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叔母「今日からもココに住んで」男「ラブホテルですね」
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1 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 19:01:33.73 ID:/Csgie4PO
学校 放課後
男「さようなら、先生」
「あら。男くん、今日も遅くまで委員長のお仕事?」
男「はい。早急に済ませておきたいことがあって」
「頑張ってるわねー、うちのクラスの生徒も見習ってほしいわ〜」
「オイこら! 待てって!」ダダダダ
「ギャハハハ! ウェーイ!」ダダダダ
「──コラァー!! 廊下は走らない! 危ないでしょう!」
男「えっと。それじゃあ先生、これで」
「まったくもお。あ、うん、男君はあんな風になっちゃ駄目よ?」フリフリ
男「……」ペコリ
男(あんな風にか。でも自分を客観的に見るのは難しいと思う)スタスタ
男(けれど周りから『頑張ってるね』と言われる内は、うまくやれているんだろう)
男「うん…そう思おう…」グッ
スタスタ ガタゴトン プシュー
ガヤガヤ ガヤガヤ
男「けれど…」スッ
〜スィートランド・ラブホテル〜
男(ラブホテルに住んでる時点でアウトだよなぁ……)シミジミ
SSWiki :
http://ss.vip2ch.com/jmp/1502618493
2 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/13(日) 19:05:41.54 ID:/Csgie4PO
前作↓
叔母「今日からココに住んで」男「ラブホテルで?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1464445806/
3 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 19:12:35.45 ID:/Csgie4PO
〜ラブホテル・44号室〜
叔母「唐突だけど、今度この部屋を改装します」
男「………」ピタ
叔母「いただきます」パシン
男「え? それ初耳なんですが。え、改装? え、いつ?」
叔母「一週間後ぐらい?」モグモグ
男「何故もっと早く言ってくれないんですが…」
叔母「大丈夫。色々曰くつきでも絶対にやってくれる改装業者だから、安心して」
男(なにそれ逆に怖い……)
叔母「気になるなら部屋の整理手伝うけど」
男「あっ、いえいえ! 居候の身ですし、自分の身の回りぐらいはどうにかしますって」
叔母「ふーん…」モグモグ
叔母「でも、私もきっと暇だろうし手伝えることがあるなら、」
男「ぜんぜん大丈夫です!」ペカー
叔母「……。君がそういうのなら別にいいけど」モグモグ…
男「自分のことは自分でしますよ」ニコ
叔母「そっか……」モグゥ
4 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 19:14:11.56 ID:/Csgie4PO
ガチャ!
受付「──やっほー! 今日も今日とてご飯食べきたよー!」
男「ハイハイ用意してますよ、っていうか大丈夫なんですか、このままで」
受付「いただきまーす! ほぁん? どったの急に?」モグモグ
男「一週間後、俺ここから居なくなるんでご飯ないですよ」
受付「ああ。改装ね、そんときゃ巫女ん家にお世話なるよ。てか、準備とか手伝おっか?」
叔母「………」フフッ
男「え、手伝ってもらってもいいんですか?」
叔母(──アレッ!?)バッ
男「助かりますよ、色々と」
受付「どんとお姉さんにおまかせよ」ニッ
叔母(お、男くん…私には頼らないで、受付には頼るの…?)ワナワナ
男「実は冷蔵庫を運ぶ方法に困ってたんですよねぇ」キャッキャッ
受付「コラコラ。なぁに重たいの持たせようとしてるのかな〜?」キャッキャッ
叔母(しかも楽しそうに計画してる…)ブルブル
男「今週の飯のお代がまだですから。ツケるぐらいなら身体で払ってください」
受付「ぐっ…うまく使うじゃない、お姉さんのことを…!」
男「嫌なら月イチで借用書作りますけど」
受付「淡々と怖いこといったなあ!? ウチはもっと穏やかな関係性で居たいのに!」
5 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 19:15:37.99 ID:/Csgie4PO
叔母(するい…私も手伝ったり、楽しい会話したい…)ソワワッ
男「それは貴女次第です。今の手持ちは?」
受付「まったくアリマセン!」
男「じゃあ荷物整理で。お話はこれで終わりです」モグモグ
受付「ウチとキミとの繋がりはお金だけなのかい!?」
男「どーせ無駄遣いしたんでしょう。知ってるんですよ、ケータイ新しくしたの」モグ
受付「何故ソレを…目敏いな…」
受付「あ! でもでもぉ、お姉さん今すぐにって話ならぁ身体で払うのもやぶさか無いヨ?」チラ
男「………」モグモグ
受付「サラッと無視するのやめて?」
男「叔母さんお代わりいりますか?」ニコ
受付「ウチのお話きいてあげて!」ヤダーッッ
叔母「……………」
男「叔母さん? どうしたんですか?」
叔母「そういえば私、ココのご飯代払ってないけど…」
男「え! 結構ですよ! 叔母さんにからはいただきません!」
叔母「いやちゃんとそこは…」
男「大丈夫です! 叔母さんには大変お世話になってるんですから!」ペカー
叔母(なんてまぶしい信頼度…)ウッ
6 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 19:21:50.39 ID:/Csgie4PO
受付「……」じぃー
受付「最近、オーナーに対して優しすぎない? あとウチに冷たくない?」
叔母(お…)ソワ
男「そ、そうですか? 特に態度変えたつもりは…」
叔母「実は私も思っていた」キリッ
男「叔母さんも!?」
受付「ほらご本人登場じゃん」
男「え、でも…お世話になってる人に対して気を使うのは普通じゃ…」
叔母「私はもっと頼って欲しいよ、男くん」
男「叔母さん…」
受付「お姉ちゃんはもっと優しくして欲しいなぁって!」
男「ちょっと今は黙ってて」
受付(ホント冷たい…)シクシク
男「俺は十分頼ってると思うんですが…立場的に…」
叔母「いや、もっとさ、キミ個人の問題で困ったこと、あるだろう?」チラチラ
男「困ったこと…個人の問題…」
叔母「…」ドキドキ
7 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 19:24:43.21 ID:/Csgie4PO
男「ああ、確かに。俺は家族として言わないと駄目なコトがありました」
叔母(男くん…! そうとも君はもっと頼っていい。私をこき使っていいんだ…!)
男「叔母さん…」ニコ
叔母「ハイ!」
男「──ちゃんと服を着て下さい」スッ
叔母「……………」(ブラ&パンツ)
受付(今まで言わんかったケド、この人、素で露出っ気あるよね)ヒソヒソ
男(シッ! 家族として優しく諭すんですよ、あと貴女の格好も相当だから)ヒソヒソ
叔母「ハイ、ゴメンナサイ」ドンヨリ
次の日 44号室
男「よっこら、しょっと。ふぅー…」ストン
受付「あれ? ねえ男くん、アレ知らなーい?」オーイ
男「あ、はい! ガムテープですか? それともダンボール?」
受付「いや、エロ本だけど」
男「働いて?」
受付「まさか一冊も無いの…?」
男「あっても教えないよ…」
受付「えーっ! 今日はコレだけを楽しみにしてたのに、ガッカリだよお姉さん!」
男「勝手にガッカリしてて下さい」ガサゴソ
受付「冷たいんだから、もー」スタスタ
8 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 19:25:54.81 ID:/Csgie4PO
受付(あ。そうだ、客の忘れモンのエロ本隠して驚かしたろ)ニシシ
受付(確か、階段踊り場に纏めて置いてたハズ──)チラ
叔母「………」ズモモモモ
受付「──なにやってんスか、オーナー……?」ビクッ
叔母「う、受付っ!」ビク
受付「えっと、なんスか、下は暇なんスか? だったらコッチ手伝って下さいよ」
叔母「くッ…そう簡単にはいかないから困ってるんだ…ッ!」グッ
受付(なに言ってんだこの人)
叔母「私のことは気にしなくていい…好きに男くんに使われろ…」ゾモモ
受付「そりゃ終わるまでは好きに使われるつもりですけど…」
受付「あの。先に言っておきますケド、──お金はちゃんと払いましたからね?」
叔母「え?」
受付「飯代ッスよ、飯代」
受付「ウチこんなんですけど、金に関しては結構キビシイほうなんで」ポリポリ
受付「事故で携帯壊しちゃって、それで彼に飯の支払い遅れてたんですよ」
叔母「……」
受付「──ま、だらしなさで誤魔化そうとしたら、くっく、どうやらバレてたッスけど」クス
9 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 19:26:44.02 ID:/Csgie4PO
受付「だから友達に金借りて払いました、今回の手伝いは……利子払いってコトで」
叔母「……羨ましい……」ズモモモモモモモ
受付「なんて?」
叔母「じゃあ、なんだ、お前はなんの罪もなく彼の手伝いをしてるのか…!?」
受付「そこまで殺伐した関係じゃないッスけど!?」
叔母「どうしてお前だけ…」サメザメ
受付(そういやこの人。昨日も様子が変だったな…いつも以上に…)
受付「なにか問題でもあるんスか、彼の引っ越しに」
叔母「ぇ、引っ越し?」
受付「いや、だって、引っ越しデショ? 改装するなら住む部屋が無いと」
叔母「………あっ」
受付「えっ!? もしかして引越し先を考えてあげてないの!?」
叔母「じゃあ今、彼はどこに荷物を運んでるんだ……?」
受付「ウチが知るわけねーデショ! ちょっ、男くーん!?」
ハーイ
受付「どこにいるの!? ていうか何処に荷物を運んでるのさー!?」ダダッ
叔母(……ぉ、ぉぉ……)ブルブルブル
ガックシ
10 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
[sage]:2017/08/13(日) 19:34:06.16 ID:LQKyE8hmO
舞ってた!
11 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 19:36:43.22 ID:/Csgie4PO
叔母(私は、なんて情けない叔母だ…彼のために何もやれやしない…)ギュッ
叔母「……心を、決めねばならぬッ」キッ
〜〜〜
男「確かに改装中は住む場所どこかなって、思ってましたけど…」
受付「地下の用具入れスペースに、荷物を押し込んでる姿は…ウチでも切なくなったよ…」グス
叔母「……男くん。私は決めました」
男「は、はい? なにをですか?」
叔母「私はかれこれ、君の住む場所を有耶無耶にしてきたと思う」
男「今さらですね本当に…」
叔母「でも、今日でそれは終わりなんだ」
叔母「──一緒に住もう。私と一緒に、同じ部屋で」
男「それは、つまり叔母さんの部屋で…?」
叔母「そうともさ…」キラキラ
男「あそこでかぁ〜…」ウーン
叔母「そういうと思った!」
叔母「なので私は、この一週間をかけて部屋の掃除をしておきます!」
男「モロモロ無理だと思います」フリフリ
受付「無理ッスよ」コクコク
叔母「私は折れない! 覚悟を決めたのだ、男くんの保護者として鉄壁たる志をな!」
12 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 19:38:47.28 ID:/Csgie4PO
男(叔母さんの様子おかしくありません…?)ヒソヒソ
受付(いつも以上よね…)ヒソヒソ
叔母「さらば。過去のだらしない私……」スッ キラキラ…
男「提案はとても嬉しいですけど…でも…」
受付「ラブホとオーナーの部屋、けっこう距離あるッスよ?」
男「そうですよね。それに部屋の掃除と荷物運びが同時期になりますし」
叔母「……」
受付「人居ないのにこれ以上仕事増える選択する必要あります?」
男「ケル君もまだ帰ってこないし…」
叔母「…うん…」コク
受付「むしろラブホの従業員増やしましょーよ、全然足りて無いッス」
男「俺の心配よりこっちが大丈夫なんですか、ここの営業方針…?」
叔母「……ん……」コクコク
男(静かになっちゃった……)
受付「しゃーない、もうウチに住めば?」
男「でも、どっこいどっこいでしょ?」
受付「フフーン! 巫女がこの前に遊び来て片付けたのだよ。めっちゃキレイ、ビビるぐらい」
男「そ、そうなんですか? でも荷物とかあるし…」
受付「ミコに頼めば喜々としてやってくれると思う。十代の荷物って単語だけで」
男(意味がわからない…)
13 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 20:02:18.47 ID:/Csgie4PO
受付「てーことで、オーナー。そんな感じに勧めてオッケーッスか」
叔母「ソレデイイヨ」
受付「声ちっさッ!?」
男「自分も周りの負担が少なく済む方がいいと思いますけど…」チラチラ
叔母「…ハイ…」トボトボ…
受付「ん〜…? 今日のあん人、マジでどうしちゃったワケ?」ポリポリ
男「………」
〜叔母宅〜
叔母(お腹減った)グゥー
叔母(引越し準備中に出向くのは気が引けるし、なにより、当初の目的であったお手伝いを放棄してる今…)
叔母「むしろ最初より状況が酷くなってる気がする…空回りしてばっかりだ…」
ゴロン
叔母(私はただ、彼の手助けをできれば良いだけなのに)
叔母「…相変わらず、わがままだな」
prrrrr
叔母「む…もしもし…?」ムクリ
『ハロー! まだワタシの妹ちゃん、元気してる?』
叔母「お義姉さん…お久しぶりです…」
『あん? どうしたよ寂しそうな声しやがって、欲求不満か?』
叔母「間違っちゃいないですね…」
14 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 20:14:57.91 ID:/Csgie4PO
『カカッ! 暇なら男作れよ、ラブホばっかりかまかけてないで外で歩いてみろって!』
叔母「男…」
『そーそー。なんなら、上流階級の頭空っぽ野郎ども紹介してやるけど?』
叔母「それはそれで、楽しそうですね」
『おっぱいポロリするだけで金落としてくれるから、妹ちゃんなら稼ぎ放題だぜ』
叔母「ははは。それはいい…」
『ん。まァ、そーいうこと言ってっと息子に怒られそうだから、ナイショな今の話』
叔母「え? 彼がなぜ怒るんです?」
『あん? そりゃアイツが妹ちゃんにお熱上げてるからだろ』
叔母「………」
叔母「……ほ、ほんとに?」
『……………。何、今のガチっぽい感じ…』
叔母「んぇっ!? いやいやいやっ!? そちらの気のせいだと思いますが!?」ビックゥウウ
『まさかアンタ手ぇ出してないよね…? ウチの息子に…?』
叔母「バッ、ちょっ、馬鹿だな義姉さんーッ!? なわけないでしょーッ!?」ダラダラダラダラ
『そういうテンションの妹ちゃん初めてなんだけど……』
15 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 20:26:08.50 ID:/Csgie4PO
叔母「こ、こういう態度の時もたまにはあります…!」
『じゃあタイミング考えてね…お義姉さんもう年だし、すごいびっくりするから…』
叔母「コホン。それで久しぶりの電話ですけど、何用ですか?」
『ああ、息子のこと』
『離婚裁判。勝っちった、って伝えておいて。当分、日本で暮らせるよってさ』
叔母「……」
叔母「おめでとうございます、お義姉さん」ペコ
『おうよ。今、一人で祝杯あげてる。ワイン二本目』
叔母「寂しそうですね…」
『まったくだ。一人になるための裁判だってぇのに、いざ独りになりゃ惨めなモンだな!』クック
叔母「今度お邪魔しますよ、いい酒残しておいて下さい」
『うむ。その時、妹ちゃんのことなんて呼べばいいかね?』
叔母「そうですねー…」
『息子の彼女?』
叔母「えっ! んえーっ!? ちょっ、そーいうのはやめてくださいよぉ〜」テレテレ
『…………………………………………』
叔母「じょ、冗談ですから! 今のも!」ダラダラダラダラ
『なんか怖いよ、今の妹ちゃん……』
叔母(私自身もヤバイと思ってる……)ダラダラ
『と、とりあえずさ、うん、まー息子のこと頼んだわ。……ムスコって意味じゃないよ?』
16 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 20:41:47.80 ID:/Csgie4PO
叔母「わかってますってば!」カァー
『くっく、元気になったねえ妹ちゃん。良いことだ、良いことだ』クスクス
叔母(からかわれていたのか…っ)ぐす
『じゃあとは宜しく。色々やること終わってまあ暇だし、仕事の合間にでも一回そっち行くわ』
叔母「え? こ、これるんですか?」
『おうとも』
叔母「楽しみにしてます。ぜひ、いらして下さい」
『カッカ! おう!』
ピッ
叔母「……。うん、いい話を聞けた、とってもいい話だった」
グッ パタン
叔母(彼の周りがどんどん幸せになっていく。どんどん住みやすくなっていく)
叔母(──あぁ、そう、私は彼をサポートするべくして家族になった)
だから彼を支え、認められ、私も満足できる。
叔母「きっとこれが幸せってコトなんだろうなぁ…」シミジミ
叔母「……」
叔母(お酒飲みたくなってきた、飲もう)ゴロン
〜〜〜
17 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 20:52:44.33 ID:/Csgie4PO
男(──よし、準備はちゃんとしてる。後は鳴らすだけだ)スッ
ピンポーン
男「……」
ガチャ
叔母「ん〜…」ボリボリ
男「叔母さん、こんばんわ。夜分遅くにすみません」ペコリ
叔母「……」じぃー
叔母「え? あ、うん。男くん? アレ? なんでここに…うん…?」グラグラ
男「実は今日は晩御飯を作ろうかと思って──叔母さん?」
叔母「ん〜〜〜ッ…」
叔母「──ああ、そっか。これ夢なのかな、うんうん、キミと会いた過ぎて…見た夢なんだ…」キィ
男「ちょっと大丈夫ですか!? さっきからフラフラとして…!」バッ
叔母「おっ? えへへー」ムギュー
男「おっぷ!?」ぽふっ
叔母「んん〜〜〜〜」ナデナデナデナデ
男「ぉおぉおぅむぉおうっ!?」ぐりんぐりんぐりんぐりん
叔母「つーかまーえた☆」ぐいっ
男「うわぁっ!?」
きぃ パタン!
18 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 21:04:08.91 ID:/Csgie4PO
叔母「んんーー……髪の毛いい匂い、ホテルのシャンプー使ってないなぁキミ」クンクン
男「ちょ、ちょっと!? 叔母さ、んっ!?」
叔母「むちゅう〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ」ジュボボボボボボボ
男「ぐぁー! 頬が喰われるー!」ギャー
ジュボッ!
叔母「あはは! 頬は食べないよ! んふふ!」デレー
男「…!? …!!!? お、叔母さん一体どうしちゃったんですか…!?」ビクビク
叔母「好き」
男「はいッ!?」
叔母「好きだよ、男くん。だーいすきぃ〜…」ちゅっ
男「ちょっ、待って、叔母さッ! んむぅ!?」
叔母「ん、んっ、んー!」ちゅっちゅっ
男「──痛いッ! 頬に歯が当たって凄く痛い! やめて…! 本当にやめてください!」バッ
叔母「えぇ〜…」シュン
男(ぐッ、この匂い! もしやお酒を飲んで…にしても叔母さんが酔うことなんてそうそう…)チラ
【お酒の空き缶】?五本以上 カランコローン
男「洒落にならないぐらい飲んでる!!」
叔母「うッぷ…」ビクン
男「おわーっ!? 駄目…! ここで吐いちゃ、だ…ッ! ───あ……」
19 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 21:13:53.20 ID:/Csgie4PO
一時間後
叔母「ずびばべん…でびば…」ズビー
男「大人しく寝てて下さい…謝罪は明日でも良いですから…」ぽんぽん
叔母「ごべんね…叔母さん、本当にどうしようもなくって…」ボロボロ
男(泣き上戸…)
男「良いですよ、構いません。もうキ…キス…なんて前にしちゃってますから」テレ
叔母「二回も奪ってごべん…」
男「二回目はノーカンです、ノーカン。お互い、そういうことにしときましょう」
叔母「……。おとこくん、超大人…」グス
男「褒めてます?」
叔母「そういうこと好き…」
男(ああ、酔っぱらいに会話求めても駄目だな…)
男「叔母さん。寝たままでいいですから聞いててください、俺の話を」
叔母「………」コク
男「ずっと言いたかったことがあったんです。けれど機会がなくて言えなくて、だから今言っておきますね」
叔母「……?」
男「俺、いつかラブホテルを出ようと思います」
叔母「だべぇー!!」バッ
男「寝てて」ぐぃ
叔母「ぐぇッ」ぽすんっ
20 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 21:28:34.47 ID:/Csgie4PO
男「……。酔ってる貴女に宣言する自分は、とっても卑怯だと思うし意気地なしだと思います」
叔母「男くん…居なくなっちゃヤダ…」
男「………」
男「駄目です。俺はいつか、俺自身の頑張りでラブホテルを出たいんです」
男「数ヶ月、ここで過ごして──変わりたい、もっと自分らしく生きようと思えるようになりました」
叔母「………」
男「それは悪いことでしょうか? 駄目なことでしょうか? …俺にはわかりません、けれど…」
男「そう思えたことを俺は誇りに思いたい」
叔母「…男くん…」
男「貴女のお陰です。有難うございます、本当に…本当に…ありがとうと、貴女に伝えたかった…」
ギュッ
男「叔母さん。俺はきっと、あのラブホテルが好きなんです。絶対に絶対に離れたくないんだと思います」
男「でも…」
叔母「……?」
男「……いえ」
男「──これは言わないでおきます。多分、叔母さんには言えない、かな」
叔母「どうして…?」
男「そりゃあ勿論、あれです。男の意地ってやつです、意地っ張りってやつです」
男「言ったら色々と終わっちゃうというか、頑張りがなくなるというか、…そんな感じなんです」ニコ
叔母「…そっか」
21 :
以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします
:2017/08/13(日) 21:33:08.60 ID:/Csgie4PO
叔母「なら私は…応援するだけだよ、キミの頑張りを心から支えるだけだ…」ムクリ
男「はい」
叔母「ずっと変わらない。今も昔も、君だけを見てるよ」
男「…ありがとうございます」
叔母「男くん」
男「…」コク
叔母「頑張って。応援してる、…いつか君が君だけの意思で飛び出せる日まで…ずっと…」クタァ
ぎゅっ
叔母「──愛してるからね…」
男「……」ブルッ
パタリ…
叔母「すー…すー…」
男「…俺もです、叔母さん」
〜次の日〜
叔母「すみませんでした」ドゲザー
男「お決まりになってません、それ?」
叔母「まったくもうどうしようもない叔母でスミマセン!」
男「い、良いですってば! 確かにこの部屋で寝るのは大変でしたけど…」
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