卯月「拝啓、忌まわしき過去に告ぐ絶縁の詩」【偶像喰種・外伝完結編】

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1 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/08/19(土) 21:34:52.78 ID:YaYYfmrb0


ごめんなさい。


止めに来てくれて…ありがとうございます。




でも……





なにも出来ないのは、もう嫌なの






SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1503146092
2 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/08/19(土) 21:37:50.57 ID:YaYYfmrb0

偶像喰種346サイドの完結編です。
たぶん、このスレで話が終わると思います。

グロテスク描写は省いていく予定ですが、
それでもアイドルの死亡シーン等ショッキングな展開がありますのでご注意ください。

前作
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1484053883/
3 : ◆AyvLkOoV8s [sage]:2017/08/20(日) 00:55:34.32 ID:0nnYzKIl0
追伸。
スレ立て予定より1週間くらい遅れてごめんね
4 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/08/20(日) 03:01:13.45 ID:mDkDHtVEO
待ってたぞ
5 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/08/20(日) 22:54:49.84 ID:0nnYzKIl0

――――――――――――――――――――


凛(――普通に勉強して)

凛(――普通に就職して)

凛(――普通に人間ごっこをして)


凛(――借り物の戸籍でどこまで行けるか分かんないけど)

凛(――何も難しい事はない。普通に生きればいいんだから)

凛(――いつか、殺されるまで)


凛(――半年前までの私なら、そう思っていた)


凛(――そして今は)

凛(――全力で歌って)

凛(――全力で踊って)

凛(――全力で輝いて見せるって)


凛(――そう決めて、全力でアイドルをやってる)



凛(――いつか、殺されるまで)



凛(――踏み壊されるその瞬間まで、精一杯輝き続ける光のように)

凛(――私は、舞台の上に立っていたいと思っていた)



凛(――でも、蘭子はそれを)


凛(――『呪い』だと言った)


――――――――――――――――――――
6 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/08/20(日) 22:55:36.03 ID:0nnYzKIl0

――――――――――――――――――――


武内P『――この度、企画した「笑顔の橋」の主な形式として……』

P『基本的には、参加する人間と皆さんを含む"喰種"の混合ユニットを作成します』

P『そして同じ舞台で同じ曲を共に歌ってもらうこと、またそれまでのレッスン等を通して両者の親交を深め』

P『それによって完成した共存の形をファンの"喰種"の皆さんに見てもらうことで』

P『人間と"喰種"の相互理解の形を知ってもらうことが目的となっています』

P『これらの企画は、神崎さんの意志から始まりました』

P『……神崎さん。皆さんにも、貴女の主張を伝えてください』


蘭子『うむ。感謝するわ、我が友』



蘭子『――この「儀式」は、我が僕たちを、同胞たちを「呪い」から解放せんとするものよ』

蘭子『我が右方の翼はいずれ射られ堕ち往く運命』

蘭子『そして左方の翼のみがエデンの飛翔を許される』

蘭子『我が右の同胞たちは、いずれ訪れる十二時の鐘を疑わず踊り続ける……』


蘭子『――否!!』
7 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/08/20(日) 22:56:15.01 ID:0nnYzKIl0


蘭子『我らが翼は、地に堕つる門へとつながってはいない!!』

蘭子『ヒトに射られる為に私達は飛んでるんじゃない!』

蘭子『"喰種"だから、いつかは殺されて死ぬだなんて、そんなの……』


蘭子『そんなの、当たり前みたいに受け入れないでっ!』



蘭子『私、わかるもん! こっちから話しかけたら、分かってくれる人はたくさんいるもん!』

蘭子『飛鳥ちゃんだって、美穂ちゃんだって、芳乃ちゃんだって……』

蘭子『私達が"喰種"だからって、ちゃんと変わらずに受け入れてくれるって分かるもん……!』


蘭子『だから、皆ももっと人間のみんなを見てよ……!』

蘭子『このライブで、プロデューサーが作ってくれた舞台で……!』

蘭子『一緒に踊って、ファンのみんなを笑顔にするステージを作って……』

蘭子『そしたら、わかるはずだもん……!!』


蘭子『人間も"喰種"も、何にも変わらないって……!!』

蘭子『菜々さんは殺されて当たり前なんかじゃないんだって……!!』


――――――――――――――――――――


凛(――終わりの方には、涙でぐしゃぐしゃになっていた蘭子の訴えで)

凛(――私達はまた、揺らぎ始めた)

凛(――ずっとずっと、当たり前、これだけは仕方ないって思っていたことが)

凛(――あんなに必死になって否定されたのだから)
8 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/08/20(日) 22:57:12.46 ID:0nnYzKIl0

凛(――そして、蘭子が間違ってないって証明したくて)

凛(――あの後すぐに動いた子がいた)



『――うん』

『そうだよね、らんらん』

『私も、そう思う。受け入れてくれる人は、ちゃんといるよ』



凛(――そう言った翌日に―――――)


『…美嘉姉の話を聞いてさ。ずっと、納得できなくて』

『どうしようか迷ってたんだけど、らんらんの話を聞いてやっと踏ん切りがついたんだ』

『ほら、皆』


『受け入れてくれる人は、ちゃんといたよ』



未央『ね、茜ちん!』



凛(――未央が)

凛(――あっさりと、垣根の一つを飛び越えてしまった)
9 : ◆AyvLkOoV8s [saga]:2017/08/20(日) 22:58:43.23 ID:0nnYzKIl0

凛(――流石に、蘭子の訴えから自分の正体をバラしちゃう子が出たのは予想外だったのか)

凛(――未央のあまりの行動力に、プロデューサーがすごく慌てていたのを覚えてる)

凛(――あれだけ狼狽えてたのは……プロデューサーには悪いけど、ちょっと面白かった)


P『こっ……今回は、日野さんが本当に"喰種"を受け入れられる方であり問題は発生しませんでしたが』

P『やはり、隣にいる仲間が"喰種"だった時のショックは…人によって簡単に計り知れるものではないと思います』

P『ですので、これからは皆さんの安全を確実に守るため、これ以上の人間の皆さんへの秘密の暴露を禁止します』


P『……………………せめて』


P『……せめて舞台に立つまでに、隣に立って歌う方に十分触れて、その方を理解するまで』

P『待ってはいただけませんか……』


凛(――プロデューサーの必死な訴えが効いたのか、それとも)


杏『杏も今は正体バラすのやめといた方がいいと思う』

杏『人間よりの生活してた未央ちゃんだから判別出来たことだし』

杏『今、杏たちが同じことやって即通報ルートって危険性はゼロじゃないしね』

杏『少なくとも今はやめとこ。うん』

杏『いや、未央ちゃんはバラしていいって話じゃないからね』

杏『未央ちゃんもこれ以上はやめてね?』


凛(――めずらしく慌ててた杏の制止が効いたのか)

凛(――それ以上、人間に直接正体を明かす子は出なかった)


凛(――私も……まだ、未央みたいに一線を飛び越える度胸はなくて)

凛(――奈緒にも加蓮にも、私が"喰種"だってことは言えてない)
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