相葉夕美「夏空の庭に咲く」

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1 : ◆tues0FtkhQ [sage]:2017/08/19(土) 22:28:12.07 ID:Gp6ytkqlo

モバマスの相葉夕美ちゃんのSSです。

http://i.imgur.com/yZ7QAd9.jpg
http://i.imgur.com/PBkwlfJ.jpg

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503149291
2 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:29:04.49 ID:Gp6ytkqlo



『本日の花火大会、プレイベントのゲストでご登場頂いたのは、相葉夕美さんでしたー』



夕美「ありがとうございました! みなさん、今日の花火、楽しんでくださいね♪」
3 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:30:12.01 ID:Gp6ytkqlo


――――――
―――


P「夕美、お疲れ様」

夕美「あっ、Pさん。ありがとう♪ ステージ大丈夫だった?」

P「完璧、完璧。 夕美は安定してるから冷や冷やしなくて助かるよ」

夕美「良かったっ。お客さんがみんな暖かかったおかげかな」

P「花についてのMCも結構受けてたなぁ」

夕美「えへへっ。花火大会に合わせて調べてきたからねっ」

P「それにしても、花火大会だから花のアイドル呼ぶってちょっと安直すぎるような」

夕美「細かいことは気にしないっ♪ それに……」

P「それに?」

夕美「Pさんと2人っきりで地方に来れる機会なんて、なかなかないよっ」
4 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:30:40.54 ID:Gp6ytkqlo

P「ホントはあんまり良くないんだけど」

夕美「Pさんの地元なんだよね? やっぱり土地に詳しい人がいないと!」

P「いや、大学がこっちだったってだけなんだ。まぁ、ちひろさんにも同じように言いくるめられたよ」

夕美「ちひろさんのおかげで、今日だけは私がPさんを独り占めだね♪」

P「……」

夕美「あの……なにか反応は……」

P「夕美さーん、顔が赤いぞー」

夕美「そういうことは指摘しちゃダメっ。もうっ、恥ずかしいなぁー!」
5 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:31:13.98 ID:Gp6ytkqlo

夕美「それで、Pさん♪ このあとはっ?」

P「このあとは……」

夕美「……」ドキドキ

P「お仕事が終わったので、花火を見に行きます!」

夕美「わーいっ!」

P「ということで着替えておいで。 荷物預けて、外で待ってるから」

夕美「はーい! ふふっ。Pさん、絶対にびっくりさせちゃうからね♪」タッ

P「ん? あっ、行っちゃった……」
6 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:31:55.70 ID:Gp6ytkqlo





夕美「Pさんっ。おま…た…せ…」

P「おう、お疲れ様。……夕美?」

夕美「あのPさんが浴衣になってる!?」

P「流石にスーツはキツイなぁって」

夕美「シックな感じで、ちょっと大人っぽくていいねっ♪」

P「ありがとう、夕美も新しい浴衣似合ってるよ」

夕美「あっ、気づいてくれて嬉しいな♪ オレンジ色と水色のおニューの浴衣だよっ」

P「また花柄なんだな……ひまわり?」

夕美「正解っ! って流石に簡単だよね。じゃあ、花言葉はなんでしょうっ?」

P「愛しいあなただけを見つめています」ジーー

夕美「あの……Pさん、本当に見つめながら言われると……」テレテレ

P「よし、じゃあ行くか」プイッ

夕美「あっ。また、からかって!」
7 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:32:30.46 ID:Gp6ytkqlo


――――――
―――


P「とりあえず腹ごしらえしつつ、会場の方に向かおう」

夕美「花火は川の方でやるんだよね?」

P「そうそう、出店はこのへんに並んでるから、買っていくのがいいかな」

夕美「こんなにいっぱいあると、いろいろ目移りしちゃうよねっ」

P「悩んじゃうんだよなぁ。夕美、何がいい?」

夕美「えっ。うーんと、えーっと……あっ、あれはなに?」

P「あぁ。ぽっぽ焼きだな」

夕美「ぽっぽ焼き?」

P「多分この辺にしかないんじゃないんかな。なんていうんだろう……黒糖蒸しパン?」

夕美「ちょっと気になるかもっ。おいしそうだね♪」

P「じゃあ、買っていこうか。俺も久しぶりに食べたいな」

夕美「Pさんの思い出の味だったりするの?」

P「そうかも。わりと、どこでも売ってるんだけどね。お祭りでよく食べてた気がする」

夕美「ふふっ。こうやってPさんの思い出に触れられるって素敵だねっ」

P「なんか、そう言われると恥ずかしいな」

夕美「いい機会だからね! もっとPさんのこと、教えてほしいな♪」
8 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:33:07.38 ID:Gp6ytkqlo

P「そんなに面白くないと思うんだけどなぁ。よし、あとは焼きそばと……」

夕美「かき氷とラムネとかどうかなっ!」

P「よくばりさんだな」

夕美「えへへ、なんかこの2つがないと夏祭りって感じがしなくて」

P「かき氷、何味にする?」

夕美「イチゴっ!」

P「はーい。じゃあ、俺はブルーハワイにしようかな」

夕美「確か、味は一緒なんだよね」

P「まぁ、こういうのは気分だからな。お祭りだし、夕美がいるなら、なんだって美味しいもんだ」

夕美「はうっ」

P「?」

夕美「な、なんでもないっ」

夕美(き、今日の私、弱すぎないかなっ)

夕美(もうっ、最近こんなのばかりーっ。今日こそ、今日こそ、私からっ)
9 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:33:37.27 ID:Gp6ytkqlo





ザワザワ

夕美「ものすごくたくさん人がいるね」

P「結構有名な花火大会だからなぁ」

夕美「こんなに人がいたら、席とか取っておかないとダメじゃないの?」

P「そこはわたくしにお任せあれ」

夕美「Pさんの魔法かなっ?」

P「夕美のステージのお礼に、有料席を取ってもらいました」

夕美「それ、私が頑張った分だよっ!」

P「まぁまぁ」
10 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:34:29.82 ID:Gp6ytkqlo

夕美「Pさんは、ここの花火見たことあるんだよね?」

P「おう、大学の時になー」

夕美(あっ、その時の彼女さんと来たの……かな?)

P「……サークルの男だけで来たよ」

夕美「えっ?」

P「夕美は分かりやすいなぁ」

夕美「えっ、えっ。そんな顔してた!?」

P「してた、してた」

夕美「ちょっと……顔見ないでくれると嬉しいかも」プイッ

P「あはははは」
11 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:35:03.33 ID:Gp6ytkqlo

夕美「もーっ。有料席……あっ、ここだね!」

P「ふぅ。花火が始まるまでもうちょっとあるかな」

夕美「じゃあ、とりあえず買ったもの、食べちゃおっか。かき氷、溶けちゃってるよ」

P「あんまり急いで食べると……」

夕美「頭キーンってしちゃったっ」

P「ほれ」

夕美「つ、冷たっ。 ど、どうしてかき氷の器を頭に当てたの?」

P「冷やすと頭痛が収まるんだってさ、どう?」

夕美「ホントだー、治った! Pさんのおかげだね♪」

P「夕美、舌真っ赤になってる」ベー

夕美「Pさんも真っ青だよ」ベー

P「あははは、2人して何やってるんだろうな」

夕美「えへへ」
12 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:35:30.75 ID:Gp6ytkqlo

P「ぽっぽ焼きもどうぞ」

夕美「なんだろう……優しい味がするねっ」

P「あー、確かに。たまーに食べたくなるくらいのもんだな」

夕美「これがPさん思い出の味かぁ」

P「あの、そんなに強調されると申し訳なくなるんだけど」

夕美「いっぱいからかってきたお返しだよっ!」

P「そんなニコニコしながら言われても可愛いだけだぞ」

夕美「うぅぅ」
13 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:36:08.88 ID:Gp6ytkqlo


――――――
―――


『ただいまより、花火大会を開始いたします』

パチパチパチ


ひゅるひゅるひゅる――どん、どーんっ。


P「おぉ」

夕美「わぁっ」

P「始まったな」

夕美「始まったね♪ やっぱり花火、素敵だなぁ」

P「夜空を庭にして、本当に花が咲いてるみたいだな」

夕美「えへへ。じゃあ、あれはダリアでしょ、それからあっちはガーベラかなぁ」

P「おっ。今度はコスモスかな」

夕美「紫陽花かもっ」

P「確かに。赤、青、紫と来たら、それっぽいね」
14 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:37:32.63 ID:Gp6ytkqlo


ひゅるひゅるひゅる――どーんっ、ぱらぱらぱら。


夕美「ねぇ、Pさんっ。花火の名前がついたお花もあるんだよっ」

P「墨田の花火とかだっけ? なんかあべこべだよな」

夕美「えへへ、大正解! Pさんもお花に詳しくなってきてるね♪」

P「そりゃ、担当アイドルが隙あらば花の話してくるから……」

夕美「め、迷惑だった?」

P「いや、花の話の時の夕美は目がキラキラしてるからな。見てて飽きないよ」

夕美「なんかあんまり嬉しくないよっ!」

P「じゃあ、花の話をしてる夕美は可愛い」

夕美「そ、それは……もうっ、照れちゃうよ……」
15 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:38:11.56 ID:Gp6ytkqlo


――――――
―――


ひゅるひゅるひゅる――どーんっ。


夕美「……」

P「……」

夕美(あ……、あれ。やっぱりこういう雰囲気ってドキドキする……)

夕美(落ち着けーっ、落ち着け―っ! せっかくのチャンスなんだからっ)

夕美(そう! 次の一発が上がったら、さりげなくPさんの手を握るよっ)

ひゅるひゅるひゅる――どーんっ。

夕美(よしっ! い、いくよっ。ぱっ……ぱっ……)

夕美(わーっ。ダメ、なんかすごい恥ずかしいっ)

夕美(次、次こそっ)アワアワ

P「おーい、夕美ー?」
16 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:38:42.12 ID:Gp6ytkqlo


――――――
―――


夕美(ああああぁ、もう10発目だよ……。)

夕美(つっ、次、花火が上がったらぎゅってするの、するんだからっ)

『――続いて、正三尺玉が打ち上がります。みなさま、ご注意ください』

P「おっ。夕美ー、でかいのくるぞー」

夕美「……えっ、Pさん、な――」


――どぉんっ。


夕美「ひゃっ」ギュッ

P「おっと。そんなにびっくりした?」

夕美「いっ、今の何だったの?」

P「正三尺玉って言って、ちょっと大きい花火なんだよ。ほら、もう一発来るぞ」
17 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:39:09.11 ID:Gp6ytkqlo


――どぉんっ。


夕美「わぁっ。空一杯に広がるんだね♪ それにすごい音、びっくりしちゃった」

P「『ひゃっ』とか反応が可愛いなぁ」

夕美「もうっ、もうっ」

P「あと、夕美?」

夕美「ん? どうしたの?」

P「そんなにくっつかれると暑いんだけど……」

夕美「うわあああっ。ご、ごめんなさいっ」パッ

夕美(あああああ、勢いで離しちゃった……)

P(めっちゃいい匂いした)
18 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:39:35.39 ID:Gp6ytkqlo





ひゅるひゅるひゅる――どぉんっ。


P「なぁ、夕美」

夕美「うん?」

P「さっき花火をさ、たくさんの花で例えたよな」

夕美「うん」

P「夕美だったら、花火にどんな花言葉をつける?」

夕美「うーんと……あっ、Pさんだったらっ?」

P「え。夕美のを聞いてから考えようと思ったのに。
  そうだなぁ、『君の横顔』とかどうでしょう。」

夕美「素敵だけど……なんでそんなに雰囲気出して言うの?」

P「私は花火を見ている君の横顔につい見とれてしまうのです」
19 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:40:20.12 ID:Gp6ytkqlo

夕美「Pさん、からかってるでしょ!」

P「はい」

夕美「ぷいっ」

P「ごめん、ごめん」

夕美「……Pさんは、私にもちゃんと見とれてくれる?」

P「えっ」

夕美「えっとね、私の思う花火の花言葉は……」



―どぉんっ。



夕美「あなたと見れて嬉しいっ!」ニコッ



P「……」

夕美「ねぇ、どうかな?」

P「……いいんじゃないかな」

夕美「やったー」

P(……息が止まるかと思った、無自覚クリティカル怖い)
20 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:41:12.88 ID:Gp6ytkqlo


――――――
―――


夕美「もうそろそろ、花火もおしまいかな?」

P「いや、最後に大きなやつが残ってるんだ」

夕美「大きなの?」

P「おう、これを夕美に見てほしかったんだ」

『ただいまよりフェニックス花火、カウントダウン開始でございます』

P「来た! あの辺り、よーく見といてな」

夕美「う、うんっ」

『ごー、よん、さん』

P「にー」

夕美「いちっ」
21 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:41:59.34 ID:Gp6ytkqlo


―どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。


夕美「わあっ――」

夕美(音楽に合わせて、花火がいっぱい打ち上がって)

夕美(目の前が全部、全部、花火!!)

夕美(自分の目に入り切らないくらい花火が広がってるっ)

夕美「Pさんっ!すごい、すごいねっ! 夜空にこんなにいっぱいっ」ユサユサ

P「こ、こらこら、ちょっと落ち着いて……」

夕美「あっちこっちで打ち上がって、夜空一面のお花畑みたいっ」

ギュッ

P「よしよし、花火は逃げないから」

夕美「あっ、うん……」


―どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。


P「……」

夕美「……」ギュー
22 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:42:41.30 ID:Gp6ytkqlo

P「夕美、痛い」

夕美「嬉しくって、つい。手、熱いね……」

P「夏だからな」

夕美「Pさん、顔、赤いよっ」

P「花火のせいかな」

夕美「私も赤くなってる? 顔熱くなってきちゃったよ」

P「……」

夕美「でも、今のドキドキしてる気持ち……私は好きだよ。Pさんも同じ気持ちだといいなっ」

P「同じものを見て、感じてるから、きっと同じ気持ちなんじゃないか」

夕美「えへへ。確かにっ!」

P「夕美とこの花火が見れて嬉しいよ」

夕美「私もPさんとこの花火が見れて嬉しいっ」

P「一緒だな」

夕美「だねっ」
23 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:43:11.41 ID:Gp6ytkqlo


―どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。


夕美「花火も、音楽もなんか訴えかけてるみたい」

P「ぐっとくるだろ」

夕美「なんか泣いちゃいそう。心が震える感じ!」

P「祈りの花火だからな、伝えたい気持ちがあるんだろう」

夕美「伝えたい気持ち……」

P「花火をきっかけにして、色んな人の気持ちがつまってるんじゃないかな。
  ここまで圧倒されると、上手く表現できないんだけどさ」

夕美「言わぬが花って言うけど……。やっぱり伝えたいよね、気持ちは……」

P「確かにそうだけど、どした?」

夕美「ううん、なんでもないよっ」

夕美(こんなに顔が緩んじゃうの、私だけじゃないよね? Pさん)

夕美(私にもいつか伝えたい気持ち、あるよっ)
24 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:43:41.76 ID:Gp6ytkqlo


―どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。どぉんっ。


夕美「きれいだったね」

P「うん」

夕美「こんなの見せて貰っちゃったら、絶対に忘れられないよ」

P「うん」

夕美「Pさんに大きな思い出の花、咲かせてもらっちゃった」

P「それは良かった」

夕美「私とPさんだけのお花だからね♪ 大切にして欲しいなっ」
25 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:44:09.64 ID:Gp6ytkqlo





『――以上で、本日の花火大会を終了いたします』

P「終わっちゃったか」

夕美「はぁーっ。すごかったねっ! 私、あんなにいっぱいの花火なんて初めてみたよ♪」

P「喜んでくれたなら、この仕事取ってきたかいがあるよ」

夕美「もちろん! 夏もPさんとの大切な季節になったかも♪」

P「春、夏ときて、全部の季節を制覇しそうだな」

夕美「えへへ。秋も、冬も一緒に楽しんでくれる?」

P「善処します」

夕美「返事が雑だよっ。もうちょっと気持ち込めて欲しいなっ」

P「さて……気合入れていくか」

夕美「えっ。どうしたの?」

P「こっから宿に帰るまでが花火大会です」
26 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:44:47.17 ID:Gp6ytkqlo


――――――
―――


夕美「うわぁ。すごい人混みだねっ」

P「毎年こうなんだよ……宿までなんとか戻らないとだよな」

夕美「これ、駅まで続いてるの?」

P「うん、まさに人の川って感じだ」

夕美「じゃあ、泳いでいかないとだね……」

P「ということで、はい」

夕美「?」

P「このまま行くと確実にはぐれるからな、手つなごう」

夕美「う、うん」ギュッ

夕美(今日ずっとPさんからだ)

夕美(私からいくと上手くいかないのに……)

夕美(……ずるいなぁ)
27 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:45:37.83 ID:Gp6ytkqlo

P「しばらく人混みの中を歩くけど、大丈夫そう?」

夕美「うん……。ねぇ、Pさん」

P「どうした?」

夕美「花火、あんなに綺麗だったのに、終わっちゃって、消えちゃったんだって思うと寂しいね」

P「さっきまであんなにはしゃいでたのに」

夕美「こ、こういうのは急に来るのっ」

夕美(それに落ち着いたら、いやでも意識しちゃうよ)

P「そうしたら、また来年も一緒に来よう。消えちゃうからこそまた今度もって思えるんじゃないかな」

夕美「えっ、Pさん、私でいいの……?」

P「夕美と一緒だと楽しいからな。……もちろんお仕事でだぞ?」

夕美「わぁっ。いい、それでもいいよっ! 来年、絶対に一緒に来ようねっ」

P「あははは、しっとりなイメージが一瞬でどこかへ行ったな」

夕美「だって、だって……」ギュー

P「夕美、手が痛い、痛い」
28 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:46:04.71 ID:Gp6ytkqlo

夕美「えへへ。Pさん、この手を離さないでねっ」

P「もちろん。ぶつからないように気をつけろよー」

夕美(また来年もあのステージに立って、また一緒に花火が見たいな)

夕美(同じ気持ちでいてくれることが嬉しくて、嬉しくて)

夕美「……言わぬが花じゃダメだよね」

夕美(2人っきりの時間も、もうすぐ終わっちゃう)

夕美(気持ち伝えるために何かしなくちゃっ、あっ、でも何したらいいんだろうっ)
29 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:47:05.48 ID:Gp6ytkqlo





P「やっと宿まで戻ってこれた……花火はすごいんだけどな、これはしんどい」

夕美「……」

P「夕美?」

夕美(あああああ、何にも思いつかなった……)

夕美「あ、えっと、その……これからPさんのお部屋行ってもいい?」

P「えっ」

夕美(や、やっちゃったああ……でも、もう引き返せないよっ)

夕美「だから、その……もうちょっと一緒にいたいなって」

夕美「その、もう子どもじゃないから夜更かしだってできるし!」

夕美「今日のステージの反省会もしてないし!!」

P「ゆ、夕美、ちょっと落ち着いて」

夕美「Pさんにこんなに近づけたの初めてだから嬉しくって」

P「う、うん」

夕美「それにね……私、もう1個だけ、花火の花言葉、思いついたよ」

夕美「『口実』ってのはどうかなっ」

P「……」

夕美「……」ドキドキ

P「しょうがないなぁ……こっちおいで」

夕美「やったっ」


バタン
30 : ◆tues0FtkhQ [saga]:2017/08/19(土) 22:47:34.73 ID:Gp6ytkqlo

おしまい。
このSSは、夕美ちゃんと新潟の長岡花火をダイマしています。
夕美ちゃんかわいい、やったぜ。
31 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 00:12:39.78 ID:9AStsFAk0
乙です。
夕美ちゃんと藍子はパッションの良心。
可愛い。
32 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします :2017/08/20(日) 02:33:24.21 ID:5JdD5m7VO
素晴らしい!
過去の作品とかあったら教えてほしい
33 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 02:41:37.62 ID:QCGzVTyEo
天使かよ
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