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モバP「アイドルたちが異能力者になったから安価でなんとかしろって!?」
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194 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/26(土) 20:47:28.68 ID:OT/Fm0Mno
蘭子「ハーッハッハッハ! 褒めてあげるわ、姫君(シンデレラ)を従えし者。しかし我が魔力は看破されたところで輝きを失うことはない!」
P「ならばその宝具を携えて我に向かってくるか!」
蘭子「もちろ……んっ、ぐっ、あれっ、ちょっと……」グッ
P(重くて持てないのか……ハンマーとか槍とかゴツいのばっか出すから)
蘭子「ふ、フフ……ほっ、宝具など使わずともこの魔装に宿りし力のみで十分ッ!」
P「ほう……では我が『姫君』の力を少しだけ見せてやろう。『月』よ、歌を奏でろッ!」
P(「Hotel Moonside」!)スッ
ズウゥゥン……
蘭子「……! こ、これはっ……!?」フワァン
P「クハハハハ! 『月』の前にはいかなる抵抗も無意味! そして次が決着の一撃となる!」
蘭子「くっ……!」フワフワ
P「はああああっ!」ビシュッ
P(「おねだり Shall We 〜?」!)
195 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/26(土) 20:48:29.45 ID:OT/Fm0Mno
シーン
P「……あれ?」
ヒューン……
蘭子「ひゃうっ!」ドサッ
P「これは、まさか……!?」
晶葉「10時だ! コピーした異能がリセットされてしまったんだ!」
P「や、やっぱり……」
裕子「えっ? どういうことです?」
幸子「それはですね────」セツメイ
裕子「ええっ!? だ、大ピンチじゃないですか!」
晶葉「調子に乗っているからだぞ……!」
P「す、すいません……」
まゆ「大丈夫ですか? 合体しますか?」
幸子「事あるごとに合体を提案しないでください!」
蘭子「クク、ハーッハッハ! 姫君を従えていない主は翼の折れた天使も同然! 最早我が魔力の前に屈するのみ!」
P「コピーした異能が消えても俺にはまだ『お願い!シンデレラ』がある! もう手加減無しだからな!」
晶葉「おいっ、手加減していたのか!?」
P「あっいや、それは言葉のあやで……」
蘭子「ククク、力を隠していたのは我も同じ。我が魔力は『華蕾夢ミル狂詩曲〜魂ノ導〜』だけに非ず!」
P「何ッ!?」
P(ま、まさかまゆのように異能を二つ持っているのか……!?)
蘭子「これこそが我が最大の魔力にして神髄ッ! ……『LEGNE』ッ!」
ここからが本気の戦い(?)蘭子第二の異能、「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律」の能力とは!?
↓2
196 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 20:50:23.42 ID:DvfS7en9o
まぶしい光で攻撃の
命中率を下げてくる
197 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 20:50:38.96 ID:jikAVjiho
影をカラスに変化させて襲いかからせる
光が強く影が濃く出る場所ほど強力に
198 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 20:51:05.52 ID:JUaNH0bH0
光の剣を出す
199 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/26(土) 21:07:48.84 ID:OT/Fm0Mno
シュルルルッ
P(な、なんだ!? 蘭子の影が変化していくッ!?)
バサバサバサ……シュタッ
蘭子「我が影が作りししもべ、『LEGNE』……漆黒の翼は全てを呑み込みし暗黒」
影カラス「グァーッ!」
P「相変わらず何言ってるか分からんが……カラス一匹で俺を止められると思うか!?」タッタッタッ
蘭子「『一匹』……? 否ッ!!!」クイッ
バサバサバサ!
乃々「ひゃううっ!? か、カラスがたくさん……!?」ガタガタ
P「何ッ!? カラスを生み出せるのは自分の影からだけではないのかッ!」
幸子「ぼ、ボクたちの影もカラスに……!」
蘭子「往けッ! 『LEGNE』!」
影カラス「グァーッ!」バサバサバサ
P「くっ、この野郎!」バシッ
影カラス「グァッ……」シュウゥ……
P(! パンチ一発で消えた……?)
影カラスたち「グァーグアーガー!」バサバサバサッ!
P「ぐあああああっ!」
200 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/26(土) 21:22:46.93 ID:OT/Fm0Mno
まゆ「Pさんっ!」ダッ
晶葉「待てまゆ! 今近づくとやられるぞ!」ガシッ
まゆ「でもっ……!」
裕子「わ、私のサイキックならこの距離からでも!」スッ
影カラス「グアーッ!」シュバババッ
乃々「ひいっ!? は、羽根が……」
蘭子「この戦いは我と姫君を従えし者との決闘……『瞳』持たざる者が介在するのは禁忌!」
影カラスたち「グアーッ、ガー……」バサバサバサ……
P「っ、参ったな……ここまで物理で押してくる相手は初めてだぜ……」ボロボロ
晶葉「助手……!」
蘭子「……やはりこの魔力には対抗出来ないようね」
P「そいつは、どうかな……何匹かはパンチ一発で消えるほど弱っちかったぞ」
P(もっともそれは強い個体も居るということ……影が関係しているのか)
蘭子「フッフッフ、我が『LEGNE』は仇なす者を討つための魔力……そして『魂ノ導』と『LEGNE』が合わさることによって我の真の力が目覚めるのだッ!」
P「何回真の姿だとか力だとかが出てくるんだよ……ッ」
201 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/26(土) 21:43:44.45 ID:OT/Fm0Mno
蘭子「『華蕾夢ミル狂詩曲〜魂ノ導〜』ッ!」ピカァァァァァッ!
P「っ、眩しい……」
蘭子「『魂ノ導』の光によって影はその闇を更に深め、『LEGNE』はその魔力を高める……」
P(濃い影はより強いカラスを生み出すということか……!?)
蘭子「その『光の旋律』によって『LEGNE』は『仇なす剣』を持つ者になるッ!」
P「…………。?」
P(ヤバい、今度は何言ってるかマジで全然分からんッ……!)
影カラスたち「グァーッ!」ガシッガシッガシッ
P「こ、これはッ……!?」
晶葉「カラス一匹一匹が具現化された武器を拾った!」
幸子「あ、あれでプロデューサーさんを攻撃するつもりじゃ……」
まゆ「そんな……!?」
P「ちょっ、ちょっと待て蘭子ッ! それはマジに死んでしまうッ!」
蘭子「クックック、決闘とはすなわち互いの魂を懸ける戦い……その終焉は神々の黄昏ともに我を緋に染めるの」
P(お、俺を本気で殺すつもりってことかよッ! まずいッ! あのカラスどもを何とか消さなくてはいけない!)
P(その方法は分かる、光を完全に消せばいい! ……しかし、そのための手段はッ!? )
P(電気のスイッチはちょうど蘭子が立っている位置のすぐ左……そこまで近づけるのか!?)
P「いや、やるしかない……やらなきゃやられる……!」
選択肢(二つ正解)
1.一か八か特攻する
2.幸子! 「To my darling…」だッ!
3.サイキックテレポーテーション!
4.合体ッ!
5.森久保、ひっそりお願い!
6.土下座して負けを認める
↓2
202 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 21:47:50.01 ID:DQnSXHI4O
3
203 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 21:48:01.74 ID:2AsJSku6O
2
204 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 21:48:20.04 ID:JUaNH0bH0
1
205 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 21:50:13.36 ID:P0xC85ulo
4
206 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/26(土) 22:41:44.09 ID:OT/Fm0Mno
正解!
P(正攻法じゃどう考えても無理だ……こうなったら!)
P「幸子! 『To my darling…』だッ! 異能をコピーさせてくれ!」
幸子「ええっ、ぼ、ボクですか!?」
P「頼む……!」
幸子「プロデューサーさん……フフーン! 分かりました、このカワイイボクにお任せです!」タッタッタッ
蘭子「従えし者自ら禁忌を犯すと……!?」
P「悪いがここで死ぬつもりは無いんでな! ……幸子!」ダキッ
幸子「プロデューサーさんっ!」ギュッ
蘭子「『LEGNE』! 禁忌を犯した者に血の断罪をッ!」スッ
影カラスたち「」バサッバサッバサッ
P(これは……重い武器を持っている分、動きが遅いのか!)
P「……10秒! よし、幸子カワイイ! 幸子カワイイ! 幸子カワイイ!」
幸子「こ、今度はどうしたんですか!?」
P「カワイイと褒めるほど幸運になるッ! 幸子ももっと自画自賛しろ! じゃないと……死ぬぞ」
幸子「! ぼ、ボクはカワイイ、ボクはカワイイ、ボクはカワイイ……」
P「そうだ! 幸子カワイイ! 幸子カワイイ 幸子カワイイカワイイカワイイ!」
影カラス「グアーーッ!」ビシュン!
P「や、槍がッ!」
P(ええい、ままよ!)ヒラッ
幸子「ボクは、死んでもカワイイ……?」
ビリリッ!
207 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/26(土) 22:42:50.16 ID:OT/Fm0Mno
P「さ、幸子ッ! ……って」
幸子「な、ななっ……なんでスカートがきれいに破けるんですかーっ!」スルッ
P(や、やばい、チラどころかモロだっ、下半身パンツだけだーッ!)ギュッ
幸子「何でまた抱きつくんですかぁっ!」
P「隠すためだから! 隠すためだから!」ギュウッ
P(やはりさっきから何かおかしいような、ラッキースケベ的な事が起こりすぎなような……!?)
蘭子「あの、わざとじゃない、から……」カアアッ
P「しめたッ! 蘭子がちょっと申し訳なさそうに恥ずかしがってるッ!」
幸子「やけに説明口調ですね!?」
P「今しかないッ……行くぞ幸子ッ! パンツもカワイイ!」タッタッタッ
幸子「とか言いつつお尻から持ち上げないでくださいーーーっ!」
P「急いで移動するためだから! ……蘭子ッ! 光を消せば影は生まれないぜ!」
蘭子「! しまっ────」
パチッ! シュゥン……ガタンガラン!
蘭子「我がしもべ達が……!」
P(よし……カラスたちは消え、武器は床に落ちた!)
208 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[saga]:2017/08/26(土) 22:43:52.04 ID:OT/Fm0Mno
P「暗闇でも蘭子はすぐそこに居ると分かっているッ!」バッ
幸子「わっ!?」 ドサッ
ダキッ
蘭子「! 従えし者よ、我もそなたの軍門へ下そうというのか……!?」
P「ブリュンヒルデの魔力は我が貰い受ける! 堕天使は姫君となり、そして浄化を! (10秒だッ! 続いて解毒剤!)」
蘭子「それも、月の女神が決めし運命(さだめ)……なのか……」ゴクッ
パタリ
P「勝ったッ! ……幸子、もう電気付けていいぞ?」
幸子「むっ、無理に決まってます! まだぱっ、パンツだけなんですからねっ……!」
P「あ、そうか……」
まゆ「……Pさん?」スタッ
P「ヒッ! ま、まゆ、この暗闇でどうして俺の位置が……」
まゆ「何度も言ったじゃないですかぁ。『通じあってる』って……」スッ
P「結局こうなるのォーーーッ!?」
神崎蘭子「華蕾夢ミル狂詩曲〜魂ノ導〜」「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律
」────再起可能
209 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 22:44:19.27 ID:OT/Fm0Mno
続きはまた今度書きます
210 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/26(土) 23:02:17.09 ID:jikAVjiho
おつー
211 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/27(日) 07:17:23.02 ID:U4hAFhU0o
…
……
P「蘭子の異能は『自分で書いた物を具現化する』と『影をカラスに変化させて襲いかからせる』か……両方強力だな」
P(能力名が長いのが難点だが)
晶葉「紙とペンはすぐ出せるようにしておいた方がいいぞ」スッ
P「ああ。でも俺あんまり絵上手くないからなぁ……」
乃々「そ、そんな魔法使いみたいな力が、本当にあるんですね……」
P「森久保も今の戦いを見てただろ?」
乃々「そうですけど……まだ信じられません……だから」
P「だから?」
乃々「もりくぼはまた、机の下に隠れておきます……」スゥ
まゆ「いつも通りですね」
P「よし、それじゃあ行こうか。……そういえば幸子は?」
幸子「す、スカートの替えが無いんですっ! もう一緒にいけません!」ヒョコッ
乃々「もりくぼの定位置が取られちゃったんですけど……」
P「まったく、しょうがないなぁ」カキカキ
幸子「何をしてるんですか……?」
P「『華蕾夢ミル狂詩曲〜魂ノ導〜』ッ!」ピカァァァァァ
幸子「!」
P「ほら、これでいいだろ? 出てきなさい」
晶葉「幸子の服を描いたんだな」
幸子「は、はい、ありがとうございます。でもどうしてジャージ……?」
P「スカート上手く書けないから……」
幸子「あ、そうですか……ボクはジャージでもカワイイから、問題ないですけど!」
P「はいはい。じゃあ今度こそ出発だ」
裕子「はい! 私のサイキックテレポーテーションで────」
P「それは妙な位置に飛んだら面倒だから却下で」
裕子「あう……」
晶葉「助手、6階に行く前に一度私の部屋に戻ってしっかりと準備をしておいた方がいいかもしれない。おそらく次が最後の戦いだろうからな」
P「そうだな……」
選択肢
1.晶葉の言うとおりにする
2.いや、すぐにでも志希を倒しに行く!
3.その前に腹ごしらえだ!
↓2
212 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/27(日) 07:21:36.59 ID:MCrl3F8R0
3
213 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/27(日) 07:22:14.51 ID:RUUDOcmHO
1
214 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/27(日) 11:00:12.99 ID:0tJUaXOno
おつ
215 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/27(日) 23:16:34.61 ID:U4hAFhU0o
P「晶葉の言うとおりにしよう。フリールームに行くのは準備を整えてからだ」
晶葉「うむ」
まゆ「それじゃあ乃々ちゃん、行ってきますね」
P「まあ大丈夫だとは思うが、ちゃんとじっとしてるんだぞ!」
森久保「は、はい……行ってらっしゃい……」
ガチャ……バタン
森久保「…………」スッ、チラッ
蘭子「」
森久保「うぅ……気絶してる蘭子さんと二人きりなんて、むーりぃ……」
森久保「じゃあやっぱり、プロデューサーさんたちと……」スタッ
森久保「でも……それもやっぱり、むーりぃ……無理くぼです……」ブツブツ
216 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/27(日) 23:18:53.02 ID:U4hAFhU0o
スタスタ……
幸子「部屋に戻って準備すると言ってましたけど、何か持っていく物でもあるんですか?」
P「……確かにな。ロボの修理とかするのか?」
晶葉「それもあると言えばあるが……やはり解毒剤の補充をしておきたい。精製は自動で行うようにしておいたからな」
P「んー、つってもまだ9個あるわけだし大丈夫なんじゃないか?」
晶葉「多く持っておくに越したことはない。ここまでは無かったが、敵が集団で襲ってくる可能性もあるんだ」
まゆ「事務所のアイドルのうち1割だけが異能力者になったとしても、9個じゃ全然足りませんものね」
P「でも、要は志希を倒してしまえばいいんだろ?」
晶葉「フリールームに志希が一人で居る可能性は限りなく低い! ……それに、志希が黒幕かどうかはまだ確定していないだろう」
P「まあ、そうか……」
裕子「任せてくださいムムムム……サイキックビジョンでフリールームの様子を……」ムムム
P「力みすぎてテレポーテーションするなよ」
晶葉「……それにだ、助手。一番は君のためだぞ」
P「え、俺?」
217 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/27(日) 23:20:07.33 ID:U4hAFhU0o
晶葉「これまで何人もの異能力者と戦って、感じていなくとも疲れは確実に溜まっているはずだ」
P「まあここまで勢いでなんとか乗り気って来たが、そう言われるとな……」グターッ
晶葉「まだ22時になってから5分ほど、異能がリセットされるまでは長い。……しっかり休むんだぞ」
P「晶葉……ああ、サンキューな。でも晶葉だって疲れてるだろ? 着いたら肩でも揉んでやろうか?」
晶葉「い、いいっ! 座ってゆっくりしていろ!」
P「そうか……残念」
まゆ「Pさんの肩はまゆが揉んであげますね♪」
P「おっ、そうか! じゃあ幸子には膝枕でも頼むかな〜せっかくスカートじゃなくなったことだし」
幸子「なんでそうなるんですかっ!」
晶葉「……着いたぞ」スタッ
P「ああ、ここだったな。なんだかここを出発したのがずっと前に感じるよ」
裕子「私、初めて入ります!」
幸子「なんか、ドアが派手に壊れてるるんですが……」
P「まあ、ちょっとあってな……」
ギーッ、ガシャッ……
218 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/27(日) 23:21:11.80 ID:U4hAFhU0o
晶葉「……!?」タッタッタッ
P「な、なんだとッ!? 荒らされてやがる!」
まゆ「一目見るだけで、機械の類いは壊れてると分かりますね……」
P「それだけじゃない……ここで寝かせておいた智絵里と藍子も連れ去られてしまっているッ!」
裕子「えっ、二人がここに居たんですか?」
P「ああ。智絵里は晶葉がロボで捕まえて、藍子は俺が戦った最初の異能力者だったんだ。もちろん二人とも解毒剤は飲んだ」
まゆ「……つまり二人は無能力者だった。なのに連れ去られたんですか? 乃々ちゃんは見逃されたのに」
P「! 確かに、そうなるな」
幸子「目が覚めて帰っちゃったんじゃないですかねぇ?」
P(そうなのか? いや、それは希望的観測過ぎる……)
晶葉「……無い」
P「えっ?」
晶葉「精製されているはずの解毒剤が消えている……ここを荒らした何者かが奪ったんだ!」
「にゃーっはっはっは! そのとーり!」シュタッ
219 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/27(日) 23:22:31.08 ID:U4hAFhU0o
みく「黒幕からの刺客、再び参上だにゃ!」
P「みくッ! ……お前どっから出てきた!?」
みく「ネコチャンは神出鬼没なの! それよりPチャン、さっきの借りはここで返してあげるにゃ! なんたってみくには────」スッ
晶葉「解毒剤!」
みく「そう! これでPチャンやみんなを無能力者にしちゃえば、みくの完全な勝利なんだから!」
晶葉「人の部屋をこうも荒らしてくれた上に発明を勝手に持ち出すとは、許せん……!」
P「そうだぞ、やっていいことと悪いことの区別もつかないのか!」
まゆ「……この泥棒猫」
みく「うっ、うるさいにゃ! みくの新しい異能で、4人だろうが5人だろうがまとめて相手してやるにゃー!」
P(新しい力……第二の異能か!)
裕子「もしかしてみくちゃんとは以前にも戦闘を……?」
幸子「そういうことです」
P「みく、戦いを始める前に一つ聞くぞッ! ここの居たはずの智絵里と藍子もお前が、『黒幕』が連れていったのか!」
みく「さぁ〜? それはどうなのかにゃあ〜?」
P「……そうかよ。だったらお望み通り、ぶっ倒してから聞き出してやるよッ!」
みく「『ぶっ倒す』のはみくだよっ! 新しい異能……『ニャンと☆スペクタクル』!」
もはや人としての尊厳も失った泥棒猫(?)みく第二の異能、「ニャンと☆スペクタクル」の能力とは!?
↓2
220 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/27(日) 23:23:26.91 ID:8WZTf1jw0
相手の語尾に「にゃ」をつける
221 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/27(日) 23:23:50.90 ID:mjIWKjkf0
相手に猫耳をつける
222 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/27(日) 23:40:06.45 ID:U4hAFhU0o
みく「えいっ!」
ニャニャニャニャニャニャ!
P「な、なんだッ!? 頭に何か違和感が……!」
まゆ「Pさん、頭にネコミミが!」
P「何ッ!? そういうまゆこそ!」
晶葉「全員だ! みくを含めてこの場にいる全員、頭にネコミミを装着されたっ!」
みく「『ニャンと☆スペクタクル』は問答無用で相手にネコミミを着けちゃう能力! もちろん何人でも可!」
P「なんだ、このネコミミ……いったい何をしてくるッ……!?」
みく「……? かわいいでしょ?」
P「……は?」
まゆ「みくちゃん、相手を猫にする異能も持ってましたよね……?」
みく「『おねだり Shall We 〜?』は一人ずつしか狙いを付けられないし、避けられちゃうこともあるしで使いづらいモン」
P「いやだから、ネコミミ付けるだけの異能でどうやって俺を倒すんだ……?」
みく「……げ、解毒剤!」
P「させるかッ!」バシッ
みく「ふにゃぁーっ!? と、取られちゃった……」
223 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/27(日) 23:48:00.31 ID:U4hAFhU0o
P「みくちゃんよォ〜、ネコに傾倒するあまり頭の中までネコレベルに退化しちゃったんじゃないんですかァ〜?」
みく「なっ、なんてこと言うんだにゃ! それにネコチャンは賢いもん!」
晶葉「……まあいい。さっさと決着を着けてくれ助手」
P「そうだな、別にどうやっても倒せるが……」
みく「それはどうかにゃ……!?」
選択肢(全部正解です)
1.速攻抱きついて異能をコピー
2.みくもカワイイ! みくもカワイイ!
3.合体して倒すのがお約束!
4.晶葉、恨みを込めてやってしまえ!
5.裕子、サイキックでネコキャラを封じててくれない?
6.せっかくだし蘭子の異能を使ってみる
7.あえて負けを認める
↓2
224 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/27(日) 23:49:36.88 ID:g3j6IBIoo
1
225 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/27(日) 23:49:59.75 ID:1Pd0ttbfo
1
226 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 00:01:30.02 ID:TsJUXiuko
正解!
P「まあ、まどろっこしいことなんかせずこれが一番だよなッ!」タッタッタッ
みく「! 『おねだり Shall ────」
P「ネコのすばしっこさはこんなもんかァ!?」ダキッ
みく「速いっ!?」
晶葉「最初に比べて抱きつくまでの速度は実際上がっているな……」
P「このまま異能をコピーさせてもらうッ!」ギュウッ
P(……しかし、こうして密着するとやはり胸の膨らみがッ……!)
まゆ(Pさん?)
P(ハッ! ち、違う、あくまで異能をコピーするためだ!)
P「じゅ、10秒! 続いて解毒剤!」スッ
みく「み、みくはまだ負けるわけにはいかないんだにゃあーっ! 絶対飲まない!」ンググ
P「絶対飲ませるッ!」ゴリゴリ
みく「んんんん!」ングググ
P「ええい鬱陶しい! 『おねだり Shall We 〜?』ッ!」ギュイイイイン
みく「!?」
227 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 00:10:15.41 ID:TsJUXiuko
みく(猫)「ニャニャ!? ニャーニャーニャー!」
P「本物の猫になれて良かったですね〜」
みく「ニャッ! ニャーッニャッニャッ!」シュタッ
P「んん〜? 小さくなったかた逃げられるって? 無理だね! みんな出せッ!」
晶葉・幸子・まゆ「」スススッ
裕子「な、なんですかそれ!?」
P「必殺! マタタビ乱れ投げ〜ッ!」シュバババババ
みく「!!!!」
P「あのときみくがぶちまけたのをしっかり回収しておいたのさ……自分の技で苦しむんだな!」
みく「にゃーっ、にゃにゃーん!」ゴロゴロゴロ
P「解毒剤ッ!」スッ
みく「!!!」ゴロン
P「ふぅ、しつこい相手だったぜ」
晶葉「自分の技で倒されるとは、哀れだな……」
まゆ「因果応報ですね」
P(「ニャンと☆スペクタクル」はともかく、これでまた強力な「おねだり Shall We〜?」も使える……猫合体も出来る!?)
228 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 00:18:14.51 ID:TsJUXiuko
みく「…………」
裕子「みくネコさん、かわいいですね!」サスサス
幸子「そうですねぇ……まあ、ボクの方がカワイイですけど!」ナデナデ
P「こらこら、離れなさい。そろそろ元に戻すから」スッ
みく(人間)「み、みくは……自分を曲げない、諦めないっ!」スタッ
P「何ッ!? 気絶していないッ!?」
晶葉「助手っ、また逃げられるぞ!」
P「あ、ああ────」
みく「ネコチャンは逃げ足も速いんだにゃああああああっ!」ヒョイッ、シュタタタタタタタッ
P「ま、マジで速い!?」
幸子「また逃げられましたけど!?」
まゆ「……逃げ足『だけ』は速いですね」
P「……晶葉、みくが持ってた解毒剤のビンは!?」
晶葉「……! しまった、持っていかれた!」
P「あの泥棒猫、手も早いじゃねーか……!」
229 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 00:19:02.01 ID:TsJUXiuko
続きはまた今度書きます
230 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 00:27:08.23 ID:F+dAvYyzo
おつー
231 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 00:54:18.41 ID:mziyqINw0
おつ
232 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 01:50:46.13 ID:FGMsad2c0
おつ
233 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 11:52:11.07 ID:TsJUXiuko
P「しかしどういうことだ……解毒剤を飲ませたのになぜ気絶しなかったんだ!?」
晶葉「解毒剤は体に少し負荷がかかると言っただけで、必ず気絶するとは言っていない。……私も油断していたが」
幸子「飲ませたときみくさんは猫になってましたから、そのせいじゃないですか?」
晶葉「可能性はある」
まゆ「それより、早く追いかけた方がいいんじゃないでしょうか」
晶葉「ああ、アレが敵に渡ればこちらは不利になるのは確実だ」
裕子「まだ間に合います! サイキックテレポーテーションで追いかけましょう!」
P「…………」
P(今から追い付こうと思ったら多少無理をすることになるし、おそらくそのまま志希や他の敵とも戦闘になる)
P(解毒剤が敵に渡るのは厄介だが、ここは追いかけず準備を整えた方がいいのかもしれない……)
晶葉「助手、どうした?」
選択肢
1.追いかける
2.追いかけない
↓2
234 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 11:53:45.41 ID:fVP3G/cpo
1
235 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 11:54:06.78 ID:Qr5QaWDyo
1
236 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 12:44:10.42 ID:TsJUXiuk0
P「いや、なんでもない。追いかけよう!」
裕子「分かりました! みなさん、輪になって手を繋いでください!」
晶葉「……テレポーテーションでいいのか?」ギュッ
P「チンタラ走ってたんじゃ追いつけないからな。ユッコ、6階フリールームの入り口だ」ギュッ
裕子「任せてください!」ムムム
P「頼むから正確に、正確にな……」
裕子「大丈夫です、サイキックは常に進化していますから……」ムムムム
幸子「信じますからね!?」
裕子「行きますよ〜、サイキック……テレポーテーションっ!」
ピシュン!
237 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 12:50:42.81 ID:TsJUXiuk0
6階
みく「はあっ、はあっ……逃げ切れたみたいだにゃ……」スタッ
P「誰から逃げ切れたって?」
みく「にゃにゃにゃにゃにゃ!?」ビクッ
裕子「サイキックテレポーテーション、大大大成功です!」
みく「テレポーテーション!? もうなんでもありかにゃ!?」
晶葉「解毒剤を返してもらおうか!」
P「ついでに『黒幕』の正体も吐いてもらうぜ!」
みく「うう〜っ、『おねだり Shall We 〜?』!」
シーン
P「ついさっき解毒剤を飲まされたのも忘れちまったのかッ!」タッタッタッ
みく「ハッ! そうだったにゃ!」
P「『LEGNE』ッ! 解毒剤を奪え!」
みく「っ!? み、みくの影が!?」
バシッ、コロンコロン……
晶葉「確かに返してもらったぞ」スッ
みく「そ、そんな……」
238 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 12:51:37.94 ID:TsJUXiuk0
P「さて、今度は『黒幕』の正体を聞かせてもらおうか」
みく「うぐぐ……」
まゆ(Pさん、ちょっと待ってください)
P(まゆ? どうしたんだ、っていうかなんで脳内?)
まゆ(とにかく聞いてください。志希ちゃんの部屋にあったのは「異能力者になったアイドルを支配下に置く薬」でしたよね?)
P(ああ、そうだな)
まゆ(みくちゃんは解毒剤を飲んで、確実に無能力者になりました。なのにまだ、元のみくちゃんに戻っていないんですよ?)
P(……!)
P(「黒幕」は志希ではない、そしてみくの意識は「黒幕」が直接支配しているのか……!?)
みく「……っ!?」パタッ
P「みく!?」
幸子「突然倒れちゃいましたよ!?」
バタン! シュルルルルル!
P「!?」
P(「何か」がみくをグルグル巻きにしたッ!?)
ズルズルズル!
裕子「みくちゃんがフリールームの中に……!」
「さあ、プロデューサー。キミの欲しがる『真実』はこの先にある、知りたければ足を踏み入れるがいい」
キィーッ……
239 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 13:50:09.25 ID:TsJUXiuko
P「…………」
晶葉「どうやら、行くしか無さそうだな」
P「ああ、ここまで来たら引き返せるかよ。お望み通り、足を踏み入れてやるッ!」
「それでこそボクのプロデューサーだ。ようこそ、歓迎するよ……」
スタ、スタスタ……バタン
P「……!」
二宮飛鳥(以下、飛鳥)「やあ。……驚いたかい? ここはキミが見知ったセカイでも、予測していたセカイでもない……ボクのセカイだ」
幸子「フリールームって、こんな雰囲気でしたっけ……?」
P「こんな痛々しいルームにした覚えはない。勝手に改装しやがったな」
飛鳥「フフ……ボクがそう願った訳じゃない。『そうなって』しまったんだ……理解るだろう?」
P「分かるかいッ!」
晶葉「……志希の姿が見えない」
まゆ「部屋に引きずり込まれたはずのみくちゃんも……」
飛鳥「彼女達は『この先』に居るよ。もっともボクは、キミ達をそこへ辿り着かせないために今存在しているんだがね」
P「ようするに飛鳥を倒さなきゃ先に進めないってことだろう!」
P(でも、「この先」っていったいどういう……?)
飛鳥「その通りさ。……笑えるだろう? 中二病を患ってるただの痛い奴だったはずのボクが、本物の異能に覚醒めてしまったんだよ」
P「…………」
飛鳥「そしてまんまと意識を操られ、傀儡としてキミと踊るのさ……醜い戯曲をね」
P「……ああ、なんて酷いストーリーだろうな。こんな茶番はとっとと終わらせるに限る!」
飛鳥「行くよ。……『共鳴世界の存在論』」
いよいよ敵の本陣へ(!?)飛鳥の異能、「共鳴世界の存在論」の能力とは!?
↓2
240 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 13:52:08.27 ID:fVP3G/cpo
相手と同じ能力を得る
241 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 13:52:13.52 ID:voq/QlUuo
包帯を操り包んだ相手の声を奪う事で世界(SS)から追放する
242 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 17:14:44.94 ID:TsJUXiuko
シュルルルルッ……
P「腕に巻いたその包帯、新しいファッションかと思ったら異能で操るための物だったんだなッ!」
飛鳥「そういうのは蘭子の性分でボクのそれではない。しかしまあ、これも与えられた異能、なんでねっ!」シュルル!
P「だったらその蘭子の異能で相手してらァ! 『LEGNE』ッ!」シュイイン!
影カラス「グァーッ!」ビリイッ
飛鳥「ほう……影、か。いかにも蘭子が好みそうだ」
シュルルルル!
まゆ「Pさんっ! 後ろです!」
P「何ッ!? 『包帯』が本体に巻かれている必要はないのかッ!」スッ
影カラス「グァーッ……ッ」シュウゥン……
P「貫かれた!?」
飛鳥「思ったよりも脆い生き物だね。『存在論』の物理的なパワーは強くない方だと思っていたんだが」
P(黒を基調とし、全体が薄暗いこの部屋では映し出される影も薄い……『LEGNE』も必然的に弱くなってしまう)
P(ならば、影を映し出す光を強くするのみ!)カキカキ
飛鳥「はははっ、ボクを無視していきなりペンを走らせるか。面白い」
P「そいつはどうも……クソ、中々上手く書けない」カキカキカキ
飛鳥「……だけどプロデューサー、ボクはキミが何かするのを待ってはあげられないんだ。……ッ!」シュルルルル
晶葉「助手! その異能は隙が大きすぎるぞ!」
P「分かっている! ……ギリギリセーフ、『華蕾夢ミル狂詩曲〜魂ノ導〜』ッ!」
ピカァァァァァッ!
243 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 17:15:45.20 ID:TsJUXiuko
飛鳥「っ、この光は……」
ビリイッ!
影カラス「グアーッ!」
P「この『LEGNE』はさっきと一味違うぜ?」
飛鳥「……後ろにあるスポットライト、それも蘭子の異能かい?」
P「その通り。『華蕾夢ミル狂詩曲〜魂ノ導〜』は自身が描いた物を具現化する異能ッ!」
飛鳥「二つも力が覚醒めるなんて、さすがは蘭子と言ったところか。描いた物を具現化する異能なんて、彼女はさぞ喜んだだろう」
P「ああ、ハイテンションでカッコいい武器とか色々出してたよ。自分じゃ扱えなかったけどな」
飛鳥「……だったらキミは、ボクを操るこの糸を切るハサミでも具現化するのかい?」
P「あいにく画力が無いんでな、そう上手くはいかないんだよ」
飛鳥「そうか、残念だな。……そのカラスは影から生まれ、影は光が強ければ強いほど濃く映し出される。簡単な仕掛けだね」シュルルルルッ!
P「このライトを狙うかッ! だが非力な異能で壊せるかな!?」
飛鳥「壊す必要はない。光を無くせばいいんだろう?」
シュルルルルッ……
P(そうかッ! 包帯で光を遮りさえすれば影は薄れる!)
P「しかしッ! 『LEGNE』は一体だけじゃあないぜ!」シュイイン!
飛鳥「! ボクの影も操るか」
P「みんなの影も使わせてもらうぞ! 『LEGNE』たちッ! 伸びてくる包帯をビリビリに破くんだ!」
影カラスたち「グアーッ! グァーツ!」バサッバサッバサッ
244 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 17:16:52.54 ID:TsJUXiuko
ビリッ、ビリビリビリ……
飛鳥「やれやれ、多勢に無勢だね」
P「さて、追い詰めたぞ飛鳥!」
影カラスたち「グァーッ、グァーッ」バサバサバサ
P(……なんだ? 何か違和感がある……カラスの強さ? 大きさ? 数……数!)
P「こ、これは……『LEGNE』がなぜ『7羽』居るんだッ!?」
飛鳥「…………」
裕子「ええっと、本当は何羽居るのが正しいんですか?」
幸子「ボクと、プロデューサーさんと、まゆさんと、晶葉さんと────」
晶葉「私たちが5人、加えて飛鳥がいる。だから『6羽』が正しいはずだ」
P「俺たちが認識してない『誰か』の影が一つ混じっている……!」
飛鳥「気づいたか。……教えてあげるよ。『誰か』じゃない、『前川みく』さ。キミたちのすぐ近くに居るじゃないか」
幸子「えっ……? ど、どこにですか?」キョロキョロ
P(すぐ近くだと……?)
シュルルルル……
P「!」
245 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 17:18:08.36 ID:TsJUXiuko
幸子「み、みくさん……!」スタッ
P「ミイラのようにグルグル巻きにされていたのかッ!」
P(部屋の雰囲気に馴染んでいてまったく気がつかなかった……)
幸子「みくさん、みくさん! 大丈夫ですか!」
まゆ「大丈夫です、気を失っているだけみたいですから」
P「……あれ?」
飛鳥「……フフ、理解るかいプロデューサー?」
P(まただ……! また違和感がある! しかし今度は何もおかしくはない、みくはそこにちゃんと居る! なのに、確かに、何かがおかしいッ!)
P「みくッ!」
P「……みく? みく!」
P「…………!」
P(で、出てない! 『みく「…………」グッタリ』みたいなのが、まったく出ていないんだッ!)
246 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 17:19:09.47 ID:TsJUXiuko
飛鳥「理解したみたいだね。そう、彼女はこの『セカイ』から『追放』されたのさ」
P「つ、追放だと……!?」
飛鳥「存在はそこにある。ボクたちはそれを認識することも出来る。だが、このセカイで彼女は二度とそれを証明することは出来ないんだ」
P「…………???」
飛鳥「疑問符が3つも浮かんでいるじゃないか。感覚では理解っていても、言葉を聞いて理解するのは難解だったかい?」
P「あ、飛鳥……お前の『共鳴世界の存在論』は、いったいどんな異能だっていうんだ!」
飛鳥「知りたいかい? ボクの異能の正体を……渇望するほどに、敵であるボクへ素直に尋ねるほどに」
P「ああ……知りたいねッ!」
飛鳥「……フフ、だったら、キミの一番大切な人で教えてあげるよ」
P「!」
P(床に散らばっている包帯の破片一つ一つが伸びていくッ!?)
247 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 17:20:00.52 ID:TsJUXiuko
シュルルルル!
裕子「きゃっ!」バシッ
幸子「はうっ!?」バシッ
P「幸子っ、ユッコ! クソッ────」
シュルルルル、ギュウッ!
P「!!」バタッ
P(両手両足が拘束された!? 動けないッ……!)
飛鳥「包帯をビリビリに破いたのは失敗だったね。決定的にボクを優位にしてしまった」
P「クソッ、『LEGNE』────」
バリィン!
P(スポットライトが! 壊そうと思えば壊せたのかッ!)
飛鳥「照明さえ消せば、ただのカラスだ」
シュルルルル……バスッ! バスッバスッ!
影カラスたち「グァー……グア……」シュウウッ……
P「クソッ!」
飛鳥「さあ、『正体』をその目で確かめるといい」
シュルルルル!
まゆ「きゃああっ!」バタッ
P「まゆ!」
……ギュウウッ
晶葉「くっ、このっ……!」
P「……晶葉ッ!?」
飛鳥「そう……彼女さ」
248 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 17:21:39.06 ID:TsJUXiuko
グルグルグルグル!
晶葉「────!」
P(晶葉は全身が包帯でグルグル巻きにされ、まったく身動きがとれない!)
P「やめろ飛鳥ッ! その異能を使うなら俺に使えッ!」
飛鳥「正体を知りたいと言ったのはキミじゃないか。……ほら、もう彼女は『追放』された」
シュルルルル……ドサッ
P「晶葉ーーっ!」ジタバタ
P「……!」
P(ま、まただ……みくと同じ!)
裕子「晶葉ちゃんっ、大丈夫ですか!?」
裕子「晶葉ちゃん……?」
P(晶葉は気絶していない……少し痛いような素振りを見せているが、普段の晶葉だ)
P(なのに────)
P「なのにどうして何も言わないんだ、晶葉……! 声を聞かせてくれっ!!」
P「っ……!」
飛鳥「それは出来ないな。彼女はもう声を失ったんだ」
P「な、に……!」
飛鳥「ハハハ、あまり表情を崩さない彼女もさすがに驚きを隠せないようだね」
P「『声を奪う』……それが『正体』か!」
飛鳥「そうだ、とも言えるし、違う、とも言える。ボクたちにとっては『声を奪う』以上のことは観測出来ない」
P「『ボクたちは』、だとッ!?」
飛鳥「だが、この醜い戯曲を楽しんでいる者……彼らはもう、彼女の存在を観測出来ないんだ」
飛鳥「こうして彼女が疑問符を浮かべながらボクの言葉の意味を考えている姿も、彼らに見ることは出来ないのさ……」
249 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 17:57:46.52 ID:TsJUXiuko
P(何を宣っているか分からんが……晶葉が声を奪われたのは、事実)
P「……すぅー、はぁーっ。スゥーーーッ……ハァーッ」
飛鳥「どうしたんだい? まさか、怒ってるんじゃないだろうな?」
P「怒ってるさ……はらわたが煮えくり返りそうなのを何とか静めてるんだよ」
飛鳥「怒ってるというのは変だな。ボクはキミの望むことをしてあげたんだよ?」
P「……本気で言ってるのか?」
飛鳥「……冗談さ。晶葉がああなってしまって、ボクに対する怒りが止まらないんだろう」
P「違うぞ、飛鳥……俺は自分に腹が立ってるんだよ。どうしようもなく迂闊で、馬鹿な自分にな……」
飛鳥「自己批判、か。だったら、キミのすることは一つの筈だ」
P「ああ。……飛鳥、お前を倒す!」
飛鳥「そう、キミにはボクを倒す役という役目がある。そしてボクには、キミを倒すという役目がある」スッ
ギュウウッ!
P「ぐっ……!」
飛鳥「動けないだろう。キミの存在も『追放』してあげるよ……!」
P「そんな顔をするなよ、晶葉っ……すぐに飛鳥を倒し、異能をコピーして元に戻してやるからさ……!」
選択肢(一つだけ正解)
1.「おねだり Shall We 〜?」ッ!
2.「おねだり Shall We 〜?」+「マイ・スイート・ハネムーン」ッ!
3.「おねだり Shall We 〜?」+「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律 」ッ!
↓2
250 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 17:59:05.34 ID:vUw7JeV1o
2
251 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 18:03:08.19 ID:RYAxofIko
2
252 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 19:43:51.09 ID:TsJUXiuko
ハズレ
P「まゆ! あれをやるぞッ!」
まゆ「…………」
P「まゆ、聞いているのかッ!? 合体だ!」
まゆ「あ……は、はいっ!」
まゆ(Pさん……)
飛鳥「合体……?」
P「『おねだり Shall We 〜?』ッ!」ビビビビビビ
飛鳥「! キミは仲間を攻撃するのか……!?」
まゆ(猫)「ニャーニャーニャー」
まゆ『また猫になっちゃいましたにゃ〜♪』
裕子「まゆちゃんを猫に!?」
幸子「本当に驚くのはここからですよ……」
飛鳥「おいおい、仲間を猫にしてどうするつもりだい?」
P「どうするって? 合体だよッ! まゆ、『一つになる』ぞ!」
まゆ「ニャーッ!」
まゆ『一つになる……分かりましたにゃん♪』
シュタッ……ピカァァァァァッ!
飛鳥「!?」
253 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 19:44:30.10 ID:TsJUXiuko
P(まゆ)「よっしゃ! 合体猫人間再び誕生ですにゃっ!」
裕子「……えっ、えええええええっ!?」
P(まゆ)「こんな包帯なんて……!」ビリッ、バシッ
飛鳥「は、はは、は……これは、驚いたな……」
P(よし、飛鳥がうろたえてる内にケリを着けるぞまゆ!)
まゆ(…………)
P(まゆ……?)
P(まゆ)「行くぞ飛鳥……あうっ!?」ズルッ、ステーン!
P(なんだ? 身体が思ったように動かない!?)
まゆ(…………)
P(まゆッ! 心も一つにするんだ! シンクロしろ!)
まゆ(Pさんにとっての一番は……まゆじゃないんですね)
P(は……!? 何を言ってるんだよ!)
254 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 19:46:17.86 ID:TsJUXiuko
まゆ(飛鳥ちゃんはPさんの大切な人で異能の正体を見せると言っていました。そしてそれは……晶葉ちゃんだった)
P(それは飛鳥が勝手にそう判断しただけだ!)
まゆ(じゃあ今言ってください! まゆが一番、大切だって……)
P(ああもう、今はそんなことやってる場合じゃないだろう!?)
P(まゆ)「…………」
裕子「どうしたちゃったんでしょう……転んだまま動かないですよ?」
幸子「そうですね……プロデューサーさ、いやまゆさん? じゃなくて、プロまゆさん?」
飛鳥「合体の次は死んだフリでもしているのかい?」
シュルルルルッ……ギュウッ!
P(まゆ)「!」
飛鳥「おや、違ったようだね。ならこのまま『追放』するとしよう」
P(まゆ、今は飛鳥を倒すんだ! 話は後ッ!)
まゆ(ごめんなさい……本当に、ごめんなさい。今は、一緒に戦えないです……)
P(なんだって……!?)
グルグルグルグル!
P(まずいッ! クソッ……じゃあ「解除」するぞ!)
まゆ(……はい。「解除」!)
ピカァァァァァッ!
255 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 19:46:59.43 ID:TsJUXiuko
ドサッ、ドサッ
P「っ、拘束からは逃れたか」スタッ
飛鳥「元に戻ったか。しかし一体、キミ達は何のために合体したんだ?」
P「ホントならもうケリは着いてたんだがな……」
まゆ「ごめんなさい……プロデューサーさん」
P「いや、いいよ。俺一人でなんとかするさ。飛鳥の異能を喰らわないように下がっているんだ」
まゆ「……はい」スタスタ
P(あれ……まゆの心の声が聞こえない。……指輪も無くなっている!)
飛鳥「さあ、今度こそ終わらせよう。これ以上ボク達に言葉は要らない」
※「マイ・スイート・ハネムーン」による婚姻が解除されました
選択肢(一つだけ正解)
1.「おねだり Shall We 〜?」ッ!
2.「おねだり Shall We 〜?」+「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律 」ッ!
↓2
256 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 19:47:34.57 ID:Ddus8BEUo
2
257 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 19:47:45.00 ID:I6X4SJ/C0
2
258 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 20:42:51.57 ID:TsJUXiuko
正解!
P「ああ、これ以上の茶番は勘弁だ! ……『おねだり Shall ────」
飛鳥「猫にする異能は使わせないよ!」シュルルルル
影カラス「グァーッ!」バサッバサッ
飛鳥「っ、二つの異能を同時に繰り出すか……!」
P「猫にするのは『影』だッ! 『おねだり Shall We 〜?』ッ!」ビィィィッ!
影ネコ「ニャーッ!」シュバババッ
飛鳥「それが、どうしたと……!」シュルルルル!
影ネコ「ニャニャッ!」シュタッ、シュタッ
P「猫は素早いんだぜ。そして『LEGNE』は一体では無いッ!」スッ
影カラスたち「グァーッ!」バサッバサッ
飛鳥「っ……!」シュルルルル!
バシッ、バシッ、シュウゥゥ……
飛鳥「ふぅ、やはり強さは大したこと無いようだ」
P「ああ。だが光ある限り、影は消えないッ!」シュイイン
影カラスたち「グァーッ! ガァー!」
259 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 20:44:16.07 ID:TsJUXiuko
飛鳥「まったく、鬱陶しい……!」
P「『おねだり Shall We 〜?』ッ! 『LEGNE』たち、空と陸でかき回せ! 」
影ネコたち「ニャーッ!ニャニャー!」シュタタタッ
影カラスたち「グァーッ! ガァー!」バサッバサッ
P「どうだ、ゴミ捨て場を荒らす動物コンビの威力はッ! 」
飛鳥「このっ、ボクにまとわりつく影め……!」
P「トドメだッ! 『ニャンと☆スペクタクル』ッ!」
飛鳥「!」グルグルグルグル
ニャーッ!
P「包帯を防御に回したか。しかし無駄だぜ、この異能は『問答無用』だ。いかなる防御も意味はない」
飛鳥「なんだと……しかし、ボクは何もされていないぞ」
P「頭をちょこちょこっと触ってみるんだな」
飛鳥「……、これは?」
P「それはただのネ・コ・ミ・ミ。トドメだなんて嘘だよ〜ッ!」タッタッタッ
飛鳥「くっ、キミはどこまでも────」
ダキッ!
260 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 20:45:13.12 ID:TsJUXiuko
P「今度こそトドメ、だ。醜い戯曲の終幕だよ」ギュウッ
飛鳥「ふっ……最後が抱擁とは、この戯曲はどうやら凡庸なハッピーエンドのようだ」
P「いいじゃないか、救いようの無い最高のバッドエンドより、ご都合主義で最低なハッピーエンドの方が俺は好きだね」
飛鳥「……キミらしい言葉だ」
P「10秒! 続いて解毒剤ッ!」スッ
飛鳥「やれやれ、これでやっと糸が切れる、か……」
ゴクッ……パタッ
P「……晶葉! 今声を元に戻────」
晶葉「……」コホンッ
P「晶葉!?」
晶葉「本体が気絶して能力が解除されたんだ。もう何とも無い」
P「そうか、よかった……」ホッ
晶葉「…………。ありがとう、プロデューサー」ボソッ
P「えっ、なんだって?」
晶葉「なっ!? ……知らん、なんでもない!」
P「あーウソウソ! どういたしまして!」
二宮飛鳥「共鳴世界の存在論」────再起可能
261 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 21:08:33.21 ID:LEDpqPHwO
存在の消え方が面白いな
262 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 21:40:43.34 ID:TsJUXiuk0
PM10:25
P「まゆ、俺はもちろんまゆの事も大切だ。でも晶葉だって他のみんなだって大切で、誰が一番とか、そういうのは無いんだ。……分かってくれるか?」
まゆ「はい……まゆだって本当は分かってます。さっきは問い詰めてしまって、ごめんなさい……」
P「うん。じゃあ、結婚しようか」
まゆ「!」
幸子「えっ!?」
晶葉「な……」
裕子「ええっ!?」
まゆ「いいんですか……?」
P「『マイ・スイート・ハネムーン』があればこの先心強いからさ……そういう意味でいいなら」
まゆ「えいっ♪」ギュッ
P「おおっ!? い、いいんだな?」
まゆ「Pさんも抱き締めてください。でないと、『マイ・スイート・ハネムーン』は発動しませんよ?」
P「お、おう。じゃあ遠慮なく……」ギュウッ
裕子「お、おめでとうございます……でいいんです?」
幸子「まあ、いいんじゃないですかねぇ?」
晶葉「…………」
P「よし、10秒! サンキューな、まゆ!」
まゆ「死がふたりを分かつまで、ずっと一緒です」
P「ははは、結婚式か? じゃあ誓いのキスでも────」
チュッ
まゆ「はい、します♪」
P「冗談だったのに……」
263 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 21:53:34.03 ID:TsJUXiuk0
晶葉「……もういいか、助手?」
P「ん、ああ、先へ進もう。つってもこの部屋に先なんて無いはずなんだが……」
裕子「もしや、あの扉では?」
P「『運命の扉』か。開けても何も無いはずの扉だが……他に目ぼしい物も無いしな」
幸子「開けてみるだけならタダです!」タッタッタッ
P「ちょっ、おい幸子────」
ガチャ、ピカァァァァァッ!
幸子「眩しいっ! ……けど、先に部屋があるみたいですよ?」
晶葉「当たりのようだな」
P「よし、じゃあ先へ進むとしよう」
まゆ「あっ、ちょっと待ってください。みくちゃんはどうしますか?」
みく「」
P「あー、まだ気絶してるのか。面倒だけど、起きたら聞きたいこともあるし連れて行こう」
晶葉「そうなると、助手が背負って行くしかなくなるが……大丈夫か?」
P「それならいい方法があるよ。『おねだり Shall We 〜?』!」ビイイイイイイッ
みく(猫)「」
裕子「なるほど、ネコさんにすれば連れて行くのも簡単ですね!」
P「そういうこと。じゃ、ユッコよろしく」
裕子「えっ、私ですかぁ!?」
キィーッ、スタスタスタ……
264 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 21:58:32.91 ID:fVP3G/cpo
そういえば猫化させた後の服……
265 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 22:12:54.74 ID:TsJUXiuk0
???
P(運命の扉の先には短い通路があり、その奥にどこかの部屋へと続いているだろう扉があった)
P「『Hotel Moonside』のときのような異空間なのか……?」スタッ
晶葉「おそらくはな。……この先に志希が居るはずだ」
まゆ「いよいよ、ですね」
P「ああ。……時に、ユッコ」
裕子「なんですか?」
P「最後の戦いに挑む前に、少し抱き締めていいか?」
裕子「えっ……?」
P「ちょっとだけ、ほんのちょっとだけだ。それでユッコが異能力者かどうか分かる」
裕子「わ、私は異能力者じゃなくてエスパーですから!」
P「大浴場で何かされたのがずっと気になってたんだよッ! 抱き締めれば分かるんだから!」
裕子「ええっ、で、でも恥ずかしいですしっ……プロデューサーさん、結婚してるじゃないですか!」
P「今なら、10秒だけなら大丈夫さ……な、まゆ?」
まゆ「別に怒ったりしないですよぉ」
P(「エヴリデイドリーム」は使うけど、っていうのは勘弁してね)
まゆ(使いません!)
裕子「それなら……優しくしてくださいね」
P「遠慮なく」ギュッ
266 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 22:36:53.48 ID:TsJUXiuk0
P「…………」パッ
裕子「ど、どうですか?」
P「……やっぱりユッコも異能力者だったよ」
裕子「そ、そんな……じゃあ本物のサイキックパワーだと思っていたのは、異能の力だったんですね……」ショボン
P「いや、あながちそうとは言えんのだが……」
裕子「本当ですか!?」バッ
晶葉「助手、裕子の異能はどんな能力だったんだ?」
P「……言いづらい」
まゆ「Pさん♪」
P「はいはいッ! 『対処の理性を弱めたあとラッキースケベ体質にする』、それが『ミラクルテレパシー』の能力!」
P(しかも、能力を持つ俺自身にも解除出来ない永続能力!)
まゆ「ラッキー、スケベ?」
晶葉「……そういえば」
幸子「何か、そんなことがあったような気が……」
裕子「ラッキースケベ、ってどんなラッキーなんです?」
P「……さすがに冗談だろ?」
267 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 23:07:01.01 ID:9mxLHSQVO
(あれ?サイキックテレポーテーションはサイキックなのでは?)
268 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/28(月) 23:08:00.49 ID:TsJUXiuk0
P(にしても、これでかなりの数の異能をコピーしたな……全部でいくつだ?)
能力名:「To my darling…」
能力:カワイイと褒めるほど幸運になる
能力名:「華蕾夢ミル狂詩曲〜魂ノ導〜」
能力:自身が描いたものを具現化する
能力名:「-LEGNE- 仇なす剣 光の旋律」
能力:影をカラスに変化させて襲いかからせる(影が濃いほど強力に)
能力名:「おねだり Shall We 〜?」
能力:相手を猫にする
能力名:「ニャンと☆スペクタクル」
能力:相手にネコミミを付ける
能力名:「共鳴世界の存在論」
能力:包帯を操り包んだ相手の声を奪うことで世界(ss)から追放する
能力名:「エヴリデイドリーム」
能力:Pの戦意を完全に喪失させる
能力名:「マイ・スイート・ハネムーン」
能力:10秒以上抱き合うことでPと一つになる
能力名:「ミラクルテレパシー」
能力:対象の理性を弱めたあとラッキースケベ体質にする(永続)
P(全部で9つ、これだけあれば複数人で来られてもなんとかなりそうだ。一つ二つ役に立たん異能も混じってはいるが……)
P(っていうか、「共鳴世界の存在論」の世界から追放するって結局どういうことなんだ? ss……?)
幸子「……というようなことです」
裕子「な、なるほど、そういうのをラッキースケベと言うんですね」
まゆ「でもそれが異能ってことは、テレポーテーションは裕子ちゃんが自力でやってるってことですよね?」
裕子「はいっ! やっぱり私、本物のエスパーだったんですね!」
晶葉「……信じられないが、そうなんだろう」
P「じゃあ裕子がモノホンのエスパーと分かったところで、そろそろ……行くか」
「ああ」「はい」「はいっ!」「はぁい」
P「…………」スッ
ガチャ、キィーッ……
269 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 23:10:05.79 ID:TsJUXiuk0
続きはまた今度書きます
「おねだり Shall We 〜?」は着ている服も猫仕様にするということで……
270 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/28(月) 23:14:34.26 ID:maIZdwtBo
おつー
271 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 13:32:56.46 ID:ihLrwBRno
モワワァ〜ン
P「うわっ、なんだこりゃ!?」
晶葉「霧状の……アロマ、だな。大量のディフューザーが置いてあるようだ」
まゆ「なんというか、いい香りなんですけど……濃いですね」
幸子「……へくしゅっ! へくしゅ!」ズルズル
裕子「大丈夫ですか? 幸子ちゃん」
幸子「くしゅっ! こっ、この香り、何か、だ、くしゅっ! ダメかもしれませんっ!」
晶葉「マスクを着けるか? といっても防毒マスクだが」スッ
幸子「あ、はい……くしゅっ! ありがとうございます」シュコー
「にゃはは、とうとう見つかっちゃったね〜」スタスタスタ
P「志希ッ!」
志希「すごいねキミ、数々の異能力者相手にここまで連戦連勝、負け無しじゃん!」
P「いや、まあ……うん。一応な」
P(まゆには完全に負けてたけど……)
272 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 13:33:48.46 ID:ihLrwBRno
晶葉「志希! 今回の事は全て君が起こしたのか!」
志希「ん〜、この際だから正直に言うと……」
P「正直に言うと……?」
志希「『半分』だよ。あたしがやったのはね」
P「半分……!?」
晶葉「半分とはどういうことか、説明してもらおう!」
志希「ダメダメ、教えてあげないよ〜♪ 教えて欲しかったら……」
P「戦うしかないってことだろ結局ッ! 容赦しないからな!」
志希「うん、あたしもそのつもりだよ?」
スタスタ……
まゆ「! 部屋の奥から誰か来ます」
智絵里・藍子「…………」
P「智絵里ッ! 藍子ッ! まさか────」
志希「そーゆーこと。二人ともつよーい異能を持ってたから、また異能力者にした!」
晶葉「まずいぞ、助手……藍子の異能は言わずもがな、智絵里も────」
P「……それ以上言う必要は無いぜ、晶葉」スッ
ピカァァァァァッ!
273 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 13:34:17.72 ID:ihLrwBRno
P(「華蕾夢ミル狂詩曲〜魂ノ導〜」ッ! スポットライトを具現化する!)
志希「それで目眩ましでもするつもり?」
P「スポットライトはアイドルを照らすためあるんだよ。……『LEGNE』ッ!」シュイイン!
影カラスたち「グアーッ!」 バサッバサッ
智絵里・藍子「きゃあっ!?」ドサッ
志希「!」
P「続いて『共鳴世界の存在論』ッ! 二人を拘束する!」シュルルル!
P(包帯はフリールームに山ほどあったッ!)
ギュウウッ!
藍子「っ、あっ……」カラッ、コトッ
智絵里「うぅ……」
P「藍子のカメラは床に落ちた。智絵里も身動きとれない以上異能は使えまい」
志希「…………」
P「このまま終わらせるッ! 『おねだり Shall We 〜?』、藍子を猫にッ!」ビィィィッ
藍子(猫)「!」チョコン
P「そして『存在論』ッ!」
グルグルグルグル! ……シュルルル、パタッ
P「智絵里は『追放』した。もっとも、俺たちには関係ないらしいがな」
274 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 13:35:07.08 ID:ihLrwBRno
裕子「すごい! あっという間に倒しちゃいました!」
まゆ「さすがPさん♪」ギュッ
P「先手を取れればこんなもんよ!」
晶葉「逆に言えば、これまでは相手が異能を使うのを待って後手に回っていたということだな」
P「う、まあそうなんだけど……」
志希「これは、予想以上……けど」ズサッ
P「志希ッ! ここまで来て逃げるつもりか!」
志希「逃げるんじゃないよ〜? これを飲むだけ」コトッ
晶葉「何の薬だ……まさか、異能を目覚めさせる!」
P「異能が一つだけじゃあ俺に勝てないと踏んだか!?」
志希「違う違う、自分で自分を『支配』しないためのクスリっ」ゴクッ
P「支配……!?」
志希「この匂いで気づかなかったのかな〜?」スンスン
晶葉「……!」ハッ
275 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 13:36:25.33 ID:ihLrwBRno
……ギュウッ
P「……まゆ?」
まゆ「『エヴリデイドリーム』」スッ
P「! な……に……!?」グタッ
晶葉「これアロマのような香りは『異能力者を支配下に置く薬』だったんだ! 部屋に入ってから私たちはそれを吸い続けた!」
志希「この部屋に入った時点で、キミたちは志希ちゃんの罠に嵌まっていたのだよ〜っ! 」
P「く、ということはッ……」
裕子「ふふふ……エスパーユッコはサイキックの力でプロデューサーさんを倒さなきゃいけないようですね……!」ムムム
まゆ「Pさんは、まゆのためなら死んでくれますよね……?」ギュウッ
P「なんとぉッ……!?」
幸子「プロデューサーさんっ!」ガシッ
まゆ「!」
ズルズルズル……
P「幸子……!? お前は────」
幸子「ボクはこのマスクを着けていたのでので大丈夫です! プロデューサーさんの味方ですよ!」
P「さ、幸子ぉ……!」ガシッ
幸子「フフーン! 幸運がボクを守ったんです!」
276 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 13:37:04.71 ID:ihLrwBRno
志希「んん〜? 幸子ちゃんはともかく、キミはどうして平気なままなのかな?」
P「っ、さぁな……」スタッ
晶葉「助手が飲んだのは私が作った薬だ。厳密には他の異能力者とは違う」
志希「ふむふむ、そっか……でも、キミに二人を倒せるかな〜?」
P「くっ!」
P(サイキックがあるとはいえ、ユッコは攻撃性のある異能ではないし問題はない)
P(問題は……!)
まゆ「『エヴリデイドリーム』からは逃れられませんよ、Pさん……?」
P「くっ、あ……ぐ」グラッ
P(体から力が抜ける上、戦意まで喪失させるこの異能だッ! コピーしたから自力で解除出来るとはいえ────)
まゆ(解除しても無駄、です)スッ
P(同じことの繰り返し……先へ進めないッ……!)
裕子「ムムムム……火山の噴火口か、それとも南極にでも飛ばしてしまうのがいいでしょうか……」
P(ユッコまで何か恐ろしいことを呟き始めているじゃないかッ! 早く、まゆを止めなければ……!)
277 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 13:39:00.55 ID:ihLrwBRno
幸子「晶葉さん!」
晶葉「……ああ」
スタッ
P「二人とも……!」
幸子「フフーン、このボクに任せてください!」
晶葉「まゆの異能は助手以外に効果はない。私たち二人で抑えれば解毒剤を飲ませるくらいは出来る」
P「悪いな、ここまで来て……」
晶葉「何を言ってるんだ。君の異能は『シンデレラ』に『お願い』するんだろう?」
P「ふっ……じゃあ頼むぜ、シンデレラ……!」
志希「にゃは、熱いね〜っ! でもキミたち、私を忘れてないかな?」
P(そうだ、志希の異能はまだどんな能力か分からないッ!)
志希「今の状況は3vs3、キミが実質戦えないことを考えれば2vs3だよ〜? しかも、晶葉ちゃんは無能力者」
P「…………」
晶葉「確かに、まゆと裕子の異能が戦闘向きでないことを考えても状況は不利だな。だが、私たちはそんな状況を何度も乗り越えてきた!」
幸子「カワイイは最強、ラッキーは最強、『To my darling…』は最強の二乗です!」
志希「熱い、熱いって! ……でもそういうの、もう見飽きちゃった。あたしの周りに居た人、みんなそうだったから」
晶葉「……どういう意味だ」
志希「初めはあたしを越えてやるって意気込んでるんだけど、みーんなそのうち諦めちゃうんだ。『ギフテッドのお前には勝てない』って、つまんない」
P「…………」
志希「でもキミは違う匂いがした……だから楽しませてよね、言っとくけどあたし、異能もちょー強いよ?」
P「……ああ、なんと言われようが諦めはしない!」
志希「オッケー、志希ちゃんの異能発動! 『秘密のトワレ』!」
いよいよ大詰め、ちょー強い(!?)志希の異能、「秘密のトワレ」の能力とは!?
↓2
278 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/29(火) 13:41:39.53 ID:9+ATS1f6o
穴の中(どこでも可能)へ
相手を落として逃がさない
279 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/29(火) 13:42:18.07 ID:4ue8Mtkto
好意そのものを操作する
280 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 21:52:17.04 ID:ihLrwBRno
P「…………」
P(なんだ、何をされた!?)
志希「……♪」
P「……晶葉、幸子ッ! 何とも無い以上は今がチャンスだ!」
まゆ「プロデューサーさんはダメ、ですよ♪」スッ
P「ぐうっ……!」ガタッ
晶葉・幸子「…………」
P「晶葉、幸子どうした? ……やはり攻撃を受けたのかッ!?」
晶葉「いや、そうではない……」
P「そうか、だったらまゆを頼む。まゆさえ何とかすれば────」
晶葉「……どうして私がそんなことをしなければいけないんだ?」
P「え……?」
281 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 21:53:30.69 ID:ihLrwBRno
幸子「そうですよねぇ……どうしてプロデューサーさんのためにそんな、ボクたちが……」
P「お、おいっ幸子! カワイイボクの力で助けてくれるんじゃないのかよッ!?」
幸子「……プロデューサーさんがボクに気安くカワイイなんて言わないでくれません? まあ、ボクがカワイイのは事実ですけど」ドヤッ
P「な……二人とも、どうして……」
P(待て、動揺するなッ! おそらくこれが志希の異能!)
P「……二人とも、俺の事がずっと嫌いだったのか!」
晶葉・幸子「………」
P「晶葉! さっき俺に言った『ありがとう』の言葉、本当は感謝なんて微塵もしてなかったのか!?」
晶葉「あり、がとう……? くっ、私は……」ウググ
P「幸子ォ! 俺は幸子を褒めて褒めて褒めて褒めちぎるまで逃がさないっていうのは、嘘だったのかよ!?」
幸子「ボクが、プロデューサーさんに褒めてもらいたい……? そんな、こと……」グヌヌ
282 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 21:54:22.37 ID:ihLrwBRn0
志希「やるね〜、人の感情を操作する上で一番の弱点になる『記憶』をすぐに刺激するなんて」
P「志希、その異能を使うなら俺にしろッ! 晶葉や幸子が苦しむのは見たくない!」
志希「えぇ〜? じゃあキミがそこの二人に『マイナスの好意』を持つようになってもいいのかな、そっちの方がもっと苦しい思うよー?」
P「マイナスの好意……!? 好意のマイナスってことは、敵意ってことか!」
志希「そそ。でも今度は『プラス』に振り切らせてみるかなー?」スッ
P(どうやらこの異能は防御出来ない! その上複数人を対象にすることも可能ッ! 全容は分からないが、「感情を操作」されるのは志希の言うとおり超強力……!)
晶葉「っ……! す、すまない助手! 私はまんまと志希の異能に……」スタッ
P「ああ、大丈夫だよ。それにおそらく、まだ攻撃は続いているッ!」
晶葉「うむ。……でも、本当に……ごめん」ギュッ
P「えっ! お、おう、落ち着けよ晶葉……」
P(「プラス」に振り切らせる、つまりこういうことなのか……!?)
幸子「……プロデューサーさん」スタッ
P「幸子、お前もとりあえず敵意は無くなった、か……?」
幸子「はい。だからボクを……ボクをもっともっと褒めてください!」
283 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 21:56:48.67 ID:ihLrwBRn0
P「なっ、お前この状況でな……!」
幸子「ボクはプロデューサーさんに褒めて欲しいんです、いつでも、いつまでも、ボクだけを!」
志希「にゃははは、忘れてたかもしれないけど幸子ちゃんは今、『理性を失っている』んだよ〜?」
P(そうか、そうだったッ! 感情を操作されたことで本来の欲望がまた前面に出てしまったのか……!)
晶葉「そんなことをしている暇はないぞ幸子! 私と幸子で早くまゆを止めなければいけない!」
幸子「……なんですか晶葉さん、プロデューサーさんがボクばかりに構うのが嫌なんですか?」
晶葉「な、何を……!?」
幸子「ボクは知ってますよ? ボクやまゆさんがプロデューサーさんと仲良くしているときにずっと、拗ねたような顔をして睨んでましたよね?」
P「おい、何を言ってるんだ幸子! やめろ!」
幸子「自分が素直になれないだけなのに、どうしてボクが睨まれないといけないんでしょうねぇ……?」
志希「ふっふー、面白くなってきた〜♪」スッ
晶葉「……お前こそ」
幸子「はい? 言いたいことがあるならはっきり言ってくれませんか?」
晶葉「お前こそ、いつもいつも助手にくっついて……! 本当は誰でもいいんだろう! ただ自分を褒めてくれるのに助手が都合いいというだけなんだ!」
幸子「あなたに言われたくありませんね!」
P「二人ともやめろッ! これは全て志希の異能によるものなんだ!」
284 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 21:58:34.05 ID:ihLrwBRn0
晶葉「助手、しかし……!」
P「おそらく志希の異能は俺たちの感情を自在にコントロールするという物ッ! だから惑わされるな、お互いに本心じゃないんだ!」
志希「それはどうなんだろうね〜? 隠されてる本心を剥き出しにしてるだけかもよ?」
P「それならさっきまで俺を嫌っていた二人が急にくっ付いて来るなんてことはないッ!」
志希「あ、それはそうだね。失敗失敗♪」スッ
幸子「例え本心じゃなかったとしても、こんな人と協力するなんてボクには出来ません!」
晶葉「幸子……!」
P「幸子! 今お前と晶葉は互いへの敵意が膨らんで、反対に俺へは好意が強くなっているんだよ!」
幸子「それがどうしたんですか! ボクはプロデューサーさんが好きです! 晶葉さんは嫌いです! それで終わりじゃないですか!」
P「幸子……どうして分かってくれないんだ!」
幸子「プロデューサーさん、もっとボクを褒めてくださいっ! 晶葉さんなんかより、まゆさんなんかより、もっとボクを────」ギュッ
P「ッ、鬱陶しいんだよ……! 人の話も聞かないで!」バッ
幸子「えっ……」
P「! お、俺は……っ」
志希「傍観者のようにしてるけど、キミも既に異能を受けているんだよ? この場に居る人間は全員、あたしの手のひらの上♪」
285 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 21:59:41.79 ID:ihLrwBRn0
P(クソッ、冷静になれ、これは異能のせいなんだ……!)
P「幸子……! すま、ない……」
幸子「い、いえ……」
晶葉「……いい気味だな」
幸子「はい? 何か言いました?」
晶葉「いい気味だな。はっきり言ったぞ?」
幸子「…………」スタッ
P「や、やめろと言ってるだろッ……!」ガシッ
幸子「! ど、どうしてボクを掴むんですか……?」ウルッ
P「!」
P(ダメだ、幸子に対して俺は確かに敵意を持ち始めているッ! 自分のアイドルを、嫌いになりかけている……ッ)
志希「ギスギスだね〜? さっきまでは一致団結してたのに」スッ
P「クソッ、志希……!」
まゆ(……もうやめましょう、プロデューサーさん)
286 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 22:00:44.46 ID:ihLrwBRn0
まゆ(志希さんには勝てません。でも素直に負けを認めれば、きっと志希さんも許してくれます)
P(お前……分かっているのか、それも志希の異能がそう思わせているんだぞ!)
まゆ(そうかもしれません。だけど、まゆはプロデューサーさんの事が本当に好きだから忠告を────)
P「黙れ! 洗脳されているんだろう、異能を喰らっているんだろう! そんな奴の言葉を聞き入れる奴が居るかよ!」
晶葉「!? 助手、どうした!」
P「晶葉、早くまゆを止めてくれ……いつまでグズグズ喧嘩しているんだ!」
晶葉「あ、ああ、すまない。だが……」
P「だがじゃないッ! いいからやれ!」
晶葉「…………」
P(なんなんだ……今まで仲良くやってきたはずなのに、俺はもう……!」
まゆ「……志希さん。『逆』にしてくれませんか?」
志希「ん、りょうかーい」スッ
P「!」
まゆ「『エヴリデイドリーム』……諦めて負けを認めてください。そして今度こそ、まゆとハネムーンに行きましょう」
P「あ……ま、まゆ……」スタスタ
晶葉「助手っ! 行くな、君はまだ戦えない!」
287 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 22:02:05.92 ID:ihLrwBRn0
まゆ「まゆの手を握ってください」
P「……」ギュッ
まゆ「一緒に言いましょう? もう戦わない、抵抗しない、だから許して欲しいって……」
P「……まゆ、本当に俺のことが好きか?」
まゆ「はい。本心です。本心で、プロデューサーさんに言っています」
P「そっか……強く言ってごめんな、俺もまゆのことが好きだ。ここに居る誰よりも……」
まゆ「はい♪」
スタ、スタ……
志希「にゃはは、これじゃあまるで結婚式だね。あたし、牧師の経験はないんだけど」
P(勝てない……まゆの言うとおりだ。俺が何をしても、志希には敵わない、もう戦うのも疲れた……)
晶葉「待つんだ助手! それ以上志希に近づくな!」
まゆ「晶葉ちゃんと幸子ちゃんを拘束してください」
P「…………」シュルルルル!
晶葉「ぐっ……!」
幸子「プロデューサー、さん……」グスッ
P(もうあんな晶葉や幸子は見たくない……それに、こんな俺も見せたくない……)
スタッ
288 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 22:03:22.74 ID:ihLrwBRn0
まゆ「さあ、プロデューサーさん」
志希「諦めちゃう? さっきの自分が言った言葉を、自分で裏切っちゃう?」
P「ああ。俺の、負けだ……だから異能を解いて、元に戻してくれ……」
志希「そっか、結局キミもそうなんだ。……つまんないの」
P「頼む志希、どれが本当の自分の感情なのか、もう分からないんだ……!」
志希「全部ホントだよ、そして全部ウソ。あたしの『秘密のトワレ』は『好意』そのものを操作する。誰が好きで、誰が嫌いか……人の感情なんてただの信号なのにねー」
P「説明なんてどうでもいい、早く……!」
志希「じゃあ、解毒剤を渡してもらおっか。それをキミに飲ませたら、元に戻してあげる」
P「……」
晶葉「ダメだ助手! それを渡したら本当に終わりだぞ!」
志希「さ、早く早く。まゆちゃんとハネムーンに行くんでしょー?」
まゆ「行き先はどこにしましょうか、うふふ……」
P「…………」スッ────
裕子「…サイキック来ました! サイキックパワーマックス! ムムムム〜ン!」
P「え……?」
裕子「地の果てまで飛ばしますよ〜……サイキック! 遠隔テレポーテーション!」
ピシュン!
志希「!」
まゆ「プロデューサーさん!?」
裕子「やりました! ……でも、どこにテレポーテーションしたんでしょう?」
志希「にゃはは! やっぱりこれくらいのサプライズが無いとね〜!」
晶葉「助手っ……」
289 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 23:29:50.30 ID:ihLrwBRno
PM10:45
P「んがっ!?」ドサッ
ドサッ、ガサガサ……
P「痛たた、ユッコのやつ本格的なエスパーになってきたな……」スタッ
P(ここは……外のカフェテラスか。夕美と戦った中庭の近くだな)
P「……逃げ延びちまった」
P(「To my darling…」が幸運を引き寄せたのか? いや、そんなのどっちでもいい……)
P「はあ、どうすりゃいいんだ……」
ガサガサガサ!
P「! 誰かいるのか!?」
猫「ニャーッ! ニャーニャーニャー!」シュタッ
P「なんだ猫か。よし、こっちおいで」チッチッ
猫「フシャーッ!」ギラッ
P「痛ぁーっ!? テメー猫ごときが……ん? そういえばこの猫どっかで……」
猫「ニャッニャッ! ニャーニャ!」
P「あーっ、みくじゃねーか!」
みく(猫)「ニャーッ!」ピーン
290 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 23:30:33.83 ID:ihLrwBRno
P「悪い悪い、いま元に戻すよ」スッ
シュイイイイン
みく「……もうっ! Pチャン気付くのが遅い!」
P「すまんすまん、ユッコの近くに居たから一緒にテレポーテーションしたんだな」
みく「……テレポーテーション? みくは起きたらここに居たにゃ」
P「だからテレポーテーションだよ。志希が居た部屋からここに飛ばされた衝撃で目が覚めたんだろう」
みく「なるほど……って志希チャンの所に行ったの!?」
P「ああ。……それより、もう俺には攻撃してこないのか?」
みく「え、う、うん。もう異能は使えないし、頭の中がなんだかスッキリした感じだにゃ」
P「そうか。みくは多分、薬に加えて志希の異能で操作されていたんだろう、それで俺に敵意丸出しだったんだ」
みく「そうなのかにゃ……? 志希チャンからは異能が目覚める薬を貰ったけど……」
P「…………」
みく「あ、あのっ! ……ゴメンだにゃ、Pチャン。みく、悪いことしちゃったんだよね……」
P「別に。もういいよ、何とも思ってない」
みく「そ、そっか……ねえ、なんでみくとPチャンだけテレポーテーションしちゃったの?」
291 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 23:31:00.42 ID:ihLrwBRno
P「……偶然だよ。ユッコのサイキックは俺だけを狙っていたはずだ」
みく「あれ? ユッコチャンってPチャンの仲間だったよね?」
P「……ああ。『だった』んだ」
みく「そう……なんだ」
P「……みく、お前は『黒幕からの刺客』だったよな」
みく「あー、それ恥ずかしいからあんまり言わないでほしいにゃ……」
P「教えてくれ。『黒幕』は志希なのか? 志希は『半分』だと言っていた」
みく「え、っと……ごめん、みくにはよく分からないにゃ。志希チャンの命令に従ってただけ……」
P「じゃあ『黒幕からの刺客』ってのも志希からそう名乗れと言われただけってことか?」
みく「うん……」
P「はあ、そうか……結局、志希を倒さなきゃ先へは進まないんだよな……」
みく「志希チャンとは戦わなかったの?」
P「戦ったよ。それで負けた、いや……自分から諦めたんだ」
292 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/29(火) 23:34:40.71 ID:ihLrwBRno
みく「そっか……だからPチャン元気無かったんだ」
P「アイドルにも酷い事言っちゃうしさ……踏んだり蹴ったりだよ」
みく「……それならきっと大丈夫だにゃ」
P「え?」
みく「だってPチャンはみくを許してくれたでしょ? Pチャンも謝れば、きっとみんなも許してくれるにゃ!」
P「そうか……そうだといいな」
みく「ほら、だったら謝るために行かないとダメだにゃ! 落ち込んでる暇なんてないにゃ!」
P「でも、志希には……」
みく「自分で諦めちゃったなら、最後まで戦ってみれば勝てるかもしれないよ!」
P「みく……」
みく「分からないけど、そう信じることが大事なんだにゃ!」
P「……なんだよ、急に仲間面して」
みく「なっ、倒したら敵が改心するのはよくある話……ってあれ? Pチャン、泣いてる……?」
P「ばっ、泣くかよこんなとこで!」ゴシゴシ
みく「えーっ、今絶対ウルッって来てたよ〜?」
P「来てないッ! ……男の涙は、勝った時に嬉しくて流すんだよ」スタッ
みく「おおっ、じゃあ行くんだね!」
P「ああ。志希……今度こそお前を倒すッ!」
P(そのための作戦は────)
選択肢(二つ選んでください)
1.他のアイドルには一切目もくれず志希だけを狙う
2.最優先でまゆに解毒剤を飲ませる
3.強力な「LEGNE」を召喚しておく
4.「華蕾夢ミル狂詩曲〜魂ノ導〜」で様々な道具を具現化しておく
5.やっぱり猫が好き
6.みく、合体してくれ!
7.俺と志希以外を追放するッ!
8.みんなと一つになる!
↓2
293 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/29(火) 23:45:26.75 ID:lguJxKbco
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