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【ガルパン】赤星小梅「これが私の戦車道」
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123 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/27(水) 21:42:02.82 ID:IcWVymKA0
劇場版小説を読むと役人が少しかわいそうになってくる
お上の皮算用に逆らえない小役人って感じで
努力も虚しく母校は廃艦、仲間は散り散り、何てことになってなお戦車道続けられる人間なんてそういないと思うよホント
124 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/09/30(土) 06:23:53.78 ID:kL4kUMK2o
>>123
後半の言動行動が完全にヤケクソにしか見えないのは俺だけじゃないと思う。
125 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/11(水) 00:32:07.27 ID:GfrC5bQfO
ほしゅ
126 :
◆e89DGUUiuE
[sage saga]:2017/10/12(木) 21:31:04.51 ID:KnmTofm+0
ダージリン『御機嫌よう、まほさん。お久しぶりね。貴女から電話してくるなんて何の用かしら?』
まほ「大洗女子学園と練習試合をしたらしいな」
ダージリン『ええ、先日お相手させて頂いたわ。何故それを?』
まほ「副隊長から聞いてな」
ダージリン『そう』
まほ「詳しい話を聞いてもいいか?」
ダージリン『それなら、こんな電話じゃなくて直接会って話さない?
来週、全国大会の抽選会があるでしょう?その後にでも』
まほ「……わかった。時間を作ろう」
ダージリン『楽しみにしていますわ』
127 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/10/12(木) 22:23:46.08 ID:KnmTofm+0
大洗女子学園 生徒会 会長室
ガチャ
小梅「失礼します、あの、話って何でしょうか」
杏「やあ赤星ちゃん、まあ座ってよ」
桃「おい、赤星以外は呼んでないぞ」
沙織「付き添いです!一人で呼び出されて何かあったら嫌だから!」
華「わたくし達がいても問題ないですよね?」
麻子「……終わったら起こしてくれ」
優花里「れ、冷泉殿、ここで寝るのはさすがに」
128 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/10/12(木) 22:25:23.29 ID:KnmTofm+0
桃「なんなんだお前たち!勝手に座るな!」
杏「まあまあ河嶋。一緒に聞いてくれても問題ないだろー別に」
桃「会長がそうおっしゃるなら……コホン。先日の聖グロ戦はご苦労だった。
残念な結果だったが、試合の途中で戦車を飛び出し仲間のもとに向かった赤星の行動が界隈ではそこそこ評判になってるようだ」
小梅「えっ」
柚子「あ、名前は『河嶋梅』で登録されてるし、中継映像に顔も映ってなかったから大丈夫だからね。赤星さんの個人情報は一切出てないから」
杏「去年の黒森峰の事件を思い起こして、ってのもあるんだろうねー。まさかその黒森峰出身者の行動とはみんな思ってないだろうけどねぇ」
小梅「私、わざわざ目立つような余計なことを……」
優花里「赤星殿、そんなこと言わないでください。あの行動は誇るべきものですよ!」
沙織「そうよ!あれは1年の子たちのために……」
杏「いや、私らも悪いとは言ってないって。むしろあれがきっかけでいい話が飛び込んできたんだよね」
129 :
◆e89DGUUiuE
[sage saga]:2017/10/12(木) 22:26:27.59 ID:KnmTofm+0
華「良い話、とは?」
柚子「大洗女子の試合に感銘を受けて、ぜひ戦車を寄付したいって申し出てきた人がいるの」
優花里「戦車を寄付!?本当ですか!?」
桃「しかも整備に必要な諸々も含めて数輌提供しても良いとな。現状5輌しか保有していない我々にとっては願ってもない話だ」
小梅「でも……一体誰が?」
杏「……プラウダ高校隊長のカチューシャって人だよ」
小梅「!!」
杏「去年の決勝戦、仲間を助けるために車長が飛び出し指揮官を失ったフラッグ車を撃破して優勝を掻っ攫った張本人だ」
130 :
◆e89DGUUiuE
[sage saga]:2017/10/12(木) 22:27:04.53 ID:KnmTofm+0
今日はここまで
131 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 06:56:03.30 ID:GvmEvhwy0
カッちゃん...
132 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/13(金) 22:14:11.48 ID:SaTSYPIZO
ガチで自殺者が出たからカチューシャもメンタルが…。
133 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/14(土) 00:48:47.97 ID:1XmUzYoH0
実は飛び降りたのは特殊カーボンで精巧に作られた影武者で、本物はどこかで生きてるんでしょ?
そうだと言ってくれ
134 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/10/30(月) 00:06:05.92 ID:YuqyipD20
沙織「じゃ、じゃあその人のせいで小梅の友達は自殺……」
華「沙織さん!」
小梅「……カチューシャさんのせいじゃないよ」
沙織「あ……そうだよね、事故だもんね。ごめん、私つい……」
桃「ゴホン……その件が支援の理由と関係あるかどうかは我々のあずかり知らぬところだ」
杏「だけど貰えるものは貰っておかないとね〜」
優花里「あの、提供される戦車は!?T34ですか!?それとも」
桃「落ち着け。詳しいことはまだ決まっていないが、プラウダとは来週会って打ち合わせをすることになった」
135 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/10/30(月) 00:07:43.51 ID:YuqyipD20
優花里「あれ?ですが来週は確か」
桃「全国大会の抽選会がある。打ち合わせはそれが終わった後だ」
杏「それでその打ち合わせ、赤星ちゃんにも同席してほしいそうなんだよねぇ」
小梅「え、えぇ!?」
小梅「対外的には河嶋先輩が隊長をやるからそういう場には顔を出さなくていいって約束じゃ……」
杏「それが、プラウダ側の希望でさ。戦車を飛び出した勇気ある人に是非会いたいって言うんだよ」
小梅「で、でも抽選会には各校が集まるし、そんな場にいくわけには……」
杏「抽選会には来なくて大丈夫だよ。終わった後に近くの喫茶店で待ち合わせて、って段取りだから」
優花里「ですが会場近くの喫茶店には他の抽選会終わりの生徒が来る可能性がありますよね」
136 :
◆e89DGUUiuE
[sage saga]:2017/10/30(月) 00:08:47.38 ID:YuqyipD20
杏「顔を見られちゃうかもしれないよねー。だからちょっと考えたんだけど、秋山ちゃん、代役やってみない?」
優花里「へ?」
杏「いやだって、そもそも『河嶋梅』の顔なんて誰も知らないんだからさ。秋山ちゃんがそう名乗ってプラウダと会ってくれれば万事解決でしょ?
まー他の子でも良いんだけど戦車道の知識的に秋山ちゃんが適任だよね」
華「それは相手を騙すということですか?」
杏「誰も損しないんだから良いっしょ?」
華「ですが優花里さんの負担が……」
優花里「やります!元はといえば私が赤星殿を誘ってしまったわけですから、このくらいやらせてください」
小梅「秋山さん……」
桃「決まりだな」
137 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/30(月) 09:40:05.57 ID:WG20jLhw0
乙
色々こじれていくなぁ
続きが気になる
138 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/30(月) 12:18:16.60 ID:fGs2uBiHo
乙ー
139 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/10/30(月) 21:20:55.20 ID:BRzJMT/4O
更新待っていました。
まぁ、会長の考えは妥当と言えそうですね。
ゆかりんも生徒会との取引?で小梅を引き込んだ負い目が有るだろうしね。
さて、ダー様やまほの目をどれだけ欺けるか…いや、難しいか。
140 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/11/03(金) 19:49:13.06 ID:YFAR/tXp0
141 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/11/03(金) 19:50:13.95 ID:YFAR/tXp0
杏「ありがとねー!話はウチらが進めるから秋山ちゃんは挨拶して適当に座ってれば大丈夫だから。
話を振られてもおどおどしないで堂々と答えてね」
優花里「はい」
小梅「秋山さん、ありがとう……」
優花里「気にしないでください!」
柚子「抽選会に参加するのは会長と桃ちゃん、秋山さん、それに私ですね」
桃「私達がいない間もしっかり自主練するんだぞ。赤星が指揮をしろ。
あと桃ちゃんと呼ぶな!」
小梅「はい……」
142 :
◆e89DGUUiuE
[sage saga]:2017/11/03(金) 19:51:01.93 ID:YFAR/tXp0
抽選会終了後 会場付近
桃「初戦の相手はサンダースか……」
優花里「優勝候補の強豪です……」
桃「だが絶対に勝たねばならんのだ!」
優花里「な、なんでそこまで……?」
柚子「あ、あそこのお店ですよ。打ち合わせする喫茶店」
優花里「『戦車喫茶ルクレール』!戦車好きなら誰もが知ってる有名店じゃないですか!」
杏「じゃ、入ろうか」
143 :
◆e89DGUUiuE
[sage saga]:2017/11/03(金) 19:52:06.86 ID:YFAR/tXp0
コソコソ
沙織「お店に入ったみたいだね」
華「なんだか尾行みたいでワクワクします」
麻子「これ以上は近づかないほうがいいぞ」
小梅「みんなごめんね、私のわがままで付いてきてもらって。本当は自主練があったのに」
沙織「いいってば。小梅がゆかりんを心配する気持ちわかるし」
麻子「あの生徒会のことだからな。何か企んでるかもしれん」
華「しかし道端にずっと隠れているわけにも行きませんね」
小梅「戦車喫茶の向かいのコンビニに入りましょう。そこならしばらく居てもたぶん怪しまれません」
麻子「コンビニなら喫茶店と違って赤星さんもマスクと帽子をしっぱなしで大丈夫だしな」
沙織「さすが、事前に調べてたのね。了解!」
144 :
◆e89DGUUiuE
[sage saga]:2017/11/03(金) 19:52:58.90 ID:YFAR/tXp0
エリカ「一回戦は知波単学園、楽勝ですね」
まほ「油断はするなよ」
エリカ「当然です。それより隊長、このあと時間があったらお茶でも……」
まほ「悪いがダージリンと近くの喫茶店で会う約束をしている。先に帰っていてくれ」
エリカ「あっはい……私も同席してはダメですか?」
まほ「隊長同士の話だ。すまないな」
エリカ「で、でしたらお店の前で待ってます!一緒に帰りましょう」
まほ「エリカ、副隊長だからってそこまでしなくてもいいんだぞ。私に気を遣いすぎじゃないか?」
エリカ「そんなことはありません。私がそうしたいだけですから」
まほ「そうか……」
145 :
◆e89DGUUiuE
[sage saga]:2017/11/03(金) 19:53:56.69 ID:YFAR/tXp0
まほ「この店だな」
エリカ(『戦車喫茶ルクレール』……私が隊長を誘おうとした店だわ!)
エリカ「ではお待ちしています」
まほ「すまないな。なるべく早く済ませる」
スタスタ
エリカ「ふう……向かいのコンビニで時間でも潰してようかな……」
ピンポーン イラッシャイマセー
エリカ「コンビニで時間潰しなんて、まるであの子みたい……」
146 :
◆e89DGUUiuE
[sage saga]:2017/11/03(金) 19:54:24.48 ID:YFAR/tXp0
今日はここまで
147 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/03(金) 20:22:39.91 ID:W+AxMwb+O
あっ…
あと
>>140
のレスの内容が何も表示されないんだけど
148 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/03(金) 20:29:16.10 ID:4zEkgruQO
>>147
すいません140はミスなので普通に何も書いてないです
149 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/03(金) 22:16:45.41 ID:X10oLZg3o
乙ー
150 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/04(土) 18:51:44.02 ID:KVbSol430
面白いです。自分のペースで頑張ってください。
151 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/05(日) 15:04:17.60 ID:C3+cwulYO
乙です。
エリカと小梅がルクレールに…嵐の予感だ
152 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/06(月) 09:35:55.29 ID:QwX6ARAE0
さすがエリカ
外さないな
153 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/20(月) 08:05:00.81 ID:xwvfem0YO
ほ
154 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/11/20(月) 15:12:54.96 ID:YtzSJFj8o
も
155 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/04(月) 06:20:49.84 ID:bWvFVI3O0
あ
156 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/04(月) 10:30:40.50 ID:8BKmGEgIo
な
157 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/12/05(火) 05:53:38.43 ID:2TMcevn90
い
158 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/05(火) 08:32:44.21 ID:P7Ph+3Ggo
る
159 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/05(火) 11:27:50.36 ID:gKvPD+rSO
あの子…小梅…うっ頭が
160 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:00:43.61 ID:JpJ6+LY90
長らくお待たせしました。最終章に間に合いませんでしたがこれで最終回です
161 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:01:21.72 ID:JpJ6+LY90
沙織「見てみて!このケーキ美味しそうじゃない?」
小梅「新商品だね」
沙織「買って帰ろうか?ゆかりんの分も」
麻子「全面的に同意する」
華「何しに来たか忘れてませんか?あ、わたくしは3つよろしいですか」
小梅「あはは……」
エリカ「……?」
エリカ(何か聞き覚えのある声が……)チラッ
162 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:03:09.06 ID:JpJ6+LY90
小梅「こっちのモンブランは前に買ったことがあって、美味しかったよ」
沙織「そうなんだ〜迷うなー」
エリカ「!!」
エリカ(マスクと帽子で目元しか見えないけど……まさか……そんな……?)
エリカ(いや、そんなことあるわけ……でも……)
エリカ「……」スタスタ
小梅「それで、あっ……!」
エリカ「……」ジー
華「あの、何か……」
麻子「こっちをすごい見てるなあの人」
小梅「そ、そろそろ出ようか?」スー
163 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:04:15.83 ID:JpJ6+LY90
エリカ「っ!待って!」
沙織「うわ!こっち来た!」
エリカ「顔を見せて!」ガッ
小梅「あっやめっ……」バッ
ブチッ ストッ
沙織「ちょっと!いきなりマスク取り上げるなんて何!?変態!?」
小梅「……」
エリカ「あ、あ、あ……」ガクン ドサッ
麻子「今度はいきなり尻もちついたぞ。本当に何なんだ」
164 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:05:03.67 ID:JpJ6+LY90
エリカ「嘘……何で……」ガクガク
小梅「エリ……逸見さん……」
エリカ「何であなたがっ……」
沙織「小梅の知り合い……みたいだけど」
華「小梅さんの前の学校のお友達ですか?」
小梅「えっと……」
165 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:06:06.94 ID:JpJ6+LY90
エリカ「は……?何言ってるの……?」
エリカ「この子は……小梅なんかじゃない!!」
麻子「そっちが何を言ってるんだ。本当に赤星さんの知り合いか?」
エリカ「だから違う!!この子の名前は西住みほ!!私達の元副隊長よ!!」
「…………」
沙織「へ?」
166 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:06:37.49 ID:JpJ6+LY90
華「西住みほさん……確か優花里さんが言っていた……」
沙織「自殺しちゃったっていう……」
麻子「……ああ」
エリカ「そ、そうよ……!死んだはずなのに……!」
小梅「……」
エリカ「何とか言いなさいよ……!」
小梅「……ごめんなさい!!」
ダッ
167 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:07:13.78 ID:JpJ6+LY90
沙織「小梅!?」
エリカ「ま、待って!」
ザワザワ……
華「あの、他の方の迷惑になっているようですし、わたくし達も一旦外に出ませんか?」
沙織「そうだね。変に注目されちゃってるし……」
華「立てますか?」スッ
エリカ「……た、隊長に報告を……」フラフラ
168 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:08:05.36 ID:JpJ6+LY90
戦車喫茶ルクレール
まほ「……これはどういうことだ?2人で会う予定だったはずだが」
ダージリン「私がお招きしたの。こちらは大洗女子学園の戦車道チームの皆さん」
杏「いやーどうもどうも」
優花里「……あ、あの」
ダージリン「カチューシャとノンナは紹介するまでもないわね」
カチューシャ「よくカチューシャの前に現れたわね」
ノンナ「こんにちは」
まほ「何のつもりだ」
169 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:08:53.82 ID:JpJ6+LY90
ダージリン「ちょっと確かめたいことがあってね。ね、河嶋梅さん?」
桃「おい!」
優花里「あ、はい!」
ダージリン「カチューシャにお願いして呼んでもらったんだけど、おかしいわね?
私が試合の時に見た『戦車を飛び出した人物』とは違う方みたいだけど?」
桃「!!そ、それはっ!すまなかった!ええと、本人が体調不良でその、代役をだな……」
ダージリン「あら、やっぱりそうでしたのね。私も試合の時に顔は良く見えなかったんだけど、別人でしたか」
桃「な!!カマをかけたな貴様!!」
柚子「桃ちゃん……」
170 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:10:14.91 ID:JpJ6+LY90
まほ「私に関係ない話を続けるなら帰らせてもらうぞ」
カチューシャ「待ちなさい!」
ノンナ「最後まで付き合ってもらいますよ。西住まほさん」
ダージリン「ウチの情報部の調べによると、河嶋梅なんて人は大洗に存在しないわ。
まあ戦車道の選手登録は本名である必要はないから、河嶋梅の本名は別の名前、ということになるんだけど」
まほ「誰が何を名乗ろうと勝手。紅茶の名前よりはマシじゃないか」
ダージリン「戦車を飛び出すと言えば、去年の決勝戦のことを思い出すわね。カチューシャ」
カチューシャ「嫌でも忘れないでしょうね。カチューシャのおかげでプラウダが優勝して……そのせいで人が死んだんだから」
ノンナ「この1年間、部外者からの心無いバッシングにカチューシャは耐え続けました。
これは私達が背負うべきものなのだ、と……」
171 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:11:40.72 ID:JpJ6+LY90
優花里「あのっ、きょ、今日はこのへんでもう、あの」
ダージリン「貴女も何か言いたいことが?」
優花里「そ、その……」
ダージリン「……最初は戦車を飛び出すという行動からちょっと連想しただけなのよ。
それで調べているうちに、黒森峰から1人の生徒が大洗に転校していることがわかったの。名前は赤星小梅さん。まほさんはご存知?」
まほ「元隊員だ。当然知ってる。転校先は知らなかったが」
ダージリン「でしたら、なぜ電話までして私に接触しようとしてきたのかしら?
大会期間中の重要な時期に知りもしない高校の話を私としようと?」
まほ「……エリカに情報を意図的に流したのか?」
ダージリン「私の予想が正しければ、試合で河嶋梅と名乗っていたのは赤星小梅さん、そして、赤星小梅さんの正体は」
まほ「やめ……」
172 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:12:37.15 ID:JpJ6+LY90
エリカ「隊長!!!」
まほ「エリカ……?」
エリカ「はあ、隊長!そこに!!はあ、はあ、いたんです!死んだはずの元副隊長が!!」
エリカ「みほが……!みほが生きていました!!」
まほ「……!」
ダージリン「私が言うまでも無かったわね」
カチューシャ「ふぅん。そういうこと」
沙織「え、追いかけてきたら何?この状況」
華「聖グロリアーナの皆さんが何故ここに?」
173 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:14:29.82 ID:JpJ6+LY90
優花里「武部殿!五十鈴殿!来てたんですか!?」
沙織「うん、小梅が心配だからって。麻子も……ってあれ?麻子は?」
華「いつの間にかいなくなってますね」
沙織「そうそう!それでこの人が小梅を見て騒ぎ出しちゃって……」
エリカ「だからあの子は赤星じゃないって言ってるでしょ!」
カチューシャ「じゃあその赤星はどこにいると思う?」
エリカ「は?」
カチューシャ「自殺したはずの西住みほが生きていて、赤星小梅と名乗っていた。
じゃあ、『本当の赤星小梅』はどこにいるのかしら?」
エリカ「…………!」
174 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:15:37.95 ID:JpJ6+LY90
エリカ「うそ、そんな……で、でも!西住家で葬儀までやって……!」
ノンナ「みほさんのご遺体は見たのですか」
エリカ「それは……見てないけど……学園艦から飛び降りて、さらに数日後に見つかったから……とても見せられる状態じゃなかったって……」
ノンナ「じゃあなぜ発見された遺体がみほさんだと?」
エリカ「元副隊長の部屋に遺書が残ってたのと……隊長が遺体を確認して……」
エリカ「……隊長?」
まほ「…………」
エリカ「隊長、まさか……!?」
175 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:17:03.58 ID:JpJ6+LY90
まほ「私を疑うつもりか?エリカ」
エリカ「で、でも」
まほ「みほは死んだ!!」
タタッ
みほ「もうやめて!お姉ちゃん……」
まほ「!?な、何故ここに」
麻子「……大体予想通りの展開になってるな」
176 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:18:01.84 ID:JpJ6+LY90
沙織「麻子!小梅!どこ行ってたの!」
麻子「赤星さんを追いかけてた。早まったりしないようにな」
みほ「止めてくれてありがとう、麻子さん」
麻子「いや、赤星さんじゃなくて西住さんだったか」
沙織「小梅、どういうことなの?」
みほ「ごめんなさい。沙織さん」
華「わたくし達が今まで一緒に過ごしてきたのは、西住みほさんだったと……」
みほ「うん、華さんも……騙しててごめんね」
177 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:19:51.50 ID:JpJ6+LY90
みほ「秋山さんも、私を気遣ってずっと秘密にしてくれて、ありがとう……」
優花里「そ、そんな……申し訳ありませんでした。私が戦車道に巻き込んでしまったばっかりに……」
沙織「えー!!ゆかりん知ってたの!?」
優花里「決勝戦の録画は何回も観ましたから……一目見ればわかります」
杏「いやー、いきなり会ってたら秋山ちゃんもパニックになってたんじゃない?」
華「まさか会長も知ってて?」
杏「そんなことないよー。偶然だよ偶然。
秋山ちゃんのお家にお邪魔して、『赤星ちゃんの写真』を見せて交渉をお願いしただけだって」
優花里「……あの時の私の気持ちは本心です……どうしても伝えたくなって……気持ちが溢れてしまって。本当に申し訳ありません!」
みほ「ううん。私は間違ってなかったって言ってくれて、嬉しかったよ」
みほ「もしかしたら生徒会と何か企んでるんじゃないかってちょっと怖かったけど……良かった。ありがとう、優花里さん」
優花里「あ、あうう」
178 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:21:07.30 ID:JpJ6+LY90
まほ「みほ……何故また戦車道を始めてしまったんだ」
エリカ「隊長……どういうことですか……どういうことなんですか!赤星をどうしたんですか!!」
まほ「……もう察しはついてるんだろう……私が赤星を殺した」
179 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:21:59.90 ID:JpJ6+LY90
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1年前
黒森峰女学園 みほの部屋
ピンポーン
ピンポーン
みほ「……」
ピンポーン ドンドン
みほ「はい……」
180 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:22:55.22 ID:JpJ6+LY90
ガチャ
みほ「お姉ちゃん……」
まほ「いるならすぐに出てくれ……ひどい顔だな。まだ何も食べてないのか」
みほ「喉を通らなくて……」
まほ「今回の試合、お前は何も悪くない。私の指揮が……」
みほ「ごめんなさい……みんなが私を責めないでくれてるのはわかってる。でも……」
まほ「……今はとにかく食事と睡眠が必要だな。私が何か作ろう……」スタスタ
みほ「あ、待って……!」
まほ「この机の上にあるものは……なんだ?手紙??」ペラッ
181 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:24:50.36 ID:JpJ6+LY90
まほ「……みほ!これは遺書か!?」
まほ「死ぬつもりなのか!?」
みほ「……もう、耐えられなくて……苦しくて……だけど戦車道をやめるなんて、誰も許してくれないし……だったらもう……」
まほ「落ち着いてくれ。そんなに辛いのならもう戦車を続ける必要はない」
みほ「お姉ちゃんが良くても、お母さんが許してくれるかな……もしお母さんが許してくれても……私が辞めたら色んな人に迷惑をかけちゃう……そんなの見たくない……」
まほ「……」
まほ「……わかった。なら誰からも干渉されない、戦車道のない学校に転校させる」
みほ「そんなことできるの?」
まほ「できるさ。だから早まった真似はするな。念のためこの遺書は預かっておくぞ」
まほ「明日また来る」
182 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:26:18.58 ID:JpJ6+LY90
学園艦左舷側公園
まほ「すまなかったな。こんな時間に呼び出して」
小梅「いえ……あの、今回は皆さんに迷惑をかけて本当に……」
まほ「そんなことを責めるために呼んだんじゃない。退院してから体調はどう?」
小梅「病院の先生にはしばらく自宅で安静と言われましたが、すぐにでも練習に復帰したいです」
まほ「そうか」
183 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:27:34.18 ID:JpJ6+LY90
小梅「皆さんに迷惑をかけたから、復帰したら誰よりも練習して次の試合ではもっと戦力になるために頑張ります」
まほ「そうか……赤星。頼みがあるんだが、やってくれるか?みほの為にどうしても必要なことなんだ」
小梅「みほさんの為……?はい。私にできることなら何でもやります!」
まほ「そうか……すまないな」
ドンッ
小梅「えっ……」
184 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:29:20.88 ID:JpJ6+LY90
次の日
みほの部屋
ガチャ
まほ「みほ、戻ったぞ。外出の支度をしろ」
みほ「お姉ちゃん?もう夜だけど……」
まほ「お前の転校の為に色々と手続きをな……ほら、すぐに出るぞ。連絡船の最終便まで時間がない」
みほ「今から学園艦を出るの!?」
まほ「そうだ。荷物は最低限の衣類以外は持っていくな。それから個人情報が書かれたものは全部ここに置いていけ。
もちろん携帯や財布も。お金は私が用意したものを使って、携帯は転校先についたら私が新しいものを送ってやる」
みほ「ボコのぬいぐるみは持っていっちゃだめ……?」
まほ「駄目だ。お前につながるようなものは全部」
みほ「じゃ、じゃあひとつだけ!お姉ちゃんに昔、誕生日にもらったこの子だけは……」
まほ「わかった……それだけだぞ。それから転校先では新しい名前で生活をしてもらう。お前を守るためだ」
185 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:31:11.31 ID:JpJ6+LY90
みほ「え??」
まほ「これが書類。あっちではこの名前を名乗れ」
みほ「『赤星小梅』……?なんで私が小梅さんの名前を」
まほ「お前が知る必要はない。とにかく、その情報をお前の情報として覚えろ。誰かに聞かれてもちゃんと応えられるようにな」
みほ「…………お姉ちゃん」
まほ「何も聞くな」
みほ「……うん」
まほ「もう二度と会えないかも知れないが、元気で。
みほがいなくても私が黒森峰と西住流を支える。安心して遠くで見ていてくれ」
186 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:32:03.29 ID:JpJ6+LY90
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
現在
エリカ「隊長が……赤星を……」フラッ
沙織「ちょ、ちょっと!しっかり!」
華「あまりにも酷すぎます」
ノンナ「貴女のせいでカチューシャがどれだけ傷を負ったか。恥を知りなさい」
カチューシャ「カチューシャのことなんかより……自分の隊員にそんなことするなんて許せないわ!」
ダージリン「みほさんを夜逃げさせるだけじゃ駄目だったの?」
まほ「皆が探し続ければいずれ見つかる。死んだことにすれば悲劇として終わる。赤星は両親がいないから都合が良かった。それだけだ」
187 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:33:31.88 ID:JpJ6+LY90
みほ「本当はお姉ちゃんが何をしたかわかってた……でも怖くて聞けなかった」
みほ「お姉ちゃん、2人で自首しよう?償えることじゃないけど……」
まほ「うん……」
桃「会長!?大変なことに……これでは優勝なんてとても……」
杏「私たちも偽名に気付かないで転校を受け入れちゃった責任はあるからね。仕方ないでしょー」
エリカ「ま、待ってください!隊長!!黒森峰はどうなるんですか!私はどうすればいいんですか!!」
まほ「私はもう隊長じゃなくなる」
まほ「あなたの好きにすれば良い」
エリカ「……!」
188 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:34:30.92 ID:JpJ6+LY90
沙織「小梅!!じゃ……なくて、ええと、みほ」
みほ「?」
沙織「名前は違ったけど、私たちはずっと友達だと思ってるからね!」
華「ええ。また会いましょう」
優花里「戦車道、続けますから……」
麻子「そこそこ楽しい日々だった」
みほ「みんな、ありがとう……私も、楽しかった……」
189 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:35:34.04 ID:JpJ6+LY90
------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
半年後
熊本県 とある墓地
沙織「ついた!ここだね」
優花里「やっと来ることが出来ました」
麻子「うむ」
華「赤星小梅さん……どうか、安らかに」
「「「「……」」」」
190 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:37:07.01 ID:JpJ6+LY90
ザッザッ
優花里「あ、誰か来ましたよ」
エリカ「!あなた達は……」
沙織「あ、あの時の……」
エリカ「わざわざ来てくれたのね。本人と会ったこともないのに」
華「はい。それでも来るべきだと思いましたから」
エリカ「そう……」
優花里「あの、黒森峰の話……聞きました」
エリカ「別に同情しなくていいわ。戦車道メインだったウチが大会出場停止になって、西住流関係者は連盟の役職を解かれ、門下生も激減、流派は実質消滅……廃校になるのは当然でしょ」
191 :
◆e89DGUUiuE
[saga]:2017/12/11(月) 00:38:22.51 ID:JpJ6+LY90
華「これからどうされるんですか?」
エリカ「黒森峰じゃなくても戦車道は出来るもの。いつか2人の代わりに西住流を再興させてやる。私が信じた西住流を……」
沙織「そっか……」
優花里「そろそろ行きましょう」
沙織「うん……じゃあまたね、小梅」
赤星小梅「これが私の戦車道」
おわり
192 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 00:38:57.32 ID:OQTiNrBB0
………え?………え!?
193 :
◆Jew5hEk/8s
[saga]:2017/12/11(月) 00:39:35.64 ID:JpJ6+LY90
読んでくれてありがとうございました
#正体はみほ
194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 00:43:06.34 ID:rYzItPzwo
これが叙述トリックというやつか
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 00:44:53.56 ID:rJDXW9rM0
これ戦シリーズはギャグからシリアス、サスペンスホラーなんでもありだな
超展開すぎたけど
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 00:47:44.04 ID:ZoAwnp7uO
最初からこの結末で行くつもりだったのか?
だとしても打ち切り感半端ないな
あとまほは殺人罪+私文書偽造として、みほの方は身分詐称だけど情状酌量になるんじゃないの?
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 02:48:28.36 ID:ztcZ5/7ro
なんか急展開でびっくりしたけど完結乙ー
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 02:56:50.54 ID:YtcznJBe0
乙
エリカには頑張って欲しい…
199 :
◆e89DGUUiuE
[sage]:2017/12/11(月) 09:40:16.51 ID:/EPU9q0Bo
乙
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 10:32:10.91 ID:vEnKfe140
でもとりあえず完結できてよかった
どんなに面白くても完結できていないのよりはいいと思う
最初から追っかけて途中まで楽めたのは確かだから
乙でした
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 15:18:27.28 ID:pZOpSQX40
完結乙です…最後が意外でしたが
みほが本当に亡くなっていて、小梅本人が大洗に転校してくるのも読んでみたいかな
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/12/11(月) 21:41:43.60 ID:o0CiG4UrO
乙でした…?
ただ、打ち切り感が半端ないからちょっと残念。
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/12/31(日) 05:44:20.52 ID:roGKsTsN0
乙
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2018/04/01(日) 05:42:13.76 ID:LEgPkxlV0
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