ」ポロポロ


提督「っす、すまん!泣かすつもりは無かったんだ」


熊野「だ、大丈夫ですわ…」


提督「今日はもう旅館に行こう、疲れてるだろ?」


熊野「少し回らせて欲しいですわ…ここにはわたくしが知らなくてはならないことが多い気がするので…」


提督「……熊野…」
28 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/23(水) 20:09:57.89 ID:IDULw38c0
とりあえずここまでになります。


因みに私自身大和ミュージアムに実際足を運びましたが回天を見たときの衝撃は今でも覚えています。
29 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/24(木) 09:09:58.64 ID:hm2xfx7Zo
大和ミュージアムに16:00着……

その上で、右奥のあのブースから見るんだったら、他を回っている時間がほとんどなくなるぞ?


ましてや、旧日本海軍の軍艦の魂と記憶を持っているのなら一つ一つの展示品が心に突き刺さってくるだろうから。
30 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/24(木) 19:52:00.00 ID:52Ol0HaX0
>>29
確かに18:00までしか見れないので無理かなとは思いましたが進行上次の日に回すことも出来ずじまいでした、ご指摘ありがとうございます。
31 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/24(木) 19:53:19.90 ID:52Ol0HaX0
少しだけですが投下していきます。
32 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/24(木) 19:54:09.22 ID:52Ol0HaX0
―18:18―旅館に向かう道中―


提督「熊野、あのさー」


熊野「?」


提督「どうだった?大和ミュージアムは」


熊野「……正直見ていて辛かったですわ。もちろん面白いところもありましたが…」


提督「旅館に行ったら飯食ってそのあと少し散歩しないか?」


熊野「えぇ…わたくしも少し提督と落ち着いて話したいと思っていましたので」


提督「そうと決まれば旅館に早く行って飯食おうぜ」


熊野「あの…その、こちらのご当地の料理を頂きたいですわ」


提督「何が食べたいとかはあるか?」


熊野「お好み焼きを!」
33 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/24(木) 19:54:54.05 ID:52Ol0HaX0
―19:49―散歩中―


提督「ふぅ…食べたな」


熊野「美味しかったですわね、わたくしには少し量が多かったですが」


提督「俺が食べるハメになったしなぁ」


熊野「あら?美味しかったでしょう?」


提督「まあそうだけどさぁ」


提督(熊野と事実上間接キスしててそんなのどうでもいいくらい恥ずかしいわ)


熊野「ところでどこに向かっているんですの?荷物を旅館に置いてすぐ出掛けましたが」


提督「この近くに公園があるんだよ」


熊野「公園にわざわざこの熊野を連れてくるためだけに散歩を?」
34 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/24(木) 19:55:38.12 ID:52Ol0HaX0
提督「ただの公園じゃ無いさ、この長迫公園は」


熊野「知りませんわよ、わたくしに関係などないでしょう?」


提督「あるよ」


熊野「え?」


提督「ほら、これを見てくれ」


熊野「これは…」


提督「熊野、お前の軍艦だったときの慰霊碑だ」


熊野「……っ」
35 : ◆5Yy.rC7Gbc :2017/08/24(木) 19:57:12.47 ID:52Ol0HaX0
提督「なあ、熊野。もう一度聞いて良いか?お前は、『熊野』に乗って共に戦い日本に帰れぬまま死んでいった乗組員を犬死にだと思うか?」


熊野「…っずるいですわよ…提督は…わたくしがここで…こんなところで答えないなんて出来ないじゃありませんか」


提督「すまない…だがそれでもお前には答えて欲しいんだ」


熊野「負けると分かっていて戦争に行き、戦死する…確かに後世の人間から見れば愚かですわね。ただそれでも…『至烈ノ闘魂、至高ノ練度』の身を挺した行動を『犬死に』『無駄死に』なんてわたくしは思いませんわ」


提督「そうか…ありがとうな」ギュッ


熊野「て、提督!?」


提督「…俺の爺さんはな『熊野』に乗っていたんだよ」


熊野「そう…でしたのね」


提督「あぁ、お前に犬死にじゃないと言って貰えて嬉しかった」


熊野「そんなの…わたくしじゃなくても艦娘なら誰でもそう言いますわよ」


提督「…でも俺はお前に言って欲しかったんだ」


熊野「案外提督も甘えん坊ですのね」ナデナデ


提督「っこ、こら何をする!」


熊野「今位は気張らなくて良いですわ、自然なあなたで居てください」


提督「…ぅう…」
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