ダイヤ「貴女と選んだ」千歌「道の先で」

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62 : ◆tdNJrUZxQg [saga]:2017/09/03(日) 07:09:58.85 ID:TCQYYDI0o
>>61 訂正





──次の日の放課後。

いつも通り、放課後生徒会室でルビィを待っているときでした。


ルビィ「お姉ちゃん」

ダイヤ「ルビィ、遅かったわね。仕事、始めましょう?」

ルビィ「その前にね、ちょっと」

ダイヤ「え?」

ルビィ「……生徒会に推薦したい人がいるんだけど」

ダイヤ「推薦……誰ですか?」

ルビィ「……入ってきて」


ルビィの声で一人の少女が生徒会室に姿を現した。


花丸「国木田花丸です。」

ルビィ「……これからは花丸ちゃんにも手伝ってもらって生徒会を執行していこうと思うんだ。そのお姉ちゃん……いい?」

ダイヤ「……」


わたくしはゆっくりと天井を一度仰ぎ見てから、花丸さん、そしてルビィと順番に顔を見つめてから。


ダイヤ「……もう間もなく、わたくしは引退ですから、貴方たちで決めてこの学校を牽引してくださいませ。」

ルビィ「はい」

花丸「……はい!」


凛としたルビィの返事と、誠実で力強い花丸さんの返事が、静かな冬の生徒会室の中を反響しました。





    *    *    *
63 : ◆tdNJrUZxQg [saga]:2017/09/03(日) 07:11:59.17 ID:TCQYYDI0o





千歌「そういえばさ」

ダイヤ「なんですか?」

千歌「あれ……結局どうなったの?」


千歌さんが両の手の親指を人差し指を使って、長方形のような形をなぞる。


ダイヤ「……ああ、あれ」


あの日届いた、わたくしの名前だけではなくなった便箋。

ルビィへのお見合いの申し込み。


ダイヤ「一先ず、高校を卒業するまでは断るみたいですわ。」

千歌「そっか。……ちなみにそれって、ダイヤさんにもまだ来るの?」

ダイヤ「まあ、一応……中身を開けてもいないのですが……。」


それこそ、見る意味もないし。


千歌「そっか」

ダイヤ「ええ」

千歌「ルビィちゃん、まだ心配?」

ダイヤ「……心配じゃなくなることなんて、一生ありませんよ。姉は死ぬまで妹を心配する生き物ですから。」

千歌「大変だね、お姉ちゃんって……。妹でよかったよ。」

ダイヤ「別に妹が姉を心配してもいいんですのよ?」

千歌「別に姉に対して、心配なことが何もないわけじゃないけど……」

ダイヤ「じゃあ、それと同じよ」

千歌「そっか」

ダイヤ「ただ……」

千歌「?」

ダイヤ「今は断わりこそするみたいですが、ルビィ本人としては実は、少し楽しみらしいのよ」

千歌「え?お見合いが?」

ダイヤ「『ルビィはまだ恋をしたことがないから、わからないけど。もしかしたら、そういう相手との出会いの機会なのかもしれないから』だそうで」

千歌「まあ、そういう相手ってどこで出会うかわかんないもんだからね」

ダイヤ「確かにそうかもしれないわね……。……でも、それにしたって妹は、姉が思ったよりは遥かに逞しい生き物なのねって、思ってしまったわ。」

千歌「取り越し苦労だったんなら、よかったじゃん」

ダイヤ「これからも一生取り越し苦労をし続けると思うと……」

千歌「お姉ちゃんは大変だね」

ダイヤ「妹も十分大変だと思いますわよ」

千歌「あははっ」

ダイヤ「ふふふっ」


なんだかそのやりとりがおかしくって、二人笑い合う。
64 : ◆tdNJrUZxQg [saga]:2017/09/03(日) 07:13:15.09 ID:TCQYYDI0o


ダイヤ「千歌さん」

千歌「なぁに?」

ダイヤ「わたくしと貴女で選んだ道」


あの日、二人で選んだ道。


ダイヤ「仲間が居てくれたから、選べたこの道」


皆で泣いて怒って、そして祝福してくれた道。


ダイヤ「そして、妹がくれた──選ばせてくれたこの道」


わたくしを──姉を想って、慕って、その先で選ぶことが出来たこの道。


ダイヤ「わたくしと一緒に歩んでくれますか?」

千歌「えへへ……うん! ダイヤさんと一緒ならどこまでも!」


まだ問題は山積みだけれど

一つ一つ解決して進んでいこう。前に向かって。

迷ったときは、二人で手を取りあって、歩んでいく。これまでも、これからも、ただひたすらに未来へ向かって──




<終>
65 : ◆tdNJrUZxQg [saga]:2017/09/03(日) 07:16:28.09 ID:TCQYYDI0o
終わりです。

お目汚し失礼しました。

また何か書きたくなったり来ます。よしなに。


こちら過去作です。よろしければ。


善子「一週間の命」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1495318007/

千歌「――私はある日、恋をした。」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1491711229/

ダイヤ「もう一人の妹?」 ルビィ「もう一人のお姉ちゃん?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1490808858/
66 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 07:40:58.36 ID:zpkdm0AF0
はぁ〜〜〜〜
良き。お疲れ様です。
この世界線のルビィちゃん好きすぎる。
67 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 08:26:54.76 ID:zCfASR6SO
68 :以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします [sage]:2017/09/03(日) 11:44:54.10 ID:rndKjsbmo
うん、なんだろ、よかったとは思うけどあまりセンスを感じられない。よかったとは思うよ
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