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魔王の物語
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1 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:49:52.17 ID:eOc4IywQo
魔王♂「ふむ・・・この玉座・・・なかなかの座り心地だ」
側近♀「魔王様、就任おめでとうございます!」
側近「いやあ!遂になっちゃいましたねえ!魔王!」
側近「魔族のトップですよ!トップ!」
側近「どうします!?今日は派手にやっちゃいます!?」
側近「コンパニオンとか呼んじゃいましょうか!?」
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1503197391
2 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:50:36.10 ID:eOc4IywQo
魔王「落ち着け、側近・・・やるべきことは山ほどある」
側近「またまた!そんなに畏まっちゃって!」
側近「祝える時に祝うべきですよ!そう!まさに今日!今!この時がそうです!」
魔王「まずは、現勇者の状況を知りたい・・・」
側近「あぁ・・・まじで初日から仕事するんですね」
魔王「・・・」
3 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:51:03.74 ID:eOc4IywQo
側近「わかりました!わかりましたよ!さっさと仕事にかかりましょう!」
魔王「頼む」
側近「ええっと、我が眷属達によりますと・・・」
側近「現在、国境を越えて我が領地内で魔物を狩っているようですね」
魔王「我が領土内に・・・?まさか、我に挑むつもりか・・・?」
側近「まさか!古代の勇者じゃあるまいし!」
4 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:51:29.64 ID:eOc4IywQo
側近「情報だと4人パーティーを組んでいるそうです」
側近「まあ、普通に考えて威力偵察でしょう」
側近「なにせこっちは指導者が変わったばかり、領土侵犯にどんな対応をしてくるか」
側近「試しているんでしょう」
魔王「・・・であるか」
側近「いかがいたしましょうか?」
5 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:51:55.89 ID:eOc4IywQo
魔王「・・・捨て置け」
側近「よろしいので?」
魔王「勇者の持つ強大な力は恐ろしいが、所詮は国家の犬・・・」
魔王「我々が目を向けるべきは、勇者パーティーの飼い主であろう・・・」
側近「とか言っちゃって!勇者の動向を聞いたの魔王様のくせに!」
側近「内心どっきどきのくせに!へい!魔王様びびってる!」
6 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:52:22.14 ID:eOc4IywQo
魔王「・・・勇者たちの飼い主、共和国の動きはどうだ?」
側近「ま!話をそらしちゃって!」
魔王「・・・」
側近「・・・ええっと、着々と軍備を拡張しているようですね」
側近「まあ、こっちの態勢が整う前に攻めてくる可能性大です」
側近「それを含めての勇者たちの偵察でしょう」
7 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:52:48.36 ID:eOc4IywQo
魔王「で・・・あるか」
側近「で・・・あります!」
側近「まあ、麦の収穫が済んでからと仮定しても早くて二月といったところでしょうね」
魔王「戦争は近い・・・準備を進めよう」
側近「はい!」
側近「ところで・・・コンパニオンはどうします・・・?」
8 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:53:20.90 ID:eOc4IywQo
魔王「・・・・ま、また今度にしよう」
側近「魔王様のいけずぅ!!」
9 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:53:56.82 ID:eOc4IywQo
------
勇者♂「では!勇者パーティーの旅立ちを祝して!かんぱーい!」
魔法使い♀「かんぱーい!」
戦士♂「かんぱい・・・」
剣士♂「かんぱーい!」
剣士「・・・じゃねえよ!!」
10 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:54:22.54 ID:eOc4IywQo
剣士「なに旅立ちの初日から!しかも昼から!俺たちは酒場にいるんだよ!?」
勇者「・・・?いや、めでたいし」
勇者「俺たちの輝かしい、栄光の冒険の始まりだし」
戦士「うむ・・・めでたい・・・」
魔法使い「まあ、飲めるなら何でもいいよ?」
剣士「まともなのは俺だけかよ!?」
11 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:54:48.88 ID:eOc4IywQo
剣士「あのね!俺たち魔王を倒しに行くんだよ!」
戦士「・・・うむ」
剣士「今日はその初日!第一歩!新たなる旅立ち!」
剣士「飲んでる場合じゃないだろ!」
勇者「・・・でも・・・祝える時に祝っておかないと・・・」
剣士「そういうのって!街の一つでも救ってからだろ!?」
12 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:55:14.51 ID:eOc4IywQo
勇者「でもでも!」
剣士「でもじゃねえええええええ!」
魔法使い「すいませーん!こっちにワイン追加でー!」
戦士「肉もくれ」
剣士「」
剣士「・・・もういいよ、お前らに普通を求めた俺が馬鹿だった」
13 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:55:40.99 ID:eOc4IywQo
剣士「叫んだら喉が渇いた・・・俺にも酒くれ」
勇者「よし!まとまったな!」
勇者「では改めまして乾杯!」
14 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:56:08.61 ID:eOc4IywQo
------
剣士「だいたいさー、勇者ってのは協会の洗礼受けてさー」
剣士「国に忠誠を誓ったものだけがなれるやつじゃんー」
剣士「おまえはさー、自称じゃん!自称勇者じゃん!」
剣士「なんか、そこから気に食わないんだよねー」
勇者「うわあ、めんどくせえやつ」
15 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:56:34.21 ID:eOc4IywQo
魔法使い「だらしない男ね」
戦士「たった一杯で酔いおった・・・」
剣士「うるへー、どうなのよ自称勇者様!?」
剣士「偽物勇者よ?そこらへんどう思ってんの?」
勇者「何言ってんだへっぽこ!魔王を打倒すのは勇者の役目だろ!」
勇者「俺たちの目的は魔王を倒すこと!」
16 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:57:09.10 ID:eOc4IywQo
勇者「なら俺らが勇者名乗っても問題ないだろ!」
戦士「うむ・・・見事な論理的思考だ」
魔法使い「ほれぼれするわね・・・」
剣士「むちゃくちゃじゃねえか!そんなの俺はみとめんぞー!」
魔法使い「ほら、お口がお留守よ・・・早くこれを飲みなさい」
剣士「むが・・・っ!んぐっんぐっ・・・・!」
17 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:57:44.46 ID:eOc4IywQo
剣士「」
戦士「・・・たった二杯で撃沈か、情けない」
勇者「さて!へっぽこも黙ったし、そろそろ出立するか!」
魔法使い「ええ!?今日はお祝いじゃなかったの!」
魔法使い「まだ!まだ飲み足りないわ!」
勇者「ダメだ!お祝いはここまで!これからはお仕事の時間!」
18 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:58:12.99 ID:eOc4IywQo
戦士「・・・時間管理が徹底している、さすが勇者だ」
勇者「ふふふ!ありがとう戦士!」
魔法使い「えぇー・・・・もう一杯だけでも・・・」
勇者「次の村に着いてからな!そしたらまた、一日の終わりを祝して一杯やろう!」
勇者「さあ!そこで伸びてるへっぽこは放っといて行くよ!」
勇者「マスター!酒代は、そこのへっぽこが持つ!」
19 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 11:58:38.47 ID:eOc4IywQo
酒場の主人「へーい、まいどー」
魔法使い「ふう・・・仕方ないわね・・・行きましょうか!」
戦士「・・・うむ!」
勇者「よし!では、しゅっぱつ!」
勇者「いざ!魔王城へ!!」
20 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 13:37:43.04 ID:eOc4IywQo
------
魔王「思っていたより大分酷いな・・・」
側近「いやーここまで酷いと笑えてきますね!ふふふ!」
魔王「いや・・・全然笑えんぞ」
側近「では、改めて説明しますね!現在の楽しい楽しい魔王軍団の現状!」
魔王「うむ、頼む」
21 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 13:38:12.13 ID:eOc4IywQo
側近「軍団とは名ばかりの無法者集団!魔王軍!」
側近「組織体系なし!命令系統不明!構成人数不明!」
側近「うむ!ひどい!」
側近「どうします?いっそのこと、こんな国滅ぼして田舎に引っ込みます?」
魔王「・・・中央集権化を図る」
側近「魔王様との隠居生活!なかなか胸躍ります!」
22 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 13:38:38.52 ID:eOc4IywQo
魔王「嫌がる連中は多いだろうが、魔王とは魔族中最強の称号」
魔王「我が命ずれば、そう難しくはないはずだ」
側近「隠居の件はスルーですか・・・」
側近「まあ、魔王の称号は我々魔族にとっては絶対的な存在ですしね」
側近「いやいやでしょうが、逆らうことはないでしょう」
側近「いやあ!いいですねえ独裁者!」
23 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 13:39:36.31 ID:eOc4IywQo
側近「しかし知っていますか!魔王様!?」
側近「世に栄えた悪はなし!独裁者しかり!」
側近「いつか寝首をかかれないよう、お気を付けください!」
魔王「・・・うむ、肝に銘じよう」
側近「ふふふ!隙さえあれば私が!寝首どころか!あらぬところまで掻いてさしあげましょう!」
魔王「え、遠慮しておく・・・」
側近「ああん!魔王様のいけず!」
24 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 13:39:47.05 ID:BqF46r+Yo
期待
25 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 14:40:08.71 ID:eOc4IywQo
------
側近「ぐえー、魔王様ー」
魔王「・・・続けろ」
側近「魔王軍の再編成の件です」
魔王「・・・幹部候補は見つかったか?」
26 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 14:40:34.76 ID:eOc4IywQo
側近「ええまあ、候補者の選定も済んでます。あとは魔王様の了承さえもらえれば」
側近「すぐにでも幹部を軸に組織化を図ります」
魔王「・・・仕事が早いな」
側近「もっと褒めろ」
魔王「・・・す、すごい」
側近「・・・まあ、よしとしましょう!」
27 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 14:42:10.85 ID:eOc4IywQo
側近「ちょっと力でましたし」
側近「ああ、幹部候補の話でしたね」
魔王「・・・頼む」
側近「えー、東の海からシーサーペント」
側近「水軍及び情報部を統括してもらおうと思ってます」
魔王「まあ・・・水軍は当然ではあるか」
28 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 14:42:38.68 ID:eOc4IywQo
魔王「情報部については・・・なぜだ?」
側近「水の精霊も彼女の一族です」
魔王「なるほど・・・世界中に目と耳をもつわけか」
側近「人あるところに水あり、ですからね」
魔王「ふむ・・・つぎだ」
側近「北の山脈からゴレム」
側近「陸軍ですね」
魔王「妥当だな・・・」
側近「彼らには魔王城及び、各地の砦の整備も行ってもらいます」
魔王「うむ・・・」
側近「西の森のダークエルフ、彼は魔王様もご存知ですね」
側近「剣と弓に長けた彼です」
29 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 14:43:05.82 ID:eOc4IywQo
魔王「ああ・・・やつか・・・奴には何をさせる?」
側近「集団戦闘の調練を行ってもらうつもりです」
魔王「あの一匹狼に・・・?」
側近「あのですね魔王様!私や魔王様の一族、あとダークエルフ等の一部を除いて」
側近「ほとんどの魔族が群れないで好き勝手やってるんですよ!」
側近「そういう輩は、集団で戦うって意識が一切ないんです!」
魔王「まあ・・・単独でも人間に、そうそう負ける連中ではないしな・・・」
側近「ダークエルフの彼は、確かに一匹狼ですが!集団戦闘の重要性は知っています」
側近「群れるのが好きか否かではなく、群れることを知っているかが重要なのです」
側近「魔王軍再編で最も困難なのは、この戦い方の意識改革です!」
側近「最も困難ですが、これを為せば!我が魔王軍は一段と強さを増すことでしょう!」
魔王「・・・一番大変だから」
30 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 14:44:03.46 ID:eOc4IywQo
側近「そうです!あの糞ガキに任せるのです!」
側近「おっと、ついうっかり本音が!ふふふ!」
側近「まあ、かつてのライバルとは言え今や私たちは魔族のトップ」
側近「無理にでも従ってもらいましょう」
魔王「・・・良い考えだ」
魔王「幹部候補はこれで全てか・・・?」
側近「そうですね、あとの雑務は私がやろうかと」
側近「・・・で、ですね、魔王様・・・あの///」
魔王「どうした・・・?」
側近「東のシーサーペント、北のゴレム、西のダークエルフ、私の4人で///」
側近「魔王軍四天王を名乗ってもよろしいでええしょおおかああああ!!!
魔王「・・・四天王」
31 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 14:44:30.43 ID:eOc4IywQo
側近「水の四天王シーサーペント!土の四天王ゴレム!風の四天王ダークエルフ!」
側近「そして火の四天王にして四天王のリーダー私!」
魔王「・・・おまえに、火の要素があるのか?」
側近「そこはほら、わたし熱血漢?ですし」
側近「火の魔法得意ですし!」
魔王「・・・側近よ、それに何の意味がある?」
側近「いやいやいや!『魔王軍四天王』ですよ!『魔王軍四天王』!」
側近「『魔王軍幹部』じゃ勇者に勝てる気がしねえ!」
魔王「名前にこだわったところで、一体どうなる・・・?」
側近「いやいやいや!モチベーション!『魔王軍幹部』じゃモチベーションがあがらないです!」
魔王「む・・・モチベーションか・・・」
側近「我ら魔族の強さは、頑強な肉体、膨大な魔力だけではありません!」
32 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 14:45:05.14 ID:eOc4IywQo
側近「我らの強さは、その強く気高き精神であります!」
魔王「ふむ・・・そこは同意見だ・・・」
側近「でしょう!?だから!その気高き精神をより高めれば!最強じゃないっすか!?」
魔王「ふむ、一理ある・・・か?」
側近「名称を変えるだけで強さ倍増!メリットしかねえ!」
魔王「・・・わかった、幹部候補については了承した」
魔王「今後は『魔王軍四天王』と名乗るがよい」
側近「ひゃっほう!!」
側近「さっすが!魔王様!話がわっかるうー↑」
魔王「・・・う、うむ」
側近「よし!ではさっそく、軍の再編に取り掛かります!」
側近「新生魔王軍!『ダーク オブ ナイツ』!!出陣だ!!!」
33 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 14:45:38.21 ID:eOc4IywQo
魔王「・・・行ったか」
魔王「・・・」
魔王「・・・っ!待てっ側近!いや、火っ///火の四天王っ!///」
魔王「四天王は認めたっ!が、『ダーク オブ ナイツ』は聞いてないっ!」
魔王「そっそれは!あまりにもっ!!」
魔王「ダサすぎるっ!!!」
34 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 15:03:48.86 ID:8q9CQ1wy0
ワロタ
35 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage saga]:2017/08/20(日) 15:14:03.38 ID:TlLQuemd0
ちゃんと火の四天王って呼んであげる律儀な魔王様
36 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 15:54:25.34 ID:8yyPI5jBo
いいねーいいねー
37 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 18:53:08.76 ID:eOc4IywQo
------
側近「魔王様ー!四天王の招集完了いたしました!」
魔王「・・・うむ、すぐに会おう」
側近「その前に、一つ申し上げたいことが・・・」
側近「よろしいですか?」
魔王「申せ・・・」
側近「私が四天王とか!ダークオブナイツの再編を必死こいて働いているのに!」
側近「魔王様、全く働いてない気がするんですけど!」
側近「そこらへんどうなんですか!」
魔王「・・・我だって働いておる」
側近「例えば!?言ってみ!」
魔王「軍団を維持する糧秣の調達とか・・・」
38 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 18:53:34.88 ID:eOc4IywQo
側近「それそれ!この間、『考えがある・・・任せておけ・・・』って」
側近「言ったきりじゃないですか!」
側近「仕事すすんでます!?玉座にふんぞり返ってるのが貴方の仕事ですか?」
側近「いまは、まだ大丈夫ですよ!」
側近「辺境で取りまとめをしてる最中ですから!」
側近「飯も各地に供出してもらってますし!」
側近「これが本格的に再編進んだら大変なことになりますよ!」
側近「飢えた魔物達をどうやって統率するんですか!?」
側近「飯が無くては!軍団なんて夢のまた、夢!」
側近「世界征服なんて絵空事!」
魔王「・・・すまぬ」
側近「すまぬ・・・!じゃないですよ!」
39 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 18:54:27.76 ID:eOc4IywQo
側近「見てください!この目の隈!やばいでしょ!」
側近「私だけ!仕事してる私だけの名誉の勲章!」
魔王「・・・隈なんてないが」
側近「あるんです!心の目に!隈が!」
側近「だいたいですね!」
魔王「糧秣問題は既に解決した・・・」
側近「・・・ん!?」
魔王「つい先ほど・・・解決した」
側近「んんんんん???もしかして、嘘ついてます?」
側近「怒られるのが怖くて嘘ついてます!?」
風の四天王「おい!いつまで待たせるんだ!!!」
40 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 18:54:54.42 ID:eOc4IywQo
水の四天王「あーあー、待てって言ってるのに!ごめんなさいね魔王様」
土の四天王「失礼する」
側近「あっ!こらっ!待っててって言ったのに!」
魔王「・・・よい、よくぞ来た魔王軍四天王の諸君」
風の四天王「だっさ!魔王軍四天王??だっさ!」
風の四天王「なに?これ魔王様が考えたの?魔王軍四天王???」
風の四天王「素晴らしいネーミングセンスだな!こりゃ笑える!魔王軍四天王だってよ!」
側近「あぁ?殺すぞ糞ガキ」
側近「ダサいって言ったか?おい?」
風の四天王「えっ・・・?これ側近さんのアイディアなのですか?」
水の四天王「どう考えても、そうでしょ」
土の四天王「良かった・・・魔王様の、センスを疑うところだった」
41 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 18:55:28.82 ID:eOc4IywQo
側近「・・・・・」
風の四天王「い、いや!ごめんごめん!ちょっと調子に乗ってしまいました!」
風の四天王「側近さん、グッドセンス!」
側近「」プルプルプル
側近「ま、魔王様・・・魔王軍四天王、ここに揃いました」
魔王「うむ・・・久しいの風の・・・」
風の四天王「ええ、お久しぶりですね『魔王様』」
風の四天王「魔王就任おめでとうございます」
風の四天王「しかし、あれですね。雰囲気だいぶ変わりましたね」
風の四天王「以前は、礼儀を知らぬジャガイモの様でありましたが」
土の四天王「不敬だぞ風よ、口を慎め」
土の四天王「お初にお目にかかります魔王様」
42 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 18:55:55.91 ID:eOc4IywQo
土の四天王「かつては先代魔王様に仕えておりました、ゴレムでございます」
魔王「よいのか・・・?先代は我の手によって・・・」
土の四天王「それが魔王の常にございます」
土の四天王「しかし、あの先代を倒すとは・・・魔王様の強さは恐ろしくありますなあ」
魔王「・・・ふむ、わだかまりはあろうがよろしく頼む」
水の四天王「私も初めましてね、魔王様」
魔王「シーサーペントと聞いていたが・・・その姿は?」
水の四天王「ああ、これですか」
水の四天王「元の姿じゃ魔王城に収まりきらないですからね」
水の四天王「変化の術を使っております」
水の四天王「だいたい、魔王城の調度品が人間サイズってのも変な話だけども」
側近「それにはまあ、理由があるんですけど」
43 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 18:56:23.19 ID:eOc4IywQo
側近「まあ、その話はそのうちでいいでしょう」
側近「えっと、貴方たち。まだね魔王様と私の話が終わってないの」
側近「一度、退席していただきたいんだけど」
魔王「よい・・・こやつらにも説明したい」
風の四天王「?」
魔王「魔王軍の糧秣についてだ・・・」
風の四天王「なんだ、就いて早々、飯の話かよ」
土の四天王「お聞かせ願おう」
魔王「先代魔王を倒してから、我の体に異変が起こった・・・」
側近「ん?糧秣の話では・・・」
魔王「まず、感情が失われていった・・・」
側近「え・・・?」
44 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 18:59:27.27 ID:eOc4IywQo
魔王「いくつかの記憶も失われてきている」
側近「あの時、貸した金返してもらっていいですか!?」
魔王「む・・・すまぬ、覚えていない」
側近「あとで返済について話し合いましょう!」
水の四天王「抜け目ない娘ね・・・」
側近「というか!魔王を倒してから口調が変わったのって、それが理由ですか?」
魔王「・・・うむ」
側近「うわーっ!まじすかっ!」
側近「てっきり中二病的な!魔王の貫録を出そうとしているとばっかり!!」
側近「そらそうだわな!急に性格変わったもんな!そんな理由があったとは!」
土の四天王「続けてくだされ・・・それからどうなされた?」
魔王「いくつかのものを失った代わりかは知らぬが・・・」
45 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 19:00:08.05 ID:eOc4IywQo
魔王「我は強大な魔力を与えられた」
魔王「・・・どこからか、誰からかはわからぬが」
魔王「大量の魔力が、現在も我に注がれ続けている・・・」
風の四天王「・・・魔神の祝福か」
水の四天王「御伽噺だと思っていたわ、本当の話だったのね」
魔王「今の我なら先代魔王など、片手で倒せよう・・・」
側近「・・・まじすか、あの最強じじいを片手で殺れる程の魔力・・・」
側近「あの爺、どうりで強かったわけだ!そんなズルしてたなんて・・・!」
土の四天王「魔神の祝福を得ていた先代すら倒すとわ・・・魔王様の地力、恐ろしや」
魔王「・・・」
魔王「この膨大な魔力を、軍団全ての魔物、魔族に供給する魔法が」
魔王「つい、先ほど・・・完成したのだ」
46 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 19:01:33.07 ID:eOc4IywQo
風の四天王「まじかよ」
側近「え・・・、まじ強くね!?さいつよじゃん!」
魔王「数が数だ・・・個々人に与えられる力は微々たるものになるだろう」
魔王「だが・・・魔力さえ供給され続ければ、我ら魔族に飯はいらぬ・・・」
水の四天王「兵站の概念がいらない軍隊・・・」
水の四天王「うわ・・・世界征服叶うじゃん」
側近「ふぅううー↑魔王様ふぅううう!!!」
風の四天王「でも、それなら。なんで今までの魔王は世界征服を為しえなかったんだ?」
土の四天王「ふむ・・・先代も先々代も、自らの研鑽にしか興味がない方々だったからのう」
側近「うわ・・・まじ?魔族のトップから世界のトップへ!」
側近「玉の輿どころじゃねえぜ!」
魔王「そういうことだ・・・だから魔王軍の再編を本格的に進めても大丈夫だ」
47 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/20(日) 19:08:09.40 ID:eOc4IywQo
側近「どこまでも着いていきますぜ!魔王様!」
魔王「・・・た、頼む」
側近「じゃあ!景気づけにあれやっときましょうか!」
風の四天王「あれ?」
側近「私考案の!魔王軍の意気を上げるための掛け声です!」
側近「私に続いてご唱和ください!」
側近「いきますよ〜〜!」
側近「世界制服!ぜったいやるぞ!最強魔王軍ファイト―!!!」
水土風「「「お、おぉおお〜〜!」」」///
魔王「・・・何それ知らない」
48 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 19:17:30.16 ID:8yyPI5jB0
側近の部活みたいな乗り好き
49 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/20(日) 22:30:21.58 ID:aVCbdK/AO
ワロタ
50 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/21(月) 17:41:08.70 ID:2Kdtlp2Wo
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魔法使い「勇者くーん」
勇者「お、どうだった?」
魔法使い「村の人たちの情報だと、やっぱり北の山に竜がいるみたい」
勇者「ふむ、やっぱり遠回りしてでも立ち寄って正解だったな」
戦士「ちなみに、どのような話が聞けたのだ・・・?」
魔法使い「ちょうど一年ほど前に、山から火柱が上ったんですって」
魔法使い「それ以来、鈍い低いうめき声が時より山から聞こえてくるって」
戦士「山から火柱か・・・竜の吐く、火の息吹であろうな」
勇者「本来なら、もっと北東の山奥に行かないと会えない存在だ」
勇者「こんなに近場にいるとは僥倖僥倖」
剣士「まるで、もう会えたかの言いぶりだな」
51 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/21(月) 17:41:42.22 ID:2Kdtlp2Wo
勇者「そりゃあ、竜ってのは体も魔力もでかいんだ」
勇者「痕跡をたどれば、探すのは容易いだろ」
剣士「・・・っへ」
剣士「だいたい会ってどうするんだ?退治でもするのか?」
魔法使い「ばかねー、竜とやりあってどうするのよ」
剣士「じゃあなんだ?お話でもしに行くのか?」
勇者「まあ、そうなるな」
剣士「はあ?」
剣士「なんだ勇者?おまえ、竜とオトモダチだったのか?」
剣士「久しぶりに旧友と談笑しに行きますってか?」
剣士「なんとまあ、顔の広いおとこだこと」
魔法使い「黙りなさい剣士君」
52 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/21(月) 17:42:20.71 ID:2Kdtlp2Wo
剣士「・・・」
魔法使い「あのね剣士君、竜ってのは魔の者にも人間にも与しない中立の立場なわけ」
剣士「・・・はい」
魔法使い「だから、お話しして味方になってもらおうって策略よ」
剣士「えらい、簡単に言ってるけど・・・」
勇者「まあ、駄目でもともと!やってみなければわからんよ!」
剣士「ていうか、みんな物分かりが随分いいけど・・・」
剣士「もしかして、俺抜きで話し合いとかしてない・・・?」
剣士「だいたい、遠回りしてることすら俺知らなかったんだけど!?」
戦士「・・・」
魔法使い「さてと・・・そろそろ、行きましょうか!みんな!」
勇者「だってお前、うざいし」
53 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/21(月) 17:43:20.88 ID:2Kdtlp2Wo
剣士「」
魔法使い(・・・言っちゃった)
魔法使い(まあ、いちいち勇者くんに噛みつくせいで話進まないしね・・・)
戦士「さすが勇者様・・・皆が言いづらいことをはっきり仰るとは・・・」
魔法使い(あ・・・とどめ・・・)
剣士「」
勇者「よし!じゃあ元気出して行きましょー!」
剣士「」
勇者「おい!どうした剣士!元気がないぞ!」
魔法使い(勇者くん・・・恐ろしい子っ!)
54 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/21(月) 20:58:11.18 ID:2Kdtlp2Wo
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剣士「」
戦士「・・・なんとまあ」
勇者「」
魔法使い「こんな片田舎に、こんなのがいるとわね・・・」
竜「・・・ぐるる」
剣士「え・・・あ・・・・」ガクガクガクガク
剣士(やべぇ・・・っ!オーラ!威圧感半端ないっ・・・!)
剣士(立ってるのがやっと・・・!逃げたいっ!いますぐ裸足で逃げ出したい!)
剣士(だが・・・っ!勇者の前でそんな醜態見せられない!)
勇者「」
勇者()
55 :
◆CItYBDS.l2
[saga]:2017/08/21(月) 20:58:48.46 ID:2Kdtlp2Wo
戦士「剣士は・・・無理もないか」
戦士「しかし、さすが勇者様・・・これほどの竜に相対しても物怖じせぬとわ・・・」
魔法使い「物怖じしないというか、意識ないんじゃない?」
戦士「・・・さすが勇者様、気を失っても尚、敵に背を向けぬとわ」
魔法使い「あっ勇者くん、泡吹きだした」
戦士「・・・さすが勇者様、そのような特技をお持ちとわ」
魔法使い「あんたの盲信がちょっと怖くなってきたわ」
竜「敵・・・」
戦士「む・・・」
竜「敵に背を向けぬ、と言うたな」
竜「そなたらは」
竜「我の敵であったか」
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